JP2006194066A - 換気棟 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防水性能の低下を少なくすることができる換気棟を提供する。
【解決手段】 屋根1の棟部分に設けた屋根開口部2の上方に排気口3を有する換気棟部材4を設ける。換気棟部材4の下側を屋根開口部2から排気口3にまで通じる換気通路5として形成した換気棟に関する。樹脂で形成されるダンパー部材6を換気通路5の途中に立ち上げて設ける。排気口3から換気通路5に所定以上の強風で吹き込む場合に上方に回動して換気通路5を遮断する状態となる可動部7をダンパー部材6に形成する。ダンパー部材6を樹脂で形成しているために、サビが発生することがない。可動部7の回動に際して摺動する部分がない。さらに、ダンパー部材6の弾性力に抗して可動部7を回動させるために、可動部7を吊下げ保持する場合のように防水の必要ない通常の風では可動部7を回動させないようにすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、住宅等の屋根に形成される換気棟に関するものである。
従来より、小屋裏内の湿度を下げて、住宅の耐久性を向上すると共に屋内の熱気や汚れた空気等を排気して換気することを目的として屋根に換気棟を設けることが行なわれている。この換気棟は、屋根の棟部分に屋内空間に通じる屋根開口部を形成すると共にこの屋根開口部の上方を覆うようにして換気棟部材を設けて形成されるものであり、換気棟部材の側面に排気口が形成されている。そして、換気棟部材の下側空間が屋根開口部と排気口とを連通させる排気通路として形成されることによって、屋内の換気が行なわれるものである。
このような換気棟においては換気棟部材の側面に排気口が形成されているために、暴風雨などの時に排気口から屋内に雨水が進入しないように防水対策を施す必要がある。このような防水対策としては、例えば、排気経路を迷路のように複雑な構造(ラビリンス構造)にして雨水の進入を防止するものがあるが(例えば、特許文献1参照)、換気の際の空気の流れに対する抵抗が大きくなって充分な換気が行えなくなり、また、換気棟部材の成形が複雑になって価格が高くなるという問題があった。また、横からの強風に対して強い防水対策として、換気棟部材の上面に排気口を設けたものもあるが、積雪地では雪により排気口が閉塞されたり、埃やゴミが排気口から排気経路に進入して堆積したりして換気が行えなくなるという問題があった。
そこで、排気口から流入する風により可動して排気経路の片側開口を閉塞することにより換気効率を上げるための可動部材を利用して、その付帯的な効果として風に伴って排気経路に進入する雨水を屋内にまで到達させないようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。図6には、上記のような可動部材を備えた屋根1の換気棟の一例を示すものであり、可動部材31の上端を軸部37として換気棟部材30の下面に枢着することによって、可動部材31を吊下げて排気経路32の途中に設けたものである。そして、換気棟部材30と屋根材34との間に形成された排気口33から排気経路32に風が流入することにより、その風圧で可動部材31が上動し、風が流入しない場合は自重により可動部材31が下動するように、可動部材31がその上端を中心として上下回動自在に形成されている。従って、風が排気口33から排気経路32に流入しない場合は可動部材31が鉛直に垂れ下がった状態となり、排気口33と屋根開口部35とが排気経路32を通じて連通状態となって換気を行うことができるものであり、風が排気口33から排気経路32に流入した場合は可動部材31が上方に回動して邪魔板36に当たった状態となり、排気経路32が途中で閉塞されて排気口33と屋根開口部35とが不通状態となって雨水の進入を防止することができるものである。
特開2000−179115号公報 特開2001−90288号公報
しかし、図6に示す従来例では、可動部材31を換気棟部材30に枢着しているために、可動部材31の上端の軸部37が換気棟部材30に対して摺動することになり、経年により軸部37にサビが生じたりゴミが溜まったりして可動部材31が可動しにくくなる場合があった。また、上記従来例では防水上必要がない微風に対しても可動部材31が可動するために軸部37の摩耗が激しく、これによっても可動部材31が可動しにくくなる場合があった。さらに、邪魔板36で跳ね返された風が可動部材31に当たって邪魔板36の反対側に向かって回動することがあり、排水経路32を閉塞することができないこともあった。そして、上記のいずれの場合でも暴風雨の時に、排気口33から排水経路32に進入した雨水が屋根開口部35を通じて屋内に達する場合があり、防水性能が低くなるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、防水性能の低下を少なくすることができる換気棟を提供することを目的とするものである。
本発明の換気棟は、屋根1の棟部分に設けた屋根開口部2の上方に排気口3を有する換気棟部材4を設け、換気棟部材4の下側を屋根開口部2から排気口3にまで通じる換気通路5として形成した換気棟において、樹脂で形成されるダンパー部材6を換気通路5の途中に立ち上げて設け、排気口3から換気通路5に所定以上の強風で吹き込む場合に上方に回動して換気通路5を遮断する状態となる可動部7をダンパー部材6に形成して成ることを特徴とするものである。
本発明にあっては、可動部7を所定以上の強風で吹き込まない場合に屋根面に対して略平行となるように配置することができる。
屋根面に対して略平行に配置した可動部7が排気口3の上縁部よりも上側に位置することが好ましい。
また、本発明にあっては、ダンパー部材6の可動部7を排気口3側に向かって倒れるように回動自在に形成することが好ましい。
また、本発明にあっては、排気口3からの雨水の浸入を防止するための邪魔板9を備えた固定部材10に挟持してダンパー部材6を固定することができる。
また、本発明にあっては、下方に回動したダンパー部材6の可動部7を邪魔板9により支持するのが好ましい。
本発明にあっては、ダンパー部材6に薄肉部8を形成し、薄肉部8よりも先端側を可動部7として形成することができる。
また、本発明にあっては、ダンパー部材6にクリップ状の取付部60を形成し、換気棟部材4を固定するための固定部材10に取付部60を嵌め込んでダンパー部材6を固定部材10に固定することができる。
また、本発明にあっては、取付部60を可動部7よりも硬質に形成することができる。
また、本発明にあっては、取付部60を係止するための係止部61を固定部材10の邪魔板9に設けることができる。
また、本発明にあっては、ダンパー部材6よりも屋根開口部2側において、換気通路5にパーテーション部11を設けることができる。
本発明にあっては、ダンパー部材6を樹脂で形成しているために、サビが発生することがなく、また、ダンパー部材6の一部を可動部7として形成しているために、ダンパー部材6の弾性変形により可動部7を回動させることができ、可動部7の回動に際して摺動する部分がなく、さらに、ダンパー部材6の弾性力に抗して可動部7を回動させるために、可動部7を吊下げ保持する場合のように防水の必要ない通常の風(所定未満の風)では可動部7を回動させないようにすることができ、ダンパー部材6の経年による劣化を少なくすることができるものであり、従って、可動部7の動作不良による防水性能の低下を少なくすることができるものである。また、ダンパー部材6を樹脂(特にゴムの場合)で形成しているために、可動部7が上方に回動して換気通路5を遮断する状態となった時に可動部7を換気棟部材4の下面に密着させて水密性を高くすることができるものである。
また、可動部7を所定以上の強風で吹き込まない場合に屋根面に対して略平行となるように配置することにより、限られた換気棟部材4の寸法の中でできるだけ大きな排気口3の開口面積を確保することができ、換気性能を損なわないようにすることができるものである。
また、本発明にあっては、屋根面に対して略平行に配置した可動部7が排気口3の上縁部よりも上側に位置するので、排気口3から吹き込む強風が可動部7の下面に当たりやすくなって、可動部7を確実に上方へ回動させることができるものである。
また、本発明にあっては、可動部7が排気口3側に向かって倒れるように回動するため、排気口3から強風が吹き込まない通常の状態の時には、可動部7が強風を確実に受けられるような状態、すなわち、可動部7が屋根面に対して略平行となる状態に保持しやすくなるものであり、これにより、排気口3から強風が吹き込んだ場合の可動部7の回動不良を防止することができるものである。
また、本発明にあっては、雨水の浸入を防止するための邪魔板9を備えた固定部材10を利用してダンパー部材6を固定することができ、ダンパー部材6を固定するための部材が別途必要でなく、部品数の増加を抑えて高コスト化を防止することができるものである。
また、本発明にあっては、下方に回動した可動部7を邪魔板9で支持することで、可動部7の劣化を少なくすることができると共に強風を受けやすい状態に可動部7を保持しやすくなって、可動部7の動作不良を防止することができるものである。
また、本発明にあっては、薄肉部8の部分でダンパー部材6を弾性変形させやすくすることができ、可動部7の回動不良を少なくすることができるものである。
また、本発明は、換気棟部材4を固定するための固定部材10にクリップ状の取付部60を嵌め込んでダンパー部材6を固定部材10に固定することで、ダンパー部材6の取り付けを簡単に行うことができるものである。
また、本発明は、取付部60を可動部7よりも硬質に形成することで、ダンパー部材6の形状を硬質の取付部60によって保持することができ、ダンパー部材6の取り付け作業性を高くすることができるものである。
また、本発明は、取付部60を係止するための係止部61を固定部材10の邪魔板9に設けることで、取付部60を係止部61に係止してダンパー部材6を固定部材10に取り付けることができ、ダンパー部材6の取り付けを簡単に行うことができるものである。
また、本発明では、換気通路5にパーテーション部11を設けることで、排気口3から屋根開口部2に至る換気通路5を長くすることができ、防水性能を向上させることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の換気棟は、屋根1の棟部分に換気棟部材4やダンパー部材6などを設けて形成することができる。
換気棟部材4は、塗装鋼板や亜鉛めっき鋼板などの金属板を折曲げ加工などして長尺に形成されるものであって、山形状(断面く字状)に連続する一対の傾斜部15と、各傾斜部15の側端部(互いに連続していない方の端部)の全長に亘って下方に向けて突設された起立部16と、各起立部16の下端の全長に亘って連設された差込み部17とを備えて形成されている。換気棟部材4には両方の傾斜部15の下面に跨るようにして断熱材18が設けられている。この断熱材としてはポリエチレンフォームなどの樹脂発泡体を用いることができる。また、起立部16は各傾斜部15に対して略垂直で突設されており、起立部16を厚み方向で貫通するようにして排気口3が形成されている。排気口3は起立部16の略全長に亘って連続する一の開口であってもよいし、不連続の複数の排気口3を起立部16の長手方向に並べて形成しても良い。差込み部17は折り返し屈曲されて断面略U字状に形成されている。
ダンパー部材6は弾性を有する樹脂材料(ゴムを含む)の成形品で形成されるものであって、樹脂材料としては、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)などの合成ゴム、天然ゴム、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂などを例示することができる。ダンパー部材6は挿入部19と立ち上げ部20と可動部(フラップ)7とを有して断面略コ字状に形成されるものであって、立ち上げ部20の上端と可動部7の基部側端部とは薄肉部8により連結されている。薄肉部8はダンパー部材6の他の部分よりも厚みが薄い部分であり、立ち上げ片20の上端と可動部7の基部側端部の境界部分の下面に窪みを設けることにより形成することができる。そして、可動部7はこの薄肉部8がヒンジとなることによって、立ち上げ片20から上側に突出する状態と挿入部19と略平行になる状態との間で上下回動自在に形成されている。ダンパー部材6は立ち上げ部20あるいは排気口3の長手方向(棟部分の長手方向と平行な方向)の寸法と略同じ長さに形成することができるが、ダンパー部材6は排気口3に対応する位置に設ければよいので、複数の排気口3が不連続に形成されている場合は、排気口3と同等の長さの複数個のダンパー部材6を用いることができる。
上記換気棟部材4及びダンパー部材6は固定部材10により屋根1の棟部分に取り付けて固定することができる。固定部材10は換気棟部材4と同様の金属板(板金)を折曲げ加工などして長尺に形成されるものであって、平板状の下固定片21と、下固定片21の一方の端部(棟側端部)に固定片21に対して略垂直上方に突設された立設片22と、立設片22の上端に立設片22に対して略垂直で軒側に突設された上固定片23と、下固定片21の他方の端部(軒側端部)に折り返し屈曲により形成された挟持片24と、挟持片24の棟側端部に挟持片24に対して略垂直に突設された邪魔板9とを備えて形成されている。邪魔板9の上部は軒方向に向かって略直角に屈曲形成した支持部9aとして形成されている。また、立設片22には通気孔25が形成されている。通気孔25は立設片22の略全長に亘って連続する一の開口であってもよいし、不連続の複数の通気孔25を立設片25の長手方向に並べて形成しても良い。また、上固定片23にはパーテーション部11が設けられている。パーテーション部11は上固定片23に対して略垂直下方に突設されるものであり、上記通気孔25と邪魔板9との間で通気孔25に対向するように形成されている。パーテーション部11は固定部材10の長手方向(棟部分の長手方向と平行な方向)の寸法と略同じ長さに形成することができるが、パーテーション部11は通気孔25に対応する位置に設けらればよいので、複数の通気孔25が不連続に形成されている場合は、通気孔25と同等の長さの複数個のパーテーション部11を形成するようにしてもよい。また、パーテーション部11の下端と下固定片21との間には通気可能な間隙26が形成されている。さらに、固定部材10の長手方向の両端には側壁27が設けられている。側壁27は固定部材10の長手方向の両端を閉塞するためのものであり、固定部材10を換気棟部材4と結合した際に側壁27の先端(軒側端部)は起立部16に達するものである。また、側壁27の邪魔板9の直ぐ棟側には水抜き孔54が形成されており、ダンパー部材6よりも棟側の換気経路5にまで水が進入しても水抜き孔54から排水することができるものである。また、下固定片21の下面には弾性体28が設けられている。
また、本発明では補強金具40を用いることができる。補強金具40は平板状の金具固定片41と金具固定片41の一方の端部(軒側端部)に上方に向かって略直角に屈曲形成した補強片42と、補強片42の上端から軒側に向かって略直角に突設される上当接片43と、上当接片43の軒側端部から下方に向かって略直角に突設される前当接片44とから構成されている。
そして、本発明の換気棟を形成するにあたっては、次のようにして行なう。まず、固定部材10の下固定片21と挟持片24との間にダンパー部材6の挿入部19を差し込むことによって、固定部材10にダンパー部材6を取り付ける。この時、ダンパー部材6の立ち上げ部20は邪魔板9の棟側面に沿って配置されると共にダンパー部材6の可動部7の基部は邪魔板9の支持部9aの上面に当接して配置されるものであり、これにより、ダンパー部材6の薄肉部8は邪魔板9の折曲げ部分(支持部9aの基端部)に位置するものである。
上記のようにダンパー部材6を取り付けた後、固定部材10に補強金具40を取り付ける。補強金具40の取り付けは、金具固定片41をダンパー部材6の立ち上げ片20と固定部材10の立設片22との間において下固定片21の上面に配置し、下固定片21と金具固定片41とをリベット等の固定具46で固定する。
次に、ダンパー部材6と補強金具40を取り付けた状態の固定部材10の挟持片24と下固定片21とを換気棟部材4の差込み部17の内側空間に差し込む。ここで、挟持片24と下固定片21は補強金具40の前当接片44が起立部16の棟側面に当接するまで差し込まれるものであり、これにより、ダンパー部材6の可動部7の先端(軒側端部)は起立部16と間隔を介して配置される。また、固定部材10の上固定片23と補強金具40の上当接片43とを傾斜部15の下面に当接し、上固定片23と傾斜部15とをリベット等の固定具46で固定する。
このようにして両方の傾斜部15の両端部(両方の軒側端部)に固定部材10、ダンパー部材6、補強金具40を取り付けた後の換気棟部材4を屋根1の棟部分に配置する。屋根1は、棟木50と、棟木50の上に棟側端部が載置された複数本の母屋51と、母屋51の上に設けられる野地板52と、野地板52の上に葺かれた屋根材53とを備えて構成されており、母屋51、野地板52、屋根材53は棟木50から軒側に向かって下り傾斜するように配置されている。また、棟木50を挟んで両側に位置する母屋51、51の間と野地板52、52の間と屋根材53、53の間には間隙が設けられており、この間隙が屋根1の棟部分の略全長に亘って開口する屋根開口部2として形成されている。そして、固定部材10、ダンパー部材6、補強金具40を取り付けた換気棟部材4はその頂部(一対の傾斜部15の境界部分)が屋根開口部2の真上に位置するようにして配置される。従って、換気棟部材4は屋根開口部2の上方を覆うようにして棟木50の両側の屋根材53、53に跨るように配置され、換気棟部材4に設けた固定部材10を屋根材53に固定することによって、換気棟部材4を屋根1の棟部分の全長に亘って取り付けることができる。この時、弾性体28は下固定片21と屋根材53との間に圧縮された状態で介在される。そして、換気棟部材4の下側の空間、すなわち、傾斜部15と屋根材53の間の空間が換気経路5として形成される。この換気経路5の途中にはパーテーション部11や立設片22が設けられているが、通気孔25及び間隙26が形成されているために、屋根開口部2と排気口3は換気経路5を通じて通気可能に形成されている。
次に、図1に基づいて本発明の換気棟の作用について説明するが、図1(a)(b)の向って右側部分におけるダンパー部材6の動作を中心に説明する。本発明の換気棟では、暴風雨などの所定以上の強風(15m/s以上の強風)の時にダンパー部材6で換気経路5を閉塞することができる。すなわち、図1(a)及び図3(a)に示すように、強風時以外では、ダンパー部材6の可動部7は、その下面に支持部9aが当接して邪魔板9で支持されており、支持部9aよりも下方に回動しないように、屋根面(屋根材53の上面)に対して略平行に、すなわち、屋根1の傾斜と略平行な状態に保持されて配置されているが、強風時には排気口3から換気経路5に吹き込む強風(図1(b)及び図3(b)に矢印で示す)の風圧により、可動部7が下側から押圧されることになり、この押圧により可動部7が薄肉部8を中心として上方に回動する。この時、薄肉部8は可動部7の回動方向に若干引き延ばされて弾性変形するものである。そして、図1(b)及び図3(b)に示すように、上方に回動した可動部7の先端が傾斜部15の下面に当接することによって、換気経路5が閉塞されるものである。従って、強風と共に排気口3から換気経路5に雨水が進入しても可動部7よりも屋根開口部2側に達するのを防止して屋内への進入を防止することができ、排気口3の近傍で雨水の進入を止めて排気口3から排出することができるものである。
一方、強風がおさまって所定未満(15m/s未満)になると、弾性変形された薄肉部8の復元力により可動部7が支持部9aに当接するまで下方に回動するものであり、これにより、図1(a)及び図3(a)の状態、すなわち、可動部7が邪魔板9の支持部9aで支持されて、屋根面(屋根材53の上面)に対して略平行で屋根1の傾斜と略平行な状態に保持された状態に戻って、換気経路5が開放されて連通状態となり、換気することができるものである。
そして、本発明では、薄肉部8の弾性変形により可動部7を回動させることができ、可動部7の回動に際して摺動する部分がなく、摺動する部分の摩擦や固着による可動部7の動作不良がなくなり、また、構造を簡素化することができるものである。しかも、薄肉部8の弾性力に抗して可動部7を回動させるために、可動部7を吊下げ保持する場合のように防水の必要ない通常の風では可動部7を回動させないようにすることができ、過剰動作によるダンパー部材6の経年劣化を少なくすることができる。また、可動部7が通常の状態(強風でない場合)では邪魔板9の支持部9aで支持されているために、クリープ等による塑性変形が発生しにくくなり、ダンパー部材6の経年による劣化を少なくすることができる。
また、ダンパー部材6の排気口3側の面に窪みを設けて薄肉部8を形成しているために、可動部7を排気口3側に向かって倒れるように回動させることができると共に薄肉部8により可動部7を排気口3と反対側に回動させにくくすることができ、可動部7の回動不良を防止することができるものである。しかも、邪魔板9及び支持部9aにより排気口3から吹き込んだ風が可動部7の下面に当たるようにガイド(案内)することができ、可動部7を確実に上方へ回動させやすくなるものである。さらに、本発明では、ダンパー部材6の可動部7の高さ寸法(挟持片24から可動部7の下面までの寸法)H1が排気口3の高さ寸法(挟持片24から排気口3の上縁部までの寸法)H2よりも大きくなるように(H1≧H2)形成されており、これにより、排気口3から吹き込む強風が可動部7の下面に当たりやすくなって、可動部7を確実に上方へ回動させることができるものである。さらに、樹脂で形成されるダンパー部材6は換気棟部材4で覆われているために、紫外線が直接当たらないようにすることができ、ダンパー部材6の紫外線による劣化を少なくすることができるものである。
また、換気経路5の途中に設けたパーテーション部11により換気経路5が蛇行して長くなるものであり、万が一、可動部7の動作不良が生じてもある程度の防水性能は確保することができるものである。
図4に本発明の他の実施の形態を示す。この換気棟は図1、2に示す実施の形態と対比してダンパー部材6が異なる点、邪魔板9の形状が異なる点、捨て水切り部材62を設けた点以外は上記図1、2の実施の形態と同様に形成されている。
この実施の形態におけるダンパー部材6は取付部60と可動部7とから構成されている。図5(a)(b)に示すように、取付部60は断面略逆U字状のクリップ状に形成されるものであって、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレンなどの合成樹脂で形成することができる。また、取付部60の一方の片の下端には取付部60の内側空間に突出する突部63が設けられている。可動部7は取付部60よりも軟質であって、弾性を有する樹脂材料(ゴムを含む)で形成することができ、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)などの合成ゴム、天然ゴム、ポリオレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー等の材料を用いて形成することができる。特に、熱可塑性エラストマーを用いて可動部7を形成した場合はダンパー部材6に薄肉部8を設けなくても容易に可動部7を上下に回動させることができると共に換気棟部材4に密着しやすくなって水密性を確保することもできる。
このようにダンパー部材6の一部の取付部60を可動部7よりも硬質に形成することによって、弾性を有する材料でダンパー部材6の全体を形成する場合に比べて、ダンパー部材6の形状を硬質の取付部60によって保持することができ、長尺のダンパー部材6を固定部材10に取り付けるにあたって曲がったり歪んだりすることが少なくなり、ダンパー部材6の取り付け作業性を高くすることができる。また、取付部60と可動部7とを二層押し出し成形により一体的に成形することができ、ダンパー部材6の製造が容易となって製造コストを抑えることができるものである。
固定部材10には上記と同様に邪魔板9が設けられているが、その上部には支持部9aが形成されておらず、その代わりに、邪魔板9の上部を軒側に折り返し屈曲して折り返し片64を形成し、この折り返し片64の下端を係止部61として形成している。尚、係止部61はダンパー部材6の突部63が係止可能であれば良く、折り返し片64を形成する代わりに、邪魔板9の軒側面に突起や凹部を設けて形成することができる。
捨て水切り62は固定部材10と同様の金属板を屈曲成形して形成されるものであり、差し込み片66と水切り片67とで構成されている。
そして、本発明の換気棟を形成するにあたっては、次のようにして行なう。まず、固定部材10の邪魔板9にダンパー部材6の取付部60を差し込むことによって、固定部材10にダンパー部材6を取り付ける。この時、取付部60の突部63は邪魔板9の係止部61に弾性的に係止されるものであり、ダンパー部材6を邪魔板9にワンタッチで取り付けることができる。従って、固定部材10に対するダンパー部材6の取り付けを簡単に行うことができ、換気棟の製造コストを抑えることができるものである。
上記のようにダンパー部材6を取り付けた後、上記と同様にして固定部材10に補強金具40を取り付ける。次に、ダンパー部材6と補強金具40を取り付けた状態の固定部材10を上記と同様にして換気棟部材4に取り付ける。このようにして両方の傾斜部15の両端部(両方の軒側端部)に固定部材10、ダンパー部材6、補強金具40を取り付けた後の換気棟部材4を上記と同様にして屋根1の棟部分に配置する。すわなち、上記換気棟部材4はその頂部(一対の傾斜部15の境界部分)が屋根開口部2の真上に位置するようにして配置され、屋根開口部2の上方を覆うようにして棟木50の両側の屋根材53、53に跨るように配置される。また、換気棟部材4に設けた固定部材10を屋根材53及び野地板52にビス70で固定することによって、換気棟部材4を屋根1の棟部分の全長に亘って取り付けることができる。
このようにして換気棟部材4の下側の空間、すなわち、傾斜部15と屋根材53の間の空間が換気経路5として形成される。この換気経路5の途中にはパーテーション部11や立設片22が設けられ、通気孔25及び間隙26が形成されているために、屋根開口部2と排気口3は換気経路5を通じて通気可能に形成される。尚、捨て水切り62は、その差し込み片66を野地板52と屋根材53の間に差し込むことによって取り付けられるものであり、屋根材53の棟側端部よりも棟側において水切り片67が立設された状態で配置される。また、野地板52と屋根材53の間には防水シート71が配置されている。
そして、この換気棟であっても図1に示すものと同様の作用により、暴風雨などの所定以上の強風(15m/s以上の強風)の時にダンパー部材6で換気経路5を閉塞することができる。
本発明の実施の形態の一例を示し、(a)(b)は概略の断面図である。 同上の分解した断面図である。 同上の可動部の動作を示し、(a)(b)は概略の断面図である。 同上の他の実施の形態を示す概略の断面図である。 同上の邪魔板とダンパー部材を示し、(a)は邪魔板にダンパー部材を取り付ける前の状態を示す断面図、(b)は邪魔板にダンパー部材を取り付けた状態を示す断面図である。 従来例を示す断面図である。
符号の説明
1 屋根
2 屋根開口部
3 排気口
4 換気棟部材
5 換気経路
6 ダンパー部材
7 可動部
8 薄肉部
9 邪魔板
10 固定部材
11 パーテーション部
60 取付部
61 係止部

Claims (11)

  1. 屋根の棟部分に設けた屋根開口部の上方に排気口を有する換気棟部材を設け、換気棟部材の下側を屋根開口部から排気口にまで通じる換気通路として形成した換気棟において、樹脂で形成されるダンパー部材を換気通路の途中に立ち上げて設け、排気口から換気通路に所定以上の強風で吹き込む場合に上方に回動して換気通路を遮断する状態となる可動部をダンパー部材に形成して成ることを特徴とする換気棟。
  2. 可動部を所定以上の強風で吹き込まない場合に屋根面に対して略平行となるように配置して成ることを特徴とする請求項1に記載の換気棟。
  3. 屋根面に対して略平行に配置した可動部が排気口の上縁部よりも上側に位置して成ることを特徴とする請求項2に記載の換気棟。
  4. ダンパー部材の可動部を排気口側に向かって倒れるように回動自在に形成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の換気棟。
  5. 排気口からの雨水の浸入を防止するための邪魔板を備えた固定部材で挟持してダンパー部材を固定して成ることを特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載の換気棟。
  6. 下方に回動したダンパー部材の可動部を邪魔板により支持して成ることを特徴とする請求項5に記載の換気棟。
  7. ダンパー部材に薄肉部を形成し、薄肉部よりも先端側を可動部として形成して成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の換気棟。
  8. ダンパー部材にクリップ状の取付部を形成し、換気棟部材を固定するための固定部材に取付部を嵌め込んでダンパー部材を固定部材に固定して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の換気棟。
  9. 取付部を可動部よりも硬質に形成して成ることを特徴とする請求項8に記載の換気棟。
  10. 取付部を係止するための係止部を固定部材の邪魔板に設けて成ることを特徴とする請求項8又は9に記載の換気棟。
  11. ダンパー部材よりも屋根開口部側において、換気通路にパーテーション部を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の換気棟。
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