JP2004256565A - フッ素ゴム発泡体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、耐薬品性、低アウトガス性に優れた極めて高倍率のフッ素ゴム発泡体を常圧下で製造することを目的としたものである。
【解決手段】有機過酸化物とアゾジカルボンアミド(ADCA)系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して、酸化亜鉛を1〜6重量部を添加混練して配合物を作り、該配合物を常圧下で有機過酸化物並びにアゾジカルボンアミド系発泡剤の分解温度以上の温度で発泡させて極めて高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造する製造方法である。
【解決手段】有機過酸化物とアゾジカルボンアミド(ADCA)系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して、酸化亜鉛を1〜6重量部を添加混練して配合物を作り、該配合物を常圧下で有機過酸化物並びにアゾジカルボンアミド系発泡剤の分解温度以上の温度で発泡させて極めて高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造する製造方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐薬品性、低アウトガス性の優れた高倍率のフッ素ゴム発泡体を常圧下で製造する方法に係り、特に発泡体製造時に加圧出来ない押出し成形に有効であるフッ素ゴム高倍率発泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フッ素ゴムは、グリーン制度が強いために発泡剤を増量しても常圧下で4倍以上の高倍率発泡体を製造するのは困難であり、特に発泡体製造時に加圧出来ない押出し成形では高倍率の発泡体を得るのは難しい問題があった。
【0003】
その後、この問題を解決すべく、後述の特許文献1に示すような発明が開発されている。この発明は、フッ素ゴムを常圧下で高倍率に発泡させるに当って、活性レベルの低いカーボンブラックと液状フッ素ゴムとを使用する方法である。
【0004】
即ち、この特許文献1に記載された技術は、フッ素ゴム100部に対し、活性レベルがFEFブラックよりも低いMTブラックを5〜13部、液状フッ素ゴムを3〜9部、ADCA系発泡剤を3〜7部、過酸化物架橋剤を2〜4部、共架橋剤を1〜2.5部配合した後、常圧下で発泡させる方法である。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−77897号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1に記載された製造方法を実施しても、フッ素ゴムの常圧下での発泡倍率は明細書の実施例に記載されているように、せいぜい5倍以下にしかならなかった。
【0007】
また、従来から、フッ素ゴムの発泡に当って、金属酸化物が発泡助剤として効果があることは知られており、種々の金属酸化物が使用されて来ていた。前述の特許文献1に於ても、酸化カルシウムや酸化マグネシウムが使用されているが、いずれにしても、従来の技術ではフッ素ゴムを常圧下で5倍以上の高倍率に発泡させることは全く困難であった。
【0008】
本発明は、前述のような従来の種々の問題点に鑑み開発された全く新規な技術であって、特に、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴムに所定の割合で酸化亜鉛を添加した後で、常圧下でフッ素ゴムを5倍以上の高倍率に発泡させることが可能な技術を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は長年に亘って、フッ素ゴムを常圧下で5倍以上の高倍率に発泡させる方法があるかどうかについて鋭意研究して実験を重ね、フッ素ゴムの発泡に当って、あらゆる種類の金属酸化物を発泡助剤として試験して来た。その結果、酸化亜鉛を所定の割合でフッ素ゴムの発泡助剤として添加した場合に、フッ素ゴムを常圧下で5倍以上の高倍率に発泡させることが出来ることを発明し、次に記載する2つの発明を完成したものである。
【0010】
従来から、ADCA系発泡剤の発泡助剤として、ルイス酸特性を有する金属酸化物が知られている。又、金属酸化物は有機過酸化物の共架橋剤としても用いられている。従って、本発明者等は、金属酸化物として酸化亜鉛のほかに、酸化マグネシウムと酸化カルシウムを用いたが、酸化亜鉛だけに顕著な高倍率の発泡効果が表れたが、他の金属酸化物では発泡効果は得られなかった。この原因については明確ではないが、グリーン強度の強いフッ素ゴムに対して、ADCA系発泡剤の分解温度を下げる作用と分解ガス量の増加作用並びに有機過酸化物の架橋効率のバランスにおいて、酸化亜鉛が高倍率の発泡に優れているものと推定される。
【0011】
本発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法の第1発明の要旨は、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加して混練した後で、常圧下で前記有機過酸化物及びアゾジカルボンアミド系発泡剤の分解温度以上の温度で発泡させてフッ素ゴム発泡体を製造することを特徴としたフッ素ゴム発泡体の製造方法である。
【0012】
前述の第1発明に於ては、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加して混練した後で、常圧下でフッ素ゴムを発泡させた処、5倍以上の極めて高い倍率でフッ素ゴムを発泡させることが出来た。
【0013】
また、前述の第1発明を実施して構成した配合物を40〜80℃に加熱した押出成形機を用いて押出成形物を形成し、その後で押出成形物を180〜200℃に加熱したオーブンの中に入れて約10分間無加圧で加熱放置した処、7倍以上の極めて高い倍率で発泡したフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。
【0014】
本発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法の第2発明の要旨は、フッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部と液状フッ素ゴム15〜40重量部を夫々添加した後で120〜200℃で混練して100℃以下に冷却し、その後有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を添加し、常圧下で前記有機過酸化物及びアゾジカルボンアミド系発泡剤の分解温度以上の温度で発泡させてフッ素ゴム発泡体を製造することを特徴としたフッ素ゴム発泡体の製造方法である。
【0015】
前述の第2発明に於ては、特にフッ素ゴムと酸化亜鉛と液状フッ素ゴムとを夫々所定の割合で添加した後で、120〜200℃の高温で混練して冷却し、その後で有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を添加して常圧下で発泡させた処、前述の第1発明を実施して発泡させた以上の高倍率でフッ素ゴムを発泡させることが出来た。
【0016】
【発明の実施の形態】
前述の本発明に係る第1発明及び第2発明のフッ素ゴムの高倍率発泡体を製造する方法は、基本的にフッ素ゴムとカーボンブラック、無機系充填剤、有機過酸化物、架橋助剤、アゾジカルボンアミド系発泡剤及び酸化亜鉛をミキシングロールやバンバリーミキサー、ニーダー等の密閉式の混合機で有機過酸化物並びに発泡剤の分解温度以下の温度で混練りし、これを常圧下で有機過酸化物並びに発泡剤の分解温度以上の熱を加えることによって得られる。
【0017】
本発明に使用されるフッ素ゴムとしては、有機過酸化物架橋型のものでビニリデンフロライド、ヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルフロライド、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)等の一種又は二種又は三種の共重合体があるが、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロペンの二共重合体、又はビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペンの三元共重合体が好ましい。
【0018】
有機過酸化物としては、ジベンゾイルパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン、2,5ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ−オキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン等があるが、分解温度と臭気より後者の三つが好ましい。
【0019】
発泡剤としては、アゾジカルボンアミド系発泡剤を使用する。架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等が使用できる。その他、フッ素ゴムで通常使用されるサーマルカーボンブラック、SRFカーボンブラック等のソフトカーボンブラックや硫酸バリウム等の無機系充填剤を使用することができる。
【0020】
本発明の第1発明及び第2発明で用いたフッ素ゴム及び添加剤の具体例は、後述の表1に示す通りである。
【0021】
【表1】
【0022】
次に、本発明の第1発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法の基本的構成について詳述する。
【0023】
本発明に於ては、フッ素ゴムとこれらの添加剤と酸化亜鉛とを所定の割合で配合した後で、ミキシングロールやバンバリーミキサー、ニーダー等の密閉式の混合機で混練りする。この場合、有機過酸化物と発泡剤の分解温度以下で行う必要があるので、100℃以下が好ましい。このようにして製造したフッ素ゴム配合物を、常圧下で有機過酸化物及び発泡剤の分解温度以上の温度で加熱することによって、5倍以上の高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。
【0024】
本発明者等が種々の実験を重ねた結果、後述の具体的実施例及び比較例で例示するように、フッ素ゴムに対する酸化亜鉛の添加量は、フッ素ゴム100重量部に対し1重量部より少ないと効果が小さく、6重量部より多いと製品が硬くなるので好ましくなく、2〜4重量部が最も好ましいことが発見された。
【0025】
以上のように基本的製造方法の構成について説明した第1発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法について、その具体的実施例について説明すると、次の表2の実施例1乃至実施例4に示す通りである。
【0026】
【表2】
【0027】
前記実施例1乃至実施例4に対応して、本願の第1発明に属さないフッ素ゴム発泡体の製造方法について実験した結果、次の表3の比較例1乃至比較例7に示すような結果が得られた。
【0028】
【表3】
【0029】
前述の表2及び表3に示した実施例及び比較例に於ては、フッ素ゴム及び添加剤を、冷却水を通した8インチオ−プンロール(ロール温度:15±5℃)で混練りし、2±0.5mmの厚みで分出し、30×30mmの形状に裁断した。そして、この裁断片をギアオーブンの中に入れ、常圧下で180℃で10〜20分及び200℃で5〜20分間放置し発泡させた。発泡倍率は、発泡前の比重と発泡後の比重を水中置換法で測定し、この比より算出したものである。
【0030】
前記実施例1〜3に於ては、酸化亜鉛を夫々1〜6重量部添加した配合物を作り、さらに実施例4に於ては、特に液状フッ素ゴムと酸化亜鉛とを添加した配合物を作り、これ等の配合物を常圧下で180℃で10〜20分及び200℃で5〜20分放置して発泡させたものである。その結果、いずれの実施例の場合にも、5倍以上の高倍率の発泡体を製造することが出来た。
【0031】
一方で、前記表3に示す比較例の内で、比較例1、2に於ては酸化亜鉛を添加しない配合物を作り、比較例3に於ては、酸化亜鉛を0.5重量部添加した配合物を作り、これを前記実施例と同一の条件で常圧下で発泡させた事例である。その結果、酸化亜鉛を全く添加しない配合物は発泡剤を増量しても発泡倍率は小さく、また酸化亜鉛を0.5重量部添加した場合には効果が小さく、これ等比較例1〜3の場合には、いずれも5倍以上の高倍率の発泡体を製造することは出来なかった。
【0032】
また、表3の比較例4〜6に示す如く、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、尿素系の発泡助剤を添加した配合物を作り、これを常圧下で発泡した場合にも、いずれも効果がないか又は小さいことが判明した。さらに、比較例7に於ては、液状のフッ素ゴムを添加した配合物であるが、この場合にも酸化亜鉛の添加がないと発泡倍率は小さく効果がないことが明らかとなった。
【0033】
さらに、前述の第1発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法を用いて、フッ素ゴムの配合物を押出成形機で押出し成形し、この押出成形物を所定の温度に加熱したオーブンの中に入れて無加圧発泡させる製造方法の事例についても実施した処、次の実施例5に示す如く、極めて高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。
【0034】
即ち、実施例5は、前述の第1発明の実施例2で作ったフッ素ゴムの配合物をL/Dが12、Dが50mmφの押出成形機の中に充填した後で押出して、5.5mmφの押出成形物を作成した。押出成形機での成形温度は、供給口が50℃、ダイス部は70℃であった。このようにして成形した押出成形物を200℃に加熱したオーブンの中にいれて無加圧で10分間放置した結果、7倍以上の倍率を有するフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。前記実施例に於ては、押出成形物を加熱缶の中に入れて発泡させたが、同様に加熱空気構、マイクロ波加熱構、加熱溶融金属塩層等と直結して、押出しと架橋及び発泡を連続して行うことも可能である。
【0035】
本発明者等は、前述の第1発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法とは別に、該第1発明に於て使用した酸化亜鉛を使用し、第1発明の発泡倍率以上の極めて高い倍率でフッ素ゴムを発泡させる製造方法についてさらに研究した結果、後述のような第2発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法を発明するに至った。
【0036】
この第2発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法の基本的構成について説明すると、この第2発明は前述の第1発明と同様に、酸化亜鉛が添加されたフッ素ゴム配合物に、液状のフッ素ゴムを15〜40重量部を添加し、これをミキシングロールやバンバリーミキサー、ニーダー等の密閉式混合機で120〜200℃で混練りした後で、これを常圧下で発泡させる製造方法である。この第2発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法では前述の第1発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法の場合よりもより高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。
【0037】
この第2発明に於けるフッ素ゴム配合物は、有機過酸化物と発泡剤の分解温度が200℃以下であるので、有機過酸化物と発泡剤を除いて120〜200℃で混練りし、冷却後好ましくは100℃以下で有機過酸化物と発泡剤を混合して配合物を作る。或は、有機過酸化物と発泡剤を除いた配合物を低温で混練りし、これを120〜200℃のミキシングロールや密閉式の混合機で処理をして配合物を作っても同一の効果を得ることが出来た。
【0038】
前述の有機過酸化物と発泡剤を除いた高温混練りの温度は、120℃未満では効果が小さく、200℃を越えるとフッ素ゴムよりフッ酸が発生するので好ましくなく、140〜160℃が好ましいことが判明した。また、液状のフッ素ゴムは、ダイキン工業(株)製ダイエルG101やデュポン社製バイトンLM等が使用できる。液状フッ素ゴムの添加量は、10重量部未満では効果が小さく、40重量部を越えると配合物が軟らかくなりすぎるので好ましくなく、15〜30重量部が好ましいことが実験の結果判明した。
【0039】
前述の如く、基本的製造方法の構成について説明した第2発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法の具体的実施例について説明すると、次の表4に示す実施例6乃至実施例8に例示する通りである。
【0040】
【表4】
【0041】
前記表4に示す実施例6〜8に於ては、該表4に示す配合物で、有機過酸化物、架橋助剤、発泡剤を除いたものを水蒸気を通した8インチオープンロ−ル(ロール温度:150±10℃)で混練りし、約24時間室温で自然冷却した。そしてこの混練下配合物に実施例1〜4と同じ方法で、有機過酸化物、架橋助剤、発泡剤を混練りし、30×30×2(厚み)mmの裁断片を作製した後で、常圧下で発泡を行った。
【0042】
前記実施例6〜8に於ては、いずれもフッ素ゴム100重量部に対して液状フッ素ゴムを20〜30重量部、酸化亜鉛を3〜6重量部添加して配合物を作り、この配合物を常圧下で発泡させた実施例である。これ等の実施例は、表4に記載されているように、いずれの場合にも非常に大きい倍率のフッ素ゴムの発泡体を製造することが出来た。
【0043】
前記表4に示した比較例8は、液状のフッ素ゴムと酸化亜鉛を全く添加せずに150℃で混練りして配合物を作り、常圧下で発泡させた例であるが、小さな発泡倍率しか得られず、効果がないことが判明した。
【0044】
また、表4に示した比較例9に於ては、液状フッ素ゴムを全く添加せずに、酸化亜鉛を3重量部添加して150℃の高温度で混練りして配合物を作り、常圧下で発泡させたが、前記表2の実施例2に示すような低温混練りの場合と比較すると、効果が小さいことが明らかとなった。
【0045】
表4に示した比較例10に於ては、液状フッ素ゴムの添加量を10重量部と少くし、150℃の高温度で混練りして配合物を作り、常圧下で発泡させたが、この場合も高温度混練りによる発泡効果が小さいことが明らかとなった。
【0046】
表4の比較例11に於ては、酸化亜鉛を全く用いずに、液状フッ素ゴムを30重量部添加して150℃の高温度で混練りした配合物を作り、常圧下で発泡させたが、高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造することは出来なかった。
【0047】
さらに、比較例12に於ては、前述の実施例6と全く同じに配合した組成のものを、実施例6の場合よりも低温である110℃で混練りして配合物を作り、常圧下で発泡させた処、実施例6と比較すると発泡倍率の効果が小さいことが判明した。
【0048】
【発明の効果】
本発明に於ては、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加して混練した後で、常圧下でフッ素ゴムを発泡させたので、フッ素ゴムを5倍以上の高い倍率で発泡させることが出来る効果を有する。
【0049】
また、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加して混練したフッ素ゴムの配合物を押出成形機で成形し、さらにこの押出成形物を所定の温度に加熱したオーブンの中に入れて無加圧で加熱放置した場合には、フッ素ゴムを7倍以上の高い倍率で発泡させることができる効果を有している。
【0050】
さらに、フッ素ゴムと酸化亜鉛と液状フッ素ゴムとを夫々所定の割合で添加した後で、120〜200℃の高温で混練して冷却し、その後に有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を添加して常圧下で発泡させた場合にも、極めて高倍率でフッ素ゴムを発泡させることが出来る効果を有している。
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐薬品性、低アウトガス性の優れた高倍率のフッ素ゴム発泡体を常圧下で製造する方法に係り、特に発泡体製造時に加圧出来ない押出し成形に有効であるフッ素ゴム高倍率発泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フッ素ゴムは、グリーン制度が強いために発泡剤を増量しても常圧下で4倍以上の高倍率発泡体を製造するのは困難であり、特に発泡体製造時に加圧出来ない押出し成形では高倍率の発泡体を得るのは難しい問題があった。
【0003】
その後、この問題を解決すべく、後述の特許文献1に示すような発明が開発されている。この発明は、フッ素ゴムを常圧下で高倍率に発泡させるに当って、活性レベルの低いカーボンブラックと液状フッ素ゴムとを使用する方法である。
【0004】
即ち、この特許文献1に記載された技術は、フッ素ゴム100部に対し、活性レベルがFEFブラックよりも低いMTブラックを5〜13部、液状フッ素ゴムを3〜9部、ADCA系発泡剤を3〜7部、過酸化物架橋剤を2〜4部、共架橋剤を1〜2.5部配合した後、常圧下で発泡させる方法である。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−77897号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1に記載された製造方法を実施しても、フッ素ゴムの常圧下での発泡倍率は明細書の実施例に記載されているように、せいぜい5倍以下にしかならなかった。
【0007】
また、従来から、フッ素ゴムの発泡に当って、金属酸化物が発泡助剤として効果があることは知られており、種々の金属酸化物が使用されて来ていた。前述の特許文献1に於ても、酸化カルシウムや酸化マグネシウムが使用されているが、いずれにしても、従来の技術ではフッ素ゴムを常圧下で5倍以上の高倍率に発泡させることは全く困難であった。
【0008】
本発明は、前述のような従来の種々の問題点に鑑み開発された全く新規な技術であって、特に、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴムに所定の割合で酸化亜鉛を添加した後で、常圧下でフッ素ゴムを5倍以上の高倍率に発泡させることが可能な技術を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は長年に亘って、フッ素ゴムを常圧下で5倍以上の高倍率に発泡させる方法があるかどうかについて鋭意研究して実験を重ね、フッ素ゴムの発泡に当って、あらゆる種類の金属酸化物を発泡助剤として試験して来た。その結果、酸化亜鉛を所定の割合でフッ素ゴムの発泡助剤として添加した場合に、フッ素ゴムを常圧下で5倍以上の高倍率に発泡させることが出来ることを発明し、次に記載する2つの発明を完成したものである。
【0010】
従来から、ADCA系発泡剤の発泡助剤として、ルイス酸特性を有する金属酸化物が知られている。又、金属酸化物は有機過酸化物の共架橋剤としても用いられている。従って、本発明者等は、金属酸化物として酸化亜鉛のほかに、酸化マグネシウムと酸化カルシウムを用いたが、酸化亜鉛だけに顕著な高倍率の発泡効果が表れたが、他の金属酸化物では発泡効果は得られなかった。この原因については明確ではないが、グリーン強度の強いフッ素ゴムに対して、ADCA系発泡剤の分解温度を下げる作用と分解ガス量の増加作用並びに有機過酸化物の架橋効率のバランスにおいて、酸化亜鉛が高倍率の発泡に優れているものと推定される。
【0011】
本発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法の第1発明の要旨は、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加して混練した後で、常圧下で前記有機過酸化物及びアゾジカルボンアミド系発泡剤の分解温度以上の温度で発泡させてフッ素ゴム発泡体を製造することを特徴としたフッ素ゴム発泡体の製造方法である。
【0012】
前述の第1発明に於ては、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加して混練した後で、常圧下でフッ素ゴムを発泡させた処、5倍以上の極めて高い倍率でフッ素ゴムを発泡させることが出来た。
【0013】
また、前述の第1発明を実施して構成した配合物を40〜80℃に加熱した押出成形機を用いて押出成形物を形成し、その後で押出成形物を180〜200℃に加熱したオーブンの中に入れて約10分間無加圧で加熱放置した処、7倍以上の極めて高い倍率で発泡したフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。
【0014】
本発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法の第2発明の要旨は、フッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部と液状フッ素ゴム15〜40重量部を夫々添加した後で120〜200℃で混練して100℃以下に冷却し、その後有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を添加し、常圧下で前記有機過酸化物及びアゾジカルボンアミド系発泡剤の分解温度以上の温度で発泡させてフッ素ゴム発泡体を製造することを特徴としたフッ素ゴム発泡体の製造方法である。
【0015】
前述の第2発明に於ては、特にフッ素ゴムと酸化亜鉛と液状フッ素ゴムとを夫々所定の割合で添加した後で、120〜200℃の高温で混練して冷却し、その後で有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を添加して常圧下で発泡させた処、前述の第1発明を実施して発泡させた以上の高倍率でフッ素ゴムを発泡させることが出来た。
【0016】
【発明の実施の形態】
前述の本発明に係る第1発明及び第2発明のフッ素ゴムの高倍率発泡体を製造する方法は、基本的にフッ素ゴムとカーボンブラック、無機系充填剤、有機過酸化物、架橋助剤、アゾジカルボンアミド系発泡剤及び酸化亜鉛をミキシングロールやバンバリーミキサー、ニーダー等の密閉式の混合機で有機過酸化物並びに発泡剤の分解温度以下の温度で混練りし、これを常圧下で有機過酸化物並びに発泡剤の分解温度以上の熱を加えることによって得られる。
【0017】
本発明に使用されるフッ素ゴムとしては、有機過酸化物架橋型のものでビニリデンフロライド、ヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルフロライド、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)等の一種又は二種又は三種の共重合体があるが、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロペンの二共重合体、又はビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペンの三元共重合体が好ましい。
【0018】
有機過酸化物としては、ジベンゾイルパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサン、2,5ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ−オキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン等があるが、分解温度と臭気より後者の三つが好ましい。
【0019】
発泡剤としては、アゾジカルボンアミド系発泡剤を使用する。架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等が使用できる。その他、フッ素ゴムで通常使用されるサーマルカーボンブラック、SRFカーボンブラック等のソフトカーボンブラックや硫酸バリウム等の無機系充填剤を使用することができる。
【0020】
本発明の第1発明及び第2発明で用いたフッ素ゴム及び添加剤の具体例は、後述の表1に示す通りである。
【0021】
【表1】
【0022】
次に、本発明の第1発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法の基本的構成について詳述する。
【0023】
本発明に於ては、フッ素ゴムとこれらの添加剤と酸化亜鉛とを所定の割合で配合した後で、ミキシングロールやバンバリーミキサー、ニーダー等の密閉式の混合機で混練りする。この場合、有機過酸化物と発泡剤の分解温度以下で行う必要があるので、100℃以下が好ましい。このようにして製造したフッ素ゴム配合物を、常圧下で有機過酸化物及び発泡剤の分解温度以上の温度で加熱することによって、5倍以上の高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。
【0024】
本発明者等が種々の実験を重ねた結果、後述の具体的実施例及び比較例で例示するように、フッ素ゴムに対する酸化亜鉛の添加量は、フッ素ゴム100重量部に対し1重量部より少ないと効果が小さく、6重量部より多いと製品が硬くなるので好ましくなく、2〜4重量部が最も好ましいことが発見された。
【0025】
以上のように基本的製造方法の構成について説明した第1発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法について、その具体的実施例について説明すると、次の表2の実施例1乃至実施例4に示す通りである。
【0026】
【表2】
【0027】
前記実施例1乃至実施例4に対応して、本願の第1発明に属さないフッ素ゴム発泡体の製造方法について実験した結果、次の表3の比較例1乃至比較例7に示すような結果が得られた。
【0028】
【表3】
【0029】
前述の表2及び表3に示した実施例及び比較例に於ては、フッ素ゴム及び添加剤を、冷却水を通した8インチオ−プンロール(ロール温度:15±5℃)で混練りし、2±0.5mmの厚みで分出し、30×30mmの形状に裁断した。そして、この裁断片をギアオーブンの中に入れ、常圧下で180℃で10〜20分及び200℃で5〜20分間放置し発泡させた。発泡倍率は、発泡前の比重と発泡後の比重を水中置換法で測定し、この比より算出したものである。
【0030】
前記実施例1〜3に於ては、酸化亜鉛を夫々1〜6重量部添加した配合物を作り、さらに実施例4に於ては、特に液状フッ素ゴムと酸化亜鉛とを添加した配合物を作り、これ等の配合物を常圧下で180℃で10〜20分及び200℃で5〜20分放置して発泡させたものである。その結果、いずれの実施例の場合にも、5倍以上の高倍率の発泡体を製造することが出来た。
【0031】
一方で、前記表3に示す比較例の内で、比較例1、2に於ては酸化亜鉛を添加しない配合物を作り、比較例3に於ては、酸化亜鉛を0.5重量部添加した配合物を作り、これを前記実施例と同一の条件で常圧下で発泡させた事例である。その結果、酸化亜鉛を全く添加しない配合物は発泡剤を増量しても発泡倍率は小さく、また酸化亜鉛を0.5重量部添加した場合には効果が小さく、これ等比較例1〜3の場合には、いずれも5倍以上の高倍率の発泡体を製造することは出来なかった。
【0032】
また、表3の比較例4〜6に示す如く、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、尿素系の発泡助剤を添加した配合物を作り、これを常圧下で発泡した場合にも、いずれも効果がないか又は小さいことが判明した。さらに、比較例7に於ては、液状のフッ素ゴムを添加した配合物であるが、この場合にも酸化亜鉛の添加がないと発泡倍率は小さく効果がないことが明らかとなった。
【0033】
さらに、前述の第1発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法を用いて、フッ素ゴムの配合物を押出成形機で押出し成形し、この押出成形物を所定の温度に加熱したオーブンの中に入れて無加圧発泡させる製造方法の事例についても実施した処、次の実施例5に示す如く、極めて高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。
【0034】
即ち、実施例5は、前述の第1発明の実施例2で作ったフッ素ゴムの配合物をL/Dが12、Dが50mmφの押出成形機の中に充填した後で押出して、5.5mmφの押出成形物を作成した。押出成形機での成形温度は、供給口が50℃、ダイス部は70℃であった。このようにして成形した押出成形物を200℃に加熱したオーブンの中にいれて無加圧で10分間放置した結果、7倍以上の倍率を有するフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。前記実施例に於ては、押出成形物を加熱缶の中に入れて発泡させたが、同様に加熱空気構、マイクロ波加熱構、加熱溶融金属塩層等と直結して、押出しと架橋及び発泡を連続して行うことも可能である。
【0035】
本発明者等は、前述の第1発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法とは別に、該第1発明に於て使用した酸化亜鉛を使用し、第1発明の発泡倍率以上の極めて高い倍率でフッ素ゴムを発泡させる製造方法についてさらに研究した結果、後述のような第2発明に係るフッ素ゴム発泡体の製造方法を発明するに至った。
【0036】
この第2発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法の基本的構成について説明すると、この第2発明は前述の第1発明と同様に、酸化亜鉛が添加されたフッ素ゴム配合物に、液状のフッ素ゴムを15〜40重量部を添加し、これをミキシングロールやバンバリーミキサー、ニーダー等の密閉式混合機で120〜200℃で混練りした後で、これを常圧下で発泡させる製造方法である。この第2発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法では前述の第1発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法の場合よりもより高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造することが出来た。
【0037】
この第2発明に於けるフッ素ゴム配合物は、有機過酸化物と発泡剤の分解温度が200℃以下であるので、有機過酸化物と発泡剤を除いて120〜200℃で混練りし、冷却後好ましくは100℃以下で有機過酸化物と発泡剤を混合して配合物を作る。或は、有機過酸化物と発泡剤を除いた配合物を低温で混練りし、これを120〜200℃のミキシングロールや密閉式の混合機で処理をして配合物を作っても同一の効果を得ることが出来た。
【0038】
前述の有機過酸化物と発泡剤を除いた高温混練りの温度は、120℃未満では効果が小さく、200℃を越えるとフッ素ゴムよりフッ酸が発生するので好ましくなく、140〜160℃が好ましいことが判明した。また、液状のフッ素ゴムは、ダイキン工業(株)製ダイエルG101やデュポン社製バイトンLM等が使用できる。液状フッ素ゴムの添加量は、10重量部未満では効果が小さく、40重量部を越えると配合物が軟らかくなりすぎるので好ましくなく、15〜30重量部が好ましいことが実験の結果判明した。
【0039】
前述の如く、基本的製造方法の構成について説明した第2発明のフッ素ゴム発泡体の製造方法の具体的実施例について説明すると、次の表4に示す実施例6乃至実施例8に例示する通りである。
【0040】
【表4】
【0041】
前記表4に示す実施例6〜8に於ては、該表4に示す配合物で、有機過酸化物、架橋助剤、発泡剤を除いたものを水蒸気を通した8インチオープンロ−ル(ロール温度:150±10℃)で混練りし、約24時間室温で自然冷却した。そしてこの混練下配合物に実施例1〜4と同じ方法で、有機過酸化物、架橋助剤、発泡剤を混練りし、30×30×2(厚み)mmの裁断片を作製した後で、常圧下で発泡を行った。
【0042】
前記実施例6〜8に於ては、いずれもフッ素ゴム100重量部に対して液状フッ素ゴムを20〜30重量部、酸化亜鉛を3〜6重量部添加して配合物を作り、この配合物を常圧下で発泡させた実施例である。これ等の実施例は、表4に記載されているように、いずれの場合にも非常に大きい倍率のフッ素ゴムの発泡体を製造することが出来た。
【0043】
前記表4に示した比較例8は、液状のフッ素ゴムと酸化亜鉛を全く添加せずに150℃で混練りして配合物を作り、常圧下で発泡させた例であるが、小さな発泡倍率しか得られず、効果がないことが判明した。
【0044】
また、表4に示した比較例9に於ては、液状フッ素ゴムを全く添加せずに、酸化亜鉛を3重量部添加して150℃の高温度で混練りして配合物を作り、常圧下で発泡させたが、前記表2の実施例2に示すような低温混練りの場合と比較すると、効果が小さいことが明らかとなった。
【0045】
表4に示した比較例10に於ては、液状フッ素ゴムの添加量を10重量部と少くし、150℃の高温度で混練りして配合物を作り、常圧下で発泡させたが、この場合も高温度混練りによる発泡効果が小さいことが明らかとなった。
【0046】
表4の比較例11に於ては、酸化亜鉛を全く用いずに、液状フッ素ゴムを30重量部添加して150℃の高温度で混練りした配合物を作り、常圧下で発泡させたが、高倍率のフッ素ゴム発泡体を製造することは出来なかった。
【0047】
さらに、比較例12に於ては、前述の実施例6と全く同じに配合した組成のものを、実施例6の場合よりも低温である110℃で混練りして配合物を作り、常圧下で発泡させた処、実施例6と比較すると発泡倍率の効果が小さいことが判明した。
【0048】
【発明の効果】
本発明に於ては、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加して混練した後で、常圧下でフッ素ゴムを発泡させたので、フッ素ゴムを5倍以上の高い倍率で発泡させることが出来る効果を有する。
【0049】
また、有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加して混練したフッ素ゴムの配合物を押出成形機で成形し、さらにこの押出成形物を所定の温度に加熱したオーブンの中に入れて無加圧で加熱放置した場合には、フッ素ゴムを7倍以上の高い倍率で発泡させることができる効果を有している。
【0050】
さらに、フッ素ゴムと酸化亜鉛と液状フッ素ゴムとを夫々所定の割合で添加した後で、120〜200℃の高温で混練して冷却し、その後に有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を添加して常圧下で発泡させた場合にも、極めて高倍率でフッ素ゴムを発泡させることが出来る効果を有している。
Claims (3)
- 有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加して混練した後で、常圧下で前記有機過酸化物及びアゾジカルボンアミド系発泡剤の分解温度以上の温度で発泡させてフッ素ゴム発泡体を製造することを特徴としたフッ素ゴム発泡体の製造方法。
- 有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を含むフッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部添加混練して配合物を作り、この配合物を所定の温度に加熱した押出成形機を用いて押出して押出成形物を形成し、該押出成形物を前記有機過酸化物及びアゾジカルボンアミド系発泡剤の分解温度以上の温度で発泡させてフッ素ゴム発泡体を製造することを特徴としたフッ素ゴム発泡体の製造方法。
- フッ素ゴム100重量部に対して酸化亜鉛を1〜6重量部と液状フッ素ゴム15〜40重量部を夫々添加した後で120〜200℃で混練して100℃以下に冷却し、その後で有機過酸化物とアゾジカルボンアミド系発泡剤を添加し、常圧下で前記有機過酸化物及びアゾジカルボンアミド系発泡剤の分解温度以上の温度で発泡させてフッ素ゴム発泡体を製造することを特徴としたフッ素ゴム発泡体の製造方法。
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