JP2009203276A - フッ素ゴムパッキンの製造方法 - Google Patents

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賢一 深瀬
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泰洋 礒田
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Abstract

【課題】製造コストを増大させることなく、汎用フッ素ゴムを用いた場合でも、物理的/機械的特性に優れたフッ素ゴムパッキンの製造方法を提供すること。
【解決手段】フッ素ゴムパッキンを製造するにあたって、プレス成形等の加熱/加圧成形装置による一次加硫と、熱風炉等の熱気装置による大気雰囲気中での二次加硫とを行った後、酸素を除去した窒素雰囲気中で三次加硫を行う。三次加硫の温度は、二次加硫の温度よりも高く、300℃以上である。フッ素ゴムは、ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体や、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体であり、加硫は、過酸化物加硫やポリオール加硫である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素ゴムまたはフッ素ゴム組成物からなるフッ素ゴムパッキンの製造方法に関するものである。
フッ素ゴムを用いてゴムパッキンを製造するにあたっては、ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体や、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体などのフッ素ゴムをそのまま、あるいは使用目的に応じてカーボンブラック等の補強性充填剤、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、フッ素樹脂系パウダー等の増量剤、カルナバ蝋等の加工助剤等、公知の種々の配合物を添加して練り込んだ後、プレス成形等の加熱/加圧成形装置による一次加硫、次いで熱風炉等の熱気装置による大気中での二次加硫を行なうのが通例である。
一次加硫に関して言えば、例えば140℃〜180℃の温度にて、所定の時間、熱プレス装置にて加熱/加圧を行うことによりパッキンの形状を得る。二次加硫に関しては、引き続き、熱風炉等の熱気装置により180℃〜250℃の温度にて加硫を行い、ゴムパッキンとしての物性および寸法を安定させる。なお、一次加硫によって得られるパッキン成形物が肉厚で、二次加硫時に破損・変形し易い場合を除き、通常、二次加硫は一次加硫よりも高い温度で行われる。
また、高温環境下での耐圧縮永久歪特性や耐圧縮割れ性を向上することを目的に、フッ素ゴム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよびサーマルブラックと瀝青炭フィラーを含有するフッ素ゴム組成物をポリオール系加硫剤の存在下で加硫成形した後、約250〜300℃の温度で熱処理する方法も提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−192482号公報
一般的にフッ素ゴムパッキンは、300℃を超える高温環境下で使用されることが多く、かかる高温環境下で使用される場合、従来のフッ素ゴムパッキンでは、加硫温度に比較して使用温度が高いため、アウターガス量、粘着性、強度などといった物理的/機械的特性において十分な特性を得ることができないという問題点がある。かかる問題は、加硫密度が低いため、フッ素ゴムパッキンに加硫残渣や分解生成物が含まれていることに起因すると考える。従って、熱風炉等の熱気装置による大気中での二次加硫時間を延長することが考えられるが、加硫時間の延長は、生産性の低下を招来させるため、好ましくない。
そこで、大気中での熱風炉等の熱気装置による二次加硫温度をさらに高めることが考えられるが、かかる高温条件下で加硫を行なっても、意図する物理的/機械的特性が得られないばかりか、フッ素ゴムパッキンが劣化してしまうという問題点がある。それ故、高温環境下で使用されるフッ素ゴムパッキンについては、汎用フッ素ゴムではなく、超フッ素ゴムと呼ばれる耐熱性のパーフルオロゴムを使用することが多いが、かかる超フッ素ゴムは極めて高価であるという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、製造コストを増大させることなく、汎用フッ素ゴムを用いた場合でも、物理的/機械的特性に優れたフッ素ゴムパッキンの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究/検討/実験を重ねた結果、一次加硫および二次加硫の後、酸素を除去した不活性雰囲気中で三次加硫を行えば、高い温度で加硫しても、フッ素ゴムを劣化させずに短時間で加硫密度を高めることができるという新たな知見を得た。本発明は、かかる新たな知見に基づいて達成されたものであり、フッ素ゴムまたはフッ素ゴム組成物を加熱/加圧装置により一次加硫を行う一次加硫工程と、大気雰囲気中で二次加硫を行う二次加硫工程と、酸素を除去した不活性雰囲気中で三次加硫を行う三次加硫工程と、有することを特徴とする。
フッ素ゴムパッキンの製造方法は、通常、プレス成形等の加熱/加圧成形装置による一次加硫と、熱風炉等の熱気装置による大気雰囲気中での二次加硫とを行うが、大気雰囲気での二次加硫では大気成分中に酸素が存在していることから、二次加硫温度を300℃等高く設定出来ず、また、加硫反応を充分に完結させることができない。しかるに本発明では、酸素を除去した不活性雰囲気中での三次加硫を行うため、三次加硫の温度を高く設定しても、フッ素ゴムを劣化させずに短時間で加硫密度を高めることができる。それ故、製造コストを増大させることなく、汎用フッ素ゴムを用いた場合でも、物理的/機械的特性に優れたフッ素ゴムパッキンを提供することができる。
本発明において、前記三次加硫の温度が前記二次加硫の温度よりも高いことが好ましい。本発明において、前記三次加硫の温度が300℃以上であることが好ましい。かかる温度条件によれば、短時間で加硫工程を完了することができる。
本発明において、前記三次加硫工程における不活性雰囲気は、例えば、不活性ガス雰囲気である。この場合、前記三次加硫工程における不活性ガス雰囲気は、窒素ガス雰囲気であることが好ましい。窒素ガス雰囲気であれば、他の不活性ガス雰囲気に比較して、安価に不活性雰囲気を構成することができる。
本発明において、前記三次加硫工程における不活性雰囲気は、減圧雰囲気であってもよい。
本発明において、前記フッ素ゴムがヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体、あるいはテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体であることが好ましい。かかるフッ素ゴムは、耐熱性のパーフルオロゴム(超フッ素ゴム)に比較して安価である。
本発明において、前記一次加硫、前記二次加硫および前記三次加硫は、過酸化物加硫であることが好ましい。かかる加硫方法を不活性雰囲気で行うと、フッ素ゴムの酸素による劣化を防止できるという利点に加えて、加硫速度が高まるという利点がある。
本発明において、前記一次加硫、前記二次加硫および前記三次加硫は、ポリオール加硫であってもよい。かかる加硫方法を不活性雰囲気で行うと、フッ素ゴムの酸素による劣化を防止できるという利点に加えて、加硫速度が高まるという利点がある。
本発明では、一次加硫および二次加硫の後、酸素を除去した不活性雰囲気中で三次加硫を行うため、高い温度で加硫しても、フッ素ゴムを劣化させずに短時間で加硫密度を高めることができる。それ故、製造コストを増大させることなく、汎用フッ素ゴムを用いた場合でも、物理的/機械的特性に優れたフッ素ゴムパッキンを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(製造方法の概要)
本発明のフッ素ゴムパッキンの製造方法は、フッ素ゴムまたはフッ素ゴム組成物をパッキンの形態に加硫成形するものであり、フッ素ゴムまたはフッ素ゴム組成物を加熱/加圧装置により一次加硫(一次加硫工程)を行なった後、大気雰囲気中で二次加硫(二次加硫工程)を行い、さらに、酸素を除去した不活性雰囲気中で三次加硫(三次加硫工程)を行なう。
(フッ素ゴム材料)
対象となるフッ素ゴムまたはフッ素ゴム組成物は、フッ素ゴムパッキンに使用可能な材料であれば、限定されず、例えば、以下の材料を用いることができる。まず、フッ素ゴムとしては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(ダイキン工業(株)製のダイエル、デュポンダウエラストマー(株)製のバイトンA、等)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(ダイキン工業(株)製のダイエル、デュポンダウエラストマー(株)製のバイトンB等)、テトラフルオロエチレン/プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重合体及びそれらに二重結合を付したポリマー(旭硝子(株)製のアフラス(200)等)等を単独、あるいは複数混合して用いることができる。これらのフッ素ゴムのうち、フッ化ビニリデン系ゴムをベースフッ素ゴムとすることが好ましい。かかるフッ素ゴムとしては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体や、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体を挙げることができる。
上記のフッ素ゴムは単独で用いることができる他、必要に応じて、カーボンブラック等の補強性充填剤、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、フッ素樹脂系パウダー等の増量剤、カルナバ蝋等の加工助剤等、公知の種々の配合物を練り込んでフッ素ゴム組成物として用いることもできる。これらの添加剤のうち、MT、FT、SRF等のカーボンブラックを、ゴム100重量部に対して5〜50重量部配合すると、ゴム材料の強度をさらに優れたものとすることができ、配合部数を上げることにより高硬度とすることもできる。
これらのフッ素ゴムやフッ素ゴム組成物に対する加硫方法としては、過酸化物加硫やポリオール加硫を採用することが好ましく、過酸化物加硫は、耐スチーム性や耐薬品性に優れているという利点があり、ポリオール加硫は、圧縮永久ひずみが小さく、シール性に優れているなど、機械的特性に優れているという利点がある。
過酸化物加硫の場合、ジt−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ジ (t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が用いられる。ポリオール加硫の場合、ビスフェノールAF、ビスフェノールA、ジヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシ化合物またはそれらのアルカリ金属塩等が用いられる。
なお、加硫の際に、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムブロミド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシドなどの四級アンモニウム化合物や、n−オクチルアミン、n−ブチルアミン、アニリン、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノデカン、ヘキサメチレンジアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、N−メチルアニリン等の塩基性窒素化合物を加硫促進剤としても添加してもよい。また、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の加硫助剤を併せて添加してもよい。また、ポリオール加硫を行う場合には、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)等を加硫促進助剤として添加し、酸化マグネシウム(MgO)や酸化カルシウム(CaO)等を受酸剤として添加してもよい。
上記した材料は、混練装置、例えばオープンロール、加圧ニーダー、ヘンシェルミキサー等、慣用の任意の装置で混練した後、一次加硫工程が行なわれる。
(一次加硫工程)
一次加硫工程においては、上記のフッ素ゴムまたはフッ素ゴム組成物を加熱/加圧装置により一次加硫する。かかる一次加硫は、プレスキュアと称せられ、フッ素ゴムまたはフッ素ゴム組成物をパッキン形状に成形しながら加硫を行なう。パッキン形状に成形する方法は任意である。例えば、短冊状の配合ゴムを金型に入れて加熱/加圧成形しても良く、圧縮成形、押出成型等で予備成形してから加硫成形しても良い。射出成形を行うことも出来る。成形物の形状にも特に制限はなく、Oリング、角リング、甲山、甲丸、ヘルール等の種々の形状のパッキン材に成形することが可能である。金属や樹脂との複合体、例えばフッ素樹脂シート/ゴムの複合体であっても良い。
加硫条件については特に制限はなく、加硫剤や加硫助剤の種類や、目的とする硬度等に応じて任意に決定することが出来る。例えば約100〜300℃、より具体的には140〜180℃の温度で0.1分間〜100時間の加熱/加圧により所定形状のフッ素ゴムパッキンを得る。
(二次加硫工程)
次に、一次加硫工程により得られたフッ素ゴムパッキンに対して熱風炉等の熱気装置によって大気雰囲気中での二次加硫工程を行い、ゴムパッキンとしての物性および寸法を安定させる。かかる二次加硫は、ポストキュアと称せられ、通常、200℃〜250℃の温度で1〜50時間程度行われる。
(三次加硫工程)
次に、二次加硫工程により得られたフッ素パッキンに対して、熱気装置により300℃以上の温度で、酸素を除去した不活性雰囲気中での三次加硫工程を行い、フッ素ゴムパッキンを得る。
三次加硫の温度は、酸素ガスを除外した雰囲気中で行う。大気のように酸素が豊富に存在する雰囲気では、例えば過酸化物加硫剤は加硫阻害を受け、加硫剤が失効/無効分解するために加硫が滞り、高温域で使用するには物性的に不完全となる。低い温度の加硫のみではフッ素ゴムパッキンから加硫剤の残渣や、加硫に寄与出来なかったフッ素ゴム成分が放出されるおそれがある。
不活性ガス雰囲気としては、大気成分中の酸素ガスを除外した雰囲気であれば良いので、CO2ガス雰囲気、N2ガス雰囲気、Arガス雰囲気等を使用することが出来る。複数のガスを組み合わせて用いても良い。価格や作業環境への影響を考慮すると、大気成分として多く存在するN2ガスが特に好ましい。
三次加硫の温度は二次加硫の温度以上であれば良く、好ましくは275℃以上、特に好ましくは300〜325℃とする。三次加硫温度を高目に設定すると三次加硫前フッ素ゴムパッキン中での加硫が促進されることにより加硫剤の残渣を放出し易くなるのに対して、低目に設定すると三次加硫前後でのフッ素ゴムパッキンの物性変化が小さいため、高温域で使用した場合に物性変化が大きくなってしまう。三次加硫の時間に特に制限は無い。フッ素ゴムパッキンが使用される温度やフッ素ゴムパッキンの材質等に応じて任意に設定することが出来る。但し、加硫時間が極端に短いと伝熱の問題から加硫の効果がパッキン内部に達しない場合がある。また、加硫時間が長過ぎると、熱分解や解重合によりフッ素ガスの放出が著しくなる為、熱気装置を腐食し易くなり大変に不経済である。それ故、三次加硫の時間は、好ましくは30分間〜40時間、より好ましくは2〜30時間、特に好ましくは3〜20時間である。
三次加硫の方法にも特に制限はないものの、加硫をさらに促進するには、化学平衡の観点から残渣を気相へ拡散する必要がある為、濃度勾配として装置中に気流を生じさせるか、又は一定時間毎に熱気装置中の雰囲気が完全に、あるいは部分的に入れ替わるのが望ましい。その際の気体流量には特に制限はなく、三次加硫前のフッ素ゴムパッキンの材質、量、装置の容積等に応じて任意に設定することが出来る。一般的には1リットル/分〜100リットル/分、特に5リットル/分〜30リットル/分程度とするのが好ましい。なお、三次加硫工程における不活性雰囲気としては、不活性ガス雰囲気に代えて、減圧雰囲気を採用してもよい。
(実施例1)
実施例1では、フッ素ゴムがフッ化ビニリデン系ゴムをベースとするフッ素ゴム、即ち、ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体を使用し、加硫方法は有機ペルオキシドを使用した過酸化物加硫である。加硫促進剤は四級アンモニウム化合物、加硫助剤はトリアリルイソシアヌレート、充填剤はカーボンブラック、増量剤は硫酸バリウムおよびフッ素樹脂パウダーである。かかるフッ素ゴム組成物に、150℃での一次加硫工程、大気中250℃での二次加硫工程、および窒素ガス雰囲気中300℃の三次加硫工程を行なってフッ素ゴムパッキンを製造した。
かかる方法で製造したフッ素ゴムパッキンを加熱した際に放出されるアウターガス(加硫剤の残渣や、加硫に寄与出来なかったフッ素ゴム成分)をガスクロマトグラフィにより測定したところ、三次加硫工程を行なわなかったフッ素ゴムパッキンに比較して、アウターガス量が少ないことが確認できた。また、JIS−K6854に準じる引張せん断試験により、本実施例に係る方法で製造したフッ素ゴムパッキンを2枚のアルミニウム板に挟んで高温雰囲気中で加圧保持した後、剥離に要する荷重を計測して粘着性を評価したところ、三次加硫工程を行なわなかったフッ素ゴムパッキンに比較して、粘着性が低いことが確認できた。また、二次加硫工程の後、大気雰囲気中300℃の三次加硫工程を行なった比較例と比較しても、本発明の実施例にかかるフッ素ゴムパッキンは、アウターガス量が少なく、粘着性が低いことが確認できた。
(実施例2)
実施例2では、フッ素ゴムがフッ化ビニリデン系ゴムをベースとするフッ素ゴム、即ち、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体を使用し、加硫方法は有機ペルオキシドを使用した過酸化物加硫である。加硫促進剤は四級アンモニウム化合物、加硫助剤はトリアリルイソシアヌレート、充填剤はカーボンブラック、増量剤は硫酸バリウムおよびフッ素樹脂パウダーである。かかるフッ素ゴム組成物に、150℃での一次加硫工程、大気中250℃での二次加硫工程、および窒素ガス雰囲気中300℃の三次加硫工程を行なってフッ素ゴムパッキンを製造した。
かかる方法で製造したフッ素ゴムパッキンのアウターガス量および粘着性を実施例1と同様な方法で評価したところ、三次加硫工程を行なわなかったフッ素ゴムパッキンに比較して、アウターガス量が少なく、粘着性が低いことが確認できた。また、二次加硫工程の後、大気雰囲気中300℃の三次加硫工程を行なった比較例と比較しても、本発明の実施例にかかるフッ素ゴムパッキンは、アウターガス量が少なく、粘着性が低いことが確認できた。
(実施例3)
実施例3では、フッ素ゴムがフッ化ビニリデン系ゴムをベースとするフッ素ゴム、即ち、ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体の共重合体を使用し、加硫方法はビスフェノールAFを使用したポリオール加硫である。加硫促進助剤は水酸化マグネシウム、受酸剤は酸化カルシウム、充填剤はカーボンブラック、増量剤は硫酸バリウムおよびフッ素樹脂パウダーである。かかるフッ素ゴム組成物に、150℃での一次加硫工程、大気中250℃での二次加硫工程、および窒素ガス雰囲気中300℃の三次加硫工程を行なってフッ素ゴムパッキンを製造した。
かかる方法で製造したフッ素ゴムパッキンのアウターガス量および粘着性を実施例1と同様な方法で評価したところ、三次加硫工程を行なわなかったフッ素ゴムパッキンに比較して、アウターガス量が少なく、粘着性が低いことが確認できた。また、二次加硫工程の後、大気雰囲気中300℃の三次加硫工程を行なった比較例と比較しても、本発明の実施例にかかるフッ素ゴムパッキンは、アウターガス量が少なく、粘着性が低いことが確認できた。
(実施例4)
実施例4では、フッ素ゴムがフッ化ビニリデン系ゴムをベースとするフッ素ゴム、即ち、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体を使用し、加硫方法はビスフェノールAFを使用したポリオール加硫である。加硫促進助剤は水酸化マグネシウム、受酸剤は酸化カルシウム、充填剤はカーボンブラック、増量剤は硫酸バリウムおよびフッ素樹脂パウダーである。かかるフッ素ゴム組成物に、150℃での一次加硫工程、大気中250℃での二次加硫工程、および窒素ガス雰囲気中300℃の三次加硫工程を行なってフッ素ゴムパッキンを製造した。
かかる方法で製造したフッ素ゴムパッキンのアウターガス量および粘着性を実施例1と同様な方法で評価したところ、三次加硫工程を行なわなかったフッ素ゴムパッキンに比較して、アウターガス量が少なく、粘着性が低いことが確認できた。また、二次加硫工程の後、大気雰囲気中300℃の三次加硫工程を行なった比較例と比較しても、本発明の実施例にかかるフッ素ゴムパッキンは、アウターガス量が少なく、粘着性が低いことが確認できた。
(その他の実施例)
上記実施例の他に、フッ素ゴムの種類や、添加剤の種類、加硫温度を代えて評価したが、いずれの条件でも、本発明を適用したフッ素ゴムパッキンは、アウターガス量が少なく、粘着性が低いことが確認できた。また、上記実施例では、充填剤および増量剤の双方を配置したが、充填剤および増量剤の一方のみ、例えば、フッ素樹脂系パウダー等の増量剤のみを配合したフッ素ゴムや、充填剤および増量剤のいずれをも配合しないフッ素ゴムに本発明を適用してもよい。

Claims (10)

  1. フッ素ゴムまたはフッ素ゴム組成物を加熱/加圧装置により一次加硫を行う一次加硫工程と、
    大気雰囲気中で二次加硫を行う二次加硫工程と、
    酸素を除去した不活性雰囲気中で三次加硫を行う三次加硫工程と、
    を有することを特徴とするフッ素ゴムパッキンの製造方法。
  2. 前記三次加硫の温度が前記二次加硫の温度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のフッ素ゴムパッキンの製造方法。
  3. 前記三次加硫の温度が300℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素ゴムパッキンの製造方法。
  4. 前記三次加硫工程における不活性雰囲気は、不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のフッ素ゴムパッキンの製造方法。
  5. 前記三次加硫工程における不活性ガス雰囲気は、窒素ガス雰囲気であることを特徴とする請求項4に記載のフッ素ゴムパッキンの製造方法。
  6. 前記三次加硫工程における不活性雰囲気は、減圧雰囲気であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のフッ素ゴムパッキン製造方法。
  7. 前記フッ素ゴムがヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のフッ素ゴムパッキンの製造方法。
  8. 前記フッ素ゴムがテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデンの共重合体であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のフッ素ゴムパッキンの製造方法。
  9. 前記一次加硫、前記二次加硫および前記三次加硫は、過酸化物加硫であることを特徴とする請求項7または8に記載のフッ素ゴムパッキンの製造方法。
  10. 前記一次加硫、前記二次加硫および前記三次加硫は、ポリオール加硫であることを特徴とする請求項7または8に記載のフッ素ゴムパッキンの製造方法。
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