JP2021105117A - ゴム組成物、及び、これを用いたゴム架橋成形物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温での耐熱性(特に、耐圧縮永久歪み性)に優れるフッ素ゴムをポリマーとして使用しつつ、室温以上の温度領域における優れた耐圧縮永久歪み性と、高い機械的強度とを備えた成形物を成形し得るゴム組成物、並びに、これを用いたゴム架橋成形物を提供すること。【解決手段】ポリオール架橋可能なフッ素ゴムと、該フッ素ゴム100質量部に対して1〜50質量部の多孔質炭素と、を含み、前記多孔質炭素が、植物由来の原料からなるゴム組成物、及び、これを用いたゴム架橋成形物である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、及び、これを用いたゴム架橋成形物に関する。
弾性と耐熱性、耐油性、耐薬品性等に優れるフッ素ゴムは、より一層の耐熱性向上が求められている。
耐熱性向上のために、高ムーニー粘度のポリマーを使用し、瀝青炭を充填材として使用する技術が特許文献1に開示されている。しかし、特許文献1に開示された技術では、成形物の機械的強度が低下してしまう。また、当該成形物は、200℃以下の温度域における圧縮永久歪みが十分ではない。
国際公開第2006/040944号
よって、本発明の課題は、高温での耐熱性(特に、耐圧縮永久歪み性)に優れるフッ素ゴムをポリマーとして使用しつつ、室温以上の温度領域における優れた耐圧縮永久歪み性と、高い機械的強度とを備えた成形物を成形し得るゴム組成物、及び、これを用いたゴム架橋成形物を提供することである。
上記課題は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明のゴム組成物は、ポリオール架橋可能なフッ素ゴムと、該フッ素ゴム100質量部に対して1〜50質量部の多孔質炭素と、を含む。
本発明のゴム組成物においては、前記多孔質炭素が、植物由来の原料からなる物であることが好ましく、なかでも、米糠及び/または籾殻と、フェノール樹脂と、の混合物を焼成してなる物であることが好ましい。
本発明のゴム組成物においては、前記フッ素ゴムが、フッ化ビニリデン系のフッ素ゴムであることが好ましく、また、前記フッ素ゴムのムーニー粘度(ML1+10、100℃)が、80以上であることが好ましい。
本発明のゴム組成物においては、さらに、ポリオール系架橋剤を含むものとすることができる。
一方、本発明のゴム架橋成形物は、上記本発明のゴム組成物のポリオール架橋による架橋成形体である。
本発明によれば、高温での耐熱性(特に、耐圧縮永久歪み性)に優れるフッ素ゴムをポリマーとして使用しつつ、室温以上の温度領域における優れた耐圧縮永久歪み性と、高い機械的強度とを備えた成形物を成形し得るゴム組成物、及び、これを用いたゴム架橋成形物を提供することができる。
以下、本発明のゴム組成物、並びに、これを用いたゴム架橋成形物について詳細に説明する。
<ゴム組成物>
本発明の一態様にかかるゴム組成物は、ポリオール架橋可能なフッ素ゴム(「ポリオール架橋性フッ素ゴム」という場合がある。)と、多孔質炭素と、を必須成分として含み、架橋反応の際には、さらにポリオール系架橋剤を含み、用途や必要に応じて、さらに、架橋促進剤やその他の成分が含まれる。
(ポリオール架橋性フッ素ゴム)
本発明において使用可能なフッ素ゴムとしては、ポリオール架橋可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、フッ化ビニリデン系(FKM)、テトラフルオロエチレン−プロピレン系(FEPM)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系(FFKM)等のフッ素ゴムを代表的なものとして挙げることができる。
これらの中でも、特に、フッ化ビニリデン系のフッ素ゴム(以下、「FKM」と略す場合がある。)が、低コストでありながら高い耐熱性を備えるため、好ましい。具体的に使用可能なFKMとしては、以下のものを例示することができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
・フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との二元共重合体(フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合体)
・VDFとHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)との三元共重合体(フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体)
・VDFとHFPとテトラフルオロプロピレン(TFP)との三元共重合体(フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン−テトラフルオロプロピレン共重合体)
・VDFとHFPとTFEとの三元共重合体におけるHFPをパーフルオロメチルビニルエーテル(PfMVE)に置換した、耐寒性に優れる低温3元系フッ素ゴム(フッ化ビニリデン−6フッ化メチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体)
これらフッ素ゴムには、さらに架橋用モノマーや変性モノマー等を共重合させたものも用いることができる。共重合可能な架橋用モノマーや変性モノマーとしては、ヨウ素原子、臭素原子、二重結合を含むもの等の公知の架橋用モノマーや、移動剤、公知のエチレン性不飽和化合物等の変性モノマーを例示することができる。
本発明において、ゴム組成物中のフッ素ゴムとしては、1種類でも構わないし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
本発明で使用するフッ素ゴムのムーニー粘度(ML1+10、100℃)としては、80以上であることが好ましく、85以上であることがより好ましく、90以上であることがさらに好ましい。ムーニー粘度(ML1+10、100℃)が低過ぎると、得られる成形物の高温かつ高圧縮条件下における圧縮永久歪みと割れ性をバランスよく付与することが困難になる場合がある。
一方、本発明で使用するフッ素ゴムのムーニー粘度(ML1+10、100℃)があまりに高過ぎると、成形加工が事実上困難になるため、150以下であることが好ましく、130以下であることがより好ましい。ムーニー粘度は、JIS K6300−1やASTM D−1646−82にその測定方法が規定されており、これに準拠して測定することができる。ただし、本発明におけるムーニー粘度の測定条件としては、L型ローターを用い、100℃で1分間予熱をし、10分間の測定時間にて測定した値である。
ムーニー粘度の測定装置としては、例えば、島津製作所社製ムーニー粘度計SMV201を用いて測定することができる。
なお、2種以上のフッ素ゴムを組み合わせて使用している場合には、これらの実際の混合割合で混合したものを用いて、ムーニー粘度を測定すればよい。
(多孔質炭素)
本発明のゴム組成物には、多孔質炭素が含まれる。
本発明に用いられる多孔質炭素としては、植物由来の原料からなるものであることの他、特に制限はなく、一般的な炭素の多孔質体を用いることができる。かかる多孔質炭素として、具体的には、活性炭や竹炭、石炭、木炭等を挙げることができる。
本発明に用いられる植物由来の原料からなる多孔質炭素については、例えば、特開2010−161057号公報(以下、「文献A」と称する。)や特開2012−012452号公報(以下、「文献B」と称する。)に記載されており、具体的には、大豆皮、菜種粕、胡麻粕、綿実粕、米糠、籾殻等の穀物残渣を900℃で3時間程度焼成して得られる多孔質炭素粉末(文献A)、あるいは、穀物類の殻、藁、芯、搾り粕や種実類、豆類の殻、搾り粕、茶殻、果菜類の皮、木材、竹、紙類等の植物を段階的に炭化処理したもの(文献B)などを挙げることができる。実際には、市販品である日清オイリオ社製のフィトポーラスシリーズなどをそのまま用いることができる。
また、粒度を調整した米糠や麩等の麩糠類に熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂及び適量の糊料入り水溶液を加えてなる混練状麩糠類を造粒、焼成および炭化して得られたものも、多孔質炭素粉末として用いることができる(特開2004−137144号公報参照)。
本発明に用いられる多孔質炭素としては、米糠や籾殻、あるいはその両方と、フェノール樹脂と、の混合物を焼成してなる物が特に好ましい。当該混合物の具体的な製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。ただし、以下の製造方法はあくまでも例示であり、これに限定されるものではない。
油を抽出した脱脂糠を50メッシュの篩に掛け通過したものを原料として用い、この脱脂糠75質量%に、フェノ−ル樹脂[(株)ホーネンコーポレーション製 豊年レジングル−px−1600(商品名)]を熱硬化性樹脂として25質量%になるように添加し、充分混合する。次に、揮発分を除去するため、80℃に加熱しながら造粒し、4メッシュの篩を通過させる。その後、焼成炉内で窒素ガスを流しながら焼成するが、その際の昇温速度は、室温から250℃まで1.2℃/分、250℃から350℃までを1℃/分、350℃から500℃まで1.2℃/分とし、500℃で1時間保持した後、再び500℃から900℃まで2℃/分の速度で昇温し、900℃で2時間保持する。焼成後の冷却は、1.5℃/分の割合で行う。炭化した糠を、粉砕機(アトマイザー)によって一旦粉砕した後、振盪篩によって選別して100μm以下の、目的の多孔性炭素粉末を得ることができる。
以上のようにして得られた多孔質炭素として、実際には、市販品である三和油脂社製のRBセラミックス(米糠由来)やRHSCセラミックス(籾殻由来)などをそのまま用いることができる。RBセラミックスは、米糠とフェノール樹脂の混合物を焼成して成る多孔質炭素粉末である。フェノールのみを焼成すると硬いガラス状の炭素になり、一方、米糠のみを焼成すると空孔のある柔らかい炭素になる特徴があり、これらの混合物を焼成することで硬質の多孔質炭素が得られる。
一方、RHSCセラミックスは、籾殻とフェノール樹脂の混合物を焼成して成る多孔質炭素粉末である。基本的な特徴としてはRBセラミックスに準ずるが、RHSCセラミックスは、その検出元素の差異から、水分に対する膨張がRBセラミックスの約10分の1であるという特徴を有している。
多孔質炭素の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して1〜50質量部の範囲内であり、5〜40質量部の範囲内であることが好ましく、10〜30質量部の範囲内であることがより好ましい。
多孔質炭素の配合量が多過ぎると、成形加工が困難になるだけでなく、耐圧縮永久歪性が悪化してしまう懸念があるため好ましくない。一方で、多孔質炭素の配合量が少な過ぎると、十分な補強効果が得られにくく、材料強度が不足する懸念があるため好ましくない。
(ポリオール系架橋剤)
本発明において使用可能なポリオール系架橋剤としては、従来から、フッ素ゴムの架橋剤乃至加硫剤として知られている化合物を特に制限なく用いることができる。本発明においては、例えば、ポリヒドロキシ化合物、特に、耐熱性に優れる点からポリヒドロキシ芳香族化合物が好適に用いられる。
本発明においてポリオール系架橋剤として使用可能なポリヒドロキシ芳香族化合物の具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(一般的に「ビスフェノールA」と称される。)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(一般的に、「ビスフェノールAF」と称される。)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(一般的に、「ビスフェノールB」と称される。)、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールA、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどを挙げることができる。本発明において、ポリオール系架橋剤としてこれらのポリヒドロキシ芳香族化合物を用いる場合には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などであってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、これらの金属塩を用いないことが好ましい。
これらのポリオール系架橋剤の中でも、成形後に得られるゴム架橋成形物の圧縮永久歪みが小さく、成形性も良く、シール材として用いた際にシール特性にも優れているという点から、ポリヒドロキシ化合物が好ましく、耐熱性が優れているという点から、ポリヒドロキシ芳香族化合物がより好ましく、これらの中でも特にビスフェノールAFが好ましい。
本発明のゴム組成物におけるポリオール系架橋剤の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、1.7〜2.8質量部の範囲内であることが好ましく、1.8〜2.6質量部の範囲内であることがより好ましく、1.9〜2.4質量部の範囲内であることがさらに好ましい。ポリオール系架橋剤の配合量が少な過ぎると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向があり、配合量が多過ぎると、架橋密度が高くなり圧縮時に割れ易くなる傾向があるため、それぞれ好ましくない。
(架橋促進剤)
本発明のゴム組成物においては、架橋反応の際に、ポリオール系架橋剤とともに架橋促進剤が用いられる。架橋促進剤を用いることで、フッ素ゴムの主鎖からの脱フッ酸反応における分子内二重結合の形成を促進することができ、ゴム組成物の架橋反応を促進することができる。
本発明において使用可能な架橋促進剤としては、フッ素ゴムの主鎖に付加しにくい性質を有する化合物が好ましく、オニウム化合物が好適なものとして挙げられる。架橋促進剤として使用可能なオニウム化合物は、特に限定はなく、例えば、第4級アンモニウム塩等のアンモニウム化合物、第4級ホスホニウム塩等のホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、スルホニウム化合物、環状アミン、1官能性アミン化合物等を挙げることができる。本発明においては、これらの中でも第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩が架橋促進剤として好適に使用される。
本発明において架橋促進剤として使用可能な第4級アンモニウム塩としては、例えば、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロオキサイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムメチルスルフェート、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムアイオダイド、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−プロピル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロオキサイド、8−エイコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−テトラコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド(一般に「DBU−B」と称される。)、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロオキサイド、8−フェネチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド等を挙げることができる。これらの中でも、架橋性や、最終的に得られるゴム架橋成形物の物性の点から、DBU−Bが好ましい。
また、本発明において、架橋促進剤として使用可能な第4級ホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(一般に「BTPPC」と称される。)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロリド、トリブチルアリルホスホニウムクロリド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロリド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリド等を挙げることができる。これらの中でも、架橋性や、最終的に得られるゴム架橋成形物の物性の点から、BTPPCが好ましい。
さらに、本発明において、架橋促進剤としては、第4級アンモニウム塩あるいは第4級ホスホニウム塩と、ビスフェノールAFとの固溶体や、特開平11−147891号公報において開示されている塩素フリーの架橋促進剤を用いることもできる。
本発明のゴム組成物における架橋促進剤の配合量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、0.1〜2.0質量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜1.5質量部の範囲内であることがより好ましく、0.1〜0.7質量部の範囲内であることがさらに好ましい。架橋促進剤の配合量が少な過ぎると、架橋速度が遅くなり生産性が悪くなる傾向があり、配合量が多過ぎると、架橋速度が速くなりスコーチや成形不良が発生しやすくなる傾向があるため、それぞれ好ましくない。
(その他の成分)
以上の各成分よりなる組成物中には、さらに必要に応じて他の成分、例えば、受酸剤、架橋促進助剤、老化防止剤、滑剤、可塑剤、顔料、加工助剤、離型剤、着色剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、接着・粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤等が添加される。なお、従来の各種カーボンブラック等の補強剤、充填剤を配合することも、本発明の目的を阻害しない範囲内においては可能であるが、これらの補強剤や充填剤を配合しない態様であることが望ましい。
本発明のゴム組成物に受酸剤や架橋促進助剤として添加可能な成分としては、金属酸化物や金属水酸化物を挙げることができる。
金属酸化物は、主に、架橋の際に生ずる酸性物質を中和するための受酸剤として用いられる。
本発明のゴム組成物に添加可能な金属酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉛、並びにこれら金属酸化物の表面処理品等を挙げることができる。これらの中でも、受酸剤としては、酸化マグネシウム及びその表面処理品が好ましい。受酸剤としては、これらの他に、合成ハイドロタルサイトを使用することもできる。
一方、金属水酸化物は、主に、架橋促進助剤として用いられ、架橋促進剤と反応して脱フッ酸作用を補強し、また、架橋促進剤を活性化することにより、架橋反応を促進する機能を有する。
本発明のゴム組成物に添加可能な金属水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、並びにこれら金属水酸化物の表面処理品等を挙げることができる。これらの中でも、架橋促進助剤としては、水酸化カルシウム及びその表面処理品が好ましい。
本発明のゴム組成物における金属酸化物および金属水酸化物の添加量としては、フッ素ゴム100質量部に対して、それぞれ25質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。金属酸化物が多過ぎるとスコーチを起こし易くなる傾向があり、金属水酸化物が多過ぎると圧縮永久歪みが悪化する傾向があるため、それぞれ好ましくない。
(ゴム組成物の調製)
本発明のゴム組成物は、フッ素ゴム、多孔質炭素、並びに、必要に応じて、ポリオール系架橋剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、受酸剤、その他の成分を、一般に使用されているゴム混練り装置を用いて混練りすることにより得られる。ゴム混練り装置としては、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、二軸押し出し機などを挙げることができる。
<ゴム架橋成形物>
本発明のゴム架橋成形物は、上記本発明のゴム組成物のポリオール架橋による架橋成形体である。本発明のゴム架橋成形物は、ポリオール系架橋剤を含む本発明のゴム組成物を用い、ゴム用成形機を用いて架橋成形することにより得られる。ゴム用成形機としては圧縮プレス、注入成形機、射出成形機などを用いることができる。ロールや押し出し機、予備成形機等を用いて所定の形状に予備成形したゴム組成物を、150〜230℃で約1〜60分間加熱することにより一次架橋を行う。
一次架橋により成形された成形体は、エアオーブン等を用いて二次架橋を行うことが望ましい。二次架橋を行うことによって、一次架橋の反応を完結させ、架橋反応をせず残存している架橋剤や架橋促進剤の分解、並びに、架橋時に発生したガスの放散等が為される。二次架橋を行うことにより、本発明のゴム架橋成形物の引張り強さ、圧縮永久歪み等の力学特性を向上させることができる。
このような二次架橋の条件としては、210〜260℃で16〜24時間程度行うことが好ましい。二次架橋の温度が低過ぎると、残存する架橋剤や架橋促進剤の影響で圧縮永久歪みが悪化する懸念があり、二次架橋の温度が高過ぎると、ポリマーが劣化する懸念がある。
本発明のゴム架橋成形物は、Oリングやガスケットその他の各種シール材の形状に成形することにより、それらシール材として使用することができる。
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のゴム組成物及びゴム架橋成形物を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例の記載により限定されるものではない。
[使用した材料]
以下の実施例乃至比較例においては、以下の材料を用いて実験を行った。
・フッ素ゴム:商品名「ダイエルG−7800BP(ダイキン工業社製)」…ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ムーニー粘度(ML1+10、100℃)=100
・多孔質炭素1:商品名「RBセラミックス(三和油脂社製)」…米糠由来
・多孔質炭素2:商品名「RHSCセラミックス(三和油脂社製)」…籾殻由来
・サーマルブラック(カーボンブラック):商品名「サーマックスN990(カンカーブ社製)」
・瀝青炭フィラー:商品名「オースチンブラック325(Coal Filler社製)」
・酸化マグネシウム:商品名「キョーワマグ150(協和化学工業社製)」
・水酸化カルシウム:商品名「カルディック2000(近江化学工業社製)」
・ポリオール系架橋剤:商品名「ビスフェノールAF(東京化成工業社製)」
・架橋促進剤:第4級ホスホニウム塩:商品名「キュラティブVC#20(デュポン社製)」
[ゴム組成物の調製]
下記表1に示す配合で材料を混合し、混練りすることで、実施例1及び2、並びに、比較例1及び2の各ゴム組成物を調製した。
Figure 2021105117
なお、混練りは、オープンロールを用い、100℃以下で10〜30分の条件で行った。
[ゴム架橋成形物の製造]
次に、実施例及び比較例の各ゴム組成物を用い、プレス成形機を用いて、180℃×6分の条件で1次架橋成形を行い、その後、230℃×24hの2次架橋成形を施して、ゴム架橋成形物の、後述するOリング試験片と、後述するダンベル状の試験片とを得た。
[評価試験]
得られた実施例及び比較例の各試験片について、常態における物性測定と、圧縮永久歪み及びシール寿命の測定を行った。
試験方法、試験条件及び評価基準等は、以下の通りである。
<常態値>
(硬さ試験)
実施例及び比較例の各試験片について、JIS K6253−3に準拠して、硬さ試験を実施した。結果は、下記表2にまとめて示す。
(引張試験)
実施例及び比較例の各試験片について、JIS K6251に準拠して、引張特性の試験を実施した。供した試験片は、JISで規定する3号ダンベル形状に成形した物を用いた。引張特性は、引張強さT及び伸びEについて実施した。結果は、下記表2にまとめて示す。
なお、引張強さTの評価基準は、以下の通りである。
○:引張強さTが13MPa以上
△:引張強さTが10MPa以上13MPa未満
×:引張強さTが10MPa未満
<圧縮永久歪み>
得られた実施例及び比較例の各試験片について、JIS K6262に準拠して、圧縮永久歪みCSを測定した。供した試験片は、Oリング形状(型式G25(JIS B2401−1))に成形した物を用いた。ぞれぞれの試験片を175℃で1000時間(条件A)と250℃で72時間(条件B)の2水準の条件で圧縮し、JIS K6262に準拠した条件で圧縮永久歪みCSを測定した。結果は、下記表2にまとめて示す。
なお、圧縮永久歪みの評価基準は、以下の通りである。
(条件A)
◎:圧縮永久歪みCSが15%未満
○:圧縮永久歪みCSが15%以上20%未満
△:圧縮永久歪みCSが20%以上25%未満
×:圧縮永久歪みCSが25%以上
(条件B)
○:圧縮永久歪みCSが40%未満
△:圧縮永久歪みCSが40%以上50%未満
×:圧縮永久歪みCSが50%以上
<シール寿命>
得られた実施例及び比較例の各試験片について、上記圧縮永久歪みの試験方法の条件B(250℃)に準拠して圧縮永久歪みの試験の操作を実施した。ただし、シール寿命の試験では、試験時間を72時間で終了とせず、そのまま圧縮永久歪みCSが80%になるまで継続した。この圧縮永久歪みCSが80%になるまでに要した時間をシール寿命の結果とした。結果は、下記表2にまとめて示す。
なお、シール寿命の評価基準は、以下の通りである。
○:シール寿命が300時間以上
△:シール寿命が200時間以上300時間未満
×:シール寿命が200時間未満
Figure 2021105117
上記表2を見ればわかるように、実施例の試験片(ゴム架橋成形物)は、室温以上の温度領域における圧縮永久歪みCSの評価結果が、高温の175℃で長時間の1000時間の条件Aにおいて、比較例に比して特に優れており、さらに高温の250℃で72時間の条件Bでも比較的優れている。
また、比較例と同等の硬さでありながら、引張強さにも優れており、かつ、伸びに対しても耐性を有している。
したがって、上記実施例の結果から、本発明によれば、室温以上の温度領域における優れた耐圧縮永久歪み性と、高い機械的強度とを備えた成形物を成形し得るゴム組成物、並びに、これを用いたゴム架橋成形物を提供することができることがわかる。

Claims (6)

  1. ポリオール架橋可能なフッ素ゴムと、該フッ素ゴム100質量部に対して1〜50質量部の多孔質炭素と、を含み、
    前記多孔質炭素が、植物由来の原料からなるゴム組成物。
  2. 前記多孔質炭素が、米糠及び/または籾殻と、フェノール樹脂と、の混合物を焼成してなる物である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記フッ素ゴムが、フッ化ビニリデン系のフッ素ゴムである、請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記フッ素ゴムのムーニー粘度(ML1+10、100℃)が、80以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. さらに、ポリオール系架橋剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物のポリオール架橋による架橋成形体であるゴム架橋成形物。
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