JP2004254650A - インロー芯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この方法は、カーボン又はガラス繊維に合成樹脂を含浸させた細棒状の中実体を形成する工程と、カーボン繊維に合成樹脂を含浸させたシート状のプリプレグシートを前記中実体の周面に巻回する工程とを含む。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インロー継ぎ釣竿のインロー芯に関する。
【0002】
【従来の技術】
インロー継ぎ釣竿は、複数の竿体をそれぞれインロー芯と呼ばれる芯材を介して連結するものである。一般に、この種の釣竿は、大径の第1竿体と、第1竿体の穂先側端部にその一部が挿入され固定されているインロー芯と、第2竿体とを有する。このインロー芯の他端に第2竿体の竿元側端部が脱着自在に嵌着する。
【0003】
このようなインロー芯は、竿体同士を連結する重要な部材であり、釣竿全体の撓りを損なわず且つ破損しないようにするための工夫等(例えば、インロー芯の素材の剛性・弾性率の調整や、肉厚を調整するなど)が施されている。また、竿体の固着防止のための周面形状の加工も行われている。
ところで、インロー芯は中実の棒状のもの、中空の筒状のもの、一部が中実で一部が中空のもの(特許文献1参照)等、様々なタイプのものが知られている。
【0004】
この従来の中空のインロー芯は、芯材の周面にシート又はテープ状に形成されたプリプレグ素材を巻回して焼成し芯材を引き抜いて形成される。このような中空のインロー芯では、潰れ方向での強度を保つため必要があるので、周方向に強化繊維を配向させたプリプレグを少なくとも一層分積層する。しかし、このような周方向に強化繊維を配向させたプリプレグを小径に積層するのは技術的に困難である。即ち、一般に、中空のインロー芯を製造する際にはシート状に加工されたプリプレグを芯材に巻回して焼成するが、周方向に強化繊維が配向されたシート状のプリプレグを芯材に巻回すると、強化繊維自体の弾性によりプリプレグが上手く芯材に巻ききれない場合がある。このようなプリプレグの巻回の困難性により、個々の製品毎に配向方向へのねじれが生じ易く、結果的に、インロー芯の潰れ方向強度のばらつきが生じ易い。竿体同士を連結してその応力が集中するインロー芯では潰れ方向の強度のエラーは重大である。
【0005】
一方、従来の中実のインロー芯は、強化繊維を束状にまとめた上で合成樹脂を含浸させて固化して形成される。このような製法上、成形固化のための合成樹脂の含有量が比較的多量に要求され、結果的に、強化繊維の含有比率が合成樹脂に比べて相対的に小さくなる。強化繊維が弾性を高める要素であるので、強化繊維の含有比率の低下はインロー芯の弾性の向上を困難にさせることになる。
【0006】
なお、一部が中空となっている上記特許文献1は、棒材に切削加工を施すものとされており、基本的には、この中実タイプのインロー芯を前提とするものと考えられる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−279063号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のインロー芯はその製法によって完成したインロー芯に長所短所があり、その改良が求められている。
本発明の課題は、高弾性化が可能であると共に品質のばらつきも少ないインロー芯の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明1の方法は、インロー継ぎ式釣竿の第1竿体と第2竿体とを連結するための芯材であるインロー芯を製造する方法であって、カーボン又はガラス繊維に合成樹脂を含浸させた細棒状の中実体を形成する工程と、カーボン繊維に合成樹脂を含浸させたシート状のプリプレグシートを中実体の周面に巻回する工程と、中実体及びプリプレグシートを焼成する工程とを含む。
【0010】
この方法では、結果的に中空部分のない中実体となるインロー芯を構成するので潰れ方向への配慮が不要となり周方向に強化繊維を配向する必要がない。このため強度等の品質のばらつきが生じ難くなる。また、周方向への強化繊維の配向が不要となる分だけ軸方向に強化繊維を配置できるので曲げ剛性の向上も容易になる。さらに、細経のインロー芯を製造しても潰れ強度を担保できる。
【0011】
また、従来の中実体と異なり、シート状プリプレグを巻回してインロー芯を形成することで、合成樹脂の量を相対的に小さくして繊維量を向上させることができるので、高弾性材を積層し弾性を高めることも容易になる。
発明2の方法は、発明1の方法であって、中実体は径の変化しない細棒体であり、中実体及びプリプレグシートを焼成した後に、周面を研磨して外径を調整する工程をさらに含む。
【0012】
この方法では、径の変化しない中実体にプリプレグシートを巻回するので、小径の中実体にもプリプレグを巻回し易い。
発明3の方法は、発明1又は2の方法であって、プリプレグシートはカーボン繊維が軸方向に配向されており、繊維の引張弾性率が38〜50t/mm2であり、繊維の含有率が75重量%以上である。
【0013】
このような高弾性率のカーボン繊維を高含有率で利用するので、小径のインロー芯であっても、高弾性化が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1つの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に、本発明に係るインロー芯を用いたインロー継ぎ式の釣竿の一部を示す。この釣竿では、元竿1と、元竿1の穂先側に固定されているインロー芯2と、このインロー芯2に脱着自在に連結される元上竿2とを有している。
【0015】
元竿1及び元上竿3は、それぞれ炭素繊維に強化樹脂を含浸させたプリプレグをマンドレルに巻回し焼成して得られた先細り筒状部材である。元竿1には、竿元側端部周面にグリップが配置され、そのグリップの穂先側にはリールシート等が必要に応じて設けられる。元上竿3の周面にはリールシートに装着したリールからの釣糸を案内する釣糸ガイドなどが設けられる。なお、元上竿3の穂先側に更に他の竿体も連結される。このため、元上竿3の穂先側にも更に別のインロー芯が装着される。
【0016】
(インロー芯2の構造)
インロー芯2は、穂先側ほど外径が小径化するようなテーパが施された中実の棒状部材である。インロー芯2は、後に詳しく説明するように、各竿体と同様に炭素繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグから形成される。このインロー芯2の竿元側外径は元竿1の穂先側内径に合致しており、インロー芯2の竿元側から軸方向中心付近までの部分が元竿1の穂先側に挿入され接着剤等で固定されている。なお、この実施形態では、インロー芯2を竿元側に位置する元竿1に挿入して固定しているが、穂先側に位置する元上竿3の竿元側に挿入して接着剤等で固定してもよい。
【0017】
一方、インロー芯2の穂先側外径は元上竿3の竿元側内径に合致しており、インロー芯2の穂先側から軸方向中心付近までの部分が元上竿3の竿元側に脱着自在に挿入される。なお、この元上竿3にインロー芯2を完全に挿入して嵌着させた状態において、元上竿3の竿元側端面と元竿1の穂先側端面とは接触することなく、その間には間隔(遊び)が生じるように、インロー芯2の外径を設定するのが好ましい。また、それぞれの竿体内に挿入されるインロー芯2の軸方向長さは、それぞれの竿体の径の3倍以上となるようにするのが、嵌着力維持の観点からは好ましい。
【0018】
このインロー芯2は、詳しくは2つの部分から構成されている。図1に示すように、インロー芯2は、軸心として内側部分に位置するソリッド部分10と、ソリッド部分10の外周に積層されている巻回部分11とからなる。これらは最終的には一体化して1つのインロー芯2を構成しているが、製造時の由来が異なる。これらの部分については以下の製造方法を参酌することで、その特徴が明らかになる。
【0019】
(インロー芯2の製法)
次に、インロー芯2の製造方法を説明する。
まず、比較的細経(φ1.5mm程度)の中実のいわゆるソリッド素材を周知の方法により製造する。即ち、カーボンまたはガラス繊維を束ねて合成樹脂を含芯させて棒状に固化し、中実の芯20を形成する(図2(a)参照)。この芯20がソリッド部分10を構成することになる。この芯20は軸方向において径の変化のない細棒体である。
【0020】
次に、図2(a)に示すように、芯20に対してシート状に加工したプリプレグ素材21を巻回する(図2(c)参照)。巻回数は10〜20プライ程度、必要な径にあわせて任意に調整する。このシート状のプリプレグ素材21は、カーボン繊維を芯20の軸方向に配向させた上でエポキシ樹脂などを含芯させたものである。カーボン繊維の引張弾性率は38.5 t/mm2程度である。また、繊維を含めて全体を棒状に固化させる場合とは異なり、合成樹脂量は比較的小さく抑えることができ、繊維の含有率が76%となっている。
【0021】
このようにして得られた素材(図2(b)参照)を、炉内において焼成し固化させて一体化する。そして、軸方向に適当な長さに切断し、周面を研磨して径を調整し、インロー芯2を製造する。
この方法では、結果的に中空部分のない中実体となるインロー芯2を構成するので潰れ方向への配慮が不要となり周方向に強化繊維を配向する必要がない。このため強度等の品質のばらつきが生じ難くなる。また、周方向への強化繊維の配向が不要となる分だけ軸方向に強化繊維を配置できるので軸方向における弾性率の向上も容易になる。
【0022】
また、従来の中実体と同様の芯20のみではなく、シート状プリプレグ素材21を芯20に巻回してインロー芯2を形成することで、合成樹脂の量を相対的に小さくして繊維量を向上させることができるので、高弾性材を積層し弾性を高めることも容易になる。具体的な調整後のインロー芯の径としては、極めて小径化することができ、例えば、インロー芯を連結する竿体の穂先側内径がφ4mm(インロー芯の竿元側外径もφ4mm)程度まで小径化が可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明に係る方法では、容易に品質のばらつき無く高弾性のインロー芯を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施形態を採用したインロー芯2を示した図。
【図2】図1のインロー芯2の製造工程を示した図。
【符号の説明】
1 元竿
2 インロー芯
3 元上竿
10 ソリッド部分
11 巻回部分
20 芯
21 シート状プリプレグ素材
Claims (3)
- インロー継ぎ式釣竿の第1竿体と第2竿体とを連結するための芯材であるインロー芯を製造する方法であって、
カーボン又はガラス繊維に合成樹脂を含浸させた細棒状の中実体を形成する工程と、
カーボン繊維に合成樹脂を含浸させたシート状のプリプレグシートを前記中実体の周面に巻回する工程と、
前記中実体及びプリプレグシートを焼成する工程と、
を含む方法。 - 前記中実体は径の変化しない細棒体であり、前記中実体及びプリプレグシートを焼成した後に、周面を研磨して外径を調整する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記プリプレグシートはカーボン繊維が軸方向に配向されており、その繊維の引張弾性率が38〜50t/mm2であり、繊維の含有率が75重量%以上である、請求項1又は2に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003051800A JP2004254650A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | インロー芯の製造方法 |
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JP2003051800A JP2004254650A (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | インロー芯の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
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-
2003
- 2003-02-27 JP JP2003051800A patent/JP2004254650A/ja active Pending
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