JP2000209982A - 竿 - Google Patents

竿

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JP2000209982A
JP2000209982A JP11013080A JP1308099A JP2000209982A JP 2000209982 A JP2000209982 A JP 2000209982A JP 11013080 A JP11013080 A JP 11013080A JP 1308099 A JP1308099 A JP 1308099A JP 2000209982 A JP2000209982 A JP 2000209982A
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Takayuki Tsukihara
孝行 月原
Takayuki Shiroki
貴之 白記
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中実状でありながら軽量化でき、折損に対す
る強度を確保しつつ竿の調子を容易に調節でき、しか
も、製造工程を簡易化できる竿を提供することを課題と
する。 【解決手段】 弾性率が23ton/mm2以下のカー
ボン繊維を補強繊維とした中実状のソリッド体3を備
え、該ソリッド体3には、カーボン繊維を補強繊維とし
且つその弾性率がソリッド体3のカーボン繊維の弾性率
以上のプリプレグ6,7が巻装されてなることを解決手
段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は竿に関し、特に、中
実状のソリッド体を備えてなる竿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、軽量化と曲げ剛性確保のために、
竿においてカーボン繊維が補強繊維として用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、竿全体を中
実状のソリッド体として形成すると、カーボン繊維の弾
性率が高いことから竿が硬くなりすぎて竿の調子を出す
ことが困難となる。つまり、しなやかな曲がりを得るこ
とが難しくなる。従って、調子を出すためには細く形成
する必要があるが、細くすると折れやすくなり、折損に
対する必要強度が得られないという問題がある。
【0004】このように、従来においては、竿全体をソ
リッド体として構成する場合において、そのソリッド体
の補強繊維としてカーボン繊維を使用すると、カーボン
繊維の弾性率の高さゆえに上記のような問題点が生じる
こととなるため、ソリッド体の補強繊維としてはガラス
繊維が使用されていたのである。しかし、ガラス繊維を
補強繊維として使用すると、相対的に竿の重量が重くな
るという問題がある。また、竿先から竿元まで中実状に
形成した場合、その竿の調子を調節するには、ソリッド
体の形状を竿先から竿元まで複雑に変化させる必要が生
じ、その結果、このソリッド体の加工、即ち製造工程が
複雑化する。
【0005】そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、その課題とするところは、中実
状でありながら軽量化でき、折損に対する強度を確保し
つつ竿の調子を容易に調節でき、しかも、製造工程を簡
易化できる竿を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべくなされたものであり、本発明に係る竿は、弾性
率が23ton/mm2以下のカーボン繊維を補強繊維
とした中実状のソリッド体3を備え、該ソリッド体3に
は、カーボン繊維を補強繊維とし且つその弾性率がソリ
ッド体3のカーボン繊維の弾性率以上のプリプレグ6,
7が巻装されてなることを特徴とする。
【0007】該構成の竿にあっては、弾性率が23to
n/mm2以下の低弾性のカーボン繊維をソリッド体3
の補強繊維として用いてなるので、しなやかな竿の曲が
りを得ることができる。しかも、ソリッド体3のみで竿
を構成するのではなくプリプレグ6,7を巻装してなる
ので、プリプレグ6,7の巻装で竿径を調節できる。従
って、プリプレグ6,7の巻装で竿の調子を調節するこ
とができ、その結果、ソリッド体3の形状がシンプルに
できる。
【0008】更に、プリプレグ6,7側のカーボン繊維
の弾性率をソリッド体3のそれ以上にすることによっ
て、竿径を極端に太くすることなく、必要強度を確保で
き、軽量化との両立を図ることが可能となる。
【0009】特に、請求項2記載の如く、ソリッド体3
のカーボン繊維の弾性率を19ton/mm2以下とす
ることにより、より一層しなやかな曲がりを得ることが
できる。
【0010】また、一般に、竿は、竿先部1よりも竿元
部2側の径を大きくして曲げに対する強度を確保する。
従って、低弾性のソリッド体3を竿元部2まで設けた場
合には、請求項3記載の如く、少なくとも竿元部2に前
記プリプレグ6,7を巻装して、竿元部2における強度
を確保しつつ竿全体の曲がりの調節することにより、竿
元部2の径が極大化することを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る竿の一実施形
態について、図1乃至図4を参酌しつつ、竿先部1から
竿元部2まで中実状のソリッド体3が設けられ、該ソリ
ッド体3の外周にプリプレグが巻装されて、ソリッド体
3とプリプレグとが一体化されてなる竿について説明す
る。
【0012】前記ソリッド体3は、竿先部1から竿元部
2にかけて径が大きくなったテーパ状に形成されてな
り、カーボン繊維を補強繊維として使用してなる。該カ
ーボン繊維は一定方向に揃えられており、その方向は竿
の軸方向と略一致している。尚、該ソリッド体3は、カ
ーボン繊維を長さ方向に集合したものに合成樹脂を含浸
させて加圧加熱により硬化成形して形成したものであ
る。ここで、カーボン繊維の弾性率は、23ton/m
2以下であり、特に、19ton/mm2以下が好まし
く、本実施形態では、15ton/mm2のものを使用
している。また、前記合成樹脂としては不飽和ポリエス
テルを使用しているが、これに限定されない。そして、
ソリッド体3の合成樹脂の含浸量は、30乃至50重量
%程度が好ましく、本実施形態では、43重量%であ
る。
【0013】そして、該ソリッド体3に前記プリプレグ
が巻装されることによりプリプレグ層4が形成されてな
る。尚、図1の如く、ソリッド体3の竿元部2側には、
プリプレグ層4が設けられていない領域があるが、これ
は、ソリッド体3をハンドル部5に挿入固定するための
領域である。従って、竿全体としては、ハンドル部5か
ら先の領域の全長に亘ってプリプレグが巻装されてプリ
プレグ層4が形成されている。
【0014】かかるプリプレグは、カーボン繊維を補強
繊維としており、カーボン繊維を一定方向に引き揃えて
合成樹脂を含浸させたシート状のものを、扇状や所定幅
のテープ状に裁断したものである。具体的には、図3の
如く、ソリッド体3の外周に、竿元部2側に向かって広
がった四枚の扇状のプリプレグ6を順に巻装して竿元部
2側の巻き付け量を多くし、図4の如く、その外周に全
長に亘ってテープ状のプリプレグ7を螺旋状に密に巻装
してソリッド体3と一体化して形成する。四枚の扇状の
プリプレグ6は、ソリッド体3の軸方向に沿った長さが
各々異なっており、これにより、竿元部2側ほどテーパ
の勾配がきつくなるようにしている。より具体的には、
四枚の扇状のプリプレグ6のうち、内側の三枚は、ソリ
ッド体3の中間部から竿元部2側端部までに亘って、最
も外側のものはソリッド体3の中間部から竿先部1端部
までに亘って巻装されている。そして、内側の三枚は、
外側のもの程、ソリッド体3の軸方向に沿った長さとを
大きくしている。即ち、外側のもの程、竿先部1側まで
巻装できるようにしている。尚、テープ状のプリプレグ
7についても、竿元部2側ほど螺旋のピッチを狭くする
等により、竿元部2側の厚みが厚くなるようにしてお
り、また、扇状のプリプレグ6の巻回方向と逆方向に巻
回させている。
【0015】このように本実施形態では、複数のプリプ
レグ6,7を巻装させてなるが、その結果形成されるプ
リプレグ層4は、扇状のプリプレグ6の巻装による第一
プリプレグ層4aと、テープ状のプリプレグ7の巻装に
よる第二プリプレグ層4bとから構成される。そして、
プリプレグ層4とソリッド体3との径方向の寸法関係を
具体的に説明すると、図2のようになる。まず、竿先部
1端部において、ソリッド体3の径D1が約1.8m
m、第一プリプレグ層4aの外径D2が約2.2乃至
2.6mm、第二プリプレグ層4bの外径D3が2.4
乃至2.8mmとなっている。竿元部2端部では、ソリ
ッド体3の径D1が約7.7mm、第一プリプレグ層4
aの外径D2が約11.6乃至14.6mm、第二プリ
プレグ層4bの外径D3が12乃至15mmとなってい
る。
【0016】また、プリプレグのカーボン繊維の弾性率
については、扇状のプリプレグ6のそれが17ton/
mm2相当で、テープ状のプリプレグ7のそれが24t
on/mm2である。尚、扇状のプリプレグ6は全て、
弾性率の異なる二種類のカーボン繊維が混合されたも
の、具体的には、10ton/mm2と24ton/m
2との混合であって全体としての弾性率が上述した1
7ton/mm2相当のものである。また、プリプレグ
についても合成樹脂は特に限定されず、その含浸量も3
0乃至50重量%が好ましいが、本実施形態ではエポキ
シ樹脂を採用し、その含浸量を37重量%としている。
【0017】このようにソリッド体3とプリプレグ層4
とから竿を構成してなることにより、以下のような利点
がある。まず、ソリッド体3の補強繊維としてカーボン
繊維を用いてなるので、ガラス繊維を用いる場合に比し
て中実状でありながら竿を軽量にできる。しかも、カー
ボン繊維の弾性率が23ton/mm2以下の低弾性の
もので、特に、19ton/mm2以下のものであるた
め、ガラス繊維に比して軽量化と高剛性とを確保しつつ
も、しなやかな竿の曲がりを得ることが可能となる。従
って、所望の調子を得るためにソリッド体3を極端に細
くする必要がなくなるため、折損に対する必要強度を確
実に得ることができる。
【0018】更に、そのソリッド体3のカーボン繊維よ
りも弾性率が大きいプリプレグを巻装することで、該プ
リプレグによってソリッド体3を確実に補強することも
できる。また、プリプレグの巻装によって竿の調子を自
在に調節できるため、ソリッド体3単体で竿の調子を調
節するのに比して、設計自由度が高くなる利点がある。
特に、上記実施形態のように、低弾性のカーボン繊維を
用いたソリッド体3を竿先部1から竿元部2まで設けた
場合には、竿元部2が極大化するおそれがあるが、竿元
部2にプリプレグを巻装してなるので、竿元部2の調子
の調節が極めて容易であり、竿元部2の極大化を防止で
き、軽量化も図れる。また、ソリッド体3の中間部から
各々の扇状のプリプレグ6を巻装することで、竿のテー
パ率の調節が容易でありソリッド体3の形状をシンプル
にできる。そして、ソリッド体3の形状をシンプルにで
きる結果、ソリッド体3の削り代を少なくできたり、ソ
リッド体3の加工数を削減できたり、加工時の破損を防
止できたりする等、ソリッド体3の製造工程を簡略化で
きるという利点がある。
【0019】更に、上記実施形態のように、カーボン繊
維の弾性率を、ソリッド体3、扇状のプリプレグ6、テ
ープ状のプリプレグ7の順に大きくし且つ、ソリッド体
3とプリプレグ層との間の弾性率の差を小さくしてなる
ので、ソリッド体3とプリプレグ層4との境界部で生じ
やすい応力集中の発生を防止できる。
【0020】このように、竿を単一素材で構成せずに弾
性率の異なる複数素材から構成する場合には、その境界
部での応力集中を防止することが重要となる。従って、
ソリッド体3とプリプレグ層4との境界部における応力
集中の発生を確実に防止するために、扇状のプリプレグ
6のカーボン繊維の弾性率をソリッド体3と同じにする
ことも可能である。即ち、例えば、ソリッド体3のカー
ボン繊維の弾性率を15ton/mm2とする場合に、
その外周面に直接巻装する扇状のプリプレグ6における
カーボン繊維の弾性率も15ton/mm2とすること
で、応力集中を確実に防止することができる。この場
合、ソリッド体3と扇状のプリプレグ6の弾性率が同じ
であるが、プリプレグ層4によって竿の調子の調節が容
易となり、ソリッド体3の製造が容易になるので、ソリ
ッド体3の径を第一プリプレグ層4a分だけ大きくする
場合よりも有利である。
【0021】尚、上記実施形態では、テープ状のプリプ
レグ7を巻装してなるが、これを省略してもよく、ま
た、扇状のプリプレグ6も同一素材である(同一の弾性
率のカーボン繊維を使用している)が、各々の弾性率が
異なっていてもよく、少なくとも、ソリッド体3のカー
ボン繊維の弾性率以上の弾性率のカーボン繊維を補強繊
維としたプリプレグを巻装していれば、本発明の意図す
る範囲内である。
【0022】その他、竿先部1から竿元部2までソリッ
ド体3の外周にプリプレグを巻装したもの以外にも、例
えば、竿元部2のみプリプレグを巻装したものであって
もよい。また、プリプレグが巻装されたソリッド体3が
例えば竿先部1にのみ設けられ、竿元部2側が中空状で
ある竿とすることも可能である。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明における竿にあって
は、ソリッド体の補強繊維としてカーボン繊維を使用す
ることで中実状でありながら竿の軽量化を達成でき、し
かも、23ton/mm2以下の低弾性のものであるた
め、容易にしなやかな曲がりを得ることができると共
に、極端にソリッド体の径を細くする必要がなくなって
折損に対する強度を確保できる。
【0024】更に、竿径等の調節をプリプレグの巻装で
調節できるので、ソリッド体のみで竿を構成する場合に
比して、竿の調子の調節が容易となる。また、ソリッド
体の形状をシンプルにできるため、その製造工程を簡易
化できる。
【0025】しかも、プリプレグのカーボン繊維の弾性
率をソリッド体のそれ以上とすることで、曲げに対する
強度確保のために竿径が極大化することを防止でき、ソ
リッド体の補強繊維としてカーボン繊維を用いたことと
相まってより一層軽量化を図ることができるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における竿の要部を示す概
略縦断面図。
【図2】同横断面図。
【図3】同実施形態の竿の製造過程を示す概略図。
【図4】同実施形態の竿の製造過程を示す概略図。
【符号の説明】
1…竿先部、2…竿元部、3…ソリッド体、6…扇状の
プリプレグ、7…テープ状のプリプレグ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性率が23ton/mm2以下のカー
    ボン繊維を補強繊維とした中実状のソリッド体(3)を
    備え、該ソリッド体(3)には、カーボン繊維を補強繊
    維とし且つその弾性率がソリッド体(3)のカーボン繊
    維の弾性率以上のプリプレグ(6,7)が巻装されてな
    ることを特徴とする竿。
  2. 【請求項2】 前記ソリッド体(3)のカーボン繊維の
    弾性率が19ton/mm2以下である請求項1記載の
    竿。
  3. 【請求項3】 前記ソリッド体(3)が竿先部(1)か
    ら竿元部(2)まで設けられ、少なくとも竿元部(2)
    に前記プリプレグ(6,7)が巻装されてなる請求項1
    又は2記載の竿。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002101791A (ja) * 2000-09-28 2002-04-09 Shimano Inc 竿体の製造方法
JP2010259347A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Globeride Inc 釣り用穂先竿、及び釣竿
JP2018161068A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 グローブライド株式会社 釣竿用の竿体

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