JP2004253661A - コンデンサ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンデンサ装置を分離溝19により電気的に分離された複数の導電パターン電極18、22と、前記一の導電パターン電極18に固着された陽極リード16及び他の導電パターン電極22に固着された陰極リード17を備えるコンデンサ素子15と、前記コンデンサ素子15及び導電パターの電極18、22となる部分を除いて被覆し、且つ導電パターン電極とコンデンサ素子とを一体に支持する絶縁性樹脂24とで構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電話機等の携帯機器等に使用されるタンタルチップタイプのコンデンサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タンタルチップタイプのコンデンサ装置は例えば電話機、ノートパソコン等の携帯機器の電源回路のように大きい容量を必要とする部分に使用されており、今後ますます小型化、薄型化及び軽量化が要求されている。
【0003】
図8はタンタルチップタイプのコンデンサ装置に用いられるコンデンサ素子の断面図である。
【0004】
図8に示すように、コンデンサ素子1は金属粉末のタンタル(Ta)2を陽極端子となるタンタル棒3とともに加圧、成型後、真空で焼き固める。そしてその表面に電気化学的陽極酸化により、タンタル酸化被膜(Ta2O5)4を形成し、これを誘電体とする。
【0005】
その上に電解質として、硝酸マンガンの熱分解により固体の二酸化マンガン層(MnO2)5を形成する。この二酸化マンガン層5の上に電気的な接続を行うために、グラファイト層6を設ける。グラファイト層6に銀塗料7と導電性の接着剤を利用して陰極リード8を形成する。
【0006】
図9は前記コンデンサ素子1を用いた従来のタンタルチップタイプのコンデンサ装置の模型図である。前述のようにして形成されたコンデンサ素子1のタンタル棒3にコの字状に折り曲げた陽極端子9を溶接点10で溶接する。また導電性接着剤で形成された陰極リード8に複雑に折り曲げた陰極端子11を圧着する。さらにコンデンサ素子1及び陽極端子9と陰極端子11とを一部外部に露出させてエポキシ樹脂12にてモールドしチップタンタルコンデンサを形成している。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−91414号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、従来のタンタルチップタイプのコンデンサ装置は陽極端子及び陰極端子は共に折り曲げた複雑な電極端子を用いていたので、工数がかかり、且つコストが掛かった。また折り曲げた複雑な電極端子を用いていたので、チップコンデンサで必要とする小型化、軽量化及び薄型化を達成することができなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンデンサ装置は小型化、薄型化及び軽量化を図ったチップタイプのコンデンサ装置を提供するもので、
本発明は分離溝により電気的に分離された複数の導電パターン電極と、前記一の導電パターン電極に固着された陽極リード及び他の導電パターン電極に固着された陰極リードを備えるコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子及び導電パターン電極下面を除いて被覆し、且つ導電パターン電極とコンデンサ素子とを一体に支持する絶縁性樹脂とよりなるコンデンサ装置を提供する。
【0010】
本発明は前記陽極リードがL字状の金具の上部に接続され、該金具の下部裏面を導電パターン電極に接着し、陽極リードを金具を介して導電パターン電極に固着したコンデンサ装置を提供する。
【0011】
本発明は前記陽極リードを折り曲げて一の導電パターン電極に固着し、陰極リードを直接他の導電パターン電極に固着したコンデンサ装置を提供する。
【0012】
本発明は前記陽極リードの取出し位置をずらし直接一の導電パターン電極に固着し、陰極リードを直接他の導電パターン電極に固着したコンデンサ装置を提供する。
【0013】
本発明は前記陽極リードにメッキを施し平坦部を形成し、該平坦部を導電パターン電極に固着し、陰極リードを直接他の導電パターン電極に固着したコンデンサ装置を提供する。
【0014】
本発明は分離溝により電気的に分離された複数の導電パターン電極と、前記一の導電パターン電極に固着された陽極リード及び他の導電パターン電極に固着された陰極リードを備えるコンデンサ素子と、前記と異なる導電パターン電極のパッドに取付けられた回路素子のベアチップと、前記コンデンサ素子とベアチップ及び導電パターン電極の下面を除いて被覆し、且つ導電パターン電極とコンデンサ素子及びベアチップとを一体に支持する絶縁性樹脂とよりなるコンデンサ装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のコンデンサ装置を図1から図7に従って説明する。
【0016】
図1は本発明のコンデンサ装置で、図1(A)は側面図、図1(B)は平面図、図1(C)は断面図である。コンデンサ素子15は前述したように金属粉末のタンタルTaと共にタンタル棒を加圧、成型後、真空で焼き固めた陽極リード16を有する。またコンデンサ素子15はタンタル酸化膜よりなる誘電体に形成した二酸化マンガン層の上にグラファイト層と導電性の接着剤を利用して陰極リード17を設けている。
【0017】
コンデンサ素子15の陽極リード16および陰極リード17は後述される特殊な混成集積回路技術で構成され、分離溝19で分離された導電パターン電極18、22に取付けられる。コンデンサ素子15の陽極リード16はそのままでは離れていて一の導電パターン電極18に固定できない。そこでL字状に折り曲げた金具20を用い、その金具20の上部に設けた凹部20Aに陽極リード16のメッキを施した先端を嵌着し位置決めをする。次ぎに金具20の下部裏面を導電パターン電極18に半田21で半田付けし固定し、陽極リード16を導電パターン電極18に固定する。
【0018】
金具20の下部裏面を導電パターン電極18に半田付けする代りにAgペーストあるいは導電性の接着剤で固定してもよい。コンデンサ素子15の陰極リード17はそのまま前記と異なる導電パターン電極22にハンダ23で半田付けし固定するが、前述と同様に、半田付けする代りにAgペーストあるいは導電性の接着剤で固定してもよい。
【0019】
コンデンサ素子15、陽極リード16、陰極リード17を始めとして金具20及び導電パターン電極18、22の下面を除いて絶縁性樹脂24で被覆し、一体的に支持し、チップタイプのコンデンサ装置を形成する。従って導電パターン電極18、22の下面は露出されているので、そのままプリント基板のプリント配線に取付けることができる。
【0020】
図2及び図3は図1のコンデンサ装置を特殊な混成集積回路技術を用いて組立てる過程を説明する側面図である。まず図2(A)の如く、導電箔30を用意する。材料としては、Cuを主材料した導電箔が用いられるが、これに限らずAlを主材料とした導電箔またはFe−Ni等の合金からなる導電箔が用いられる。
【0021】
次に図2(B)のごとく、導電箔30の導電パターン電極18、22を構成する導電パターン31、32となる領域を除いて導電箔30が露出するようにホトレジスト33、34をパターニングする。そして図2(C)のごとく導電箔30を選択的にエッチングし、分離溝19で分離された複数個の導電パターン31、32を形成する。この状態では導電パターン31、32のパターン電極18、22となる部分は分離溝19で分離されているが、下部は繋がっている。
【0022】
然る後図3(A)に示すように、コンデンサ素子15の陽極リード16をL字状金具17に溶接し、金具20の下面を導電パターン電極18にハンダ21でハンダ付けし固定する。そしてコンデンサ素子15の陰極リード17を導電パターン32にハンダ23でもってハンダ付けする。この場合に導電パターン31、32はまだ繋がっているので、作業が用意である。
【0023】
然る後図3(B)に示すように、コンデンサ素子15、金具17及び導電パターン31、32の全体を絶縁性樹脂17で被覆すると共に、これらを支持固定する。最後に図3(B)に示す点線で絶縁性樹脂24と導電パターン31、32を切断する。それにより図3(C)に示すごとく導電パターン31、32が完全に分離されると共に、切断された部分から下面が外部に露出された導電パターン電極18、22となり、図1の示すコンデンサ装置が完成するのである。
【0024】
図2、図3はコンデンサ装置のみを特殊な混成集積回路技術を用いて組立てたが、図4は他の回路素子と一緒に混成集積回路を組立てる過程を示した側面図である。
【0025】
図4(A)は前述と同様にしてパターン電極18、22となる部分が分離溝19で分離された導電パターン31、32を形成する他、分離溝37で分離された導電パターン38を形成する。
【0026】
次に図4(B)のごとく、コンデンサ素子15の陽極リード16をL字状金具20に溶接し、金具20の下部裏面を導電パターン電極18にハンダ21で固定する。又コンデンサ素子15の陰極リード17を導電パターン32にハンダ23でもってハンダ付けする。
【0027】
これと共に導電パターン38に形成されたパッド38Aに回路素子として例えばパワートランジスタのベアチップ39を取り付け、ベアチップ39の電極と導電パターン32とを金属細線40をボンディングし接続する。
【0028】
次に図4(C)のごとく、コンデンサ素子15、金具20、導電パターン31、32、38、ベアチップ39及び金属細線40の全体を絶縁性樹脂24で被覆すると共に、これらを支持固定する。
【0029】
然る後図4(C)に示す点線で絶縁性樹脂24と導電パターン31、32、38を切断する。それにより図4(D)に示すごとく導電パターン31、32、39が完全に分離され、切断された部分から下面が露出された導電パターン電極18、22、38となり、コンデンサ素子が組み込まれた混成集積回路が完成するのである。
【0030】
前述において、回路素子としてパワートランジスタのベアチップを例に挙げたが、LSIのベアチップでもよく、また回路素子は1つでなく必要とする複数個の回路素子を同時に組み込んでもよい。
【0031】
図5は本発明のコンデンサ装置の他の実施例を示す側面図で、図1においてはコンデンサ素子15の陽極リード16は離れていて直接に導電パターン18に固定することができないので、金具20を用いた。しかしコンデンサ素子15の陽極リード16を下方に曲げる。その曲げてメッキを施された陽極リード16の先端をハンダ21でハンダ付けすることにより、金具20を用いることなく導電パターン電極18に固定できる。
【0032】
その他は前述と同様で、コンデンサ素子15の陰極リード17はそのまま前記と異なる導電パターン電極22にハンダ23で半田付けし固定する。その後コンデンサ素子15、陽極リード16、陰極リード17、金具20及び導電パターン電極18、22は下面を除いて絶縁性樹脂24で被覆し、一体的に支持し、チップタイプのコンデンサ装置を形成している。
【0033】
図6は同じく本発明のコンデンサ装置の他の実施例を示すもので、図6(A)側面図、図6(B)は断面図である。前述と同じく金具20を用いることなくコンデンサ素子15の陽極リード16を直接に導電パターン18に固定することができるようにするものである。陽極リード16をスライドし誘電体の下部から突出させる。そして陽極リード16を直接導電パターン18に設けた凹部18Aに嵌着し位置決めし、さらにハンダ21でもってハンダ付けし固定する。
【0034】
図7も本発明のコンデンサ装置の他の実施例を示す側面図である。図5及び図6と同じく金具20を用いることなくコンデンサ素子15の陽極リード16を導電パターン18に固定することができるようにするものである。
【0035】
多く市場に出回っているコンデンサ素子は陽極リード16が中心から出ているのが殆んどである。ところが図5はコンデンサ素子15の陽極リード16を特殊加工しており、また図6ではコンデンサ素子15の陽極リード16の取出し位置を変えている。そのため汎用されているコンデンサ素子を使用できない欠点があった。
【0036】
そこで図7は一般に市場で用いられているコンデンサ素子15でもって金具20を用いずに陽極リード16を導電端子18に取付けられるようにしたものである。即ちコンデンサ素子15の陽極リード16が出ている面をメッキで平坦にする。その平坦にしたメッキ層26を導電パターン18に導電性接着剤等で固定する。その他は前述と同様である。
【0037】
図5〜図7の方法は図4に示すように、コンデンサ装置と共に、他の回路素子のベアチップを同時に絶縁性樹脂で被覆し、支持する場合にも適用することが出来る。
【0038】
【発明の効果】
本発明のコンデンサ装置は分離溝により電気的に分離されてはいるが、下部が導電パターンで繋がっている一の導電パターン電極にコンデンサ素子の陽極リードを固着し、陰極リードを他の導電パターン電極に固着し、絶縁性樹脂でこれらコンデンサ素子及び導電パターン電極を被覆し、且つ導電パターン電極とコンデンサ素子とを一体に支持した後、前記導電パターンの接続部を切除すると共に、導電パターン電極の裏面を外部に露出させる。
【0039】
従って従来のチップコンデンサのごとく電極となる陽極リード及び陰極リードに使用していた複雑な金具が不要となるので、小型化、薄型化、及び軽量化が達成できる。
【0040】
またコンデンサ素子と共に混成集積回路を形成する他の回路素子のチップも同時に導電パターンに取付け、絶縁性樹脂で被覆しこれらを固着すれば、前記コンデンサ素子を組み込んだ混成集積回路を完成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンデンサ装置で、(A)は側面図、(B)は平面図、図1(C)は断面図である。
【図2】本発明のコンデンサ装置の製造課程を説明する側面図である。
【図3】本発明のコンデンサ装置の製造課程を説明する側面図である。
【図4】本発明のコンデンサ装置の他の製造課程を説明する側面図である。
【図5】本発明のコンデンサ装置の他の実施例を示す側面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示すコンデンサで、図6(A)側面図、図6(B)は断面図である。
【図7】本発明のコンデンサ装置の他の実施例を示す側面図である。
【図8】本発明及び従来のコンデンサ装置に用いたコンデンサ素子の断面図である。
【図9】従来のチップタンタルコンデンサの模型図である。
【符号の説明】
15 コンデンサ素子
16 陽極リード
17 陰極リード
18、22 導電パターン電極
20 金具
20A 凹部
24 絶縁性樹脂
35 分離溝
Claims (9)
- 分離溝により電気的に分離された複数の導電パターン電極と、前記一の導電パターン電極に固着された陽極リード及び他の導電パターン電極に固着された陰極リードを備えるコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子及び導電パターン電極の下面を除いて被覆し、且つ導電パターン電極とコンデンサ素子とを一体に支持する絶縁性樹脂とよりなることを特徴とするコンデンサ装置。
- 前記陽極リードはL字状の金具の上部に接続し、該金具の下部裏面を導電パターン電極に接着し、陽極リードを導電パターン電極に固着したことを特徴とする請求項1記載のコンデンサ装置。
- 前記金具の上面に凹部を設け、凹部にコンデンサの陽極リードを嵌合し、位置決めしたことを特徴とする請求項2記載のコンデンサ装置。
- 前記陽極リードは折り曲げて一の導電パターン電極に固着され、陰極リードは直接他の導電パターン電極に固着されたことを特徴とする請求項1記載のコンデンサ装置。
- 前記陽極リードは取出し位置をずらし直接一の導電パターン電極に固着され、陰極リードは直接他の導電パターン電極に固着されたことを特徴とする請求項1記載のコンデンサ装置。
- 前記導電パターンに凹部を設け、凹部にコンデンサの陽極リードを嵌合し、位置決めしたことを特徴とする請求項5記載のコンデンサ装置。
- 前記陽極リードはメッキで平坦部を形成し、該平坦部が導電パターン電極に固着され、陰極リードは直接他の導電パターン電極に固着されたことを特徴とする請求項1記載のコンデンサ装置。
- 分離溝により電気的に分離された複数の導電パターン電極と、前記一の導電パターン電極に固着された陽極リード及び他の導電パターン電極に固着された陰極リードを備えるコンデンサ素子と、前記と異なる導電パターン電極のパッドに取付けられた回路素子のベアチップと、前記コンデンサ素子とベアチップ及び導電パターン電極の下面を除いて被覆し、且つ導電パターン電極とコンデンサ素子及びベアチップとを一体に支持する絶縁性樹脂とよりなることを特徴とするコンデンサ装置。
- 前記コンデンサ素子は金属粉末のタンタルを陽極リードと共に加圧、成型後、タンタル酸化皮膜を形成し誘電体としたことを特徴とする請求項1記載又は請求項6記載のコンデンサ装置。
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