JP2004251593A - 蓄熱式給湯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シンプルで安価な蓄熱式給湯装置を提供することを目的とする。
【解決手段】蓄熱用流体Xを貯留する貯留タンク1と、この貯留タンク1内の蓄熱用流体Xを加熱する加熱手段2と、給湯用水が流通する給湯用配管3とを具備した給湯装置であって、前記給湯用配管3は貯留タンク1内の底部が給水管6に接続され貯留タンク1内の上部が給湯管7に接続されて、蓄熱用流体Xと熱交換する熱交換部30(31、32、33)が貯留タンク1内で上下に階層状に配設されている。
【選択図】 図1
【解決手段】蓄熱用流体Xを貯留する貯留タンク1と、この貯留タンク1内の蓄熱用流体Xを加熱する加熱手段2と、給湯用水が流通する給湯用配管3とを具備した給湯装置であって、前記給湯用配管3は貯留タンク1内の底部が給水管6に接続され貯留タンク1内の上部が給湯管7に接続されて、蓄熱用流体Xと熱交換する熱交換部30(31、32、33)が貯留タンク1内で上下に階層状に配設されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱式の給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図4に示すように、蓄熱用流体Wを貯留する貯留タンク101と、この貯留タンク101内の蓄熱用流体Wを加熱する加熱手段102と、貯留タンク101の蓄熱用流体Wを汲み上げる循環ポンプ103と、この循環ポンプ103により汲み上げられた蓄熱用流体Wが流通する加熱配管104で給湯用配管105に給水された給湯用水とを熱交換させる給湯用熱交換器106と、給湯システムの作動を制御する制御装置107などにより構成されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
そして、給湯用熱交換器106で蓄熱用流体Wが給湯用水と熱交換され、低温になった蓄熱用流体Wは循環ポンプ103により貯留タンク101の下部へと排出され、貯留タンク101内の蓄熱用流体Wは温度の比重差によって上部側から下部側へ向かって高い温度の蓄熱用流体W1、中間温度の蓄熱用流体W2、低い温度の蓄熱用流体W3に自然に分離されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001─153458号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載された蓄熱式給湯装置では、ヒートポンプサイクルの加熱効率を良くするために、給湯用配管105に給水された給湯用水を熱交換させる給湯用熱交換器106と、熱交換して貯留タンク102の下部へ排出させる循環ポンプ103とが必要である。そのため、熱交換装置が複雑となり、装置の信頼性の低下や製造コストが高いという問題がある。
【0006】
本発明はそのような事情に鑑みてなされたもので、シンプルで安価な蓄熱式給湯装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係わる蓄熱式給湯装置(以下、「請求項1の蓄熱式給湯装置」と記す)は、蓄熱用流体を貯留する貯留タンクと、この貯留タンク内の蓄熱用流体を加熱する加熱手段と、給湯用水が流通する給湯用配管とを具備した給湯装置であって、前記給湯用配管は貯留タンク内の下部が給水管部とされ貯留タンク内の上部が給湯管部とされて、蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が貯留タンク内で階層状に配設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明に係わる蓄熱式給湯装置(以下、「請求項2の蓄熱式給湯装置」と記す)は、請求項1の蓄熱式給湯装置において、階層状に配設されたそれぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が下段側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて上段側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられ、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは上段側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは上段側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることを特徴とする請求項1記載の蓄熱式給湯装置。
【0009】
請求項3に記載の発明に係わる蓄熱式給湯装置(以下、「請求項3の蓄熱式給湯装置」と記す)は、蓄熱用流体を貯留する貯留タンクと、この貯留タンク内の蓄熱用流体を加熱する加熱手段と、給湯用水が流通する給湯用配管とを具備した給湯装置であって、前記貯留タンクは複数個直列に連通管を介して配列され、前記給湯用配管はそれぞれの貯留タンク内で蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が配設され、それぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が下段側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて上段側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられ、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは下流側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは下流側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【0010】
【作用】
請求項1の蓄熱式給湯装置によると、給湯用配管は蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が貯留タンク内で上下に階層状に配設されているので、給湯用配管に給水して下部から上部に向けて給湯用水を通過させると,給湯用水は蓄熱用流体との熱交換により加熱される。一方、蓄熱用流体は給湯用水に熱エネルギーが奪われて温度が低下し、比重が重くなり貯留タンク下部へ向かって降下する。
このとき上段の熱交換部で冷却された蓄熱用流体も下降するが、下段の熱交換部で冷却された蓄熱用流体よりも温度が高く(比重が軽く)それを越えて下降しない。このため、上段が高温状態となり、下段が低温状態となるように各階の熱交換部間で温度層を形成する。
【0011】
請求項2の蓄熱式給湯装置によると、請求項1の蓄熱式給湯装置において、階層状に配設されたそれぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が下段側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて上段側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられており、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは上段側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは上段側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることにより、温度検出手段で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部を回避して給湯することができ、上段側の熱交換を行わないことにより階層状の温度層の境界が明確となる。
【0012】
請求項3の蓄熱式給湯装置によると、貯留タンクは複数個直列に連通管を介して配列され、前記給湯用配管はそれぞれの貯留タンク内で蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が配設され、それぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が上流側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて下流側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられており、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは下流側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは下流側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることにより、温度検出手段で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部を回避して給湯することができ、下流側の熱交換部が配設されている貯留タンク内の蓄熱用流体は熱交換を行わないことによりタンク毎の温度層の分離が明確になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態の一例を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の蓄熱式給湯装置の第1実施例を示す概略説明図である。
本実施例の蓄熱式給湯装置は一般家庭用として使用されるもので、蓄熱用流体Xを貯留する貯留タンク1と、この貯留タンク1内の蓄熱用流体Xを加熱する加熱手段2と、貯留タンク1内に階層状に配設され、蓄熱用流体Xと給湯用水を熱交換する熱交換部30を有する給湯用配管3と、給湯装置の動作を制御する制御装置(図示しない)とから構成されている。
【0014】
貯留タンク1は、空気孔1aを通じて大気に開放されており、貯留タンク1内部が大気圧に保たれている。
加熱手段2は、一般にヒートポンプと呼ばれるもので、例えば、炭酸ガス、代替フロン等を冷媒として使用することにより、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプサイクルを使用している。
【0015】
また、加熱手段2は、流入管6と流出管7を介して貯留タンク1に接続され、流入管6の上流端は貯留タンク1の下部に開口し、流出管7の下流端は貯留タンク1の上部に開口している。これにより、貯留タンク1の下部から低温の蓄熱用流体Xを取り込み、高温に加熱した後、流出管7から貯留タンク1の上部に戻すようになっている。
【0016】
給湯用配管3は、その上流端が貯留タンク1内の下部で給水管4に接続され、下流端が貯留タンク1から上部から側方に突出して給湯管5に接続されており、途中部にヘアピン状に屈曲した熱交換部31、32、33が階層状に配設されている。そして、熱交換部31と32とは給湯用水が流通する連結配管部34で連結され、熱交換部32と33とは連結配管部35で連結されている。
【0017】
次に本実施例の蓄熱式給湯装置の給湯時の作動について説明する。
貯留タンク内の蓄熱用流体Xは、例えば深夜電力を利用してヒートポンプサイクルを作動させることにより、必要量だけ加熱されて蓄熱される。その後、給湯用蛇口(図示しない)が開かれると、給湯用配管3内の給湯用水が、下段の熱交換部31、中段の熱交換部32、上段の熱交換部33の順に流れる。この間に、貯留タンク1内の蓄熱用流体Xと給湯用水とはそれぞれの熱交換部31、32、33で熱交換され、給湯用水は加熱されて給湯することができる。
【0018】
下段の熱交換部31で給水管4から給水された給湯用水が加熱されると、蓄熱用流体X1は冷却される。冷却された下段の熱交換部31付近の蓄熱用流体X1は比重が重くなるため、貯留タンク1の下部に降下していく。下段の熱交換部31で順次熱交換され比重の重くなった蓄熱用流体X1は貯留タンク1の下部に蓄積され低温の温度層X─1を形成する。
【0019】
熱交換部31で熱交換した加熱された給湯用水は、さらに中段の熱交換部32で蓄熱用流体X2と熱交換により加熱される。蓄熱用流体X2は冷却され比重が重くなり下降していくが、中段の熱交換部32の給湯用水の温度は、下段の熱交換部31の温度よりも高く、従って、熱交換された蓄熱用流体X2の温度は熱交換された下部の蓄熱用流体X1のよりも高いため、下段の熱交換部31を越えては降下せず、中間の温度層X−2を形成する。
上段の熱交換部33でも同様に蓄熱用流体X3と熱交換することにより高温の温度層X−3を形成する。この実施例では、熱交換部30を3段階の階層状としたが、必要に応じた段数の階層を形成してもよい。
【0020】
また、給湯用配管3は熱交換部30が階層状に配置されたものであればよく、熱交換部30の形状は本実施例のようにヘアピン状の他、コイル状など熱交換効率や加工のし易さにより選定すればよい。また、熱交換部の配管の長さや口径、形状も必要な給湯量、給湯温度等に応じて設定される。
【0021】
図2は本発明の蓄熱式給湯装置の第2実施例を示す概略説明図である。
図において、階層状に配設されたそれぞれの熱交換部31、32、33を連結する連結配管部34、35を貯留タンク1の外部に配置した一例である。
この連結配管部34の一端は熱交換部31の出口部に接続され、他端は三方弁等の切り替え手段8を介して熱交換部32と接続している。三方弁8は通路方向を切り替えて中段の熱交換部32の入口部または出口部に連通するように接続されている。
【0022】
同じく、連結配管部35の一端は熱交換部32の出口部に接続され、他端が三方弁等の切り替え手段9と接続している。三方弁9は通路方向を切り替えて上段の熱交換部33の入口部または出口部に連通するように接続されている。
そして、切り替え手段8、9の上流側の連結配管部34、35にそれぞれ温度センサ等の温度検出手段81、91が設けられている。その他の構成は、図1で説明した第1実施例の蓄熱式給湯装置と基本的には同一であるので、同一符号を付して説明は省略する。
【0023】
次に第2実施例の蓄熱式給湯装置の給湯時の作動について説明する。
貯留タンク内の蓄熱用流体Xは、例えば深夜電力を利用してヒートポンプサイクルを作動させることにより、必要量だけ加熱されて蓄熱される。その後、給湯用蛇口(図示しない)が開かれると、給湯用配管3内の給湯用水が、下段の熱交換部31、中段の熱交換部32、上段の熱交換部33の順に流れる。この間に、貯留タンク1内の蓄熱用流体Xと給湯用水とは、それぞれの熱交換部31、32、33で熱交換され、給湯用水は加熱されて給湯することができる。
【0024】
下段の熱交換部31で加熱された給湯用水は、給湯用水が流通する連結配管部34で温度センサ81により温度が検出される。この検出温度が給湯設定温度と比較され、検出温度が給湯設定温度に達している場合は、三方弁8により中段の熱交換部32の入口部との連通を遮断し出口部に連通するように切り換える。
【0025】
検出温度が給湯設定温度に達しないときは、三方弁8により中段の熱交換部32の出口部との連通を遮断し入口部に連通するように切り換え、下段の熱交換部31で加熱された給湯用水を中段の熱交換部32によりさらに加熱する。
【0026】
同様にして、中段の熱交換部32で加熱された給湯用水を連結配管部35で温度センサ91により温度を検出し、給湯設定温度と比較し、検出温度が給湯設定温度に達していれば、三方弁9により上段の熱交換部33の入口部との連通を遮断し出口部に連通するように切り換える。
【0027】
検出温度が給湯設定温度に達しないときは、三方弁9により上段の熱交換部33の出口部との連通を遮断し入口部に連通するように切り換え、給湯用水を上段の熱交換部33によりさらに加熱する。
【0028】
このように、温度センサ81、91で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部31、32を回避して給湯することができ、中段の蓄熱用流体X2または上段の蓄熱用流体X3は熱交換を行わないことにより高い温度に保つことができ、階層状の温度層の境界が明確となる。
【0029】
図3は本発明の蓄熱式給湯装置の第3実施例を示す概略説明図で、図2で説明した第2実施例において、貯留タンク1内に階層状に形成された温度層X−1、X−2、X─3の蓄熱用流体X1、X2、X3をそれぞれ別の貯留タンク11、12、13に分離したものである。
【0030】
図において、貯留タンク11、12、13は連通管61、62を介して直列に接続されている。貯留タンク13と貯留タンク12とは、連通管62の上流端が貯留タンク13の下部に開口して接続され、連通管62の下流端は貯留タンク12の上部に開口して接続されており、また、貯留タンク12と貯留タンク11とは、連通管61の上流端が貯留タンク12の下部に開口して接続され、連通管61の下流端は貯留タンク12の上部に開口して接続されている。
【0031】
そして、加熱手段2は、流入管60の上流端が貯留タンク11の下部に開口して接続され、流出管70の下流端は貯留タンク13の上部に開口して接続されている。これにより、貯留タンク11の下部から低温の蓄熱用流体X1を取り込み、高温に加熱した後、流出管7から貯留タンク13の上部に戻すようになっている。
【0032】
給湯用配管3は、ヘアピン状に屈曲した熱交換部31、32、33が直列に接続されたもので、熱交換部31、32、33がそれぞれ独立して貯留タンク11、12、13内の上部に配設されている。そして、上流側となる熱交換部31と下流側となる熱交換部32は三方弁等の切り替え手段8を介して連結配管部34により接続されており、上流側となる熱交換部32と下流側となる熱交換部33は三方弁等の切り替え手段9を介して連結配管部35により接続されている。また、三方弁8は通路方向を切り替えて下流側となる熱交換部32の入口部または出口部に連通するように接続され、三方弁9は通路方向を切り替えて下流側となる熱交換部33の入口部または出口部に連通するように接続されている。
【0033】
次に第3実施例の蓄熱式給湯装置の給湯時の作動について説明する。
貯留タンク11、12、13内の蓄熱用流体X1、X2、X3は、例えば深夜電力を利用して加熱手段2→貯留タンク13→貯留タンク12→貯留タンク11→加熱手段2とヒートポンプサイクルを作動させることにより、必要量だけ加熱されてそれぞれの貯留タンク11、12、13に蓄熱される。その後、給湯用蛇口(図示しない)が開かれると、給湯用配管3内の給湯用水が、貯留タンク11内の熱交換部31、貯留タンク12内の熱交換部32、貯留タンク13内の熱交換部33の順に流れる。この間に、貯留タンク13、12、11内の蓄熱用流体X3、X2、X1と給湯用水とは、それぞれの熱交換部33、32、31で熱交換され、給湯用水は加熱されて給湯することができる。
【0034】
貯留タンク11内の熱交換部31で加熱された給湯用水は、給湯用水が流通する連結配管部34で温度センサ81により温度が検出される。この検出温度が給湯設定温度と比較され、検出温度が給湯設定温度に達している場合は、三方弁8により貯留タンク12内の熱交換部32の入口部との連通を遮断し出口部に連通するように切り換える。
【0035】
検出温度が給湯設定温度に達しないときは、三方弁8により貯留タンク12内の熱交換部32の出口部との連通を遮断し入口部に連通するように切り換え、貯留タンク11内の熱交換部31で加熱された給湯用水を貯留タンク12内の熱交換部32によりさらに加熱する。
【0036】
同様にして、貯留タンク12内の熱交換部32で加熱された給湯用水を連結配管部35で温度センサ91により温度を検出し、給湯設定温度と比較し、検出温度が給湯設定温度に達していれば、三方弁9により貯留タンク13内の熱交換部33の入口部との連通を遮断し出口部に連通するように切り換える。
【0037】
検出温度が給湯設定温度に達しないときは、三方弁9により貯留タンク13内の熱交換部33の出口部との連通を遮断し入口部に連通するように切り換え、給湯用水を上段の熱交換部33によりさらに加熱する。
【0038】
このように、温度センサ81、91で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部31、32を回避して給湯することができ、貯留タンク12内の蓄熱用流体X2または貯留タンク13内の蓄熱用流体X3は熱交換を行わないことにより高い温度に保つことができ、タンク毎の温度層の分離が明確になる。
【0039】
本実施例において、3個のタンクを連通管を介して直列に接続した構成としたが、所要としる蓄熱用流体の量、設置場所の高さ制限などにより、タンクの数は設定できる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な形態はこの実施の形態に限られものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0041】
例えば、実施例では給湯用配管は一本を配列した一系列のものであるが、複数本を並列に接続した複数系列のものであってもよい。この場合、給湯用配管での圧力損失が減少するため、十分な出湯圧力が得られ。また、一系列のものに比べて同一の給湯量を得るのに、各熱交換部を流通する給湯用水の流量を少なくすることができ熱交換効率が向上する。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の蓄熱式給湯装置によれば、給湯用配管は貯留タンク内の下部が給水管に接続され貯留タンク内の上部が給湯管に接続されて、蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が貯留タンク内で上下に階層状に配設されているので、蓄熱用流体と給湯用水との熱交換時のロスが少なくすることができ、蓄熱用流体との熱交換のための循環ポンプが不要となり、シンプルで安価なものとなる。
【0043】
請求項1の蓄熱式給湯装置によれば、温度検出手段で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部を回避して給湯することができ、上段側で熱交換を行わないことにより高い温度に保つことができ、階層状の温度層の境界が明確となり、熱交換効率が向上する。
【0044】
請求項3の蓄熱式給湯装置によれば、貯留タンクが複数個直列に連通管を介して配列されることにより、貯留タンク毎に異なる蓄熱用流体を明確に分離することができ、温度検出手段で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部を回避して給湯することができ、下流側の熱交換部が配設されている貯留タンク内の蓄熱用流体は熱交換を行わないことにより高い温度に保つことができ、タンク毎の温度層の分離が明確になる。更に、貯留タンクの高さを低く抑えることができ、床下等の高さ制限をなる場所への設置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄熱式給湯装置の第1実施例を示す概略説明図である。
【図2】本発明の蓄熱式給湯装置の第2実施例を示す概略説明図である。
【図3】本発明の蓄熱式給湯装置の第3実施例を示す概略説明図である。
【図4】従来例の蓄熱式給湯装置を説明する概略説明図である。
【符号の説明】
X、X1、X2、X3 蓄熱用流体
1、11、12、13 貯留タンク
2 加熱手段
3 給湯用配管
30、31、32、33 熱交換部
4 給水管
5 給湯管
6 流入管
7 流出管
8、9 切り替え手段(三方弁)
81、91 温度検知手段(温度センサ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱式の給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図4に示すように、蓄熱用流体Wを貯留する貯留タンク101と、この貯留タンク101内の蓄熱用流体Wを加熱する加熱手段102と、貯留タンク101の蓄熱用流体Wを汲み上げる循環ポンプ103と、この循環ポンプ103により汲み上げられた蓄熱用流体Wが流通する加熱配管104で給湯用配管105に給水された給湯用水とを熱交換させる給湯用熱交換器106と、給湯システムの作動を制御する制御装置107などにより構成されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
そして、給湯用熱交換器106で蓄熱用流体Wが給湯用水と熱交換され、低温になった蓄熱用流体Wは循環ポンプ103により貯留タンク101の下部へと排出され、貯留タンク101内の蓄熱用流体Wは温度の比重差によって上部側から下部側へ向かって高い温度の蓄熱用流体W1、中間温度の蓄熱用流体W2、低い温度の蓄熱用流体W3に自然に分離されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001─153458号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載された蓄熱式給湯装置では、ヒートポンプサイクルの加熱効率を良くするために、給湯用配管105に給水された給湯用水を熱交換させる給湯用熱交換器106と、熱交換して貯留タンク102の下部へ排出させる循環ポンプ103とが必要である。そのため、熱交換装置が複雑となり、装置の信頼性の低下や製造コストが高いという問題がある。
【0006】
本発明はそのような事情に鑑みてなされたもので、シンプルで安価な蓄熱式給湯装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係わる蓄熱式給湯装置(以下、「請求項1の蓄熱式給湯装置」と記す)は、蓄熱用流体を貯留する貯留タンクと、この貯留タンク内の蓄熱用流体を加熱する加熱手段と、給湯用水が流通する給湯用配管とを具備した給湯装置であって、前記給湯用配管は貯留タンク内の下部が給水管部とされ貯留タンク内の上部が給湯管部とされて、蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が貯留タンク内で階層状に配設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明に係わる蓄熱式給湯装置(以下、「請求項2の蓄熱式給湯装置」と記す)は、請求項1の蓄熱式給湯装置において、階層状に配設されたそれぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が下段側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて上段側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられ、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは上段側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは上段側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることを特徴とする請求項1記載の蓄熱式給湯装置。
【0009】
請求項3に記載の発明に係わる蓄熱式給湯装置(以下、「請求項3の蓄熱式給湯装置」と記す)は、蓄熱用流体を貯留する貯留タンクと、この貯留タンク内の蓄熱用流体を加熱する加熱手段と、給湯用水が流通する給湯用配管とを具備した給湯装置であって、前記貯留タンクは複数個直列に連通管を介して配列され、前記給湯用配管はそれぞれの貯留タンク内で蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が配設され、それぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が下段側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて上段側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられ、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは下流側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは下流側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
【0010】
【作用】
請求項1の蓄熱式給湯装置によると、給湯用配管は蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が貯留タンク内で上下に階層状に配設されているので、給湯用配管に給水して下部から上部に向けて給湯用水を通過させると,給湯用水は蓄熱用流体との熱交換により加熱される。一方、蓄熱用流体は給湯用水に熱エネルギーが奪われて温度が低下し、比重が重くなり貯留タンク下部へ向かって降下する。
このとき上段の熱交換部で冷却された蓄熱用流体も下降するが、下段の熱交換部で冷却された蓄熱用流体よりも温度が高く(比重が軽く)それを越えて下降しない。このため、上段が高温状態となり、下段が低温状態となるように各階の熱交換部間で温度層を形成する。
【0011】
請求項2の蓄熱式給湯装置によると、請求項1の蓄熱式給湯装置において、階層状に配設されたそれぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が下段側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて上段側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられており、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは上段側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは上段側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることにより、温度検出手段で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部を回避して給湯することができ、上段側の熱交換を行わないことにより階層状の温度層の境界が明確となる。
【0012】
請求項3の蓄熱式給湯装置によると、貯留タンクは複数個直列に連通管を介して配列され、前記給湯用配管はそれぞれの貯留タンク内で蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が配設され、それぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が上流側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて下流側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられており、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは下流側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは下流側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることにより、温度検出手段で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部を回避して給湯することができ、下流側の熱交換部が配設されている貯留タンク内の蓄熱用流体は熱交換を行わないことによりタンク毎の温度層の分離が明確になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態の一例を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の蓄熱式給湯装置の第1実施例を示す概略説明図である。
本実施例の蓄熱式給湯装置は一般家庭用として使用されるもので、蓄熱用流体Xを貯留する貯留タンク1と、この貯留タンク1内の蓄熱用流体Xを加熱する加熱手段2と、貯留タンク1内に階層状に配設され、蓄熱用流体Xと給湯用水を熱交換する熱交換部30を有する給湯用配管3と、給湯装置の動作を制御する制御装置(図示しない)とから構成されている。
【0014】
貯留タンク1は、空気孔1aを通じて大気に開放されており、貯留タンク1内部が大気圧に保たれている。
加熱手段2は、一般にヒートポンプと呼ばれるもので、例えば、炭酸ガス、代替フロン等を冷媒として使用することにより、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプサイクルを使用している。
【0015】
また、加熱手段2は、流入管6と流出管7を介して貯留タンク1に接続され、流入管6の上流端は貯留タンク1の下部に開口し、流出管7の下流端は貯留タンク1の上部に開口している。これにより、貯留タンク1の下部から低温の蓄熱用流体Xを取り込み、高温に加熱した後、流出管7から貯留タンク1の上部に戻すようになっている。
【0016】
給湯用配管3は、その上流端が貯留タンク1内の下部で給水管4に接続され、下流端が貯留タンク1から上部から側方に突出して給湯管5に接続されており、途中部にヘアピン状に屈曲した熱交換部31、32、33が階層状に配設されている。そして、熱交換部31と32とは給湯用水が流通する連結配管部34で連結され、熱交換部32と33とは連結配管部35で連結されている。
【0017】
次に本実施例の蓄熱式給湯装置の給湯時の作動について説明する。
貯留タンク内の蓄熱用流体Xは、例えば深夜電力を利用してヒートポンプサイクルを作動させることにより、必要量だけ加熱されて蓄熱される。その後、給湯用蛇口(図示しない)が開かれると、給湯用配管3内の給湯用水が、下段の熱交換部31、中段の熱交換部32、上段の熱交換部33の順に流れる。この間に、貯留タンク1内の蓄熱用流体Xと給湯用水とはそれぞれの熱交換部31、32、33で熱交換され、給湯用水は加熱されて給湯することができる。
【0018】
下段の熱交換部31で給水管4から給水された給湯用水が加熱されると、蓄熱用流体X1は冷却される。冷却された下段の熱交換部31付近の蓄熱用流体X1は比重が重くなるため、貯留タンク1の下部に降下していく。下段の熱交換部31で順次熱交換され比重の重くなった蓄熱用流体X1は貯留タンク1の下部に蓄積され低温の温度層X─1を形成する。
【0019】
熱交換部31で熱交換した加熱された給湯用水は、さらに中段の熱交換部32で蓄熱用流体X2と熱交換により加熱される。蓄熱用流体X2は冷却され比重が重くなり下降していくが、中段の熱交換部32の給湯用水の温度は、下段の熱交換部31の温度よりも高く、従って、熱交換された蓄熱用流体X2の温度は熱交換された下部の蓄熱用流体X1のよりも高いため、下段の熱交換部31を越えては降下せず、中間の温度層X−2を形成する。
上段の熱交換部33でも同様に蓄熱用流体X3と熱交換することにより高温の温度層X−3を形成する。この実施例では、熱交換部30を3段階の階層状としたが、必要に応じた段数の階層を形成してもよい。
【0020】
また、給湯用配管3は熱交換部30が階層状に配置されたものであればよく、熱交換部30の形状は本実施例のようにヘアピン状の他、コイル状など熱交換効率や加工のし易さにより選定すればよい。また、熱交換部の配管の長さや口径、形状も必要な給湯量、給湯温度等に応じて設定される。
【0021】
図2は本発明の蓄熱式給湯装置の第2実施例を示す概略説明図である。
図において、階層状に配設されたそれぞれの熱交換部31、32、33を連結する連結配管部34、35を貯留タンク1の外部に配置した一例である。
この連結配管部34の一端は熱交換部31の出口部に接続され、他端は三方弁等の切り替え手段8を介して熱交換部32と接続している。三方弁8は通路方向を切り替えて中段の熱交換部32の入口部または出口部に連通するように接続されている。
【0022】
同じく、連結配管部35の一端は熱交換部32の出口部に接続され、他端が三方弁等の切り替え手段9と接続している。三方弁9は通路方向を切り替えて上段の熱交換部33の入口部または出口部に連通するように接続されている。
そして、切り替え手段8、9の上流側の連結配管部34、35にそれぞれ温度センサ等の温度検出手段81、91が設けられている。その他の構成は、図1で説明した第1実施例の蓄熱式給湯装置と基本的には同一であるので、同一符号を付して説明は省略する。
【0023】
次に第2実施例の蓄熱式給湯装置の給湯時の作動について説明する。
貯留タンク内の蓄熱用流体Xは、例えば深夜電力を利用してヒートポンプサイクルを作動させることにより、必要量だけ加熱されて蓄熱される。その後、給湯用蛇口(図示しない)が開かれると、給湯用配管3内の給湯用水が、下段の熱交換部31、中段の熱交換部32、上段の熱交換部33の順に流れる。この間に、貯留タンク1内の蓄熱用流体Xと給湯用水とは、それぞれの熱交換部31、32、33で熱交換され、給湯用水は加熱されて給湯することができる。
【0024】
下段の熱交換部31で加熱された給湯用水は、給湯用水が流通する連結配管部34で温度センサ81により温度が検出される。この検出温度が給湯設定温度と比較され、検出温度が給湯設定温度に達している場合は、三方弁8により中段の熱交換部32の入口部との連通を遮断し出口部に連通するように切り換える。
【0025】
検出温度が給湯設定温度に達しないときは、三方弁8により中段の熱交換部32の出口部との連通を遮断し入口部に連通するように切り換え、下段の熱交換部31で加熱された給湯用水を中段の熱交換部32によりさらに加熱する。
【0026】
同様にして、中段の熱交換部32で加熱された給湯用水を連結配管部35で温度センサ91により温度を検出し、給湯設定温度と比較し、検出温度が給湯設定温度に達していれば、三方弁9により上段の熱交換部33の入口部との連通を遮断し出口部に連通するように切り換える。
【0027】
検出温度が給湯設定温度に達しないときは、三方弁9により上段の熱交換部33の出口部との連通を遮断し入口部に連通するように切り換え、給湯用水を上段の熱交換部33によりさらに加熱する。
【0028】
このように、温度センサ81、91で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部31、32を回避して給湯することができ、中段の蓄熱用流体X2または上段の蓄熱用流体X3は熱交換を行わないことにより高い温度に保つことができ、階層状の温度層の境界が明確となる。
【0029】
図3は本発明の蓄熱式給湯装置の第3実施例を示す概略説明図で、図2で説明した第2実施例において、貯留タンク1内に階層状に形成された温度層X−1、X−2、X─3の蓄熱用流体X1、X2、X3をそれぞれ別の貯留タンク11、12、13に分離したものである。
【0030】
図において、貯留タンク11、12、13は連通管61、62を介して直列に接続されている。貯留タンク13と貯留タンク12とは、連通管62の上流端が貯留タンク13の下部に開口して接続され、連通管62の下流端は貯留タンク12の上部に開口して接続されており、また、貯留タンク12と貯留タンク11とは、連通管61の上流端が貯留タンク12の下部に開口して接続され、連通管61の下流端は貯留タンク12の上部に開口して接続されている。
【0031】
そして、加熱手段2は、流入管60の上流端が貯留タンク11の下部に開口して接続され、流出管70の下流端は貯留タンク13の上部に開口して接続されている。これにより、貯留タンク11の下部から低温の蓄熱用流体X1を取り込み、高温に加熱した後、流出管7から貯留タンク13の上部に戻すようになっている。
【0032】
給湯用配管3は、ヘアピン状に屈曲した熱交換部31、32、33が直列に接続されたもので、熱交換部31、32、33がそれぞれ独立して貯留タンク11、12、13内の上部に配設されている。そして、上流側となる熱交換部31と下流側となる熱交換部32は三方弁等の切り替え手段8を介して連結配管部34により接続されており、上流側となる熱交換部32と下流側となる熱交換部33は三方弁等の切り替え手段9を介して連結配管部35により接続されている。また、三方弁8は通路方向を切り替えて下流側となる熱交換部32の入口部または出口部に連通するように接続され、三方弁9は通路方向を切り替えて下流側となる熱交換部33の入口部または出口部に連通するように接続されている。
【0033】
次に第3実施例の蓄熱式給湯装置の給湯時の作動について説明する。
貯留タンク11、12、13内の蓄熱用流体X1、X2、X3は、例えば深夜電力を利用して加熱手段2→貯留タンク13→貯留タンク12→貯留タンク11→加熱手段2とヒートポンプサイクルを作動させることにより、必要量だけ加熱されてそれぞれの貯留タンク11、12、13に蓄熱される。その後、給湯用蛇口(図示しない)が開かれると、給湯用配管3内の給湯用水が、貯留タンク11内の熱交換部31、貯留タンク12内の熱交換部32、貯留タンク13内の熱交換部33の順に流れる。この間に、貯留タンク13、12、11内の蓄熱用流体X3、X2、X1と給湯用水とは、それぞれの熱交換部33、32、31で熱交換され、給湯用水は加熱されて給湯することができる。
【0034】
貯留タンク11内の熱交換部31で加熱された給湯用水は、給湯用水が流通する連結配管部34で温度センサ81により温度が検出される。この検出温度が給湯設定温度と比較され、検出温度が給湯設定温度に達している場合は、三方弁8により貯留タンク12内の熱交換部32の入口部との連通を遮断し出口部に連通するように切り換える。
【0035】
検出温度が給湯設定温度に達しないときは、三方弁8により貯留タンク12内の熱交換部32の出口部との連通を遮断し入口部に連通するように切り換え、貯留タンク11内の熱交換部31で加熱された給湯用水を貯留タンク12内の熱交換部32によりさらに加熱する。
【0036】
同様にして、貯留タンク12内の熱交換部32で加熱された給湯用水を連結配管部35で温度センサ91により温度を検出し、給湯設定温度と比較し、検出温度が給湯設定温度に達していれば、三方弁9により貯留タンク13内の熱交換部33の入口部との連通を遮断し出口部に連通するように切り換える。
【0037】
検出温度が給湯設定温度に達しないときは、三方弁9により貯留タンク13内の熱交換部33の出口部との連通を遮断し入口部に連通するように切り換え、給湯用水を上段の熱交換部33によりさらに加熱する。
【0038】
このように、温度センサ81、91で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部31、32を回避して給湯することができ、貯留タンク12内の蓄熱用流体X2または貯留タンク13内の蓄熱用流体X3は熱交換を行わないことにより高い温度に保つことができ、タンク毎の温度層の分離が明確になる。
【0039】
本実施例において、3個のタンクを連通管を介して直列に接続した構成としたが、所要としる蓄熱用流体の量、設置場所の高さ制限などにより、タンクの数は設定できる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な形態はこの実施の形態に限られものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0041】
例えば、実施例では給湯用配管は一本を配列した一系列のものであるが、複数本を並列に接続した複数系列のものであってもよい。この場合、給湯用配管での圧力損失が減少するため、十分な出湯圧力が得られ。また、一系列のものに比べて同一の給湯量を得るのに、各熱交換部を流通する給湯用水の流量を少なくすることができ熱交換効率が向上する。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の蓄熱式給湯装置によれば、給湯用配管は貯留タンク内の下部が給水管に接続され貯留タンク内の上部が給湯管に接続されて、蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が貯留タンク内で上下に階層状に配設されているので、蓄熱用流体と給湯用水との熱交換時のロスが少なくすることができ、蓄熱用流体との熱交換のための循環ポンプが不要となり、シンプルで安価なものとなる。
【0043】
請求項1の蓄熱式給湯装置によれば、温度検出手段で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部を回避して給湯することができ、上段側で熱交換を行わないことにより高い温度に保つことができ、階層状の温度層の境界が明確となり、熱交換効率が向上する。
【0044】
請求項3の蓄熱式給湯装置によれば、貯留タンクが複数個直列に連通管を介して配列されることにより、貯留タンク毎に異なる蓄熱用流体を明確に分離することができ、温度検出手段で検出した給湯用水の温度が給湯設定温度に達していれば、下流側となる熱交換部を回避して給湯することができ、下流側の熱交換部が配設されている貯留タンク内の蓄熱用流体は熱交換を行わないことにより高い温度に保つことができ、タンク毎の温度層の分離が明確になる。更に、貯留タンクの高さを低く抑えることができ、床下等の高さ制限をなる場所への設置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄熱式給湯装置の第1実施例を示す概略説明図である。
【図2】本発明の蓄熱式給湯装置の第2実施例を示す概略説明図である。
【図3】本発明の蓄熱式給湯装置の第3実施例を示す概略説明図である。
【図4】従来例の蓄熱式給湯装置を説明する概略説明図である。
【符号の説明】
X、X1、X2、X3 蓄熱用流体
1、11、12、13 貯留タンク
2 加熱手段
3 給湯用配管
30、31、32、33 熱交換部
4 給水管
5 給湯管
6 流入管
7 流出管
8、9 切り替え手段(三方弁)
81、91 温度検知手段(温度センサ)
Claims (3)
- 蓄熱用流体を貯留する貯留タンクと、この貯留タンク内の蓄熱用流体を加熱する加熱手段と、給湯用水が流通する給湯用配管とを具備した給湯装置であって、前記給湯用配管は貯留タンク内の下部が給水管に接続され貯留タンク内の上部が給湯管に接続されて、蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が貯留タンク内で上下に階層状に配設されていることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
- 階層状に配設されたそれぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が下段側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて上段側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられ、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは上段側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは上段側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることを特徴とする請求項1記載の蓄熱式給湯装置。
- 蓄熱用流体を貯留する貯留タンクと、この貯留タンク内の蓄熱用流体を加熱する加熱手段と、給湯用水が流通する給湯用配管とを具備した給湯装置であって、前記貯留タンクは複数個直列に連通管を介して配列され、前記給湯用配管はそれぞれの貯留タンク内で蓄熱用流体と熱交換する熱交換部が配設され、それぞれの熱交換部が連結配管部を介して接続され、該連結配管部が貯留タンクの外部に切り替え手段とともに配設され、連結配管部の一端が上流側の熱交換部の出口部に接続され、他端が切り替え手段と接続され、切り替え手段は通路方向を切り換えて下流側の熱交換部の入り口部または出口部に連通するように接続され、切り替え手段の上流側に温度検出手段が設けられ、温度検出手段により検出された検出温度と給湯設定温度とを比較し、給湯設定温度に達しないときは下流側の熱交換部の入口部と連通し、給湯設定温度に達しているときは下流側の熱交換部の出口部と連通するように切り替え手段を用いて切り換えることを特徴とする蓄熱式給湯装置。
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