JP2003172587A - 排熱回収システム - Google Patents

排熱回収システム

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JP2003172587A
JP2003172587A JP2001369356A JP2001369356A JP2003172587A JP 2003172587 A JP2003172587 A JP 2003172587A JP 2001369356 A JP2001369356 A JP 2001369356A JP 2001369356 A JP2001369356 A JP 2001369356A JP 2003172587 A JP2003172587 A JP 2003172587A
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JP
Japan
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heat
exhaust
heat recovery
recovery system
exhaust gas
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Application number
JP2001369356A
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English (en)
Inventor
Kenji Watanabe
健次 渡辺
Tomoya Ito
智也 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
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Publication date
Application filed by Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Tokyo Electric Power Co Inc
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D21/00Heat-exchange apparatus not covered by any of the groups F28D1/00 - F28D20/00
    • F28D21/0001Recuperative heat exchangers
    • F28D21/0003Recuperative heat exchangers the heat being recuperated from exhaust gases

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Details Of Heat-Exchange And Heat-Transfer (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コスト化を図ることができ、しかもエネル
ギー効率が高い排熱回収システムを提供する。 【解決手段】 排熱回収システムは、発電機で発生する
排ガスと熱媒とを熱交換させて、熱媒を加熱する排熱回
収用熱交換器HEX1を備える。排熱回収用熱交換器H
EX1は、排ガスの進行方向とその直交方向とに並び、
熱媒が内部を流れる複数の伝熱管32aを含む伝熱管群
60を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電機で発生する
排熱を回収して給湯や空調に利用する排熱回収システム
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスビルや商業施設等の比較
的小規模なエリアにおいて、ガスや石油等を燃料とする
駆動源により発電機を駆動し、電力を自給するシステム
が採用される傾向にある。特に、発電機の駆動源とし
て、低燃費、低騒音で駆動される小型のガスタービンの
利用技術が進歩し、汎用性が高まったことで、上記シス
テムの採用が拡大する傾向にある。
【0003】上記のような電力自給システムには、発電
機を駆動する際に駆動源から発生する排熱を回収し、同
エリア内での給湯や空調に利用する排熱回収システムが
併設される場合が多い。
【0004】図11に排熱回収システムの一例を示す。
図11において、符号501はガスタービン、502は
排熱回収用熱交換器、503は貯湯槽、504は給湯
栓、505は給水タンク、506は給湯温度調節用熱交
換器、507は冷却塔である。ガスタービン501と排
熱回収用熱交換器502とは排ガス導入管508によっ
て接続されており、さらに排熱回収用熱交換器502に
は水を加熱した排ガスを排出する排気塔509が設けら
れている。
【0005】排熱回収用熱交換器502と貯湯槽503
とは水(湯)を循環させる閉じた系を構成する一次配管
510によって接続されている。また、貯湯槽503と
給湯栓504、給湯温度調節用熱交換器506は湯を循
環させる閉じた系を構成する二次配管511によって接
続されている。給水タンク505は二次配管511に給
水管512によって接続されている。さらに、給湯温度
調節用熱交換器506と冷却塔507とは冷媒としての
水を循環させる閉じた系を構成する冷媒配管513によ
って接続されている。
【0006】上記排熱回収システムでは、ガスタービン
501の排熱は排熱回収用熱交換器502に導入されて
貯湯槽503を通じて排気されるが、排熱回収用熱交換
器502において一次配管を循環する水と熱交換を行っ
てこれを加熱する。排熱回収用熱交換器502において
加熱された水(湯)は貯湯槽503に流入する。貯湯槽
503の水(湯)は二次配管511を循環し、給湯栓5
04が開かれると系外に流出して利用される。貯湯槽5
03の水(湯)の残量が少なくなったら給水タンク50
5から適宜給水が実施される。
【0007】また、上記排熱回収システムにおいては、
二次配管511を循環する水(湯)の利用が少ないと、
系内の温度が過度に上昇してしまう。そこで、こういっ
た場合を含めて給湯温度調節用熱交換器506において
余剰の熱エネルギーを回収し、冷却塔507で大気中に
放出するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記排熱回収システム
においては、給湯温度調節用熱交換器506や冷却塔5
07によって構成される冷却設備を必要とする等、シス
テム全体が複雑かつ大掛かりとなり、設置に際してコス
トが嵩みやすいという問題がある。
【0009】また、電力自給システムの利用の拡大に伴
い、よりエネルギー効率の高い排熱回収システムが求め
られている。
【0010】本発明は、上述する事情に鑑みてなされた
ものであり、低コスト化を図ることができ、しかもエネ
ルギー効率が高い排熱回収システムを提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、発電機で発生する排ガスと熱媒とを熱交
換させて、前記熱媒を加熱する排熱回収用熱交換器を備
える排熱回収システムであって、前記排熱回収用熱交換
器は、前記排ガスの進行方向とその直交方向とに並び、
前記熱媒が内部を流れる複数の伝熱管を含む伝熱管群を
有することを特徴とする。
【0012】この排熱回収システムでは、排ガスの進行
方向とその直交方向とに並ぶ複数の伝熱管を含む伝熱管
群を有することにより、排ガスと熱媒とが効率よく熱交
換され、熱媒が高温に加熱される。そのため、エネルギ
ー効率の向上を図ることができる。
【0013】この排熱回収システムにおいて、前記複数
の伝熱管は、U字管によって互いに連結されていてもよ
い。この排熱回収システムでは、複数の伝熱管がU字管
によって互いに連結されていることにより、伝熱管群の
構成や配列が変更しやすく、熱交換容量が任意に調整可
能となる。
【0014】また、この排熱回収システムにおいて、前
記複数の伝熱管は、千鳥型に配列されているとよい。こ
の排熱回収システムでは、複数の伝熱管が千鳥型に配列
されていることにより、熱交換面積を大きく取りつつ、
複数の伝熱管の隙間を通過する排ガスの圧損を抑制でき
る。
【0015】この場合において、前記伝熱管群は、前記
排ガスの流れを均一にするためのダミー管を含むとよ
い。この排熱回収システムでは、ダミー管によって排ガ
スの流れの均一化が図られ、排ガスと熱媒とがより効率
的に熱交換される。
【0016】また、この場合において、前記ダミー管
は、前記複数の伝熱管と略平行に配置され、前記千鳥型
配列の一部をなすとよい。複数の伝熱管で千鳥型の配列
を構成しようとすると、伝熱管群の側部に隙間の大きな
領域が形成されることから、ダミー管を千鳥型配列の一
部をなすように、配置することにより、均一な隙間から
なる管群が構成される。これにより、排ガスが伝熱管群
内を均一に流れるようになり、排ガスと熱媒とがより効
率的に熱交換される。
【0017】また、この排熱回収システムにおいて、前
記伝熱管群への前記排ガスの入口及び出口に配置され、
前記排ガスの流れを整える複数の貫通孔が設けられた整
流部材を有するとよい。この排熱回収システムでは、伝
熱管群への排ガスの入口及び出口に、複数の貫通孔が設
けられた整流部材が配置されることにより、伝熱管群に
対する開口比率の適正化が図られ、流路断面内で排ガス
が均一に流れるようになり、排ガスと熱媒とがより効率
的に熱交換される。
【0018】また、この排熱回収システムにおいて、前
記伝熱管群の熱変形を抑制する変形抑制部材を有すると
よい。この排熱回収システムでは、変形抑制部材によっ
て伝熱管群の熱変形が抑制されることにより、伝熱管群
の熱変形に伴う排ガスの流れの変化が抑制され、排ガス
と熱媒との効率的な熱交換が安定して維持される。
【0019】また、この排熱回収システムにおいて、前
記伝熱管群に導入される前記排ガスの一部を迂回させる
バイパス流路を有するとよい。この排熱回収システムで
は、バイパス流路によって、熱媒の加熱に対して余剰な
排ガスを迂回させることが可能となる。そのため、従来
のような冷却設備を不要にできる。
【0020】この場合において、前記バイパス流路に
は、該バイパス流路の圧損を高める抵抗部材が設けられ
ているとよい。この排熱回収システムでは、抵抗部材に
よってバイパス流路の圧損が高まることにより、伝熱管
群に導入すべき排ガスがバイパス流路に漏れるのが抑制
される。また、バイパス流路の圧損が高まり、伝熱管群
における圧損との差が小さくなることにより、迂回させ
る排ガスの流量の制御性の向上が図られる。さらに、抵
抗部材によってバイパス流路の内壁で音が反射されて消
費されやすくなり、消音効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排熱回収システム
の実施形態例を図面を参照して説明する。図1は、排熱
回収システム10が併設された電力自給システム11の
全体構成を概略的に示している。電力自給システム11
自体は小型のガスタービン(マイクロガスタービン)M
Tを駆動源として発電機を駆動することによって電力を
得るが、これに併設される排熱回収システム10は、発
電機を駆動する際にガスタービンMTから発生する排ガ
スの熱を回収し、それを空調や給湯などの所定の設備に
利用するものである。
【0022】図2は、排熱回収システム10の第1の実
施形態の構成を示す図であり、本実施形態の排熱回収シ
ステム10は、発電機で発生する排ガスの熱を利用し
て、給湯用の水を加熱するものである。
【0023】図2において、HEX1は排ガスと熱媒と
の間で熱交換を行わせて熱媒を加熱する排熱回収用熱交
換器、13は排熱回収用熱交換器HEX1において加熱
された熱媒を一時的に貯溜するバッファタンクとしての
貯熱槽、HEX2は加熱された熱媒と水との間で熱交換
を行わせて水(実際に給湯に利用される水)を加熱する
水加熱用熱交換器、14は補助加熱装置としてのガス湯
沸器、15は加熱された水を必要に応じて取り出すため
の給湯栓、P1は熱媒を輸送するポンプである。なお、
上記熱媒としては、例えば、水(温水)あるいは薬液が
用いられる。
【0024】ガスタービンMT(図1参照)と排熱回収
用熱交換器HEX1とは排ガス導入管20によって接続
されている。排熱回収用熱交換器HEX1への排ガス導
入直前の排ガス導入管20には、排ガスの温度を検出す
る温度センサTC1が設けられている。また、排熱回収
用熱交換器HEX1には、排ガスを外部に排出する排気
塔21が設けられている。
【0025】排熱回収用熱交換器HEX1、貯熱槽1
3、及びポンプP1は熱媒を循環させる一次熱媒循環系
を構成する一次熱媒配管25によって接続されている。
また、水加熱用熱交換器HEX2は、プレート型熱交換
器であり、貯熱槽13とともに、水供給源としての水道
の水を給湯栓15に供給する水配管28によって接続さ
れている。なお、水配管28における水の供給圧は水供
給源側で与えられている。
【0026】図3は、排熱回収用熱交換器HEX1の構
造を概略的に示しており、図4は、図3に示すA−A矢
視断面を概略的に示している。図3及び図4において、
排熱回収用熱交換器HEX1は、筐体30の内部に、ア
ルミ製の冷却フィン31を多数取り付けられたステンレ
ス製の伝熱管32aが収納されたものである。
【0027】より具体的には、円筒状の複数の伝熱管3
2aが、排ガスの進行方向とその直交方向とに並べられ
て伝熱管群60を構成し、複数の伝熱管32aの隣同士
がU字管32bによって直列状あるいは並列状に互いに
連結されている。本例では、複数の伝熱管32aは、図
4に示すように、千鳥型に配列されており、排ガスの進
行方向に隣り合う伝熱管32a同士がその進行方向に対
してずれて配置されている。なお、複数の伝熱管32a
がU字管32bによって互いに連結されていることによ
り、伝熱管群60の構成や配列が変更しやすく、熱交換
容量が任意に調整できるという利点を有する。また、冷
却フィン31と伝熱管32aとは熱変形が生じた場合に
その結合強度が強まるように、一方を変形させて他方を
挟みこむことにより互いに結合されている。また、複数
の伝熱管32aの互いの距離は、伝熱管群60を流れる
排ガスに対して所望の圧損が生じるように定められてい
る。伝熱管32a同士の距離によって圧損を調整するこ
とで、伝熱管群60に対して排ガスを高さ方向、幅方向
ともになるべく均一に流し、熱交換の効率化を図ること
ができる。
【0028】また、伝熱管群60は、排ガスの流れを均
一にするためのダミー管61を含む。ダミー管61は、
複数の伝熱管32aと略平行に、千鳥型配列の一部をな
すように配置される。これは、複数の伝熱管32aによ
って千鳥型の配列を構成しようとすると、伝熱管群60
の側部に隙間の大きな領域が形成されることから、その
隙間の不均一さをダミー管61によって解消しようとす
るものである。ダミー管61としては、例えば伝熱管3
2aとほぼ同じ外径の管状部材からなり、周面に冷却フ
ィン31とほぼ同形状のフィンが設けられたもの、ある
いは、冷却フィン31を含めた外径とほぼ同じ外径を有
する管状部材からなるもの等が用いられる。
【0029】排熱回収用熱交換器HEX1の筐体30の
上部には、排ガスの導入口33と導出口34とが両側に
離間して設けられており、導入口33に前述した排ガス
導入管20(図2参照)が、導出口34に前述した排気
塔21(図2参照)がそれぞれ接続される。また、伝熱
管32は、前述した一次熱媒配管25(図2参照)に接
続されて一次熱媒循環系の一部を構成する。
【0030】また、伝熱管群60への排ガスの入口及び
出口には、排ガスの流れを整える複数の貫通孔が設けら
れた整流部材63,64が配置されている。整流部材6
3,64の貫通孔は、流路断面内での排ガスの速度がな
るべく均一となるようにその形状が定められている。
【0031】また、伝熱管群60への排ガスの入口及び
出口に接続されるマニホールドは、出入口両端の静圧差
が20%以内となるようにその断面積等が定められてい
る。これは排ガス条件(温度、流量等)に合わせてマニ
ホールド断面積を適正化することで、排ガスを伝熱管群
60の高さ方向、幅方向に均一に流し、効率的な熱交換
を実現することを目的とするものである。
【0032】さらに、伝熱管群60の周囲には、伝熱管
群60の熱変形を抑制する変形抑制部材65が配置され
ている。すなわち、変形抑制部材65は、伝熱管32a
の熱変形に伴う伝熱管群60の膨らみを防止するよう
に、本例では、筐体30の外側から挟むように、伝熱管
群60の側部に配置されている。
【0033】排熱回収用熱交換器HEX1には、排ガス
導入管20を通じて導入される排ガスを排熱回収用熱交
換器HEX1への導入前に排気塔21に導いて大気中に
排出させる制御弁V1が設けられ、制御弁V1と排気塔
21との間には排熱回収用熱交換器HEX1に導入され
る排ガスの一部を迂回させるバイパス流路35が設けら
れている。制御弁V1は、導入口33及びバイパス流路
35の一部もしくは全てを塞ぐバタフライ弁とバタフラ
イ弁を駆動する電動モータ等の不図示の駆動装置とを含
み、隣接する導入口33とバイパス流路35の入口との
間で揺動するように構成されている。
【0034】また、バイパス流路35には、バイパス流
路35の圧損を高めるための抵抗部材67が設けられて
いる。この抵抗部材67は、バイパス流路35と伝熱管
群60との圧力差により、伝熱管群60に導入すべき排
ガスがバイパス流路35に漏れるのを抑制するためのも
のである。本例では、環状に形成されるとともに、流路
断面積を狭めるように配置されている。なお、抵抗部材
67の形態はこれに限定されず、例えば、上述した整流
部材63,64のように、複数の貫通孔が設けられた部
材を用いてもよい。
【0035】また、本例では、排熱回収用熱交換器HE
X1において、伝熱管32内の熱媒の流れの方向と、そ
の伝熱管32の外側を流れる排ガスの流れの方向とが逆
方向となるいわゆる向流となっている。熱交換される2
つの流体が互いに逆方向に流れる向流式の熱交換は、効
率が高く均一な熱交換を実現しやすい。ただし、本発明
は向流式の熱交換に限定されるものではなく、熱媒の流
れの方向と排ガスの流れの方向とが同方向となる並流式
の熱交換を採用してもよい。
【0036】図2に戻り、一次熱媒配管25には、排熱
回収用熱交換器HEX1に導入される熱媒を排熱回収用
熱交換器HEX1の前後で迂回させる三方切換弁V2、
及びバイパス配管40が設けられている。
【0037】排熱回収用熱交換器HEX1からの熱媒導
出後の一次熱媒配管25には、熱媒の温度を検出する温
度検出手段としての温度センサTC2が設けられてい
る。制御弁V1は、この温度センサTC2の検出結果に
基づいて開閉制御され、必要に応じて排ガスを迂回させ
て排熱回収用熱交換器HEX1への導入を阻むようにな
っている。また、三方切換弁V2も同様に、温度センサ
TC2の検出結果に基づいて制御され、必要に応じて熱
媒を迂回させて排熱回収用熱交換器HEX1への導入を
阻むようになっている。
【0038】貯熱槽13は、排熱回収用熱交換器HEX
1よりも下方に配置されている。また、貯熱槽13に
は、貯熱槽13内を大気中に開放する大気開放管41が
設けられている。大気開放管41は、一端が貯熱槽13
に接続され、他端が排ガスの流路としての排気塔21に
接続されている。また、大気開放管41には、貯熱槽1
3から蒸発した熱媒の蒸気を凝縮する凝縮器42が設け
られている。凝縮器42は、タンク側に対して大気側の
流路としての排気塔21側を上に傾斜配置されている。
また、貯熱槽13内には、断熱材を含む蓋体43が熱媒
液面を覆うように浮かべられている。
【0039】水加熱用熱交換器HEX2の水導出後の配
管とガス湯沸器14の水導出後の配管との合流直後の水
配管28には、加熱後の水の温度を検出する温度センサ
TC3が設けられている。なお、この温度センサTC3
は、給湯温度の確認用として用いられる。
【0040】また、水配管28には、水加熱用熱交換器
HEX2に導入される水を水加熱用熱交換器HEX2の
前後で迂回させる三方切換弁V10、及びバイパス配管
45が設けられ、バイパス配管45の途中に前述したガ
ス湯沸器14が設けられている。また、ガス湯沸器14
には別個に構築されたガス供給系からのガスの供給を受
けるべくガス配管46が接続されており、ガス配管46
には、ガス湯沸器14へのガスの導入を断続するガス導
入弁V11が設けられている。なお、三方切換弁V10
は、前述した温度センサTC2の検出結果に基づいて制
御され、必要に応じて水を水加熱用熱交換器HEX2の
前後で迂回させてガス湯沸器14に導入する。ガス湯沸
器14は、三方切換弁V10がガス湯沸器14側に開く
と水の導入を検知して作動し、導入された水を加熱する
ようになっている。また、本発明の補助加熱手段は、ガ
ス湯沸器14と三方切換弁V10とを含んで構成され
る。
【0041】次に、上記のように構成された排熱回収シ
ステムによる排熱回収のしくみを説明する。まず、ガス
タービンMTから排出された排ガスは、排ガス導入管2
0を通じて排熱回収用熱交換器HEX1に導入され、一
次熱媒循環系を流れる熱媒と熱交換を行ってその熱媒を
加熱し、その後、排気塔21から排出される。
【0042】排熱回収用熱交換器HEX1において加熱
された熱媒は、ポンプP1の働きにより一次熱媒循環系
を流れるとともに、貯熱槽13において一時的に貯溜さ
れる。また、一次熱媒循環系を流れる熱媒は、水加熱用
熱交換器HEX2に導入され、水配管28を流れる水と
熱交換を行ってその水を加熱し、再び貯熱槽13に貯溜
される。そして、水加熱用熱交換器HEX2において加
熱された水(温水)は、水供給源の供給圧により水配管
28を流れ、給湯栓15が開かれると系外に流出して利
用される。
【0043】また、貯熱槽13内には、断熱材を含む蓋
体43が熱媒液面を覆うように浮かべられていることか
ら、保温効果が働き、大気開放された貯熱槽13であっ
ても、大気中に逃げる熱エネルギー量が抑制され、排熱
から回収した熱エネルギーが無駄なく利用される。
【0044】また、貯熱槽13に接続された大気開放管
41に凝縮器42が設けられていることから、貯熱槽1
3から蒸発した熱媒の蒸気がその凝縮器42で凝縮さ
れ、タンクに戻される。そのため、熱媒の容量低下が抑
制される。
【0045】次に、上記排熱回収システムを稼動させる
際の処理の流れについて図5及び図6に示すフローチャ
ートを参照して説明する。稼動前の排熱回収システムの
各部の初期状態は、制御弁V1:排ガスを迂回、三方切
換弁V2:熱媒を迂回、三方切換弁V10:水加熱用熱
交換器HEX2に水導入、ガス導入弁V11:閉、ポン
プP1:停止、となっている。
【0046】この状態から排熱回収システムを稼動する
と、ステップ1において、温度センサTC1の検出結果
から排ガス温度が200℃よりも高いか否かが判別され
る。そして、排ガス温度が200℃よりも低い場合、ガ
スタービンMTが停止中とみなされ、排熱回収システム
各部の状態が、ステップ2において「湯沸器単独運転」
に切り換えられて、制御弁V1:排ガスを迂回、三方切
換弁V2:熱媒を迂回、三方切換弁V10:ガス湯沸器
14に水導入、ガス導入弁V11:開、ポンプP1:停
止、となる。
【0047】また、ステップ1において、排ガス温度が
200℃以上の場合、ガスタービンMTが稼動中とみな
され、排熱回収システムの各部の状態が、ステップ3に
おいて「ガスタービン/ガス湯沸器運転」に切り換えら
れて、制御弁V1:比例制御、三方切換弁V2:排熱回
収用熱交換器HEX1に熱媒導入、三方切換弁V10:
水加熱用熱交換器HEX2に水導入、ガス導入弁V1
1:開、ポンプP1:運転、となり、この後、排熱回収
系の制御プロセスと、給湯温度制御プロセスとが実行さ
れる。
【0048】排熱回収系制御プロセスにおいては、ま
ず、ステップ10において温度センサTC2の検出結果
に基づいて排熱回収直後の熱媒温度が所望の設定温度、
例えば90℃に達すると、制御弁V1が比例制御され
る。この制御弁V1の比例制御は、温度センサTC1の
検出結果から排ガスの温度が200℃以上で、かつ温度
センサTC2の検出結果から熱媒温度が98℃よりも低
い場合において、連続的に制御される。なお、ステップ
11において温度センサTC1の検出結果から排ガスの
温度が200℃よりも低くなると、ステップ1に戻り、
「湯沸器単独運転」に切り換えられる。
【0049】また、ステップ12において温度センサT
C2の検出結果から熱媒温度が98℃以上の場合、ステ
ップ13に進み、制御弁V1:排ガスを迂回、三方切換
弁V2:熱媒を迂回、に切り換えられ、ステップ14に
おいて熱媒温度が200℃以上であるとS15において
熱媒温度が高温であることが表示される。さらに、ステ
ップ16において熱媒温度が100℃以上の状態を60
秒以上維持したことが確認されると、ステップ17にお
いて上述した「湯沸器単独運転」と同じ状態に切り換わ
り、ステップ18において「制御弁V1動作不良/熱回
収停止」の警報が報知される。
【0050】また、ステップ16において熱媒温度が1
00℃以上の状態を60秒以上維持しない場合、ステッ
プ19において熱媒温度が98℃よりも低いか否かが判
別され、98℃よりも低い場合、ステップ20におい
て、制御弁V1:比例制御、三方切換弁V2:排熱回収
用熱交換器HEX1に熱媒導入、に切り換えられ、ステ
ップ10に戻る。また、ステップ19において熱媒温度
が98℃よりも高い場合、ステップ13に戻り、ステッ
プ13〜ステップ19が繰り返される。なお、この排熱
回収制御プロセスにおいて、上述した各温度及び時間は
所定の範囲内で任意に設定変更される。
【0051】図6は、給湯温度制御プロセスのフローチ
ャート図である。給湯温度制御プロセスにおいては、ま
ず、ステップ30において温度センサTC2の検出結果
から熱媒温度が所望の所定温度、例えば90℃に達する
と、三方切換弁V10がオン/オフ制御される。すなわ
ち、ステップ31において温度センサTC1の検出結果
から排ガスの温度が200℃以上であることが確認さ
れ、かつステップ32において温度センサTC2の検出
結果から熱媒温度が98℃よりも低いことが確認される
と、ステップ33において三方切換弁V10がガス湯沸
器14側に切り換えられ、ガス湯沸器14が点火して水
が加熱される。また、ステップ32において熱媒温度が
98℃を超えたことが確認されると、ステップ34にお
いて三方切換弁V10が水加熱用熱交換器HEX2側に
切り換えられ、排ガスとの熱交換により、水が加熱され
る。なお、この給湯温度制御プロセスにおいて、上述し
た各温度は所定の範囲内で任意に設定変更される。
【0052】このように、本例の排熱回収システムにお
いては、排熱回収用熱交換器HEX1で発電機の排ガス
と熱媒とが熱交換して熱媒が加熱され、さらに水加熱用
熱交換器HEX2で熱媒と水とが熱交換して給湯用の水
が加熱される。このとき、排熱回収用熱交換器HEX1
において、排ガスの進行方向とその直交方向とに並ぶ複
数の伝熱管32aを含む伝熱管群60を有することによ
り、排ガスと熱媒とが効率よく熱交換され、熱媒が高温
に加熱される。しかも、複数の伝熱管32aが千鳥型に
配列されていることから、熱交換面積を大きく取りつ
つ、複数の伝熱管32aの隙間を通過する排ガスの圧損
を抑制できる。
【0053】この場合、排熱回収用熱交換器HEX1に
おいて、ダミー管61によって排ガスの流れの均一化が
図られ、排ガスと熱媒とがより効率的に熱交換される。
つまり、複数の伝熱管32aで千鳥型の配列を構成しよ
うとすると、伝熱管群60の側部に隙間の大きな領域が
形成されることから、ダミー管61を千鳥型配列の一部
をなすように、配置することにより、均一な隙間からな
る管群が構成される。これにより、排ガスを伝熱管群6
0内に均一に流し、排ガスと熱媒とをより効率的に熱交
換させることができる。
【0054】さらに、排熱回収用熱交換器HEX1にお
いては、伝熱管群60への排ガスの入口及び出口に、複
数の貫通孔が設けられた整流部材63,64が配置され
ることにより、伝熱管群60に対する開口比率の適正化
が図られ、流路断面内で排ガスが均一に流れるようにな
り、排ガスと熱媒とがより効率的に熱交換される。しか
も、変形抑制部材65によって伝熱管群60の熱変形が
抑制されることから、伝熱管群60の熱変形に伴う排ガ
スの流れの変化が抑制され、排ガスと熱媒との効率的な
熱交換が安定して維持される。
【0055】また、本例の排熱回収システムにおいて
は、水加熱用熱交換器HEX2がプレート型熱交換器で
あることから、完全交流等によって高い熱伝達率で効率
的な熱交換が実施される。そのため、水加熱用熱交換器
HEX2への水の導入経路が従来のように循環系でなく
ても、水道水からの比較的低温の水が熱媒に近い温度に
まで加熱される。これにより、水の循環経路が不要とな
り、低コスト化が図られる。また、経路の短縮に伴って
熱エネルギーの損失が少なくなり、システム全体のエネ
ルギー効率の向上が図られる。
【0056】また、本例の排熱回収システムにおいて
は、排熱回収用熱交換器HEX1で加熱された熱媒の温
度を温度センサTC2で常時検出しておき、その検出結
果に基づいて排熱回収用熱交換器HEX1への排ガスの
導入量を制御弁V1で制御する。そして、熱媒が所定の
温度を上回ると排熱回収用熱交換器HEX1に導入すべ
き排ガスを導入前にバイパス流路35に迂回させて大気
中に排出する。これにより、排熱回収用熱交換器HEX
1においては、必要な分の熱エネルギーだけが回収さ
れ、余計な熱エネルギーは排熱回収用熱交換器HEX1
に導入されずに大気中に排出される。そのため、従来の
ような冷却設備が不要になり、この点からも低コスト化
が図られる。
【0057】しかも、抵抗部材67によってバイパス流
路35の圧損が高まることから、伝熱管群60に導入す
べき排ガスがバイパス流路35に漏れるのが抑制され
る。また、バイパス流路35の圧損が高まり、伝熱管群
60における圧損との差が小さくなることにより、迂回
させる排ガスの流量の制御性の向上が図られる。
【0058】また、本例の排熱回収システムにおいて
は、温度センサTC2の検出結果に基づいて、排熱回収
用熱交換器HEX1で加熱された熱媒の温度が所望の温
度に達しない場合には、水加熱用熱交換器HEX2に導
入される水を三方切換弁V10を介して迂回させ、迂回
した水をガス湯沸器14で加熱する。そのため、給湯用
の水の温度を高温状態に安定して維持することができ
る。
【0059】また、本例の排熱回収システムにおいて
は、熱媒を一時的に貯溜する貯熱槽13を有することか
ら、貯熱槽13内に貯溜される熱媒によって貯熱効果
(保温効果)が生じ、熱媒の温度変動が緩やかになる。
また、貯熱槽13が大気開放型であることから、熱媒の
圧力上昇が生じにくく、熱媒が容易に温度上昇する。そ
のため、熱媒を効率的に高温に加熱することができる。
さらに、貯熱槽13が大気開放型であることにより、熱
媒中に発生した気泡・蒸気が貯熱槽13内で分離されて
放出され、液中への気泡・蒸気の混入による不具合が回
避される。すなわち、この排熱回収システムでは、熱媒
を沸点に近い高温に加熱するとともに、その高温状態を
安定して維持でき、これに伴い、給湯用の水を高温に加
熱するとともに、その高温状態を安定して維持できる。
また、タンクが大気開放型であることから、高コストな
耐圧構造の使用が回避され、低コスト化が図られる。
【0060】次に、本発明の排熱回収システムの第2の
実施形態例を図7及び図8を参照して説明する。本実施
形態の排熱回収システム10は、発電機で発生する排ガ
スの熱を利用して、空調などの所定の設備で循環使用さ
れる熱媒を加熱するものである。なお、上記第1の実施
形態において既に説明したものと同一の機能を有する構
成要素には同一符号を付してその説明を省略または簡略
化する。
【0061】本実施形態の排熱回収システムにおいて
は、上記第1の実施形態と異なり、所定の設備で循環使
用される熱媒を直接、排熱回収用熱交換器HEX1で加
熱するようになっている。
【0062】図7において、排熱回収用熱交換器HEX
1、貯熱槽13、及びポンプP1は、熱媒を輸送する熱
媒輸送系を構成する熱媒配管23によって接続されてい
る。熱媒配管23には、排熱回収用熱交換器HEX1に
導入される熱媒を排熱回収用熱交換器HEX1の前後で
迂回させる三方切換弁V2、及びバイパス配管40が設
けられている。また、貯熱槽13への熱媒導入前の熱媒
配管23には、ポンプP1と同期して熱媒の輸送を制御
する電磁弁V3が設けられている。
【0063】排熱回収用熱交換器HEX1からの熱媒導
出後の熱媒配管23には、熱媒の温度を検出する温度検
出手段としての温度センサTC2が設けられている。ま
た、温度センサTC2が設けられた箇所からさらに先の
熱媒配管23には、空調などの所定の設備12から排熱
回収用熱交換器HEX1への熱媒の逆流を防止する逆止
弁V4が設けられている。
【0064】次に、上記のように構成された排熱回収シ
ステムによる排熱回収のしくみを説明する。まず、ガス
タービンMTから排出された排ガスは、排ガス導入管2
0を通じて排熱回収用熱交換器HEX1に導入され、熱
媒輸送系を流れる熱媒と熱交換を行ってその熱媒を加熱
し、その後、排気塔21から排出される。
【0065】排熱回収用熱交換器HEX1において加熱
された熱媒は、ポンプP1の働きにより熱媒輸送系を流
れ、空調などの所定の設備12の熱媒として循環使用さ
れる。また、設備12から還ってきた熱媒は貯熱槽13
において一時的に貯溜された後、再び、排熱回収用熱交
換器HEX1に導入される。
【0066】また、貯熱槽13内には、断熱材を含む蓋
体43が熱媒液面を覆うように浮かべられていることか
ら、保温効果が働き、大気開放された貯熱槽13であっ
ても、大気中に逃げる熱エネルギー量が抑制され、排熱
から回収した熱エネルギーが無駄なく利用される。
【0067】また、貯熱槽13に接続された大気開放管
41に凝縮器42が設けられていることから、貯熱槽1
3から蒸発した熱媒の蒸気がその凝縮器42で凝縮さ
れ、タンクに戻される。そのため、熱媒の容量低下が抑
制される。
【0068】次に、上記排熱回収システムを稼動させる
際の処理の流れについて図8を参照して説明する。稼動
前の排熱回収システムの各部の初期状態は、制御弁V
1:排ガスを迂回、三方切換弁V2:熱媒を迂回、電磁
弁V3:閉、となっている。
【0069】この状態から排熱回収システムを稼動する
と、ステップ100において、温度センサTC1の検出
結果から排ガス温度が200℃よりも高いか否かが判別
され、排ガス温度が200℃以上になると、排熱回収シ
ステムの各部の状態が、ステップ101において切り換
えられ、制御弁V1:比例制御、三方切換弁V2:排熱
回収用熱交換器HEX1に熱媒導入、電磁弁V3:開、
ポンプP1:運転、となり、この後、排熱回収系の制御
プロセスが実行される。
【0070】排熱回収系制御プロセスにおいては、ま
ず、ステップ110において温度センサTC2の検出結
果に基づいて排熱回収直後の熱媒温度が所望の設定温
度、例えば90℃に達すると、制御弁V1が比例制御さ
れる。この制御弁V1の比例制御は、温度センサTC2
の検出結果から熱媒温度が98℃よりも低い場合におい
て、連続的に制御される。
【0071】また、ステップ111において温度センサ
TC2の検出結果から熱媒温度が98℃以上の場合、ス
テップ112に進み、制御弁V1:排ガスを迂回、三方
切換弁V2:熱媒を迂回、に切り換えられ、ステップ1
13において熱媒温度が100℃以上の状態を2分以上
維持したことが確認されると、ステップ114において
排熱回収システムの各部の状態が前述した初期状態と同
じ状態に切り換わり、ステップ115において「制御弁
V1動作不良/熱回収停止」の警報が報知される。
【0072】また、ステップ113において熱媒温度が
100℃以上の状態を2分秒以上維持しない場合、ステ
ップ116において熱媒温度が98℃よりも低いか否か
が判別され、98℃よりも低い場合、ステップ117に
おいて、制御弁V1:比例制御、三方切換弁V2:排熱
回収用熱交換器HEX1に熱媒導入、に切り換えられ、
ステップ110に戻る。また、ステップ116において
熱媒温度が98℃よりも高い場合、ステップ112に戻
り、ステップ112〜ステップ116が繰り返される。
なお、この排熱回収制御プロセスにおいて、上述した各
温度及び時間は所定の範囲内で任意に設定変更される。
【0073】このように、本例の排熱回収システムにお
いては、所定の設備で循環使用される熱媒を直接、排熱
回収用熱交換器HEX1で加熱する。このとき、排熱回
収用熱交換器HEX1で加熱された熱媒の温度を温度セ
ンサTC2で常時検出しておき、その検出結果に基づい
て排熱回収用熱交換器HEX1への排ガスの導入量を制
御弁V1で制御する。そして、熱媒が所定の温度を上回
ると排熱回収用熱交換器HEX1に導入すべき排ガスを
導入前にバイパス流路35に迂回させて大気中に排出す
る。これにより、排熱回収用熱交換器HEX1におい
て、必要な分の熱エネルギーだけが回収され、余計な熱
エネルギーは排熱回収用熱交換器HEX1に導入されず
に大気中に排出される。そのため、従来のような冷却設
備が不要になり、低コスト化が図られる。また、この排
熱回収システムでは、所定の設備で循環使用される熱媒
を直接、排熱回収用熱交換器HEX1で加熱するため、
複数段の熱交換器を備える従来に比べて、熱エネルギー
の損失が少ない。そのため、システム全体のエネルギー
効率の向上が図られる。
【0074】また、本例の排熱回収システムにおいて
は、熱媒を一時的に貯溜する貯熱槽13を有することか
ら、熱媒を沸点に近い高温に加熱するとともに、その高
温状態を安定して維持できる。そのため、この熱媒を循
環使用する所定の設備において、燃料量の削減など、様
々な利点が得られる。また、タンクが大気開放型である
ことから、高コストな耐圧構造の使用が回避され、低コ
スト化が図られる。
【0075】また、本例の排熱回収システムにおいて
は、循環系内に大気開放型のタンクを備えることから熱
媒が逆流しやすいものの、逆止弁V4によって所定の設
備から排熱回収用熱交換器HEX1への熱媒の逆流が防
止されることにより、熱媒の逆流に伴う不具合が回避さ
れる。
【0076】次に、本発明の排熱回収システムの第3の
実施形態例を図9及び図10を参照して説明する。本実
施形態の排熱回収システム10も上記第2の実施形態と
同様に、発電機で発生する排ガスの熱を利用して、空調
などの所定の設備で循環使用される熱媒を加熱するもの
である。なお、上記各実施形態において既に説明したも
のと同一の機能を有する構成要素には同一符号を付して
その説明を省略または簡略化する。
【0077】本実施形態の排熱回収システムにおいて
は、上記各実施形態と異なり、ガスタービンMT(図1
参照)からの排ガスとは別に、排熱回収用熱交換器HE
X1に燃焼ガスを導入する補助燃焼ガス導入手段として
の補助燃焼装置50、及び三方切換弁V0を有する。
【0078】補助燃焼装置50は、ガスタービンMTか
らの排ガスと同程度の温度及び量の燃焼ガスを発生させ
ることが可能であり、例えば大気圧ガス燃焼器が用いら
れる。また、三方切換弁V0は、排熱回収用熱交換器H
EX1に対してガスタービンMTからの排ガスを導入す
るか、あるいは補助燃焼装置50からの燃焼ガスを導入
するかを切り換えるものであり、ガスタービンMTと排
熱回収用熱交換器HEX1との間の排ガス導入管20に
設けられている。
【0079】次に、上記のように構成された排熱回収シ
ステムによる排熱回収のしくみを説明する。まず、ガス
タービンMTから排出された排ガスは、排ガス導入管2
0を通じて排熱回収用熱交換器HEX1に導入され、熱
媒輸送系を流れる熱媒と熱交換を行ってその熱媒を加熱
し、その後、排気塔21から排出される。
【0080】また、発電機に不具合が生じた場合や発電
機の停止時等、所定のタイミングで補助燃焼装置50を
運転する。補助燃焼装置50で発生した燃焼ガスは、ガ
スタービンMTからの排ガスとは別に、三方切換弁V0
を介して排熱回収用熱交換器HEX1に導入される。こ
のとき、例えば、発電機からの排ガスに加えて、または
その排ガスに代えて、補助燃焼ガスを排熱回収用熱交換
器HEX1に導入し、熱媒を加熱することにより、熱媒
の温度が安定して維持される。
【0081】排熱回収用熱交換器HEX1において加熱
された熱媒は、ポンプP1の働きにより熱媒輸送系を流
れ、空調などの所定の設備12の熱媒として循環使用さ
れる。また、設備12から還ってきた熱媒は貯熱槽13
において一時的に貯溜された後、再び、排熱回収用熱交
換器HEX1に導入される。
【0082】次に、上記排熱回収システムを稼動させる
際の処理の流れについて図10を参照して説明する。稼
動前の排熱回収システムの各部の初期状態は、制御弁V
1:排ガスを迂回、三方切換弁V2:熱媒を迂回、電磁
弁V3:閉、となっている。
【0083】この状態から排熱回収システムを稼動する
と、ステップ200において、温度センサTC1の検出
結果から排ガス温度が200℃よりも高いか否かが判別
される。そして、排ガス温度が200℃よりも低い場
合、ガスタービンMTが停止中とみなされ、ステップ2
01において補助燃焼装置が運転され、三方切換弁V0
が補助燃焼装置50側に開き、ガスタービンMTの排ガ
スに代えて、補助燃焼装置50の燃焼ガスが排熱回収用
熱交換器HEX1に導入される。
【0084】また、ステップ200において、排ガス温
度が200℃以上の場合、ガスタービンMTが稼動中と
みなされ、ステップ202において補助燃焼装置50が
停止され、三方切換弁V0が排熱回収用熱交換器HEX
1側に開き、ガスタービンMTの排ガスが排熱回収用熱
交換器HEX1に導入される。そして、ステップ203
において排熱回収システムの各部の状態が、制御弁V
1:比例制御、三方切換弁V2:排熱回収用熱交換器H
EX1に熱媒導入、電磁弁V3:開、ポンプP1:運
転、となり、この後、排熱回収系の制御プロセスが実行
される。
【0085】排熱回収系制御プロセスにおいては、上述
した第2の実施形態と同様のステップが実行される。す
なわち、まず、ステップ210において温度センサTC
2の検出結果に基づいて排熱回収直後の熱媒温度が所望
の設定温度、例えば90℃に達すると、制御弁V1が比
例制御される。この制御弁V1の比例制御は、温度セン
サTC2の検出結果から熱媒温度が98℃よりも低い場
合において、連続的に制御される。
【0086】また、ステップ211において温度センサ
TC2の検出結果から熱媒温度が98℃以上の場合、ス
テップ212に進み、制御弁V1:排ガスあるいは燃焼
ガスを迂回、三方切換弁V2:熱媒を迂回、に切り換え
られ、ステップ213において熱媒温度が100℃以上
の状態を2分以上維持したことが確認されると、ステッ
プ214において排熱回収システムの各部の状態が前述
した初期状態と同じ状態に切り換わり、ステップ215
において「制御弁V1動作不良/熱回収停止」の警報が
報知される。
【0087】また、ステップ213において熱媒温度が
100℃以上の状態を2分秒以上維持しない場合、ステ
ップ216において熱媒温度が98℃よりも低いか否か
が判別され、98℃よりも低い場合、ステップ217に
おいて、制御弁V1:比例制御、三方切換弁V2:排熱
回収用熱交換器HEX1に熱媒導入、に切り換えられ、
ステップ210に戻る。また、ステップ216において
熱媒温度が98℃よりも高い場合、ステップ212に戻
り、ステップ212〜ステップ216が繰り返される。
なお、この排熱回収制御プロセスにおいて、上述した各
温度及び時間は所定の範囲内で任意に設定変更される。
【0088】このように、本例の排熱回収システムにお
いては、ガスタービンMT(発電機)の停止時に、ガス
タービンMTで発生する排ガスに代えて、排熱回収用熱
交換器HEX1に燃焼ガスが導入され、熱媒を加熱す
る。そのため、例えば電力料金が安い時間帯等において
発電機を停止させた場合にも、この排熱回収システムを
用いて、所定の設備を運転させることが可能となる。つ
まり、コスト効率のよい連続運転を可能にする。
【0089】なお、本発明の排熱回収システムには、熱
媒を循環使用する所定の設備として、吸収式冷凍サイク
ルによって冷凍を行う吸収式冷凍機(ジェネリンク)が
好ましく用いられる。上述したように、本発明の排熱回
収システムは、熱媒を沸点に近い高温に加熱するととも
に、その高温状態を安定して維持できる。しかも、コス
ト効率のよい連続運転を可能にする。そのため、吸収式
冷凍機では、本発明の排熱回収システムからの熱媒を循
環使用することにより、燃料コストを大幅に削減するこ
とが可能になるとともに、その熱エネルギーの総合的な
利用効率を向上させることが可能になる。
【0090】以上、添付図面を参照しながら本発明に係
る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例
に限定されないことは言うまでもない。上述した例にお
いて示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例で
あって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計
要求等に基づき種々変更可能である。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の排熱回収
システムによれば、排ガスと熱媒とが効率よく熱交換さ
れることから、エネルギー効率の向上を図ることができ
る。また、不要な経路を省くことにより、低コスト化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の排熱回収システムが併設される電力
自給システムの全体構成の一例を概略的に示す図であ
る。
【図2】 本発明の排熱回収システムの第1の実施形態
例の構成を示す図である。
【図3】 排熱回収用熱交換器の内部構造を模式的に示
す図である。
【図4】 図3に示すA−A矢視断面を概略的に示す図
である。
【図5】 排熱回収システムを稼動させる際の処理手順
の一例を示すフローチャート図である。
【図6】 給湯温度制御プロセスの処理手順の一例を示
すフローチャート図である。
【図7】 本発明の排熱回収システムの第2の実施形態
例の構成を示す図である。
【図8】 図7の排熱回収システムを稼動させる際の処
理手順の一例を示すフローチャート図である。
【図9】 本発明の排熱回収システムの第3の実施形態
例の構成を示す図である。
【図10】 図5の排熱回収システムを稼動させる際の
処理手順の一例を示すフローチャート図である。
【図11】 従来の排熱回収システムの構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
MT ガスタービン HEX1 排熱回収用熱交換器 HEX2 水加熱用熱交換器 TC2 温度センサ(温度検出手段) V0 三方切換弁(補助燃焼ガス導入手段) V1 制御弁 V4 逆止弁 V10 三方切換弁(補助加熱手段) 13 貯熱槽(タンク) 14 ガス湯沸器(補助加熱手段) 32a 伝熱管 32b U字管 50 補助燃焼装置(補助燃焼ガス導入手段) 60 伝熱管群 61 ダミー管 63,64 整流部材 65 変形抑制部材 67 抵抗部材
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 智也 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社エネルギー・環境研究所 内 Fターム(参考) 3L065 DA14 3L103 AA37 BB05 BB17 CC02 CC27 DD08 DD33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電機で発生する排ガスと熱媒とを熱交
    換させて、前記熱媒を加熱する排熱回収用熱交換器を備
    える排熱回収システムであって、 前記排熱回収用熱交換器は、前記排ガスの進行方向とそ
    の直交方向とに並び、前記熱媒が内部を流れる複数の伝
    熱管を含む伝熱管群を有することを特徴とする排熱回収
    システム。
  2. 【請求項2】 前記複数の伝熱管は、U字管によって互
    いに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の
    排熱回収システム。
  3. 【請求項3】 前記複数の伝熱管は、千鳥型に配列され
    ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の排熱回収システム。
  4. 【請求項4】 前記伝熱管群は、前記排ガスの流れを均
    一にするためのダミー管を含むことを特徴とする請求項
    3に記載の排熱回収システム。
  5. 【請求項5】 前記ダミー管は、前記複数の伝熱管と略
    平行に配置され、前記千鳥型配列の一部をなすことを特
    徴とする請求項4に記載の排熱回収システム。
  6. 【請求項6】 前記伝熱管群への前記排ガスの入口及び
    出口に配置され、前記排ガスの流れを整える複数の貫通
    孔が設けられた整流部材を有することを特徴とする請求
    項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の排熱回
    収システム。
  7. 【請求項7】 前記伝熱管群の熱変形を抑制する変形抑
    制部材を有することを特徴とする請求項1から請求項6
    のうちのいずれか一項に記載の排熱回収システム。
  8. 【請求項8】 前記伝熱管群に導入される前記排ガスの
    一部を迂回させるバイパス流路を有することを特徴とす
    る請求項1から請求項7のうちのいずれか一項に記載の
    排熱回収システム。
  9. 【請求項9】 前記バイパス流路には、該バイパス流路
    の圧損を高める抵抗部材が設けられていることを特徴と
    する請求項8に記載の排熱回収システム。
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Cited By (5)

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