JP2010084973A - 暖房給湯装置 - Google Patents

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裕 奥村
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千明 式地
Kazunobu Hosogai
和伸 細貝
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彰 白石
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Abstract

【課題】ヒートポンプユニットにより貯湯タンク内に貯留された温水を加熱する暖房給湯装置において、高効率な暖房給湯運転を実現する。
【解決手段】温水を貯留する貯湯タンク2と、この貯湯タンク2内の温水を加熱するヒートポンプユニット3と、貯湯タンク2とヒートポンプユニット3間で温水を循環させるヒートポンプ加熱用循環回路4と、暖房器5と、貯湯タンク2と暖房器5間で温水を循環させる暖房用循環回路6と、貯湯タンク2内の温水と熱交換可能に設けられた給湯用熱交換回路7とを備えた暖房給湯装置1において、ヒートポンプユニット3は、二酸化炭素が冷媒として封入され、高圧側が超臨界圧力となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、貯湯タンク内に貯留された温水をヒートポンプユニットにより加熱し、この温水により暖房器の暖房運転と、シャワーや台所等に供給する湯を生成する給湯運転を行う暖房給湯装置に関するものである。
従来、この種の暖房給湯装置は、貯湯タンクと、貯湯タンク内の温水を加熱するヒートポンプユニットと、暖房器と、貯湯タンク内の温水と熱交換可能に設けられた給湯用熱交換回路とを備える。このヒートポンプユニットは、圧縮機、冷媒対水熱交換器、減圧手段としての膨張弁及び蒸発器を有し、これらを順次配管接続することにより冷媒回路が構成されている。冷媒対水熱交換器は、冷媒回路の圧縮機から出た高温高圧の冷媒と、貯湯タンクからの温水とを熱交換させるための熱交換器である。
そして、ヒートポンプユニットの圧縮機が起動されると、圧縮機に冷媒が吸い込まれて圧縮される。これにより、冷媒は高温高圧の冷媒ガスとなって圧縮機から吐出され冷媒対水熱交換器に流入する。そして、冷媒対水熱交換器に流入した冷媒は、貯湯タンクからの温水(或いは、冷たい水)と熱交換して放熱した後、膨張弁にて減圧され、蒸発器に流入する。冷媒はこの蒸発器において周囲の空気から熱を汲み上げて、即ち、周囲の空気から熱を奪って蒸発する。その後、冷媒は蒸発器から出て圧縮機に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
一方、冷媒対水熱交換器にて貯湯タンクからの温水は、冷媒と熱交換することで加熱されて高温水となり、その後、貯湯タンクに戻るサイクルを繰り返すものであった(例えば、特許文献1参照)。
他方、当該貯湯タンク内の温水は暖房器に循環されて暖房器の暖房用に使用されると共に、貯湯タンク内に設けられた給湯用熱交換回路を流れる水(水道水等)を加熱して給湯用の温水を生成するために使用されていた。
特開2003−56905号公報
このような暖房給湯装置において、暖房能力及び給湯能力は、ヒートポンプユニットの冷媒対水熱交換器における貯湯タンクからの温水と冷媒との熱交換能力次第となる。即ち、当該熱交換器において貯湯タンクからの温水と冷媒との熱交換能力を高めることができれば、その分、貯湯タンク内の温水の温度が高くなるので、高効率な暖房給湯運転を実現することができるが、従来の炭化水素系冷媒では係る熱交換器における熱交換能力が低く、貯湯タンク内の温水を高温とすることが困難であった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、ヒートポンプユニットにより貯湯タンク内に貯留された温水を加熱する暖房給湯装置において、高効率な暖房給湯運転を実現することを目的とする。
本発明の暖房給湯装置は、温水を貯留する貯湯タンクと、この貯湯タンク内の温水を加熱するヒートポンプユニットと、貯湯タンクとヒートポンプユニット間で温水を循環させるヒートポンプ加熱用循環回路と、暖房器と、貯湯タンクと暖房器間で温水を循環させる暖房用循環回路と、貯湯タンク内の温水と熱交換可能に設けられた給湯用熱交換回路とを備えたものであって、ヒートポンプユニットは、二酸化炭素が冷媒として封入され、高圧側が超臨界圧力となることを特徴とする。
本発明によれば、ヒートポンプユニットは二酸化炭素が冷媒として封入され、高圧側が超臨界圧力となるので、冷媒と貯湯タンクの温水との熱交換能力が向上し、当該貯湯タンクからの温水をより高温とすることができる。
これにより、暖房能力及び給湯能力が向上し、高効率な暖房給湯運転を実現することができるようになる。
本発明は、ヒートポンプユニットの熱交換能力を改善して、貯湯タンク内の温水をより高温に加熱し、高効率な暖房給湯運転を実現するためになされたものである。このように、高効率な暖房給湯運転を行うという目的を、ヒートポンプユニットに二酸化炭素を冷媒として封入し、高圧側を超臨界圧力とすることにより実現した。以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
図1は、本発明を適用した一実施例の暖房給湯装置の全体のシステムを示す回路図である。本実施例の暖房給湯装置1は、温水を貯留する貯湯タンク2と、貯湯タンク2内の温水を加熱するヒートポンプユニット3と、貯湯タンク2とヒートポンプユニット3間で温水を循環させるヒートポンプ加熱用循環回路4と、暖房器5と、貯湯タンク2と暖房器5間で温水を循環させる暖房用循環回路6と、貯湯タンク2内の温水と熱交換可能に設けられた給湯用熱交換回路7とを備える。
このヒートポンプユニット3は、コンプレッサ41、冷媒対水熱交換器42、分流器43、補助絞り手段としての第1の膨張弁44、中間熱交換器50、主絞り手段としての第2の膨張弁45、蒸発器47及びアキュムレータ48等を備えて、これらを配管接続することによりヒートポンプユニット3の冷媒回路40が構成されている。
本実施例のコンプレッサ41は、密閉容器内に駆動手段としての電動要素と、低段側圧縮要素と高段側圧縮要素から成る圧縮機構部とを備えて、1段目の低段側圧縮要素にて圧縮して中間圧とした冷媒を、密閉容器内に吐出し、この密閉容器内の冷媒を2段目の高段側圧縮要素に吸い込んで圧縮する内部中間圧型の多段(2段)圧縮式コンプレッサである。
図1において、52はコンプレッサ41の低段側圧縮要素に冷媒を導入するための冷媒導入管であり、この冷媒導入管52の一端が低段側圧縮要素の冷媒吸込側(入口側)に接続され、ここから低段側圧縮要素に低温低圧の冷媒が導入可能に構成されている。また、冷媒導入管52の他端はアキュムレータ48に接続されている。
54はコンプレッサ41の高段側圧縮要素の冷媒吐出側(出口側)に接続された冷媒吐出管である。即ち、冷媒吐出管54の一端がコンプレッサ41の高段側圧縮要素の冷媒吐出側に接続されて、ここから高段側圧縮要素にて圧縮された冷媒がコンプレッサ41の外部に吐出可能に構成されている。当該冷媒吐出管54の他端は後述する冷媒対水熱交換器42のガスクーラ27の入口に接続されている。ガスクーラ27の出口には、分流器43に至る冷媒配管56が接続されている。
分流器43は、冷媒対水熱交換器42のガスクーラ27から出た冷媒を2つの流れに分流するための分流手段である。この場合、分流器43は、ガスクーラ27から出た冷媒を第1の冷媒流と第2の冷媒流に分流して、第1の冷媒流を第1の膨張弁44を経て中間熱交換器50の第1の流路50Aに至る補助回路に流し、第2の冷媒流を中間熱交換器50の第2の流路50B、第2の膨張弁45を経て蒸発器47に至る主回路に流すものとされている。
尚、上記主回路とは、コンプレッサ41の前記低段側圧縮要素、密閉容器内、高段側圧縮要素、冷媒対水熱交換器42のガスクーラ27、分流器43、中間熱交換器50の第2の流路50B、第2の膨張弁45、蒸発器47及びアキュムレータ48から成る環状の冷媒回路であり、補助回路とは、分流器43から第1の膨張弁44、中間熱交換器50の第1の流路50Aを経てコンプレッサ41の密閉容器内に至る回路を指す。
前記第1の膨張弁44は、分流器43で分流された第1の冷媒流を減圧するための補助回路の絞り手段であると共に、第1の冷媒流を中間熱交換器50の第1の流路50Aに流すか否かを制御する開閉制御弁としても機能する。この膨張弁44は、後述するコントローラ33に接続され、動作が当該コントローラ33により制御されている。
また、前記中間熱交換器50は、補助回路を流れる第1の膨張弁44で減圧された後の第1の冷媒流と、主回路を流れる第2の冷媒流とを熱交換させるための熱交換器である。この中間熱交換器50には、第1の冷媒流が流れる第1の流路50Aと、第2の冷媒流が流れる第2の流路50Bとが交熱的に配置されている。
一方、中間熱交換器50の第1の流路50Aの出口は、コンプレッサ41の高段側圧縮要素の吸込側に至る冷媒配管58が接続されており、この第1の流路50Aから出た第1の冷媒流が配管58を介して、コンプレッサ41の中間圧部である密閉容器に吸い込まれるよう構成されている。
係る構成により、分流器43で分流された第1の冷媒流は、第1の膨張弁44で減圧された後、中間熱交換器50の第1の流路50Aを通過する過程で、第2の流路50Bを流れる第2の冷媒流と熱交換して蒸発する。この蒸発してガスとなった第1の冷媒流は、第1の流路50Aから出てコンプレッサ41の密閉容器内に吸い込まれ、低段側圧縮要素で圧縮されて、密閉容器内に吐出された冷媒(第2の冷媒流)と合流した後、高段側圧縮要素に吸い込まれることとなる。
他方、中間熱交換器50の第2の流路50Bの出口は、冷媒配管60を介して第2の膨張弁45の入口に接続されている。第2の膨張弁45は、第2の冷媒流を減圧するための絞り手段であり、前記第1の膨張弁44と同様にコントローラ33に接続され、動作が当該コントローラ33により制御されている。この第2の膨張弁45の出口に接続された冷媒配管62は蒸発器47の入口に接続されている。また、蒸発器47の出口は冷媒配管64を介してアキュムレータ48に接続され、このアキュムレータ48には前述した冷媒導入管52の他端が接続されている。
以上の構成により、分流器43で分流された第2の冷媒流は、中間熱交換器50の第2の流路50Bを通過する過程で、第1の流路50Aを流れる第1の冷媒流と熱交換して放熱する。そして、放熱した第2の冷媒流は、第2の流路50Bから出て第2の膨張弁45で減圧された後、蒸発器47に入り、そこで周囲の空気から熱を奪って蒸発する。その後、第2の冷媒流は蒸発器47から出てアキュムレータ48を経由して、コンプレッサ41の低段側圧縮要素に吸い込まれることとなる。
尚、図1において、65はコンプレッサ41から吐出される高圧冷媒の圧力を検出するための圧力センサである。また、70は第2の膨張弁45の出口に接続された冷媒配管62の途中部と冷媒配管58の途中部とを接続する冷媒配管72に介設された電磁弁である。電磁弁70は通常の運転時には閉じられており、蒸発器47の除霜運転時に開放される。即ち、除霜運転時に電磁弁70が開放されると、コンプレッサ41の低段側圧縮要素で圧縮された中間圧の冷媒が配管58、配管72及び配管62を介して蒸発器47に流入する。この冷媒は、当該蒸発器47で放熱するので、蒸発器47の着霜を冷媒の熱により溶かすことができる。更にまた、電磁弁70は、コンプレッサ41の起動時にも一時的に開放される。これにより、低段側圧縮要素で圧縮された中間圧の冷媒を配管58、配管72及び配管62を介して冷媒回路40の低圧側である蒸発器47の入口側に逃がすことができるので、起動時の冷媒回路40内の不安定な運転状況を解消することがきる。
前述した冷媒対水熱交換器42は、冷媒回路40を流れるコンプレッサ41からの高温高圧冷媒と、後述するヒートポンプ加熱用循環回路4を流れる貯湯タンク2からの低温水とを熱交換させるための熱交換器である。具体的に、本実施例の冷媒対水熱交換器42は冷媒が流れるガスクーラ27と温水が流れる水熱交換器とが熱交換関係に一体化されたものであって、ガスクーラ27を流れる冷媒と水熱交換器28を流れる温水の流れが対向流となるように構成されている。
この場合、ヒートポンプユニット3には、二酸化炭素が冷媒として封入され、冷媒回路40の高圧側が超臨界圧力となる。即ち、当該二酸化炭素冷媒が、コンプレッサ41の高段側圧縮要素にて超臨界圧力まで圧縮され、この超臨界状態とされた二酸化炭素冷媒が冷媒対水熱交換器42のガスクーラ27に吐出されることとなる。この超臨界状態の二酸化炭素冷媒は、ガスクーラ27において凝縮しないため、即ち、放熱しても超臨界状態を維持したままであるため、熱交換能力が著しく高く、水熱交換器28を流れる温水を高温に加熱することができる。
更に加えて、冷媒対水熱交換器42のガスクーラ27における冷媒の流れと、水熱交換器28における温水の流れとを対向流とすることで、冷媒対水熱交換器42を通過する過程で冷媒と温水との温度差を略同じとすることができる。即ち、ガスクーラ27の入口側となる冷媒対水熱交換器42の一端側で冷媒の温度が最も高く、他端に向かうに従って徐々に温度が低下し、ガスクーラ27の出口側となる冷媒対水熱交換器42の他端側で冷媒の温度が最も低くなる。一方、水熱交換器28の入口側となる冷媒対水熱交換器42の他端側で最も温水の温度が低く、一端に向かうに従って冷媒により温水は徐々に加熱されて、冷媒対水熱交換器42の一端側では温水の温度が最も高くなる。
このように、冷媒対水熱交換器42において冷媒の流れと温水の流れとを対向流とすることで、当該冷媒対水熱交換器42を通過する過程における冷媒と温水の温度差が略同じとなり、熱交換効率をより一層改善することができるようになる。
一方、前記貯湯タンク2は、温水を貯留する略縦長円筒状を呈したタンクである。当該貯湯タンク2内には予め温水が封入されている。即ち、貯湯タンク2には新たに温水が導入されたり、貯湯タンク2内の温水が外部に排出されることの無い閉鎖系のタンクである。この貯湯タンク2の下部には、ヒートポンプ加熱用循環回路4の取水配管80、給湯配管82、給湯配管84と、暖房用循環回路6の戻り配管21が接続されている。
上記ヒートポンプ加熱用循環回路4は、貯湯タンク2内の低温水をヒートポンプユニット3の冷媒対水熱交換器42に流して加熱し、高温水を生成するための回路であり、貯湯タンク2とヒートポンプユニット3間で温水を循環可能に構成されている。本実施例のヒートポンプ加熱用循環回路4は、貯湯タンク2内下部に連通した取水口8と、貯湯タンク2内上部に連通した上部給湯口9と、貯湯タンク2内下部に連通した下部給湯口13と、循環ポンプ10と、流路切換弁14を有する。具体的に、ヒートポンプ加熱用循環回路4の取水配管80が、貯湯タンク2内下部に接続され、その一端が貯湯タンク2内の下部にて開口するよう構成されている。そして、この開口がヒートポンプ加熱用循環回路4に貯湯タンク2内の下部の温水を取り出すための取水口8とされる。
上記取水配管80は、上述の如く貯湯タンク2内下部に連通した一端(取水口8)から当該貯湯タンク2を出てヒートポンプユニット3に延出し、他端は冷媒対水熱交換器42の水熱交換器28の入口に接続されている。この取水配管80には循環ポンプ10が介設されている。循環ポンプ10は、取水口8から貯湯タンク2内下部(底部)の温水を吸引してヒートポンプユニット3に送り、このヒートポンプユニット3を経た温水を上部給湯口9若しくは下部給湯口13から貯湯タンク2内に戻すためのヒートポンプ加熱循環用のポンプである。
一方、冷媒対水熱交換器42の水熱交換器28の出口にはヒートポンプ加熱用循環回路4の給湯配管82の一端が接続されている。この給湯配管82は、当該水熱交換器28の出口に接続された一端から貯湯タンク2に向かって延出し、途中で二股に分岐する。この分岐した一方の配管は貯湯タンク2の下部に接続され、そこから貯湯タンク2内を上方に起立し、貯湯タンク2内の上部にて開口するよう構成されている。そして、この開口が貯湯タンク2内上部に連通した上部給湯口9とされる。即ち、当該上部給湯口9からヒートポンプ加熱用循環回路4を経た温水が貯湯タンク2内上部に給湯可能に構成されている。
また、分岐した他方の配管84は貯湯タンク2の下部に接続され、貯湯タンク2内下部にて開口するよう構成されており、この開口が貯湯タンク2内下部に連通した下部給湯口13とされる。即ち、当該下部給湯口13からヒートポンプ加熱用循環回路4を経た温水が貯湯タンク2内下部に供給可能に構成されている。
更に、上述の給湯配管82の分岐部には流路切換弁14が設けられている。この流路切換弁14は、ヒートポンプユニット3を経た温水を上部給湯口9に送るか、下部給湯口13に送るかを切り換えるための流路切換装置である。尚、当該流路切換弁14の動作及び前記循環ポンプ10の運転は、コントローラ33によって制御されている。
他方、前記暖房用循環回路6は貯湯タンク2内の温水をラジエータ等の暖房器5に流すための回路であり、貯湯タンク2と暖房器5間で温水を循環可能に構成されている。本実施例の暖房用循環回路6は、上部出湯配管16と、中間部出湯配管18と、戻り配管21と、混合弁22と、混合弁22と暖房器5の入口23とを連通する暖房用往き配管24と、暖房用循環ポンプ25と、戻り配管21の途中と混合弁22とを結ぶバイパス配管26とを有する。
上記上部出湯配管16は、貯湯タンク2内の最上部(天部)から暖房用循環回路6に貯湯タンク2内上部の高温水を取り出すための配管である。具体的に、上部出湯配管16の一端が貯湯タンク2内の最上部(天部)にて開口し(以下、この開口を上部出湯口15と称する)、この上部出湯口15から貯湯タンク2内の最上部(天部)の高温水が取り出し可能に構成されている。当該上部出湯配管16の他端は後述する混合弁22に接続されている。
また、上記中間部出湯配管18は、貯湯タンク2内の中間部(上下方向の中間部)から暖房用循環回路6に貯湯タンク2内中間部の中温水を取り出すための配管である。具体的に、中間部出湯配管18の一端が貯湯タンク2内の上下方向の中間部にて開口し(以下、この開口を中間部出湯口17と称する)、この中間部出湯口17から貯湯タンク2内の上下方向の中間部の中温水が取り出し可能に構成されている。また、中間部出湯配管18の他端は前記混合弁22に接続されている。
更に、上記戻り配管21は、暖房用循環回路6から貯湯タンク2内に温水を戻すための配管である。この戻り配管21は、一端が貯湯タンク2内の下部に開口し(以下、この開口を戻り口19と称する)、他端が暖房器5の出口20にて開口して、暖房器5を経た温水(戻り温水)が戻り口19から貯湯タンク2内の下部に戻るよう構成されている。
前述した混合弁22は、前記上部出湯配管16から取り出した貯湯タンク2内の最上部の高温水と中間部出湯配管18から取り出した貯湯タンク2内の中間部の中温水を混合し、更に、暖房器5を経た低温水を混ぜて、所定温度の温水に調整し、この調整された温水を暖房器5に流すための電動可変ミキシングバルブである。
具体的に、本実施例の混合弁22には上部出湯配管16、中間部出湯配管18、戻り配管21の途中部に接続されたバイパス配管26及び暖房用往き配管24とが接続されている。
そして、暖房器5における暖房運転において、コントローラ33により循環ポンプ25が運転されると、貯湯タンク2内上部から上部出湯配管16を介して混合弁22に高温水が流入する。また、貯湯タンク2内の中間部から中間部出湯配管18を介して混合弁22に中温水が流入する。更に、暖房器5を経た温水の一部がバイパス配管26を介して混合弁22に流入する。そして、当該混合弁22にてこれらの温水が混合されて所定温度の温水に調整される。調整された温水は暖房用往き配管24を経て暖房器5に入り、そこで放熱した後、戻り配管21を経由して一部の温水が上述の如くバイパス配管26を介して混合弁22に戻り、他の温水は戻り口19から貯湯タンク2内の下部に戻るサイクルを繰り返すこととなる。
一方、貯湯タンク2内には上部仕切部材11と下部仕切部材12とが設けられている。上部仕切部材11は、ヒートポンプ加熱用循環回路4の給湯配管82の上部給湯口9の上側であって、且つ、暖房用循環回路6の中間部出湯配管18の中間部出湯口17の上側の貯湯タンク2内に設けられている。また、下部仕切部材12は、給湯配管82の上部給湯口9の下側であって、取水配管80の取水口8、給湯配管84の下部給湯口13及び暖房用循環回路6の戻り配管21の戻り口19の上側の貯湯タンク2内に設けられている。即ち、暖房用循環回路6の中間部出湯配管18の中間部出湯口17は、上部仕切部材11より下側で下部仕切部材12より上側の貯湯タンク2内に位置し、戻り配管21の戻り口19は、下部仕切部材12より下側の貯湯タンク2内に位置するように上部仕切部材11及び下部仕切部材12が配設される。この場合、暖房用循環回路6の戻り配管21の戻り口19は、下部仕切部材12より下側の貯湯タンク2内に位置するので、暖房器5からの温水(戻り温水)は、下部仕切部材12より下側の貯湯タンク2内に戻ることとなる。
これら仕切部材11、12は貯湯タンク2内の上下方向における温水の移動を抑制するために設けられたものである。具体的に、貯湯タンク2において、密度の低い高温水は上昇して、当該貯湯タンク2内上部に蓄えられ、密度の高い低温水は貯湯タンク2内下部に降下するため、貯湯タンク2内には上方で最も温度が高く、下部に向かうに従って温度が低くなる温度の層が形成されることとなる。
しかしながら、貯湯タンク2内への温水の出入動作により対流が生じると、当該貯湯タンク2内の上記温度層が乱れて使用可能な高温層が減少するといった問題が生じていた。
そこで、貯湯タンク2内に上部給湯口9の上側に温水の上下方向の移動を抑制する上部仕切部材11を設けることで、当該上部仕切部材11の存在により、その上方の高温層と下側の層(中温層)との間で対流が起こり難くなる。これにより、高温層の温度を保つことができるようになる。
更に、上部給湯口9より下側で、且つ、取水口8及び戻り配管21の戻り口19より上側に温水の上下方向の移動を抑制する下部仕切部材12を設けることで、当該下部仕切部材12の上側であって上部仕切部材11の下側の中温層と、下部仕切部材12の下側の低温層との間で対流が起こり難くなる。これにより、中温層の温度を保つことができるようになる。特に、下部仕切部材12の存在により、低温層ではより低い温度を維持できるようになる。これにより、貯湯運転では、下部仕切部材12の下側の低温層に位置する取水口8から貯湯タンク2内の低温水を取り出すことができるので、ヒートポンプユニット3はより低い温度の温水(低温水)を加熱することになる。これにより、ヒートポンプユニット3による加熱の効率(COP)が向上する。
更に、図1において、7は給湯用熱交換回路である。この給湯用熱交換回路7は、入口29から出口30の間が貯湯タンク2内に引き込まれて、貯湯タンク2内の温水と熱交換可能に設けられている。当該給湯用熱交換回路7の貯湯タンク2内の部分には、下部熱交換コイル31と上部熱交換コイル32とが設けられている。下部熱交換コイル31は、上部仕切部材11より下側で下部仕切部材12より上側に位置して、当該上部仕切部材11と下部仕切部材12との間に貯留された中温水と熱交換可能に設けられている。また、上部熱交換コイル32は、上部仕切部材11より上側に位置して、当該上部仕切部材11の上側に貯留された高温水と熱交換可能に設けられている。
当該給湯用熱交換回路7は、上記入口29より上流側が水道水等の給水源に接続されており、給水源から水道水が供給可能に構成されている。更に、出口30の下流側は配管等を介してシャワーや台所等に接続され、そこから上記下部熱交換コイル31及び上部熱交換コイル32にて貯湯タンク2内に貯留された温水により加熱された水道水が給湯可能に構成されている。
尚、本実施例の給湯暖房装置1は、前述したコントローラ33により運転が制御されている。このコントローラ33は、給湯暖房装置1の制御を司る制御装置であり、マイクロコンピュータ等からなる。そして、コントローラ33は、電気信号や温度信号等に応じて、当該給湯暖房装置1における貯湯運転、給湯運転、暖房運転を制御している。具体的に、コントローラ33が貯湯タンク2内の温水の温度に基づいて、ヒートポンプユニット3(コンプレッサ41)とヒートポンプ加熱用循環回路4の循環ポンプ10を運転すると共に、流路切換弁14を制御して、貯湯タンク2の温水を加熱する貯湯運転を実行する。例えば、貯湯タンク2内の上部熱交換コイル32及び下部熱交換コイル31の位置する付近に湯温検出センサS1、S2を備えて、コントローラ33が当該検出センサS1、S2にて検出される貯湯タンク2内の湯温に基づき、ヒートポンプユニット3(コンプレッサ41)とヒートポンプ加熱用循環回路4の循環ポンプ10を運転すると共に、流路切換弁14を制御して、貯湯タンク2の温水を加熱する貯湯運転を実行する。更に、コントローラ33は上記検出センサS1、S2にて検出される貯湯タンク2内の湯温に基づき、給湯用熱交換回路7の各機器(例えば、給水源からの水道水の供給を制御する図示しない開閉弁等)を制御して、給湯運転を実行する。
更にまた、暖房器5には当該暖房器5を流れる温水の温度を検出するための温度センサS3が設けられており、コントローラ33は当該温度センサS3の検出に基づき、暖房用循環回路6の循環ポンプ25の運転を制御して、暖房運転を実行している。
更に、暖房給湯装置1にはヒートポンプ加熱用循環回路4の給湯配管82の途中部に温度センサS4が設けられており、コントローラ33は、前記貯湯運転の停止時に、当該温度センサに検出される温度出力に基づき、ヒートポンプ加熱用循環回路4の凍結防止運転を実行する。尚、各運転動作については以下の動作説明で詳述する。
以上の構成で、次に本実施例の暖房給湯装置1の動作を説明する。
(1)貯湯運転
初めに、貯湯タンク2内に貯留された温水を加熱する貯湯運転について説明する。本実施例において、当該貯湯運転は、貯湯タンク2内に設けられた湯温検出センサS1、S2にて検出される湯温が所定の温度未満となった場合(実施例では、湯温検出センサS2が検出する上部仕切部材11と下部仕切部材12との間の貯湯タンク2内の温水の温度が+55℃未満となった場合)に貯湯運転が開始されるものとする。尚、この貯湯運転において、貯湯タンク2内に戻る高温水の温度が所定の高温、例えば、+85℃となるようにコントローラ33によりヒートポンプユニット3のコンプレッサ41の回転数及び第1及び第2の膨張弁44、45の開度が制御されているものとする。
コントローラ33は、貯湯タンク2内の湯温検出センサS2にて検出される湯温が所定の温度未満(本実施例では+55℃未満)となると、ヒートポンプユニット3のコンプレッサ41の運転を開始する。これにより、コンプレッサ41に吸い込まれた低温低圧の冷媒ガスは、コンプレッサ41の低段側圧縮要素にて圧縮され、中間圧の冷媒ガスとなって、密閉容器内に吐出される。そして、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、補助回路からの冷媒(第1冷媒流)と合流した後、高段側圧縮要素に吸い込まれて圧縮される。当該高段側圧縮要素における圧縮動作により二酸化炭素冷媒は超臨界圧力まで圧縮され、この超臨界状態で、コンプレッサ41から吐出され、冷媒吐出管54を経て冷媒対水熱交換器42のガスクーラ27に流入する。
ガスクーラ27に流入した超臨界状態の冷媒は、冷媒対水熱交換器42においてガスクーラ27と交熱的に設けられた水熱交換器28を流れる水と熱交換して放熱する。このとき、ガスクーラ27に流入した冷媒は温度が略+100℃まで上昇しており、冷媒体水熱交換器42において水熱交換器28を流れる温水を高温に加熱することができる。そして、放熱した冷媒は冷媒対水熱交換器42から流出し、冷媒配管56を経て分流器43に入り、そこで第1の冷媒流と第2の冷媒流に分流される。
分流器43にて分流された第1の冷媒流は、第1の膨張弁44で減圧された後、中間熱交換器50の第1の流路50Aに流入する。一方、分流器43にて分流された第2の冷媒流は、中間熱交換器50の第2の流路50Bに流入する。そして、当該中間熱交換器50にて第1の流路50Aを流れる第1の冷媒流と第2の流路50Bを流れる第2の冷媒流とが熱交換する。即ち、第1の流路50Aを流れる第1の冷媒流は、第2の冷媒流により加熱されて蒸発する。その後、中間熱交換器50の第1の流路50Aから出た第1の冷媒流は、冷媒配管58を経てコンプレッサ41の密閉容器に吸い込まれ、そこで低段側圧縮要素から吐出された冷媒と合流した後、高段側圧縮要素に吸い込まれて圧縮され、超臨界状態となり、コンプレッサ41から吐出されるサイクルを繰り返す。
他方、中間熱交換器50の第2の流路50Bにて第2の冷媒流は、第1の流路50Aを流れる第1の冷媒流と熱交換して放熱する。このように、中間熱交換器50において、第2の流路50Bを流れる第2の冷媒流を第1の流路50Aを流れる第1の冷媒流により冷却することができる。
即ち、中間熱交換器50において、第1の冷媒流と熱交換させることで、第2の冷媒流が第1の冷媒流により冷却されるため、その分、蒸発器47に流入する第2の冷媒流の比エンタルピーを小さくできる。更に、上述の如く第1の冷媒流をコンプレッサ41の高段側圧縮要素の吸込側である中間圧部の密閉容器内に戻すことで、その分、コンプレッサ41の低段側圧縮要素に吸い込む冷媒量を少なくできる。従って、低段側圧縮要素で圧縮する冷媒量を減少させることができる。その結果、コンプレッサ41の圧縮動力が低下し、成績係数の向上を図ることができるようになる。
その後、第2の冷媒流は中間熱交換器50の第2の流路50Bから出て、冷媒配管60を介し、第2の膨張弁45を通過する。第2の冷媒流は、この第2の膨張弁45を通過する過程で減圧され、次に、冷媒配管62を経て蒸発器47に流入し、蒸発器47の周囲の空気から吸熱して蒸発する。
そして、蒸発器47にて蒸発した冷媒は、冷媒配管64、アキュムレータ48を介して冷媒導入管52からコンプレッサ41の低段側圧縮要素に吸い込まれて圧縮され、密閉容器内に吐出される。この密閉容器内にて低段側圧縮要素から吐出された第2の冷媒流は、前記第1の冷媒流と合流する。その後、合流した冷媒は前述の如く高段側圧縮要素に吸い込まれて超臨界圧力まで圧縮された後、コンプレッサ41から吐出され、冷媒吐出管54を経て冷媒対水熱交換器42のガスクーラ27に流入するサイクルを繰り返す。
一方、コントローラ33は上記ヒートポンプユニット3のコンプレッサ41の始動と同時に、ヒートポンプ加熱用回路4の循環ポンプ10の運転を開始すると共に、流路切換弁14により上部給湯口9に温水を送るよう流路を切り換える。即ち、当該貯湯運転において、ヒートポンプユニット3を経た温水が上部給湯口9から貯湯タンク2内に戻るようにコントローラ33により流路切換弁14が切り換えられる。これにより、取水口8から下部仕切部材12の下側の貯湯タンク2内下部の低温水が取り出され、ヒートポンプ加熱用回路4の取水配管80に流入し、冷媒対水熱交換器42の水熱交換器28を通過する。ここで、冷媒対水熱交換器42において水熱交換器28を流れる低温水と、ガスクーラ27を流れる超臨界状態の二酸化炭素冷媒とが熱交換される。即ち、貯湯タンク2内下部から取り出された低温水は、コンプレッサ41で圧縮され超臨界状態となった二酸化炭素冷媒と熱交換することで、当該冷媒により加熱されて、高温水となる。
このとき、超臨界状態の二酸化炭素冷媒は、ガスクーラ27において凝縮しないため、即ち、放熱しても超臨界状態を維持したままであるため、熱交換能力が著しく高く、水熱交換器28を流れる温水を高温に加熱することができる。特に、前述したように本実施例では冷媒対水熱交換器42において冷媒の流れと温水の流れとが対向流となるようガスクーラ27及び水熱交換器28とを配置しているので、熱交換効率がより一層向上し、水熱交換器28を流れる温水を高温に加熱することができる。
そして、冷媒対水熱交換器42にて加熱されて、高温となった温水は水熱交換器28から出て、給湯配管82、流路切換弁14を経て上部給湯口9から上部仕切部材11と下部仕切部材12との間の貯湯タンク2の中間部に戻るサイクルを繰り返す。
そして、本実施例では湯温検出センサS2にて検出される貯湯タンク2内の湯温が所定温度(+55℃)に上昇すると、コントローラ33はヒートポンプユニット3のコンプレッサ41の運転及びヒートポンプ加熱用回路4の循環ポンプ10を停止し、貯湯運転を終了する。
(2)暖房運転
次に、暖房器5に貯湯タンク2内の温水を流して放熱させることにより、暖房を行う暖房運転について説明する。本実施例の暖房器5は、ラジエータで構成され、貯湯タンク2内の温水を当該ラジエータに流して、暖房を行う床暖房装置に適用して説明する。この場合、暖房器5には電源スイッチや温度設定スイッチなどを有する図示しない暖房器リモートコントローラ(以下、「暖房器リモコン」と称する)が設けられており、コントローラ33に接続されているものとする。尚、本発明の暖房器5はラジエータに限定されるものでなく、他の暖房装置に適用しても差し支えない。
先ず、ユーザーにより暖房器5に設けられた暖房器リモコンの電源スイッチが投入されると、コントローラ33は、暖房器5の暖房運転を開始する。当該暖房運転において、コントローラ33は、暖房器リモコンの温度設定スイッチにより設定された温度入力に基づき、温度センサS3にて検出される温水の温度が所定の設定温度となるように暖房用循環回路6の循環ポンプ25の運転を制御して、暖房運転を実行するものとする。
即ち、ユーザーにより暖房器リモコンの電源スイッチが投入されると、コントローラ33は、暖房用循環回路6の循環ポンプ25の運転を開始する。これにより、貯湯タンク2内上部から上部出湯配管16を介して混合弁22に高温水が流入する。また、貯湯タンク2内の中間部から中間部出湯配管18を介して混合弁22に中温水が流入する。更に、暖房器5を経た温水の一部がバイパス配管26を介して混合弁22に流入する。当該混合弁22に流入したこれらの温水は、混合されて所定温度の温水に調整された後、暖房用往き配管24を経て入口23から暖房器5に入り、そこで放熱することにより暖房能力を発揮する。そして、暖房器5にて放熱して温度低下した温水(低温水)は出口20より暖房器5から流出し、戻り配管21に入る。当該戻り配管21において一部の低温水は、バイパス配管26を介して混合弁22に戻り、他の温水は戻り口19から貯湯タンク2内の下部に戻るサイクルを繰り返すこととなる。
そして、温度センサS3にて検出される温水温度が所定の温度THに上昇すると、コントローラ33は、循環ポンプ25の運転を停止し、暖房運転を一時停止する。そして、温度センサS3にて検出される温水温度が所定の温度TLに低下すると、コントローラ33は循環ポンプ25を運転して、暖房運転を開始する。他方、ユーザーにより暖房器リモコンの電源スイッチが切られると、コントローラ33は当該暖房運転を終了する。
(3)給湯運転
次に、シャワーや台所等で温水を使用する場合の給湯運転について説明する。ユーザーによりシャワーや台所の蛇口が操作されると、給水源から水道水が給湯用熱交換回路7に流入する。この水道水は、入口29から貯湯タンク2内に入り、上部仕切部材11と下部仕切部材12との間の貯湯タンク2内に配置された下部熱交換コイル31を流れる過程で、当該下部熱交換コイル31周囲の中温水と熱交換して加熱される。当該下部熱交換コイル31にて加熱された水道水は、次に、上部仕切部材11の上側の貯湯タンク2内に配置された上部熱交換コイル32を通過する。そこで給湯用熱交換回路7内の水道水は、周囲の高温水と熱交換して更に加熱され、所定の給湯温度の温水とされた後、出口30から貯湯タンク2を出て図示しない配管等を介してシャワーや台所等に供給される。
この場合、給湯用熱交換回路7の貯湯タンク2内に引き込まれた部分に熱交換コイル31、32を設けて、給水源からの冷たい水(水道水)を、下部熱交換コイル31に流して当該下部熱交換コイル31が設けられた貯湯タンク2内中間部の中温水と熱交換させた後、貯湯タンク2内の上部に設けられた上部熱交換コイル32に流して熱交換させることで、上部熱交換コイル32を流れる水道水は、下部熱交換コイル31にて加熱され、ある程度温度上昇した温水となる。従って、当該貯湯タンク2上部の高温水が給湯用熱交換回路7の水道水との熱交換により著しく温度低下する不都合を防ぐことができる。
(4)凍結防止運転
他方、このような暖房給湯装置1を、冬季など外気温度が氷点下となる環境下で使用すると、係る貯湯運転の停止時に、ヒートポンプ加熱用回路4内が凍結する恐れがある。そこで、凍結する恐れがある環境下で使用される場合には、コントローラ33により凍結防止運転が実行されることとなる。この場合、コントローラ33は、前述した貯湯運転の停止時に、温度センサS4にて検出されるヒートポンプ加熱用循環回路4の給湯配管82の温度が予め設定された凍結危険温度に低下すると、凍結防止運転を開始する。
具体的に、コントローラ33は、温度センサS4にて検出される給湯配管82の温度が凍結危険温度に低下すると、ヒートポンプユニット3(コンプレッサ41)を停止した状態で循環ポンプ10の運転を開始すると共に、流路切換弁14により下部給湯口13に温水を送るよう流路を切り換える。即ち、当該凍結防止運転において、ヒートポンプユニット3を経た温水が下部給湯口13から貯湯タンク2内に戻るようにコントローラ33により流路切換弁14が切り換えられる。これにより、取水口8から下部仕切部材12の下側の貯湯タンク2内下部の低温水が取り出され、ヒートポンプ加熱用回路4の取水配管80に流入する。そして、この低温水は、水熱交換器28、給湯配管82を通過し、流路切換弁14を経て下部給湯口13から下部仕切部材12の下側の貯湯タンク2内に戻るサイクルを繰り返す。
係る運転により、貯湯タンク2内下部の低温水をヒートポンプ加熱用回路4に循環させることで、ヒートポンプ加熱用回路4の凍結を防止することができる。特に、当該凍結防止運転では、ヒートポンプユニット3(コンプレッサ41)が運転されないので、水熱交換器28において温水が加熱されないため、貯湯タンク2内に低温水が戻ることとなるが、上述したように下部仕切部材12の下側の下部給湯口13から貯湯タンク2内に当該低温水を戻すことで、貯湯タンク2内上部の高温水の温度を下げる不都合を極力防ぐことができる。
尚、本実施例では貯湯タンク2内に貯留された温水をヒートポンプ加熱用回路4に流してヒートポンプユニット3にて加熱するものとしたが、これに加えて貯湯タンク2内にヒータ(電気ヒータ)75、76を設けて、ヒートポンプユニット3による加熱のみで不足する場合には当該電気ヒータ75、76にて補助的に貯湯タンク2内の温水を加熱するものとしても差し支えない。
本発明を適用した一実施例の暖房給湯装置の全体のシステム回路図である。
符号の説明
1 暖房給湯装置
2 貯湯タンク
3 ヒートポンプユニット
4 ヒートポンプ加熱用循環回路
5 暖房器
6 暖房用循環回路
7 給湯用熱交換回路
8 取水口
9 給湯口
10 ヒートポンプ加熱循環用ポンプ
11 上部仕切部材
12 下部仕切部材
13 下部給湯口
14 流路切換弁(流路切換装置)
15 上部出湯口(上部出湯配管の開口)
16 上部出湯配管
17 中間部出湯口(中間部出湯配管の開口)
18 中間部出湯配管
19 戻り口(戻り配管の開口)
20 出口(暖房器の出口)
21 戻り配管
22 混合弁
23 入口(暖房器の入口)
24 暖房用往き配管
25 暖房用循環ポンプ
26 バイパス配管
27 ガスクーラ
28 水熱交換器
29 入口(給湯用熱交換回路の入口)
30 出口(給湯用熱交換回路の出口)
31 下部熱交換コイル
32 上部熱交換コイル
33 コントローラ
40 冷媒回路
41 コンプレッサ
42 冷媒対水熱交換器
43 分流器
44 第1の膨張弁(補助絞り手段)
45 第2の膨張弁(主絞り手段)
47 蒸発器
48 アキュムレータ
50 中間熱交換器
52 冷媒導入管
54 冷媒吐出管
56、58、60、62、64 冷媒配管
65 圧力センサ
70 電磁弁
72 冷媒配管
75、76 ヒータ(電気ヒータ)
80 取水配管
82、84 給湯配管

Claims (1)

  1. 温水を貯留する貯湯タンクと、該貯湯タンク内の温水を加熱するヒートポンプユニットと、前記貯湯タンクとヒートポンプユニット間で温水を循環させるヒートポンプ加熱用循環回路と、暖房器と、前記貯湯タンクと暖房器間で温水を循環させる暖房用循環回路と、前記貯湯タンク内の温水と熱交換可能に設けられた給湯用熱交換回路とを備えた暖房給湯装置において、
    前記ヒートポンプユニットは、二酸化炭素が冷媒として封入され、高圧側が超臨界圧力となることを特徴とする暖房給湯装置。
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