JP2004251425A - 防振装置 - Google Patents

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Takanobu Ide
孝信 井手
Hiroyuki Konishi
浩之 小西
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Yamashita Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】揺れの原因となる振幅が比較的大きく周波数が比較的低い振動波を減衰させ、ノイズの原因となる振幅が比較的小さく周波数が比較的高い振動波の伝達を小さくすることができ、しかもコスト高を抑制できる防振装置を提供する。
【解決手段】振動源側に接続される第1の接続部材12と、車体側に接続される第2の接続部材20と、第1の接続部材12の少なくとも一部と接続され第1の接続部材12から伝達された振動を減衰させる第1の弾性部材14と、第2の接続部材20の少なくとも一部と接続されるとともに第1の弾性部材14から伝達された振動を減衰させる第2の弾性部材16と、第1の弾性部材14と第2の弾性部材16とを区画する中間部材18と、を有する防振装置10であって、第1の弾性部材14と第2の弾性部材16では振動の所定の周波数における動倍率がそれぞれ異なるように構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に自動車のエンジンマウントやサスペンション等に用いられる防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車のサスペンションやエンジンマウントには、従来から防振装置としてのブッシュが用いられている。このブッシュの内部にはゴムが充填されており、このゴムにより走行時にサスペンションに生じた振動やエンジンの稼動時に生じた振動を減衰しサスペンションやエンジンの揺れが早くおさまるようにしている。これにより、自動車の乗り心地が悪くなることを防止している。
【0003】
ここで、一般のゴム特性から、上記振動波の減衰率を大きくしようとすると、上記ゴムの動倍率が大きくなってしまう性質がある。
【0004】
ところが、ゴムの動倍率が大きくなってしまうと、振幅が比較的小さく、かつ周波数が比較的高い振動波が遮断されない。このため、こもり音などのノイズとして乗員の聴覚で察知され、乗員に不快感を与える結果となる。
【0005】
以上のように、揺れの原因となる振幅が比較的大きく周波数が比較的低い振動波を減衰し、ノイズの原因となる振幅が比較的小さく周波数が比較的高い振動波の伝達を小さくすることが乗員の乗り心地を快適にするために必要不可欠なことになるが、現在においてこれを吸収するために液封防振装置が開発されている(下記特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、上記液封防振装置を用いると、コストが高くなるという問題が生じていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−310219号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、揺れの原因となる振幅が比較的大きく周波数が比較的低い振動波を減衰させ、ノイズの原因となる振幅が比較的小さく周波数が比較的高い振動波の伝達を小さくすることができ、しかもコスト高を抑制することができる防振装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、振動源側に接続される第1の接続部材と、車体側に接続される第2の接続部材と、第1の接続部材の少なくとも一部と接続され前記第1の接続部材から伝達された振動を減衰させる第1の弾性部材と、前記第2の接続部材の少なくとも一部と接続されるとともに前記第1の弾性部材から伝達された振動を減衰させる第2の弾性部材と、前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材とを区画する中間部材と、を有する防振装置であって、前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材では前記振動の所定の周波数における動倍率がそれぞれ異なることを特徴とする。
【0010】
先ず、ゴムの一般的特性として、低減衰ゴムとして用いられるいわゆる低動バネではその動倍率が比較的低くなり、高減衰ゴムとして用いられるゴムではその動倍率が比較的高くなるという性質がある。
ここで、請求項1に記載の発明によれば、防振装置を振動源側に接続される第1の接続部材と、第1の接続部材の少なくとも一部と接続される第1の弾性部材と、車体側に接続される第2の接続部材と、第2の接続部材の少なくとも一部と接続される第2の弾性部材とから構成し、さらに第1の弾性部材と第2の弾性部材とを区画する中間部材と、を備えたことにより、振動源側から第1の接続部材に振動が伝わる。
ここで、例えば、振動の所定の周波数において、第1の弾性部材の動倍率を比較的小さくなるように設定すると、比較的振幅が小さい振動(以下、本明細書において「ノイズ発生振動」と定義する)では、第1の弾性部材の弾性変形量は比較的小さいため、第1の接続部材が中間部材に接触することはない。このため、ノイズ発生振動が第2の接続部材に伝達されず、ノイズ発生振動が発生原因となるこもり音やアイドル振動を遮断することができる。
また、比較的振幅が大きい振動(以下、本明細書において「揺れ発生振動」と定義する)では、第1の弾性部材の弾性変形量が大きくなり、第1の接続部材が中間部材に接触する。このとき、揺れ発生振動が第2の弾性部材に伝達されるため、第2の弾性部材が弾性変形する。ここで、第2の弾性部材の動倍率は比較的大きく設定されているため、一般的なゴムの性質により第2の弾性部材のヒステリシス曲線で囲まれる面積が大きくなる。これは、第2の弾性部材の弾性変形により熱エネルギーに変換される振動エネルギーが大きくなることを意味しており、第2の弾性部材による振動減衰量が大きくなることを意味している。この結果、揺れ発生振動が第2の弾性部材により大きく減衰され、振動源側の揺れを早くおさめることができ、乗員の乗り心地を向上させることができる。
なお、揺れ発生振動は、動倍率の比較的低い第1の弾性部材ではほとんど減衰されない。
以上のように、本発明の防振装置によれば、従来の液封防振装置を用いることなく、製造コストを抑制しつつ、ノイズを遮断し振動源側の揺れを早くおさめることができる。この結果、製造コスト高を防止して、乗員の乗り心地や快適性を向上させることができる。
一方、振動の所定の周波数において、第1の弾性部材の動倍率を比較的大きく、かつ第2の弾性部材の動倍率を比較的小さくなるように設定した場合でも、中間部材の位置を所定の位置に変えることにより、ノイズを遮断し振動源側の揺れを早くおさめることができる。
なお、本明細書における「動倍率」とは、動剛性(貯蔵弾性率)の静剛性(静的弾性率)に対する比(動剛性/静剛性)を意味する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の防振装置において、前記第1の接続部材、前記中間部材及び前記第2の接続部材はそれぞれ円筒状に形成され、前記第1の弾性部材は前記第1の接続部材の径方向外側に配置され、前記第2の弾性部材は前記中間部材を介して前記第1の弾性部材の径方向外側に配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、第1の接続部材、中間部材、第2の接続部材はそれぞれ円筒状に形成されているため、防振装置の軸方向に対して直交する方向から観ると、第1の接続部材を中心とした対称な構造となっている。このため、本発明の防振装置によれば、第1の接続部材の振動方向に制限されず、請求項1の防振装置に記載したように、ノイズを遮断し、揺れを早くおさめることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の防振装置において、前記第1の弾性部材又は前記第2の弾性部材のうち、動倍率が小さい方の静的ばね定数は動倍率が高い方の静的ばね定数よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、第1の弾性部材又は第2の弾性部材のうち、動倍率が小さい方の静的ばね定数は動倍率が高い方の静的ばね定数よりも大きいため、ノイズ発生振動を減衰させる側の弾性部材(以下、「ノイズ発生振動減衰部材」と定義する。)に所定の荷重が作用した場合でも、ノイズ発生振動減衰部材が潰れてしまうことを防止できる。このため、所定の荷重がノイズ発生振動減衰部材に作用した場合でも、第1の接続部材が中間部材に接触することを防止できるため、ノイズ発生振動の車体側への伝達を阻止することができる。
一方、第2の弾性部材の静的ばね定数は、第1の弾性部材と比較して小さいため、第2の弾性部材による揺れ発生振動の減衰性を低下させることはない。
なお、本明細書における「静的ばね定数」とは、静的平衡状態で測定されたばね定数であり、引張速さ一定の引張試験で得た荷重−たわみ曲線の立ち上がり部分の接線を意味する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防振装置において、前記中間部材はその周方向に沿って複数に分割されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、第1の弾性部材と第2の弾性部材とは円筒状の中間部材により区画されており、この中間部材がその周方向に沿って複数に分割されているため、円筒状に成型した中間部材をパイプカットすることにより製造するのではなく、別々の部材をプレス加工して製造することができる。これにより、製造コストを低下させることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防振装置において、前記第1の接続部材の断面中心が前記中間部材の断面中心に対して偏心していることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、第1の接続部材の断面中心が中間部材の断面中心に対して偏心しているため、第1の接続部材と中間部材との間に配置される第1の弾性部材の径方向の肉厚が第1の接続部材の周方向に沿って変化している。このため、第1の接続部材に振動源側が接続されたときに振動源側の重力により第1の弾性部材を圧縮変形させて、第1の接続部材の断面中心と中間部材の断面中心とを一致させることが可能となる。この結果、第1の接続部材に振動源が接続された状態において、第1の弾性部材の厚さが第1の接続部材の周方向に沿って一定となり、防振装置の機能が第1の接続部材の周方向に沿って一定となる。したがって、防振装置の周方向において、防振装置の減衰性能が一定となる。なお、本明細書における「断面中心」とは、第1の接続部材及び中間部材の軸方向に対して略垂直方向に第1の接続部材及び中間部材を切断した場合の中心を意味する。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の防振装置において、前記第1の弾性部材及び前記第2の弾性部材は、ゴムであることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、第1の弾性部材及び第2の弾性部材をゴムで構成することにより、他の複合材料で構成する場合と比較して防振装置の製造コストを低下させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1実施形態に係る防振装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、自動車のサスペンションに用いられる防振装置の概略斜視図である。図2は、防振装置の軸方向と略垂直方向に切断した断面図である。図3は、防振装置を構成する低ロスゴムと高ロスゴムとの静的ばね定数を比較した図である。図4は、防振装置を構成する低ロスゴムと高ロスゴムとにより減衰される振動を示したモデル図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、防振装置10は、円筒状の小径リング(第1の接続部材)12を備えている。この小径リング12は金属で構成されており、小径リング12には自動車のタイヤを支持している支持側アーム(図示省略)の一部が接続される。
【0023】
また、小径リング12の径方向外側には、低ロスゴム(第1の弾性部材)14が配置されている。振動の所定の周波数において、この低ロスゴム14の動倍率は、後述する高ロスゴム(第2の弾性部材)16の動倍率と比較して小さくなるように設定されている。また、図3に示すように、低ロスゴム14の静的ばね定数は、高ロスゴム16の静的ばね定数と比較して大きくなるように設定されている。
【0024】
また、図1及び画2に示すように、低ロスゴム14の径方向外側には円筒状の中間リング(中間部材)18が配置されている。この中間リング18は、金属で構成されている。このように、低ロスゴム14は、小径リング12と中間リング18との間に配置された状態となっている。
【0025】
また、中間リング18の径方向外側には、高ロスゴム16が配置されている。この高ロスゴム16の動倍率は、低ロスゴム14の動倍率と比較して大きくなるように設定されている。また、図3に示すように、高ロスゴム16の静的ばね定数は、低ロスゴム14の静的ばね定数と比較して小さくなるように設定されている。
【0026】
また、図1及び図2に示すように、高ロスゴム16の径方向外側には円筒状の大径リング(第2の接続部材)20が配置されている。この大径リング20は金属で構成されている。このように、高ロスゴム16は、中間リング18と大径リング20との間に配置された状態となっている。また、小径リング12と中間リング18と大径リング20とは、同心となるように位置決めされている。
なお、大径リング20には、自動車の車体側に接続されている車体側アーム(図示省略)が取り付けられる。
【0027】
以上のように、本実施形態の防振装置10では、低ロスゴム14と高ロスゴム16とが直列的に配置されたものとなっている。
【0028】
なお、前記防振装置10は、加硫させた低ロスゴムと高ロスゴムを型に流し込んで加硫接着により製造してもよく、あるいは、低ロスゴムと高ロスゴムとをそのまま小径リング12と中間リング18との間、中間リング18と大径リング20との間に圧入して製造してもよい。
【0029】
次に、第1実施形態に係る防振装置の作用について説明する。
【0030】
図4に示すように、路面の凸凹上を自動車が走行すると、路面からタイヤと支持アームに外力が作用する。この外力が振動となって小径リング12に伝達される。小径リング12に伝達された振動は、低ロスゴム14に伝達される。
【0031】
ここで、ゴムの一般的特性として、低減衰ゴムとして用いられるいわゆる低動バネではその動倍率が比較的低くなり、高減衰ゴムとして用いられるゴムではその動倍率が比較的高くなるという性質がある。
【0032】
本発明の防振装置10では、振動の所定の周波数において低ロスゴム14の動倍率が比較的小さいため、比較的振幅が小さい振動(以下、本明細書において「ノイズ発生振動B」と定義する)では、低ロスゴム14の弾性変形量は比較的小さいため、小径リング12が中間リング18に接触することはない。このため、ノイズ発生振動Bが高ロスゴム16に伝達されず、ノイズ発生振動Bが発生原因となるこもり音やアイドル振動を遮断することができる。
【0033】
また、比較的振幅が大きい振動(以下、本明細書において「揺れ発生振動A」と定義する)では、低ロスゴム14の弾性変形量が大きくなり、小径リング12が中間リング18と接触する。このとき、揺れ発生振動Aが第2の弾性部材に伝達されるため、高ロスゴム16が弾性変形する。
【0034】
ここで、高ロスゴム16の動倍率は比較的大きいため、一般的なゴムの性質により高ロスゴム16のヒステリシス曲線で囲まれる面積が大きくなる。これは、高ロスゴム16の弾性変形により熱エネルギーに変換される振動エネルギーが大きくなることを意味しており、高ロスゴム16による振動減衰量が大きくなることを意味している。この結果、揺れ発生振動Aが高ロスゴム16により大きく減衰され、振動源側の揺れを早くおさめることができ、乗員の乗り心地を向上させることができる。
なお、揺れ発生振動Aは、動倍率の比較的低い低ロスゴム14ではほとんど減衰されない。
【0035】
以上のように、本発明の防振装置10によれば、液封防振装置を用いることなく、低コストで、揺れ発生振動Aを減衰し、かつノイズ発生振動Bの伝達を小さくすることができる。
【0036】
なお、揺れ発生振動Aとして周波数6〜12Hzのエンジンシェイクが一例であり、ノイズ発生振動Bとしてこもり音が発生するとされる周波数50〜200Hzの振動や周波数20〜30Hzのアイドル振動がある。
【0037】
また、本実施形態の防振装置10では、低ロスゴム14の静的ばね定数が高ロスゴム16の静的ばね定数よりも大きいため、低ロスゴム14(ノイズ発生振動減衰部材)に比較的大きな荷重が低ロスゴム14に作用した場合でも、低ロスゴム14が潰れてしまうことを防止できる。この結果、比較的大きな荷重が低ロスゴム14に作用した場合でも、低ロスゴム14が中間リング18に接触することを防止できるため、ノイズ発生振動Bの車体側への伝達を阻止することができる。
一方、高ロスゴム16の静的ばね定数は、比較的小さいので、揺れ発生振動Aの減衰性を悪化させることはない。
【0038】
また、本実施形態の防振装置10を構成する中間リング18は、その周方向に分割されていないが、これに限られるものではなく、例えば、図示しないが、その周方向に沿って複数個に分割されているものでもよい。複数個に分割させることによって、各中間リング18をプレス加工で成型することが可能となり、より製造コストを低下させることができる。
【0039】
なお、本実施形態の防振装置10では、径方向内側に動倍率の低い低ロスゴム14を配置し、径方向外側に動倍率の高い高ロスゴム16を配置したが、これに限られるものではない。
逆に、径方向内側に動倍率の高い高ロスゴムを配置し、径方向外側に動倍率の低い低ロスゴムを配置した構成でも、中間リング18の位置を所定の位置に調整することにより、同様の効果を得ることができる。
【0040】
また、小径リング14、中間リング18、大径リング20はそれぞれ円筒状に形成されているため、防振装置10の軸方向に対して直交する方向から観ると(図2に示す断面参照)、小径リング12を中心として360度の方向に対称な構造となっている。このため、本発明の防振装置10によれば、小径リング12の振動方向に制限されることなく、ノイズを遮断し、揺れを早くおさめることができる。
【0041】
また、本実施形態の防振装置10では、小径リング12に振動源側が接続される形態を示したが、これに限られるものではなく、大径リング20に振動源が接続された形態でもよい。
【0042】
さらに、本実施形態の防振装置10は、自動車のサスペンションに用いられる場合やエンジンマウントに用いられる場合が考えられるが、これらに限られることはない。特に、エンジンマウントに用いた場合には、ノイズの発生原因となるエンジンの微振動の遮断と、悪路などを走行した場合において揺れの発生原因となるエンジンシェイクからの振動を減衰させることができる。
【0043】
なお、本実施形態の防振装置10では、低ロスゴム14及び高ロスゴム16というゴムを用いた形態を示したが、これに限られるものではない。例えば、弾性体であればウレタンや複合材料を用いたものでもよい。ただし、ゴムを用いることにより低コストで防振装置10を製造することができる。
【0044】
次に、本発明の第2実施形態に係る防振装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態の防振装置10と同様の構成には同符号を付し、適宜説明を省略する。図5は、本発明の第2実施形態に係る防振装置の軸方向と略垂直方向に切断した断面図である。
【0045】
図5に示すように、本実施形態の防振装置50では、小径リング12の断面中心Xが中間リング18の断面中心Yに対して偏心している。なお、防振装置50の他の構成は、第1実施形態の防振装置10の構成と同様である。
【0046】
本実施形態の防振装置50によれば、小径リング12の断面中心Xが中間リング18の断面中心Yに対して偏心しているため、低ロスゴム14の径方向の肉厚が小径リング12の周方向に沿って変化している。このため、支持アームを小径リング12に接続したときに、小径リング12に作用する重力を低ロスゴム14の肉厚が厚くなる部分で支持するように防振装置50を配置することにより、低ロスゴム14の肉厚の厚い部分が圧縮変形し小径リング12に重力が作用した状態で小径リング12と中間リング18の断面中心X、Yを一致させることが可能となる。この結果、小径リング12に支持アームが取り付けられた状態で、低ロスゴム14の径方向に沿った肉厚が一定となり、防振装置50の周方向に沿って特性が一定となる。したがって、重力による悪影響を受けることがない。
また、重力だけに限られるものではなく、自動車がコーナーリングするときに作用する横力を考慮して防振装置10を配置させることにより、横力による悪影響を防止することもできる。
【0047】
なお、各実施形態に係る防振装置10、50では、低ロスゴム14が小径リング12と中間リング18との間に、高ロスゴム16が中間リング18と大径リング20との間にそれぞれ充填されている形態を示したがこれに限られるものではない。
例えば、図6に示すように、低ロスゴム14と高ロスゴム16とにそれぞれすぐり22、24を入れたものでもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明した本発明の防振装置においては以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明は、従来の液封防振装置を用いることなく、製造コストを抑制しつつ、ノイズを遮断し揺れを早くおさめることができる。この結果、製造コスト高を防止して、乗員の乗り心地や快適性を向上させることができる。
【0049】
請求項2記載の発明は、第1の接続部材、中間部材、第2の接続部材はそれぞれ円筒状に形成されているため、防振装置の軸方向に対して直交する方向から観ると、第1の接続部材を中心とした対称な構造となっている。このため、本発明の防振装置によれば、第1の接続部材の振動方向に制限されず、請求項1の防振装置に記載したように、ノイズを遮断し、揺れを早くおさめることができる。
【0050】
請求項3記載の発明は、第1の弾性部材又は第2の弾性部材のうち、動倍率が小さい方の静的ばね定数は動倍率が高い方の静的ばね定数よりも大きいため、所定の荷重がノイズ発生振動減衰部材に作用した場合でも、第1の接続部材が中間部材に接触せず、ノイズ発生振動の車体側への伝達を阻止することができる。
一方、第2の弾性部材の静的ばね定数は、第1の弾性部材と比較して小さいため、第2の弾性部材による揺れ発生振動の減衰性を低下させることはない。
【0051】
請求項4記載の発明は、中間部材がその周方向に沿って複数に分割されているため、円筒状に成型した中間部材をパイプカットすることにより製造するのではなく、別々の部材をプレス加工して製造することができる。これにより、製造コストを低下させることができる。
【0052】
請求項5記載の発明は、第1の接続部材に振動源が接続された状態において、第1の弾性部材の厚さが第1の接続部材の周方向に沿って一定となり、防振装置の機能が第1の接続部材の周方向に沿って一定となる。したがって、防振装置の周方向において、防振装置の減衰性能が一定となる。
【0053】
請求項6記載の発明は、第1の弾性部材及び第2の弾性部材をゴムで構成することにより、他の複合材料で構成する場合と比較して防振装置の製造コストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る防振装置の概略斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る防振装置の軸方向と略垂直方向に切断した断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る防振装置を構成する低ロスゴムと高ロスゴムとの静的ばね定数を比較した図である。
【図4】本発明の防振装置を構成する低ロスゴムで伝達が抑制されるノイズ発生振動と高ロスゴムにより減衰される揺れ発生振動を示したモデル図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る防振装置の軸方向と略垂直方向に切断した断面図である。
【図6】本発明の防振装置を構成する低ロスゴム及び高ロスゴムにすぐりを入れた防振装置の断面図である。
【符号の説明】
10、50 防振装置
12 小径リング(第1の接続部材)
14 低ロスゴム(第1の弾性部材)
16 高ロスゴム(第2の弾性部材)
18 中間リング(中間部材)
20 大径リング(第2の接続部材)

Claims (6)

  1. 振動源側に接続される第1の接続部材と、車体側に接続される第2の接続部材と、第1の接続部材の少なくとも一部と接続され前記第1の接続部材から伝達された振動を減衰させる第1の弾性部材と、前記第2の接続部材の少なくとも一部と接続されるとともに前記第1の弾性部材から伝達された振動を減衰させる第2の弾性部材と、前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材とを区画する中間部材と、を有する防振装置であって、前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材では前記振動の所定の周波数における動倍率がそれぞれ異なることを特徴とする防振装置。
  2. 前記第1の接続部材、前記中間部材及び前記第2の接続部材はそれぞれ円筒状に形成され、前記第1の弾性部材は前記第1の接続部材の径方向外側に配置され、前記第2の弾性部材は前記中間部材を介して前記第1の弾性部材の径方向外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記第1の弾性部材又は前記第2の弾性部材のうち、動倍率が小さい方の静的ばね定数は動倍率が高い方の静的ばね定数よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の防振装置。
  4. 前記中間部材はその周方向に沿って複数に分割されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防振装置。
  5. 前記第1の接続部材の断面中心が前記中間部材の断面中心に対して偏心していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防振装置。
  6. 前記第1の弾性部材及び前記第2の弾性部材は、ゴムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の防振装置。
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