JP2004248622A - 苗移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】欠株を防止し植付本数を安定させる苗移植機の植付装置。
【解決手段】苗載せ台の苗取り位置にある苗を切り取って圃場に植え付ける植付装置を設け、苗載せ台を左右に往復移動して苗取り位置に1株分づつ苗を供給する左右横移動手段を設け、苗載せ台が左右移動端に来ると苗載せ台上の苗を縦送りして苗取り位置に移動させる苗縦送り手段を設け、苗載せ台を左右に往復移動させる前記左右横移動手段に連動して苗縦送り手段を関連的に作動させるように構成する。そして、植付装置の植付速度を速くすると、左右横移動手段に関連して作動する苗縦送り手段の作動タイミングを早い側に変更するタイミング変更手段を設ける。
【選択図】 図6
【解決手段】苗載せ台の苗取り位置にある苗を切り取って圃場に植え付ける植付装置を設け、苗載せ台を左右に往復移動して苗取り位置に1株分づつ苗を供給する左右横移動手段を設け、苗載せ台が左右移動端に来ると苗載せ台上の苗を縦送りして苗取り位置に移動させる苗縦送り手段を設け、苗載せ台を左右に往復移動させる前記左右横移動手段に連動して苗縦送り手段を関連的に作動させるように構成する。そして、植付装置の植付速度を速くすると、左右横移動手段に関連して作動する苗縦送り手段の作動タイミングを早い側に変更するタイミング変更手段を設ける。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、苗移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
苗載せ台の苗取り位置にある苗を切り取って圃場に植え付ける植付装置を設け、苗載せ台を左右に往復移動して苗取り位置に1株分づつ苗を供給する左右横移動手段を設け、苗載せ台が左右移動端に来ると苗載せ台上の苗を縦送りして苗取り位置に供給する苗縦送り手段を設け、苗載せ台を左右に往復移動させる左右横移動手段に連動して苗縦送り手段を関連的に作動させるように構成した苗移植機は公知である(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−313632号公報(第3〜4頁、第2〜3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、苗載せ台を左右に往復移動させる左右横移動手段に連動して苗縦送り手段を関連的に作動させるように構成し、植付装置の植付速度の遅速に関係無く、左右横移動手段により苗載せ台が左右移動端に来ると所定のタイミングで苗縦送り手段を作動するので、植付装置の植付速度が速く調節されると苗載せ台上の苗を縦送りするタイミングが送れ、1株分の苗の縦送りが完了しないうちに植付装置が苗取り位置を通過し、欠株となったり苗本数が少なくなり均一な植付本数にならないという不具合が発生する。
【0005】
そこで、この発明はこのような不具合を解消し、植付装置の回転速度が早くなると苗の縦送りタイミングを早くすることにより、欠株の防止と植付本数の均一化を図ろうとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、苗載せ台75の苗取り位置にある苗を切り取って圃場に植え付ける植付装置74を設け、前記苗載せ台75を左右に往復移動して苗取り位置に1株分づつ苗を供給する左右横移動手段を設け、前記苗載せ台75が左右移動端に来ると苗載せ台75上の苗を縦送りして苗を苗取り位置に供給する苗縦送り手段を設け、前記苗載せ台75を左右に往復移動させる前記左右横移動手段に連動して前記苗縦送り手段を関連的に作動させるように構成し、前記植付装置74の植付速度を速くすると左右横移動手段に関連して作動する前記苗縦送り手段の作動タイミングを早い側に変更するタイミング変更手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
前記構成によると、苗載せ台75は左右横移動手段により左右に往復移動され苗取り位置に苗が1株分づつ供給され、苗載せ台75の苗取り位置にある苗は植付装置74により切り取られて圃場に植え付けられる。また、苗載せ台75が左右移動端に来ると苗載せ台75上の苗は苗縦送り手段により縦送りされて苗取り位置に供給され、植付装置74の植付速度が速くなると、苗縦送り手段の作動タイミングが早くなり苗載せ台75上の苗が早いタイミングで苗取り位置に送られ、植付装置74により植え付けられる。
【0008】
【発明の効果】
請求項1の発明は、苗載せ台75が左右端部に移動すると苗載せ台75上の苗は苗縦送り手段により縦送りされるが、植付装置74の植付速度が速くなると、苗の縦送りタイミングが早くなり苗の縦送りの遅れを防止し、欠株を防止すると共に植付本数を安定させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。
この田植機1は、走行車体2の後部に設けたリンク装置3に例えば6条植えの植付部4が装着され、更に、これとは別に走行車体2の後部に施肥装置5が設けられていて、全体で施肥装置付き乗用田植機を構成している。
【0010】
走行車体2は、前後に長い平面視方形状のフレーム6を備え、このフレーム6の中間部後側寄りにエンジン10が、その前方にミッションケース11が夫れ夫れ配設されている。また、ミッションケース11の後部上面に油圧ポンプ12が一体的に組み付けられ、そのミッションケース11の前部からステアリングポスト13が上方に向けて延出されている。そして、ミッションケース11の左右側方に前輪支持ケース14,14が変向可能に取り付けられていて、その下端部に前輪15,15が軸支されている。
【0011】
また、フレーム6の後端部に突出支持したローリング軸16にローリング杆17がローリング自在に支持され、そのローリング杆17の左右両端部に取り付けた後輪支持ケース18,18に後輪19,19が軸支されている。そして、これらフレーム6等の上側に操縦用のステップとなるカバー20が取り付けられ、エンジン10の上側に操縦席21が設置されている。
【0012】
エンジン10の出力軸10aに取り出されたエンジン出力は、ベルト23を介して油圧ポンプ駆動軸12aに伝えられ、更に油圧ポンプ駆動軸12aからベルト24を介してミッション入力軸11aに伝えられる。ベルト24が巻き掛けられているプーリ25,26は溝幅を調節可能に構成されていて、該溝幅を調節してプーリ25,26の有効径を変えることにより、伝動比率を連続的に変化させることができる。しかして、油圧ポンプ駆動軸12aからミッション入力軸11aへの伝動部がベルト無段変速式の副変速装置に構成されている。ミッション入力軸11aからミッションケース11への入力部に主クラッチ(図示省略)が設けられていて、ミッションケース11内には、主変速装置、株間変速装置、後輪デフ装置、前輪デフ装置、後輪ブレーキ装置等が収納されている。
【0013】
ミッションケース11から前輪駆動出力、後輪駆動出力及び作業出力が取り出され、前輪駆動出力は前輪支持ケース14,14に伝えられ、後輪駆動出力は後輪伝動軸28,28を介して後輪支持ケース18,18に伝えられ、また、作業出力は植付部伝動軸29を介してエンジン10の斜め後方に設けた植付クラッチケース30に伝えられる。植付クラッチケース30からPTO軸32と施肥伝動軸33が後側に向けて突出している。
【0014】
リンク装置3は、フレーム6の後端部に立設したリンクベース枠60に1本の上リンク61と2本の下リンク62,62が回動自在に支持され、これら上・下リンク61,62,62の後端部に連結枠64が取り付けられている。連結枠64から後方に突設したローリング軸65に植付部4がローリング可能に装着される。リンク装置3の駆動手段である油圧シリンダ67は、基部がフレーム6に枢支され、ピストンロッドの先端が上リンク61の基部に設けたスイングアーム68の下端部に連結されている。油圧シリンダ67を伸縮させると、連結枠64が略一定姿勢を保持しながら上下動され、これに連結されている植付部4が昇降される。
【0015】
植付部4は、図3から図5に示すように、前記PTO軸32を介して走行車体2から動力の伝動される伝動ケース70と、伝動ケース70の両側面部に突設した伝動パイプ71,…と、伝動ケース70の中央部及び伝動パイプ71,71の両端部から後方に延設した3個のチエンケース72,…とで植付部フレームが構成され、各チエンケース72,…の後端部両側に1組づつ合計6組の植付装置74,…が設けられている。
【0016】
植付装置74,74の上側には、前側が上位となるように傾斜した苗載せ台75が支持枠77とレール79により左右に滑動自在に支持されている。苗載せ台75の上面は植付条数分(この実施例では6)の苗載せ部75a,…に仕切られており、各苗載せ部75a,…毎に苗を下方に送るベルト式の苗送り装置81,…が設けられている。また、苗載せ台75の下端部には、植付装置74,…に対応する苗取出口82,…の形成された受け板83が支持枠77と一体に設けられている。
【0017】
図5は展開して図示した植付部フレームの断面図であり、図示のごとく、伝動ケース70は上部ケース70a、下部ケース70b及び連結部70cにより構成されていて、下部ケース70bの両端部に伝動パイプ71,71が連結されている。これら下部ケース70bと伝動パイプ71内には、ベベルギヤ90,91を介して、PTO軸32から回転力が伝えられる1本の植付装置駆動軸92が挿通されている。一方、チエンケース72,…の後端部には植付装置取付軸93,…が設けられており、これら両軸92,93,…に取り付けたスプロケット95,…、96,…にチエン97が巻き掛けられている。スプロケット95,…の取付部には定位置停止クラッチ98,…が設けられ、植付作業を停止させたいときに、植付装置74,…が定位置で作動片を停止するように構成されている。
【0018】
植付装置74は、植付装置取付軸93を中心として回転するロータリケース100、該ロータリケース100に取り付けた一対の植付杆101,101を備え、ロータリケース100が所定の方向に回転することにより、植付杆101,101が所定の軌跡を描きながら上下動し、苗取出口82に供給された苗を挟持して圃場に植え付けるように構成されている。
【0019】
連結部70c内にカウンタ軸110、上部ケース70a内には苗載せ台横送り軸111が夫れ夫れ支承されていて、植付装置駆動軸92からカウンタ軸110へ一対の非等径な横送り調節ギヤ113,114を介して伝動され、更に、カウンタ軸110から苗載せ台横送り軸111へ4組の苗取数切替ギヤ115(I〜IV),116(I〜IV)の内の1組を介して伝動される。苗載せ台横送り軸111には外周部に螺旋状の溝120が形成されていて、この溝に係合する爪121を有する係合メタル122がその周囲に摺動自在に嵌合している。
【0020】
係合メタル122には苗載せ台横送り軸111と平行な横移動棒123が一体的に設けられていて、この横移動棒123の伝動ケース70外に突出した両端部に取付板125,125が取り付けられていて、この取付板125,125に苗載せ台75側の取付板126,126が固着されている。
【0021】
しかして、苗載せ台横送り軸111が回転すると、溝120に沿って係合メタル122が横移動し、これにより苗載せ台75が左右に往復移動し、最下段の苗が苗取出口82に順次供給される構成である。
なお、前記苗取数切替ギヤ115(I〜IV),116(I〜IV)の組み合わせを任意に選択して、苗載せ台横送り軸111の回転速度を適宜設定することにより、苗載せ台横送り1行程当たりの苗取り数を4段階に切り替えることができる。
【0022】
苗送り装置81は一対のローラー140,141に無端の苗送りベルト142を巻き掛けたもので、駆動側の苗送りローラー140を所定方向に回転させ、図3における矢印の方向に苗送りベルト142を移動させる構成である。苗送りローラー軸143は同軸上に3本設けられており、夫れ夫れが独立して支承されると共に、1本の苗送りローラー軸143に隣り合う2条分の苗送りローラー140,…が取り付けられている。このため、隣接する2条分を1組として苗送りローラー140、苗送りベルト142を他のものから独立して着脱することができる。
【0023】
そして、これら苗送りローラー軸143,…の駆動機構は次のように構成されている。即ち、前記苗載せ台横送り軸111の延長軸145が伝動ケース70の一方の側面部からケース外に突出し、この延長軸145に苗載せ台横送り1ストローク分の間隔で一対の苗送りアーム146,146が取り付けられていて、この苗送りアーム146,146に対向する受動アーム147が、苗送りロール軸134,…と同軸心のラチェット軸149に回動自在に嵌合されている。ラチェット軸149には受動アーム147に取り付けた爪150が係合するラチェットホイール151と、該ラチェットホイール151と一体に形成された中間軸駆動ギヤ152とが嵌合装着されており、受動アーム147が回動すると、ラチェットホイール151及び中間軸駆動ギヤ152が一定方向に回転するように構成されている。
【0024】
更に、苗載せ台75側には苗送り軸143,…と平行に1本の中間軸154が支承されており、この中間軸154に前記中間軸駆動ギヤ152に噛合する中間軸従動ギヤ155と、各駆動ローラー取付軸143,…の中央部に取り付けた苗送り従動ギヤ156に噛合する苗送り駆動ギヤ157,…が取り付けられている。各苗送り駆動ギヤ147,…は中間軸154に対し摺動自在に取り付けられ、クラッチレバー158,…でこれらを操作することができるように構成されている。
【0025】
苗載せ台75が左右行程の端部に到達すると、常時回転している一対の苗送りアーム146,146の何れか一方が受動アーム147に係合し、該受動アーム147を所定方向に所定角度だけ回動させる。これによって、ラチェットホイール151及び中間軸駆動ギヤ152が一定方向に回転させられ、その回転がギヤ155、中間軸154、ギヤ157,…、ギヤ156,…、苗送りローラー軸143,…の順に伝えられる。ラチェット軸149から苗送りローラー軸143,…に増速して伝動されるように、前記2組の伝動ギヤ152,155及び157,156の歯数が設定されているので、苗送りベルト142,…の移動距離を十分に確保することができ、苗送り動作が確実なものとなる。
【0026】
そして、クラッチレバー158を操作して苗送り駆動ギヤ157と苗送り従動ギヤ156の噛合を解除することにより、隣接する2条分ごとに苗送りを停止させることができる。
なお、植付部4の下側には、中央にセンターフロート160と、左右両側に一対のサイドフロート161,161が設けられている。各フロート160,161,161の両側部に苗移植用の溝を成形する作溝器162,…が取り付けられている。各フロート160,161,161は、チエンケース72,…に取り付けたフロート支持杆163,…の下端部にその前端部が上下動自在に枢支されている。センターフロート160の前端部には、上下動検出用の検出ロッド164が取り付けられていて、この検出ロッド164の検出結果に基づいて前記油圧シリンダ67制御用の油圧バルブ165が駆動される。しかして、圃場面が高くなってセンターフロート160の前端部が上動すると、油圧シリンダ67が伸びる方向に油圧バルブ165が駆動され、その結果植付部4が上昇する。また、圃場面が低くなった場合には前記と逆に作動する。
【0027】
また、施肥装置5は、肥料を貯蔵するホッパ170と、該ホッパ170内の肥料を下方に繰り出す繰出器171と、該繰出器171から繰り出された肥料を作溝器162によって形成された移植溝に導く施肥パイプ172とを備えている。ホッパ170は隣接する2条ごとに共用されており、各々1つのホッパ170と2つの繰出器171,171とからなる計3組の本体部が、リンクベース枠60の上に設けた角型パイプ製のエアタンク174に取り付けられ、側面視で操縦席21と苗載せ台75の間隔部に配置されている。各繰出器171,…内の繰出ロール171a,…は前記施肥駆動軸33から動力の伝動される繰出ロール駆動軸175によって駆動される。また、エンジンルーム内にブロワ177が設けられ、このブロワ177と前記エアタンク174とがエアパイプ178で接続されると共に、各施肥パイプ172,…の始端部がエアタンク174に開口させて取り付けられている。しかして、エンジンルーム内の温風を施肥パイプ172,…に供給することにより、パイプ内の肥料の移動が円滑となり、肥料のパイプ内での詰まりを防止できる。
【0028】
次に、図6に基づき苗載せ台75におけるマット苗の縦送りタイミングの調節構成について説明する。
前記苗載せ台横送り軸111の端部を伝動ケース70の一方の側面部からケース外に突出し、この苗載せ台横送り軸111の端部に延長軸145を軸心一致状態で連結している。そして、苗載せ台横送り軸111の延長軸145への接続側端部には、苗送り駆動係合体51を設け、延長軸145の苗載せ台横送り軸111への接続側端部には、苗送り従動係合体52を軸方向に摺動自在に取り付けている。そして、苗送り駆動係合体51と苗送り従動係合体52との回転方向接合面には、例えば図6で苗送り受動係合体52を左側に移動すると回転接合が遅れ、右側に移動すると回転接合が速くなるカム面51a,52aを形成している。そして、例えば、前記副変速装置変速用の副変速レバー53と苗送り従動係合体52との間を連動ワイヤ54及びシフタ55を介して連動連結している。なお、シフタ55には復帰用のバネ56が連結されている。
【0029】
しかして、副変速レバー53を高・低に変速操作すると、これに関連して連動ワイヤ54、シフタ55を経由して苗送り従動係合体52が軸方向に移動調整される。すると、苗載せ台横送り軸111の回転により苗載せ台75の横送り1行程の移動が終了し、苗載せ台横送り軸111側の苗送り駆動係合体51のカム面51aが延長軸145側の苗送り従動係合体52のカム面52aに当接する際のタイミングが、植付装置74の植付速度及び苗載せ台75の移動速度が速いときには、速いタイミングで苗送りアーム146が回動し、遅いときには遅いタイミングで苗送りアーム145が回動するように関連的に調整されて、苗の縦送りの遅れを防止することができる。
【0030】
苗の縦送りタイミングが一定であると、植付装置74,…の回転が速くなると苗の縦送りのタイミングが遅れて、苗載せ台75の横送り1行程の移動が終了した後の植付時に欠株が生じる怖れがある。しかし、前記のように、植付装置74の回転が速くなると苗の縦送りタイミングが速くなるので、苗載せ台75の横送り1行程終了直後の最初の植付作業を安定させ、欠株を少なくすることができる。
【0031】
次に、図7によりエンジン10のカバー構成の他の実施例について説明する。
エンジン10の上方にエアクリーナ57を設け、エンジン10及びエアクリーナ57を回動自在のエンジンカバー58で被覆し、エンジンカバー58の上方に操縦席21を設けている。エンジンカバー58と操縦席21との間に吸気パイプ59を配設して吸気パイプ59の例えば前側に吸気口59aを設け、吸気パイプ59の後側の流出口59bとエアクリーナ57の吸気部57aとを接合可能に構成している。
【0032】
しかして、エンジンカバー58を上方に回動し開放すると、吸気パイプ59の流出口59bがエアクリーナ57の吸気部57aから離脱し、また、エンジンカバー58を下方に回動し操縦席21を所定位置にセットすると、吸気パイプ59の流出口59bがエアクリーナ57の吸気部57aに接続されるように構成している。なお、吸気パイプ59の吸気口59aには網を張設している。
【0033】
そして、吸気パイプ59の流出口59a部には接続筒67を嵌合して矢印方向に移動自在に支持すると共に、この接続筒67には接合側に向けて押圧付勢するスプリング66を介装している。従って、エンジンカバー58を下方に回動し、接続筒67とエアクリーナ57の吸気口57aとが接合とすると、スプリング66に押圧され接続筒67と吸気口57aとが密着するように構成している。
【0034】
しかして、エンジン10が振動してもエアクリーナ57から吸気パイプ59が外れるようなこともなく、エンジン10で温められた空気の吸入を防止しながら、冷たい空気をエアクリーナ57に吸入することができる。
また、操縦席21を図8のように構成してもよい。即ち、機体フレーム180の前側部からステアリングポスト13を上方に向けて延出し、ステアリングポスト13にはステアリングハンドル181を設けている。そして、ステアリングポスト13の下部には操縦席枠体182を前後に回動自在に支持し、操縦席枠体182の上端部に操縦席21を取り付けている。
【0035】
そして、図8(1)に示すように、操縦席枠体182を後方に回動係止すると、操縦席21がエンジンカバー58上方の操縦位置にセットされ、また、図8(2)に示すように、操縦席枠体182を前方に回動係止すると、操縦席21に座ったオペレータは後向きでステアリングハンドル181を操作することができる構成である。
【0036】
乗用田植機は後に重心があり機体の前側が浮上する場合がある。このようなときには、オペレータが機体前部を手で押さえたり、また、オペレータがボンネットの前側に乗って対応していた。しかし、前記のように操縦席21をステアリングハンドル181の前側に回動させることにより、機体前側部の浮上を防止することができる。また、乗用田植機の圃場の出入りなどにおいても、操縦席21を前側に移動させることにより、機体から降りずに圃場の出入りをすることができ、苗補給も容易となる。
【0037】
次に、図9〜図11に基づきマット苗への薬剤散布装置について説明する。
各苗載せ台75,…の上端部には、マット苗の区分苗載せ部毎に独立して回転するように散布軸183,…を設け、該散布軸183,…の中央寄りに駆動スプロケット184,…を夫れ夫れ設けて、苗補給の際にマット苗の根部が駆動スプロケット184,…に接触しながら上方から下方へ移動すると、駆動スプロケット184,…及び散布軸183が回転するように構成している。この散布軸183、…における苗載せ台75,…の左右側端部位に第1スプロケット185,…を夫れ夫れ設けている。
【0038】
また、苗載せ台75,…の上方には苗載せ台区分毎に薬剤ホッパ186,…を夫れ夫れ設け、薬剤ホッパ186,…の底部には独立して回転する繰出ロール187,…を夫れ夫れ設け、各繰出ロール187,…の軸部には第2スプロケット188,…を夫れ夫れ取り付け、各苗載せ台75,…の第1スプロケット185と第2スプロケット188間にベルト189,…を夫れ夫れ掛け回している。
【0039】
そして、前記第1スプロケット185,…は例えば大中小のスプロケット185a,185b,185cを並列配置し、前記第2スプロケット188,…は小中大のスプロケット188a,188b,188cを並列配置し、これらのスプロケットを軸方向に調節して取り付けてベルト189,…を掛け替え、第2スプロケット188,…の回転数を変速するように構成している。
【0040】
しかして、苗載せ台75,…にマット苗を補給する際に、補助ガイド190及び苗載せ台75,…上部にマット苗を載置し、マット苗の根部を駆動スプロケット184,…に接触させながら下方に移動供給する。すると、駆動スプロケット184が回転し、第1スプロケット185,…、ベルト189,…、第2スプロケット188,…を介して繰出ロール187,…が回転し、苗補給をするマット苗にだけ薬剤を散布することができる。従って、労力の軽減を図りながらマット苗に均一に薬剤を散布することができる。
【0041】
なお、従来技術として、特開2002−27895号発明がある。この発明は、苗載せ台の下部側のマット苗載置面と対向する位置に薬剤散布装置を設け、薬剤散布装置の駆動機構は、苗載せ台の苗送りベルトと連動連結して取り出し、苗送りベルトへの動力伝導経路中にユニットクラッチを設けて、動力の伝達及び切断を行なうように構成している。
【0042】
従来技術にあっては、苗載せ台の植付待機姿勢にあるマット苗に苗送りベルトからの動力伝達を受けて薬剤を散布するので、植付作業の停止している苗載せ台のマット苗には散布作業を停止するためのクラッチを必要とし、必然的に構成が複雑化しコスト高となる。しかし、前記実施例にあっては、苗載せ台へのマット苗の補給移動に関連して薬剤の散布をするので、クラッチを必要とせず構成を簡素化し、労力を軽減しながら薬剤の散布をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機の全体側面図
【図2】乗用田植機の全体平面図
【図3】要部の側面図
【図4】要部の切断正面図
【図5】植付部フレームの展開断面図
【図6】要部の側面図
【図7】要部の側面図
【図8】乗用田植機の側面図
【図9】要部の平面図
【図10】要部の側面図
【図11】要部の側面図、正面図
【符号の説明】
1 田植機
4 植付部
51 苗送り駆動係合体(タイミング変更手段)
52 苗送り従動係合体(タイミング変更手段)
55 シフタ
74 植付装置
75 苗載せ台
81 苗送り装置(苗縦送り手段)
82 苗取出口
111 苗載せ台横送り軸(左右横移動手段)
145 延長軸
【発明の属する技術分野】
この発明は、苗移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
苗載せ台の苗取り位置にある苗を切り取って圃場に植え付ける植付装置を設け、苗載せ台を左右に往復移動して苗取り位置に1株分づつ苗を供給する左右横移動手段を設け、苗載せ台が左右移動端に来ると苗載せ台上の苗を縦送りして苗取り位置に供給する苗縦送り手段を設け、苗載せ台を左右に往復移動させる左右横移動手段に連動して苗縦送り手段を関連的に作動させるように構成した苗移植機は公知である(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−313632号公報(第3〜4頁、第2〜3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、苗載せ台を左右に往復移動させる左右横移動手段に連動して苗縦送り手段を関連的に作動させるように構成し、植付装置の植付速度の遅速に関係無く、左右横移動手段により苗載せ台が左右移動端に来ると所定のタイミングで苗縦送り手段を作動するので、植付装置の植付速度が速く調節されると苗載せ台上の苗を縦送りするタイミングが送れ、1株分の苗の縦送りが完了しないうちに植付装置が苗取り位置を通過し、欠株となったり苗本数が少なくなり均一な植付本数にならないという不具合が発生する。
【0005】
そこで、この発明はこのような不具合を解消し、植付装置の回転速度が早くなると苗の縦送りタイミングを早くすることにより、欠株の防止と植付本数の均一化を図ろうとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、苗載せ台75の苗取り位置にある苗を切り取って圃場に植え付ける植付装置74を設け、前記苗載せ台75を左右に往復移動して苗取り位置に1株分づつ苗を供給する左右横移動手段を設け、前記苗載せ台75が左右移動端に来ると苗載せ台75上の苗を縦送りして苗を苗取り位置に供給する苗縦送り手段を設け、前記苗載せ台75を左右に往復移動させる前記左右横移動手段に連動して前記苗縦送り手段を関連的に作動させるように構成し、前記植付装置74の植付速度を速くすると左右横移動手段に関連して作動する前記苗縦送り手段の作動タイミングを早い側に変更するタイミング変更手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
前記構成によると、苗載せ台75は左右横移動手段により左右に往復移動され苗取り位置に苗が1株分づつ供給され、苗載せ台75の苗取り位置にある苗は植付装置74により切り取られて圃場に植え付けられる。また、苗載せ台75が左右移動端に来ると苗載せ台75上の苗は苗縦送り手段により縦送りされて苗取り位置に供給され、植付装置74の植付速度が速くなると、苗縦送り手段の作動タイミングが早くなり苗載せ台75上の苗が早いタイミングで苗取り位置に送られ、植付装置74により植え付けられる。
【0008】
【発明の効果】
請求項1の発明は、苗載せ台75が左右端部に移動すると苗載せ台75上の苗は苗縦送り手段により縦送りされるが、植付装置74の植付速度が速くなると、苗の縦送りタイミングが早くなり苗の縦送りの遅れを防止し、欠株を防止すると共に植付本数を安定させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。
この田植機1は、走行車体2の後部に設けたリンク装置3に例えば6条植えの植付部4が装着され、更に、これとは別に走行車体2の後部に施肥装置5が設けられていて、全体で施肥装置付き乗用田植機を構成している。
【0010】
走行車体2は、前後に長い平面視方形状のフレーム6を備え、このフレーム6の中間部後側寄りにエンジン10が、その前方にミッションケース11が夫れ夫れ配設されている。また、ミッションケース11の後部上面に油圧ポンプ12が一体的に組み付けられ、そのミッションケース11の前部からステアリングポスト13が上方に向けて延出されている。そして、ミッションケース11の左右側方に前輪支持ケース14,14が変向可能に取り付けられていて、その下端部に前輪15,15が軸支されている。
【0011】
また、フレーム6の後端部に突出支持したローリング軸16にローリング杆17がローリング自在に支持され、そのローリング杆17の左右両端部に取り付けた後輪支持ケース18,18に後輪19,19が軸支されている。そして、これらフレーム6等の上側に操縦用のステップとなるカバー20が取り付けられ、エンジン10の上側に操縦席21が設置されている。
【0012】
エンジン10の出力軸10aに取り出されたエンジン出力は、ベルト23を介して油圧ポンプ駆動軸12aに伝えられ、更に油圧ポンプ駆動軸12aからベルト24を介してミッション入力軸11aに伝えられる。ベルト24が巻き掛けられているプーリ25,26は溝幅を調節可能に構成されていて、該溝幅を調節してプーリ25,26の有効径を変えることにより、伝動比率を連続的に変化させることができる。しかして、油圧ポンプ駆動軸12aからミッション入力軸11aへの伝動部がベルト無段変速式の副変速装置に構成されている。ミッション入力軸11aからミッションケース11への入力部に主クラッチ(図示省略)が設けられていて、ミッションケース11内には、主変速装置、株間変速装置、後輪デフ装置、前輪デフ装置、後輪ブレーキ装置等が収納されている。
【0013】
ミッションケース11から前輪駆動出力、後輪駆動出力及び作業出力が取り出され、前輪駆動出力は前輪支持ケース14,14に伝えられ、後輪駆動出力は後輪伝動軸28,28を介して後輪支持ケース18,18に伝えられ、また、作業出力は植付部伝動軸29を介してエンジン10の斜め後方に設けた植付クラッチケース30に伝えられる。植付クラッチケース30からPTO軸32と施肥伝動軸33が後側に向けて突出している。
【0014】
リンク装置3は、フレーム6の後端部に立設したリンクベース枠60に1本の上リンク61と2本の下リンク62,62が回動自在に支持され、これら上・下リンク61,62,62の後端部に連結枠64が取り付けられている。連結枠64から後方に突設したローリング軸65に植付部4がローリング可能に装着される。リンク装置3の駆動手段である油圧シリンダ67は、基部がフレーム6に枢支され、ピストンロッドの先端が上リンク61の基部に設けたスイングアーム68の下端部に連結されている。油圧シリンダ67を伸縮させると、連結枠64が略一定姿勢を保持しながら上下動され、これに連結されている植付部4が昇降される。
【0015】
植付部4は、図3から図5に示すように、前記PTO軸32を介して走行車体2から動力の伝動される伝動ケース70と、伝動ケース70の両側面部に突設した伝動パイプ71,…と、伝動ケース70の中央部及び伝動パイプ71,71の両端部から後方に延設した3個のチエンケース72,…とで植付部フレームが構成され、各チエンケース72,…の後端部両側に1組づつ合計6組の植付装置74,…が設けられている。
【0016】
植付装置74,74の上側には、前側が上位となるように傾斜した苗載せ台75が支持枠77とレール79により左右に滑動自在に支持されている。苗載せ台75の上面は植付条数分(この実施例では6)の苗載せ部75a,…に仕切られており、各苗載せ部75a,…毎に苗を下方に送るベルト式の苗送り装置81,…が設けられている。また、苗載せ台75の下端部には、植付装置74,…に対応する苗取出口82,…の形成された受け板83が支持枠77と一体に設けられている。
【0017】
図5は展開して図示した植付部フレームの断面図であり、図示のごとく、伝動ケース70は上部ケース70a、下部ケース70b及び連結部70cにより構成されていて、下部ケース70bの両端部に伝動パイプ71,71が連結されている。これら下部ケース70bと伝動パイプ71内には、ベベルギヤ90,91を介して、PTO軸32から回転力が伝えられる1本の植付装置駆動軸92が挿通されている。一方、チエンケース72,…の後端部には植付装置取付軸93,…が設けられており、これら両軸92,93,…に取り付けたスプロケット95,…、96,…にチエン97が巻き掛けられている。スプロケット95,…の取付部には定位置停止クラッチ98,…が設けられ、植付作業を停止させたいときに、植付装置74,…が定位置で作動片を停止するように構成されている。
【0018】
植付装置74は、植付装置取付軸93を中心として回転するロータリケース100、該ロータリケース100に取り付けた一対の植付杆101,101を備え、ロータリケース100が所定の方向に回転することにより、植付杆101,101が所定の軌跡を描きながら上下動し、苗取出口82に供給された苗を挟持して圃場に植え付けるように構成されている。
【0019】
連結部70c内にカウンタ軸110、上部ケース70a内には苗載せ台横送り軸111が夫れ夫れ支承されていて、植付装置駆動軸92からカウンタ軸110へ一対の非等径な横送り調節ギヤ113,114を介して伝動され、更に、カウンタ軸110から苗載せ台横送り軸111へ4組の苗取数切替ギヤ115(I〜IV),116(I〜IV)の内の1組を介して伝動される。苗載せ台横送り軸111には外周部に螺旋状の溝120が形成されていて、この溝に係合する爪121を有する係合メタル122がその周囲に摺動自在に嵌合している。
【0020】
係合メタル122には苗載せ台横送り軸111と平行な横移動棒123が一体的に設けられていて、この横移動棒123の伝動ケース70外に突出した両端部に取付板125,125が取り付けられていて、この取付板125,125に苗載せ台75側の取付板126,126が固着されている。
【0021】
しかして、苗載せ台横送り軸111が回転すると、溝120に沿って係合メタル122が横移動し、これにより苗載せ台75が左右に往復移動し、最下段の苗が苗取出口82に順次供給される構成である。
なお、前記苗取数切替ギヤ115(I〜IV),116(I〜IV)の組み合わせを任意に選択して、苗載せ台横送り軸111の回転速度を適宜設定することにより、苗載せ台横送り1行程当たりの苗取り数を4段階に切り替えることができる。
【0022】
苗送り装置81は一対のローラー140,141に無端の苗送りベルト142を巻き掛けたもので、駆動側の苗送りローラー140を所定方向に回転させ、図3における矢印の方向に苗送りベルト142を移動させる構成である。苗送りローラー軸143は同軸上に3本設けられており、夫れ夫れが独立して支承されると共に、1本の苗送りローラー軸143に隣り合う2条分の苗送りローラー140,…が取り付けられている。このため、隣接する2条分を1組として苗送りローラー140、苗送りベルト142を他のものから独立して着脱することができる。
【0023】
そして、これら苗送りローラー軸143,…の駆動機構は次のように構成されている。即ち、前記苗載せ台横送り軸111の延長軸145が伝動ケース70の一方の側面部からケース外に突出し、この延長軸145に苗載せ台横送り1ストローク分の間隔で一対の苗送りアーム146,146が取り付けられていて、この苗送りアーム146,146に対向する受動アーム147が、苗送りロール軸134,…と同軸心のラチェット軸149に回動自在に嵌合されている。ラチェット軸149には受動アーム147に取り付けた爪150が係合するラチェットホイール151と、該ラチェットホイール151と一体に形成された中間軸駆動ギヤ152とが嵌合装着されており、受動アーム147が回動すると、ラチェットホイール151及び中間軸駆動ギヤ152が一定方向に回転するように構成されている。
【0024】
更に、苗載せ台75側には苗送り軸143,…と平行に1本の中間軸154が支承されており、この中間軸154に前記中間軸駆動ギヤ152に噛合する中間軸従動ギヤ155と、各駆動ローラー取付軸143,…の中央部に取り付けた苗送り従動ギヤ156に噛合する苗送り駆動ギヤ157,…が取り付けられている。各苗送り駆動ギヤ147,…は中間軸154に対し摺動自在に取り付けられ、クラッチレバー158,…でこれらを操作することができるように構成されている。
【0025】
苗載せ台75が左右行程の端部に到達すると、常時回転している一対の苗送りアーム146,146の何れか一方が受動アーム147に係合し、該受動アーム147を所定方向に所定角度だけ回動させる。これによって、ラチェットホイール151及び中間軸駆動ギヤ152が一定方向に回転させられ、その回転がギヤ155、中間軸154、ギヤ157,…、ギヤ156,…、苗送りローラー軸143,…の順に伝えられる。ラチェット軸149から苗送りローラー軸143,…に増速して伝動されるように、前記2組の伝動ギヤ152,155及び157,156の歯数が設定されているので、苗送りベルト142,…の移動距離を十分に確保することができ、苗送り動作が確実なものとなる。
【0026】
そして、クラッチレバー158を操作して苗送り駆動ギヤ157と苗送り従動ギヤ156の噛合を解除することにより、隣接する2条分ごとに苗送りを停止させることができる。
なお、植付部4の下側には、中央にセンターフロート160と、左右両側に一対のサイドフロート161,161が設けられている。各フロート160,161,161の両側部に苗移植用の溝を成形する作溝器162,…が取り付けられている。各フロート160,161,161は、チエンケース72,…に取り付けたフロート支持杆163,…の下端部にその前端部が上下動自在に枢支されている。センターフロート160の前端部には、上下動検出用の検出ロッド164が取り付けられていて、この検出ロッド164の検出結果に基づいて前記油圧シリンダ67制御用の油圧バルブ165が駆動される。しかして、圃場面が高くなってセンターフロート160の前端部が上動すると、油圧シリンダ67が伸びる方向に油圧バルブ165が駆動され、その結果植付部4が上昇する。また、圃場面が低くなった場合には前記と逆に作動する。
【0027】
また、施肥装置5は、肥料を貯蔵するホッパ170と、該ホッパ170内の肥料を下方に繰り出す繰出器171と、該繰出器171から繰り出された肥料を作溝器162によって形成された移植溝に導く施肥パイプ172とを備えている。ホッパ170は隣接する2条ごとに共用されており、各々1つのホッパ170と2つの繰出器171,171とからなる計3組の本体部が、リンクベース枠60の上に設けた角型パイプ製のエアタンク174に取り付けられ、側面視で操縦席21と苗載せ台75の間隔部に配置されている。各繰出器171,…内の繰出ロール171a,…は前記施肥駆動軸33から動力の伝動される繰出ロール駆動軸175によって駆動される。また、エンジンルーム内にブロワ177が設けられ、このブロワ177と前記エアタンク174とがエアパイプ178で接続されると共に、各施肥パイプ172,…の始端部がエアタンク174に開口させて取り付けられている。しかして、エンジンルーム内の温風を施肥パイプ172,…に供給することにより、パイプ内の肥料の移動が円滑となり、肥料のパイプ内での詰まりを防止できる。
【0028】
次に、図6に基づき苗載せ台75におけるマット苗の縦送りタイミングの調節構成について説明する。
前記苗載せ台横送り軸111の端部を伝動ケース70の一方の側面部からケース外に突出し、この苗載せ台横送り軸111の端部に延長軸145を軸心一致状態で連結している。そして、苗載せ台横送り軸111の延長軸145への接続側端部には、苗送り駆動係合体51を設け、延長軸145の苗載せ台横送り軸111への接続側端部には、苗送り従動係合体52を軸方向に摺動自在に取り付けている。そして、苗送り駆動係合体51と苗送り従動係合体52との回転方向接合面には、例えば図6で苗送り受動係合体52を左側に移動すると回転接合が遅れ、右側に移動すると回転接合が速くなるカム面51a,52aを形成している。そして、例えば、前記副変速装置変速用の副変速レバー53と苗送り従動係合体52との間を連動ワイヤ54及びシフタ55を介して連動連結している。なお、シフタ55には復帰用のバネ56が連結されている。
【0029】
しかして、副変速レバー53を高・低に変速操作すると、これに関連して連動ワイヤ54、シフタ55を経由して苗送り従動係合体52が軸方向に移動調整される。すると、苗載せ台横送り軸111の回転により苗載せ台75の横送り1行程の移動が終了し、苗載せ台横送り軸111側の苗送り駆動係合体51のカム面51aが延長軸145側の苗送り従動係合体52のカム面52aに当接する際のタイミングが、植付装置74の植付速度及び苗載せ台75の移動速度が速いときには、速いタイミングで苗送りアーム146が回動し、遅いときには遅いタイミングで苗送りアーム145が回動するように関連的に調整されて、苗の縦送りの遅れを防止することができる。
【0030】
苗の縦送りタイミングが一定であると、植付装置74,…の回転が速くなると苗の縦送りのタイミングが遅れて、苗載せ台75の横送り1行程の移動が終了した後の植付時に欠株が生じる怖れがある。しかし、前記のように、植付装置74の回転が速くなると苗の縦送りタイミングが速くなるので、苗載せ台75の横送り1行程終了直後の最初の植付作業を安定させ、欠株を少なくすることができる。
【0031】
次に、図7によりエンジン10のカバー構成の他の実施例について説明する。
エンジン10の上方にエアクリーナ57を設け、エンジン10及びエアクリーナ57を回動自在のエンジンカバー58で被覆し、エンジンカバー58の上方に操縦席21を設けている。エンジンカバー58と操縦席21との間に吸気パイプ59を配設して吸気パイプ59の例えば前側に吸気口59aを設け、吸気パイプ59の後側の流出口59bとエアクリーナ57の吸気部57aとを接合可能に構成している。
【0032】
しかして、エンジンカバー58を上方に回動し開放すると、吸気パイプ59の流出口59bがエアクリーナ57の吸気部57aから離脱し、また、エンジンカバー58を下方に回動し操縦席21を所定位置にセットすると、吸気パイプ59の流出口59bがエアクリーナ57の吸気部57aに接続されるように構成している。なお、吸気パイプ59の吸気口59aには網を張設している。
【0033】
そして、吸気パイプ59の流出口59a部には接続筒67を嵌合して矢印方向に移動自在に支持すると共に、この接続筒67には接合側に向けて押圧付勢するスプリング66を介装している。従って、エンジンカバー58を下方に回動し、接続筒67とエアクリーナ57の吸気口57aとが接合とすると、スプリング66に押圧され接続筒67と吸気口57aとが密着するように構成している。
【0034】
しかして、エンジン10が振動してもエアクリーナ57から吸気パイプ59が外れるようなこともなく、エンジン10で温められた空気の吸入を防止しながら、冷たい空気をエアクリーナ57に吸入することができる。
また、操縦席21を図8のように構成してもよい。即ち、機体フレーム180の前側部からステアリングポスト13を上方に向けて延出し、ステアリングポスト13にはステアリングハンドル181を設けている。そして、ステアリングポスト13の下部には操縦席枠体182を前後に回動自在に支持し、操縦席枠体182の上端部に操縦席21を取り付けている。
【0035】
そして、図8(1)に示すように、操縦席枠体182を後方に回動係止すると、操縦席21がエンジンカバー58上方の操縦位置にセットされ、また、図8(2)に示すように、操縦席枠体182を前方に回動係止すると、操縦席21に座ったオペレータは後向きでステアリングハンドル181を操作することができる構成である。
【0036】
乗用田植機は後に重心があり機体の前側が浮上する場合がある。このようなときには、オペレータが機体前部を手で押さえたり、また、オペレータがボンネットの前側に乗って対応していた。しかし、前記のように操縦席21をステアリングハンドル181の前側に回動させることにより、機体前側部の浮上を防止することができる。また、乗用田植機の圃場の出入りなどにおいても、操縦席21を前側に移動させることにより、機体から降りずに圃場の出入りをすることができ、苗補給も容易となる。
【0037】
次に、図9〜図11に基づきマット苗への薬剤散布装置について説明する。
各苗載せ台75,…の上端部には、マット苗の区分苗載せ部毎に独立して回転するように散布軸183,…を設け、該散布軸183,…の中央寄りに駆動スプロケット184,…を夫れ夫れ設けて、苗補給の際にマット苗の根部が駆動スプロケット184,…に接触しながら上方から下方へ移動すると、駆動スプロケット184,…及び散布軸183が回転するように構成している。この散布軸183、…における苗載せ台75,…の左右側端部位に第1スプロケット185,…を夫れ夫れ設けている。
【0038】
また、苗載せ台75,…の上方には苗載せ台区分毎に薬剤ホッパ186,…を夫れ夫れ設け、薬剤ホッパ186,…の底部には独立して回転する繰出ロール187,…を夫れ夫れ設け、各繰出ロール187,…の軸部には第2スプロケット188,…を夫れ夫れ取り付け、各苗載せ台75,…の第1スプロケット185と第2スプロケット188間にベルト189,…を夫れ夫れ掛け回している。
【0039】
そして、前記第1スプロケット185,…は例えば大中小のスプロケット185a,185b,185cを並列配置し、前記第2スプロケット188,…は小中大のスプロケット188a,188b,188cを並列配置し、これらのスプロケットを軸方向に調節して取り付けてベルト189,…を掛け替え、第2スプロケット188,…の回転数を変速するように構成している。
【0040】
しかして、苗載せ台75,…にマット苗を補給する際に、補助ガイド190及び苗載せ台75,…上部にマット苗を載置し、マット苗の根部を駆動スプロケット184,…に接触させながら下方に移動供給する。すると、駆動スプロケット184が回転し、第1スプロケット185,…、ベルト189,…、第2スプロケット188,…を介して繰出ロール187,…が回転し、苗補給をするマット苗にだけ薬剤を散布することができる。従って、労力の軽減を図りながらマット苗に均一に薬剤を散布することができる。
【0041】
なお、従来技術として、特開2002−27895号発明がある。この発明は、苗載せ台の下部側のマット苗載置面と対向する位置に薬剤散布装置を設け、薬剤散布装置の駆動機構は、苗載せ台の苗送りベルトと連動連結して取り出し、苗送りベルトへの動力伝導経路中にユニットクラッチを設けて、動力の伝達及び切断を行なうように構成している。
【0042】
従来技術にあっては、苗載せ台の植付待機姿勢にあるマット苗に苗送りベルトからの動力伝達を受けて薬剤を散布するので、植付作業の停止している苗載せ台のマット苗には散布作業を停止するためのクラッチを必要とし、必然的に構成が複雑化しコスト高となる。しかし、前記実施例にあっては、苗載せ台へのマット苗の補給移動に関連して薬剤の散布をするので、クラッチを必要とせず構成を簡素化し、労力を軽減しながら薬剤の散布をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機の全体側面図
【図2】乗用田植機の全体平面図
【図3】要部の側面図
【図4】要部の切断正面図
【図5】植付部フレームの展開断面図
【図6】要部の側面図
【図7】要部の側面図
【図8】乗用田植機の側面図
【図9】要部の平面図
【図10】要部の側面図
【図11】要部の側面図、正面図
【符号の説明】
1 田植機
4 植付部
51 苗送り駆動係合体(タイミング変更手段)
52 苗送り従動係合体(タイミング変更手段)
55 シフタ
74 植付装置
75 苗載せ台
81 苗送り装置(苗縦送り手段)
82 苗取出口
111 苗載せ台横送り軸(左右横移動手段)
145 延長軸
Claims (1)
- 苗載せ台75の苗取り位置にある苗を切り取って圃場に植え付ける植付装置74を設け、前記苗載せ台75を左右に往復移動して苗取り位置に1株分づつ苗を供給する左右横移動手段を設け、前記苗載せ台75が左右移動端に来ると苗載せ台75上の苗を縦送りして苗を苗取り位置に供給する苗縦送り手段を設け、前記苗載せ台75を左右に往復移動させる前記左右横移動手段に連動して前記苗縦送り手段を関連的に作動させるように構成し、前記植付装置74の植付速度を速くすると左右横移動手段に関連して作動する前記苗縦送り手段の作動タイミングを早い側に変更するタイミング変更手段を設けたことを特徴とする苗移植機。
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