以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1及び図2は、走行しながら苗の植え付け(移植)を行うことができる移植作業機4を示している。即ち、移植作業機4は、走行体1と、走行体1の後方に装着された移植機3とを備えている。また、移植作業機4は、走行体1と移植機3との間に対地作業機2を備えている。対地作業機2は、走行体1の後部に装着され、移植機3は、対地作業機2に装着されている。即ち、本実施形態では、移植作業機4は、1つの機械で、走行しながら対地作業(耕耘等)と共に苗の植え付け(移植)を一工程で行うことができる作業機である。さらに、移植作業機4は、畝立て器23L,23R,23Cを備えている。即ち、本実施形態の移植作業機4は、1つの機械で、耕耘と畝立てと苗植付けとを一工程で行うことができる作業機である。
本実施形態では、走行体1として走行車両であるトラクタを例示している。また、対地作業機2としてロータリ耕耘機を例示している。なお、走行体1は、トラクタには限定されず、他の走行車両であってもよい。また、対地作業機2は、ロータリ耕耘機に限定されることはなく、圃場に対して作業をする機械であればよい。また、ロータリ耕耘機2は、サイドドライブ式のロータリ耕耘機を例示しているが、センタードライブ式のロータリ耕耘機であってもよい。
図1及び図2は、移植作業機4の側面図を示す。実施形態において特に断らない限り、トラクタ1の運転席5に着座した運転者の前側(図1及び図2の左側)を前方、運転者の後側(図1及び図2の右側)を後方、運転者の左側(図1及び図2の手前側)を左方、運転者の右側(図1及び図2の奥側)を右方として説明する。また、トラクタ1の前後方向K1(図1参照)に直交する方向である水平方向K2(図3参照)を幅方向として説明する。
図3の矢印K3方向を幅方向外方、図3の矢印K4方向を幅方向内方として説明する。幅方向外方とは、トラクタ1の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向である。言い換えれば、幅方向外方とは、幅方向K2であってトラクタ1の幅方向の中心から離れる方向のことである。幅方向内方とは、幅方向外方とは反対の方向である。言い換えれば、幅方向内方とは、幅方向K2であってトラクタ1の幅方向の中心に近づく方向である。
トラクタ1の幅方向(左右方向)は、対地作業機2の幅方向であり且つ移植機3の幅方向である。
図1に示すように、トラクタ(走行体)1は、車体6と、車体6の前部に装着された前輪7Aと、車体6の後部に装着された後輪7Bとを有する。前輪7A及び後輪7Bによってトラクタ1は前方又は後方に走行可能である。
運転席5は、車体6の後部の上方に設けられている。運転席5の前方には、ステアリングホイール8が設けられている。車体6の後部には、トラクタ1の動力を外部に取り出すPTO軸22が装備されている。
図2に示すように、ロータリ耕耘機2は、トラクタ1の後部に三点リンク機構9及び連結枠10を介して昇降可能に装着されている。三点リンク機構9は、車体6の後部に装着されている。連結枠10は、三点リンク機構9の後部に設けられている。連結枠10にロータリ耕耘機2が取り付けられている。
図2、図3に示すように、ロータリ耕耘機2は、機枠(作業機枠)11を有する。機枠11は、ギヤケース12と、左のサポートアーム13Lと、右のサポートアーム13Rと、伝動ケース14と、サイドフレーム15とを有する。ギヤケース12は、ロータリ耕耘機2の幅方向K2の略中央部に位置している。サポートアーム13Lは、ギヤケース12の左部から左方に突出している。サポートアーム13Rは、ギヤケース12の右部から右方に突出している。伝動ケース14の上部は、サポートアーム13Lの左端部に取り付けられている。サイドフレーム15の上部は、サポートアーム13Rの右端部に取り付けられている。伝動ケース14の下部とサイドフレーム15の下部との間には、回転軸16が設けられている。回転軸16の外周には、ブラケットを介して多数の耕耘爪17が固定されている。これら回転軸16及び耕耘爪17で耕耘部18を形成している。
耕耘部18の上方は、上部カバー19Aで覆われている。耕耘部18の後方は、後部カバー19Bで覆われている。後部カバー19Bは、上端が上部カバー19Aに枢支されていて上下揺動自在である。後部カバー19Bは、弾圧装置20で下方に付勢されている。弾圧装置20は、バネの力で後部カバー19Bを下方に付勢する装置である。
図2に示すように、ギヤケース12には、取入軸21が設けられている。この取入軸21には、PTO軸22の動力がジョイントを介して伝達される。取入軸21に伝達された動力は、ギヤケース12内のギヤ機構及びサポートアーム13L内のシャフトを介して、伝動ケース14内のチェーン伝動手段に伝達される。チェーン伝動手段に伝達された動力によって回転軸16が駆動される。回転軸16は、図1において矢印A1方向に回転される。回転軸16がA1方向に回転すると、耕耘爪17が土壌を耕起して後方の後部カバー19Bへと放擲する。耕耘部18で耕耘された土は、後部カバー19Bで均されて畝R1(図2参照)の上面が形成される。
図4に示すように、畝R1の側面は、3つの畝立て器23L,23R,23Cで形成される。即ち、畝R1は、畝立て器23R,23L,23Cによって、右側の第1の畝R11と、左側の第2の畝R12との2つの畝(2畝)が形成される。各畝立て器23R,23L,23Cは、培土器(リッジャー)で構成されている。即ち、3つの畝立て器は、右側の第1側部培土器23Rと、左側の第2側部培土器23Lと、中央の中央培土器23Cである。図3に示すように、第1側部培土器23Rは、ロータリ耕耘機2の後方側の右側(トラクタ1の後方の一側部)に設けられている。第2側部培土器23Lは、ロータリ耕耘機2の後方側の左側(トラクタ1の後方の他側部)に設けられている。中央培土器23Cは、ロータリ耕耘機2の幅方向中央の後方側(第1側部培土器23Rと第2側部培土器23Lとの間)に設けられている。
第1側部培土器23R、第2側部培土器23L及び中央培土器23Cは、トラクタ1に牽引されることにより、耕耘部18で耕耘され且つ後部カバー19Bで整地される耕土に溝を切る。第1側部培土器23R、第2側部培土器23L及び中央培土器23Cで耕土に溝を切ることにより、畝R11,R12が形成される。即ち、第1側部培土器23Rは、第1の畝R11の右側部を形成する。また、第2側部培土器23Lは、第2の畝R12の左側部を形成する。また、中央培土器23Cは、第1の畝R11の左側部を形成すると共に第2の畝R12の右側部を形成する。言い換えると、中央培土器23Cは、第1側部培土器23Rと協同して第1の畝R11を形成し且つ第2側部培土器23Lと協同して第2の畝R12を形成する。
図3に示すように、機枠11は、左の支持ステー24Lと、右の支持ステー24Rと、マスト25を有する。支持ステー24Lは、サポートアーム13Lに固定されている。支持ステー24Rは、サポートアーム13Rに固定されている。マスト25はギヤケース12に固定されている。
ロータリ耕耘機2の後方に装着される移植機3は、支持ステー24L,24Rに枢支された支持枠26と、左のゲージ輪(支持輪)27Lと、右のゲージ輪(支持輪)27Rと、マスト25に枢支された第2高さ変更装置28と、左の揺動アーム31Lと右の揺動アーム31Rとの間に設けられた第2支持枠232(図6参照)と、第2支持枠232の前部を下方から支持する下方支持体234(図5参照)と、を有する。
支持枠26は、ゲージ輪27L,27Rを支持する枠材である。ゲージ輪27L,27Rは、ロータリ耕耘機2(対地作業機)の高さを設定する部材である。言い換えれば、ゲージ輪27L,27Rは、ロータリ耕耘機2の耕耘深さを設定する部材である。第2高さ変更装置28は、支持枠26を上下に揺動操作してゲージ輪27L,27Rの設定を変更する装置である。
図3、図5、図6に示すように、支持枠26は、支持ステー24L,24Rに枢支された前枠29と、前枠29の後部に接続された後枠30とを有する。
前枠29は、左の揺動アーム31Lと、右の揺動アーム31Rと、上の連結杆32Uと、下の連結杆32Dと、左の縦枠材33Lと、右の縦枠材33Rと、左の接続杆202Lと、右の接続杆202Rと、左の支持部材224Lと、右の支持部材224Rとを有する。揺動アーム31L、揺動アーム31R、連結杆32U、連結杆32D、縦枠材33L,33R、接続杆202L,202Rは、パイプ材によって形成されている。
図6に示すように、揺動アーム31Lは、前端が枢支板201Lに挿通された枢軸を介して支持ステー24Lに枢支されている。揺動アーム31Lは、サポートアーム13Lから後方に突出している。揺動アーム31Rは、前端が枢支板201RLに挿通された枢軸を介して支持ステー24Rに枢支されている。揺動アーム31Rは、サポートアーム13Rから後方に突出している。連結杆32Uは、揺動アーム31Lと揺動アーム31Rの後端同士を連結している。左の縦枠材33Lは、揺動アーム31Lの左部に上部が固定されていて、揺動アーム31Lの左部から下方に延びている(図5参照)。右の縦枠材33Rは、揺動アーム31Rの右部に上部が固定されていて、揺動アーム31Rの右部から下方に延びている。左の接続杆202Lは、縦枠材33Lの下部に前部が固定されていて、縦枠材33Lの下部から後方に延びている。右の接続杆202Rは、縦枠材33Rの下部に前部が固定されていて、縦枠材33Rの下部から後方に延びている。
前枠29は、揺動アーム31L及び揺動アーム31Rの前端の枢支部分を中心として上下に揺動自在である。
図6に示すように、支持部材224L,224Rは、それぞれ作業者用の(作業者が座るための)椅子231L,231Rを支持している。以下、便宜上、椅子231L,231Rを前方椅子と称する。また、右の前方椅子231Rを第1前方椅子と称し、左の前方椅子231Lを第2前方椅子と称する。
左の支持部材224Lは、揺動アーム31Lの前後方向K1の中途部に固定された支持杆225Lを有し、第1前方椅子231Rを下方から支持している。右の支持部材224Rは、揺動アーム31Rの前後方向K1の中途部に固定された支持杆225Rを有し、第2前方椅子231Lを下方から支持している。
図7に示すように、第1前方椅子231Rは、後述する第1苗供給装置72Aの前方に位置している。具体的には、第1前方椅子231Rは、後述する第1苗供給装置72Aの経路P1の幅方向中心線の前方延長線L1上に位置している。これにより、作業者Hが第1苗供給装置72A側(後方)を向いて座ることができる。第2前方椅子231Lは、後述する第2苗供給装置72Bの前方に位置している。具体的には、第2前方椅子231Lは、後述する第2苗供給装置72Bの経路P1の幅方向中心線の前方延長線L2上に位置している。これにより、作業者Hが第2苗供給装置72B側(後方)を向いて座ることができる。
図3、図5に示すように、後枠30は、前枠29を構成する接続杆202L,202Rの後部に接続されている。後枠30は、中央の横枠材34Cと、左の横枠材34Lと、右の横枠材34Rと、左の縦枠材35Lと、右の縦枠材35Rと、左の車輪枠36Lと、右の車輪枠36Rと、左の前部材204Lと、右の前部材204Rと、左の後部材205Lと、右の後部材205Rと、左の接続杆206Lと、右の接続杆206Rとを有する。横枠材34C、横枠材34L、横枠材34R、縦枠材35L、縦枠材35R、車輪枠36L、車輪枠36R、前部材204L、前部材204R、後部材205L、後部材205R、接続杆206L、接続杆206Rは、パイプ材によって形成されている。
図3に示すように、横枠材34Cは、前枠29の後方に位置し、幅方向K2に延びている。横枠材34Cは、接続杆202Lの後端及び接続杆202Rの後端に連結されている。横枠材34Lは、横枠材34Cの左部に固定されていて、横枠材34Cの左端から左方に突出している。横枠材34Rは、横枠材34Cの右部に固定されていて、横枠材34Cの右端から右方に突出している。前部材204Lは、横枠材34Lの左端に前部が固定されていて、横枠材34Lの左端から後方に延びている。前部材204Rは、横枠材34Rの右端に前部が固定されていて、横枠材34Rの右端から後方に延びている。縦枠材35Lは、横枠材34Cの左部に上端が固定されていて、当該左部から下方に延びている。縦枠材35Rは、横枠材34Cの右部に上端が固定されていて、当該右部から下方に延びている。
図3、図5に示すように、車輪枠36Lは、前部材37Lと後部材38Lとを有する。前部材37Lは、縦枠材35Lの下部に固定されていて、縦枠材35Lの下部から左方に延びている。後部材38Lは、前端が前部材37Lの左端に固定されていて、当該左端から後方に延びている。車輪枠36Rは、前部材37Rと後部材38Rとを有する。前部材37Rは、縦枠材35Rの下部に固定されていて、縦枠材35Rの下部から右方に延びている。後部材38Rは、前端が前部材37Rの右端に固定されていて、当該右端から後方に延びている。
車輪枠36Lの後部には、左のゲージ輪(支持輪)27Lが回転自在に取り付けられている。車輪枠36Lの後部には、右のゲージ輪(支持輪)27Rが回転自在に取り付けられている。ゲージ輪27Lの前方に、第2側部培土器23Lが配置されている。ゲージ輪27Rの前方に、第1側部培土器23Rが配置されている。第1側部培土器23Rは縦枠材35Rの下部に高さ調整可能に取り付けられている。第2側部培土器23Lは縦枠材35Lの下部に高さ調整可能に取り付けられている。
接続杆206Lは、下部が車輪枠36L(後部材38L)の前後方向中途部に固定されており、上部が前部材204Lの前後方向中途部に固定されている。これにより、接続杆206Lは、車輪枠36Lと前部材204Lとを接続している。接続杆206Rは、下部が車輪枠36R(後部材38R)の前後方向中途部に固定されており、上部が前部材204Rの前後方向中途部に固定されている。これにより、接続杆206Rは、車輪枠36Rと前部材204Rとを接続している。
後部材205Lは、前部材204Lの後端に前端が枢支されていて、前部材204Lの後端から後方に延びている。後部材205Lの前端には、幅方向K2に延びる横軸部材207Lが取り付けられている。前部材204Lの後端には支持部材208Lが固定されており、支持部材208Lには横軸部材207Lの両端が支持されている。これにより、後部材205Lは、前部材204Lに対して横軸部材207Lを支点(中心)として回動可能となっている。後部材205Rは、前部材204Rの後端に前端が枢支されていて、前部材204Rの後端から後方に延びている。後部材205Rは、後部材205Lと同様の構造により、前部材204Rに対して回動可能となっている。
後部材205Lの後部には、幅方向外方K3に突出する突出部材40Lが設けられている。後部材205Rの後部にも、幅方向外方K3に突出する突出部材40Rが設けられている。
突出部材40Lの外周には、筒体209Lが突出部材40Lに沿って幅方向K2に移動可能に嵌められている。突出部材40Rの外周には、突出部材40Rに沿って幅方向K2に移動可能に筒体209Rが嵌められている。
筒体209Lには支柱41Lが固定されている。支柱41Lは、筒体209Lから上方に延びている。筒体209Rには支柱41Rが固定されている。支柱41Rは、筒体209Rから上方に延びている。支柱41Lと支柱41Rとの上端には、それぞれ作業者用の(作業者が座るための)椅子42L,42Rが設けられている。
以下、便宜上、椅子42L,42Rを側方椅子と称する。また、椅子42Rを第1側方椅子42Rと称し、椅子42Lを第2側方椅子42Lと称する。
図7に示すように、第1側方椅子42Rは、後述する第1苗供給装置72Aの幅方向K2一方側(右方)に位置しており、作業者Hが第1苗供給装置72A側(左方)を向いて座ることができる。第2側方椅子42Lは、後述する第2苗供給装置72Bの幅方向K2他方側(左方)に位置しており、作業者Hが第2苗供給装置72B側(右方)を向いて座ることができる。
また、第1側方椅子42Rは、後述する第1植付装置68Aの側方であって、後述する第2植付装置68Bとは反対側の側方(右方)に配置されている。
また、第2側方椅子42Lは、第2植付装置68Bの側方であって、第1植付装置68Aとは反対側の側方(左方)に配置されている。
上述した突出部材40L、40R、筒体209L,209Rは、第1側方椅子42R及び第2側方椅子42Lの幅方向K2の位置を調整可能な位置調整機構を構成している。
図4に示すように、左の支柱41Lの下部には、左の台板212Lが固定されている。台板212Lは、支柱41Lの上部から幅方向K2内方に延びている。右の支柱41Rの下部には、台板212Lが固定されている。台板212Rは、支柱41Rの幅方向内方K4に位置している。台板212L,212Rは、作業者が側方椅子42L,42Rに着座したときの足置き部の役割と、当該作業者の足を後述する後支持輪213L,213Rから保護する機能を有している。
図5に示すように、後部材205Lの前寄り部分には、ステー217Lの上部が固定されている。ステー217Lは、後部材205Lから下方に延びている。後部材205Rの前寄り部分にも、同様に、ステー(図示せず)が固定されて下方に延びている。これらのステーの下部には、付勢機構215の先端部が取り付けられる。付勢機構215は、油圧シリンダから構成されたダンパである。ダンパ215は、伸長する方向の付勢力を有している。ダンパ215は、第2側方椅子42Lの姿勢の変更操作を補助する。ダンパ215の基端部は、接続杆206Lに取り付けられている。ダンパ215の付勢力は、作業者が、後部材205Lを、横軸部材207Lを支点(中心)として上方に回動させる操作を行うときに必要な力を補助する。このダンパ215の作用は、第1側方椅子42Rについても同様である。
作業者が側方椅子42L,42Rに着座していない状態にて、対地作業機(ロータリ耕耘機)2を上昇させたときには、側方椅子42L,42Rが自動的に折り畳まれる。また、作業者が側方椅子42L,42Rに着座している状態にて、対地作業機2が上昇したときには、側方椅子42L,42Rの座面が略水平を維持するように、後部材205Lが前部材204Lに対して横軸部材207Lを支点として回動する。
図3、図4に示すように、後部材205Lの後方寄りの位置には、車輪ステー39Lの上部が固定されている。車輪ステー39Lは、ステー217L及び支柱41Lの後方に位置し、後部材205Lから下方に延びている。後部材205Rの後方寄りの位置にも、車輪ステー39Rの上部が固定されている。車輪ステー39Rは、後部材205Rから下方に延びている。
車輪ステー39Lの下部には、後支持輪(第2後支持輪)213Lが回転自在に取り付けられている。後支持輪213Lは、ゲージ輪27L及び第2側部培土器213Lの後方で且つ第2側方椅子42Lの下方に位置している。車輪ステー39Rの下部には、後支持輪(第1後支持輪)213Rが回転自在に取り付けられている。後支持輪213Rは、ゲージ輪27R及び第1側部培土器213Rの後方で且つ第1側方椅子42Rの下方に位置している。第1後支持輪213Rは、第1側方椅子42Rを支持し、第2後支持輪213Lは、第2側方椅子42Lを支持する。即ち、後支持輪213L,213Rは、側方椅子42L,42Rに着座した作業者の重量を支持する。
図6に示すように、第2支持枠232は、左の揺動アーム31Lと右の揺動アーム31Rとの間に位置しており、前後方向K1に延びている。図5に示すように、第2支持枠232は、後述する操作部233を支持する。第2支持枠232は、左の支持枠材232Lと、右の支持枠材232Rと、第1接続枠材232Aと、第2接続枠材232Bと、を有している。支持枠材232L,232Rは、互いに平行に前後方向K1に延びている。支持枠材232Lは、前端がマスト25の左部に固定されて後方に延びている。支持枠材232Rは、前端がマスト25の右部に固定されて後方に延びている。第1接続枠材232Aは、幅方向K2に延びており、支持枠材232Lの前後方向の中途部と、支持枠材232Rの前後方向の中途部とを接続している。第2接続枠材232Bは、幅方向K2に延びており、支持枠材232Lの後端と、支持枠材232Rの後端とを接続している。
図6に示すように、操作部233は、ケース233Aと、操作部材233Bと、ケース233Aの内部に収容された制御機器(図示せず)とを有する。ケース233Aの後部は、後述するブラケット本体60の前部に接当している。操作部材233Bは、ケース233Aの上面に設けられている。操作部材233Bは、苗の植え付けに関する設定操作を行うための部材である。本実施形態では、操作部材233Bは、回転式の摘みであり、前後方向に並んで複数(4つ)設けられている。操作部材233Bは、例えば、株間切り換え設定用の摘み、苗空取り設定用の摘み等である。但し、操作部材233Bの数、種類、配置は、適宜変更することができる。制御機器は、操作部材223Bの操作に基づいて苗の植え付けに関する設定の制御を行う。
図5に示すように、下方支持体234は、第2支持枠232の後部を下方から支持する。下方支持体234は、前方杆235と、取付板236と、接続棒237と、を有している。前方杆235は、前端が上部カバー19Aの上面の前部にボルトで固定されており、当該前部から後方に延びている。取付板236及び接続棒237は、幅方向K2の中心を挟んで左側と右側に夫々設けられている。左側の取付板236は、支持枠材232Lの後部に固定されており、当該後部から下方に延びている。右側の取付板236は、支持枠材232Rの後部に固定されており、当該後部から下方に延びている。左側の接続棒237は、前方杆235の左部後端と、左側の取付板236の下端に夫々ボルトで固定されている。右側の接続棒237は、前方杆235の右部後端と、右側の取付板236の右部下端に夫々ボルトで固定されている。
図5、図6に示すように、第2高さ変更装置28は、第2カバー筒43と、第2ネジ杆44と、第2可動杆45と、第2操作ハンドル46と、を有する。第2カバー筒43の上部はマスト25に枢支されている。第2ネジ杆44は、第2カバー筒43内に設けられ、第2操作ハンドル46で軸心回りに回転操作可能とされている。第2可動杆45は、第2カバー筒43の下端から第2カバー筒43内に挿入され、第2ネジ杆44に上端部が螺合している。第2可動杆45の下端部は、連結杆32Uに固定されたブラケット板47に枢支されている。
第2操作ハンドル46を操作して第2ネジ杆44を回転させると、第2可動杆45が第2ネジ杆44に対して前進或いは後退する。第2可動杆45が前進すると、第2可動杆45が第2カバー筒43から突出していく。第2可動杆45が後退すると、第2可動杆45が第2カバー筒43内に入っていく。これによって、第2高さ変更装置28が伸縮して支持枠26(後枠30)が上下に揺動し、ゲージ輪27L,27Rの高さを変更することができる。ゲージ輪27L,27Rの高さを変更することにより、対地作業機2の高さ(耕耘部18の高さ)が変更されて、耕耘深さを変更することができる。
第2高さ変更装置28は、対地作業機2の高さを、後述する第1高さ変更装置50による移植フレーム69A,69Bの高さの変更とは独立して変更可能である。言い換えれば、第1高さ変更装置50による移植フレーム69A,69Bの高さの変更を行うことなく、第2高さ変更装置28による対地作業機2の高さの変更を行うことができる。また、第2高さ変更装置28による対地作業機2の高さの変更を行うことなく、第1高さ変更装置50による移植フレーム69A,69Bの高さの変更を行うこともできる。
図2〜図4に示すように、移植機3は、複数の取付フレーム48L,48Rと、ツールバー49と、第1高さ変更装置(連結部材)50と、複数の移植ユニット51A,51Bとを有する。複数の取付フレーム48L,48Rは、第1取付フレーム48Lと、第1取付フレーム48Lとは異なるフレームである第2取付フレーム48Rとを含む。複数の移植ユニット51A,51Bは、第1移植ユニット51Aと、第2移植ユニット51Bとを含む。ツールバー49は、第1取付フレーム48Lと第2取付フレーム48Rとに亘って取り付けられている。第1移植ユニット51A及び第2移植ユニット51Bは、ツールバー49に取り付けられている。ツールバー49は、第1高さ変更装置50によって第2支持枠232に連結されている。
第1取付フレーム48Lは、移植機3の左部に配置され、ロータリ耕耘機2の左部から後方に延びる。第1取付フレーム48Lは、第1部材52と、第2部材53と、第3部材239と、を有する。第1部材52の前端は、伝動ケース14の上部に着脱自在に取り付け可能で、取付状態では横軸心(幅方向K2に延伸する軸心)回りに回転自在に枢支されている。第1部材52は、伝動ケース14の上部から後方に延びている。第2部材53は、上部が第1部材52の後端に接続されており、当該後端から下方に延びている。第2部材53の上下方向の中途部と縦枠材33Lの上下方向の中途部とは、連結部材297Lにより連結されている。第3部材239は、前端が第2部材53の下端に接続されており、当該下端から後方に延びている。第3部材239は、横枠材34Cの上方を通って横枠材34Cよりも後方まで延びている。
第2取付フレーム48Rは、移植機3の右部に配置され、ロータリ耕耘機2の右部から後方に延びる。第2取付フレーム48Rは、第4部材54と、第5部材55と、第6部材240と、を有する。第4部材54の前端は、サイドフレーム15の上部に着脱自在に取り付け可能で、取付状態では横軸心回りに回転自在に枢支されている。第4部材54は、サイドフレーム15の上部から後方に延びている。第5部材55は、上部が第4部材54の後端に接続されており、当該後端から下方に延びている。第5部材55の上下方向の中途部と縦枠材33Rの上下方向の中途部とは、連結部材297Rにより連結されている。第6部材240は、前端が第5部材55の下端に接続されており、当該下端から後方に延びている。第6部材240は、横枠材34Cの上方を通って横枠材34Cよりも後方まで延びている。
ツールバー49は、角パイプから構成され、第1取付フレーム48Lの後部と第2取付フレーム48Rの後部の間に取り付けられている。詳しくは、ツールバー49は、第3部材239の後端から第6部材240の後端にわたって設けられている。ツールバー49の一端側(左側)は、第3部材239の後端に着脱自在に取り付けられている。ツールバー49の他端側(右側)は、第6部材240の後端に着脱自在に取り付けられている。
第1高さ変更装置50は、ツールバー49の高さを変更することにより、後述する移植フレーム69A,69Bの対地作業機2に対する高さを変更する装置(部材)である。言い換えれば、第1高さ変更装置50は、複数の移植ユニット51A,51Bの高さを変更して、後述する植付装置の植付深さを変更する装置(部材)である。植付装置は畝(圃場)に苗を植え付ける装置である。
図6、図8に示すように、第1高さ変更装置50は、支持ブラケット56と、伸縮杆57と、第1操作ハンドル58とを有する。
支持ブラケット56は、ブラケット本体60と、取付板59L,59R,59Uと、取付ステー61L,61Rと、支持ステー238L,238Rと、を有する。ブラケット本体60は、第2接続枠材232Bの幅方向K2の中途部に下端が接続されており、当該下端から上方に延びている。ブラケット本体60の上端の左部には、取付板59Lの前部が固定されている。ブラケット本体60の上端の右部には、取付板59Rの前部が固定されている。ブラケット本体60の上端、取付板59Lの上端及び取付板59Rの上端には、取付板59Uの下面が固定されている。取付板59Lには、取付ステー61Lの前部がボルトで固定されている。取付板59Rには、取付ステー61Rの前部がボルトで固定されている。支持ステー238Lの前端は、マスト25の左部に固定されている。支持ステー238Lの後端は、ブラケット本体60の上下方向中途部の左面に固定されている。支持ステー238Rの前端は、マスト25の右部に固定されている。支持ステー238Rの後端は、ブラケット本体60の上下方向中途部の右面に固定されている。支持ステー238L,238Rは、操作部233のケース233Aを前後方向に貫通している。
伸縮杆57は、第1カバー筒63と、第1ネジ杆64と、第1可動杆65とを有する。第1カバー筒63の上部は、取付ステー61Lと取付ステー61Rとの間に配置されている。また、第1カバー筒63の上部は、取付ステー61Lと取付ステー61Rに横軸心回りに回転自在に枢支されている。第1ネジ杆64は、第1カバー筒63内に内装され、第1操作ハンドル58で軸心回りに回転操作可能とされている。第1可動杆65は、第1カバー筒63の下端から第1カバー筒63内に挿入され、第1ネジ杆64に螺合している。第1可動杆65の下端は、取付片66Lと取付片66Rとの間に挿入されている。第1可動杆65の下端は、第1可動杆65及び取付片66L,66Rを貫通する支持ピン67によって取付片66L,66Rに枢支されている。取付片66Lと取付片66Rは、ツールバー49の上面の幅方向K2中央付近に間隔をあけて固定されている。
第1操作ハンドル58は、横軸58aを介して第1ネジ杆64の上部に枢支されている。第1操作ハンドル58を使用するときには、図8の仮想線(二点鎖線)に示すように、横軸58aを支点(中心)として第1操作ハンドル58を上方に回動させる。これにより、第1操作ハンドル58を第1ネジ杆64の軸心回りに回転させることができる。第1操作ハンドル58は、不使用時には図16の実線位置にあるため、邪魔にならない。尚、第2操作ハンドル46についても同様に、使用する際には図8の実線の位置から上方に回動させる。
第1操作ハンドル58を操作して第1ネジ杆64を回転させると、第1可動杆65が第1ネジ杆64に対して前進或いは後退する。第1可動杆65が前進すると、第1可動杆65が第1カバー筒63から突出していく。第1可動杆65が後退すると、第1可動杆65が第1カバー筒63内に入っていく。したがって、第1操作ハンドル58を回転操作することで、伸縮杆57が伸縮して、第1取付フレーム48L及び第2取付フレーム48Rが上下に揺動してツールバー49が上下動する。ツールバー49が、上下動すると、第1移植ユニット51A及び第2移植ユニット51Bが上下動する。第1移植ユニット51A及び第2移植ユニット51Bが上下動することにより、第1移植ユニット51A及び第2移植ユニット51Bに設けられた植付装置68A,68Bの高さが変更され、苗の植付深さが変更される。
次に、移植ユニット51A,51Bについて説明する。
先ず、移植ユニット51A,51Bの概略構成を説明する。
図2、図3、図18に示すように、第1移植ユニット51Aは、移植機3の右部に配置されている。この第1移植ユニット51Aは、移植フレーム(第1移植フレームともいう)69Aと、第1伝動軸70Aと、電動モータ(動力源)71と、植付装置(第1植付装置ともいう)68Aと、苗供給装置(第1苗供給装置ともいう)72Aと、複数の覆土輪74Aとを有する。第1移植フレーム69Aは、ツールバー49の右部に着脱自在に取り付けられている。第1植付装置68A、第1苗供給装置72A及び複数の覆土輪74Aは、第1移植フレーム69Aに設けられている。
第2移植ユニット51Bは、第1移植ユニット51Aに対して幅方向K2で並設して設けられる移植ユニットであって、移植機3の左部に配置されている。この第2移植ユニット51Bは、移植フレーム(第2移植フレームともいう)69Bと、第2伝動軸70Bと、第1植付装置とは異なる植付装置(第2植付装置ともいう)68Bと、苗供給装置(第2苗供給装置ともいう)72Aと、複数の覆土輪74Bとを有する。第2移植フレーム69Bは、ツールバー49の左部に着脱自在に取り付けられている。第2植付装置68B、第2苗供給装置72A及び複数の覆土輪74Bは第2移植フレーム69Bに設けられている。
第1取付フレーム48L、第2取付フレーム48R、ツールバー49、第1移植フレーム69A及び第2移植フレーム69Bで移植機枠75が構成されている。移植機枠75は、ロータリ耕耘機2(対地作業機)に対して上下動自在に取り付けられている。
次に、移植フレーム69A,69Bについて説明する。移植フレーム69A,69Bは、対地作業機2の後方に設けられている。先に、第1移植ユニット51Aの移植フレームである第1移植フレーム69Aについて説明する。
図10〜図12に示すように、第1移植フレーム69Aは、フレーム取付部(取付部)76と、メインフレーム77と、植付フレーム78とを有する。
フレーム取付部76は、ツールバー49に取り付けられる部位であり、取付板79と、複数の取付具80L,80Rとを有する。本実施形態では、取付具は2つ(左の第1取付具80Lと右の第2取付具80R)であるが、第1取付具80Lと第2取付具80Rの間に追加で取付具を設けてもよい。本実施形態では、取付板79は、略長方形状であって、長辺を幅方向K2に向け且つ短辺を上下方向に向けて配置されている。取付板79の前面は、ツールバー49の後面に接当する。取付板79は、4つの角の近傍に貫通孔を有している。取付具80L,80Rは、金属製の棒を屈曲して形成されており、上棒部80Uと、下棒部80Dと、前棒部80Fとを有する。上棒部80Uは、前後方向に延びており、ツールバー49の上面に接当する。下棒部80Dは、前後方向に延びており、ツールバー49の下面に接当する。上棒部80Uの後端と下棒部80Dの後端には、それぞれねじ部が形成されている。前棒部80Fは、上下方向に延びており、ツールバー49の前面に接当する。前棒部80Fは、上棒部80Uの前端と下棒部80Dの前端とを繋いでいる。上棒部80U及び下棒部80Dは、取付板79に形成された貫通孔を貫通しており、後端のねじ部が取付板79の後方に突出している。取付具80は、上棒部80U及び下棒部80Dのねじ部にそれぞれナット100を螺合することにより、ツールバー49に取り付けられる。これにより、フレーム取付部76がツールバー49に取り付けられる。
図11に示す植付フレーム78は、第1植付装置68Aが取り付けられるフレームである。植付フレーム78は、第1縦部材92と、第2縦部材93と、第3縦部材94と、第4縦部材95と、第5縦部材96と、第1横部材97と、第2横部材98と、第1連結部材241と、第2連結部材242と、第3連結部材243と、第4連結部材244と、第5連結部材245と、中央部材247と、を有する。
中央部材247は、植付フレーム78の幅方向K2中央部(2つの取付具80の中間地点)を通って前後方向に延びている。中央部材247は、ツールバー49の上方に配置され、ツールバー49に対して直交する方向(前後方向)に延びている。
第1横部材97は、中央部材247の上方に配置され、中央部材247に対して直交する方向(幅方向K2)に延びている。第1横部材97の延設方向(幅方向K2)の中央付近の下面には、固定板249Rが固定されており、当該下面から下方に延びている。固定板249は、幅方向K2に間隔をあけて2つ設けられている。2つの固定板249の間には、中央部材247の前部が固定されている。
第2横部材98は、第1横部材97の後方に且つ第1横部材97と平行に配置されている。第2横部材98は、中央部材247の上方に配置され、中央部材247に対して直交する方向(幅方向K2)に延びている。
第1縦部材92は、上端が第1横部材97の下面の左部に固定され、当該左部から下方に延びている。第1縦部材92の下部は、取付板79の左部に固定されている。第2縦部材93は、上端が第1横部材97の下面の右部に固定され、当該右部から下方に延びている。第2縦部材93の下部は、取付板79の右部に固定されている。第3縦部材94は、第1縦部材92と第2縦部材93との中間に配置されている。第3縦部材94は、上端が第1横部材97の下面の幅方向K2中央部に固定されており、当該中央部から下方に延びている。
第4縦部材95は、第2縦部材93の後方に配置されている。第4縦部材95は、上端が第2横部材98の下面の右部に固定されており、当該右部から下方に延びている。第5縦部材96は、第3縦部材94の後方且つ第4縦部材95の左方に配置されている。第5縦部材96は、上端が第2横部材98の下面の幅方向K2中央部に固定されており、当該中央部から下方に延びている。
第1連結部材241は、第1縦部材92と第3縦部材94とを連結している。第2連結部材241は、第1連結部材241の下方において、第1縦部材92と第3縦部材94とを連結している。第3連結部材243は、第4縦部材95と第5縦部材96とを連結している。第4連結部材244は、第3連結部材243の下方において、第4縦部材95と第5縦部材96とを連結している。第5連結部材245は、第2縦部材93と第4縦部材95とを連結している。
メインフレーム77は、第1苗供給装置72A及び複数の覆土輪74Aが取り付けられるフレームである。メインフレーム77は、第1フレーム材81〜第11フレーム材91を有する。第1フレーム材81〜第11フレーム材91は、角パイプ材によって形成されている。
第1フレーム材81は、取付板79の後面の幅方向K2の中央部に固定されており、当該中央部から後方に延びている。第2フレーム材82は、前部が第1横部材97の左端に固定されており、当該左端から後方に延びている。第3フレーム材83は、前部が第1横部材97の右端に固定されており、当該右端から後方に延びている。第2フレーム材82の前後中途部には、支持部材250が下方突出状に設けられている。第3フレーム材83の前後中途部には、支持部材251が下方突出状に設けられている。支持部材250は第2横部材98より前方に位置しており、支持部材251は第2横部材98より後方に位置している。
第5フレーム材85は、第2横部材98の前方に配置され、支持部材250の下部と中央部材247とを連結している。第6フレーム材86は、第2横部材98の後方に配置され、支持部材251の下部と中央部材247とを連結している。
第7フレーム材87は、第1フレーム材81と中央部材247とを連結している。具体的には、第7フレーム材87は、上端が中央部材247に固定され、下端が第1フレーム材81に固定されている。
第8フレーム材88は、幅方向K2に延びており、第2フレーム材82の後端近傍と第3フレーム材83の後端近傍とを連結している。第8フレーム材88の延設方向(幅方向K2)の中央付近の下面には、固定板251が固定されており、当該下面から下方に延びている。固定板251は、幅方向K2に間隔をあけて2つ設けられている。2つの固定板251の間には、中央部材247の後部が固定されている。
第9フレーム材89は、上端が第2フレーム材82の下面の後部寄りの位置に固定されており、当該位置から下方に延びている。第10フレーム材90は、上端が中央部材247の下面の後端近傍の位置に固定されており、当該位置から下方に延びている。第11フレーム材91は、上端が第3フレーム材83の下面の後端に固定されており、当該後端から下方に延びている。
移植フレーム69Aは、左のフレーム支持部73ALと右のフレーム支持部73ARとを有する。
フレーム支持部73ALは、幅方向K2に延びており、第7フレーム材87と第9フレーム材89とに渡って取り付けられている。フレーム支持部73ALの右端は、第7フレーム材87に固定されている。フレーム支持部73ALの幅方向K2の中途部は、第9フレーム材89に固定されている。フレーム支持部73ALの左端は、第9フレーム材89より左方に突出している。フレーム支持部73ALには、覆土フレーム400ALを介して左の覆土輪74ALが取り付けられている。
フレーム支持部73ARは、フレーム支持部73ALよりも後方において、幅方向K2に延びており、第10フレーム材90と第11フレーム材91とに渡って取り付けられている。フレーム支持部73ARの左端は、第10フレーム材90に固定されている。フレームフレーム支持部73ARの幅方向K2の中途部は、第11フレーム材91に固定されている。フレーム支持部73ALの右端は、第11フレーム材91より右方に突出している。フレーム支持部73ARには、覆土フレーム400ARを介して右の覆土輪74ARが取り付けられている。
次に、第2移植ユニット51Bの移植フレームである第2移植フレーム69Bについて説明する。
第2移植フレーム69Bも、第1移植フレーム69Aと同様に、フレーム取付部(取付部)76と、メインフレーム77と、植付フレーム78とを有する。これらフレーム取付部76、メインフレーム77、植付フレーム78の構成は、前述した構成と同様であるので、説明を省略する。
第2移植フレーム69Bのメインフレーム77には、第2苗供給装置72B及び複数の覆土輪74Bが取り付けられる。第2移植フレーム69Bの植付フレーム78には、第2植付装置68Bが取り付けられる。
次に、第1移植ユニット51A及び第2移植ユニット51Bの動力伝達系統について説明する。
図9Aに示すように、第1移植ユニット51Aの第1伝動軸70Aは、幅方向K2に延びており、一端側(左側)が第1軸受101により支持され、他端側(右側)が第2軸受102により支持されている。第1軸受101は、第3フレーム材83に取り付けられている。第2軸受102は、中央部材247に取り付けられている。第1伝動軸70Aの右端側は、第2軸受102から右方(幅方向外方)に突出している。第1伝動軸70Aの左端側は、第1軸受101から左方(幅方向内方)に突出している。
第2移植ユニット51Bの第2伝動軸70Bは、幅方向K2に延びており、左端側が第3軸受103により支持され、右端側が第4軸受104により支持されている。第3軸受103は、中央部材247に取り付けられている。第4軸受104は、第2フレーム材82に取り付けられている。第2伝動軸70Bの左端側は、第3軸受103から左方(幅方向外方)に突出している。第2伝動軸70Bの右端側は、第4軸受104から(右方)幅方向内方に突出している。
図9Aに示すように、第1伝動軸70Aの左端側と第2伝動軸70Bの右端側とは、向き合っていて、連結パイプ(連結部材)105によって着脱自在に連結されている。第1伝動軸70Aと第2伝動軸70Bと連結パイプ105とは、電動モータ(動力源)71からの動力が伝達され且つ植付装置68A,68Bを駆動する植付駆動軸108を構成している。
図9A、図13、図14に示すように、電動モータ71は、移植機3の動力源であって、トラクタ1の動力源(後述する原動機E1)とは別に設けられた動力源である。電動モータ71は、移植機3に装備された植付装置(畝に苗を植え付ける装置)や苗供給装置(植付装置に苗を供給する装置)などの装置を駆動する。電動モータ71は、第1移植ユニット51Aにおける第1縦部材92及び第3縦部材94の前部に取り付けられた取付板106Aに取り付けられている。即ち、電動モータ(動力源)71は、移植フレーム(第1移植フレーム69A)に設けられている。
電動モータ71には、出力軸107が設けられている。出力軸107の上方には、出力軸107と平行に第2出力軸253が設けられている。第2出力軸253は、支持筒254Aにより支持されている。支持筒254Aには、第2出力軸253を支持する一対の軸受が保持されている。支持筒254Aの右端側は、第1移植ユニット51Aにおける中央部材247(以下、中央部材247Aという)により支持されている。支持筒254Aの左端側は、第1移植ユニット51Aにおける第1縦部材92に固定されたステー255Aにより支持されている。
第2移植ユニット51Bの前部には、第3出力軸(出力軸)261が設けられている。第3出力軸261は、支持筒254Bにより支持されている。支持筒254Bには、第3出力軸261を支持する一対の軸受が保持されている。支持筒254Bの右端側は、第2移植ユニット51Bにおける中央部材247(以下、中央部材247Bという)により支持されている。支持筒254Bの左端側は、第2移植ユニット51Bにおける第1縦部材92に固定されたステー255Bにより支持されている。
図9A、図9Bに示すように、電動モータ71の出力軸107には、第1スプロケット114が設けられている。第2出力軸253の左端側には、第2スプロケット115が設けられている。第2出力軸253の右端側には、第3スプロケット116が設けられている。第3スプロケット116の右方には、第4スプロケット117が配置されている。第4スプロケット117は、ブラケット258Aを介して取付板106Aに取り付けられている。第4スプロケット117の回転軸と第2出力軸253とは、直交する方向に配置されており、ギヤ機構259Aによって連動連結されている。
第1伝動軸70Aには、第7スプロケット120と第8スプロケット121と第9スプロケット122とが設けられている。
図9A、図10に示すように、第1移植ユニット51Aにおける中央部材247Aには、支持部材256A及び支持部材257Aが下方に突出して設けられている。第2移植ユニット51Bにおける中央部材247Bには、支持部材256B及び支持部材257Bが下方に突出して設けられている。支持部材256A,256Bは、第3縦部材94と第5縦部材96との間に設けられている。支持部材257A,257Bは、第5縦部材96の後方に設けられている。
図9A、図9Bに示すように、支持部材256Aには、第5スプロケット118が設けられている。支持部材257Aには、第6スプロケット119が設けられている。支持部材257Aの後方には、第5軸受272が設けられている。第5軸受272は、中央部材247Aに取り付けられている。第5軸受272は、第3伝動軸260を支持している。第3伝動軸260には、第10スプロケット123と第11スプロケット124とが設けられている。
第2移植ユニット51Bの第3出力軸261の右端側には、第12スプロケット125が設けられている。第12スプロケット125の右方には、第13スプロケット126が配置されている。第13スプロケット126は、ブラケット258Bを介して取付板106Bに取り付けられている。第13スプロケット126の回転軸と第3出力軸261とは、直交する方向に配置されており、ギヤ機構259Bによって連動連結されている。ギヤ機構259Bは、出力軸(第3出力軸261)からの動力を苗供給装置(第2苗供給装置72B)に伝達する動力伝達部を構成している。
第2移植ユニット51Bにおいて、支持部材256Bには、第15スプロケット264が設けられている。支持部材257Bには、第16スプロケット265が設けられている。支持部材257Bの後方には、第6軸受262が配置されている。第6軸受262は、中央部材247Bに取り付けられている。第6軸受262は、第4伝動軸263を支持している。第4伝動軸263には、第17スプロケット266と第18スプロケット267とが設けられている。
第2伝動軸70Bには、第19スプロケット268と第20スプロケット269と第21スプロケット270とが設けられている。
図9Bに示すように、電動モータ71の回転動力は、第1スプロケット114から第1チェーン129を介して第2スプロケット115に伝達されて、第2出力軸253が回転する。第2出力軸253の動力は、第3スプロケット116から第2チェーン127及び第5スプロケット118(図9A参照)を介して第7スプロケット120に伝達されて、第1伝動軸70Aが回転する。また、第2出力軸253の動力は、ギヤ機構259Aを介して第4スプロケット117の回転軸へと伝達されて、第4スプロケット117が回転する。
第1伝動軸70Aの動力は、第8スプロケット121から第3チェーン128を介して第6スプロケット119及び第10スプロケット123に伝達される。第10スプロケット123に伝達された動力は、第3伝動軸260を介して第11スプロケット124に伝達される。また、第1伝動軸70Aの動力は、第9スプロケット122から第4チェーン130を介して第22スプロケット271(図19参照)に伝達される。また、第3伝動軸260の動力は、第11スプロケット124から第8チェーン273を介して第23スプロケット274(図19参照)に伝達される。さらに、第1伝動軸70Aの動力は、連結パイプ105を介して第2伝動軸70Bに伝達される。
第2伝動軸70Bの動力は、第19スプロケット268から第5チェーン132及び第15スプロケット264(図9A参照)を介して第12スプロケット125に伝達される。第19スプロケット268、第5チェーン132、第15スプロケット264及び第12スプロケット125は、植付駆動軸108の中途部から動力を取り出す動力取出部109を構成している。
第12スプロケット125に伝達された動力は、第3出力軸261からギヤ機構259Bを介して第13スプロケット126に伝達される。また、第2伝動軸70Bの動力は、第20スプロケット269から第6チェーン134を介して第17スプロケット266に伝達される。第17スプロケット266に伝達された動力は、第4伝動軸263を介して第18スプロケット267に伝達される。さらに、第2伝動軸70Bの動力は、第21スプロケット270から第7チェーン136を介して第24スプロケット277(図19参照)に伝達される。また、第4伝動軸263の動力は、第18スプロケット267から第9チェーン275を介して第24スプロケット276(図19参照)に伝達される。
次に、植付装置68A,68Bについて説明する。先に、第1移植ユニット51Aの植付装置である第1植付装置68Aについて説明する。
図15に示すように、第1植付装置68Aは、複数台(本実施形態では、2台)の植付機構68AL,68ARを有する。以下、植付機構68ALを第1植付機構68ALと称し、植付機構68ARを第2植付機構68ARと称する。第1植付機構68ALは、左側に位置する植付機構である。第2植付機構68ARは、右側に位置する植付機構である。第1植付機構68ALと第2植付機構68ARとは、幅方向K2で並べて配置されている。第1植付機構68ALと第2植付機構68ARとは前後方向K1において異なる位置に配置されている。つまり、第2植付機構68ARは、第1植付機構ALに並列し且つ第1植付機構ALと前後方向において異なる位置において移植フレーム69A,69Bに取り付けられている。本実施形態では、第2植付機構68ARが第1植付機構68ALよりも後方に配置されているが、第2植付機構68ARが第1植付機構68ALよりも前方に配置されていてもよい。
図10、図15に示すように、第1植付機構68ALは、植付具137(一の植付具)と、支持体138と、昇降装置139とを有する。第2植付機構68ARは、第1植付機構68ALと同様に、植付具137(一の植付具)と、支持体138と、昇降装置139とを有する。以下、第1植付機構68ALにおける植付具137を第1植付具137ALと称し、第2植付機構68ARにおける植付具137を第2植付具137ARと称することがある。また、第1植付機構68ALにおける昇降装置139を第1昇降装置139ALと称し、第2植付機構68ARにおける昇降装置139を第2昇降装置139ARと称することがある。
第1植付装置68A(第1植付具137AL,第2植付具137AR)は、圃場に苗を植え付ける装置であり、本実施形態では、畝R1(第1の畝R11)に苗を植え付ける。植付具137は先端が下方に向いたくちばし状を呈し、前構成体140と後構成体141を有している。植付具137は、前構成体140と後構成体141とが前後方向K1で離反及び近接することにより開閉自在とされている。また、植付具137は、閉じた状態で、上方から苗が供給可能で且つ内部に苗が収容可能とされている。また、植付具137は、開いた状態で苗を下方に落下して放出可能とされている。
図12、図15に示すように、第1植付機構68ALにおける支持体138は、植付フレーム78の第1連結部材241及び第2連結部材242に前部がボルトで固定されている。第2植付機構68ARにおける支持体138は、植付フレーム78の第3連結部材243及び第4連結部材244に前部がボルトで固定されている。ここで、第3連結部材243及び第4連結部材244は、第1連結部材241及び第2連結部材242よりも後方に位置している。そのため、第2植付機構68ARにおける支持体138は、第1植付機構68ALにおける支持体138よりも後方に位置する。これにより、第2植付機構68ARは第1植付機構68ALよりも後方に位置する。図10に示すように、第1植付機構68ALと第2植付機構68ARとの前後方向のずれの大きさは、第1植付具137ALと第2植付具137ARとが下死点にあるときに側面視にて重ならない程度に設定される。各支持体138は、植付フレーム78に対して、幅方向K2に取付け位置が変更可能とされている。支持体138の取付け位置を変更することにより、植え付けられた苗の条間(植え付けられた苗の幅方向K2の間隔)を変更することができる。
また、図15に示すように、2つの植付機構68AL,68ARは、幅方向において、左側の縦部材(第1縦部材92、第3縦部材94)と、中央の縦部材(第3縦部材94、第5縦部材96)と、右側の縦部材(第4縦部材95)により支持されている。つまり、幅方向において中央の縦部材(第3縦部材94、第5縦部材96)は、2つの植付機構68AL,68ARの両方を支持している。これにより、2つの植付機構(第1植付機構68ALと第2植付機構68AR)は、幅方向の3箇所(左、中央、右)で支持されている。
図10、図15に示すように、第1移植ユニット51Aにおいては、第1植付機構68ALの支持体138に、第22スプロケット271が支軸142によって支持されている。また、第2植付機構68ARの支持体138に、第23スプロケット274が支軸142によって支持されている。
昇降装置139(第1昇降装置139AL、第2昇降装置139AR)は、植付具137を支持して、当該植付具137を昇降(上下に往復移動)させる装置である。詳しくは、第1昇降装置139ALは第1植付具137ALを昇降させる装置であり、第2昇降装置139ARは第2植付具137ARを昇降させる装置である。昇降装置139は、支持体138に取り付けられている。昇降装置139は、第1ケース143と、第2ケース144と、取付部材145とを有する。第1ケース143は、支持体138に支軸142を介して回転自在に支持されている。第2ケース144は、第1ケース143の遊端側に回転自在に支持されている。取付部材145は、第2ケース144に支持されている。取付部材145に植付具137が支持されている。また、取付部材145には、植付具137の上方に位置する苗ガイド146が設けられている。苗ガイド146は、下方に向けて先窄まりの筒状に形成されていて、上方から植付具137に供給される苗を植付具137に案内する。なお、取付部材145は、スプリングによって上方に付勢されている。
支軸142によって第1ケース143が回転すると、第1ケース143の回転に連動して第2ケース144が第1ケース143とは逆方向に回転するように、第1ケース143及び第2ケース144内に動力伝達機構が設けられている。また、第1ケース143及び第2ケース144が回転されることにより取付部材145が上下に平行移動して、植付具137が上下運動する。
図16は、植付具137の動作の1サイクルを示す。即ち、植付具137が、上昇した位置(上死点位置)G1から下降した位置(下死点位置)G2を経て上死点位置G1に戻るまでの昇降動作を示す。
植付具137には、上死点位置G1で苗が落下供給される。このとき植付具137は閉じた状態であって、該植付具137の内部に苗が保持される。その後、植付具137は、苗を保持したまま下降して該植付具137の下部が畝R1(圃場)に突入する。植付具137は、畝R1に突入すると開いて該畝R1に植穴を形成すると共に該植穴に苗N1を放出する(苗を植え付ける)。
走行しながら、この昇降動作を繰り返し行うことにより、畝R1の長手方向に苗N1が植え付けられる。
上述の通り、第1植付機構68ALと第2植付機構68ARとは、幅方向K2に並んで配置され、且つ前後方向K1において異なる位置に配置されている。これによって、一つの移植ユニットによって、畝に苗を千鳥状に2条植えする(幅方向K2で隣接する苗の一方を他方に対して前後一方に位置ずれして植え付ける)ようにしている。
そして、第1植付機構68ALと第2植付機構68ARとが前後方向K1において異なる位置に配置され、第1植付機構68ALと第2植付機構68ARとが幅方向の3箇所で支持されていることにより、第1植付機構68ALと第2植付機構68ARとを幅方向K2に接近させて配置することができる。そのため、条間距離を狭くした苗の植え付けを行うことができる。また、第1植付機構68ALと第2植付機構68ARとが取り付けられる移植フレーム69Aの幅(幅方向K2の長さ)を短くすることができるため、移植作業機4を幅方向K2にコンパクトに構成することが可能となる。
本実施形態では、左と右の植付具137(第1植付具137ALと第2植付具137AR)が同時に昇降する。また、植付具137が停止する際には、左と右の植付具137が上死点位置G1で停止する。株間制御を行うために、植付具137を停止させなければならないが、植付具137を上下移動範囲の中間位置で停止させると、問題を生じる場合がある。例えば、トマトやとうがらし等の茎のかたい野菜類の苗を植え付ける場合に、植付具137が上下移動範囲の中間位置で停止すると、植え付けた苗の茎に植付具137が当たり、苗が倒れるおそれがある。本実施形態では、第1植付具137ALと第2植付具137ARとを前後にずらし、第1植付具137ALと第2植付具137ARとを同時に昇降させることで千鳥植えを実現しているので、植付具137(第1植付具137ALと第2植付具137AR)を上死点位置G1で停止させることができる。これによって、苗の倒れを防止することができる。
第1植付具137ALと第2植付具137ARとを上死点位置G1で停止させるための機構(以下、植付具停止機構285という)について説明する。
図13及び図14に示すように、植付具停止機構285は、取付部材286、支持杆287、ナット288U,288D、揺動部材289、支軸290、ローラ291、スプリング292、カム293を有している。取付部材286は、中央部材247Aの前端近傍に固定されている。取付部材286には貫通孔が形成されており、当該貫通孔には支持杆287が上下方向に挿通されている。支持杆287は、一端側にねじ部287aを有しており、他端側に係止孔287bを有している。支持杆287のねじ部287aには、ナット288U,288Dが螺合されている。ナット288Uは取付部材286の上面に接当しており、ナット288Dは取付部材286の下面に接当している。ナット288U及びナット288Dで取付部材286を挟むことにより、支持杆287が取付部材286に取り付けられる。ナット288U及びナット288Dをねじ部287aに対して移動させて、取付部材286に対する支持杆287の上下位置を変更することにより、係止孔287bの上下位置を変更することができる。係止孔287bの上下位置を変更することにより、スプリング292の付勢力を調整することができる。揺動部材289は、一端側(前端側)が支軸290を介してブラケット258Aに枢支されている。揺動部材289は、支軸290を支点(中心)として上下に揺動可能である。揺動部材289の他方側(後端側)には、係止孔289aが設けられている。揺動部材289の一端と他端の間には、ローラ291が回転自在に取り付けられている。スプリング292は、一端側が支持杆287の係止孔287bに係止され、他端側が揺動部材289の係止孔289aに係止されている。カム293は、第2出力軸253に取り付けられており、第2出力軸253と共に回転する。カム293は、外周に円弧状の凹部293aを有している。揺動部材289には、スプリング292の付勢力により、支軸290を支点(中心)として上方に揺動しようとする力(図13の矢印A2参照)が付与されている。この力により、ローラ291は、カム293の外周に押し付けられている。
電動モータ71が停止すると、スプリング292の付勢力により、ローラ291がカム293の外周に押し付けられながら、図13の矢印B1方向に回転する。このローラ291の回転に伴って、カム293がローラ291と逆方向(図13の矢印C1方向)に回転する。ローラ291とカム293とが互いに逆方向に回転することによって、ローラ291がカム293の外周に沿って移動する。ローラ291は、カム293の外周に沿って移動した後、凹部293aに嵌まり込んで移動を停止する。ローラ291の移動が停止することにより、カム293の回転が停止する。これにより、第2出力軸253の回転が停止し、第1植付具137ALの移動が停止する。従って、凹部293aの位置(カム293の外周における位置)と、第1植付具137AL及び第2植付具137ARの上下位置との関係を予め適切に設定しておくことにより、第1植付具137AL及び第2植付具137ARを上死点位置G1で停止させることができる。
また、図13に示すように、第1植付装置68Aは、第1植付具137AL及び第2植付具137ARが昇降する際に、上昇動作を補助する上昇補助機構294を有している。上昇補助機構294は、回転板295と、スプリング296とを有している。回転板295は、第1伝動軸70Aに取り付けられており、第1伝動軸70Aと共に回転する。スプリング296は、一端側が回転板295に係止されており、他端側が中央部材247Aに係止されている。スプリング296は、第1伝動軸70Aの回転に伴う第1植付具137AL及び第2植付具137ARの昇降に伴って伸縮する。具体的には、スプリング296は、第1植付具137AL及び第2植付具137ARが下降したときに伸長し、第1植付具137AL及び第2植付具137ARが上昇したときに短縮する。そのため、第1植付具137AL及び第2植付具137ARは、下降したときにスプリング296の付勢力(引っ張り力)により上昇動作が補助される。これにより、第1植付具137AL及び第2植付具137ARには、下降時には自重により下降動作を補助する力(重力)が作用し、上昇時にはスプリング296の付勢力により上昇動作を補助する力が作用することとなるため、昇降動作が円滑に行われる。
次に、第2移植ユニット51Bの植付装置である第2植付装置68Bについて説明する。
図15に示すように、第2植付装置68Bも、第1植付装置68Aと同様に、複数台(本実施形態では、2台)の植付機構68BL,68BRを有する。植付機構68BL,68BRは、幅方向K2で並べて配置されている。以下、植付機構68BLを第1植付機構68BLと称し、植付機構68BRを第2植付機構68BRと称する。第1植付機構68BLは、左側に位置する植付機構である。第2植付機構68BRは、右側に位置する植付機構である。第1植付機構68BLと第2植付機構68BRは、幅方向K2で並べて配置されている。第1植付機構68BLと第2植付機構68BRとは前後方向K1において異なる位置に配置されている。本実施形態では、第2植付機構68BRが第1植付機構68BLよりも後方に配置されているが、第2植付機構68BRが第1植付機構68BLよりも前方に配置されていてもよい。
第1植付機構68BLは、第1植付機構68ALと同様に、植付具137(他の植付具)と、支持体138と、昇降装置139とを有する。第2植付機構68BRは、第2植付機構68ARと同様に、植付具137(他の植付具)と、支持体138と、昇降装置139とを有する。第1植付機構68BLにおける植付具137を第1植付具137BLと称し、第2植付機構68BRにおける植付具137を第2植付具137BRと称することがある。また、第1植付機構68BLにおける昇降装置139を第1昇降装置139BLと称し、第2植付機構68BRにおける昇降装置139を第2昇降装置139BRと称することがある。
第2植付装置68B(第1植付具137BL,第2植付具137BR)は、圃場に苗を植え付ける装置であり、本実施形態では、畝R1(第2の畝R12)に苗を植え付ける。
これら植付具137と、支持体138と、昇降装置139とは、前述した構成と同様であるので、説明を省略する。また、第2植付装置68Bも、第1植付装置68Aと同様に、植付具停止機構285及び上昇補助機構294を有する。これら植付具停止機構285及び上昇補助機構294は、前述した構成と同様であるので、説明を省略する。
図10、図15に示すように、第2移植ユニット51Bにおいては、第1植付機構68BLの支持体138に第24スプロケット277が支軸142によって支持されている。また、第2植付機構68BRの支持体138に第24スプロケット276が支軸142によって支持されている。
次に、苗供給装置72A,72Bについて説明する。先に、第1移植ユニット51Aの苗供給装置である第1苗供給装置72Aについて説明する。
第1苗供給装置72Aは、第1植付装置68Aの上方に配置されている。第1苗供給装置72Aによって、下方に位置する植付具137(第1植付装置68A)に苗を落下させて供給する。第1苗供給装置72Aは、図11に示す第2フレーム材82、第3フレーム材83、第8フレーム材88及び第1横部材97の上方に、フレームを介して支持されている。
図17に示すように、第1苗供給装置72Aは、苗が投入される多数の供給カップ147,148を有する。多数の供給カップ147,148は、多数の第1供給カップ147と、多数の第2供給カップ148とを含む。第1供給カップ147と第2供給カップ148とは、前後に長いループ状の経路P1に沿って配置されている。詳しくは、第1供給カップ147と第2供給カップ148とは、平面視で前後方向K1に長い長円形を呈するようにループ状に並べて配置されている。また、第1供給カップ147と第2供給カップ148とは、長円形の配置経路P1に沿って交互に配置されている。
第1供給カップ147と第2供給カップ148は、移送機構149によって前後に長いループ状の経路(長円形の配置経路)P1に沿って間欠的に矢印Y1方向に移送される。移送機構149は、第1回転体150と、第2回転体151と、索体152とを有する。第1回転体150及び第2回転体151はスプロケットによって構成されている。索体152は、無端状のチェーンによって構成されている。第1回転体150及び第2回転体151は、第1苗供給装置72Aを支持するフレームに縦軸心(上下方向の軸心)回りに回転自在に支持されている。第1回転体150は、移送機構149の前部に位置し、第2回転体151は、第1回転体150の後方に配置されている。索体152は、第1回転体150と第2回転体151とにわたって掛け渡されている。第1供給カップ147及び第2供給カップ148は、索体152の外周側に索体152に沿って配置されている。
第1回転体150の下方には、駆動スプロケット153が設けられている。駆動スプロケット153は、第1回転体150と第3駆動軸154を介して一体回転自在に連結されている。駆動スプロケット153には、第9チェーン155を介して動力が伝達され、第1回転体150が回転する。
第1移植ユニット51Aにおいては、第4スプロケット117から第9チェーン155を介して駆動スプロケット153に動力が伝達される。第2移植ユニット51Bにおいては、第13スプロケット126から第9チェーン155を介して駆動スプロケット153に動力が伝達される。
図18に示すように、第1供給カップ147は、収容部156と、取付部157と、蓋158とを有する。第2供給カップ148も、同様に、収容部160と、取付部161と、蓋162とを有する。収容部156,160は、投入された苗を収容する部位であり、上下開口状の筒体によって構成されている。取付部157,161は、索体152に取り付けられる部位である。蓋158,162は、収容部156,160の底部を塞ぐ部材である。蓋158,162は、収容部156,160の下部にヒンジ159によって枢支されていて、収容部156,160の下端開口を開閉自在としている。蓋158,162が閉じていることにより、収容部156,160内に苗が保持可能であり、蓋158,162が開くことにより、収容部156,160から下方に苗が排出可能である。
図19に示すように、第1供給カップ147の蓋158は、第1係合部163を有する。第2供給カップ148の蓋162は、第2係合部164を有する。第1係合部163は、供給カップ147,148の配置経路(索体152)の内周側に突出している。第2係合部164は、供給カップ147,148の配置経路(索体152)の外周側に突出している。
第1供給カップ147は、第1回転体150及び第2回転体151の左側(第1回転体150及び第2回転体151の幅方向一方側)で蓋158が開く。符号X1で示す位置が、第1供給カップ147の蓋158が開く第1開放位置(第1回転体150及び第2回転体151の幅方向一方側の開放位置)である。第2供給カップ148は、第1回転体150及び第2回転体151の右側(第1回転体150及び第2回転体151の幅方向他方側)で蓋158が開く。符号X2で示す位置が、第2供給カップ148の蓋158が開く第2開放位置(第1回転体150及び第2回転体151の幅方向他方側の開放位置)である。
第1苗供給装置72Aの第1開放位置X1(幅方向一方側の開放位置)と第2開放位置X2(幅方向他方側の開放位置)とは、前後方向K1において異なる位置に設定されている。本実施形態では、第2開放位置X2が第1開放位置X1に対して後方に位置ずれしている。第2開放位置X2が第1開放位置X1に対して後方に位置ずれしているのに対応して、植付装置68Aのうちの第2植付機構68ARが、第1植付機構68ALに対して後方に位置ずれしている。
また、第1開放位置X1で第1供給カップ147の蓋158が開き、第2開放位置X2で第2供給カップ148の蓋164が開く。また、上述した通り、前後に位置ずれしている第1植付機構68ALと第2植付機構68ARとは同時に昇降する。これによって、千鳥植えを実現している。
第1開放位置X1の下方に植付装置68Aの左の植付具137(第1植付具137AL)が位置している。第2開放位置X2の下方に植付装置68Aの右の植付具137(第2植付具137AR)が位置している。
第1苗供給装置72Aは、供給カップ147,148の開放位置を、第1回転体150及び第2回転体151の幅方向一方側と他方側とに設定可能な(第1開放位置X1、第2開放位置X2を設定可能な)設定部材166を有する。設定部材166は、複数の規制杆167,168,169,170を含んでいる。説明の便宜上、規制杆167のことを第1規制杆167、規制杆168のことを第2規制杆168、規制杆169のことを第3規制杆169、規制杆170のことを第4規制杆170という。
第1規制杆167は、第1開放位置X1及び第2開放位置X2の前方側において、第1供給カップ147及び第2供給カップ148の蓋158,162の下面に接当する。したがって、第1規制杆167は、第1開放位置X1及び第2開放位置X2の前方側において、第1供給カップ147及び第2供給カップ148の蓋158,162の開きを規制する。第2規制杆168は、第1開放位置X1及び第2開放位置X2の後方側において、第1供給カップ147及び第2供給カップ148の蓋158,162の下面に接当する。したがって、第2規制杆168は、第1開放位置X1及び第2開放位置X2の後方側において、第1供給カップ147及び第2供給カップ148の蓋158,162の開きを規制する。
第3規制杆169は、第1開放位置X1の左側に位置する。第3規制杆169は、第1開放位置X1にある蓋162の第2係合部164の下面に接当する。これによって、第1開放位置X1における第2供給カップ148の蓋162の開きを規制する。第4規制杆170は、第2開放位置X2の左側に位置する。第4規制杆170は、第2開放位置X2にある蓋158の第1係合部163の下面に接当する。これによって、第2開放位置X2における第1供給カップ147の蓋158の開きを規制する。
第1規制杆167の左側後端部、第2規制杆168の左側前端部及び第3規制杆169とで、第1開放位置X1を設定する第1設定部196が構成されている。第1規制杆167の右側後端部、第2規制杆168の右側前端部及び第4規制杆170とで、第2開放位置X2を設定する第2設定部197が構成されている。
第1開放位置X1では、第1供給カップ147の蓋158は、第1規制杆167及び第2規制杆168から外れており且つ第1係合部163は、第3規制杆169に支持されない。これによって、第1供給カップ147の蓋158が開く。このとき、第1植付具137ALが上死点位置G1に移動しており、第1供給カップ147から排出された苗が第1植付具137ALに供給される。また、第1開放位置X1に第1供給カップ147が位置するときには、第2開放位置X2には、第2供給カップ148が位置する。第2開放位置X2では、第2供給カップ148の蓋162は、第1規制杆167及び第2規制杆168から外れており且つ第2係合部164は、第4規制杆170に支持されない。これによって、第2供給カップ148の蓋162が開く。このとき、第2植付具137ARが上死点位置G1に移動しており、第2供給カップ148から排出された苗が第2植付具137ARに供給される。
また、第2供給カップ148が第1開放位置X1に位置するときには、第2開放位置X2には、第1供給カップ147が位置する。第1開放位置X1に位置する第2供給カップ148の第2係合部164は第3規制杆169に規制されて第2供給カップ148の蓋162は開かない。このとき、第1開放位置X1の下方の第1植付具137ALは、下方移動して畝に苗を植え付けている。第2開放位置X2に位置する第1供給カップ147の第1係合部163は第4規制杆170に規制されて第1供給カップ148の蓋158は開かない。このとき、第2開放位置X2の下方の第2植付具137ARは、下方移動して畝に苗を植え付けている。
次に、第2移植ユニット51Bの苗供給装置である第2苗供給装置72Bについて説明する。
第2苗供給装置72Bは、第2植付装置68Bの上方に配置されている。第2苗供給装置72Bによって、下方に位置する植付具137(第2植付装置68B)に苗を落下させて供給する。第2苗供給装置72Bは、第1苗供給装置72Aと同様に、第2フレーム材83、第3フレーム材83、第8フレーム材88及び第1横部材97の上方に、フレームを介して支持されている。
第2苗供給装置72Bの構成は、第1苗供給装置72Aの構成と同様であるので、説明を省略する。
第1苗供給装置72A及び第2苗供給装置72Bにおける第1供給カップ147及び第2供給カップ148に対する苗の供給は、第1前方椅子231R、第2前方椅子231L、第1側方椅子42R、第2側方椅子42Lにそれぞれ着座した作業者H(図7参照)により行われる。
第1前方椅子231Rは、第1苗供給装置72A(の第1回転体150)の前方に位置している。第2前方椅子231Lは、第2苗供給装置72B(の第1回転体150)の前方に位置している。第1側方椅子42Rは、第1苗供給装置72A(の索体152)の幅方向K2一方側(幅方向外方)に位置している。第2側方椅子42Lは、第2苗供給装置72B(の索体152)の幅方向K2他方側(幅方向外方)に位置している。これにより、第1前方椅子231R及び第1側方椅子42Rに着座した作業者によって、第1苗供給装置72Aに苗を供給することができる。また、第2前方椅子231L及び第2側方椅子42Lに着座した作業者によって、第2苗供給装置72Bに苗を供給することができる。そのため、第1苗供給装置72A及び第2苗供給装置72Bに対する苗の供給を、それぞれ複数人で行うことが可能となり、苗の供給作業を効率良く行うことができる。
図4、図7に示すように、第1苗供給装置72Aの上方には、供給カップ147,148に供給される多数の苗を有する苗トレイを置くための前方苗載せ台278A及び側方苗載せ台279Aが設けられている。前方苗載せ台278A及び側方苗載せ台279Aは、第1苗供給装置72Aのフレームに取り付けられている。前方苗載せ台278Aは、第1苗供給装置72Aの前部上方に設けられており、前後方向K1に比べて幅方向K2が長く形成されている。前方苗載せ台278Aは、後方から前方に向かうにつれて低くなるように傾斜している。側方苗載せ台279Aは、第1苗供給装置72Aの後部上方に設けられており、幅方向K2に比べて前後方向K1が長く形成されている。側方苗載せ台279Aは、幅方向内方から幅方向外方に向かうにつれて低くなるように傾斜している。
図2、図4、図7に示すように、第2苗供給装置72Bの上方にも、前方苗載せ台278B及び側方苗載せ台279Bが設けられている。前方苗載せ台278B及び側方苗載せ台279Bの構成は、前方苗載せ台278A及び側方苗載せ台279Aと同様であるため、説明を省略する。
図2、図7に示すように、対地作業機2の幅方向K2一方側(右方)には、苗置き部280Rが設けられている。対地作業機2の幅方向K2他方側(左方)には、苗置き部280Lが設けられている。苗置き部280L,280Rは、基板281と、支柱282と、支持台283と、支軸284とを有している。
苗置き部280Lの基板281は、第1取付フレーム48Lの第1部材52の後端に固定されており、第1部材52から幅方向外方(左方)に突出している。苗置き部280Rの基板281は、第2取付フレーム48Rの第4部材54の後端に固定されており、第4部材52から幅方向外方(右方)に突出している。支柱282は、下端が基板281に固定されており、上方に延びている。支持台283は、複数(本実施形態では4つ)設けられている。複数の支持台283は、上下方向に間隔をあけて支柱282に取り付けられている。支持台283は、支軸284を介して支柱282に取り付けられており、支軸284を支点(中心)として上方且つ幅方向内方に回動可能である。
苗置き部280L,280Rの支持台283には、供給カップ147,148に供給される多数の苗を有する苗トレイが載置される。左側の苗置き部280Lに載置される苗トレイは、第2苗供給装置72Bの苗載せ台278B,279Bに載置された苗トレイの苗が無くなった場合に、この苗が無くなった空の苗トレイと交換される。右側の苗置き部280Rに載置される苗トレイは、第1苗供給装置72Aの苗載せ台278A,279Aに載置された苗トレイの苗が無くなった場合に、この苗が無くなった空の苗トレイと交換される。
第1前方椅子231Rは、苗置き部28Rの幅方向K2他方側(左方)に配置されている。第2前方椅子231Lは、苗置き部28Lの幅方向K2一方側(右方)に配置されている。これにより、第1前方椅子231Rに着座した作業者は、苗置き部28Rに載置された苗トレイを取り出す作業を容易に行うことができる。また、第2前方椅子231Lに着座した作業者は、苗置き部28Lに載置された苗トレイを取り出す作業を容易に行うことができる。
次に、覆土輪74A,74Bについて説明する。
先に、第1移植ユニット51Aの覆土輪74Aについて説明する。図3、図4に示すように、覆土輪74Aは、左の覆土輪74ALと右の覆土輪74ARとを含む。
左の覆土輪74ALは、第1移植ユニット51Aにおいて、左の植付機構68ALの後方に2つ設けられている。詳しくは、2つの植付機構68ALは、図11に示す第11フレーム91の一方側(右側)と他方側(左側)にそれぞれ設けられている。右の覆土輪74ARは、第1移植ユニット51Aにおいて、右の植付機構68ARの後方に2つ設けられている。詳しくは、2つの植付機構68ARは、第9フレーム89の一方側(右側)と他方側(左側)にそれぞれ設けられている。覆土輪74AL,74ARは、畝の上面を回転し、第1植付装置68Aで植え付けた苗の根本部分に土寄せして覆土すると共に、苗の根本部分を鎮圧する。
図12に示すように、覆土輪74ALは、移植フレーム69Aのフレーム支持部73ALに取り付けられている。詳しくは、覆土輪74ALは、覆土フレーム400ALを介してフレーム支持部73ALに取り付けられている。覆土輪74ARは、移植フレーム69Aのフレーム支持部73ARに取り付けられている。詳しくは、覆土輪74ARは、覆土フレーム400ARを介してフレーム支持部73ARに取り付けられている。図2、図3に示すように、覆土輪74ALと覆土輪74ARとは、前後方向K1において異なる位置に配置されている。本実施形態では、覆土輪74ARが覆土輪74ALよりも後方に配置されている。
次に、第2移植ユニット51Bの覆土輪74Bについて説明する。覆土輪74Bは、左の覆土輪74BLと右の覆土輪74BRとを含む。
左の覆土輪74BLは、第2移植ユニット51Bにおいて、左の植付機構68BLの後方に2つ設けられている。右の覆土輪74BRは、第2移植ユニット51Bにおいて、右の植付機構68BLの後方に2つ設けられている。覆土輪74BL,74BRは、畝の上面を回転し、第2植え付け装置68Bで植え付けた苗の根本部分に土寄せして覆土すると共に、苗の根本部分を鎮圧する。
覆土輪74BLは、移植フレーム69Bのフレーム支持部73BLに取り付けられている。詳しくは、覆土輪74BLは、覆土フレーム400BLを介してフレーム支持部73BLに取り付けられている。覆土輪74BRは、移植フレーム69Bのフレーム支持部73BRに取り付けられている。詳しくは、覆土輪74BRは、覆土フレーム400BRを介してフレーム支持部73BRに取り付けられている。覆土輪74BLと74BRとは、前後方向K1において異なる位置に配置されている。本実施形態では、覆土輪74BRが覆土輪74BLよりも後方に配置されている。覆土輪74BL,74BRの支持構造は、覆土輪74AL,74ARの支持構造と同様である。
図1、図20に示すように、トラクタ1の前部には、灌水タンク(タンク)T1が搭載されている。この灌水タンクT1は、植付具137によって植え付けられる苗に灌水される水を貯留するタンクである。また、タンクは、水を貯留する灌水タンクT1に限定されることはなく、例えば、苗に供給される液肥等の液体を貯留するタンクであってもよい。また、灌水タンクT1は、移植機3に関連する移植関連体である。移植関連体としては、移植機3に関連する部材又は機器であればよく、例えば、圃場に肥料を供給する施肥機等であってもよい。
図20に示すように、灌水タンクT1は、トラクタ1の前方に配置され、車体6に支持されている。トラクタ1の車体6は、原動機E1と、前車軸フレーム401と、クラッチハウジング402と、ミッションケース403と、デフケース404等を有する。原動機E1の後部にクラッチハウジング402が連結され、クラッチハウジング402の後部にミッションケース403が連結されている。デフケース404は、ミッションケース403と一体形成されていてもよいし、ミッションケース403とは別体で形成して該ミッションケース403の後部に連結されていてもよい。
原動機E1は、エンジンであり、詳しくは、ディーゼルエンジンである。また、原動機E1は、電動モータであってもよいし、ディーゼルエンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。原動機E1は、ステアリングホイール8の前方に位置し、ボンネット405によって覆われている。ボンネット405の前面側には、前照灯(図示省略)が設けられている。
図20、図22に示すように、前車軸フレーム401は、原動機E1から前方に突出し、前輪7Aを支持する前車軸ケースを揺動自在に支持する。前車軸フレーム401は、原動機E1の左側に配置されるフレーム側部406Lと、原動機E1の右側に配置されるフレーム側部406Rとを有する。フレーム側部406L及びフレーム側部406Rの後部は、原動機E1の側部にボルト固定されている。また、フレーム側部406Lとフレーム側部406Rとは、前部及び適宜箇所を連結材406Aで連結される(図22参照)。なお、前車軸フレーム401は、原動機E1の前面側下部に固定される形式のフレームであってもよい。前車軸フレーム401の前部には、ウエイトW1を取付け可能なウエイトブラケット407が設けられている。
クラッチハウジング402は、原動機E1の動力を断続可能に伝達するクラッチを収容するケースである。ミッションケース403は、変速装置を収容するケースである。変速装置は、クラッチを介して伝達される原動機E1の動力を変速して、前輪7A、後輪7Bのうち少なくとも後輪7Bへ伝達する。デフケース404は、変速装置で変速された動力を後輪7Bへ伝達する差動装置を収容するケースである。
図20〜図23に示すように、車体6には、装着フレーム408が設けられている。この装着フレーム408に灌水タンクT1が支持されている。装着フレーム408は、灌水タンクT1が取り付けられる(支持する)取付フレーム409と、取付フレーム409を車体6に取り付ける第1取付部410及び第2取付部411を有する。
取付フレーム409は、トラクタ1の前後に沿って設けられていて、トラクタ1から前方に突出する搭載部412を有する。この搭載部412に灌水タンクT1が搭載されている。
取付フレーム409は、車体6の一側方(右方)に設けられた第1枠材413Rと、車体6の他側方(左方)に設けられた第2枠材413Lと、第1枠材413R及び第2枠材413Lに設けられ且つ車体6から前方に突出する搭載部412とを有する。
第1枠材413R及び第2枠材413Lは、長尺の角パイプによって形成され、車体6の近傍で前後方向に延伸して配設されている。第1枠材413Rは、車体6の前後の中途部(ミッションケース403の側方)から車体6に沿って前方に向けて配置されている。第1枠材413Rの前部は、車体6から前方に突出している。第2枠材413Lも、車体6の中途部(ミッションケース403の側方)から車体6に沿って前方に向けて配置されている。第2枠材413Lの前部も車体6から前方に突出している。
第1取付部410及び第2取付部411は、第1枠材413R及び第2枠材413Lを車体6に取り付ける部材である。第2取付部411は、第1取付部410より後方に位置している。本実施形態では、第1取付部410は、取付フレーム409(第1枠材413R及び第2枠材413L)の前部を車体6の前部に取り付ける。第2取付部411は、取付フレーム409(第1枠材413R及び第2枠材413L)の後部を車体6の前後の中途部に取り付ける。
図22、図23に示すように、第1取付部410は、第1枠材413R(の前部)を前車軸フレーム401側に取り付ける第1前取付部410Rと、第2枠材413L(の前部)を前車軸フレーム401側に取り付ける第2前取付部410Lとを含む。第1前取付部410Rは、上部が第1枠材413Rの前部に固定され、下部がウエイトブラケット407にボルト等によって着脱可能に固定されている。第2前取付部410Lは、上部が第2枠材413Lの前部に固定され、下部がウエイトブラケット407にボルト等によって着脱可能に固定されている。第1前取付部410R及び第2前取付部410Lは、ウエイトブラケット407を介して前車軸フレーム401側に取り付けられているが、前車軸フレーム401に直接取付けられていてもよいし、前車軸フレーム401に取り付けられるブラケット部材に取り付けられていてもよい。
第2取付部411は、第1枠材413Rの後部をミッションケース403に取り付ける第1後取付部411Lと、第2枠材413Lの後部をミッションケース403に取り付ける第2後取付部411Rとを含む。第1後取付部411Lは、第1板〜第4板414a〜414dを有する。第1板414aは、ミッションケース403の側面にボルト等によって着脱可能に取り付けられている。第2板414bは、幅方向内方K4側が第1板414aに固定されていて、第1板414aから幅方向外方K3に突出している。第3板414cは、第2板414bの前部であって幅方向外方K3側の端部に下部が固定されていて、第2板414bから上方に突出している。第4板414dは、第2板414bの前部に下端が固定されていて、第2板414bから上方に突出している。また、第4板414dと第3板414cとは連結されている。第4板414dの上部に第1枠材413Rの後端が固定されている。
第2後取付部411Rも、第1板〜第4板414a〜414dを有する。第1板414a、第2板414b、第3板414c及び第4板414dは、第1後取付部411Lと、同様に構成されている。また、第2後取付部411Rは、第1後取付部411Lと、前後方向に沿う垂直面について対称に形成されている。第2後取付部411Rについては、説明を省略する。
なお、第1後取付部411L及び第2後取付部411Rは、クラッチハウジング402にボルト等によって固定されていてもよい。
図22に示すように、搭載部412は、第1枠材413Rの前部であって車体6(トラクタ1)から前方に突出する第1部位412aと、第2枠材413Lの前部であって車体6(トラクタ1)から前方に突出する第2部位412bと、第1部位412aと第2部位412bの前部同士を連結する第3部位412cと、第1部位412aと第2部位412bの後部同士を連結する第4部位412dとを有する。第3部位412c及び第4部位412dは、角パイプによって形成されている。
なお、本実施形態では、第1部位412aは、第1枠材413Rに一体形成されているが、第1部位412aを第1枠材413Rとは別体で形成して、第1枠材413Rに溶接、リベット又はボルト等によって固定してもよい。また、第2部位412bは、第2枠材413Lに一体形成されているが、第2部位412bを第2枠材413Lとは別体で形成して、第2枠材413Lに溶接、リベット又はボルト等によって固定してもよい。
灌水タンクT1(移植関連体)は、第1部位412aと第2部位412bとにわたって載置され、バンド(第1バンド416R,第2バンド416L)によって搭載部412に押し付けて固定されている。バンドは、金属製の帯状部材によって形成されている。なお、バンドは、樹脂又は帆布等によって構成されていてもよく、強くて丈夫な帯状の部材であればよい。
図20に示すように、第1バンド416Rは、灌水タンクT1の右部に配置され、灌水タンクT1の前面から上面を経て後面にわたって設けられている。第1バンド416Rは、灌水タンクT1の上面において、灌水タンクT1の中央に設けられた給水部417と突出部418Rとの間に配置される(図22参照)。
図21に示すように、第1バンド416Rの一端側は、ボルト及びナットによって構成された第1取付具420Rによって第3部位412cに固定状に取り付けられている。なお、第1バンド416Rの一端側に形成されたボルト挿通穴421R(ボルトを挿通する穴)は、上下に長い長穴に形成されている(図23参照)。第1バンド416Rの他端側は、第2取付具422Rによって第4部位412dに取り付けられている。第2取付具422Rは、第1バンド416Rの他端側を第4部位412d(取付フレーム409)に対して上下に移動可能に取り付ける。第2取付具422Rは、ボルト423、第1ナット424及び第2ナット425を有する。ボルト423の上部に第1バンド416Rの他端側が固定されている。ボルト423の下部は、雄ネジが切られたネジ部423aとされ、第4部位412dを上下に貫通している。第1ナット424は、第4部位412dの上面側でネジ部423aに螺合されている。第2ナット425は、第4部位412dの下面側でネジ部423aに螺合されている。第1ナット424を締め込む方向に回転させると共に第2ナット425を緩める方向に回転させることにより、第1バンド416Rの他端側が引き下げられて、灌水タンクT1が搭載部412に押し付けられる。
第2バンド416Lは、灌水タンクT1の左部に配置され、第1バンド416Rと同様に設けられている。第2バンド416Lは、灌水タンクT1の上面において、給水部417と突出部418Lとの間に配置される(図22参照)。第2バンド416Lは、第1取付具420Lと第2取付具422Lとによって、第1バンド416Lと同様に搭載部412に固定される。第1取付具420Lと第2取付具422Lは、第1取付具420Rと第2取付具422Rと同様の構成であるので、説明を省略する。
図21〜図23に示すように、取付フレーム409の前部には、前照灯426L,426Rと、この前照灯426L,426Rを取り付けるライトブラケット427とが設けられている。即ち、装着フレーム408は、前照灯(右の前照灯426L,左の前照灯426R)と、ライトブラケット427とを有する。前照灯426L、前照灯426R及びライトブラケット427は、灌水タンクT1の前方に位置している。
図23に示すように、ライトブラケット427は、1本のパイプ材を折曲することにより形成され、第1縦杆部427aと、第2縦杆部427bと、横杆部427cとを有する。第1縦杆部427aは、第3部位412cの前面の右部に固定された固定部材428Rに下部が固定されている。第2縦杆部427bは、第3部位412cの前面の左部に固定された固定部材428Lに下部が固定されている。横杆部427cは、第1縦杆部427aと第2縦杆部427bの上部同士を連結している。
図23に示すように、前照灯426Rは、第1縦杆部427aに固定されたステー部材429Rに固定されている。前照灯426Lは、第2縦杆部427bに固定されたステー部材429Lに固定されている。
移植作業機4は、図24に示す灌水装置(液体供給装置)430を備えている。この灌水装置430は、植付具137によって畝R1(圃場)に植え付けられる苗N1に灌水する装置である。即ち、移植作業機4は、1つの機械で、走行しながら、畝R1(圃場)に苗N1を植え付ける苗植付け作業と、植え付けられる苗N1に灌水する灌水作業とを一工程で行える作業機である。
図24に示すように、灌水装置430は、灌水タンクT1と、サクションホース431(移植関連体と移植機3とを接続する接続具)と、灌水ポンプ(ポンプ)432と、デリバリホース(第1〜第4デリバリホース433a〜433d)と、逆止弁434と、灌水管(供給管)435とを有する。
図21〜図23に示すように、灌水タンクT1の一側部(灌水タンクT1の底部側で且つ右側の後部)には、灌水タンクT1内の水を送出する送出口436が設けられている。この送出口436には、レバー437が設けられ、レバー437によって送出口436が開閉可能である。この送出口436には、サクションホース431の一端部(前端部)が接続されている。
図20に示すように、サクションホース431は、車体6に沿って前後方向に配設されると共に、トラクタ1から後方へ配設される。また、サクションホース431は、第1枠材413Rに沿って配設され、固定具によって第1枠材413Rに取り付けられる。固定具としては、結束バンド(インシュロック)や第1枠材413Rにネジ止めされる板材等が考えられる。なお、サクションホース431は、第2枠材413Lに沿って配設し、固定具によって第2枠材413Lに取り付けてもよい。トラクタ1から後方へ配設されるサクションホース431は、ロータリ耕耘機2を経て移植機3へ配設される。
図9A、図10に示すように、灌水ポンプ432は、第2移植フレーム69Bの前部に設けられている。灌水ポンプ432は、一台の移植機3について、単一(一台)の灌水ポンプ432が設けられている。即ち、一台の灌水ポンプ432で、移植機3に装備された全部の植付具137に対して水(液体)送水(送液)する。言い換えると、一台の移植機3で植え付けられる全部の苗N1に対して一台の灌水ポンプ432から吐出される水によって灌水する。灌水ポンプ432は、本実施形態では、ロータリポンプである。また、ロータリポンプは、特に限定はされないが、メカニカルブースターポンプ(ケーシング内にある2個のマユ型ロータが、該ロータを支持する軸の端部に設けた駆動ギアにより互いに反対方向に同期回転する構造のポンプ)である。
図24に示すように、灌水ポンプ432は、ケーシング438と、ポンプ軸439と、吸引部440と、吐出部441とを有する。ケーシング438内には、ロータが収容されている。ポンプ軸439には、電動モータ71からの動力が入力される。ポンプ軸439に入力される動力によってケーシング438内のロータが回転駆動される。ロータが駆動されると、水を吸引部440から吸い込んで吐出部441から吐出する。吸引部440は、ケーシング438の上部に設けられている。吸引部440には、第1ホース継手442が取り付けられている。第1ホース継手442には、サクションホース431の他端部(後端部)が接続されている。
吐出部441は、ケーシング438の下部に設けられている。吐出部441には、第2ホース継手443が取り付けられている。第2ホース継手443は、4つの接続部、即ち、第1〜第4接続部444a〜444dを有する。
デリバリホースは、植付具137(植付装置)の数に対応して設けられる。即ち、本実施形態では、デリバリホースは、第1〜第4デリバリホース433a〜433dの4本のホースが設けられている。植付具137は少なくとも1つ設けられていればよく、植付具137が1つの場合は、デリバリホースは、1本設けられる。
第1デリバリホース433aの一端側は、第1接続部444aに接続されている。第2デリバリホース433bの一端側は、第2接続部444bに接続されている。第3デリバリホース433cの一端側は、第3接続部444cに接続されている。第4デリバリホース433dの一端側は、第4接続部444dに接続されている。
図25に示すように、逆止弁434は、植付具137(植付装置)の数に対応して設けられる。即ち、逆止弁434は、4つの植付具137AR,137AL,137BR,137BLに各々設けられている。各逆止弁434は、各植付具137の近傍位置に設けられる。
図25に示すように、逆止弁434は、取付部材145側に取付ステー445を介して取り付けられる。したがって、逆止弁434は、植付具137と一緒に昇降する。
図25に示すように、各逆止弁434の一端側(前部)には、接続管446が設けられている。植付具137ARに対応する逆止弁434の接続管446には、第1デリバリホース433aの他端側が接続されている。植付具137ALに対応する逆止弁434の接続管446には、第2デリバリホース433bの他端側が接続されている。植付具137BRに対応する逆止弁434の接続管446には、第3デリバリホース433cの他端側が接続されている。植付具137BLに対応する逆止弁434の接続管446には、第4デリバリホース433dの他端側が接続されている。
図24、図25に示すように、各逆止弁434の他端側(後部)には、灌水管435が継手部材447を介して接続されている。灌水管435は継手部材447から下方に延びていて、下部が植付具137の内部の上部に挿入されている。また、灌水管435の下端開口は下方に向けて指向されている。逆止弁434は、灌水ポンプ432から植付具137への水の流通を許容し、それとは反対側の(植付具137から灌水ポンプ432への)水の流通は遮断する。即ち、逆止弁434は、灌水ポンプ432から送水(送液)される水(液体)を植付具137内に供給(植付具137内の苗に灌水)可能とされている。
逆止弁434は、例えば、スプリングの付勢力によって弁体を押圧することにより内部の流路を閉じ、弁体をスプリングの付勢力に抗して押動することにより、流路を開く弁である。そして、逆止弁434は、灌水ポンプ432によって送水(送液)される水(液体)の圧力によって開き、灌水ポンプ432が停止すると閉じて水(液体)の流通を遮断する。
デリバリホース433a〜433d、逆止弁434及び灌水管435は、灌水ポンプ432と植付具137との間で流体を流通させる液体流通路を形成している。したがって、逆止弁434は、液体流通路に設けられている。
図24に示すように、灌水タンクT1の送出口436は、逆止弁434よりも高い位置に位置している。詳細には、送出口436の上下方向の中心の高さ位置H1は、上死点位置G1に位置している植付具137における逆止弁434の上下方向の中心の高さ位置H2よりも高い。この高さ位置H1と高さ位置H2との高低差H3により、デリバリホース433a〜433d及び逆止弁434の内部(灌水ポンプ432から逆止弁434に至る液体流通路)内には、常時水が満たされている。
本実施形態では、電動モータ71からの回転動力は、灌水ポンプ432に間欠的に伝達される。即ち、灌水ポンプ432は、間欠的に駆動される。灌水ポンプ432が駆動されると、灌水タンクT1内の水は、サクションホース431を介して吸引部440から灌水ポンプ432内に吸引されると共に灌水ポンプ432内の水が吐出部441から吐出される。吐出された水は、デリバリホース433a〜433dを介して各植付具137へ向けて送水される。この送水される水の圧力によって逆止弁434が開き、逆止弁434内における水の流通が許容される。逆止弁434を通った水は、灌水管435を介して植付具137内に供給され、苗N1に灌水される。このとき、灌水ポンプ432から逆止弁434までの液体の(水の)流通路には水が満たされているので、灌水ポンプ432が駆動すると直ぐに逆止弁434が開いて、直ぐに灌水することができ、応答性がよい。また、灌水ポンプ432の駆動開始から駆動停止まで灌水することができ、設定した灌水量の水を供給することができる。
灌水ポンプ432の駆動が停止すると、逆止弁434が閉じる。これにより、灌水ポンプ432の停止中に、水が灌水管435からだらだらと出ることはない。
次に、電動モータ71(動力源)からの回転動力を灌水ポンプ432へ伝達する動力伝達系統448を詳細に説明する。
図9Bに示すように、動力伝達系統448は、第2移植ユニット51Bに設けられており、第3出力軸(出力軸)261からの動力を灌水ポンプ432へ伝達する。即ち、動力伝達系統448は、植付具137を駆動する動力源からの動力を灌水ポンプ432へ伝達する。言い換えると、灌水ポンプ432には、植付装置68Bから苗供給装置72Bに伝達される動力が分岐されて伝達される。
図9B、図26、図29に示すように、動力伝達系統448は、タイミング調整部449と、伝動スプロケット450と、伝動チェーン451と、入力スプロケット452と、動力伝達装置453と、カップリング454とを有する。この順番で、動力伝達方向の上流側から下流側へ、即ち、第3出力軸261から灌水ポンプ438へ配置されている。
図9B、図26に示すように、タイミング調整部449及び伝動スプロケット450は、第3出力軸261の左部に設けられている。タイミング調整部449は、伝動スプロケット450より動力伝達方向の上流側に設けられていて、第3出力軸261の回転動力は、タイミング調整部449を介して伝動スプロケット450に伝達される。タイミング調整部449は、灌水ポンプ432の駆動を停止させる停止時期を調整する機構である。
図28A、図28Bに示すように、タイミング調整部449は、電動モータ71(動力源)からの回転動力が伝達される駆動部材456と、駆動部材456に対して回転方向(動力の回転方向)の相対位置を調整可能に連結された部材であって、駆動部材456からの回転動力を灌水ポンプ432へと伝達する従動部材457とを有する。駆動部材456及び従動部材457は、第3出力軸261の軸心を中心とする円板状に形成されている。駆動部材456及び従動部材457は、第3出力軸261の軸心方向で重ね合わされてボルト458a〜458c及びナット459a〜459cで結合されている。
駆動部材456は、第3出力軸261の左端に固定され、従動部材457は、伝動スプロケット450に固定されている。第3出力軸261、駆動部材456、従動部材457及び伝動スプロケット450は、同心状である。
駆動部材456には、該駆動部材456を貫通して形成された複数の第1挿通穴460a〜460cが形成されている。第1挿通穴460a〜460cは、ボルト458a〜458cの軸部に適合する円形穴で形成されている。第1挿通穴460a〜460cは、第3出力軸261の軸心を中心とする円周上に形成され、且つ円周方向に所定間隔で(等間隔で)形成されている。
従動部材457には、該従動部材457を貫通して形成された複数の第2挿通穴461a〜461cが形成されている。第2挿通穴461a〜461cは、第3出力軸261の軸心を中心とする円弧状の長穴に形成されている。第2挿通穴は、第1挿通穴460a〜460cに対応した位置に形成されている。なお、第1挿通穴を円弧状長穴に形成し、第2挿通穴を円形穴に形成してもよい。
第1挿通穴460a〜460c及び第2挿通穴461a〜461cにボルト458a〜458cの軸部を挿通し、ボルト458a〜458cの軸部に螺合されたナット459a〜459cを締め付けることにより、駆動部材456と従動部材457とが結合される。ナット459a〜459cを緩めることにより、駆動部材456に対する従動部材457の回転方向の相対位置が、第2挿通穴461a〜461cの長穴の範囲(調整範囲)内で調整可能とされる。
植付装置68A,68Bにあっては、伝動軸70A,70Bが一回転することにより、植付具137が1サイクル動作する。即ち、植付具137が上死点位置G1から下死点位置G2を経て上死点位置G1に戻る。また、伝動軸70A,70Bが一回転すると第3出力軸261が一回転する。この第3出力軸261の一回転中に、灌水ポンプ432が所定の時間、一回駆動される。
図16に示すように、灌水ポンプ432は、植付具137が上死点位置G1から下死点位置G2を経て上死点位置G1に戻るまでの間の移動期間462のうちの一部の期間である供給期間463において送水(送液)を行うべく駆動される。したがって、灌水ポンプ432は、移動期間462のうち供給期間463以外の期間である停止期間464では駆動が停止される。
そして、タイミング調整部449によって駆動部材456に対する従動部材457の動力の回転方向の相対位置を調整することにより、灌水ポンプ432の駆動を停止させる停止時期を調整する(移動期間462における灌水ポンプ432を停止させる時期を前後にずらす調整を行う)ことができる。また、灌水ポンプ432の停止時期を調整すると、灌水ポンプ432が駆動し始める始動時期も調整される。即ち、移動期間462における供給期間463の位置を調整することができる。
図16において、供給期間463及び停止期間464は、好適な例を図示しており、これに限定されることはない。灌水ポンプ432は、移動期間462のうちの一部の期間、駆動されればよい。好適には、灌水ポンプ432は、植付具137の下降時に駆動されて送液を行い、且つ植付具137が下死点位置G2又は下死点位置G2の近傍に位置した際に駆動が停止されるのがよい。さらに、好適には、灌水ポンプ432は、植付具137が下死点位置G2に位置する前に駆動が停止されるのがよい。また、灌水ポンプ432は、植付具137が上死点位置G1から下降を開始するのと同時又は下降開始直後に灌水を開始するのがよい。必要なときにだけ灌水することにより、無駄な動力の消費の抑制を図ることができる。また、灌水タンクT1内の水の浪費を抑えることができ、給水労力の低減を図ることができる。
図26、図27に示すように、入力スプロケット452は、動力伝達装置453の左部に設けられた入力軸465に固定されている。入力スプロケット452には、伝動チェーン451を介して伝動スプロケット450から動力が伝達される。入力スプロケット452の歯数は、伝動スプロケット450の歯数と同数である。したがって、伝動軸70A,70B及び第3出力軸261が一回転すると、入力軸465も一回転する。
図29、図30に示すように、動力伝達装置453は、動力ケース466と、入力軸465と、出力軸467と、伝動機構468とを有する。図27に示すように、動力ケース466は、灌水ポンプ432と共に、取付ブラケット467によって、移植フレーム69Bの前部に固定されている。
図30に示すように、動力ケース466は、左側の第1ケース構成体471と、右側の第2ケース構成体472と、蓋体473とを有する。第1ケース構成体471と第2ケース構成体472とは、外周部が重ね合わされ且つ当該外周部がボルト固定されている。第1ケース構成体471と第2ケース構成体472とによって第1収容部476が形成される。蓋体473は、第2ケース構成体472の上部の右側に配置され、第2ケース構成体472にボルト固定されている。蓋体473と第2ケース構成体472の上部とで、第2収容部477が形成される。蓋体473は、少数(例えば、2本)のボルトによって第2ケース構成体472に固定され、簡単に着脱可能である(第2収容部477を簡単に開閉可能である)。
図30に示すように、第1ケース構成体471の下部には、左方に突出する突出部478が設けられている。入力軸465は、突出部478から第1収容部476内に挿入されていると共に一部が突出部478から左方に突出されている。この入力軸465の突出部分に入力スプロケット452が一体回転自在に取り付けられている。入力軸465の左部は、突出部478に軸受を介して回転自在に支持されている。第2ケース構成体472の下部には、出力軸467が軸受を介して回転自在に支持されている。出力軸467は、入力軸465と同心状に配置されている。入力軸465の右部は、軸受を介して出力軸467に回転自在に支持されている。出力軸467は、第2ケース構成体472から右方に突出し、この突出部分にカップリング454を介してポンプ軸439が一体回転自在に連結されている。
伝動機構468は、動力ケース466内に収容され、入力軸465から出力軸467へ動力を伝達する。したがって、入力軸465に伝達された動力は、伝動機構468を経て出力軸467に伝達されると共に、出力軸467から灌水ポンプ432へ伝達される。
図29、図30に示すように、伝動機構468は、クラッチ機構479と、間欠機構480と、変速機構481と、最終伝達機構482とを有する。これらは、前述した順で、動力伝達方向の上流側から順番に配置されている。即ち、入力軸465に伝達された回転動力は、クラッチ機構479を介して断続可能に間欠機構480に伝達され、間欠機構480から変速機構481に間欠的に動力が伝達される。変速機構481に伝達された動力は最終伝達機構482を介して出力軸467に伝達される。クラッチ機構479、間欠機構480及び最終伝達機構482は第1収容部476内に収容されている。変速機構481は、第2収容部477内に収容されている。
図29、図30に示すように、クラッチ機構479は、爪クラッチによって構成され、第1収容部476の下部に設けられている。クラッチ機構479は、駆動回転体483と、従動回転体484と、スプリング(付勢部材)485と、クラッチ歯486と、係合歯487とを有する。
駆動回転体483は、筒状部材(スリーブ)で構成されていて、入力軸465の外周に、スプライン嵌め合いにより嵌められている。即ち、駆動回転体483は、入力軸465と一体回転自在で且つ入力軸465の軸心方向に移動自在である。
従動回転体484は、駆動回転体483の動力伝達方向の下流側に位置している。図例では、従動回転体484は、駆動回転体483の右方に位置している。従動回転体484は、入力軸465の外周に軸心回りに相対回転自在に嵌められている(支持されている)。
スプリング485は、コイルスプリングである。スプリング485は、駆動回転体483の側方であって従動回転体484とは反対側(駆動回転体483の左側)に配置されている。このスプリング485は、駆動回転体483を従動回転体484側に向けて(従動回転体484に近接する方向に向けて)付勢している。
クラッチ歯486は、駆動回転体483におけるスプリング485とは反対側の端部(駆動回転体483の右側の端部)に設けられている。クラッチ歯486は、第1クラッチ歯486aと、第1クラッチ歯486aに対して駆動回転体483の直径方向に対称の位置に設けられた第2クラッチ歯486bとを有する。
係合歯487は、従動回転体484の駆動回転体483側の端部(従動回転体484の左側の端部)に設けられている。係合歯487は、第1クラッチ歯486aに噛み合う第1係合歯487aと、第2クラッチ歯486bに噛み合う第2係合歯487bとを有する。
駆動回転体483が、図30に実線で示す接続位置M1に位置すると、第1クラッチ歯486が第1係合歯487に噛合し、且つ第2クラッチ歯486が第2係合歯487に噛合する。すると、クラッチ機構479を介して入力軸465の動力が間欠機構480に伝達される。即ち、クラッチ機構479が、間欠機構480による動力伝達を行わせる接続状態になる。また、駆動回転体483をスプリング485の付勢力に抗して従動回転体484から遠ざかる方向に移動させると、駆動回転体483が、図30に二点鎖線で示す切断位置M2に位置する。すると、第1クラッチ歯486が第1係合歯487から離反し、且つ第2クラッチ歯486が第2係合歯487から離反する。この状態では、入力軸465から間欠機構480への動力伝達が行われない。即ち、クラッチ機構479が、間欠機構480による動力伝達を切断し且つ該切断を保持する切断状態になる。
このクラッチ機構479によって、灌水作業を行わずに、植付け作業を行うことができる。
駆動回転体483(クラッチ機構479)は、図26、図27に示すクラッチ操作部材470によって操作される。クラッチ操作部材470は、第1ケース構成体471に設けられた操作軸475に固定されている。操作軸475には、駆動回転体483に係合する係合部474が設けられ、クラッチ操作部材470によって、操作軸475を回動することにより、駆動回転体483を接続位置M1と切断位置M2とに操作可能である。なお、クラッチ操作部材470は、駆動回転体483を接続位置M1にした状態と、駆動回転体483を切断位置M2にした状態とで位置が固定可能である。
タイミング調整部449の調整範囲においては、第1クラッチ歯486は第1係合歯487にしか噛合せず、第2クラッチ歯486は第2係合歯487にしか噛合しない。即ち、タイミング調整部449の調整範囲において、駆動回転体483に対して従動回転体484は回転方向の1つの位置で噛み合う。したがって、クラッチ機構479を切断状態とした後に、再び接続状態にしても、タイミング調整部449によって調整した灌水のタイミングが狂うことがない。
間欠機構480は、電動モータ(動力源)71の動力を灌水ポンプ432に間欠的に伝達して、植付具137の移動期間462における灌水ポンプ432の駆動及び駆動の停止を行わせる機構である。本実施形態では、間欠機構480は、植付具137が下降する際に動力を伝達して灌水ポンプ432を駆動し、植付具137が上昇する際に動力の伝達を止めて灌水ポンプ432の駆動を停止する。
図30に示すように、間欠機構480は、電動モータ71(第3出力軸261)からの動力が伝達される駆動ギヤ488と、駆動ギヤ488に間欠的に噛み合って灌水ポンプ432を間欠的に駆動する従動ギヤ489とを有する。駆動ギヤ488は、従動回転体484と一体形成されている。言い換えると、駆動ギヤ488がクラッチ機構479の従動回転体484を兼ねており、間欠機構480の駆動ギヤ488に係合歯487を形成しているとも言える。間欠機構480の駆動ギヤ488に係合歯487を形成することにより、クラッチ機構479をコンパクトに構成することができる。駆動ギヤ488は、入力軸465の外周に軸心回りに相対回転自在に嵌められている(支持されている)。
従動ギヤ489は、駆動ギヤ488の上方に配置されていて、第1軸490に一体回転自在に嵌められている。第1軸490は、第1ケース構成体471及び第2ケース構成体472に回転自在に支持されている。
図31Aに示すように、駆動ギヤ488は、欠歯ギヤで構成されていて、歯が形成された有歯部488aと、歯が形成されていない欠歯部488bとを有する。従動ギヤ489は、全周にわたって歯が形成されたギヤである。有歯部488aは従動ギヤ489に噛合し、欠歯部488bは、従動ギヤ489とは噛合しない。入力軸465が一回転すると駆動ギヤ488が一回転し、有歯部488aが従動ギヤ489と噛み合っている間、灌水ポンプ432が駆動される。また、欠歯部488bが従動ギヤ489と噛み合わない間、灌水ポンプ432の駆動が停止される。即ち、間欠機構480は、植付具137の移動期間462のうちの供給期間463において灌水ポンプ432を駆動させ、停止期間464において灌水ポンプ432の駆動を停止させる。
変速機構481は、電動モータ71(第3出力軸261)からの動力(間欠機構480からの動力)を変速して灌水ポンプ432に伝達する機構である。即ち、供給期間463における灌水ポンプ432の駆動速度を遅くしたり速くしたりすることにより、灌水ポンプ432から吐出される水の量(灌水量)を変更する機構である。これにより、異なる種類(異なる作物)の苗に対して、苗に応じた灌水量を選択することができる。
図30に示すように、変速機構481は、間欠機構480の動力伝達方向の下流側に設けられている。変速機構481は、第1ギヤ491と、第1ギヤ491に噛合する第2ギヤ492とを有する。図31Bに示すように、第1ギヤ491と第2ギヤ492とは、第2収容部477内で横並びで配置されている。第1ギヤ491は、第1軸490の端部に一体回転自在で且つ交換可能(抜脱可能)に嵌められている。第2ギヤ492は、第2軸493の端部に一体回転自在で且つ交換可能(抜脱可能)に嵌められている。第2軸493は、第1ケース構成体471及び第2ケース構成体472に回転自在に支持されている(図30参照)。
図30に示すように、第1ギヤ491及び第2ギヤ492は、蓋体473の内面に対向している。したがって、蓋体473を取り外すと、第1ギヤ491及び第2ギヤ492に容易にアクセスが可能であり且つ第1ギヤ491及び第2ギヤ492を他のギヤ(他の第1ギヤ491、他の第2ギヤ492)に容易に付け替えることができる。即ち、動力ケース466に設けられている第1ギヤ491とは歯数の異なった1又は複数の第1ギヤ491と、動力ケース466に設けられている第2ギヤ492とは歯数の異なった1又は複数の第2ギヤ492とが用意されており(1又は複数の第1ギヤ491及び第2ギヤ492の組であって、ギヤ比の異なった1又は複数のギヤの組が用意されており)、第1ギヤ491及び第2ギヤ492を歯数の異なったギヤに交換することが可能とされている。第1ギヤ491及び第2ギヤ492を歯数の異なったギヤに交換することにより、間欠機構480から灌水ポンプ432へ伝達される動力を変速することが可能である。また、第1ギヤ491と第2ギヤ492とを入れ替えることにより、変速するようにしてもよい。
なお、変速機構481は、ギヤを交換する交換式としたが、ギヤの切換えにより複数段の変速を行う機構の変速機構であってもよい。即ち、第2収容部477にギヤ比の異なった複数組の第1ギヤ491及び第2ギヤ492の組を収容し、この第1ギヤ491及び第2ギヤ492の組を切り換えることにより複数段の変速を行う機構であってもよい。また、本実施形態では、第1ギヤ491及び第2ギヤ492を蓋体473で直接又は間接的に押さえることにより、第1ギヤ491及び第2ギヤ492の抜止めを簡単に行える。
図29、図30、図31Cに示すように、最終伝達機構482は、第1伝動ギヤ494と、第1伝動ギヤ494に噛合する第2伝動ギヤ495とを有する。第1伝動ギヤ494は、第2軸493に一体回転自在に嵌められている。第2伝動ギヤ495は、出力軸467に一体回転自在に嵌められている。変速機構481で変速された間欠機構480からの動力は最終伝達機構482を介して出力軸467から出力されて、灌水ポンプ432に入力される。
なお、最終伝達機構482を設けない場合もある。
図2に示すように、移植作業機4は、ロータリ耕耘機2及び培土器23L,23R,23Cで形成した畝R1(圃場)に灌水チューブ496を敷設する灌水チューブ敷設装置497を備えている。即ち、移植作業機4は、1つの機械で、少なくとも、苗N1を植え付ける苗植付け作業と、苗N1が植え付けられた畝R1(圃場)に灌水チューブ496を敷設する灌水チューブ敷設作業とを、一工程で行うことができる作業機である。また、移植作業機4は、圃場に畝R1を形成する畝形成作業と、形成した畝R1に苗N1を植え付ける苗植付け作業と、形成した畝R1に灌水チューブ496を敷設する作業とを、一工程で行うことができる作業機である。
図32に示すように、灌水チューブ敷設装置497は、回転自在に設けられたチューブロール498から巻き出されて畝R1(圃場)に敷設される灌水チューブ496と、チューブロール498を取り付ける取付体499と、灌水チューブ496を畝R1(圃場)へ案内するガイド部材500とを有する。
灌水チューブ496は、偏平状の長いチューブに、長手方向に間隔をおいて多数の灌水孔を穿孔して形成されて構成されている。この灌水チューブ496内に水を通し、この通した水を灌水孔から出すことにより畝R1(圃場)に植えられた作物に灌水する。
図34に示すように、灌水チューブ496をロール状に巻回することでチューブロール498が形成される。灌水チューブ496は、筒状のロール芯501に巻回される。詳しくは、灌水チューブ496は、ロール芯501の軸心方向の一端から他端に向けてロール芯501に順次巻き付けられる。また、灌水チューブ496は、ロール芯501の他端まで巻かれると折り返して他端から一端に向けて巻き付けられる。このようにして、灌水チューブ496は、ロール芯501に、複数層(多数層)巻回されている。即ち、チューブロール498は、ロール芯501に灌水チューブ496を複数層(多数層)巻回して形成されている。
図32に示すように、この灌水チューブ496は、チューブロール498から巻き出されて、畝R1(圃場)に敷設される。また、灌水チューブ496は、幅方向K2で隣接する植付具137の間に対応する位置(隣接する2条の苗N1の条間)に敷設される。
図3に示すように、チューブロール498は、第1植付装置68Aに対応する第1チューブロール498Rと、第2植付装置68Bに対応する第2チューブロール498Lとを含む。したがって、灌水チューブ496は、第1の畝R11に敷設される第1灌水チューブ496Rと、第2の畝R12に敷設される第2灌水チューブ496Lとを含む(図32参照)。言い換えると、第1灌水チューブ496Rは、第1チューブロール498Rを形成し、第2灌水チューブ496Lは、第2チューブロール498Lを形成する。
図32に示すように、取付体499は、第1チューブロール498Rを取り付ける第1取付体499Rと、第2チューブロール498Lを取り付ける第2取付体499Lとを含む。第1取付体499Rは、第1チューブロール498Rが支持される第1ロール支持体502Rと、第1ロール支持体502Rをサポートアーム13Rに取り付ける第1装着体503Rとを有する。第2取付体499Lは、第2チューブロール498Lが支持される第2ロール支持体502Lと、第2ロール支持体502Lをサポートアーム13Lに取り付ける第2装着体503Lとを有する。
図33、図34に示すように、第1ロール支持体502R及び第1チューブロール498R(チューブロール)は、ロータリ耕耘機2(対地作業機)の上方に配置されている。また、第1ロール支持体502R及び第1チューブロール498R(チューブロール)は、第1前方椅子(前方椅子)231Rの前方で且つサポートアーム13Rの上方に位置する。
第2ロール支持体502L及び第2チューブロール498L(チューブロール)は、ロータリ耕耘機2(対地作業機)の上方に配置されている。また、第2ロール支持体502L及び第2チューブロール498L(チューブロール)は、第2前方椅子(前方椅子)231Lの前方で且つサポートアーム13Lの上方に位置する。
第1取付体499R(第1ロール支持体502R及び第1装着体503R)と、第2取付体499L(第2ロール支持体502L及び第2装着体503L)とは、移植作業機4の幅方向K2の中心を通り且つ前後方向K1に沿う鉛直面に対して対称に形成されているので、以下、第1取付体499Rについて説明し、第2取付体499Lについては、説明を省略する。
図33、図34に示すように、第1ロール支持体502Rは、第1フランジ504Aと、第2フランジ504Bと、ロール軸505とを有する。第1フランジ504A及び第2フランジ504Bは円形の板材によって形成されている。第1フランジ504Aと第2フランジ504Bとは、幅方向K2で間隔をあけて対向状に配置されている。第1フランジ504Aの幅方向内方K4に第2フランジ504Bが配置されている。第1フランジ504Aの側面であって、第2フランジ504Bとは反対側の側面の中心部には、軸固定部506Aが設けられている。第2フランジ504Bの側面であって、第1フランジ504Aとは反対側の側面の中心部には、軸固定部506Bが設けられている。
ロール軸505は、軸固定部506A、第1フランジ504A、第2フランジ504B、軸固定部506Bを貫通していて、幅方向K2に延伸する軸心を有する。また、ロール軸505は、ボルト507Aによって軸固定部506Aに固定され、ボルト507Bによって軸固定部506Bに固定されている。ロール軸505は、軸固定部506A,506Bから外方に突出しており、ボルト507A,507Bを緩めることにより、第1フランジ504Aと第2フランジ504Bとの位置をロール軸505に沿って調整可能である。言い換えると、第1フランジ504Aと第2フランジ504Bとの間隔を調整可能である。
第1フランジ504Aをロール軸505から取り外すと、第1チューブロール498Rのロール芯501をロール軸505の外周に幅方向外方K3から同心状に嵌めることができる。第1フランジ504Aをロール軸505に取り付けることにより、第1チューブロール498Rが第1フランジ504Aと第2フランジ504Bとで挟持可能である。これにより、第1チューブロール498Rを第1ロール支持体502Rに装着することができる。また、第1ロール支持体502Rは、第1装着体503Rに幅方向K2の軸心回りに回転自在に支持されている。即ち、チューブロール498は、ロータリ耕耘機2(対地作業機)の上方に幅方向K2に延伸する軸心回りに回転自在に設けられる。
なお、灌水チューブ496は、第1フランジ504Aと第2フランジ504Bとの間においてロール軸505に巻き取られていてもよい。
図33、図34に示すように、第1装着体503Rは、第1ロール支持体502Rの幅方向内方K4に配置されている。第1装着体503Rは、支柱部材508と、ブラケットアーム509と、連結板510A,51Bと、取付基板511と、装着部材512とを有する。
支柱部材508は、第1ロール支持体502Rの幅方向内方K4に上下方向に延伸するように配置されている。支柱部材508の上部にロール軸505の幅方向内方K4側の端部が軸心回りに回転自在に支持されている。また、ロール軸505は、支柱部材508の上部に幅方向K2移動不能に抜止めされている。
ブラケットアーム509は、ロール軸505の幅方向内方K4側の下方で且つサポートアーム13Rの上方側に、幅方向K2に延伸して配置されている。ブラケットアーム509の幅方向内方K4側の端部に支柱部材508の下端が固定されている。ブラケットアーム509の幅方向外方K3側は、連結板510A,51Bによって取付基板511に固定されている。
取付基板511は、サポートアーム13Rの上方に配置されている。装着部材512は、サポートアーム13Rの前部から下方を経て後部に至るように湾曲状に形成されている。また、装着部材512は、上方に開放する湾曲形状である。装着部材512の前後の上部が取付基板511にボルト固定されている。取付基板511と装着部材512とによってサポートアーム13Rを挟み込むことにより、第1装着体503Rがサポートアーム13Rに取り付けられている。
図32、図33に示すように、灌水チューブ敷設装置497は、チューブロール498から巻き出された灌水チューブ496を畝R1(圃場)へ案内するガイド部材500を備えている。ガイド部材500は、灌水チューブ496を幅方向K2で隣接する植付具137の間に対応する位置に案内する。即ち、灌水チューブ496を隣接する2条の苗N1の条間に敷設される。
図32に示すように、ガイド部材は、第1ロール支持体502R(第1チューブロール498R)の後方側に位置していて第1灌水チューブ496を案内する第1ガイド部材500Rと、第2ロール支持体502L(第2チューブロール498L)の後方側に位置していて第2灌水チューブ496を案内する第2ガイド部材500Lとを含む。
図33に示すように、ガイド部材(第1ガイド部材500R及び第2ガイド部材500L)は、後部カバー19Bの上方に配置されている。
図33、図34に示すように、ガイド部材(第1ガイド部材500R及び第2ガイド部材500L)は、両端開口状の筒状に形成されている。
第1ガイド部材500Rは、第1チューブロール498R(第1ロール支持体502R)から巻き出される第1灌水チューブ496を案内する。また、第1ガイド部材500R(ガイド部材)は、第1前方椅子(前方椅子)231Rの下方に設けられている。また、第1ガイド部材500R(ガイド部材)は、第1チューブロール498R(チューブロール)から畝R1(圃場)に向けて、後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に配置されている。
第2ガイド部材500Lは、第2チューブロール498L(第2ロール支持体502L)から巻き出される第2灌水チューブ496を案内する。また、第2ガイド部材500L(ガイド部材)は、第2前方椅子(前方椅子)231Lの下方に設けられている。また、第2ガイド部材(ガイド部材)500Lは、第2チューブロール498L(チューブロール)から畝R1(圃場)に向けて、後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に配置されている。
第1ガイド部材500Rと第2ガイド部材500Lとは、同様の構成であるので、以下、第1ガイド部材500Rについて説明し、第2ガイド部材500Lについては、説明を省略する。
図33、図34に示すように、第1ガイド部材500Rは、上部の挿入部513と、挿入部513の下端から第1ガイド部材500Rの下端までを構成するガイド本体514とを有する。挿入部513の上端は、第1ロール支持体502Rの下部(第1チューブロール498Rの下部)に向けて開口している。この挿入部513の上端部側は、第1灌水チューブ496が挿入される挿入口515である。
挿入部513は、第1側壁513aと、第2側壁513bと、上壁513cと、下壁513dとを有する。第1側壁513aと第2側壁513bとは幅方向K2で間隔をあけて対向状に配置されている。また、第1側壁513aと第2側壁513bとは、ガイド本体514の上端から第1ロール支持体502Rに向けて漸次拡開するテーパ状に形成されている。これにより、挿入口515は、幅方向K2に広幅に形成されている。上壁513cは、ガイド本体514の上端から第1ロール支持体502Rに向かうに従って下壁513dから離れる方向に移行する傾斜状に形成されている。挿入部513の下端は開口状とされていてガイド本体514の内部に連通している。
灌水チューブ496がチューブロール498から巻き出される際、灌水チューブ496の巻き出し位置は、ロール軸505の軸心方向に移動するが、挿入部513の第1側壁513aと第2側壁513bの間がロール支持体502及びチューブロール498に向かうに従って拡開状とされているので、灌水チューブ496の巻き出し位置が幅方向K2に移動しても、チューブロール498から巻き出される灌水チューブ496をスムーズにガイド部材500内に挿入することができる。また、灌水チューブ496がチューブロール498から巻き出されていくと、チューブロール498の径は小さくなっていく。すると、灌水チューブ496の巻き出し位置が上壁513cに近づいていくが、上壁513cが、ロール支持体502及びチューブロール498に向かうに従って下壁513dから離れる方向に移行する傾斜状であるので、灌水チューブ496がチューブロール498から巻き出されていくことによって灌水チューブ496の巻き出し位置が上壁513cに近づいても灌水チューブ496が上壁513cに接触するのを防止することができる。
図33、図34に示すように、挿入口515の下部側には、幅方向K2に延伸する第1ガイドピン(ガイドピン)516が設けられている。第1ガイドピン516は、第1側壁513aと第2側壁513bとにわたって設けられ、第1側壁513a及び第2側壁513bに、幅方向K2に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。ガイド部材500内に挿入される灌水チューブ496が第1ガイドピン516に当接することにより、灌水チューブ496を傷つけることなく第1ガイド部材500R内にスムーズに挿入することができる。なお、ガイド部材500の挿入口515を構成する縁部壁をエッジのない滑らかな形状にすることにより、第1ガイドピン516は省略することができる。
図33、図34に示すように、ガイド本体514は、挿入部513の下端の開口縁部と同じ断面形状で且つ両端開口状の四角筒状に形成されている。ガイド本体514の下壁514aの延長上に挿入部513の下壁513dが形成されている。ガイド本体514の下端部側は、第1灌水チューブ496を挿出する挿出口519である。挿出口519には、幅方向K2に延伸する第2ガイドピン(ガイドピン)517が設けられている。第2ガイドピン517は、挿出口519の上部に配置され、ガイド本体514の一側壁514bと他側壁514cとに軸心回りに回転自在に支持されている。ガイド部材500内から挿出される灌水チューブ496が第2ガイドピン517に当接することにより、灌水チューブ496を傷つけることなくガイド部材500内からスムーズに送り出すことができる。
第1ガイド部材500R(ガイド部材)は、後部カバー19Bに支持されている。第1ガイド部材500Rは、上部が支持ステー520を介して後部カバー19Bに枢支されている。支持ステー520は、ガイド本体514の上面に固定されている。また、支持ステー520は、弾圧装置20の下部側を支持する支持ブラケット521に枢軸520aを介して横軸心回りに回転自在に枢支されている。支持ブラケット521は、後部カバー19Bの背面(上面)に固定されている。
図33に示すように、第1ガイド部材500R(ガイド部材)の下部には、畝R1(圃場)の上面に接地する接地部材518が設けられている。接地部材518は、第1ガイド部材500Rの下端部の下面に固定される固定部518aと、畝R1(圃場)の上面に接地する湾曲状の接地面を有する接地部518bとを有する。
灌水チューブ敷設装置497は、本実施形態では、4条植えであるので、チューブロール498と、ロール取付体499と、ガイド部材500との組を2組設けているが、例えば、2条植えの場合は1組、6条植えの場合は3組というように、植え付ける苗の条数に応じて設けられる。
灌水チューブ敷設装置497にあっては、以下のようにして、灌水チューブ496が畝R1(圃場に)敷設される。
先ず、灌水チューブ496は、移植作業機4を走行させる前に、一端(巻き出し側の端部)が圃場に固定される。この一端を圃場に固定した状態で、移植作業機4を走行させる。すると、灌水チューブ496に引っ張られてチューブロール498及びロール支持体502が一体回転(又はロール支持体502に対してチューブロール498がロール軸505回りに回転)する。すると、灌水チューブ496がチューブロール498から巻き出されて移植作業機4によって形成された畝R1に敷設される。
なお、移植作業機4は、移植機3の前部に、畝R1(圃場)に敷設される灌水チューブ496の上方から畝R1(圃場)を被覆するマルチフィルムを敷設するマルチフィルム敷設装置を備えていてもよい。
図32に示すように、後枠30の中央の横枠材34Cは、筒状の第1枠材522Rと、第1枠材522に挿通された第2枠材523とを有する。第1枠材522は、接続杆202R及び接続杆202Lの後端に固定されている。第2枠材423は、第1枠材522に幅方向K2に位置調整可能に固定されている。
図35、図36に示すように、第1枠材522(支持枠26)には、取付具524を介して支持部材525が取り付けられている。支持枠26は機枠11に支持されている。即ち、支持部材525は、機枠11に支持されている。
取付具524は、上板524aと、下板524bと、上板524aと下板524bとを締結する締結具524cとを有する。上板524aは、矩形状の板で形成され、第1枠材522の上面に配置されている。下板524bは、矩形状の板で形成され、第1枠材522の下面に配置されている。締結具524cは、上板524a及び下板524bの四隅に設けられていて上板524a及び下板524bに挿通されたボルトと、ボルトに螺合されるナットとを有する。
支持部材525は、四角柱状の筒材で形成されている。支持部材525は、上端が下板524bに固定されていて、下板524bから下方に突出している。支持部材525には、下方から支柱部材526が挿入されている。支柱部材526は、支持部材525にピン528及びボルト529によって高さ調整可能(上下位置調整可能)に固定されている。支柱部材526の下端には、取付枠527の後部が固定されている。取付枠527の前部には、中央培土器23Cが設けられている。これによって、支柱部材526に中央培土器23Cが取り付けられている。
図35、図36に示すように、支持部材525には、支持アーム530が上下に揺動可能に支持されている。支持アーム530の前部は、支持部材525の下部に固定された取付片531に枢軸532を介して横軸(幅方向K2に延伸する軸心)回りに回転自在に支持されている。支持アーム530の後部には、車輪枠533が設けられ、この車輪枠533に鎮圧輪534が横軸心回りに回転自在に取り付けられている。
この鎮圧輪534は、中央培土器23Cの後方に位置し、中央培土器23Cで形成された畝間溝535(第1の畝R11と第2の畝R12との間の溝)の底部535aを転動し、該底部535aを鎮圧する。本実施形態では、鎮圧輪534は、タイヤで形成されている。
図36に示すように、鎮圧輪534は、一の植付具及び他の植付具と側面視でオーバーラップしている。一の植付具は、第1の畝R11に苗N1を植え付ける第1植付具137AL及び第2植付具137ARである。他の植付具は、第2の畝R12に苗N1を植え付ける第1植付具137BL及び第2植付具137BRである。
図36に示すように、移植作業機4は、支持アーム530を下方に付勢して鎮圧輪534を畝間溝535の底部535aに向けて弾圧する弾圧装置536を備えている。弾圧装置536は、支持部材525に固定された枠体(取付体)537と支持アーム530との間に設けられている。枠体537は、支持部材525の上部から後方に突出する下枠材537aと、下枠材537aの後部から上方に突出する縦枠材537bと、縦枠材537bの上部に設けられた支持片537cとを有する。下枠材537aは、ステップ542(前方椅子231L,231Rに着座する作業者の足置き台)の下方に位置し、ステップ542から後方に突出している。
弾圧装置536は、回転部材538と、縦杆539と、付勢部材540とを有する。回転部材538は、支持片537cに横軸心回りに回転自在に設けられている。縦杆539の上部は、回転部材538に挿通されている。縦杆539は、回転部材538に対して軸心方向移動自在(上下)である。縦杆539の下部は、車輪枠533に固定された取付片541に横軸心回りに回転自在に枢支されている。
付勢部材540は、コイルスプリングによって形成され、縦杆539の外周に軸心方向に相対移動可能に嵌められている。縦杆539の上部には、回転部材538と付勢部材540との間に位置する上バネ受け部材543が軸心方向に移動自在に嵌められている。縦杆539の下部には、取付片541と付勢部材540との間に位置する下バネ受け部材544が軸心方向に移動自在に嵌められている。また、縦杆539の下部には、位置決めピン545が挿通されている。位置決めピン545は、下バネ受け部材544の下側に位置している。また、位置決めピン545は、縦杆539の軸心方向(上下方向)に位置調整可能とされている。位置決めピン545の位置を調整して、付勢部材540を、位置決めピン545と回転部材538との間で圧縮することにより、鎮圧輪534が下方に付勢され、畝間溝535の底部535aに押し付けられる。また、位置決めピン545の位置を調整することにより、付勢部材540の付勢力を調整することができる。
なお、鎮圧輪534は支持アーム530に取り付けられていなくてもよく(上下動自在でなくてもよく)、支柱部材526に固定の部材に上下動不能に取り付けられていてもよい。この場合、鎮圧輪534の下端は、中央培土器23Cの下端と同じ高さ、又は、中央培土器23Cの下端よりも下方に位置するように取り付けられるのがよい。
移植作業機4は、車体6を有するトラクタ1と、トラクタ1に装着されていて、圃場に苗N1を植え付ける植付具137を有する移植機3と、車体6の一側方に設けられた第1枠材413Rと、車体6の他側方に設けられた第2枠材413Lと、第1枠材413R及び第2枠材413Lに設けられ且つ車体6側から前方に突出する搭載部412を有する取付フレーム409と、移植機3に関連する部材又は機器であって、搭載部412に搭載される移植関連体(灌水タンクT1)と、を備えている。
この構成によれば、車体6の一側方に設けた第1枠材413Rと、車体6の他側方に設けた第2枠材413Lとによって取付フレーム409の支持強度を向上させることができる。これによって、車体6から前方に突出する搭載部412に搭載された移植関連体を取付フレームでしっかりと支持することができる。ひいては、車体6から前方に突出する搭載部412に重量物を搭載することができる。
また、移植作業機4は、第1枠材413R及び第2枠材413Lを車体6に取付ける第1取付部410と、第1枠材413R及び第2枠材413Lを車体6に取付ける取付部であって第1取付部410よりも後方に位置する第2取付部411と、を備えている。
これによると、第1枠材413R及び第2枠材413Lを、前後に離れた第1取付部410と第2取付部411によって車体6に取り付けることにより、取付フレーム409の支持強度を向上させることができる。
また、車体6は、原動機E1と、原動機E1から前方に突出する前車軸フレーム401と、原動機E1の後方に連結されたクラッチハウジング402と、クラッチハウジング402の後方に連結されたミッションケース403とを有し、第1取付部410は、第1枠材413Rを前車軸フレーム401側に取り付ける第1前取付部410Rと、第2枠材413Lの前部を前車軸フレーム401側に取り付ける第2前取付部410Lとを含み、第2取付部411は、第1枠材413Rの後部をクラッチハウジング402又はミッションケース403に取り付ける第1後取付部411Lと、第2枠材413Lの後部をクラッチハウジング402又はミッションケース403に取り付ける第2後取付部411Rとを含む。
これによると、取付フレーム409をトラクタ1の車体6に強固に支持することができ、取付フレーム409の支持強度を向上させることができる。
また、搭載部412は、第1枠材413Rの前部であって車体6から前方に突出する第1部位412aと、第2枠材413Lの前部であって車体6から前方に突出する第2部位412bと、第1部位412aと第2部位412bの前部同士を連結する第3部位412cと、第1部位412aと第2部位412bの後部同士を連結する第4部位412dとを有する。
これによると、搭載部412を強固に形成することができ、搭載部412に重量物を搭載することができる。
また、移植関連体は、植付具137で植え付けられる苗に供給される液体を貯留するタンク(灌水タンクT1)である。
本実施形態では、取付フレーム409の支持強度を向上させることができるので、容量の大きいタンクT1を搭載しても、液体を貯留した状態のタンクT1を十分に支持することができる。言い換えれば、タンクT1の容量を大きくすることができる。
また、移植作業機4は、間欠的に駆動されて、タンクT1内の液体を植付具137へ送液するポンプ(灌水ポンプ432)と、ポンプ432と植付具137との間の液体流通路に設けられていて、ポンプ432の駆動時に該ポンプ432によって送液される液体の圧力によって開き、ポンプ432の停止時に閉じて液体の流通を遮断する逆止弁434と、を備えている。
これによると、ポンプ432を間欠的に駆動するので、無駄な動力の消費の抑制を図ることができ、ポンプ432にかかる負荷を軽減することができる。また、ポンプ432によって送液される液体の圧力によって逆止弁434を開いて、植付具137へ液体を送液するので、タンクT1内の液体を植付具137へ送る機構を簡単に構成することができる。
また、タンクT1は、貯留した液体をポンプ432へ送り出す送出口436を有し、送出口436は、逆止弁434よりも高い位置に位置するのがよい。
これによると、タンクT1から逆止弁434に至る液体の流通路は常に液体で満たされている。したがって、ポンプ432を駆動すると直ぐに逆止弁434が開いて植付具137へ送液することができ、応答性がよい。
また、取付フレーム409の前部に設けられていて、移植関連体の前方に位置する前照灯426L,426Rを備えているのがよい。
移植関連体(灌水タンクT1)をトラクタ1の前方に搭載すると、移植関連体が邪魔になってトラクタ1に装備された前照灯で前方を照らせなくなる。しかし、取付フレーム409の前部に前照灯426L,426Rを設けることにより、移植関連体を搭載しても、当該前照灯426L,426Rによってトラクタ1の前方を照らすことができる。
また、移植関連体を搭載部412に押し付けて固定するバンド416L,416Rと、バンド416L,416Rの一端側を取付フレーム409に固定状に取り付ける第1取付具420Rと、移植関連体を搭載部412に押し付けるように、該バンド416L,416Rの他端側を取付フレーム409に対して移動可能に取り付ける第2取付具422Rと、を備えているのがよい。
これによると、バンド416L,416Rによって、移植関連体をしっかりと固定することができると共に、移植関連体を簡単に脱着することができる。
また、第1枠体537又は第2枠体537に取付けられ且つ、移植関連体と移植機3とを接続する接続具(サクションホース431)を備えている。
接続具を第1枠体537又は第2枠体537に取り付けることにより、接続具を第1枠体537又は第2枠体537に沿って配設することができる。
また、移植作業機4は、上下に往復移動し且つ下降時に圃場に突入して苗を植え付ける少なくとも1つの植付具137と、液体を植付具137へ送液して苗に供給するポンプ(灌水ポンプ432)であって、植付具137が上死点位置G1から下死点位置G2を経て上死点位置G1に戻るまでの間の移動期間462のうちの一部の期間である供給期間463において送液を行うべく駆動され、且つ移動期間462のうち供給期間463以外の期間である停止期間464では駆動が停止されるポンプ432と、を備えている。
これによると、ポンプを効率よく動かしてエネルギー効率を向上させることができる移植作業機を提供することができる。例えば、苗の植付け作業中において、苗への液体の供給が必要なときにポンプ432を駆動し、苗への液体の供給が不要なときはポンプ432は駆動されないので、無駄な動力の消費の抑制を図ることができる。また、苗を植え付けた箇所以外に供給される(灌水される)不要な液体(水)をなくすことができる。また、ポンプ432は常時駆動されないので、ポンプ432にかかる負荷を軽減することができる。これによって、ポンプ432の早期の劣化を防止することができ、ひいては、ポンプ432の寿命を延ばすことができる。
なお、ポンプ432は、移植機3の動力源(電動モータ71)の動力を伝動して駆動される機械式のポンプ432であってもよいし、電気で駆動される電動式のポンプであってもよいし、油圧で駆動される油圧駆動式のポンプであってもよい。
また、ポンプ432は、植付具137の下降時に駆動されて送液を行い、且つ植付具137が下死点位置G2又は下死点位置G2の近傍に位置した際に駆動が停止されるのがよい。
植付具137の下降の際には、植付具137、支持体138及び昇降装置139の自重が植付具137の下降に作用する。したがって、植付具137の下降時にポンプ432を駆動することにより、植付具137の下降の力を利用してポンプ432を駆動することができる。言い換えると、電動モータ71がポンプ432を駆動する力を軽減することができる。
したがって、ポンプ432は、植付具137が下死点位置G2に位置する前に駆動が停止されるのがよい。
また、ポンプ432の駆動を停止させる停止時期を調整するタイミング調整部449を備えているのがよい。これによると、ポンプ432を所望の停止時期で停止させることができる。
また、移植作業機4が、植付具137を駆動する動力源と、動力源の動力をポンプ432に伝達する動力伝達系統448とを備えている場合は、タイミング調整部449は、動力伝達系統448に設けられる。また、電動式のポンプの場合は、ポンプを電気的に制御する制御装置にタイミング調整部が組み込まれる。油圧式のポンプの場合は、ポンプを制御する制御弁を切り換える制御を行う制御装置にタイミング調整部が組み込まれる。
また、タイミング調整部449は、動力源からの回転動力が伝達される駆動部材456と、駆動部材456に対して回転方向の相対位置を調整可能に連結された部材であって、駆動部材456からの回転動力をポンプ432側に伝達する従動部材457とを有するのがよい。
これによると、ポンプ432の駆動を停止させる停止時期を簡単に調整することができる。
また、動力伝達系統448は、動力源の動力をポンプ432に間欠的に伝達して、移動期間462におけるポンプ432の駆動及び駆動の停止を行わせる間欠機構480と、動力源からポンプ432への動力伝達を断続するクラッチ機構479であって、間欠機構480による動力伝達を行わせる接続状態と、間欠機構480による動力伝達を切断し且つ該切断を保持する切断状態とに切換可能なクラッチ機構479とを有するのがよい。
これによると、液体の供給(灌水)が不要な圃場の場合や、植付具137の動作を確認したい場合などにおいて、間欠機構480によるポンプ432の駆動をクラッチ機構479によって停止させることができ、不要な動力を消費するのを防止することができる。
また、クラッチ機構479は、駆動回転体483と、駆動回転体483の動力伝達方向の下流側に位置する回転体であって、タイミング調整部449の調整範囲において駆動回転体483に対して回転方向の1つの位置で噛み合う従動回転体484とを有するのがよい。
これによると、クラッチ機構479を切断した後に、クラッチ機構479を接続する場合に、タイミング調整部449で調整したタイミングを狂わせることがない。
また、移植作業機4は、ポンプ(灌水ポンプ432)と植付具137との間の液体流通路に設けられていて、ポンプ432の駆動時に該ポンプ432によって送液される液体の圧力によって開き、ポンプ432の停止時に閉じて液体の流通を遮断する逆止弁434を備えている。
これによると、液体供給装置(灌水装置430)の構造の簡素化を図ることができる。
また、植付具137は複数設けられ、ポンプ(灌水ポンプ432)は、全部の植付具137に対して送液する単一のポンプ432で構成されているのがよい。ポンプ432を複数設ける場合に比べて、駆動力の削減を図ることができ、また、構成の簡素化を図ることができる。
移植作業機4は、圃場に苗を植え付ける植付装置68A,68Bと、植付装置68A,68Bが設けられた移植フレーム69A,69Bと、移植フレーム69Aに設けられた動力源(電動モータ71)と、動力源からの動力が伝達され且つ植付装置68A,68Bを駆動する植付駆動軸108と、植付駆動軸108の中途部から動力を取り出す動力取出部109と、動力取出部109からの動力が伝達される出力軸261と、出力軸261からの動力を伝達する動力伝達系統448と、動力伝達系統448からの動力によって駆動されて、苗に供給される液体を吐出するポンプ(灌水ポンプ432)と、を備えている。
この構成によれば、植付装置68A,68Bを駆動する植付駆動軸108の中途部から動力を取り出してポンプ432へと動力が伝達される。これにより、移植機3の幅方向K2の外端側に突出部分が形成されることがなく、移植機3のコンパクト化が図れる。
また、移植フレーム69Aに設けられた動力源から植付装置68A,68B及びポンプ432に動力を伝達するので、動力源から植付装置68A,68B及びポンプ432へ動力を伝達する動力伝達系の簡素化を図ることができる。
また、移植作業機4は、植付装置68Bに苗を供給する苗供給装置72Bと、出力軸261からの動力を苗供給装置72Bに伝達する動力伝達部259Bと、を備えている。
これによると、出力軸261を、苗供給装置72Bに動力を伝達する軸と、ポンプ432へ動力を伝達する軸とに共用でき、構造の簡素化を図ることができる。
また、植付装置は、第1植付装置68Aと、第1植付装置68Aとは異なる第2植付装置68Bとを含み、移植フレームは、動力源及び第1植付装置68Aが設けられた第1移植フレーム69Aと、ポンプ432及び第2植付装置68Bが設けられた第2移植フレーム69Bとを含むのがよい。
これによると、移植作業機4の幅方向K2の重量バランスを良好なものにすることができる。
また、植付装置は、第1植付装置68Aと、第1植付装置68Aとは異なる第2植付装置68Bとを含み、移植フレームは、第1植付装置68Aが設けられた第1移植フレーム69Aと、第1移植フレーム69Aに対して幅方向K2に間隔をあけて設けられていて第2植付装置68Bが設けられた第2移植フレーム69Bとを含み、植付駆動軸108は、第1移植フレーム69A及び第2移植フレーム69Bにわたって設けられ、第1植付装置68Aを駆動し且つ第2植付装置68Bを駆動するのがよい。
これによると、第1植付装置68A及び第2植付装置68Bへの動力伝達系の構造の簡素化を図ることができる。
また、動力伝達系統448は、動力源からの動力を変速してポンプ(灌水ポンプ432)に伝達可能な変速機構481を有するのがよい。
これによると、変速機構481によって、ポンプ432の吐出量を変更することができると共に、ポンプ432に伝達される動力を変速することにより、ポンプ432の吐出量を簡単に変更することができる。また、苗に対する液体の供給量を、苗に合わせた供給量に調整することが簡単にすることができる。
また、変速機構481は、出力軸467からの動力が伝達され且つ交換可能な第1ギヤ491と、第1ギヤ491に噛合してポンプ432に動力を伝達し且つ交換可能な第2ギヤ492とを有するのがよい。
これによると、ギヤの交換により簡単に変速することができる。また、コンパクトに構成することができると共に、構造の簡素化を図ることができる。
また、動力伝達系統448は、ポンプ432に出力軸467からの動力を間欠的に伝達する間欠機構480を備え、変速機構481は、間欠機構480の動力伝達方向の下流側に設けられているのがよい。
これによると、間欠機構480による液体の供給時間(灌水時間)及び供給タイミング(灌水タイミング)を変えることなく、変速機構481によるポンプ432の吐出量(灌水量)を変更することができる。
また、間欠機構480を収容する第1収容部476の一部を構成する第1ケース構成体471と、第1ケース構成体471と協同して第1収容部476を形成する第2ケース構成体472と、第2ケース構成体472と協同して変速機構481を収容する第2収容部477を形成する蓋体473であって、第2収容部477を開放可能に塞ぐ蓋体473と、を備えているのがよい。
これによると、蓋体473を開けると第2収容部477を開放して変速機構481にアクセスすることができ、第1ケース構成体471と第2ケース構成体472とを相互に外すことなく、第1ギヤ491及び第2ギヤ492の交換をすることができる。
また、間欠機構480は、動力源からの動力が伝達される駆動ギヤ488と、駆動ギヤ488に間欠的に噛み合ってポンプ432を間欠的に駆動する従動ギヤ489とを有するのがよい。
これによると、間欠機構480を簡単に構成することができる。
また、植付装置は、植付駆動軸108からの動力によって上下に往復移動される植付具137を有し、動力伝達系統448は、植付具137が下降する際に動力を伝達してポンプ432を駆動し、植付具137が上昇する際に動力の伝達を止めてポンプ432の駆動を停止させるのがよい。
植付具137の下降の際には、植付具137、支持体138及び昇降装置139の自重が植付具137の下降に作用する。したがって、植付具137の下降時にポンプ432を駆動することにより、植付具137の下降の力を利用してポンプ432を駆動することができる。また、植付具137が下降する際にポンプ432を駆動し、植付具137が上昇する際にポンプ432の駆動を停止することにより、動力源がポンプ432を駆動する力を軽減することができる。
また、原動機E1を有する走行体1であって、移植フレーム69A,69Bが装着される走行体1を備えているのがよい。
これによると、植付装置68A,68B及びポンプ432の駆動は、走行体1の原動機E1を動力源としないので、動力伝達系の簡素化を図ることができる。
また、移植作業機4は、圃場に苗を植え付ける少なくとも1つの植付具137を有する移植機3と、回転自在なチューブロール498から巻き出されて圃場に敷設される灌水チューブ496を有する灌水チューブ敷設装置497と、を備えている。
これによると、苗の植付け作業と、灌水チューブ496の敷設作業とを、1つの機械で、一工程で行うことができ、作業効率を向上させることができる。
また、灌水チューブ敷設装置497は、チューブロール498から巻き出された灌水チューブ496を圃場へ案内するガイド部材500を備えているのがよい。
これによると、ガイド部材500により、灌水チューブ496をスムーズに圃場に案内することができる。
また、植付具137は、複数設けられ、ガイド部材500は、幅方向K2で隣接する植付具137の間に対応する位置に灌水チューブ496を敷設すべく案内する。
これによると、ガイド部材500により、隣接する2条の条間に灌水チューブ496を確実に敷設することができる。
また、移植作業機4は、移植機3の前方に配置されていて圃場に対して作業を行う対地作業機2を備え、チューブロール498は、対地作業機2の上方に幅方向K2に延伸する軸心回りに回転自在に設けられ、ガイド部材500は、チューブロール498側から圃場に向けて、後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に設けられている。
チューブロール498を対地作業機2の上方に配置しても、ガイド部材500により、灌水チューブ496を圃場(畝R1)にスムーズに案内することができる。
また、対地作業機2の上方で且つ移植機3の前方に設けられた前方椅子231L,231Rを備え、チューブロール498は、前方椅子231L,231Rの前側に設けられ、ガイド部材500は、前方椅子231L,231Rの下方に設けられているのがよい。
これによると、前方椅子231L,231Rの前方の空きスペースを利用してチューブロール498を配置することができると共に前方椅子231L,231Rの下方の空きスペースを利用してガイド部材500を配置することができる。これにより、移植作業機4にチューブロール498及びガイド部材500をコンパクトに組み込むことができる。
また、対地作業機2は、圃場を耕耘する耕耘部18と、上下に揺動自在であって且つ耕耘部で耕耘した土で畝R1の上面を形成する後部カバー19Bとを有し、ガイド部材500は、後部カバー19Bの上方に配置されて該後部カバー19Bに支持されているのがよい。
これによると、移植作業機4で形成される畝R1の上面に灌水チューブ496をガイド部材500によってスムーズに案内することができる。また、ガイド部材500を畝R1の上面に追従させることができる。
また、灌水チューブ敷設装置497は、ガイド部材500の上部を後部カバー19Bに枢支する支持ステー520と、ガイド部材500の下部に設けられていて、圃場の上面に接地する接地部材518とを有するのがよい。
これによると、ガイド部材500を畝R1の上面に良好に追従させることができる。
また、対地作業機2は、動力が入力されるギヤケース12と、ギヤケース12から幅方向K2に突出するサポートアーム13L,13Rを有し、灌水チューブ敷設装置497は、チューブロール498をサポートアーム13L,13Rに取り付ける取付体499を有するのがよい。
これによると、サポートアーム13L,13Rを利用してチューブロール498を取り付けることができ、取付構造の簡素化を図ることができる。
また、ガイド部材500は、灌水チューブ496が挿入される挿入口515であって幅方向K2に広幅の挿入口515と、挿入された灌水チューブ496を挿出する挿出口519と、挿出口519に設けられていて灌水チューブ496が当接する回転自在なガイドピン517とを有するのがよい。
これによると、広幅の挿入口515によってチューブロール498から巻き出される灌水チューブ496をスムーズにガイド部材500内に挿入することができる。また、ガイド部材500から送出される灌水チューブ496をガイドピン517によって圃場にスムーズに送り出すことができる。
また、移植機3の前部に設けられていて圃場に敷設された灌水チューブ496の上方からマルチフィルムを敷設するマルチフィルム敷設装置を備えていてもよい。
これによると、苗の植付け作業と、灌水チューブ496の敷設作業と、マルチフィルムの敷設作業とを、1つの機械で、一工程で行うことができ、作業効率を向上させることができる。
また、隣接する2つの植付具137に対応する位置に敷設される1本の灌水チューブ496と、該灌水チューブ496が巻き出される1つのチューブロール498との組を複数備えているのがよい。
これによると、2条の苗の条間に灌水チューブ496を敷設する灌水チューブ敷設装置497を、他条植えの移植作業機4に良好に対応させることができる。
移植作業機4は、機枠11と、機枠11の後方の一側部に設けられた第1側部培土器23Rと、機枠11の後方の他側部に設けられた第2側部培土器23Lと、第1側部培土器23Rと第2側部培土器23Lとの間に設けられていて、第1側部培土器23Rと協同して第1の畝R11を形成し且つ第2側部培土器23Lと協同して第2の畝R12を形成する中央培土器23Cと、機枠11の後方に装着されていて、第1の畝R11に苗を植え付ける第1植付装置68Aと、機枠11の後方に装着されていて、第2の畝R12に苗を植え付ける第2植付装置68Bと、を備えている。
これによると、畝R1の形成作業と、苗の植付け作業とを、1つの機械で、一工程で行うことができ、作業効率を向上させることができる。
また、中央培土器23Cの後方に設けれられていて、第1の畝R11と第2の畝R12との間の畝間溝535の底部535aを鎮圧する鎮圧輪534を備えているのがよい。
中央培土器23Cで形成した畝間溝535に土が崩れてきて、該畝間溝535が埋まってしまうと、雨が降ったときの排水が困難になる。また、土崩れにより、所定の溝深さより浅く(所定の畝高さより低く)なってしまう。鎮圧輪534によって、作成された畝間溝535の底部535aを鎮圧することにより、畝間溝535の底部535aをきれいに仕上げることができ、排水性を向上させることができる。また、崩れてきた土を押圧することにより、畝間溝535を所定の溝深さに形成することができる。
また、鎮圧輪534を底部535aに向けて弾圧する弾圧装置536を備えているのがよい。
これによると、鎮圧輪534による畝間溝535の底部535aの鎮圧を良好に行うことができる。
また、移植作業機4は、機枠11に支持された支持部材525と、支持部材525に高さ調整可能に支持されていて、中央培土器23Cが取り付けられた支柱部材526と、支持部材525に上下に揺動可能に支持されていて鎮圧輪534が取り付けられた支持アーム530であって、弾圧装置536によって下方に付勢される支持アーム530と、を備えているのがよい。
これによると、鎮圧輪534が上下に揺動するので、鎮圧輪534を固定している場合に比べて、鎮圧輪534を支持する部材への土の堆積が少なくなる。また、土崩れの多少に対応することができる。また、中央培土器23Cの高さを調整しても、対応することができる。
また、移植作業機4は、機枠11と、圃場を耕耘する耕耘部18と、上下に揺動自在であって且つ耕耘部18で耕耘した土で畝R1の上面を形成する後部カバー19Bとを有する対地作業機2と、機枠11に高さ調整可能に支持された支持枠26と、支持枠26に設けられたゲージ輪27L,27Rと、を備え、第1側部培土器23R、第2側部培土器23L及び中央培土器23Cは、支持枠26に取り付けられているのがよい。
これによると、耕耘と畝R1の形成とを1つの機械で、一工程で行える。また、支持枠26の高さを調整して対地作業機2の高さ位置を変更することにより耕耘深さを調整しても、第1側部培土器23R、第2側部培土器23L及び中央培土器23Cとゲージ輪27L,27Rとの高さ関係は変わらないので、第1側部培土器23R、第2側部培土器23L及び中央培土器23Cの高さ調整が不要である。
また、第1植付装置68Aの側方であって、第2植付装置68Bとは反対側の側方に配置された第1側方椅子42Rと、第2植付装置68Bの側方であって、第1植付装置68Aとは反対側の側方に配置された第2側方椅子42Lと、第1側部培土器23Rの後方に位置し且つ第1側方椅子42Rを支持する第1後支持輪213Rと、第2側部培土器23Lの後方に位置し且つ第2側方椅子42Lを支持する第2後支持輪213Lと、備えているのがよい。
これによると、第1側部培土器23Rの後方に位置する第1後支持輪213Rに第1側方椅子42Rに着座した作業者の重量がかかる。これにより、第1側部培土器23Rで形成される溝の底部が第1後支持輪213Rによって鎮圧される。また、第2側部培土器23Lの後方に位置する第2後支持輪213Lに第2側方椅子42Lに着座した作業者の重量がかかる。これにより、第2側部培土器23Lで形成される溝の底部が第2後支持輪213Lによって鎮圧される。
第1後支持輪213Rによって第1側部培土器23Rで形成される溝の底部が鎮圧され、且つ第2後支持輪213Lによって第2側部培土器23Lで形成される溝の底部が鎮圧されるので、別途、鎮圧輪534を設ける必要がなく、部材の兼用化を図ることができる。
また、第1植付装置68Aは、第1の畝R11に苗を植え付ける一の植付具137AL,137ARを有し、第2植付装置68Bは、第2の畝R12に苗を植え付ける他の植付具137BL,137BRを有し、鎮圧輪534は、一の植付具137AL,137AR及び他の植付具137BL,137BRと側面視でオーバーラップしているのがよい。
植付具で畝R1に苗を植え付けた際に、畝R1が土崩れを生じても、鎮圧輪534で押さえているので、畝間溝535が浅くなるのを防止することができる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。