JP2015043730A - 播種育苗方法 - Google Patents

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利弘 佛田
和徳 澤本
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和徳 澤本
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Hironori Hirai
宏典 平井
浩司 伊勢村
Koji Isemura
浩司 伊勢村
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Abstract

【課題】苗植え作業において、株間変速装置で株間を変更しなくても(疎植とは別の視点で)、収量の確保、育苗コストの低減並びに育苗・苗運び作業の労力軽減を図る。
【解決手段】本願発明の播種育苗方法は、育苗箱200内に収容した培地材202に種子203を播種して育苗し、苗205の根張りによって前記育苗箱200内に苗マット207を形成する播種育苗方法において、前記培地材202表面を露出させない程度に覆い尽くすように、前記培地材202表面に種子203を均一に敷き詰め、乳苗と稚苗との間の苗丈まで育苗する。
【選択図】図3

Description

本願発明は、育苗箱内に収容した培地材に種子を播種して育苗し、苗の根張りによって育苗箱内に苗マットを形成する播種育苗方法に関するものである。
従来、圃場への苗植え作業に用いられる田植機においては、走行機体の後部に、苗載台及び植付爪付きの移植機構を有する苗植付装置を装着している。苗植付装置の移植機構としては、1つのロータリケースに2つの植付爪を有するタイプが一般的である。この場合、ロータリケースが1回転すると、2つの植付爪はそれぞれロータリケースに対して逆方向に1回転する。すなわち、各植付爪は、ロータリケースの回転軸心回りに公転しながら自転する構造になっている。
苗植え作業では、苗マットを載せた苗載台を所定間隔で間欠的に横送りしながら、苗載台に向けた植付爪をロータリケースの軸心回りに公転しつつ自転させることによって、植付爪を苗載台と圃場面との間で往復動させ、苗マットから苗を1株ずつ掻き取って圃場に植え付ける。苗植付装置における植付爪の動作周期(植付け周期)は走行機体の走行速度に連動していて、走行速度が変化しても苗の植付け間隔(株間)は一定に保持される。
圃場の単位面積(一般に3.3平方m)当りに苗を何株植えるかは必ずしも一定ではなく、例えば植付け株数を60〜90株程度にした密植の場合と、37〜50株程度にした疎植の場合とがある。従来の田植機では、走行速度と植付け周期との連動関係を調節する株間変速装置を備えており、走行機体の走行速度に対する移植機構の動作速度(植付け速度)を株間変速装置で変えることによって、株間を変更して圃場の単位面積当りの植付け株数を変更する(例えば特許文献1及び2等参照)。密植の場合は、株間変速装置によって走行速度に対する植付け速度を速くし、疎植の場合は、株間変速装置によって走行速度に対する植付け速度を遅くする。
特許第4376154号公報 特開2003−189712号公報
ところで、稲の収量は必ずしも植付け株数に比例する訳ではなく、疎植によって苗の活性が高くなり分けつが促進されるという事実がある。このため、疎植にしても圃場の単位面積当りの収量が変わらなかったり、逆に収量が増えたりする場合もある。しかも、圃場10a(約1反)当りに必要な育苗箱枚数は、標準植えでは15〜20枚程度であるのに対して、疎植では10枚程度とほぼ半減されるため、育苗コストの低減や育苗・苗運び作業の労力軽減を図れる。このような疎植のメリットが認識されて、近頃は疎植化の傾向にあると言える。
しかし、前記従来の場合は、複雑な構造の株間変速装置を田植機に搭載しなければ、疎植を実現できない。また、疎植の場合は株間を長くするほど植付け速度を遅くする必要があるものの、株間変速装置によって単に植付け速度を遅くしただけでは、植付爪の先端側が圃場に引き摺られて、苗が前倒れしたり浮き苗が発生したりするという問題もある。
本願発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、苗植え作業において、株間変速装置で株間を変更しなくても(疎植とは別の視点で)、収量の確保、育苗コストの低減並びに育苗・苗運び作業の労力軽減を図れるようにすることを技術的課題としている。
請求項1の発明は、育苗箱内に収容した培地材に種子を播種して育苗し、苗の根張りによって前記育苗箱内に苗マットを形成する播種育苗方法において、前記培地材表面を露出させない程度に覆い尽くすように、前記培地材表面に種子を均一に敷き詰め、乳苗と稚苗との間の苗丈まで育苗するというものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の播種育苗方法において、2葉程度の葉齢まで育苗するというものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載の播種育苗方法において、前記培地材又は覆土には、前記育苗箱1枚当り2g前後の肥料を含有させるというものである。
本願発明によると、育苗箱内に収容した培地材に種子を播種して育苗し、苗の根張りによって前記育苗箱内に苗マットを形成する播種育苗方法において、前記培地材表面を露出させない程度に覆い尽くすように、前記培地材表面に種子を均一に敷き詰め、乳苗と稚苗との間の苗丈まで育苗するから、育苗箱1枚当りの播種量を従来よりも格段に増やすことになり、従来に比べて育苗箱1枚に高密度に苗を生育させる高密度育苗を実現できる。このため、10a(約1反)当りに必要な育苗箱枚数を少なくして、育苗コストを大幅に低減でき、育苗・苗運び作業の労力軽減も図れる。また、乳苗と稚苗との間の苗丈まで育苗するから、高密度育苗でありながら、苗が生育停滞や老化し始める前に、活力のある健全な状態で圃場に移植できる。
請求項2の発明に係る播種育苗方法では2葉程度の葉齢まで育苗するから、高密度育苗でありながら、できるだけ従来型育苗に近い状態の苗に生育させることが可能であり、移植後の圃場管理を従来通りに実行できる。すなわち、作業者が慣れ親しんだ手法で負担を感じさせずに圃場管理を行える。
請求項3の発明に係る播種育苗方法によると、前記培地材又は覆土には、前記育苗箱1枚当り2g前後の肥料を含有させるから、高密度育苗に見合った肥料量に調整して、生育ムラが少なく徒長もしにくい高密度育苗を実現できる。
実施形態における育苗箱の斜視図である。 育苗箱の側面断面図である。 高密度育苗と従来型育苗との比較表である。 実施形態における乗用型田植機の左側面図である。 乗用型田植機の平面図である。 エンジン、ミッションケース及びリヤアクスルケースの位置関係を示す左側面図である。 エンジン、ミッションケース及びリヤアクスルケースの位置関係を示す平面図である。 操縦ハンドルを省略した運転操作部の平面図である。 乗用型田植機の駆動系統図である。 乗用型田植機の油圧回路図である。 苗植付装置の駆動構造を示す平面図である。 苗載台の側面図である。 苗取出口周辺の平面図である。 移植機構の平面図である。 移植機構の左側面図である。 植付爪ガイド構造を示す背面図である。 植付爪ガイド構造の分離斜視図である。 植付爪及び押出片の着脱構造を示す分離斜視図である。 押出片の形状を示す説明図である。
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面に基づき説明する。図1及び図2は育苗箱200の概略を示す説明図である。実施形態は、1枚の育苗箱200に高密度に苗205を生育させる高密度育苗の一例を示している。実施形態の育苗箱200は、上面開口略箱状の容器である。育苗箱200の底面板には多数個の排水穴201を形成している。育苗箱200内部には、パルプやロックウール等の繊維又は床土といった培地材202を充填して収容している。
育苗箱200内部に培地材202を所定の層厚となるまで充填し、敷き詰めて積層することによって、いわゆる苗床を構成する。それから、育苗箱200内の培地材202表面に、種子の一例である種籾203を、所定量だけ均一に播種する。種籾203は、培地材202表面を露出させずに覆い尽くすように、培地材202表面全体にわたって敷き詰めて散布する。
育苗箱200は規格品であり、当該育苗箱200の内径寸法は580mm(縦)×280mm(横)×30mm(高さ)になっている。従来型育苗において、1枚の育苗箱200に対する種籾203播種量は100g〜130g程度である。これに対して実施形態では、1枚の育苗箱200に対する種籾203播種量は200g〜300g程度になる。
敷き詰め散布した種籾203の表面には更に覆土204を散布し、種籾203の表面を覆土204で被覆する。覆土204は、種籾203の露出を防止するため、薄くなり過ぎないように散布する。また、出芽による覆土204の持ち上がりを防止する目的で、透水性のよい覆土204を用いるのが好ましい。その後、発芽した種籾203からは苗205が上方に伸びると共に、根206が下方に伸びて根張りをして苗205を安定的に支持し、活力のある健全な状態の苗205を生育する。
育苗期間中に種籾203から伸びた複数本の根206は、培地材202を取り込むように根張りしながら、隣接する種籾203からの根206と複雑に絡み合う。その結果、複雑に根絡みした苗205群と培地材202とは、育苗箱200内で1枚のシート状に連続した苗マット207を構成する。
図3は高密度育苗と従来型育苗との比較表である。ここで、従来型育苗は、稚苗(14cm〜18cm)程度の苗丈まで育苗する場合を採り上げている。以下、項目ごとに対比する。従来型育苗では、肥料としての1g〜2gの窒素成分を培地材202又は覆土204に含有させるのに対して、高密度育苗では、2g〜2.5gの窒素成分を培地材202又は覆土204に含有させる。窒素成分の量は1枚の育苗箱200当りの量である。これは、1枚の育苗箱200に高密度に苗205を生育させるためであり、高密度育苗に見合った窒素成分(肥料)の量に調整すれば、生育ムラが少なく徒長もしにくい高密度育苗を実現できる。培地材202が窒素成分(肥料)を含有できないもの(例えば発泡ウレタン製等)であれば、覆土204に窒素成分(肥料)を含有させれば足りる。
なお、育苗状況等によっては、育苗期間の後半に窒素成分(肥料)を1g前後追加して、肥切れを防止するようにしてもよい。根張りを促進させる目的で、培地材202の上層側よりも下層側で、窒素成分(肥料)の量を多くしたりしてもよい。
前述した通り、従来型育苗では、1枚の育苗箱200に対する種籾203播種量は100g〜130g程度であるのに対して、高密度育苗では、1枚の育苗箱200に対する種籾203播種量は200g〜300g程度にしている。種籾203は、培地材202表面全体にわたって敷き詰めて散布し、培地材202表面を露出させずに覆い尽くすことになる。
育苗日数に関しては、従来型育苗では20日〜25日であるのに対して、高密度育苗では15日〜20日と短くしている。このように育苗日数を短くしたのは、苗205が生育停滞や老化し始める前に、活力のある健全な状態で圃場に移植し、速やかな新根発生による早期活着を図るためである。
葉齢に関しては、従来型育苗では2.5葉〜3.0葉であるのに対して、高密度育苗では2葉〜2.3葉にしている。すなわち、高密度育苗でありながら、できるだけ従来型育苗に近い状態の苗205に生育させる。このため、移植後の圃場管理を従来通りに実行でき、作業者が慣れ親しんだ手法で負担を感じさせずに圃場管理を行える。
苗丈に関しては、従来型育苗では14cm〜18cmであるのに対して、高密度育苗では12cm〜13cmにしている。すなわち、従来型育苗では稚苗程度の苗丈まで育苗するが、高密度育苗では乳苗と稚苗との間の苗丈まで育苗するのである。このため、1枚の育苗箱200当りの種籾203播種量を従来よりも格段に増やして、10a(約1反)当りに必要な育苗箱200の枚数を少なくできる。この場合、圃場10a(約1反)当りに必要な育苗箱200の枚数は、従来型育苗の標準植えでは15枚〜20枚程度、従来型育苗の疎植では10枚程度であるのに対して、高密度育苗では5枚〜8枚程度と更に少なくなる。このため、育苗コストを大幅に低減でき、育苗・苗運び作業の労力軽減も図れる。一般に、乳苗とは、育苗日数7日〜8日程度の苗で、苗丈6cm〜7cm、葉齢1.0葉0〜2.0葉のものをいう。稚苗とは、もともとは2.2葉程度の苗をいうが、近年の育苗箱200当り播種量のうす播き化(現在100〜130g)によって、実際に農家が用いている稚苗は葉齢2.5葉〜3.0葉、苗丈14cm〜18cm程度の苗となっている。
育苗期間中は、例えば育苗ハウス内に多数の育苗箱200をマトリクス状に並べて配置する。育苗ハウス内といった育苗箱200周辺の温度管理に関しては、従来型育苗では3℃〜35℃程度であるのに対して、高密度育苗では10℃〜30℃にしている。これは、10℃程度を最低気温としてあまり低くし過ぎなくして、苗205や根206の伸長を促すと共に、30℃程度を最高気温としてあまり高くし過ぎなくして、苗205の老化を抑制するためである。
育苗期間中の灌水管理に関しては、高密度育苗でも従来型育苗と同様に1回当り0.8l〜1.2l程度にしている。高密度育苗では、吸水蒸散が活発になる育苗期間後半において、培地材202及び覆土204が乾き易くなるきらいがある。このため、育苗期間後半には、従来型育苗よりも灌水回数を多くするのが好ましい。なお、育苗箱200を配置する育苗ハウス内の床面は、できるだけ均平であるのが望ましい。これは、育苗箱200の傾斜に起因した育苗箱200内の水分分布の不均衡を回避するためである。また、苗205を移植する際の圃場の水深は、田面が露出するかひたひたに浸かる程度に設定するのが好ましい。移植する際の圃場の土壌の硬さは、移植した苗の株元へ土が速やかに埋め戻る程度が好ましい。この移植時の圃場の水深と土壌硬度は、移植した苗が浮き苗や転び苗となって欠株となるのを防止するためのものである。
上記の記載並びに図1〜図3から明らかなように、育苗箱200内に収容した培地材202に種子203を播種して育苗し、苗205の根張りによって前記育苗箱200内に苗マット207を形成する播種育苗方法において、前記培地材202表面を露出させない程度に覆い尽くすように、前記培地材202表面に種子203を均一に敷き詰め、乳苗と稚苗との間の苗丈まで育苗するから、1枚の育苗箱200当りの種籾203播種量を従来よ
りも格段に増やすことになり、従来に比べて1枚の育苗箱200に高密度に苗205を生育させる高密度育苗を実現できる。このため、10a(約1反)当りに必要な育苗箱200枚数を少なくして、育苗コストを大幅に低減でき、育苗・苗運び作業の労力軽減も図れる。また、乳苗と稚苗との間の苗丈まで育苗するから、高密度育苗でありながら、苗205が生育停滞や老化し始める前に、活力のある健全な状態で圃場に移植できる。
上記の記載並びに図1〜図3から明らかなように、実施形態の播種育苗方法によると2葉程度の葉齢まで育苗するから、高密度育苗でありながら、できるだけ従来型育苗に近い状態の苗に生育させることが可能であり、移植後の圃場管理を従来通りに実行できる。すなわち、作業者が慣れ親しんだ手法で負担を感じさせずに圃場管理を行える。
上記の記載並びに図1〜図3から明らかなように、実施形態の播種育苗方法によると、前記培地材202又は覆土204には、1枚の前記育苗箱200当り2g前後の肥料を含有させるから、高密度育苗に見合った肥料量に調整して、生育ムラが少なく徒長もしにくい高密度育苗を実現できる。
次に、図4〜図8を参照しながら、高密度育苗の苗マット207を用いて苗植え作業(田植え作業)を実行可能な八条植え式の乗用型田植機1(以下、単に田植機1という)の概要について説明する。なお、以下の説明では、走行機体2の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。
実施形態の田植機1は、走行部としての左右一対の前車輪3及び同じく左右一対の後車輪4によって支持された走行機体2を備えている。走行機体2の前部にはエンジン5が搭載されている。エンジン5からの動力を後方のミッションケース6に伝達して、前車輪3及び後車輪4を駆動させることにより、走行機体2が前後進走行するように構成されている。ミッションケース6の左右側方にフロントアクスルケース7を突出させ、フロントアクスルケース7から左右外向きに延びる前車軸36に前車輪3が舵取り可能に取り付けられている。ミッションケース6の後方に筒状フレーム8を突出させ、筒状フレーム8の後端側にリヤアクスルケース9を固設し、リヤアクスルケース9から左右外向きに延びる後車軸37に後車輪4が取り付けられている。
図4及び図5に示されるように、走行機体2の前部及び中央部の上面側には、オペレータ搭乗用の作業ステップ(車体カバー)10が設けられている。作業ステップ10の前部の上方にはフロントボンネット11が配置され、フロントボンネット11の内部にエンジン5を設置している。作業ステップ10の上面のうちフロントボンネット11の後部側方に、足踏み操作用の走行変速ペダル12が配置されている。詳細は省略するが、実施形態の田植機1は、走行変速ペダル12の踏み込み量に応じた変速電動モータの駆動にて、ミッションケース6の油圧無段変速機40から出力される変速動力を調節するように構成されている。
また、フロントボンネット11の後部上面側にある運転操作部13には、操縦ハンドル14と走行主変速レバー15と昇降操作具としての作業レバー16とが設けられている(図8参照)。作業ステップ10の上面のうちフロントボンネット11の後方には、シートフレーム17を介して操縦座席18が配置されている。なお、フロントボンネット11の左右側方には、作業ステップ10を挟んで左右の予備苗載台24が設けられている。
走行機体2の後端部にリンクフレーム19を立設する。リンクフレーム19には、ロワーリンク20及びトップリンク21からなる昇降リンク機構22を介して、8条植え用の苗植付装置23が昇降可能に連結されている。この場合、苗植付装置23の前面側に、ローリング支点軸(図示省略)を介してヒッチブラケット38を設けている。昇降リンク機
構22の後部側にヒッチブラケット38を連結することによって、走行機体2の後方に苗植付装置23を昇降動可能に配置している。筒状フレーム8の上面後部に、油圧式の昇降シリンダ39のシリンダ基端側を上下回動可能に支持させる。昇降シリンダ39のロッド先端側はロワーリンク20に連結している。昇降シリンダ39の伸縮動にて昇降リンク機構22を上下回動させる結果、苗植付装置23が昇降動する。なお、苗植付装置23は前記ローリング支点軸回りに回動して左右方向の傾斜姿勢を変更可能に構成している。
オペレータは、作業ステップ10の側方にある乗降ステップ25から作業ステップ10上に搭乗し、運転操作にて圃場内を移動しながら、苗植付装置23を駆動させて圃場に苗を植え付ける苗植え作業(田植え作業)を実行する。なお、苗植え作業中において、苗植付装置23には、予備苗載台24上の苗マット207をオペレータが随時補給する。
図4及び図5に示すように、苗植付装置23は、エンジン5からミッションケース6を経由した動力が伝達される植付入力ケース26と、植付入力ケース26に連結する八条用四組(二条で一組)の植付伝動ケース27と、各植付伝動ケース27の後端側に設けられた移植機構28と、八条植え用の苗載台29と、各植付伝動ケース27の下面側に配置された田面均平用のフロート32とを備えている。移植機構28には、一条分二本の植付爪30を有するロータリケース31が設けられている。植付伝動ケース27に二条分のロータリケース31が配置されている。ロータリケース31の一回転によって、二本の植付爪30が各々一株ずつの苗を切り取ってつかみ、フロート32にて整地された田面に植え付ける。苗植付装置23の前面側には、圃場面を均す(整地する)整地ロータ85を昇降動可能に設けている。
詳細は後述するが、エンジン5からミッションケース6を経由した動力は、前車輪3及び後車輪4に伝達されるだけでなく、苗植付装置23の植付入力ケース26にも伝達される。この場合、ミッションケース6から苗植付装置23に向かう動力は、リヤアクスルケース9の右側上部に設けられた株間変速ケース75に一旦伝達され、株間変速ケース75から植付入力ケース26に動力伝達される。当該伝達された動力にて、各移植機構28や苗載台29が駆動する。株間変速ケース75には、植え付けられる苗の株間を例えば疎植、標準植又は密植等に切り換える株間変速機構76と、苗植付装置23への動力伝達を継断する植付クラッチ77とが内蔵されている(図9参照)。
なお、苗植付装置23の左右外側にはサイドマーカ33を備えている。サイドマーカ33は、筋引き用のマーカ輪体34と、マーカ輪体34を回転可能に軸支するマーカアーム35とを有している。各マーカアーム35の基端側が苗植付装置23の左右外側に左右回動可能に軸支されている。サイドマーカ33は、運転操作部13にある作業レバー16の操作に基づき、次工程での基準となる軌跡を田面に着地して形成する作業姿勢と、マーカ輪体34を上昇させて田面から離間させた非作業姿勢とに回動可能に構成されている。
図6及び図7に示すように、走行機体2は前後に延びる左右一対の機体フレーム50を備えている。各機体フレーム50は前部フレーム51と後部フレーム52とに二分割されている。前部フレーム51の後端部と後部フレーム52の前端部とが左右横長の中間連結フレーム53に溶接固定されている。左右一対の前部フレーム51の前端部は前フレーム54に溶接固定されている。左右一対の後部フレーム52の後端側は後フレーム55に溶接固定されている。前フレーム54、左右両前部フレーム51及び中間連結フレーム53は平面視四角枠状に構成されている。同様に、中間連結フレーム53、左右両後部フレーム52及び後フレーム55も平面視四角枠状に構成されている。
図7に示すように、左右両前部フレーム51の前寄り部位は、前後二本のベースフレーム56によって連結されている。当該各ベースフレーム56の中間部は、左右両前部フレ
ーム51よりも低く位置するようにU字形に折り曲げられた形状に形成されている。各ベースフレーム56の左右端部は、対応する前部フレーム51に溶接固定されている。略平板状のエンジン台57及び複数の防振ゴム(図示省略)を介して、前後両ベースフレーム56にエンジン5が搭載され防振支持されている。後側のベースフレーム56は、後中継ブラケット60を介してミッションケース6の前部に連結されている。
図7から分かるように、左右両前部フレーム51の後寄り部位は、ミッションケース6の左右両側に突出したフロントアクスルケース7に連結されている。中間連結フレーム53の中央側には、側面視で後斜め下向きに延びるU字状フレーム61の左右両端部が溶接固定されている。U字状フレーム61の中間部がミッションケース6とリヤアクスルケース9とをつなぐ筒状フレーム8の中途部に連結されている(図3及び図4参照)。後フレーム55の中間部には、左右二本の縦フレーム62の上端側が溶接固定されている。左右両縦フレーム62の下端側には左右横長のリヤアクスル支持フレーム63の中間部が溶接固定されている。リヤアクスル支持ケース63の左右両端部がリヤアクスルケース9に連結されている。なお、左側の前部フレーム51に外向き突設されたステップ支持台64の下方に、エンジン5の排気音を低減させるマフラー65が配置されている。
図6及び図7に示すように、エンジン5の後方に配置されたミッションケース6の前部には、パワーステアリングユニット66が設けられている。詳細は省略するが、パワーステアリングユニット66の上面に立設されるハンドルポストの内部にハンドル軸が回動可能に配置される。ハンドル軸の上端側に操縦ハンドル14が固定されている。パワーステアリングユニット66の下面側には操舵出力軸(図示省略)が下向きに突出している。当該操舵出力軸には、左右の前車輪3を操舵する操舵杆68(図7参照)がそれぞれ連結されている。
実施形態のエンジン5は、出力軸70(クランク軸)を左右方向に向けて前後両ベースフレーム56の中間部上に配置されている。エンジン5及びエンジン台57の左右幅は左右両前部フレーム51間の内法寸法よりも小さく、エンジン5の下部側及びエンジン台57は、前後両ベースフレーム56の中間部上に配置された状態で、左右両前部フレーム51よりも下側に露出している。この場合、エンジン5の出力軸70(軸線)は、側面視で左右両前部フレーム51と重なる位置にある。エンジン5の左右一側面(実施形態では左側面)には、エンジン5の排気系に連通する排気管69が配置されている。排気管69の基端側がエンジン5の各気筒に接続され、排気管69の先端側がマフラー65の排気入口側に接続されている。
図8に示す運転操作部13において、走行主変速レバー15は、操縦ハンドル14を挟んだ左右一方側(実施形態では左側に位置している。運転操作部13に形成したガイド溝83に沿って走行主変速レバー15を操作することによって、田植機1の走行モードを前進、中立、後進、苗継及び移動の各モードに切り換えるように構成している。作業レバー16は、操縦ハンドル14を挟んだ左右他方側(実施形態では右側)に位置している。作業レバー16は、苗植付装置23の昇降操作、植付クラッチ77の継断操作及び左右サイドマーカ33の選択操作という複数の操作を単独で担うものであり、十字方向に操作可能に構成している。
この場合、作業レバー16を一回前傾操作すると苗植付装置23が下降し、もう一回前傾操作すると植付クラッチ77が入り作動する(動力接続状態になる)。逆に、作業レバー16を一回後傾操作すると植付クラッチ77が切り作動し(動力遮断状態になり)、もう一回後傾操作すると苗植付装置23が上昇する。苗植付装置23の昇降動作を取り止める場合は、作業レバー16を逆方向に傾動操作する。例えば苗植付装置23の下降動を途中で停止させる場合は作業レバー16を後傾操作すればよい。作業レバー16を一回左へ
傾動操作すると左側のサイドマーカ33が作業姿勢となり、もう一回左へ傾動操作すると左側のサイドマーカ33が非作業姿勢に戻る。作業レバー16を一回右へ傾動操作すると右側のサイドマーカ33が作業姿勢となり、もう一回右へ傾動操作すると右側のサイドマーカ33が非作業姿勢に戻る。
次に、図9を参照しながら、田植機1の駆動系統について説明する。エンジン5の出力軸70はエンジン5の左右両側面から外向きに突出している。出力軸70のうちエンジン5左側面から突出した突端部にエンジン出力プーリ72を設け、ミッションケース6から左外側に突出したミッション入力軸71にミッション入力プーリ73を設け、両プーリ72,73に伝達ベルト74を巻き掛けている。両プーリ72,73及び伝達ベルト74を介して、エンジン5からミッションケース6に動力伝達する。
ミッションケース6内には、油圧ポンプ40a及び油圧モータ40bからなる油圧無段変速機40、遊星歯車機構41、油圧無段変速機40及び遊星歯車機構41を経由した変速動力を複数段に変速する歯車式副変速機構42、遊星歯車機構41から歯車式副変速機構42への動力伝達を継断する主クラッチ43、並びに、歯車式副変速機構42からの出力を制動させる走行ブレーキ44等を備えている。ミッション入力軸71からの動力で油圧ポンプ40aを駆動させ、油圧ポンプ40aから油圧モータ40bに作動油を供給し、油圧モータ40bから変速動力が出力される。油圧モータ40bの変速動力は、遊星歯車機構41及び主クラッチ43を介して歯車式副変速機構42に伝達される。そして、歯車式副変速機構42から、前後車輪3,4と苗植付装置23との二方向に分岐して動力伝達される。
前後車輪3,4に向かう分岐動力の一部は、歯車式副変速機構42から差動歯車機構45を介して、フロントアクスルケース7の前車軸36に伝達され、左右前車輪3を回転駆動させる。前後車輪3,4に向かう分岐動力の残りは、歯車式副変速機構42から、自在継手軸46、リヤアクスルケース9内のリヤ駆動軸47、左右一対の摩擦クラッチ48及び歯車式減速機構49を介して、リヤアクスルケース9の後車軸37に伝達され、左右後車輪4を回転駆動させる。走行ブレーキ44を作動させた場合は、歯車式副変速機構42からの出力がなくなるので、前後車輪3,4共にブレーキがかかる。また、田植機1を旋回させる場合は、リヤアクスルケース9内の旋回内側の摩擦クラッチ48を切り作動させて旋回内側の後車輪4を自由回転させ、動力伝達される旋回外側の後車輪4の回転駆動によって旋回する。
リヤアクスルケース9内には、整地ロータ85への動力継断用の整地ロータクラッチを有するロータ駆動ユニット86を備えている。走行伝動軸機構46に伝達された動力はロータ駆動ユニット86にも分岐して伝達され、ロータ駆動ユニット86から自在継手軸87を介して整地ローラ85に動力伝達される。整地ロータ85の回転駆動によって圃場面が均される。
苗植付装置23に向かう分岐動力は、自在継手軸付きのPTO伝動軸機構74を介して株間変速ケース75に伝達される。株間変速ケース75内には、植え付けられる苗の株間を例えば疎植、標準植又は密植等に切り換える株間変速機構76と、苗植付装置23への動力伝達を継断する植付クラッチ77とを備えている。株間変速ケース75に伝達された動力は、株間変速機構76、植付クラッチ77及び自在継手軸78を介して植付入力ケース26に伝達される。
植付入力ケース26内には、苗載台を横送り移動させる横送り機構79と、苗載台29上の苗マットを縦送り搬送させる苗縦送り機構80と、植付入力ケース26から各植付伝動ケース27に動力伝達する植付出力軸81とを備えている。植付入力ケース26に伝達
された動力によって、横送り機構79及び苗縦送り機構80が駆動し、苗載台29を連続的に往復で横送り移動させ、苗載台29が往復移動端(往復移動の折返し点)に到達したときに苗載台29上の苗マットを間欠的に縦送り搬送する。植付入力ケース26から植付出力軸81を経由した動力は各植付伝動ケース27に伝達され、各植付伝動ケース27のロータリケース31並びに植付爪30を回転駆動させる。なお、施肥装置を設ける場合は株間変速ケース75から施肥装置に動力伝達される。
植付入力ケース26内部には、左右長手の中間軸211と苗載台駆動軸212とを平行状に配置している。植付入力ケース26に伝わった動力は、中間軸211及び苗載台駆動軸212を経由して横送り機構79及び苗縦送り機構80に伝達される。苗載台駆動軸212には複数枚の横送り調節従動ギヤ214を固定する一方、中間軸211には、横送り調節従動ギヤ214に対応する横送り調節主動ギヤ213を遊嵌している。複数枚の横送り調節主動ギヤ213のうちいずれか1つのみに、植付入力ケース26に設けたスライドレバー(図示省略)でスライド操作可能なスライドキー215によって、中間軸211から選択的に動力伝達され、苗載台駆動軸212を回転させる。
横送り調節ギヤ213,214の各組はそれぞれ歯数の比率が相違していて、横送り調節ギヤ213,214の組合せを変えると、苗載台駆動軸212の回転比率が変わる。その結果、苗載台29の横送りピッチが変化して、苗マット207の苗205の掻取り量が変化する。実施形態では、横送り調節ギヤ213,214の組合せが5種類あり、18回取り、20回取り、26回取り、30回取り及び36回取りに対応している。18回取り等の複数回取りとは、苗載台29を左右いずれかの移動端まで横送りする間に、1条分2本の植付爪30が苗マット207から苗205を掻き取る回数を意味している。30回取りと36回取りとに対応した横送り調節ギヤ213,214の組合せが高密度育苗の苗マット207を用いる場合に適用される。
次に、図10を参照しながら、田植機1の油圧回路構造について説明する。田植機1の油圧回路90には、油圧無段変速機40の構成要素である油圧ポンプ40a及び油圧モータ40bと、チャージポンプ91及び作業ポンプ92とを備える。油圧ポンプ40a、チャージポンプ91及び作業ポンプ92がエンジン5の動力によって駆動する。油圧ポンプ40aと油圧モータ40bとは、閉ループ油路93を介してそれぞれの吸入側及び吐出側に接続している。チャージポンプ91を閉ループ油路93に接続している。走行変速ペダル12の踏み込み量に応じた変速電動モータの駆動によって、油圧ポンプ40aの斜板角度を調節し、油圧モータ40bを正転又は逆転駆動させるように構成している。
作業ポンプ92は、操縦ハンドル14の操作を補助するパワーステアリングユニット66に接続している。パワーステアリングユニット66は、操向油圧切換弁94及び操向油圧モータ95を備えている。操縦ハンドル14の操作によって操向油圧切換弁94を切換作動させて操向油圧モータ95を駆動させ、操縦ハンドル14の操作を補助する。その結果、左右前車輪3を小さい操作力で簡単に操舵できる。
パワーステアリングユニット66はフローデバイダ96に接続している。フローデバイダ96は第一油路97と第二油路98とに分岐している。第一油路97は、昇降シリンダ39に作動油を供給する昇降切換弁99に接続している。昇降切換弁99は、昇降シリンダ39に作動油を供給する供給位置99aと、昇降シリンダ39から作動油を排出する排出位置99bとの二位置に切換可能な四ポート二位置切換形の機械式切換弁である。作業レバー16の操作で昇降切換弁99を切換作動させて昇降シリンダ96を伸縮動させることによって、昇降リンク機構22を介して苗植付装置23が昇降動する。なお、フローデバイダ96や昇降切換弁99は、ミッションケース6後部に設けたバルブユニット89内に収容している。
昇降切換弁98から昇降シリンダ39に至るシリンダ油路100中に電磁開閉弁101を設けている。電磁開閉弁101は、昇降シリンダ39に対して作動油を給排する開位置101aと、昇降シリンダ39に対する作動油の給排を停止する閉位置101bとの二位置に切換可能な電磁制御弁である。従って、電磁ソレノイド102を励磁して電磁開閉弁101を開位置101aにすると、昇降シリンダ39は伸縮動可能になり、苗植付装置23が昇降動可能になる。電磁ソレノイド102を非励磁にして戻しバネ103によって電磁開閉弁101を閉位置101bにすると、昇降シリンダ39は伸縮動不能に保持され、苗植付装置23が任意の高さ位置で昇降停止する。
なお、シリンダ油路100のうち電磁開閉弁101と昇降シリンダ39との間には、アキュムレータ油路104を介してアキュムレータ105を接続している。昇降シリンダ39内の急激な作動油圧変動の際は、アキュムレータ105によって作動油圧変動を吸収し、昇降切換弁99及び電磁開閉弁101の組合せによって、昇降シリンダ39をスムーズに伸縮動させ、苗植付装置23を軽快に昇降動させる。
フローデバイダ96の第二油路98は、苗植付装置23の左右傾斜姿勢を制御するローリング制御ユニット106に接続している。ローリング制御ユニット106には、ローリングシリンダ108に作動油を供給する電磁制御弁107を内蔵している。電磁制御弁107の切換作動によって、ローリング制御ユニット106に一体的に設けたローリングシリンダ108を作動させる結果、苗植付装置23が水平姿勢に保持される。なお、田植機1の油圧回路90は、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルフィルタ等も備えている。
次に、図11〜図19を参照しながら、移植機構28及びその周辺の詳細構造について説明する。走行機体2の後方にある苗載台29の上面には、8条分の苗マット載面216を形成している。各苗マット載面216に苗縦送り機構80を設けている。苗縦送り機構80は、苗取出し方向に傾斜させた苗載台29の下端側に設けた左右横長の駆動側ローラと、苗載台29の中途部に設けた左右横長の従動側ローラと、一部が苗マット載面216側に露出するように駆動側ローラ及び従動側ローラに巻き掛けた無端帯状の苗縦送りベルト217とを備えている。各苗マット載面216に矩形状の2枚の苗マット207を直列に載せ、苗縦送りベルト217を間欠駆動させることによって、苗マット載面216の苗取出し側(苗載台29の傾斜下端側)に向けて苗マット207が縦送り搬送される。なお、各苗マット載面216に苗縦送りベルト217を左右一対配置している。苗縦送りベルト217の苗送り作用面の長さは1枚の苗マット207の長さより長い。
図11〜図14に示すように、植付入力ケース26の後方には、苗取出口220を有する苗取出板221を略水平横向きに延びるように配置している。苗載台29の裏面下部に、略水平横向きに延びる下レールフレーム222を固着している。苗取出板221に設けた下スライドシュー223を、下レールフレーム222に摺動可能に下方から嵌め込んでいる。一方、苗載台29における裏面側の上部には、略水平横向きに延びる上レールフレーム224を固着している。植付入力ケース26に苗台支柱フレーム(図示省略)を立設し、苗台支柱フレームに設けた上スライドシュー(図示省略)を上レールフレーム224に摺動可能に下方から嵌め込んでいる。すなわち、下レールフレーム222に下スライドシュー223を嵌め込むと共に、上レールフレーム224に上スライドシュー(図示省略)を嵌め込むことによって、苗載台29は左右幅方向に横送り移動可能に支持される。
苗取出板221における各苗取出口220の箇所には、苗取出口220の内周縁を囲う取出口カバー226と、植付爪30の長手中途部を左右両側から挟持する植付爪挟持ガイド227と、植付爪30の先端側と対峙する植付爪先端ガイド228とを着脱可能に取り
付けている。この場合、苗取出板221における各苗取出口220の箇所に、植付爪先端ガイド228の上端側、取出口カバー226及び植付爪挟持ガイド227の上端側を、順次重ね合わせた状態でボルト229によって共締めしている。取出口カバー226の存在は、苗取出板221における各苗取出口220の箇所の強度を向上させ、植付爪30による苗マット207の苗205の掻取り量を安定化させるのに寄与している。植付爪先端ガイド228や植付爪挟持ガイド227の上端側も、共締め構造によって、各苗取出口220の箇所の強度向上に貢献している。
実施形態では、取出口カバー226、植付爪挟持ガイド227及び植付爪先端ガイド228の組合せを取出口ユニット230として2種類用意している。1つは高密度育苗の苗マット207用のもの、もう1つは従来型育苗の苗マット用のものである。どちらの仕様の苗マットを使うかによって取出口ユニット230を付け替えるように構成している。取出口カバー226において植付爪30の通過する開口溝231の溝幅寸法ΔWは、高密度育苗用と従来型育苗用とで広狭異ならせている。高密度育苗用の溝幅寸法ΔWは、従来型育苗用の溝幅寸法ΔWよりも幅狭に設定している。
図13、図16及び図17に示すように、各取出口カバー226の手前コーナ部232は、角を切り落とした面取り形状に形成している。このため、高密度育苗の苗マット207から1株分の苗を掻き取る際に、植付爪30の先端側を苗取出口220(苗取出板221の開口溝231)にスムーズに案内できる。
図14及び図18に示すように、移植機構28における各ロータリケース31の長手両端側には、植付爪30と、植付爪30で挟持した苗205を押し出すU字状の押出片234と、押出片234を植付爪30に沿って摺動させるプッシュロッド235とを備えている。実施形態の植付爪30及び押出片234は、高密度育苗の苗マット207用のものである。植付爪30の先端側は基端側よりも幅狭に構成している。この場合、従来型育苗の苗マット用の植付爪30先端側は14mm程度の幅に設定しているのに対して、高密度育苗の苗マット207用の植付爪先端側は11mm程度の幅に設定している。
一方、図19に詳細に示すように、押出片234における二股状の上端部外側を、内側から外側に向けて斜め下向きに傾斜するように角を切り落とした面取り形状に形成している。そして、押出片234の二股状の上端側を、植付爪30の幅狭な先端側の裏面に摺動自在に近接させている。このように、植付爪30の先端側と、押出片234の二股状の上端側とを幅狭に構成すれば、高密度育苗の苗マット207から1株分の苗205を掻き取り易くしたものでありながら、掻き取った苗205がU字状の押出片234内に詰まるのを抑制できる。
植付爪30は、ロータリケース31の長手両端側に位置する植付本体部236に、寸切ボルト237及びナット238で着脱可能に取り付けている。また、プッシュロッド235の先端側に形成したボルト穴239に、押出片234の下端側に固定した埋め込みボルト240をねじ込むことによって、プッシュロッド235に押出片234を着脱可能に取り付けている。このように、取出口カバー226と植付爪挟持ガイド237と植付爪先端ガイド238とは苗取出板221の各苗取出口220の箇所に着脱可能に構成する一方、植付爪30と押出片234とを着脱可能に構成しているから、従来型育苗の苗マットと高密度育苗の苗マット207との両方の仕様に簡単に対処できる。すなわち、従来型育苗の苗マットを用いた苗植え作業と、高密度育苗の苗マット207を用いた苗植え作業との両方を、一台の田植機で実現できることになり、田植機の汎用性を向上できる。しかも、この種の田植機1が一台あれば、高密度育苗の苗マット207専用の田植機1を使用したり購入したりしなくてもよいので、ユーザーにとって非常に経済的である。
実施形態では、図15に示すように、側面視で植付爪30の回転中心と植付爪先端ガイド228の下端側とを結ぶ直線よりも更に下側に、植付爪挟持ガイド227の下端側を延出させている。このように、植付爪挟持ガイド227の下端側を延ばしておくと、できるだけ圃場面に近い箇所まで植付爪30を挟持して、植付爪30をスムーズに圃場に案内できる。
上記の記載並びに図11〜図19から明らかなように、苗マット207搬送用の苗縦送りベルト217を有する苗載台29と、圃場に苗205を植付ける植付爪30とを備え、前記苗縦送りベルト217によって前記苗載台29上の前記苗マット207を苗取出し側に搬送し、前記苗載台29を左右方向に往復移動させて、前記植付爪30によって前記苗載台29上の前記苗マット207から1株分の苗205を掻き取るように構成している田植機1において、前記植付爪30で挟持した苗を押し出すU字状の押出片234と、前記押出片234を前記植付爪30に沿って摺動させるプッシュロッド235とを備え、前記植付爪30の先端側を基端側よりも幅狭に構成し、前記押出片234の上端部外側を面取り形状に形成し、前記押出片234の上端側を前記植付爪30の幅狭な先端側の裏面に摺動自在に近接させているから、高密度育苗を施した苗マットを使用すれば10a(約1反)当りに必要な育苗箱200枚数を少なくして、育苗コストを大幅に低減でき、育苗・苗運び作業の労力軽減も図れる。その上で、高密度育苗の苗マット207から1株分の苗205を掻き取り易くできる。しかも、高密度育苗の苗マット207から1株分の苗205を掻き取り易くしたものでありながら、掻き取った苗205がU字状の押出片234内に詰まるのを抑制できる。
上記の記載並びに図13、図14、図16及び図17に示すように、前記苗載台29の下方に配置した苗取出板221の苗取出口220に、取出口カバー226と植付爪挟持ガイド227と植付爪先端ガイド228とを取り付け、前記取出口カバー226の手前コーナ部232は、角を切り落とした面取り形状に形成しているから、高密度育苗の苗マット207から1株分の苗を掻き取る際に、植付爪30の先端側を苗取出口220(苗取出板221の開口溝231)にスムーズに案内できる。
上記の記載並びに図17及び図18に示すように、前記取出口カバー226と前記植付爪挟持ガイド227と前記植付爪先端ガイド228とは前記苗取出板221の前記苗取出口220に着脱可能で構成する一方、前記植付爪30と前記押出片234とを着脱可能に構成しているから、従来型育苗の苗マットと高密度育苗の苗マット207との両方の仕様に簡単に対処できる。すなわち、従来型育苗の苗マットを用いた苗植え作業と、高密度育苗の苗マット207を用いた苗植え作業との両方を、一台の田植機1で実現できることになり、田植機1の汎用性を向上できる。しかも、この種の田植機1が一台あれば、高密度育苗の苗マット207専用の田植機を使用したり購入したりしなくてもよいので、ユーザーにとって非常に経済的である。
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
1 田植機
2 走行機体
5 エンジン
6 ミッションケース
23 苗植付装置
29 苗載台
30 植付爪
200 育苗箱
201 排水穴
202 培地材
203 種籾
204 覆土
205 苗
206 根
207 苗マット
220 苗取出口
221 苗取出板
226 取出口カバー
227 植付爪挟持ガイド
228 植付爪先端ガイド
230 取出口ユニット
231 開口溝
232 手前コーナ部
234 押出片
235 プッシュロッド
236 植付本体部

Claims (3)

  1. 育苗箱内に収容した培地材に種子を播種して育苗し、苗の根張りによって前記育苗箱内に苗マットを形成する播種育苗方法において、
    前記培地材表面を露出させない程度に覆い尽くすように、前記培地材表面に種子を均一に敷き詰め、乳苗と稚苗との間の苗丈まで育苗する、
    播種育苗方法。
  2. 2葉程度の葉齢まで育苗する、
    請求項1に記載の播種育苗方法。
  3. 前記培地材又は覆土には、前記育苗箱1枚当り2g前後の肥料を含有させる、
    請求項2に記載の播種育苗方法。
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