JPH0436126A

JPH0436126A - 田植機用水稲苗及びその育苗方法

Info

Publication number: JPH0436126A
Application number: JP2138288A
Authority: JP
Inventors: Kiyochika Hoshikawa; 星川　清親
Original assignee: Nippon Steel Chemical Co Ltd
Current assignee: Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority date: 1990-05-30
Filing date: 1990-05-30
Publication date: 1992-02-06

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、田植機を使用して本田に植え付けられる田
植機用水稲苗及びその育苗方法に関する。

〔従来の技術〕

従来、田植機を使用して本田に植え付けられる水稲苗の
育苗は、通常、内側寸法が５８ａｎＸ２８０×３■の大
きさの苗箱を使用し、これに市販の土壌系又は非土壌系
の培地材や、あるいは、滅菌した土壌に肥料を配合し、
ｐＨ調整をして農家が自前で調製した培地材を充填して
播種床とし、これに播種して覆土し、鞘葉の次の葉から
数える苗齢方式による苗齢が３．２齢前後の稚苗まで育
苗したり、また、苗齢５．０〜５．５程度の中苗まで育
苗したり、さらには、苗齢６．２〜６．５程度の成苗ま
で育苗し、これを完成苗として本田に移植することが行
われている。

ところで、水稲苗として必須の条件は、本田に移植した
際によく活着することであり、そのためには本田に移植
された苗から早く、多くの新しい根が出てよく伸びるこ
とに他ならない。そして、このための条件としては、水
稲苗の根原基が完成しており、まさに発根使用とする段
階にあることが必要であり、苗齢３．２前後の稚苗はま
さにこの段階にあって活着がよいとされている。なお、
中苗や成苗では、第三、第四節冠根で活着するのが、こ
れら上位節の冠根の発根は時期的集中性が乏しく、いつ
植えても発根直前の根原基が幾つか存在し、苗齢と活着
性との関係がルーズになる。

しかしながら、この様に苗齢３．２前後の稚苗、苗齢５
．θ〜５．５程度の中苗あるいは苗齢６゜２〜６．５程
度の成苗を完成苗とする場合には、良い品質の下位分け
つが得られないという宿命があり、また、育苗期間とし
て３週間以上を要するほか、苗の草丈が大きくなるため
に苗箱当りの播種量が最大でも１６０〜１８０ｇ（乾粉
）であり、多数の苗箱を必要としたり、苗を田植機で本
田に移植した際に時として欠株が生じる等の問題があっ
た。

ところで、苗の活着可能低温限界は、苗齢が若いほど低
く、また、乾燥や冠水等の悪環境に対しても苗齢が若い
ほど抵抗力に優れていることが知られている。そこで、
現在水稲苗として使用されている稚苗以前の乳苗を完成
苗とすることが考えられるが、この乳苗の段階では根の
形成が不十分であり、土壌系の培地材を使用して育苗し
た場合には田植機による移植ができない。

〔発明が解決しようとする課題〕

そこで、本発明者は、乳苗を田植機用水稲苗として利用
し、これによって上記種々の問題を解決することついて
鋭意研究した結果、無機繊維成形培地で育苗した乳緑化
完成苗であれば、鞘葉の次の葉から数える苗齢方式によ
る苗齢が１．１〜１゜９の乳苗は、その種籾の胚乳養分
が充分に残っており、乾燥や冠水等の悪環境に対して優
れた抵抗力を示すほか、活着可能低温限界も低くなり、
田植機用水稲苗として利用できることを見出し、本発明
を完成した。

従って、本発明の目的は、育苗期間が短く、しかも、乾
燥や冠水等の悪環境に対して優れた抵抗力を示し、従来
の水稲苗に比べて活着可能低温限界も低い田植機用水稲
苗及びその育苗方法を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち、本発明は、無機繊維成形培地で育苗された乳
緑化完成苗であり、鞘葉の次の葉から数える苗齢方式に
よる苗齢が１．１〜１．９である田植機用水稲苗である
。また、本発明は、潅水した無機繊維成形培地に種籾を
播種して覆土し、鞘葉の次の葉から数える苗齢方式によ
る苗齢が１゜１〜１．９となるまで育苗する田植機用水
稲苗の育苗方法である。

本発明の水稲苗は、その苗齢（葉令ともいう）が鞘葉の
次の葉から数える苗齢方式で１．１〜１゜９、好ましく
は１．３〜１．６、より好ましくは１．４程度がよい。

苗齢が１．１より小さい乳苗では鞘葉節冠根原基の発育
が不十分で発根までに時間がかかって活着が遅れ、また
、１．　６より高いと鞘葉節冠根が苗床内で伸長し、移
植時にこの根を傷めてしまうほか、活着、すなわち第二
節冠根の発根までに時間がかかって環境による障害を受
は易いという問題がある。

また、本発明の水稲苗は、それが無機繊維成形培地で育
苗された乳緑化完成苗である必要がある。

これは、通常の土壌系培地材を使用した場合、発根した
根が培地材の中でこれらの培地を結合する網目を構成す
るが、乳苗ではこの発根が不十分で田植機により移植で
きる強さの、いわゆる苗マットを形成しえないが、予め
無機質繊維であみめが形成されている無機繊維成形培地
で育苗すれば、種子から発根した根に頼ることなく田植
機適応性のある苗マットを形成し得るからである。この
目的で使用される無機繊維成形培地としては、それが無
機質繊維を成形加工して製造され、苗マットを形成でき
る程度の強度を有するものであれば、例えばロックウー
ル、グラスウール、セラミ・ツクファイバー等により製
造される従来公知のものを適宜使用することができるが
、好ましくはロックウール製培地であるのがよい。

そして、本発明の水稲苗を育苗するに際しては、潅水し
た無機繊維成形培地に種籾を播種して覆土し、鞘葉の次
の葉から数える苗齢方式による苗齢が１．１〜１．９と
なるまで育苗する必要があり、この際の育苗日数は環境
温度等によっても異なるが潅水した無機繊維成形培地に
種籾を播種してから通常３〜５日、好ましくは４日であ
る。

本発明の水稲苗の育苗方法は、従来この種の無機繊維成
形培地を使用して行う方法と同様でよいが、苗齢１．１
〜１．９の乳苗を乳緑化完成苗として使用するので、そ
の草丈が２〜５　ｃｍ程度であって従来の稚苗、中苗あ
るいは成苗を完成苗とする場合に比べて小さいので、苗
箱当りの播種量を多くすることができる。この播種量は
通常１８０〜２５０ｇ　（乾粉）である。

また、播種から乳緑化完成苗に育苗するのに必要な養分
は、種籾自体が有する胚乳養分でまかなえるので、無機
繊維成型培地や覆土に肥料を配合することは必ずしも必
要ではない。しかしながら、少量の肥料を配合すると、
無肥料のものより苗質が向上するので、好ましくは苗箱
当り０〜０．７ｇのＮ肥料、Ｐ肥料及びに肥料を配合す
るのがよい。

この際、これらの肥料成分、特にＮ肥料が多すぎると、
葉の伸長は促進されても根の発育が阻害される場合があ
る。また、肥料を配合する場合、肥料を無機繊維成型培
地に配合すると、この成型培地の耐水強度が減少し、根
廻りが充分でない乳緑化完成苗が成育して機械適応性の
面で好ましくない自体が生じる可能性が高いので、好ま
しくは覆土にのみ肥料を少量含有させるのがよい。従っ
て、本発明で好ましい覆土用培土は、Ｎ、Ｐ、Ｋをそれ
ぞれ０．１％重量以下配合した天然土壌又は人工培土（
以下、低肥料培土という）を使用するのがよい。

従って、本発明の水稲苗を育苗するに際しては、好まし
くは、先ず無肥料の無機繊維成型培地を苗箱に充填して
充分に潅水し、次いで所定量の種籾を播種し、低肥料培
土で覆土する。この様にして調製した苗箱を複数段積重
ね、乾燥させないように湿度をほぼ飽和状態に保って３
０〜３２℃の温度で２日間程度の通常の加温出芽を行う
。出芽長が１印程度になった時点で常法により２日間程
度緑化し、苗齢１．１〜１．９の時点で乳緑化完成苗と
する。

このようにして育苗された乳緑化完成苗は、種子根の伸
長が著しく、鞘葉節冠根原基の発育も優れていて発根直
前若しくは発根始めの状態にあり、しかも、種子根が成
型培地中に延びて強固に定着しているため、田植機にか
けて本田へ移植することができる。

〔実施例〕

以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に説明する。

実施例１内側寸法５８ｃｍＸ　２８ｃｍＸ　３ａｎの標準的大き
さの苗箱中に無機繊維成型培地としてロックウール製培
地（新日鐵化学■製商品名：パワーマット、嵩密度８０
ｋｇ／ｍ、繊維の配向方向：垂直）を充填し、無肥料下
に充分に潅水して品種ササニシキの催芽籾を苗箱当り２
００ｇ　（乾粉換算）播種し、肥料成分としてＮ、Ｐ、
Ｋをそれぞれ０．０５重量％含有する低肥料培土で覆土
し、出芽は室温３２℃の育苗器中で積重ね方式により２
日間、続いて緑化を室温２５°Ｃの緑化室内で棚並べ方
式により２日間行った。

得られた乳緑化完成苗は、苗齢１．４の乳苗であり、草
丈が３．４印で、鞘葉節冠根は２．１ｍｍ以上が２．１
本で２．　　Ｏｗｕｎ以下が２．９本であって平均３．
Ｏｍｍであり、乾物重は１９．７■／本であった。

この乳緑化完成苗について、バイオトロンを使用してそ
の活着可能低限温度を測定した。結果を第１表に示す。

なお、比較のために、常法により加・保温条件で育苗し
た苗齢３．２の稚苗、無加温条件で育苗した苗齢５．０
の中苗、無加温条件で育苗した苗齢５．５の中苗、畑苗
条件で育苗した苗齢６．２の成苗、保温折衷苗代条件で
育苗した苗齢６．５の成苗、及び、水苗代条件で育苗し
た苗齢６．５の成苗の活着可能低限温度を合わせて示す
。

第　　１　　表尺板及び乾物重を観察又は測定した。結果を代２表に示
す。

第　　２　　表実施例２３日間の緑化を行った以外は上記実施例１と同様にして
乳緑化完成苗を育苗した。

また、比較のために培地材として人工床上（呉羽化学工
業■製くみあい粒状培土）を使用し、実施例２と同様に
乳緑化完成苗を育苗した（比較例１）。

この様にして得られた実施例２及び比較例１の乳緑化完
成苗について、その苗齢、草丈、鞘葉節（注）長い順に
■〜■とした。

また、上記実施例２及び比較例で得られた乳緑化完成苗
を気温１７℃、浅水（２〜３ａｎ）又は深水（常時６〜
ｌ０ｃｍの湛水）に保たれた試験田に移植し、移植後５
日目の発育状況を観察した。結果を第３表に示す。

第　　３　　表る水稲苗を調製し、実施例２と同日に田植機を使用して
本田に移植し、その生育状況と収穫量を測定した。結果
を第４表及び第５表に併せて示す。

（注）長い順に■〜■とした。

さらに、上記実施例２の乳緑化完成苗について、１９８
９年５月１１日に田植機を使用して本田に移植し、その
生育状況と収穫量を測定した。結果を第４表及び第５表
に示す。

なお、比較例１では田植機適応能のある苗マットが得ら
れなかったので、比較例２として人工床上を使用して常
法により苗齢３．２の稚苗からなｋｇ／１０ａ〔発明の効果〕本発明によれば、育苗期間を著しく短縮できると共に、
乾燥や冠水等の悪環境に対して優れた抵抗力を有するほ
か、従来の水稲苗に比べて活着可能低温限界も低い田植
機用水稲苗とすることができ、しかも、苗箱当りの播種
量を多くすることができるので、水稲苗の育成が著しく
容易になって稲作の作付は計画が容易になるほか、田植
機を使用して水稲苗を本田に移植する際の欠株防止を達
成することができる。

特許出願人　　　星　川　　清　親

Claims

【特許請求の範囲】

（１）無機繊維成形培地で育苗された乳緑化完成苗であ
り、鞘葉の次の葉から数える苗齢方式による苗齢が１．
１〜１．９である田植機用水稲苗。
（２）潅水した無機繊維成形培地に種籾を播種して覆土
し、鞘葉の次の葉から数える苗齢方式による苗齢が１．
１〜１．９となるまで育苗することを特徴とする田植機
用水稲苗の育苗方法。
（３）無機繊維成形培地がロックウール製培地である請
求項２記載の田植機用水稲苗の育苗方法。