JPH06133639A - 乳苗及びその育苗方法 - Google Patents

乳苗及びその育苗方法

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JPH06133639A
JPH06133639A JP4351895A JP35189592A JPH06133639A JP H06133639 A JPH06133639 A JP H06133639A JP 4351895 A JP4351895 A JP 4351895A JP 35189592 A JP35189592 A JP 35189592A JP H06133639 A JPH06133639 A JP H06133639A
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raising
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治道 奥詰
Toshihide Itou
十四英 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 7日間以内の育苗日数で、苗丈を7〜9cm
とし、現在の多く使用されている稚苗用の田植機への機
械適合性を向上させた、乳苗及びその育苗方法を提供す
ることにある。 【構成】 育苗期間内の加温育苗器の一日中の設定温度
と加温日数の積算値と加温育苗器外での日平均温度と日
数との積算値の合計を160〜200℃とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な乳苗及びその育
苗方法に関するものであり、更に詳しくは、育苗日数7
日間以内で苗丈を7〜9cmに調整した乳苗及びその育
苗方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機械田植用の水稲苗は、育苗箱
(内法58cm×28cm×3cm)を用い、市販の土
壌系又は非土壌系資材、或いは農家で滅菌した土壌に肥
料を配合し、pH調整をしたものを播種床とし、播種
し、覆土して育苗している。この覆土用土壌としては、
播種床が土壌系の場合も非土壌系の場合も、市販土壌系
資材又は農家調整土壌が用いられており、市販資材の場
合には、肥料を配合しないで必要肥料の全量が播種床か
ら供給されるのが普通である。非土壌系資材は、土壌系
に較べ一般に肥料保持力に乏しいものが多い。最近、非
土壌系資材の一種として、ロックウール等の無機繊維や
ウレタンマット、パルプ系マット、ピートモスを主成分
としたマット等に肥料を添加して、育苗箱の形状に合わ
せてマット状に成型加工した人工成型培地(マットとも
いう)が軽量で取扱いが容易であることから使用されて
いる。これらの人工成型培地を使用して乳苗を育苗する
方法としては、マット状の人工成型培地に肥料、pH調
整剤等を添加したものを育苗箱に収納し、灌水、種籾を
播種し、次いで、肥料を含有した覆土を行った上で、育
苗箱は複数段積重ねた状態で、出芽室内で32℃程度に
48時間加温して発芽させて、出芽長が1cm位の段階
で、ビニールハウス等の緑化室に移し、該緑化室にて緑
化させ、3週間程度経過し出芽長が12cm程度で2.
0〜2.4葉令の稚苗を完成苗として本田に移植してい
る。
【0003】しかしながら、土壌系のものに覆土して育
苗した稚苗、人工成型培地で育苗した稚苗はともに、通
常、3週間程度の育苗期間で完成苗としているが、稚苗
を移植した場合には、1号、2号分げつが休眠し、3号
分げつ以上しか発生しないという宿命があった。また、
稚苗を完成苗とする従来の方法では、育苗期間に3週間
を要すること、育苗箱当りの播種量が160〜180g
(乾籾)であるため、多数の育苗箱を必要としていた。
そこで本出願人は、これらの課題を解決する方法とし
て、人工成型培地を使用し、加温出芽、緑化を行い7日
間程度で本田に移植することができる乳苗及びその育苗
方法を先に提案した(特開平3−80022号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、人工成
型培地を使用し、加温出芽、緑化を行い7日間程度で本
田に移植する乳苗の苗丈は6.0cm程度であるが、現
在の田植機は、稚苗を本田へ移植する際の稚苗の苗丈に
合わせて作られていることから、稚苗より苗丈の短い乳
苗の場合には植付姿勢が悪く、欠株率が高くなることか
ら、苗丈を長くすることが望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した課題
について鋭意研究した結果、灌水から本田への移植前ま
での期間に特定範囲の温度を加えることにより苗丈を制
御できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は灌水から本田移植前ま
での育苗期間内の加温育苗器の一日中の設定温度と加温
日数の積算値と加温育苗器外での日平均気温と日数との
積算値との合計が160〜200℃であることを特徴と
する乳苗及び乳苗の育苗方法である。
【0007】従来の乳苗では、人工成型培地に播種して
から30〜32℃で48時間程度加温出芽し、次いでハ
ウス内にて緑化を行い、通算5〜8日程度経過し、1.
0〜1.9葉令、5〜7cm程度の草丈になった時点で
乳苗として本田に移植している。本発明の乳苗は、植付
精度の向上を図るため、7日以内で草丈を確保し、現状
の田植機で稚苗並の植付精度を得るため乳苗の草丈を7
〜9cmとすることを目的とする。
【0008】この乳苗は、種籾の胚乳養分が半分以上残
っており、この残存胚乳養分が活着及び活着直後の生育
に極めて効果的に作用し生育が維持助長される。このよ
うに、乳苗は移植後も胚乳養分により栄養生長し、かつ
乳苗自体は低温抵抗性が強く、稚苗より1〜2℃低い気
温でも活着し、生長する。また、同じ理由で冠水抵抗性
が強い。
【0009】以下、本発明の乳苗及びその育苗方法を詳
細に説明する。本発明の乳苗の育苗方法としては、従来
の乳苗の基本的な育苗の手順、すなわち、農家におけ
る、人工成型培地への灌水、種籾の播種、覆土、加温積
重ね出芽、ハウス内育苗、本田への移植、あるいは、育
苗センターにおける、人工成型培地への灌水、種籾の播
種、覆土、加温積重ね出芽、棚差し育苗、本田への移植
等の手順、装置等に何ら大幅な変更を加えるものではな
い。
【0010】本発明の加温育苗器(加温器または育苗器
ともいう)とは、通常使用されている周囲を若干の透光
性を有する樹脂製等の覆いを有し、しかも、スチーム等
による加熱手段及び温度調節機能を有するものが好まし
いが、同様の機能を有するものであれば使用することが
できる。そして、この加温育苗器内は一定の期間乳苗の
出芽、育苗に好適な温度に制御される。加温育苗器の一
日中の設定温度と加温日数の積算値とは、人工成型培地
に播種した複数の育苗箱を加温育苗器に収納し、保温、
加温出芽又は加温育苗する際に加温育苗器内の温度を乳
苗の保温、出芽又は育苗に好適な温度に設定した設定温
度とこの設定温度で加温した日数を掛け合わせたもので
ある。加温育苗器外での日平均気温と日数との積算値と
は、加温育苗器で加温出芽又は加温育苗の後にハウス内
にて育苗する場合であって、ハウス内の一日の最高温度
と最低温度を足し、この数値を2で割って得た日平均気
温とハウス内育苗した日数を掛け合わせたものである。
本発明では、これらの数値の合計が160〜200℃と
なるようにするものである。これらの数値の合計が16
0〜200℃となるものとしては、例えば、 a)加温積重ね出芽 設定温度 32℃ 日数 2日(48時間) 加温棚差し育苗 設定温度 32℃ 日数 2日(48時間) ハウス内育苗 日平均気温16℃ 日数 3日(72時間) 従って、この場合の合計は 32(℃/日)×4(日)+16(℃/日)×3(日)
=176℃ となる。 b)積重ね保温 設定温度 16℃ 日数 2日(48時間) 加温積重ね出芽 設定温度 32℃ 日数 2日(48時間) 加温棚差し育苗 設定温度 32℃ 日数 2日(48時間) 従って、この場合の合計は 16(℃/日)×2(日)+32(℃/日)×4(日)
=160℃ となる。 c)加温積重ね出芽 設定温度 32℃ 日数 2日(48時間) 加温棚差し育苗 設定温度 32℃ 日数 2日(48時間) 無加温育苗 保温 22℃ 日数 3日(48時間) 従って、この場合の合計は 32(℃/日)×4(日)+22(℃/日)×3(日)
=194℃ となる。があるが、本発明はこれだけに限定されるもの
ではないことはいうまでもない。
【0011】本発明で使用する人工培地は、ロックウー
ル等の無機繊維や発泡尿素樹脂、ウレタン、パルプ、古
紙、ピートモスを主成分としたものをマット状に成型加
工したものである。無機繊維としては、例えばロックウ
ール、グラスウール、セラミックファイバー等が挙げら
れる。有機繊維としては、例えば、木材及び古紙の繊維
分を結合剤と共に水中に分散させ、これをマット状に成
型して得られるパルプマット、古紙マットやピートモス
を圧縮成型したピートモスマットが挙げられる。
【0012】人工成型培地は、必要に応じて各種の添加
剤、例えば界面活性剤、高級アルコール等の親水性付与
剤を添加してもよい。従来、ロックウール等の無機繊維
成型培地では、pH値が高いため、例えば硫酸、クエン
酸、フミン酸、ニトロフミン酸、ピートモス等のpH調
整剤を添加して稲の生育に好適なpH値としているが、
本発明では、覆土中に混入された窒素が乳苗に吸収さ
れ、残った硫酸根や根からでる根酸により人工培地のp
H値がほぼ苗の生育に適した値に調製されることから特
に添加する必要はないが、必要に応じて添加することを
除外するものではない。また、本田に移植する時点で種
籾のもつ胚乳養分が50%以上残っていることから、本
田に移植後もこの残存胚乳養分によって生育するので、
特に肥料は必要ないと考えられるが、人工培地のpH調
整と、移植時の苗丈確保を考慮する場合においては、覆
土に若干の肥料(窒素)を添加することが好ましい。ロ
ックウール等の無機繊維成型培地の場合には、嵩密度5
0〜100kg/m3 であって、根の食い込みをよくす
るため繊維の配向方向が垂直のものが好ましい。
【0013】乳苗を作る播種作業は、人工成型培地を育
苗箱に設置し、灌水後種籾を播種し、培土で5〜7mm
程度覆土して行う。本発明における播種量は、稚苗より
幼い苗で移植するため、稚苗における播種量より20〜
50%多い育苗箱当たり200〜250g(乾籾換算)
とする。好ましい本発明の実施態様では、無肥料の人工
成型培地を育苗箱に設置し、種籾を播種し、若干の肥料
入り培土で覆土する。
【0014】灌水とは、育苗箱に収納された人工成型培
地に種籾の出芽に必要な水分を供給することであり、本
発明では、ここで人工成型培地に供給した水分の温度を
マット内水温15℃以上とし、通常使用されている若干
の透光性を有する樹脂等で覆われた出芽室内で2日間
(48時間)積重ね保温する。マット内水温を15℃以
上とするのは、このマットは保水性が大きく、土床に比
べマット内温度の上昇が遅いことから、育苗器を出芽・
苗立の適温である32℃でセットした場合、マット内の
水温が15℃位でも土床と同温になるのに数時間を必要
とする、そのため15℃以下の水温では出芽・苗立が遅
くなるいう理由によるものである。
【0015】次いで、育苗器内で積重ねた状態でマット
内水温を25〜32℃にコントロールし、2日間(48
時間)加温出芽させる。育苗器内の温度を25〜32℃
としたのは、乳苗としての適正苗、すなわち、7〜9c
m程度の草丈を確保するための適正葉鞘長を得るためで
ある。加温出芽させた育苗箱は、棚差ししてさらに育苗
するが、この際にも25〜32℃で2日間(48時間)
加温育苗する。育苗器内の温度を25〜32℃としたの
は、加温出芽と同様に理由によるものであり、32℃以
上では、高温障害を受け、出芽や苗立ちに悪影響を与え
苗が枯死するという問題があるためである。この加温棚
差し室は、通常、育苗器と兼用であり、単に育苗箱を間
隔を明けて重ねるものであって、若干の透光性を有する
樹脂製等の覆いで覆われていることから、この光で若干
の緑化を進め、葉鞘高を伸ばして苗丈を制御することが
好ましい。このようにして緑化させるのは、乳苗の場合
には、通常は緑化させて本田に移植するが、通常の方法
で緑化させた場合には苗の葉鞘伸長が抑制されることか
ら、短期間で必要な苗丈が得られないためであり、全く
緑化させない場合には、徒長苗となり、根量が少なく、
マット形成が不充分なので、ばらけて田植機にかけるこ
とができないという問題があるためである。従来から使
用されている暗黒に近い状態で育苗する場合には、苗丈
を調整するために、移植前に弱光を当てて苗の生長を抑
えつつ、緑化を促進させることが好ましい。
【0016】これまでは、本発明の、積重ね保温、加温
出芽室、加温棚差し室の間に加えた加温育苗器の設定温
度の積み重ねが160〜200℃程度となるように制御
することについて説明したが、本発明では、加温出芽
室、加温棚差し室、ハウス内育苗の間、または、加温出
芽室、加温棚差し室、無加温棚差し室放置の間に加えた
加温育苗器の設定温度と加温育苗器外での日平均気温の
積み重ねが160〜200℃程度となるように制御する
ことでもよい。この他、自動育苗設備、例えば、播種後
の育苗箱を台車に載置し、このまま加温出芽室、棚差し
緑化室、硬化ハウス等で育苗する育苗センターにおいて
も、加温出芽室、棚差し緑化室での設定温度を160〜
200℃に制御することによって、硬化ハウスを使用し
なくても、7日以内に苗丈7〜9cmの乳苗を得ること
ができる。加温出芽室、加温棚差し室、ハウス内育苗と
する場合には、灌水、播種、覆土を行った育苗箱を直ち
に加温出芽室に積み重ね、前記同様に32℃で2日間加
温し、加温棚差し室で前記同様に32℃で2日間加温
し、次いで、ハウス内で夜間16℃以上の温度で3日間
育苗する。加温出芽室、加温棚差し室、無加温棚差し室
放置とする場合には、灌水、播種、覆土を行った育苗箱
を直ちに加温出芽室に積み重ね、前記同様に32℃で2
日間加温し、加温棚差し室で前記同様に32℃で2日間
加温し、次いで、加温棚差し室において、スチーム等の
熱源を止め無加温状態で2日間放置する。この無加温状
態では、加温棚差し室内の温度は徐々に下がるが、マッ
ト等の保有熱があることから2日間で44℃程度の加熱
を行ったと同様の効果がある。こうして育苗された乳苗
は、種子根、冠根の伸長が著しく、しかも、苗丈が7〜
9cmであって、成型培地に強固に定着しているため、
田植機にかけて本田へ移植することができる。これに対
して、天然土壌を播種床とする乳苗では、10日間育苗
しても根量が少なく、マット形成が不充分なので、ばら
けて田植機にかけることができない。
【0017】
【作用】本発明では、根張りのよい人工成型培地で育苗
する間に透光性の覆いを通過した光によって苗伸長が制
御され機械適応性のよい苗丈が得られると共に、胚乳養
分が半分以上残っている段階で、本田へ移植し、完全緑
化させるが、移植後もこの胚乳養分と本田に施肥された
肥料の相乗作用で、急速に生育するものと思われる。
【0018】
【実施例】
実施例1 結合剤として水溶性フェノール樹脂、親水性付与剤とし
て非イオン系界面活性剤を添加してロックウールをマッ
ト状に成型した嵩密度60kg/m3 の無肥料ロックウ
ール成型培地(新日鐵化学(株)製 商品名チビッコパ
ワー)を使用した。この人工成型培地を育苗箱に設置
し、16℃の水で十分灌水を行い、コシヒカリの催芽籾
を育苗箱当り220g(乾籾換算)播種し、1.2kg
の肥料入りの覆土(呉羽化学(株)製 粒状培土K N
分0.6g)を行った後、夜間16℃の温度で2日間積
重ね保温した。この育苗箱を育苗棚に載せて設定温度3
2℃の出芽室内にて2日間加温出芽を行い、次いで、設
定温度32℃で2日間加温棚差しを行い、若干緑化させ
た。この場合の温度の合計は、16(℃/日)×2
(日)+32(℃/日)×4(日)=160℃であっ
た。その結果を表1に示す。平均苗丈7.7cmで根張
りの良好な乳苗が得られ、現在使用されている稚苗用掻
き取り用爪を有する田植機を使用して本田へ移植した
が、稚苗の場合と比べて欠株率に遜色はなかった。
【0019】実施例2 実施例1で得た覆土をした育苗箱を直ちに育苗棚に載せ
て設定温度32℃の出芽室内にて2日間加温出芽を行
い、次いで、設定温度32℃で2日間加温棚差しを行
い、若干緑化させ、夜間設定温度16℃以上の温度で3
日間ハウス内育苗した。この場合の温度の合計は、32
(℃/日)×4(日)+16(℃/日)×3(日)=1
76℃であった。その結果を表1に示す。平均苗丈7.
7cmで根張りの良好な乳苗が得られ、現在使用されて
いる稚苗用掻き取り用爪を有する田植機を使用して本田
へ移植したが、稚苗の場合と比べて欠株率に遜色はなか
った。
【0020】実施例3 実施例1で得た覆土をした育苗箱を直ちに育苗棚に載せ
て設定温度32℃の出芽室内にて2日間加温出芽を行
い、次いで、設定温度32℃で2日間加温棚差しを行
い、若干緑化させ、加温せずに加温器内に3日間放置し
た。この時の、加温器内の温度は22℃であった。この
場合の温度の合計は、32(℃/日)×4(日)+22
(℃/日)×3(日)=194℃であった。その結果を
表1に示す。平均苗丈8.9cmで根張りの良好な乳苗
が得られ、現在使用されている稚苗用掻き取り用爪を有
する田植機を使用して本田へ移植したが、稚苗の場合と
比べて欠株率に遜色はなかった。
【0019】実施例4 実施例1で得た覆土をした育苗箱を直ちに育苗棚に載せ
て設定温度32℃の出芽室内にて3日間加温出芽を行
い、次いで、ミラーシート1枚で被覆した緑化ハウス内
にて日平均気温25℃、26℃で各2日間の計4日間育
苗した。この場合の温度の合計は、32(℃/日)×3
(日)+25(℃/日)×2(日)+26(℃/日)×
2(日)=198℃であった。その結果を表1に示す。
平均苗丈7.1cmで根張りの良好な乳苗が得られ、現
在使用されている稚苗用掻き取り用爪を有する田植機を
使用して本田へ移植したが、稚苗の場合と比べて欠株率
に遜色はなかった。
【0020】実施例5 実施例1で得た覆土をした育苗箱を直ちに育苗棚に載せ
て設定温度32℃の出芽室内にて3日間加温出芽を行
い、次いで、ミラーシート2枚で被覆した緑化ハウス内
にて日平均気温25℃で1日、26℃で2日の計3日間
育苗した。この場合の温度の合計は、32(℃/日)×
3(日)+25(℃/日)×1(日)+26(℃/日)
×2(日)=173℃であった。その結果を表1に示
す。平均苗丈7.0cmで根張りの良好な乳苗が得ら
れ、現在使用されている稚苗用掻き取り用爪を有する田
植機を使用して本田へ移植したが、稚苗の場合と比べて
欠株率に遜色はなかった。この実施例におけるハウスで
の育苗日数が前記実施例4に比べて短いのは、ミラーシ
ートを2枚使用したことによる光の透過率が減少し、緑
化による生長の抑制が働いたものである。
【0021】比較例1 実施例1で得た覆土をした育苗箱を従来の乳苗の育苗方
法である、加温出芽を設定温度32℃で2日間育苗し、
次いで、ハウス内で夜間設定温度16℃以上で5日間育
苗した。この場合の温度の合計は、32(℃/日)×2
(日)+16(℃/日)×5(日)=144℃であっ
た。その結果を表1に示す。根張りは移植に十分であっ
たが、平均苗丈が6.4cmであり、現在使用されてい
る稚苗用掻き取り用爪を有する田植え機を使用して本田
へ移植したが、欠株率が高かった。
【0022】比較例2 実施例1で得た覆土をした育苗箱を直ちに育苗棚に載せ
て設定温度32℃の出芽室内にて3日間加温出芽を行
い、次いで、ミラーシート1枚で被覆した緑化ハウス内
にて日平均気温25℃、26℃、25℃で各1日計3日
間育苗した。この場合の温度の合計は、32(℃/日)
×3(日)+25(℃/日)×2(日)+26(℃/
日)×1(日)=172℃であった。その結果を表1に
示す。根張りは移植に十分であったが、ミラーシート1
枚で被覆しているため、緑化が進み苗丈が抑制されたた
め、平均苗丈が6.2cmであり、現在使用されている
稚苗用掻き取り用爪を有する田植え機を使用して本田へ
移植したが、欠株率が高かった。
【0023】比較例3 実施例1で得た覆土をした育苗箱を直ちに育苗棚に載せ
て設定温度32℃の出芽室内にて3日間加温出芽を行
い、次いで、ミラーシート2枚で被覆した緑化ハウス内
にて日平均気温25℃で1日間育苗した。この場合の温
度の合計は、32(℃/日)×3(日)+25(℃/
日)×1(日)=121℃であった。その結果を表1に
示す。根張りは移植に十分であったが、平均苗丈が6.
2cmであり、現在使用されている稚苗用掻き取り用爪
を有する田植え機を使用して本田へ移植したが、欠株率
が高かった。
【0024】比較例4 実施例1で使用した無肥料ロックウール成型培地に肥料
としてN分0.8gを含有させ、肥料入り覆土の代わり
に無肥料覆土を使用した以外は実施例1と同様にして得
た育苗箱を直ちに育苗棚に載せて設定温度32℃の出芽
室内にて3日間加温出芽を行い、次いで、ミラーシート
1枚で被覆した緑化ハウス内にて日平均気温25℃で2
日間育苗した。この場合の温度の合計は、32(℃/
日)×3(日)+25(℃/日)×2(日)=146℃
であった。その結果を表1に示す。窒素量が多いため、
平均苗丈は7.1cmとなったが、根張りが不十分であ
ることから、バラけて移植には不適当であった。 (以下、この頁余白)
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、灌水か
ら本田移植前までの育苗期間内に加温育苗器の一日中の
設定温度と加温日数の積算値と加温育苗器外での日平均
気温と日数との積算値との合計が160〜220℃とな
るようにし、加温棚差し室の覆いを透過した光によって
若干緑化させることにより、苗丈が平均7〜9cmの乳
苗をえることができるので、従来の6日間程度育苗した
乳苗の苗丈が平均6cm程度であって、現在使用中の田
植機では欠株率が高いという問題を解決することができ
る。このような乳苗を使用するため、育苗箱当りの播種
量を従来の20〜50%多い200〜250gとするこ
とができ、単位面積当りの育苗箱の数を減少させること
ができる。そのため、育苗センターでのローテーション
が効率的に行えると共に、低コスト化が可能になる。ま
た、従来、稚苗又は中苗では移植直後各種の障害で苗が
だめになった場合、育苗期間が長いので、苗作りからや
り直すことが不可能であったが、本発明によれば7日間
以内の育苗期間であるためにそうした問題が解消され
る。さらには、従来の乳苗、稚苗、中苗等は必ず緑化過
程を経る必要があり、このために広いビニールハウス等
からなる緑化室等を必要としたが、本発明ではこの広い
ビニールハウスが不要となる効果が生じる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】灌水から本田移植前までの育苗期間内の加
    温育苗器の一日中の設定温度と加温日数の積算値と加温
    育苗器外での日平均気温と日数との積算値との合計が1
    60〜200℃であることを特徴とする乳苗。
  2. 【請求項2】加温育苗器内での加温積重ね出芽、加温棚
    差し育苗の加温設定温度を25〜32℃とし各2日間加
    温することを特徴とする請求項1記載の乳苗。
  3. 【請求項3】人工成型培地に灌水後積重ね保温、加温積
    重ね出芽、加温棚差し育苗する乳苗の育苗方法におい
    て、灌水時のマット内水温15℃以上で2日間、加温積
    重ね出芽温度25〜32℃で2日間、加温棚差し育苗温
    度25〜32℃で2日間育苗すると共に、緑化させ、苗
    丈を7〜9cmに調整することを特徴とする乳苗の育苗
    方法。
  4. 【請求項4】人工成型培地に灌水後、加温積重ね出芽、
    加温棚差し育苗し、次いで、ハウス内で育苗する乳苗の
    育苗方法において、灌水後加温積重ね出芽温度25〜3
    2℃で2日間、加温棚差し育苗温度25〜32℃で2日
    間、ハウス内で15℃以上で3日間育苗すると共に緑化
    させ、苗丈を7〜9cmに調整することを特徴とする乳
    苗の育苗方法。
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