JP2004247164A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギー効率よく速やかに燃料電池スタックを暖機させる。
【解決手段】燃料ガス及び酸化剤ガスを供給して燃料電池スタック1を発電開始させて、燃料電池スタック1にて発電した電力を用いて駆動モータ2にトルクを発生させるのを開始する時に、制御ユニット11により、燃料電池スタック1の温度に基づいた燃料電池スタック1の発電可能な電力よりも低い電力出力で燃料電池スタック1を発電させ、駆動モータ2の発熱により暖機された冷却水の熱を冷却水供給流路L1及びラジエタバイパス流路L2を介して燃料電池スタック1に送り、燃料電池スタック1を暖機させる。このとき、制御ユニット11では、駆動モータ2の回転を停止させて、燃料電池スタック1の電力及びバッテリ3の電力を駆動モータ2に供給して、駆動モータ2の発熱を促す。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料ガス及び酸化剤ガスを供給して燃料電池スタック1を発電開始させて、燃料電池スタック1にて発電した電力を用いて駆動モータ2にトルクを発生させるのを開始する時に、制御ユニット11により、燃料電池スタック1の温度に基づいた燃料電池スタック1の発電可能な電力よりも低い電力出力で燃料電池スタック1を発電させ、駆動モータ2の発熱により暖機された冷却水の熱を冷却水供給流路L1及びラジエタバイパス流路L2を介して燃料電池スタック1に送り、燃料電池スタック1を暖機させる。このとき、制御ユニット11では、駆動モータ2の回転を停止させて、燃料電池スタック1の電力及びバッテリ3の電力を駆動モータ2に供給して、駆動モータ2の発熱を促す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃料電池スタックを発電開始するに際して、燃料電池スタックを暖機させるための燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば燃料電池スタックを発電開始するに際して、燃料電池スタックを暖機させるための手段を備えた燃料電池システムが知られている。このような燃料電池システムとしては、下記の特許文献1や特許文献2に記載された技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された燃料電池システムは、燃料電池や、モータといった発熱部から発生した熱を、冷却装置により作動最適温度に冷却すると共に、熱電変換素子にて熱を電力に変換して、当該電力を廃熱回収装置にて回収するようにしている。
【0004】
また、特許文献2に記載された技術は、バッテリの余熱を利用する電気自動車の冷却システムである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−23666号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平5−344606号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された燃料電池システムでは、周囲が低温であるときに燃料電池スタックを起動する時には、燃料電池スタックの発電効率が良好でないために暖機が必要となるが、燃料電池スタック自身の発熱による暖機のみでは、最適な作動温度になるまでに多くの時間がかかってしまう。また、仮に燃焼機からの過熱されたガスにより暖機を行うとしても、排ガスに持ち出される熱エネルギーによってロスが発生してしまい、燃費の低下を招いてしまう懸念があった。
【0008】
また、上述した特許文献2に記載された技術では、低温起動後に冷媒をバッテリーに送って加熱することで燃料電池スタックを暖機する技術が記載されているが、低温起動直後ではバッテリーも冷えた状態であるために、冷媒に熱を与えることが出来ないうえに、冷媒で冷やされるとバッテリーの効率が下がってしまい、燃費の低下を招いてしまう懸念があった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、エネルギー効率よく速やかに燃料電池スタックを暖機させることができる燃料電池システムを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給して燃料電池スタックを発電開始させて、燃料電池スタックにて発電した電力を用いて電動機にトルクを発生させるのを開始する時に、制御手段により、燃料電池スタックの温度に基づいた燃料電池スタックの発電可能な電力よりも低い電力出力で燃料電池スタックを発電させることで、余剰な電気化学反応によるエネルギーは熱となり、燃料電池スタックを内部から暖機しながら、電動機の発熱により暖機された冷却水の熱を電動機用冷却水循環手段からスタック用冷却水循環手段に送り、燃料電池スタックを暖機させることで、上述の課題を解決する。
【0011】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタックの起動時には、燃料電池スタックを低出力で発電させて、燃料電池スタック自身の発熱によって燃料電池スタックを内部から暖機するとともに、電動機にてエネルギー損失分を熱とし、発熱した電動機により暖められた冷却水によって燃料電池スタックを暖めることで、燃料電池スタックを暖機することにより、速やかに燃料電池スタックを暖機することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、エネルギーのロスが少なく、燃料電池スタックの暖機を促進することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
[第1実施形態]
本発明は、例えば図1に示すように構成された第1実施形態に係る燃料電池システムに適用される。
【0014】
[燃料電池システムの構成]
この燃料電池システムは、例えば車両に搭載され、燃料電池スタック1に燃料ガスとして水素(あるいは水素リッチガス)を供給する水素供給系、酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給系、燃料電池スタック1に冷却水を供給する冷却水供給系を有し、燃料電池スタック1からの出力電力を駆動モータ2などの負荷や、燃料電池スタック1を発電させるための補機に供給して駆動するものである。なお、図1では、水素供給系、空気供給系の記載を省略して、主として冷却水供給系を示している。
【0015】
燃料電池スタック1は、水素が供給される水素極と酸素(空気)が供給される空気極とが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされた発電セルが多段積層された構造を有し、電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。水素極では、水素が供給されることで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、空気極にそれぞれ移動する。空気極では、供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び電子が反応して水が生成し、外部に排出される。
【0016】
このような燃料電池システムは、車両の動力源となる駆動モータ2が、燃料電池スタック1から電力の供給を受けて回転することにより、車両を走行させる。このとき、燃料電池システムでは、必要に応じてバッテリ3の放電を行い、駆動モータ2への電力を補助すると共に、駆動モータ2の回生によりエネルギーをバッテリ3に回収して充電させる。また、図示はしていないが、この燃料電池システムは、燃料電池スタック1にて発電した電力を必要に応じてバッテリ3に充電させる。
【0017】
燃料電池スタック1及び駆動モータ2を冷却するための冷却水供給系は、循環ポンプ4、第1三方弁5及び第1アクチュエータ6、ラジエタ7、第2三方弁8及び第2アクチュエータ9、冷却水温度センサ10、燃料電池スタック1、駆動モータ2の順に冷却水を供給する冷却水供給流路L1を有している。また、この冷却水供給系は、循環ポンプ4から送出された冷却水をラジエタ7に導かずに第1三方弁5から第2三方弁8に導くラジエタバイパス流路L2を有している。なお、本例では、冷却水温度センサ10を燃料電池スタック1の冷却水上流側に設けているが、必要に応じて駆動モータ2の冷却水上流側に設けても良い。
【0018】
また、この燃料電池システムは、上述した各部を制御する制御ユニット11を備えている。この制御ユニット11は、燃料電池スタック1に発電をさせるに際して、燃料電池スタック1に要求される発電量に応じて水素供給系及び空気供給系を制御すると共に、燃料電池スタック1及びバッテリ3の出力制御をして、駆動モータ2の駆動量を制御する。
【0019】
このとき、制御ユニット11は、冷却水温度センサ10からのセンサ信号を検出して冷却水温度を認識すると共に、燃料電池スタック1内の温度センサにて検出した温度及びバッテリ3内の温度センサにて検出した温度を認識する。そして、制御ユニット11では、循環ポンプ4の回転数を制御すると共に、第1アクチュエータ6及び第2アクチュエータ9の動作を制御して、第1三方弁5及び第2三方弁8を開閉制御する。これにより、制御ユニット11では、循環ポンプ4から送出された冷却水をラジエタ7に導いて冷却水温度を低下させる制御、循環ポンプ4から送出された冷却水をラジエタバイパス流路L2に導いて冷却水温度を低下させない制御の何れかをすることで、燃料電池スタック1の温度調整をする。なお、この制御ユニット11による燃料電池スタック1の暖機制御処理の詳細については後述する。
【0020】
[制御ユニット11による暖機制御処理]
つぎに、上述したように構成された燃料電池システムにおいて、制御ユニット11により燃料電池スタック1を暖機して燃料電池スタック1を最適な作動温度とするときの第1暖機制御処理〜第3暖機制御処理について説明する。
【0021】
「第1暖機制御処理」
第1暖機制御処理は、図2に示すように、例えば車両のIGNスイッチが操作された後に例えば所定期間毎に実行し、先ずステップS1において、制御ユニット11により、燃料電池スタック1の温度Tfcを検出すると共に、冷却水温度センサ10からのセンサ信号から冷却水温度Twtを検出する。
【0022】
次のステップS2においては、制御ユニット11により、ステップS1にて検出した燃料電池スタック1の温度Tfcが、燃料電池スタック1の最適作動温度T1より低く設定された温度T2(例えば、0℃)より低いか否かを判定することで、燃料電池スタック1の暖機運転を行うか否かを判定する。制御ユニット11により、燃料電池スタック1の温度Tfcが温度T2より低いと判定した場合には、ステップS3以降の暖機処理を行うと判定し、燃料電池スタック1の温度Tfcが温度T2よりも低くないと判定した場合には暖機運転は行わずに処理を終了する。
【0023】
次のステップS3においては、制御ユニット11により、燃料電池スタック1の出力を制御する。このとき、制御ユニット11は、ステップS1にて検出した燃料電池スタック1の温度Tfcに基づいて図3に示すようなマップデータを参照して、燃料電池スタック1にて発電可能な電力を推定する。すなわち、制御ユニット11では、燃料電池スタック1の温度Tfcが低いほど、燃料電池スタック1の発電可能な電力が低くなるのに合わせて、水素供給量及び空気供給量を少なくするように水素供給系及び空気供給系を制御する。
【0024】
次のステップS4においては、制御ユニット11により、燃料電池スタック1にて発電させた電力及び/又はバッテリ3に充電した電力を駆動モータ2に供給して通電させる。ここで、駆動モータ2は、暖機運転時においては電力が供給されても回転できないように、制御ユニット11によってブレーキ機構が制御されて固定されており、その結果、回転エネルギーが駆動力やモータの駆動損失によっては消費されない。これにより、駆動モータ2では供給された電力を熱として放出して、冷却水温度を上昇させる。また、制御ユニット11では、駆動モータ2と接続した車両駆動出力軸を固定することで、駆動モータ2の回転を固定しても良い。
【0025】
次のステップS5においては、制御ユニット11により、循環ポンプ4の回転数を制御する。このとき、制御ユニット11では、ステップS1にて検出した冷却水温度Twtに基づいて図4に示すマップデータを参照して、設定した冷却水流量を保つためのポンプ回転数を制御する。すなわち、制御ユニット11では、冷却水の温度が低いほど冷却水の粘度が大きくなるので、冷却水温度が低いほど、高い回転数にて循環ポンプ4を駆動する。これにより、制御ユニット11では、冷却水温度に拘わらず、燃料電池スタック1に導く冷却水流量を一定とする。
【0026】
次のステップS6においては、制御ユニット11により、ステップS5にて制御した循環ポンプ4の回転数に従って冷却水を循環させることで、駆動モータ2から発生した熱量を冷却水に伝達して、燃料電池スタック1に伝える。
【0027】
このような第1暖機制御処理を行う燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の低温起動時には、燃料電池スタック1を低出力で発電させて、駆動モータ2にてエネルギー損失分を熱とし、発熱した駆動モータ2により暖められた冷却水によって燃料電池スタック1を暖めることで、燃料電池スタック1を暖機することにより、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、エネルギーのロスが少なく冷却水をより早く温めることができ、燃料電池スタック1の暖機を促進することができる。
【0028】
また、この燃料電池システムよれば、燃料電池スタック1の暖機時に、駆動モータ2を回転させないように制御することで、燃料電池スタック1から駆動モータ2に与えられた電力を駆動としてのエネルギーや駆動モータ2の駆動損失などで低減させることなく、全電力を熱として冷却水に与えることができるので、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。
【0029】
更に、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の低温起動時には冷却水がラジエタ7をバイパスするように制御することにより、暖機制御中にラジエタ7から放熱して、暖機のためのエネルギーをロスすることを防止できるため、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。
【0030】
更にまた、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1と駆動モータ2とで共有した冷却水供給流路L1を使用して燃料電池スタック1の暖機を行うことにより、簡素化したシステムであっても、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。
【0031】
「第2暖機制御処理」
つぎに、第2暖機制御処理について説明する。なお、上述の第1暖機制御処理と同様の処理については同一ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0032】
第2暖機制御処理では、図5に示すように、ステップS2にて暖機運転をすると判定した後のステップS11において、制御ユニット11により、バッテリ3のSOC(State Of Charge)及びバッテリ3の温度を検出する。
【0033】
次のステップS12においては、制御ユニット11により、ステップS11にて検出したバッテリ3のSOCが、バッテリ3のSOCの下限レベルL1よりも高いか否かを判定することで、バッテリ3の電力を駆動モータ2に供給するか否かを判定する。制御ユニット11では、検出したバッテリ3のSOCが、下限レベルL1よりも高いと判定した場合にはバッテリ3の電力を使用して駆動モータ2に電力供給をすると判定してステップS3Aに処理を進め、検出したバッテリ3のSOCが、下限レベルL1よりも高くないと判定した場合には第1暖機制御処理と同様にステップS3B(上述のステップS3に相当)〜ステップS6の処理を行って処理を終了する。すなわち、バッテリ3のSOCが、下限レベルL1よりも高くない場合には、バッテリ3の電力を使用せずに燃料電池スタック1にて発電した電力のみを駆動モータ2に供給して冷却水温度を上昇させて、燃料電池スタック1を暖機させる。
【0034】
これに対し、上述のステップS3と同様の処理をステップS3Aにて行った後のステップS13においては、制御ユニット11により、バッテリ3から駆動モータ2に出力する電力を制御する。このとき、制御ユニット11は、ステップS11にて検出したバッテリ3の温度に基づいて図6に示すようなマップデータを参照して、バッテリ3から出力する電力を制御する。すなわち、制御ユニット11では、バッテリ3の温度が低いほど、バッテリ3から駆動モータ2に出力する電力を小さくするようにバッテリ3を制御する。
【0035】
そして、次のステップS4においては、ステップS3Aにて決定した燃料電池スタック1の出力電力を駆動モータ2に供給すると共に、ステップS13にて決定したバッテリ3の出力電力を駆動モータ2に供給して、駆動モータ2を通電させて、第1暖機制御処理と同様にステップS5及びステップS6を行って処理を終了する。
【0036】
このような第2暖機制御処理を行う燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1にて発電した電力のみならず、バッテリ3の電力をも駆動モータ2に供給することにより、第1暖機制御処理と比較して駆動モータ2の発熱量を増加させることができ、第1暖機制御処理と比較して速やかに燃料電池スタック1の暖機を行うことができる。
【0037】
また、この第2暖機制御処理におけるステップS13においては、バッテリ3の温度に基づいてバッテリ3の出力電力を制御する場合のみならず、制御ユニット11により、ステップS11にて検出したバッテリ3のSOCに基づいて図7に示すマップデータを参照して、バッテリ3の出力電力を制御しても良い。すなわち、制御ユニット11では、バッテリ3のSOCが少ない場合ほど、バッテリ3からの出力電力を小さくする。これにより、燃料電池システムでは、バッテリ3のSOCに応じて燃料電池スタック1の暖機に使用するバッテリ3の電力量を制御することができ、暖機運転から通常運転に移行した後であっても、暖機運転にて使用されずに残ったバッテリ3の電力を使用して、バッテリ3から駆動モータ2に電力供給をすることができる。
【0038】
「第3暖機制御処理」
つぎに、第3暖機制御処理について説明する。なお、上述の暖機制御処理と同様の処理については同一ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、この第3暖機制御処理では、上述した第2暖機制御処理に適用可能である。
【0039】
この第3暖機制御処理では、図8に示すように、ステップS6の次のステップS21において、制御ユニット11により、ステップS1にて検出した冷却水温度Twtが、燃料電池スタック1の耐熱温度T3よりも低く設定され、燃料電池スタック1が冷却水の熱により傷まない保証温度T4よりも小さいか否かを判定することで、バッテリ3からの電力出力を継続するか否かを判定する。
【0040】
制御ユニット11では、冷却水温度Twtが保証温度T4よりも小さいと判定した場合には、バッテリ3からの電力出力を継続すると判定して、ステップS22にてバッテリ3の出力制御を継続する一方で、冷却水温度Twtが保証温度T4よりも小さくないと判定した場合には、バッテリ3からの電力出力を継続しないと判定して、ステップS23にてバッテリ3からの電力出力を停止させる。
【0041】
このような第3暖機制御処理を行う燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の耐熱温度T3よりも低い保証温度T4を設定することで、過度に温度が高い冷却水を燃料電池スタック1に供給することを防止して、燃料電池スタック1を熱により傷めることを防止することができる。
【0042】
また、この第3暖機制御処理においては、ステップS22にてバッテリ3からの出力電力を制御するに際して、ステップS1にて検出した冷却水温度Twtに基づいて図9に示すようなマップデータを参照して、バッテリ3からの出力電力を制御しても良い。このとき、制御ユニット11では、冷却水温度Twtが高くなって保証温度T4に近づくほど、バッテリ3からの出力電力を低くする制御をする。
【0043】
このような制御をした場合、冷却水温度Twtが保証温度T4に達してバッテリ3の出力を停止した際、その後の冷却水の温度上昇を抑えることができる。その結果、上述の図8の制御を行った場合には保証温度T4を燃料電池スタック1の耐熱温度T3に対して余裕を持った低い値に設定する必要があるのに対して、保証温度T4を、燃料電池スタック1の耐熱温度T3により近い値を設定でき、冷却水温度が耐熱温度付近に至るまで、バッテリ3の電力出力により駆動モータ2が発生する熱を利用することができる。
【0044】
更に、ステップS22において、冷却水温度Twtのみならず、微小な時間Δtにおける冷却水温度の上昇率ΔTwtに基づいて図10に示すようなマップデータを参照して、バッテリ3の出力電力を制御しても良い。すなわち、制御ユニット11では、冷却水温度Twtが高くても上昇率ΔTwtが低い場合には、バッテリ3の出力電力を低くしない。これにより、燃料電池システムでは、冷却水温度Twtが高いときにバッテリ3の出力電力を低くする場合と比較して、バッテリ3からの出力電力を適切な電力量にして駆動モータ2に電力供給を行うことができ、更に燃料電池スタック1の暖機時間を短くすることができる。
【0045】
更にまた、この第3暖機制御処理においては、燃料電池スタック1の耐熱温度T3が駆動モータ2の耐熱温度T5より低いという前提で冷却水温度を制御する一例について説明したが、駆動モータ2の耐熱温度T5が燃料電池スタック1の耐熱温度T3より低い場合には、燃料電池スタック1の耐熱温度T3に対する保証温度T4と同様に、駆動モータ2の耐熱温度T5よりも低い保証温度T6を設定しても良い。この場合、制御ユニット11では、駆動モータ2入口側の冷却水温度Tmtを図示しない温度センサから検出して、駆動モータ2に供給される冷却水温度が保証温度T6よりも高くならないようにバッテリ3の出力制御を行うことで、駆動モータ2が高温となることによる劣化等を回避することができる。
【0046】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0047】
この第2実施形態に係る燃料電池システムは、図11に示すように、燃料電池スタック1に挿通したスタック用冷却水供給流路L11及び駆動モータ2に挿通したモータ用冷却水供給流路L12を備えると共に、スタック用冷却水供給流路L11を流れる冷却水とモータ用冷却水供給流路L12を流れる冷却水との間で熱交換をする熱交換器21を備える。
【0048】
スタック用冷却水供給流路L11は、スタック用循環ポンプ22、熱交換器21、第3三方弁23及び第3アクチュエータ24、スタック用ラジエタ25、第4三方弁26及び第4アクチュエータ27、スタック用冷却水温度センサ28、燃料電池スタック1の順に冷却水を供給する。また、このスタック用冷却水供給流路L11には、熱交換器21を通過した冷却水をスタック用ラジエタ25に導かずに第3三方弁23から第4三方弁26に導くラジエタバイパス流路L13を有している。
【0049】
モータ用冷却水供給流路L12は、モータ用循環ポンプ29、熱交換器21、第5三方弁30及び第5アクチュエータ31、モータ用ラジエタ32、第6三方弁33及び第6アクチュエータ34、モータ用温度センサ35、駆動モータ2の順に冷却水を供給する。また、このモータ用冷却水供給流路L12には、駆動モータ2を通過した冷却水をモータ用ラジエタ32に導かずに第5三方弁30から第6三方弁33に導くラジエタバイパス流路L14を有している。
【0050】
このように構成された燃料電池システムでは、燃料電池スタック1及び駆動モータ2がそれぞれ独立したスタック用冷却水供給流路L11及びモータ用冷却水供給流路L12を有する点で、上述した第1実施形態に係る燃料電池システムとは異なる。この燃料電池システムでは、スタック用冷却水供給流路L11とモータ用冷却水供給流路L12とが共に熱交換器21に挿通されていることで、熱交換器21にて熱交換をして、燃料電池スタック1の暖機を行う。このとき、制御ユニット11では、以下に説明するような暖機制御処理を実行する。
【0051】
「暖機制御処理」
第2実施形態に係る燃料電池システムの制御ユニット11では、図12に示すように、先ず、ステップS31において、燃料電池スタック1の温度Tfc、スタック用冷却水温度センサ28からのセンサ信号に基づく燃料電池スタック1の冷却水入口における冷却水温度Twt1、モータ用温度センサ35からのセンサ信号に基づく駆動モータ2の冷却水入口における冷却水温度Twt2を検出する。
【0052】
次のステップS2においては、制御ユニット11により、ステップS31にて検出した燃料電池スタック1の温度Tfcが、温度T2より低いか否かを判定することで、燃料電池スタック1の暖機運転を行うか否かを判定する。制御ユニット11により、燃料電池スタック1の温度Tfcが温度T2より低いと判定した場合には、ステップS3以降の暖機処理を行うと判定し、燃料電池スタック1の温度Tfcが温度T2よりも低くないと判定した場合には暖機運転は行わずにステップS37に処理を進める。
【0053】
次のステップS32においては、制御ユニット11により、バッテリ3のSOCを検出して、ステップS33において、検出したバッテリ3のSOCが下限レベルL1よりも高いと判定した場合にはバッテリ3の電力を使用して駆動モータ2に電力供給をすると判定してステップS3A及び例えば図6を参照したステップS13の処理をしてステップS4に処理を進め、検出したバッテリ3のSOCが、下限レベルL1よりも高くないと判定した場合にはステップS3Bの処理をしてステップS4に処理を進める。
【0054】
そして、ステップS4にてステップS3A及びステップS13にて設定した燃料電池スタック1の発電量及びバッテリ3からの出力電力を駆動モータ2に通電させる制御、又はステップS3Bにて設定した燃料電池スタック1の発電量を駆動モータ2に通電させる制御をして、ステップS35においては、制御ユニット11により、スタック用冷却水供給流路L11の冷却水を循環させるスタック用循環ポンプ22及びモータ用冷却水供給流路L12の冷却水を循環させるモータ用循環ポンプ29のそれぞれの回転数を制御する。このとき、制御ユニット11では、ステップS31にて検出したスタック用冷却水供給流路L11における冷却水温度Twt1に基づいて図4のマップデータを参照してスタック用循環ポンプ22の回転数を制御すると共に、モータ用冷却水供給流路L12における冷却水温度Twt2に基づいて図4のマップデータを参照してモータ用循環ポンプ29の回転数を制御する。
【0055】
次にステップS36においては、ステップS35にて制御したスタック用循環ポンプ22及びモータ用循環ポンプ29の回転数に従って、冷却水の循環を開始させる。
【0056】
次のステップS37及びステップS38においては、制御ユニット11により、バッテリ3から駆動モータ2への電力供給を継続するか否かを判定する。すなわち、ステップS37においては、ステップS31にて検出した冷却水温度Twt2が、駆動モータ2の耐熱温度T5に対する保証温度T6よりも高いか否かを判定し、更に、ステップS38においては、ステップS31にて検出した冷却水温度Twt1が、燃料電池スタック1が冷却水により傷まない補償温度T4よりも高いか否かを判定する。
【0057】
冷却水温度Twt1が保証温度T6より低く且つ冷却水温度Twt2が保証温度T4より低い場合にはステップS22に処理を進めて、バッテリ3から駆動モータ2への電力供給を継続し、冷却水温度Twt1が保証温度T6より高い場合又は冷却水温度Twt2が保証温度T4より高い場合にはステップS23に処理を進めて、バッテリ3から駆動モータ2への電力供給を停止する。
【0058】
[第2実施形態の効果]
このような第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1と駆動モータ2とでそれぞれがスタック用冷却水供給流路L11及びモータ用冷却水供給流路L12を有し、通常運転時において要求される冷却水温度が異なる場合においても、冷間暖機時において熱交換器21などを介してバッテリ3にて暖機した冷却水を熱交換器21を介して燃料電池スタック1側の冷却水を暖機することができ、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。
【0059】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる第1暖機制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックの温度と燃料電池スタックの発電量との関係を示す図である。
【図4】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、冷却水温度と循環ポンプの回転数との関係を示す図である。
【図5】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる第2暖機制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、バッテリの温度とバッテリの放電量との関係を示す図である。
【図7】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、バッテリのSOCとバッテリの放電量との関係を示す図である。
【図8】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる第3暖機制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、冷却水温度とバッテリの放電量との関係を示す図である。
【図10】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、冷却水温度及び冷却水温度の上昇率と、バッテリの放電量との関係を示す図である。
【図11】本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムによる暖機制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 駆動モータ
3 バッテリ
4 循環ポンプ
5 第1三方弁
6 第1アクチュエータ
7 ラジエタ
8 第2三方弁
9 第2アクチュエータ
10 冷却水温度センサ
11 制御ユニット
21 熱交換器
22 スタック用循環ポンプ
23 第3三方弁
24 第3アクチュエータ
25 スタック用ラジエタ
26 第4三方弁
27 第4アクチュエータ
28 スタック用冷却水温度センサ
29 モータ用循環ポンプ
30 第5三方弁
31 第5アクチュエータ
32 モータ用ラジエタ
33 第6三方弁
34 第6アクチュエータ
35 モータ用温度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃料電池スタックを発電開始するに際して、燃料電池スタックを暖機させるための燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば燃料電池スタックを発電開始するに際して、燃料電池スタックを暖機させるための手段を備えた燃料電池システムが知られている。このような燃料電池システムとしては、下記の特許文献1や特許文献2に記載された技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された燃料電池システムは、燃料電池や、モータといった発熱部から発生した熱を、冷却装置により作動最適温度に冷却すると共に、熱電変換素子にて熱を電力に変換して、当該電力を廃熱回収装置にて回収するようにしている。
【0004】
また、特許文献2に記載された技術は、バッテリの余熱を利用する電気自動車の冷却システムである。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−23666号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平5−344606号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された燃料電池システムでは、周囲が低温であるときに燃料電池スタックを起動する時には、燃料電池スタックの発電効率が良好でないために暖機が必要となるが、燃料電池スタック自身の発熱による暖機のみでは、最適な作動温度になるまでに多くの時間がかかってしまう。また、仮に燃焼機からの過熱されたガスにより暖機を行うとしても、排ガスに持ち出される熱エネルギーによってロスが発生してしまい、燃費の低下を招いてしまう懸念があった。
【0008】
また、上述した特許文献2に記載された技術では、低温起動後に冷媒をバッテリーに送って加熱することで燃料電池スタックを暖機する技術が記載されているが、低温起動直後ではバッテリーも冷えた状態であるために、冷媒に熱を与えることが出来ないうえに、冷媒で冷やされるとバッテリーの効率が下がってしまい、燃費の低下を招いてしまう懸念があった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、エネルギー効率よく速やかに燃料電池スタックを暖機させることができる燃料電池システムを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給して燃料電池スタックを発電開始させて、燃料電池スタックにて発電した電力を用いて電動機にトルクを発生させるのを開始する時に、制御手段により、燃料電池スタックの温度に基づいた燃料電池スタックの発電可能な電力よりも低い電力出力で燃料電池スタックを発電させることで、余剰な電気化学反応によるエネルギーは熱となり、燃料電池スタックを内部から暖機しながら、電動機の発熱により暖機された冷却水の熱を電動機用冷却水循環手段からスタック用冷却水循環手段に送り、燃料電池スタックを暖機させることで、上述の課題を解決する。
【0011】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタックの起動時には、燃料電池スタックを低出力で発電させて、燃料電池スタック自身の発熱によって燃料電池スタックを内部から暖機するとともに、電動機にてエネルギー損失分を熱とし、発熱した電動機により暖められた冷却水によって燃料電池スタックを暖めることで、燃料電池スタックを暖機することにより、速やかに燃料電池スタックを暖機することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、エネルギーのロスが少なく、燃料電池スタックの暖機を促進することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
[第1実施形態]
本発明は、例えば図1に示すように構成された第1実施形態に係る燃料電池システムに適用される。
【0014】
[燃料電池システムの構成]
この燃料電池システムは、例えば車両に搭載され、燃料電池スタック1に燃料ガスとして水素(あるいは水素リッチガス)を供給する水素供給系、酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給系、燃料電池スタック1に冷却水を供給する冷却水供給系を有し、燃料電池スタック1からの出力電力を駆動モータ2などの負荷や、燃料電池スタック1を発電させるための補機に供給して駆動するものである。なお、図1では、水素供給系、空気供給系の記載を省略して、主として冷却水供給系を示している。
【0015】
燃料電池スタック1は、水素が供給される水素極と酸素(空気)が供給される空気極とが電解質・電極触媒複合体を挟んで重ね合わされた発電セルが多段積層された構造を有し、電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換する。水素極では、水素が供給されることで水素イオンと電子に解離し、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、空気極にそれぞれ移動する。空気極では、供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び電子が反応して水が生成し、外部に排出される。
【0016】
このような燃料電池システムは、車両の動力源となる駆動モータ2が、燃料電池スタック1から電力の供給を受けて回転することにより、車両を走行させる。このとき、燃料電池システムでは、必要に応じてバッテリ3の放電を行い、駆動モータ2への電力を補助すると共に、駆動モータ2の回生によりエネルギーをバッテリ3に回収して充電させる。また、図示はしていないが、この燃料電池システムは、燃料電池スタック1にて発電した電力を必要に応じてバッテリ3に充電させる。
【0017】
燃料電池スタック1及び駆動モータ2を冷却するための冷却水供給系は、循環ポンプ4、第1三方弁5及び第1アクチュエータ6、ラジエタ7、第2三方弁8及び第2アクチュエータ9、冷却水温度センサ10、燃料電池スタック1、駆動モータ2の順に冷却水を供給する冷却水供給流路L1を有している。また、この冷却水供給系は、循環ポンプ4から送出された冷却水をラジエタ7に導かずに第1三方弁5から第2三方弁8に導くラジエタバイパス流路L2を有している。なお、本例では、冷却水温度センサ10を燃料電池スタック1の冷却水上流側に設けているが、必要に応じて駆動モータ2の冷却水上流側に設けても良い。
【0018】
また、この燃料電池システムは、上述した各部を制御する制御ユニット11を備えている。この制御ユニット11は、燃料電池スタック1に発電をさせるに際して、燃料電池スタック1に要求される発電量に応じて水素供給系及び空気供給系を制御すると共に、燃料電池スタック1及びバッテリ3の出力制御をして、駆動モータ2の駆動量を制御する。
【0019】
このとき、制御ユニット11は、冷却水温度センサ10からのセンサ信号を検出して冷却水温度を認識すると共に、燃料電池スタック1内の温度センサにて検出した温度及びバッテリ3内の温度センサにて検出した温度を認識する。そして、制御ユニット11では、循環ポンプ4の回転数を制御すると共に、第1アクチュエータ6及び第2アクチュエータ9の動作を制御して、第1三方弁5及び第2三方弁8を開閉制御する。これにより、制御ユニット11では、循環ポンプ4から送出された冷却水をラジエタ7に導いて冷却水温度を低下させる制御、循環ポンプ4から送出された冷却水をラジエタバイパス流路L2に導いて冷却水温度を低下させない制御の何れかをすることで、燃料電池スタック1の温度調整をする。なお、この制御ユニット11による燃料電池スタック1の暖機制御処理の詳細については後述する。
【0020】
[制御ユニット11による暖機制御処理]
つぎに、上述したように構成された燃料電池システムにおいて、制御ユニット11により燃料電池スタック1を暖機して燃料電池スタック1を最適な作動温度とするときの第1暖機制御処理〜第3暖機制御処理について説明する。
【0021】
「第1暖機制御処理」
第1暖機制御処理は、図2に示すように、例えば車両のIGNスイッチが操作された後に例えば所定期間毎に実行し、先ずステップS1において、制御ユニット11により、燃料電池スタック1の温度Tfcを検出すると共に、冷却水温度センサ10からのセンサ信号から冷却水温度Twtを検出する。
【0022】
次のステップS2においては、制御ユニット11により、ステップS1にて検出した燃料電池スタック1の温度Tfcが、燃料電池スタック1の最適作動温度T1より低く設定された温度T2(例えば、0℃)より低いか否かを判定することで、燃料電池スタック1の暖機運転を行うか否かを判定する。制御ユニット11により、燃料電池スタック1の温度Tfcが温度T2より低いと判定した場合には、ステップS3以降の暖機処理を行うと判定し、燃料電池スタック1の温度Tfcが温度T2よりも低くないと判定した場合には暖機運転は行わずに処理を終了する。
【0023】
次のステップS3においては、制御ユニット11により、燃料電池スタック1の出力を制御する。このとき、制御ユニット11は、ステップS1にて検出した燃料電池スタック1の温度Tfcに基づいて図3に示すようなマップデータを参照して、燃料電池スタック1にて発電可能な電力を推定する。すなわち、制御ユニット11では、燃料電池スタック1の温度Tfcが低いほど、燃料電池スタック1の発電可能な電力が低くなるのに合わせて、水素供給量及び空気供給量を少なくするように水素供給系及び空気供給系を制御する。
【0024】
次のステップS4においては、制御ユニット11により、燃料電池スタック1にて発電させた電力及び/又はバッテリ3に充電した電力を駆動モータ2に供給して通電させる。ここで、駆動モータ2は、暖機運転時においては電力が供給されても回転できないように、制御ユニット11によってブレーキ機構が制御されて固定されており、その結果、回転エネルギーが駆動力やモータの駆動損失によっては消費されない。これにより、駆動モータ2では供給された電力を熱として放出して、冷却水温度を上昇させる。また、制御ユニット11では、駆動モータ2と接続した車両駆動出力軸を固定することで、駆動モータ2の回転を固定しても良い。
【0025】
次のステップS5においては、制御ユニット11により、循環ポンプ4の回転数を制御する。このとき、制御ユニット11では、ステップS1にて検出した冷却水温度Twtに基づいて図4に示すマップデータを参照して、設定した冷却水流量を保つためのポンプ回転数を制御する。すなわち、制御ユニット11では、冷却水の温度が低いほど冷却水の粘度が大きくなるので、冷却水温度が低いほど、高い回転数にて循環ポンプ4を駆動する。これにより、制御ユニット11では、冷却水温度に拘わらず、燃料電池スタック1に導く冷却水流量を一定とする。
【0026】
次のステップS6においては、制御ユニット11により、ステップS5にて制御した循環ポンプ4の回転数に従って冷却水を循環させることで、駆動モータ2から発生した熱量を冷却水に伝達して、燃料電池スタック1に伝える。
【0027】
このような第1暖機制御処理を行う燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の低温起動時には、燃料電池スタック1を低出力で発電させて、駆動モータ2にてエネルギー損失分を熱とし、発熱した駆動モータ2により暖められた冷却水によって燃料電池スタック1を暖めることで、燃料電池スタック1を暖機することにより、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、エネルギーのロスが少なく冷却水をより早く温めることができ、燃料電池スタック1の暖機を促進することができる。
【0028】
また、この燃料電池システムよれば、燃料電池スタック1の暖機時に、駆動モータ2を回転させないように制御することで、燃料電池スタック1から駆動モータ2に与えられた電力を駆動としてのエネルギーや駆動モータ2の駆動損失などで低減させることなく、全電力を熱として冷却水に与えることができるので、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。
【0029】
更に、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の低温起動時には冷却水がラジエタ7をバイパスするように制御することにより、暖機制御中にラジエタ7から放熱して、暖機のためのエネルギーをロスすることを防止できるため、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。
【0030】
更にまた、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1と駆動モータ2とで共有した冷却水供給流路L1を使用して燃料電池スタック1の暖機を行うことにより、簡素化したシステムであっても、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。
【0031】
「第2暖機制御処理」
つぎに、第2暖機制御処理について説明する。なお、上述の第1暖機制御処理と同様の処理については同一ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0032】
第2暖機制御処理では、図5に示すように、ステップS2にて暖機運転をすると判定した後のステップS11において、制御ユニット11により、バッテリ3のSOC(State Of Charge)及びバッテリ3の温度を検出する。
【0033】
次のステップS12においては、制御ユニット11により、ステップS11にて検出したバッテリ3のSOCが、バッテリ3のSOCの下限レベルL1よりも高いか否かを判定することで、バッテリ3の電力を駆動モータ2に供給するか否かを判定する。制御ユニット11では、検出したバッテリ3のSOCが、下限レベルL1よりも高いと判定した場合にはバッテリ3の電力を使用して駆動モータ2に電力供給をすると判定してステップS3Aに処理を進め、検出したバッテリ3のSOCが、下限レベルL1よりも高くないと判定した場合には第1暖機制御処理と同様にステップS3B(上述のステップS3に相当)〜ステップS6の処理を行って処理を終了する。すなわち、バッテリ3のSOCが、下限レベルL1よりも高くない場合には、バッテリ3の電力を使用せずに燃料電池スタック1にて発電した電力のみを駆動モータ2に供給して冷却水温度を上昇させて、燃料電池スタック1を暖機させる。
【0034】
これに対し、上述のステップS3と同様の処理をステップS3Aにて行った後のステップS13においては、制御ユニット11により、バッテリ3から駆動モータ2に出力する電力を制御する。このとき、制御ユニット11は、ステップS11にて検出したバッテリ3の温度に基づいて図6に示すようなマップデータを参照して、バッテリ3から出力する電力を制御する。すなわち、制御ユニット11では、バッテリ3の温度が低いほど、バッテリ3から駆動モータ2に出力する電力を小さくするようにバッテリ3を制御する。
【0035】
そして、次のステップS4においては、ステップS3Aにて決定した燃料電池スタック1の出力電力を駆動モータ2に供給すると共に、ステップS13にて決定したバッテリ3の出力電力を駆動モータ2に供給して、駆動モータ2を通電させて、第1暖機制御処理と同様にステップS5及びステップS6を行って処理を終了する。
【0036】
このような第2暖機制御処理を行う燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1にて発電した電力のみならず、バッテリ3の電力をも駆動モータ2に供給することにより、第1暖機制御処理と比較して駆動モータ2の発熱量を増加させることができ、第1暖機制御処理と比較して速やかに燃料電池スタック1の暖機を行うことができる。
【0037】
また、この第2暖機制御処理におけるステップS13においては、バッテリ3の温度に基づいてバッテリ3の出力電力を制御する場合のみならず、制御ユニット11により、ステップS11にて検出したバッテリ3のSOCに基づいて図7に示すマップデータを参照して、バッテリ3の出力電力を制御しても良い。すなわち、制御ユニット11では、バッテリ3のSOCが少ない場合ほど、バッテリ3からの出力電力を小さくする。これにより、燃料電池システムでは、バッテリ3のSOCに応じて燃料電池スタック1の暖機に使用するバッテリ3の電力量を制御することができ、暖機運転から通常運転に移行した後であっても、暖機運転にて使用されずに残ったバッテリ3の電力を使用して、バッテリ3から駆動モータ2に電力供給をすることができる。
【0038】
「第3暖機制御処理」
つぎに、第3暖機制御処理について説明する。なお、上述の暖機制御処理と同様の処理については同一ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、この第3暖機制御処理では、上述した第2暖機制御処理に適用可能である。
【0039】
この第3暖機制御処理では、図8に示すように、ステップS6の次のステップS21において、制御ユニット11により、ステップS1にて検出した冷却水温度Twtが、燃料電池スタック1の耐熱温度T3よりも低く設定され、燃料電池スタック1が冷却水の熱により傷まない保証温度T4よりも小さいか否かを判定することで、バッテリ3からの電力出力を継続するか否かを判定する。
【0040】
制御ユニット11では、冷却水温度Twtが保証温度T4よりも小さいと判定した場合には、バッテリ3からの電力出力を継続すると判定して、ステップS22にてバッテリ3の出力制御を継続する一方で、冷却水温度Twtが保証温度T4よりも小さくないと判定した場合には、バッテリ3からの電力出力を継続しないと判定して、ステップS23にてバッテリ3からの電力出力を停止させる。
【0041】
このような第3暖機制御処理を行う燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の耐熱温度T3よりも低い保証温度T4を設定することで、過度に温度が高い冷却水を燃料電池スタック1に供給することを防止して、燃料電池スタック1を熱により傷めることを防止することができる。
【0042】
また、この第3暖機制御処理においては、ステップS22にてバッテリ3からの出力電力を制御するに際して、ステップS1にて検出した冷却水温度Twtに基づいて図9に示すようなマップデータを参照して、バッテリ3からの出力電力を制御しても良い。このとき、制御ユニット11では、冷却水温度Twtが高くなって保証温度T4に近づくほど、バッテリ3からの出力電力を低くする制御をする。
【0043】
このような制御をした場合、冷却水温度Twtが保証温度T4に達してバッテリ3の出力を停止した際、その後の冷却水の温度上昇を抑えることができる。その結果、上述の図8の制御を行った場合には保証温度T4を燃料電池スタック1の耐熱温度T3に対して余裕を持った低い値に設定する必要があるのに対して、保証温度T4を、燃料電池スタック1の耐熱温度T3により近い値を設定でき、冷却水温度が耐熱温度付近に至るまで、バッテリ3の電力出力により駆動モータ2が発生する熱を利用することができる。
【0044】
更に、ステップS22において、冷却水温度Twtのみならず、微小な時間Δtにおける冷却水温度の上昇率ΔTwtに基づいて図10に示すようなマップデータを参照して、バッテリ3の出力電力を制御しても良い。すなわち、制御ユニット11では、冷却水温度Twtが高くても上昇率ΔTwtが低い場合には、バッテリ3の出力電力を低くしない。これにより、燃料電池システムでは、冷却水温度Twtが高いときにバッテリ3の出力電力を低くする場合と比較して、バッテリ3からの出力電力を適切な電力量にして駆動モータ2に電力供給を行うことができ、更に燃料電池スタック1の暖機時間を短くすることができる。
【0045】
更にまた、この第3暖機制御処理においては、燃料電池スタック1の耐熱温度T3が駆動モータ2の耐熱温度T5より低いという前提で冷却水温度を制御する一例について説明したが、駆動モータ2の耐熱温度T5が燃料電池スタック1の耐熱温度T3より低い場合には、燃料電池スタック1の耐熱温度T3に対する保証温度T4と同様に、駆動モータ2の耐熱温度T5よりも低い保証温度T6を設定しても良い。この場合、制御ユニット11では、駆動モータ2入口側の冷却水温度Tmtを図示しない温度センサから検出して、駆動モータ2に供給される冷却水温度が保証温度T6よりも高くならないようにバッテリ3の出力制御を行うことで、駆動モータ2が高温となることによる劣化等を回避することができる。
【0046】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0047】
この第2実施形態に係る燃料電池システムは、図11に示すように、燃料電池スタック1に挿通したスタック用冷却水供給流路L11及び駆動モータ2に挿通したモータ用冷却水供給流路L12を備えると共に、スタック用冷却水供給流路L11を流れる冷却水とモータ用冷却水供給流路L12を流れる冷却水との間で熱交換をする熱交換器21を備える。
【0048】
スタック用冷却水供給流路L11は、スタック用循環ポンプ22、熱交換器21、第3三方弁23及び第3アクチュエータ24、スタック用ラジエタ25、第4三方弁26及び第4アクチュエータ27、スタック用冷却水温度センサ28、燃料電池スタック1の順に冷却水を供給する。また、このスタック用冷却水供給流路L11には、熱交換器21を通過した冷却水をスタック用ラジエタ25に導かずに第3三方弁23から第4三方弁26に導くラジエタバイパス流路L13を有している。
【0049】
モータ用冷却水供給流路L12は、モータ用循環ポンプ29、熱交換器21、第5三方弁30及び第5アクチュエータ31、モータ用ラジエタ32、第6三方弁33及び第6アクチュエータ34、モータ用温度センサ35、駆動モータ2の順に冷却水を供給する。また、このモータ用冷却水供給流路L12には、駆動モータ2を通過した冷却水をモータ用ラジエタ32に導かずに第5三方弁30から第6三方弁33に導くラジエタバイパス流路L14を有している。
【0050】
このように構成された燃料電池システムでは、燃料電池スタック1及び駆動モータ2がそれぞれ独立したスタック用冷却水供給流路L11及びモータ用冷却水供給流路L12を有する点で、上述した第1実施形態に係る燃料電池システムとは異なる。この燃料電池システムでは、スタック用冷却水供給流路L11とモータ用冷却水供給流路L12とが共に熱交換器21に挿通されていることで、熱交換器21にて熱交換をして、燃料電池スタック1の暖機を行う。このとき、制御ユニット11では、以下に説明するような暖機制御処理を実行する。
【0051】
「暖機制御処理」
第2実施形態に係る燃料電池システムの制御ユニット11では、図12に示すように、先ず、ステップS31において、燃料電池スタック1の温度Tfc、スタック用冷却水温度センサ28からのセンサ信号に基づく燃料電池スタック1の冷却水入口における冷却水温度Twt1、モータ用温度センサ35からのセンサ信号に基づく駆動モータ2の冷却水入口における冷却水温度Twt2を検出する。
【0052】
次のステップS2においては、制御ユニット11により、ステップS31にて検出した燃料電池スタック1の温度Tfcが、温度T2より低いか否かを判定することで、燃料電池スタック1の暖機運転を行うか否かを判定する。制御ユニット11により、燃料電池スタック1の温度Tfcが温度T2より低いと判定した場合には、ステップS3以降の暖機処理を行うと判定し、燃料電池スタック1の温度Tfcが温度T2よりも低くないと判定した場合には暖機運転は行わずにステップS37に処理を進める。
【0053】
次のステップS32においては、制御ユニット11により、バッテリ3のSOCを検出して、ステップS33において、検出したバッテリ3のSOCが下限レベルL1よりも高いと判定した場合にはバッテリ3の電力を使用して駆動モータ2に電力供給をすると判定してステップS3A及び例えば図6を参照したステップS13の処理をしてステップS4に処理を進め、検出したバッテリ3のSOCが、下限レベルL1よりも高くないと判定した場合にはステップS3Bの処理をしてステップS4に処理を進める。
【0054】
そして、ステップS4にてステップS3A及びステップS13にて設定した燃料電池スタック1の発電量及びバッテリ3からの出力電力を駆動モータ2に通電させる制御、又はステップS3Bにて設定した燃料電池スタック1の発電量を駆動モータ2に通電させる制御をして、ステップS35においては、制御ユニット11により、スタック用冷却水供給流路L11の冷却水を循環させるスタック用循環ポンプ22及びモータ用冷却水供給流路L12の冷却水を循環させるモータ用循環ポンプ29のそれぞれの回転数を制御する。このとき、制御ユニット11では、ステップS31にて検出したスタック用冷却水供給流路L11における冷却水温度Twt1に基づいて図4のマップデータを参照してスタック用循環ポンプ22の回転数を制御すると共に、モータ用冷却水供給流路L12における冷却水温度Twt2に基づいて図4のマップデータを参照してモータ用循環ポンプ29の回転数を制御する。
【0055】
次にステップS36においては、ステップS35にて制御したスタック用循環ポンプ22及びモータ用循環ポンプ29の回転数に従って、冷却水の循環を開始させる。
【0056】
次のステップS37及びステップS38においては、制御ユニット11により、バッテリ3から駆動モータ2への電力供給を継続するか否かを判定する。すなわち、ステップS37においては、ステップS31にて検出した冷却水温度Twt2が、駆動モータ2の耐熱温度T5に対する保証温度T6よりも高いか否かを判定し、更に、ステップS38においては、ステップS31にて検出した冷却水温度Twt1が、燃料電池スタック1が冷却水により傷まない補償温度T4よりも高いか否かを判定する。
【0057】
冷却水温度Twt1が保証温度T6より低く且つ冷却水温度Twt2が保証温度T4より低い場合にはステップS22に処理を進めて、バッテリ3から駆動モータ2への電力供給を継続し、冷却水温度Twt1が保証温度T6より高い場合又は冷却水温度Twt2が保証温度T4より高い場合にはステップS23に処理を進めて、バッテリ3から駆動モータ2への電力供給を停止する。
【0058】
[第2実施形態の効果]
このような第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1と駆動モータ2とでそれぞれがスタック用冷却水供給流路L11及びモータ用冷却水供給流路L12を有し、通常運転時において要求される冷却水温度が異なる場合においても、冷間暖機時において熱交換器21などを介してバッテリ3にて暖機した冷却水を熱交換器21を介して燃料電池スタック1側の冷却水を暖機することができ、速やかに燃料電池スタック1を暖機することができる。
【0059】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる第1暖機制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックの温度と燃料電池スタックの発電量との関係を示す図である。
【図4】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、冷却水温度と循環ポンプの回転数との関係を示す図である。
【図5】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる第2暖機制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、バッテリの温度とバッテリの放電量との関係を示す図である。
【図7】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、バッテリのSOCとバッテリの放電量との関係を示す図である。
【図8】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる第3暖機制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、冷却水温度とバッテリの放電量との関係を示す図である。
【図10】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、冷却水温度及び冷却水温度の上昇率と、バッテリの放電量との関係を示す図である。
【図11】本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムによる暖機制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 駆動モータ
3 バッテリ
4 循環ポンプ
5 第1三方弁
6 第1アクチュエータ
7 ラジエタ
8 第2三方弁
9 第2アクチュエータ
10 冷却水温度センサ
11 制御ユニット
21 熱交換器
22 スタック用循環ポンプ
23 第3三方弁
24 第3アクチュエータ
25 スタック用ラジエタ
26 第4三方弁
27 第4アクチュエータ
28 スタック用冷却水温度センサ
29 モータ用循環ポンプ
30 第5三方弁
31 第5アクチュエータ
32 モータ用ラジエタ
33 第6三方弁
34 第6アクチュエータ
35 モータ用温度センサ
Claims (14)
- 燃料ガス及び酸化剤ガスを供給して発電する燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックにて発電した電力を用いて、トルクを発生させる電動機と、
前記燃料電池スタックに冷却水を供給して前記燃料電池スタックの温度調整をするスタック用冷却水循環手段と、
前記電動機に冷却水を供給して前記電動機の温度調整をする電動機用冷却水循環手段と、
前記燃料電池スタックを発電開始させる時に、前記燃料電池スタックの温度に基づいた前記燃料電池スタックの発電可能な電力よりも低い電力出力で前記燃料電池スタックを発電させ、前記電動機の発熱により暖められた冷却水の熱を前記電動機用冷却水循環手段から前記スタック用冷却水循環手段に送り、前記燃料電池スタックを暖機させる制御手段と
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御手段は、前記燃料電池スタックの発電可能な電力よりも低い電力を前記電動機で消費させて、前記電動機用冷却水循環手段の冷却水を暖めて、前記燃料電池スタックを暖機することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記電動機又は駆動出力軸を回転させないように制御して、前記電動機を発熱させることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記燃料電池スタックを発電開始させる時に、前記燃料電池スタックにて発電した電力に加えて、二次電池に充電された電力を前記電動機に供給する制御をすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記二次電池の温度を検出し、当該二次電池の温度に基づいて前記二次電池から前記電動機に供給する放電量を制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記二次電池の残容量を検出し、当該二次電池の残容量に基づいて前記二次電池から前記電動機に供給する放電量を制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記燃料電池スタックに供給する冷却水温度を検出し、当該燃料電池スタックに供給する冷却水温度に基づいて前記二次電池の放電量を制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記燃料電池スタックに供給する冷却水温度の上昇率を検出し、当該上昇率に基づいて前記二次電池の放電量を制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記電動機に供給する冷却水温度を検出し、当該電動機に供給する冷却水温度に基づいて前記二次電池から前記燃料電池スタックに供給する放電量を制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記燃料電池スタックの温度が当該燃料電池スタックの耐熱温度よりも低い温度となるように、前記二次電池及び前記燃料電池スタックから前記電動機に供給する電力を制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記電動機の温度が当該電動機の耐熱温度よりも低い温度となるように、前記二次電池及び前記燃料電池スタックから前記電動機に供給する電力を制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記スタック用冷却水循環手段は、前記燃料電池スタックに供給する冷却水を冷却させるラジエタと、当該ラジエタをバイパスして前記燃料電池スタックに冷却水を供給するバイパス流路とを更に備え、
前記制御手段は、前記燃料電池スタックを発電開始させる時に、冷却水を前記バイパス流路を通過させて前記燃料電池スタックに供給するように制御することを特徴とする請求項1〜請求項11の何れかに記載の燃料電池システム。 - 前記スタック用冷却水循環手段と、前記電動機用冷却水循環手段とが、冷却水流路を共有してなり、前記電動機用冷却水循環手段により前記電動機に供給された冷却水を前記スタック用冷却水循環手段を介して前記燃料電池スタックに供給して、前記燃料電池スタックを暖機することを特徴とする請求項1〜請求項11の何れかに記載の燃料電池システム。
- 前記スタック用冷却水循環手段と、前記電動機用冷却水循環手段とが、冷却水流路を独立してなり、前記電動機用冷却水循環手段により前記電動機に供給された冷却水と、前記スタック用冷却水循環手段により前記燃料電池スタックに供給する冷却水との間で熱交換して、前記燃料電池スタックを暖機することを特徴とする請求項1〜請求項11の何れかに記載の燃料電池システム。
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