JP2005322527A - 燃料電池システム - Google Patents
燃料電池システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005322527A JP2005322527A JP2004140071A JP2004140071A JP2005322527A JP 2005322527 A JP2005322527 A JP 2005322527A JP 2004140071 A JP2004140071 A JP 2004140071A JP 2004140071 A JP2004140071 A JP 2004140071A JP 2005322527 A JP2005322527 A JP 2005322527A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel cell
- coolant
- cell stack
- temperature
- stack
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【課題】 燃料電池の運転停止後、燃料電池発電面を均一に冷却し、燃料電池周囲温度が氷点以下に低下して凍結することがあっても、燃料電池の劣化を防止する。
【解決手段】 通常運転時には、燃料電池スタック22、三方弁31,クーラントタンク28,ラジエータ28,三方弁33,クーラントポンプ30,三方弁34、燃料電池スタック22の経路で燃料電池スタック22の運転温度が適正に維持される。発電停止後、クーラントを一旦クーラントタンク27へ回収する。コントロールユニット42は、燃料電池の発電停止後、スタック内部温度センサ37が検出した温度とスタック周囲温度センサ38が検出した温度との温度差が第1所定値を超えていれば、クーラントを冷却後、燃料電池スタック22へ導入する。
【選択図】 図1
【解決手段】 通常運転時には、燃料電池スタック22、三方弁31,クーラントタンク28,ラジエータ28,三方弁33,クーラントポンプ30,三方弁34、燃料電池スタック22の経路で燃料電池スタック22の運転温度が適正に維持される。発電停止後、クーラントを一旦クーラントタンク27へ回収する。コントロールユニット42は、燃料電池の発電停止後、スタック内部温度センサ37が検出した温度とスタック周囲温度センサ38が検出した温度との温度差が第1所定値を超えていれば、クーラントを冷却後、燃料電池スタック22へ導入する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、固体高分子型電解質を用いた燃料電池システムに関する。
一般に、燃料電池は、反応ガスである水素などの燃料と空気などの酸化剤を電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。この燃料電池は、電解質の違いなどによりさまざまなタイプのものに分類されるが、その一つとして、電解質に固体高分子電解質を用いる固体高分子電解質形燃料電池が知られている。
この燃料電池における燃料極及び酸化剤極において進行する反応は、以下の通りである。
燃料極 : 2H2 →4H+ +4e- …(1)
酸化剤極 : 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)
燃料極に水素が供給されると、燃料極で(1)の反応式が進行して水素イオンが生成する。この生成した水素イオンが水和状態で電解質(固体高分子電解質型燃料電池であれば固体高分子電解質膜)を透過(拡散)して酸化剤極に至り、この酸化剤極に酸素含有ガス、例えば空気が供給されていると、酸化剤極では(2)の反応式が進行する。この(1)、(2)の電極反応が各極で進行することで、燃料電池は起電力を生じることとなる。
酸化剤極 : 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)
燃料極に水素が供給されると、燃料極で(1)の反応式が進行して水素イオンが生成する。この生成した水素イオンが水和状態で電解質(固体高分子電解質型燃料電池であれば固体高分子電解質膜)を透過(拡散)して酸化剤極に至り、この酸化剤極に酸素含有ガス、例えば空気が供給されていると、酸化剤極では(2)の反応式が進行する。この(1)、(2)の電極反応が各極で進行することで、燃料電池は起電力を生じることとなる。
固体高分子型燃料電池の従来例には、特許文献1記載の技術が公知である。この技術によれば、燃料と酸化剤の触媒燃焼により不凍液を加熱する不凍液加熱手段を燃料電池システムに備えている。そして低温環境からの燃料電池起動時に、不凍液加熱手段で加熱された不凍液を燃料電池スタックに導入して予熱を行っている。また、燃焼による排ガスを燃料電池スタック周辺に流通させることにより、外部からも加熱を行っている。
特開2000−164233号公報(第7頁、図1)
固体高分子型燃料電池を例えば車両用等の駆動源として用いると、周囲温度の低い場所において運転を停止した場合、高温から低温への冷却過程で燃料電池反応面内に温度分布が生じる。この温度分布は、燃料電池構成部材の熱膨張の差による応力を生じ、燃料電池の触媒層やガス拡散層が劣化するという問題点があった。
上記問題点を解決するため、本発明は、高分子電解質膜の両面に燃料極と酸化剤極とが形成された膜電極接合体と、該膜電極接合体に燃料および酸化剤を供給する流路を形成されたセパレータを持つ燃料電池を複数積層した燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックの冷却通路にクーラントを循環させるクーラント循環手段と、前記クーラントの熱を系外へ放熱する放熱手段と、前記クーラントを一時貯留するクーラントタンクと、前記燃料電池スタックの発電停止後に、前記燃料電池スタックに冷却された前記クーラントを導入するクーラント制御手段と、を備えたことを要旨とする燃料電池システムである。
本発明によれば、燃料電池の運転停止後、燃料電池発電面がクーラントにより均一に冷却されるため、燃料電池周囲温度が氷点以下に低下して凍結することがあっても、燃料電池の劣化を防止することができるという効果がある。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の各実施例に共通に適用される固体高分子電解質型燃料電池の構造を示す模式断面図である。燃料電池の発電単位である燃料電池セル1は、プロトン導電性の固体高分子膜からなる高分子電解質膜2と、この高分子電解質膜2を両面から挟持するように配設された燃料極3及び酸化剤極4と、それぞれの電極の外側に配設された燃料極拡散層5及び酸化剤極拡散層6と、それぞれの拡散層に燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給するアノードセパレータ7,カソードセパレータ8を備えている。
高分子電解質膜2は、フッ素系樹脂等の固体高分子材料によりプロトン伝導性の膜として形成されている。燃料極3及び酸化剤極4は、例えば、白金または、白金とその他の金属の合金の微粒子からなる触媒層を備えている。燃料極ガス拡散層5及び酸化剤極ガス拡散層6は、カーボン繊維の不織布、カーボンペーパ等の導電性多孔質部材をシート状に成形したものである。
燃料極セパレータ7および酸化剤極セパレータ8は、ガス不透過である緻密性カーボン材等の片面、または両面に設けた多数のリブにより、燃料ガス流路9または酸化剤ガス流路が形成されている。燃料ガス流路9、酸化剤ガス流路10は、それぞれ隣接するガス拡散層5,6に燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給する。
この燃料電池セル1は、セル当たりの発電電圧が1[V]程度と低いために、燃料電池システムにおいては、多数のセルを積層した燃料電池スタックとして出力電圧を高めたものを燃料電池システムに用いている。
図2は、本発明に係る燃料電池システムの実施例1を説明するシステム概略図である。同図において、燃料電池システム21は、燃料極及び酸化剤極を有する燃料電池本体である燃料電池スタック22と、燃料電池温度制御用の熱媒体であるクーラントを貯留するクーラントタンク27と、クーラントと外気との熱交換によりクーラントを冷却するラジエータ28と、ラジエータ28に送風するラジエータファン29と、クーラントの流れを駆動するクーラントポンプ30と、クーラントの流路を切り換える三方弁31,33,34と、クーラントタンク27の空気抜き弁である開閉弁32と、燃料電池スタック22へクーラントを循環させる経路であるクーラント循環路35と、燃料電池スタックをバイパスさせるバイパス路36と、スタック内部温度センサ37と、スタック周囲温度センサ38と、クーラント入口温度センサ39と、クーラント出口温度センサ40と、クーラントタンク27内部のクーラント温度を検出するクーラント温度センサ41と、これら温度センサの検出値を用いてクーラントポンプ30及び三方弁31,33,34及び開閉弁32を制御するコントロールユニット42とを備えている。
燃料電池スタック22には、燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給ライン23と、燃料極から未反応の燃料ガスを排出する燃料排出ライン24と、酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤供給ライン25と、酸化剤極から未反応の酸化剤ガスを排出する酸化剤排出ライン26とが接続されている。燃料ガス供給源及び酸化剤ガス供給源は、本発明の本質と関係がないので図示を省略してある。
燃料電池スタック22の内部の温度を検出するスタック内部温度センサ37と、燃料電池スタック22の周囲の温度を検出するスタック周囲温度センサ38と、燃料電池スタック22のクーラント入口の温度を検出するクーラント入口温度センサ39と、同クーラント出口の温度を検出するクーラント出口温度センサ40には、例えば、熱電対、サーミスタ、シリコン単結晶半導体温度センサ等を用いることができる。
コントロールユニット42は、これらの温度センサ37,38,39,40,41の検出値に基づいて、クーラントポンプ30、三方弁31,33,34、開閉弁32、及びラジエータファン29を制御することにより、クーラントの流路切換、クーラントの流量制御、クーラントの放熱量制御、燃料電池スタック22へのクーラントの導入及び排出を制御する。
コントロールユニット42は、特に限定されないが本実施例では、CPUとプログラムROMと作業用RAMと入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、コントロールユニット42は、プログラム制御により通常の運転時の燃料電池スタックの温度制御、及び本発明に係るクーラント制御を行うクーラント制御手段である。
燃料電池スタックの通常運転時、即ち発電時には、三方弁31は、燃料電池スタック22とクーラントタンク27とを連通し、三方弁33は、ラジエータ28とクーラントポンプ30入口とを連通し、三方弁34はクーラントポンプ30出口と燃料電池スタック22へ至るクーラント循環路35とを連通し、開閉弁32は閉じるように、コントローラ41により制御される。
これにより、クーラントポンプ30の出口から、三方弁34,クーラント循環路35,燃料電池スタック22のクーラント入口、燃料電池スタック22の内部のクーラント流路、燃料電池スタックのクーラント出口、三方弁31,クーラントタンク27,ラジエータ28、三方弁33を経て、クーラントポンプ30の入口へ還流するクーラントの循環経路が構成される。
コントロールユニット42は、上記クーラントの循環経路を構成して、クーラントポンプ30の吐出流量およびラジエータファンの29の回転速度を制御することにより、ラジエータ28から外気へ放熱される熱量を制御し、燃料電池スタック22の温度を運転最適温度に維持する。
燃料電池の運転停止動作時、コントロールユニット42は、上記通常運転時の三方弁31,33,34の状態から、三方弁33を外気とクーラントポンプ30の入口とを連通するように切り換えるとともに、開閉弁32を開く。そしてこのクーラント流路状態でクーラントポンプ30を作動させ、燃料電池スタック22内部のクーラント流路へ外気を送り込むと共に、燃料電池スタック22から排出されたクーラントをクーラントタンク27へ回収する。クーラントタンク27へクーラントの回収が終了すると、開閉弁32を閉じて、三方弁33をラジエータ28とクーラントポンプ30の連通状態として停止動作を終了する。以上のコントロールユニット42の動作は、従来の燃料電池システムと同様である。
その後、コントロールユニット42は、スタック内部温度とスタック周囲温度とを測定し、スタック内部温度とスタック周囲温度との温度差が第1所定値より大きければ、必要に応じてクーラントを冷却した後、燃料電池スタック22の内部へクーラントを再導入する。
上記クーラントの冷却時、コントロールユニット42は、開閉弁32を閉じ、三方弁31でバイパス路36とクーラントタンク27とを連通させ、三方弁33でラジエータ28とクーラントポンプ30の入口とを連通させ、三方弁34でクーラントポンプ30の出口とバイパス路36とを連通させる。これにより、クーラントタンク27から、ラジエータ28,三方弁33,クーラントポンプ30,三方弁34,バイパス路36、三方弁31を経てクーラントタンク27に戻る循環路が形成される。コントロールユニット42は、クーラントポンプ30及びラジエータファン29を駆動して、この循環路にクーラントを循環させながらクーラントを冷却する。
燃料電池スタック22へクーラントを再導入する際は、開閉弁32を開き、三方弁31で燃料電池スタック22とクーラントタンク27とを連通させ、三方弁33でラジエータ28とクーラントポンプ30の入口とを連通させ、三方弁30でクーラントポンプ30の出口と燃料電池スタック22のクーラント入口とを連通させる。この状態でクーラントポンプ30を駆動することにより、クーラントタンク27内部のクーラントが燃料電池スタック22の内部流路へ充填されると共に、燃料電池スタック22内部のクーラント流路から排出された空気は、開閉弁32から外気へ放出される。
図3は、燃料電池スタック内部の温度と燃料電池スタック周囲の温度の計測方法を示す図である。燃料電池スタック内部の温度は、燃料電池スタック22における中心のセル51において、該セルを構成するセパレータ内部の温度を、スタック内部温度センサ37で検出して燃料電池スタック内部の温度として代表させる。
燃料電池スタック周囲の温度とは、前記中心セル51において、セパレータの側面の温度をスタック周囲温度センサで検出して、燃料電池周囲の温度として代表させる。スタック内部温度センサ37及びスタック周囲温度センサ38には、例えば、熱電対、サーミスタ、シリコン単結晶半導体温度センサ等を用いることができる。
次に、図4のフローチャートを参照して、本実施例におけるコントロールユニット42実施する制御内容を説明する。
燃料電池システムの通常の運転停止動作により、燃料電池スタック22内部のクーラントが、一旦クーラントタンク27へ排出された後に、ステップ(以下、ステップをSと略す)10において、スタック内部温度センサ37及びスタック周囲温度センサ38により、燃料電池スタック内部の温度と燃料電池スタック周囲の温度を検知し、S11において、スタック内部温度とスタック周囲温度との温度差ΔT1が第1所定値ΔTcを超えているか否かを判定する。
この第1所定値ΔTcは、燃料電池スタック22を構成する各部材が温度差による熱膨張量の差異に由来する機械的ストレスが燃料電池スタック22を劣化させない温度差であり、燃料電池スタック22に使用する材料によって異なり、実験的に求めるものとする。
S11の判定で、温度差ΔT1が第1所定値ΔTcを超えていなければ、何もせずに操作を停止する。本実施例によれば、燃料電池スタック内部の温度と燃料電池スタックの周囲の温度の差が、第1の所定値を超えた場合にクーラントを燃料電池スタック内に導入し、超えない場合には、クーラントを導入しないように制御することで、燃料電池スタックの温度差による劣化の虞がないときには、クーラントを導入しないため、クーラントを導入するために必要となるポンプ動力を節約することができる。第1の所定値は、燃料電池スタックの性能を劣化させる程度の、燃料電池スタック内部の温度と燃料電池スタック周囲の温度との差であり、あらかじめ設定される。
S11の判定で、温度差ΔT1が第1所定値ΔTcを超えていれば、次のS12へ移行する。S12において、三方弁31,33,34を制御して、クーラントポンプ30から,バイパス路36、クーラントタンク27,ラジエータ28を経てクーラントポンプ30に還流するクーラント循環経路内にクーラントを循環させて、クーラントを冷却する。
次いで、S13でクーラント温度センサ41が検出したクーラント温度と、スタック周囲温度センサ38が検出したスタック周囲温度とをコントロールユニット42へ読み込んで、クーラント温度とスタック周囲温度との温度差ΔT2が第1所定値ΔTcを超えているか否かを判定する。S13の判定で、温度差ΔT2が第1所定値ΔTcを超えていれば、S12へ戻りクーラント冷却を続ける。
S13の判定で、温度差ΔT2が第1所定値ΔTcを超えていなければ、クーラント冷却が十分進んだとして、S14へ進み、燃料電池スタック22の内部へクーラントを導入する。
このとき、三方弁32を開き、三方弁31で燃料電池スタック22の出口とクーラントタンク27とを連通し、三方弁33でラジエータ28とクーラントポンプ30入口とを連通し、三方弁34でクーラントポンプ出口と燃料電池スタック22の入口とを連通するようにクーラント流路を制御して、クーラントポンプ30を駆動する。
本実施例では、通常運転時のクーラント温度より十分温度が低下したクーラントを燃料電池スタックに再導入するので、燃料電池反応面の温度差を素早く緩和することができ、より効果的に燃料電池スタックの劣化を防止することができる。
燃料電池スタック22へのクーラント導入が終了すると、次いでS15で、燃料電池スタックとラジエータ28との間にクーラントが循環するようにクーラント流路を構成し、燃料電池スタック22のクーラント入口及び出口のクーラント温度をクーラント入口温度センサ39,クーラント出口温度センサ40で検出し、これらクーラント入口、出口温度をコントロールユニットへ読み込む。次いで、S16で、燃料電池スタック22におけるクーラントの入口・出口の温度差ΔT3が第3所定値Tcoolを超えているか否かを判定する。この第3所定値Tcoolは、燃料電池スタックが均一に熱的なストレスがなく温度低下すると判定できる温度であり、燃料電池スタック22の各部の構成材質によって異なるが、実験的に求めるものとする。
S16の判定で、温度差ΔT3が第3所定値Tcoolを超えていれば、S17に進んで、クーラントポンプ30の回転速度を上昇させることにより、クーラントの流量を増加させて、S16へ戻る。S16の判定で、温度差ΔT3が第3所定値Tcoolを超えていなければ、S18へ進み、クーラントの流量を維持する。次いでS19で、スタック内部温度センサ37及びスタック周囲温度センサ38により、燃料電池スタック内部の温度と燃料電池スタック周囲の温度を検知し、スタック内部温度とスタック周囲温度との温度差ΔT1が第1所定値ΔTc未満であるか否かを判定する。
S19の判定で、温度差ΔT1が第1所定値ΔTc未満でなければ、S18に戻り、クーラントの流量を維持して、燃料電池スタック22の冷却を続ける。S19の判定で、温度差ΔT1が第1所定値ΔTc未満となったら、S20へ進み、クーラントポンプ30を停止して、クーラント循環を停止し、操作を終了する。
図5は、本実施例における燃料電池スタックのクーラントの入口・出口の温度差と、クーラントの流量の関係を表す図である。燃料電池スタックにおけるクーラントの入口・出口の温度差が大きい場合は、クーラントの流量を増加させることで、燃料電池スタックにおけるクーラントの入口・出口の温度差を小さくし、燃料電池反応面での温度差を小さくすることができる。
図6は、本発明に係る燃料電池システムの実施例2の制御動作を説明するフローチャートである。本実施例2の概略構成は、図2に示した実施例1の概略構成と同様である。実施例1と実施例2との相違は、コントローラ42による制御が異なる。実施例1においては、燃料電池スタック22へのクーラント再導入の条件として、スタック内部温度とスタック周囲温度との温度差ΔT1が第1所定値ΔTcより大きいことを条件としたが、実施例2においては、スタック周囲温度Tsが第2所定値Tc、例えば0[℃]より低いことを条件としている。その他の処理は実施例1と同様である。また、本実施例における第1所定値ΔTc、及び第3所定値Tcoolは、実施例1と同様であるので説明を省略する。
図6において、燃料電池システムの通常の運転停止動作により、燃料電池スタック22内部のクーラントが、一旦クーラントタンク27へ排出された後に、ステップ(以下、ステップをSと略す)30において、スタック周囲温度センサ38により、燃料電池スタック周囲の温度を検知し、S31において、スタック周囲温度Tsが第2所定値Tc未満であるか否かを判定する。第2所定値Tcは、燃料電池スタック22の内部に残留する加湿水や反応水などが凍結の虞があると判断する温度であり、たとえばTc=0[℃]とする。
S31の判定で、スタック周囲温度Tsが第2所定値Tc以上であれば、何もせずに操作を停止する。
S31の判定で、スタック周囲温度Tsが第2所定値Tc未満であれば、次のS32へ移行する。S32において、三方弁31,33,34を制御して、クーラントポンプ30から,バイパス路36、クーラントタンク27,ラジエータ28を経てクーラントポンプ30に還流するクーラント循環経路内にクーラントを循環させて、クーラントを冷却する。
次いで、S33でクーラント温度センサ41が検出したクーラント温度と、スタック周囲温度センサ38が検出したスタック周囲温度とをコントロールユニット42へ読み込んで、クーラント温度とスタック周囲温度との温度差ΔT2が第1所定値ΔTcを超えているか否かを判定する。S33の判定で、温度差ΔT2が第1所定値ΔTcを超えていれば、S32へ戻りクーラント冷却を続ける。
S33の判定で、温度差ΔT2が第1所定値ΔTcを超えていなければ、S34へ進み、燃料電池スタック22の内部へクーラントを導入する。このとき、三方弁32を開き、三方弁31で燃料電池スタック22の出口とクーラントタンク27とを連通し、三方弁33でラジエータ28とクーラントポンプ30入口とを連通し、三方弁34でクーラントポンプ出口と燃料電池スタック22の入口とを連通するようにクーラント流路を制御して、クーラントポンプ30を駆動する。
次いで、S35で、燃料電池スタック22のクーラント入口及び出口のクーラント温度をクーラント入口温度センサ39,クーラント出口温度センサ40で検出し、これらクーラント入口、出口温度をコントロールユニットへ読み込む。次いで、S36で、燃料電池スタック22におけるクーラントの入口・出口の温度差ΔT3が第3所定値Tcoolを超えているか否かを判定する。
S36の判定で、温度差ΔT3が第3所定値Tcoolを超えていれば、S37に進んで、クーラントポンプ30の回転速度を上昇させることにより、クーラントの流量を増加させて、S36へ戻る。S36の判定で、温度差ΔT3が第3所定値Tcoolを超えていなければ、S38へ進み、クーラントの流量を維持する。次いでS39で、スタック内部温度センサ37及びスタック周囲温度センサ38により、燃料電池スタック内部の温度と燃料電池スタック周囲の温度を検知し、スタック内部温度とスタック周囲温度との温度差ΔT1が第1所定値ΔTc未満であるか否かを判定する。
S39の判定で、温度差ΔT1が第1所定値ΔTc未満でなければ、S38に戻り、クーラントの流量を維持して、燃料電池スタック22の冷却を続ける。S39の判定で、温度差ΔT1が第1所定値Tc未満となったら、S40へ進み、クーラントポンプ30を停止して、クーラント循環を停止し、操作を終了する。
本実施例によれば、燃料電池スタックの周囲の温度が、第2所定値以下であったら、クーラントを燃料電池スタックに導入することで、クーラント再導入の条件を燃料電池スタックの周囲の温度のみとすることができるので、燃料電池システムをより簡素化することができる。第2所定値は、燃料電池スタックの通常の運転温度から第1所定値を差し引いた温度であり、あらかじめ設定される。
21…燃料電池システム
22…燃料電池スタック
23…燃料供給ライン
24…燃料排出ライン
25…酸化剤供給ライン
26…酸化剤排出ライン
27…クーラントタンク
28…ラジエータ
29…ラジエータファン
30…クーラントポンプ
31、33,34…三方弁
32…開閉弁
35…クーラント循環路
36…バイパス路
37…スタック内部温度センサ
38…スタック周囲温度センサ
39…クーラント入口温度センサ
40…クーラント出口温度センサ
41…クーラント温度センサ
42…コントロールユニット
22…燃料電池スタック
23…燃料供給ライン
24…燃料排出ライン
25…酸化剤供給ライン
26…酸化剤排出ライン
27…クーラントタンク
28…ラジエータ
29…ラジエータファン
30…クーラントポンプ
31、33,34…三方弁
32…開閉弁
35…クーラント循環路
36…バイパス路
37…スタック内部温度センサ
38…スタック周囲温度センサ
39…クーラント入口温度センサ
40…クーラント出口温度センサ
41…クーラント温度センサ
42…コントロールユニット
Claims (8)
- 高分子電解質膜の両面に燃料極と酸化剤極とが形成された膜電極接合体と、該膜電極接合体に燃料および酸化剤を供給する流路を形成されたセパレータを持つ燃料電池を複数積層した燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックの冷却通路にクーラントを循環させるクーラント循環手段と、
前記クーラントの熱を系外へ放熱する放熱手段と、
前記クーラントを一時貯留するクーラントタンクと、
前記燃料電池スタックの発電停止後に、前記燃料電池スタックに冷却された前記クーラントを導入するクーラント制御手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記クーラントを運転停止動作後に、前記燃料電池スタックに導入する際、前記クーラントの温度は、前記燃料電池スタックの通常運転時よりも低いことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池スタック内部の温度を検出するスタック内部温度検出手段と、
前記燃料電池スタック周囲の温度を検出するスタック周囲温度検出手段と、を備え、
前記クーラント制御手段は、運転停止動作後に、前記燃料電池スタック内部温度と前記燃料電池スタック周囲温度との差が、第1の所定値以上の場合、前記クーラントを前記燃料電池スタック内に導入し、
前記温度差が第1の所定値未満の場合、前記クーラントを前記燃料電池スタック内へ導入しないことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記クーラント制御手段は、前記燃料電池スタック内部の温度と前記燃料電池スタック周囲の温度との差が大きければ大きいほど、より多くの前記クーラントを前記燃料電池スタック内に導入することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記クーラント制御手段は、前記燃料電池スタックにクーラントを導入する前に、前記クーラントの温度と、前記燃料電池スタック周囲の温度との差が、前記第1の所定値以下となるように前記クーラントの温度を制御することを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
- 前記クーラント制御手段は、前記クーラント導入後、前記燃料電池スタック内部の温度と前記燃料電池スタックの周囲の温度との差が第1の所定値以下となった時に、前記クーラントの前記燃料電池スタックへの導入を停止することを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池スタックのクーラント出入口にそれぞれクーラント温度検出手段を備え、
前記クーラント制御手段は、前記クーラント出入り口における前記クーラントの温度差に基づいて、前記クーラントの流量を変えることを特徴とする請求項6記載の燃料電池システム。 - 前記クーラント制御手段は、前記燃料電池スタックの周囲の温度が所定温度以下の場合、前記クーラントを前記燃料電池スタックに導入し、
前記温度が所定温度を超えた場合には、前記クーラントを前記燃料電池に導入しないことを特徴とする請求項7記載の燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004140071A JP2005322527A (ja) | 2004-05-10 | 2004-05-10 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004140071A JP2005322527A (ja) | 2004-05-10 | 2004-05-10 | 燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005322527A true JP2005322527A (ja) | 2005-11-17 |
Family
ID=35469630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004140071A Pending JP2005322527A (ja) | 2004-05-10 | 2004-05-10 | 燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005322527A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007164998A (ja) * | 2005-12-09 | 2007-06-28 | Denso Corp | 燃料電池システム |
JP2007328972A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
US7534511B2 (en) | 2005-06-23 | 2009-05-19 | Daimler Ag | Thermal control of fuel cell for improved cold start |
JP2009164019A (ja) * | 2008-01-09 | 2009-07-23 | Honda Motor Co Ltd | 燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法 |
DE112009000366T5 (de) | 2008-02-19 | 2011-01-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota-shi | Brennstoffzellensystem und Verfahren zur Regelung eines Brennstoffzellensystems |
US8067125B2 (en) | 2005-12-13 | 2011-11-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel cell system and its operation stop method |
CN102623725A (zh) * | 2011-01-30 | 2012-08-01 | 扬光绿能股份有限公司 | 燃料电池系统及其控制方法 |
CN111769307A (zh) * | 2019-04-02 | 2020-10-13 | 武汉众宇动力系统科技有限公司 | 用于燃料电池的启动系统 |
CN112909296A (zh) * | 2019-12-04 | 2021-06-04 | 现代自动车株式会社 | 燃料电池控制系统和燃料电池控制方法 |
JP2022152019A (ja) * | 2021-03-29 | 2022-10-12 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池システム及びその制御方法 |
-
2004
- 2004-05-10 JP JP2004140071A patent/JP2005322527A/ja active Pending
Cited By (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7534511B2 (en) | 2005-06-23 | 2009-05-19 | Daimler Ag | Thermal control of fuel cell for improved cold start |
JP2007164998A (ja) * | 2005-12-09 | 2007-06-28 | Denso Corp | 燃料電池システム |
DE112006003301B4 (de) | 2005-12-13 | 2013-01-17 | Toyota Jidosha K.K. | Brennstoffzellensystem und Verfahren zum Stoppen des Betriebs desselben |
US8067125B2 (en) | 2005-12-13 | 2011-11-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel cell system and its operation stop method |
DE112006003301B8 (de) * | 2005-12-13 | 2013-05-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Brennstoffzellensystem und Verfahren zum Stoppen des Betriebs desselben |
JP2007328972A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システム |
JP2009164019A (ja) * | 2008-01-09 | 2009-07-23 | Honda Motor Co Ltd | 燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法 |
DE112009000366T5 (de) | 2008-02-19 | 2011-01-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota-shi | Brennstoffzellensystem und Verfahren zur Regelung eines Brennstoffzellensystems |
DE112009000366B4 (de) * | 2008-02-19 | 2015-02-26 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Brennstoffzellensystem und Verfahren zur Regelung eines Brennstoffzellensystems |
JP2012160442A (ja) * | 2011-01-30 | 2012-08-23 | Young Green Energy Co | 燃料電池システム及びその制御方法 |
CN102623725A (zh) * | 2011-01-30 | 2012-08-01 | 扬光绿能股份有限公司 | 燃料电池系统及其控制方法 |
CN111769307A (zh) * | 2019-04-02 | 2020-10-13 | 武汉众宇动力系统科技有限公司 | 用于燃料电池的启动系统 |
CN112909296A (zh) * | 2019-12-04 | 2021-06-04 | 现代自动车株式会社 | 燃料电池控制系统和燃料电池控制方法 |
US11784330B2 (en) * | 2019-12-04 | 2023-10-10 | Hyundai Motor Company | System and method for controlling fuel cell |
JP2022152019A (ja) * | 2021-03-29 | 2022-10-12 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池システム及びその制御方法 |
JP7316736B2 (ja) | 2021-03-29 | 2023-07-28 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池システム及びその制御方法 |
US11769892B2 (en) | 2021-03-29 | 2023-09-26 | Honda Motor Co., Ltd. | Fuel cell system |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN110957503B (zh) | 一种燃料电池低温启动的空气加热回流系统及控制方法 | |
US10680257B2 (en) | Fuel cell system and control method for fuel cell system | |
JP2007522623A (ja) | 燃料電池システムのための細分割冷却回路 | |
US10135081B2 (en) | Warming feature for aircraft fuel cells | |
US8980490B2 (en) | Fuel cell system | |
JP2003151601A (ja) | 燃料電池システム及びその停止方法 | |
KR20120000634A (ko) | 연료전지 시스템의 제어 방법 | |
JP4595317B2 (ja) | 燃料電池システム | |
KR20070087679A (ko) | 전기화학 연료 전지를 위한 패시브 마이크로냉각제 루프 | |
JP2005322527A (ja) | 燃料電池システム | |
JP2007305334A (ja) | 燃料電池システム | |
JP4114459B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP2005294118A (ja) | 燃料電池システム及び燃料電池車両 | |
JP4322040B2 (ja) | 燃料電池システムおよびその制御方法 | |
US20040072043A1 (en) | Fuel cell system | |
JP4997697B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP5268371B2 (ja) | 燃料電池自動車 | |
JP2006012550A (ja) | 燃料電池システム | |
JP4578890B2 (ja) | 燃料電池システムの始動方法 | |
JP2010080278A (ja) | 燃料電池システム | |
JP2007311314A (ja) | 燃料電池システム | |
JP2007188829A (ja) | 燃料電池システム | |
JP3627716B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP2006032147A (ja) | 燃料電池システム | |
JP2009110771A (ja) | 燃料電池システム |