JP2007328972A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】システムの運転停止時に、燃料電池が劣化することを簡易に抑制できる燃料電池システムを課題とする。
【解決手段】燃料電池を冷却する冷却手段を備えた燃料電池システムにおいて、冷却手段は、燃料電池システムの運転停止時に、燃料電池を通常の運転時よりも急速に冷却する。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池を冷却する冷却手段を備えた燃料電池システムにおいて、冷却手段は、燃料電池システムの運転停止時に、燃料電池を通常の運転時よりも急速に冷却する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池の劣化を防止する燃料電池システムに関するものである。
燃料電池は、燃料極(アノード)に供給された燃料ガス中の水素と、空気極(カソード)に供給された酸化ガス中の酸素との電気化学反応によって、電力を発生する。この電気化学反応は発熱反応である。固体高分子型やリン酸型の燃料電池の場合、アノード及びカソードには、カーボン素材をベースに白金等の触媒が担持(結着)されたものが一般に用いられる。
ところで、燃料電池システムの運転停止時には、燃料電池の内部に酸素や水素が残留する場合がある。この残留酸素及び水素によって、アノード及びカソードのカーボンが酸化して、燃料電池の寿命を短くすることが知られている。この現象(以下、カーボン酸化という場合がある。)は、特にカソードで起き易いが、電解質膜をクロスリークした酸素によってアノードでも起きる。
従来、燃料電池の停止時にアノードの劣化を防止するものとして、例えば特許文献1に記載の燃料電池システムが知られている。この燃料電池システムでは、システムの運転停止時に、アノード及びカソードへの燃料ガス及び酸化ガスの供給を停止し、不活性ガスをこれらに供給することで、残留酸素及び水素を不活性ガスで置換するようにしている。
特開2005−100846号公報
しかし、このような燃料電池システムでは、不活性ガスを供給する装置が必要であり、全体としてシステムが大型化し、制御が複雑化し易かった。
本発明は、システムの運転停止時に、燃料電池が劣化することを簡易に抑制できる燃料電池システムを提供することをその目的としている。
上記目的を達成するべく、本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池を冷却する冷却手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、冷却手段は、燃料電池システムの運転停止時に、燃料電池を通常の運転時よりも急速に冷却するものである。
かかる構成によれば、通常の運転時に電気化学反応によって上昇した燃料電池の温度が、運転停止時に急速に降下する。これにより、燃料電池に残留したガスによってもたらされる燃料電池の劣化反応(例えば、上記したカーボン酸化)を遅らせることができる。このように、運転停止時に燃料電池の温度を積極的に下げることで、運転停止時に燃料電池が自然放熱され又は通常の運転時と同様に冷却される場合に比べて、燃料電池の劣化を好適に抑制できる。しかも、そのための構成として燃料電池を冷却する冷却手段を採用しているので、不活性ガスなどを用いなくて済み、システムの小型化に供することができる。
好ましくは、冷却手段は、燃料電池に冷媒を通流させるように構成されており、運転停止時に燃料電池に通流させる冷媒の流量を通常の運転時よりも多くする。
同様に、好ましくは、冷却手段は、燃料電池に冷媒を循環供給する循環通路と、循環通路内の冷媒を圧送するポンプとを備え、運転停止時にポンプの回転数を通常の運転時よりも多くする。
このような構成によれば、燃料電池に通流させる冷媒の流量を増加させるという簡易な方法で燃料電池の温度を下げることができる。
別の好ましい一態様では、冷却手段は、燃料電池に冷媒を循環供給する循環通路と、循環通路に設けられたラジエータと、ラジエータに外気を送風するファンとを備え、運転停止時にファンの回転数を通常の運転時よりも多くしてもよい。
かかる構成によれば、通常の運転時よりもファンの回転数が上がり、ラジエータでの冷媒の冷却が促進される。これにより、運転停止時に、燃料電池を急速に冷却できる。
他の好ましい一態様では、冷却手段は、燃料電池に冷媒を循環供給する循環通路と、循環通路に設けられ、空調装置で用いられる空調気体と冷媒とを熱交換することにより冷媒を冷却する熱交換器とを備え、運転停止時に通常の運転時よりも空調気体を熱交換器に多く導入してもよい。
かかる構成によれば、空調装置で用いられる空調気体を有効に利用して、冷媒を冷却できる。これにより、運転停止時に燃料電池の温度をより一層急速に下げることができる。
さらに別の好ましい一態様では、冷却手段は、燃料電池に設けられたペルチェ素子で構成されてもよい。
この構成によれば、運転停止時に、ペルチェ効果によって燃料電池を急速冷却できる。また、ペルチェ素子に流す電流の方向を逆にすれば、燃料電池を暖機することもできる。
また、本発明の燃料電池システムは、前記燃料電池に酸化ガスを供給する酸化ガス供給系を備え、前記酸化ガス供給系は、前記運転停止時に、前記燃料電池への酸化ガスの供給を停止することが好ましい。こうすることで、燃料電池でのカーボン酸化をより好適に抑制できる。
以上説明したように、本発明の燃料電池システムによれば、その運転停止時に、燃料電池を急速冷却するので、燃料電池の劣化を簡易に抑制できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。
<第1実施形態>
図1は、燃料電池システム1の構成図である。
燃料電池システム1は、燃料電池自動車(FCHV)、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両に搭載することができ、もちろん車両のみならず各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源に適用できるものである。ここでは、車両に搭載した燃料電池システム1を一例に説明する。
図1は、燃料電池システム1の構成図である。
燃料電池システム1は、燃料電池自動車(FCHV)、電気自動車、ハイブリッド自動車などの車両に搭載することができ、もちろん車両のみならず各種移動体(例えば、船舶や飛行機、ロボットなど)や定置型電源に適用できるものである。ここでは、車両に搭載した燃料電池システム1を一例に説明する。
燃料電池システム1は、燃料電池2と、酸化ガスとしての空気(酸素)を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系3(酸化ガス供給系)と、燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス配管系4と、燃料電池2に冷媒を供給して燃料電池2を冷却する冷媒配管系5と、システム全体を統括制御する制御装置7と、を備えている。
燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型で構成され、多数の単セルを積層したスタック構造を備えている。燃料電池2の単セルは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有している。
空気極及び燃料極は、例えば、ベースの材料としてカーボンを用いて形成され、白金や白金合金などの触媒がカーボンに担持されている。一方のセパレータの酸化ガス流路2aに酸化ガスが供給され、他方のセパレータの燃料ガス流路2bに燃料ガスが供給される。供給された燃料ガス及び酸化ガスの電気化学反応により、燃料電池2は電力を発生する。燃料電池2での電気化学反応は発熱反応であり、固体高分子電解質型の燃料電池2の温度は約60〜70℃となる。
空気極及び燃料極は、例えば、ベースの材料としてカーボンを用いて形成され、白金や白金合金などの触媒がカーボンに担持されている。一方のセパレータの酸化ガス流路2aに酸化ガスが供給され、他方のセパレータの燃料ガス流路2bに燃料ガスが供給される。供給された燃料ガス及び酸化ガスの電気化学反応により、燃料電池2は電力を発生する。燃料電池2での電気化学反応は発熱反応であり、固体高分子電解質型の燃料電池2の温度は約60〜70℃となる。
酸化ガス配管系3は、燃料電池2に供給される酸化ガスが流れる供給路11と、燃料電池2から排出された酸化オフガスが流れる排出路12と、を有している。供給路11と排出路12との間は、酸化ガス流路2aによって連通されている。供給路11に設けられたコンプレッサ15が、制御装置7により制御されて、フィルタ13を介して酸化ガスを取り込み、燃料電池2に圧送する。圧送される酸化ガスは、加湿器15によって加湿される。排出路12を流れる酸化オフガスは、背圧調整弁16を通って加湿器15で水分交換に供された後、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
燃料ガス配管系4は、水素供給源21と、水素供給源21から燃料電池2に供給される水素ガスが流れる供給路22と、燃料電池2から排出された水素オフガス(燃料オフガス)を供給路22の合流点Aに戻すための循環路23と、循環路23内の水素オフガスを供給路22に圧送するポンプ24と、循環路23に分岐接続されたパージ路25と、を有している。元弁26を開くことで水素供給源21から供給路22に流出した水素ガスは、調圧弁27その他の減圧弁、及び遮断弁28を経て、燃料電池2に供給される。パージ路25には、水素オフガスを水素希釈器(図示省略)に排出するためのパージ弁33が設けられている。
冷媒配管系5は、燃料電池2内の冷却流路2cに連通する循環通路41と、循環通路41に設けられた冷却ポンプ42と、燃料電池2から排出される冷媒を冷却するラジエータ43と、ラジエータ43をバイパスするバイパス流路44と、ラジエータ43及びバイパス流路44への冷却水の通流を設定する切替え弁45と、を有している。冷媒としては、例えば冷却水を用いることができる。
循環通路41は、燃料電池2に冷媒を循環供給する。循環通路41は、燃料電池2の冷媒入口の近傍に設けられた温度センサ46と、燃料電池2の冷媒出口の近傍に設けられた温度センサ47と、ラジエータ43の下流側に設けられた温度センサ48と、を有している。温度センサ47が検出する冷媒温度は、燃料電池2の内部温度を反映する。また、温度センサ48が検出する冷媒温度は、ラジエータ43内の温度を反映する。
冷却ポンプ42は、循環通路41内の冷媒を燃料電池2に圧送する。冷却ポンプ42は、各種のタイプで構成することができ、例えば容積型で構成されている。例えば、冷却ポンプ42は、例えば、図示省略した三相交流のモータと、モータの駆動軸に連結されたインペラを有するコンプレッサ部と、を備えている。モータは、その駆動、停止及び回転数を制御装置7によって制御される。冷却ポンプ42は、モータの回転数を制御することでインペラの回転数を制御でき、それにより燃料電池2に通流させる冷媒の流量を制御できる。なお、冷却ポンプ42の位置をラジエータ43の下流側としたが、もちろんラジエータ43や切替え弁45の上流側としてもよい。
ラジエータ43は、循環通路41に設けられている。ラジエータ43は、燃料電池2の発電反応により昇温した冷媒を導く通路を内部に有しており、冷媒は、ラジエータ43内の通路を通過することで外気と熱交換される(放熱される)。ラジエータ43は、例えば燃料電池車両の前部に設けられる。ラジエータ43には、その内部の通路に外気を送風するためのファン49が併設されている。ファン49は、ラジエータ43での冷媒の冷却を促進する。ファン49は、制御装置7に接続されており、その駆動、停止及び回転数を制御装置7によって制御される。
切替え弁45は、三方弁構造を有する例えばロータリバルブからなり、冷媒がラジエータ43及びバイパス流路44の一方にのみ流れるように、又はこの両方に所定の分流比で流れるように切り替え可能に構成されている。例えば、切替え弁45がラジエータ43側に切り替えられると、ラジエータ43による放熱効果を受けた冷媒が燃料電池2に流入する。切替え弁45は、制御装置7に接続されており、弁の開度が制御装置7によって制御される。
なお、符号51は電気ヒーターを示しており、電気ヒーター51は、制御装置7によって制御され、バイパス流路44を流れる冷媒を選択的に加熱する。また、符号52は、循環通路41に接続されたイオン交換機器を示している。
制御装置7は、内部にCPU,ROM,RAMを備えたマイクロコンピュータとして構成される。CPUは、制御プラグラムに従って所望の演算を実行して、後述する運転停止時における燃料電池2の冷却制御など、種々の処理や制御を行う。ROMは、CPUで処理する制御プログラムや制御データを記憶する。RAMは、主として制御処理のための各種作業領域として使用される。なお、制御装置7及び冷媒配管系5が、特許請求の範囲に記載の「冷却手段」として機能する。
制御装置7は、冷媒配管系5に用いられる各温度センサ46,47,48や、燃料電池車両のアクセル開度を検出するアクセル開度センサなどの各種センサからの検出信号を入力する。また、制御装置7は、上記した各構成要素、例えば冷媒配管系5においては、冷却ポンプ42、切替え弁45及びファン49に制御信号を出力する。この制御により、燃料電池システム1の通常の運転時においては、燃料電池2が所定の温度(約60〜70℃)に保たれる。なお、「通常の運転時」とは、燃料電池システム1への要求出力に応じて、酸化ガス配管系3、燃料ガス配管系4及び冷媒配管系5が制御されて、燃料電池2が発電しているときをいう。
ここで、燃料電池システム1の運転停止時(以下、単に「運転停止時」という。)における制御例について説明する。
なお、運転停止時とは、上記した通常の運転時とは異なるときをいい、具体的には通常の運転を終了させるときをいう。燃料電池システム1の運転終了後では、燃料電池2には、酸化ガス、燃料ガス及び冷媒のいずれも供給されず、燃料電池2の発電が停止する。
なお、運転停止時とは、上記した通常の運転時とは異なるときをいい、具体的には通常の運転を終了させるときをいう。燃料電池システム1の運転終了後では、燃料電池2には、酸化ガス、燃料ガス及び冷媒のいずれも供給されず、燃料電池2の発電が停止する。
運転停止時における処理フローは、燃料電池システム1の運転停止が指令されることで開始される。この指令は、例えば車両の運転手によるイグニッションスイッチのOFF操作等によってなされる。この指令により、制御装置7による制御は、通常の運転時におけるものから運転停止時におけるものへと移行する。制御装置7は、運転停止時に冷媒配管系5を制御し、燃料電池2が通常の運転時よりも急速に冷却されるようにする。
具体的には、制御装置7は、運転停止時に、冷却ポンプ42におけるモータの回転数を通常の運転時よりも上げる。こうすることで、燃料電池2に通流させる冷媒の流量を多くする。このとき、制御装置7は、冷却ポンプ42におけるモータの回転数を最大にし、燃料電池2に最大流量の冷媒を通流させることが好ましい。また、冷却ポンプ42の制御と同時に、切替え弁45をラジエータ43側に全開に切り替え、バイパス流路44に冷媒を流さないで循環通路41のみに冷媒を流すようにする。さらに、制御装置7は、運転停止時に、ファン49の回転数を通常の運転時よりも上げる。こうすることで、ラジエータ43での冷媒の冷却を促進する。この場合にも、制御装置7は、ファン49の回転数を最大にすることが好ましい。
運転停止時の最も好ましい制御例は、冷却ポンプ42及びファン49を最大回転数とし、切替え弁45をラジエータ43側に全開に切り替えることである。ただし、運転停止時の一態様では、ラジエータ43側に少なくとも一部の冷媒が流れればよく、このときに冷却ポンプ42及びファン49の少なくとも一方の回転数を通常時よりも上げるようにすればよい。要するに、冷媒配管系5は、通常の運転時よりも運転停止時のほうにおいて、燃料電池2での冷却効果が大きくなるように制御されて、短時間で(急速に)燃料電池2の温度を降下させるようにする。例えば、冷媒配管系5は、通常の運転時における約60〜70℃から、約40℃程度へと急激に燃料電池2の温度を効果させる。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システム1によれば、運転停止時に、燃料電池2を通常の運転時よりも急速に冷却するため、燃料電池2の温度を急速に降下できる。これにより、運転停止指令から実際に運転停止になるまでの間において、燃料電池2内に残留した酸化ガスや燃料ガスに起因して起きる、燃料電池2を劣化させる反応を遅らせることができる。具体的には、運転停止時に燃料電池2が自然放熱され又は通常の運転時と同様に冷却される場合に比べて、燃料電池2の空気極及び燃料極がカーボン酸化する反応を遅らせることができる。これにより、セル電圧が恒常的に低下する等の発電性能の低下を抑制でき、燃料電池の劣化を好適に抑制できる。
また、本実施形態では、燃料電池2を急速に冷却するのに、既存の冷媒配管系5を用いることができる。このため、従来のように不活性ガスなどを用いなくて済み、燃料電池システム1の小型化に供することができる。しかも、冷却ポンプ42の回転数の制御により、燃料電池2に通流させる冷媒の流量を増加したり、及び/又はファン49の回転数の制御により、冷媒の冷却を促進したりと、簡易な制御で燃料電池2を急速に冷却できる。
なお、本実施形態の燃料電池システム1は、運転停止時に燃料電池2の掃気処理を行う場合にも適用できる。具体的には、運転停止時に、冷媒配管系5による燃料電池2の急速冷却制御に前後して掃気処理を実行すればよいが、好ましくは、掃気処理の実行後に燃料電池2への酸化ガスの供給を停止し(例えば、コンプレッサ14の駆動を停止する。)てから、燃料電池2の急速冷却制御を行うとよい。
ここで、掃気処理とは、少なくとも燃料電池2内の水分を外部に排出することで燃料電池2内を掃気することをいう。カソード系統(酸化ガス配管系3)の掃気処理は、燃料電池2への水素ガスの供給を停止した状態で、コンプレッサ14の駆動によって酸化ガスを酸化ガス流路2aに供給し、この供給した酸化ガスによって、酸化ガス流路2aに残る生成水を含む水分を排出路12へと排出することで行われる。
<第2実施形態>
次に、図2を参照して、第2実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、空調装置100からの空調気体で冷媒を冷却する構成を備えたことである。なお、第1実施形態と同一となる第2実施形態の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、冷媒配管系5以外の燃料電池システム1の構成は、第1実施形態と同様であるので、図2では省略している。
次に、図2を参照して、第2実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、空調装置100からの空調気体で冷媒を冷却する構成を備えたことである。なお、第1実施形態と同一となる第2実施形態の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、冷媒配管系5以外の燃料電池システム1の構成は、第1実施形態と同様であるので、図2では省略している。
空調装置100は、例えば燃料電池車両の車室内の温度を調整するために用いられるものであり、外気を空調気体として車室内に導入する外気導入型の構成であってもよいし、車室内の空気を空調気体として循環させる内気循環型の構成であってもよい。また、空調装置100は、燃料電池2の排熱、つまり冷媒配管系5を流れる冷媒の排熱を利用して空調気体を加熱できるタイプのものでもよい。さらに、空調装置100は、燃料電池システム1から電力を供給されるものであってもよい。
空調装置100は、空調気体を循環させる循環ラインの一つとして、開閉弁101を備えた循環流路102を有している。開閉弁101は、制御装置7により制御され、循環流路102を開閉する。循環流路102は、開閉弁101の下流側に熱交換器103が設けられている。熱交換器103は、循環通路41にも設けられており、空調気体と冷媒とを熱交換する。循環流路102を流れる空調気体の温度が冷媒よりも低いときには、熱交換器103では、冷媒が空調気体により冷却される。なお、本実施形態では、冷媒配管系5、制御装置7、空調装置100、開閉弁101、循環流路102及び熱交換器103が、特許請求の範囲に記載の「冷却手段」として機能する。
本実施形態の燃料電池システム1では、制御装置7は、運転停止時に、通常の運転時よりも空調気体を熱交換器103に多く導入し、空調気体により冷媒を冷却するように空調装置100を制御する。具体的には、制御装置7は、運転停止時に、開閉弁101を開いて、冷媒よりも低温の空調気体を熱交換器103に導入するように制御する。こうすることで、運転停止時に、燃料電池2を通常の運転時よりも急速に冷却でき、第1実施形態と同様に、燃料電池2の劣化を抑制できる。
なお、循環流路102を流れる空調気体の温度は、冷媒よりも低ければよく、好ましくは、空調装置100が設定可能な最低温度である。また、運転停止時には、上記した空調気体による冷媒の冷却制御のみを行っても良いが、この本実施形態の冷却制御と第1実施形態で説明した急速冷却制御とを併用しても良い。もちろん、本実施形態においても掃気処理を実行できることは言うまでもない。
<第3実施形態>
次に、図3を参照して、第3実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、冷却手段の一つとして、燃料電池2にペルチェ素子200を設けたことである。なお、第1実施形態と同一となる第2実施形態の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、酸化ガス配管系3及び燃料ガス配管系4に関する構成は、第1実施形態と同様であるので、図3では省略している。
次に、図3を参照して、第3実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、冷却手段の一つとして、燃料電池2にペルチェ素子200を設けたことである。なお、第1実施形態と同一となる第2実施形態の構成要素については、第1実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、酸化ガス配管系3及び燃料ガス配管系4に関する構成は、第1実施形態と同様であるので、図3では省略している。
ペルチェ素子200は、電流を流す方向を変えられることによって、ヒーターとしての機能と、クーラーとしての機能とを変換することができるものである。ペルチェ素子200は、燃料電池2、燃料電池システム1の図示省略したバッテリ、又は図示省略した電源を供給源として、電流を供給される。ペルチェ素子200は、燃料電池2に取り付けられる。例えば、ペルチェ素子200は、スタック構造の燃料電池2の外面に面接触するようにして取り付けられる。ペルチェ素子200は、制御装置7により通電を制御され、電流を流される方向を制御される。
本実施形態の燃料電池システム1では、制御装置7は、運転停止時に、ペルチェ素子200をクーラーとして機能させるように、ペルチェ素子200への通電を制御する。こうすることで、運転停止時に、ペルチェ効果によって燃料電池2を通常の運転時よりも急速に冷却でき、第1実施形態と同様に、燃料電池2の劣化を抑制できる。第1実施形態と比べて特に有用となる点は、ペルチェ素子200によって、燃料電池2の昇温も可能な点である。これにより、燃料電池システム1の低温始動時に、燃料電池2を速やかに暖機できる。
なお、運転停止時には、上記したペルチェ素子200だけで燃料電池2を急速に冷却するようにしてもよいが、これと併用して、第1実施形態で説明した冷媒配管系5による急速冷却制御を行っても良いし、あるいは、第2実施形態で説明した空調装置100による冷媒の冷却制御を行っても良い。要するに、第1〜第3実施形態で説明した制御例は、互いに組み合わせることができる。また、本実施形態においても掃気処理を実行できることは言うまでもない。
もちろん、本発明の燃料電池システム1による運転停止時の制御は、第1〜第3実施形態で説明した制御例以外であってもよい。例えば、冷却手段として単独の冷媒式冷却装置を用いて、運転停止時に燃料電池2を通常の運転時よりも急速に冷却してもよい。この場合、単独の冷媒式冷却装置としては、車両に搭載可能な空調装置であってもよい。また、供給路22を構成する配管を利用して、燃料電池2を直接的に冷却又は冷媒配管系5の冷媒を冷却することで、運転停止時に燃料電池2を急速冷却してもよい。
また、本発明の燃料電池システム1で対象となる燃料電池2の例として、固体高分子型について説明したが、これに限るものではなく、他の種類の燃料電池にも適用できる。
1:燃料電池システム、2:燃料電池、5:冷媒配管系(冷却手段)、7:制御装置、41:循環通路、42:冷却ポンプ、43:ラジエータ、45:切替え弁、49:ファン、100:空調装置、103:熱交換器、200:ペルチェ素子
Claims (6)
- 燃料電池と、前記燃料電池を冷却する冷却手段と、を備えた燃料電池システムにおいて、
前記冷却手段は、当該燃料電池システムの運転停止時に、前記燃料電池を通常の運転時よりも急速に冷却する、燃料電池システム。 - 前記冷却手段は、前記燃料電池に冷媒を通流させるように構成されており、
前記冷却手段は、前記運転停止時に、前記燃料電池に通流させる前記冷媒の流量を前記通常の運転時よりも多くする、請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記冷却手段は、前記燃料電池に冷媒を循環供給する循環通路と、前記循環通路内の冷媒を圧送するポンプと、を備え、
前記冷却手段は、前記運転停止時に、前記ポンプの回転数を前記通常の運転時よりも多くする、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。 - 前記冷却手段は、前記燃料電池に冷媒を循環供給する循環通路と、前記循環通路に設けられたラジエータと、前記ラジエータに外気を送風するファンと、を備え、
前記冷却手段は、前記運転停止時に、前記ファンの回転数を前記通常の運転時よりも多くする、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。 - 前記冷却手段は、前記燃料電池に冷媒を循環供給する循環通路と、前記循環通路に設けられ、空調装置で用いられる空調気体と冷媒とを熱交換することにより当該冷媒を冷却する熱交換器と、を備え、
前記冷却手段は、前記運転停止時に、前記通常の運転時よりも前記空調気体を前記熱交換器に多く導入する、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。 - 前記冷却手段は、前記燃料電池に設けられたペルチェ素子で構成されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
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