JP2013171625A - 燃料電池及び燃料電池の停止時冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 圧力容器2と、圧力容器2の内部に格納され、燃料ガス及び空気の供給を受けて電解質を介した電気化学反応により発電する複数のカートリッジ10と、緊急停止時に圧力容器2の容器内雰囲気にスプレー水を噴霧する水スプレー装置30と、を備えている。
【選択図】図1
Description
このような燃料電池は、燃料側の電極である燃料極と、空気(酸化剤)側の電極である空気極と、これらの間にありイオンのみを通す電解質とにより構成されており、電解質の種類によって様々な形式が開発されている。
このようなSOFCにおいては、たとえば下記の特許文献1に記載されているように、発電停止に伴う空気極の還元や燃料極の酸化による劣化を防止するため、燃料電池の運転停止後に、空気極側に大量の空気を供給して冷却時間を短縮するとともに、燃料極側に窒素を通ガスさせて燃料電池を保護することが行われている。
SOFCの空気極に空気を供給する空気系統(空気側)では、通常ガスタービンの圧縮機から圧縮空気の供給を受けて発電(運転)しているが、トリップ発生時に発電が停止されると、封じ込め(系統の遮断)または圧縮空気の供給停止となる。すなわち、トリップ発生時にはガスタービンも停止するため、圧縮空気の供給が停止されると空気系統内は常圧となる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、運転停止に伴う高温型の燃料電池の劣化を防止した燃料電池及び燃料電池の停止時冷却方法を提供することにある。
本発明に係る燃料電池は、圧力容器と、前記圧力容器の内部に格納され、燃料ガス及び空気の供給を受けて電解質を介した電気化学反応により発電する燃料電池セルを有する複数のカートリッジと、緊急停止時に前記圧力容器の容器内雰囲気にスプレー水を噴霧する水スプレー手段と、を備えていることを特徴とするものである。
そして、給水元弁を圧力容器内の水噴霧ノズル近傍等に設置すれば、水供給配管内の水を予め加熱しておくことができるため、低温のスプレー水供給量を最小限に抑えることができる。この結果、圧力容器内にあって温度の高い水供給配管や水噴霧ノズルに対し、低温のスプレー水が突然供給されることを防止できるので、急激な温度低下による熱衝撃で破損することを防止できる。また、このような熱衝撃対策としては、水噴霧に使用する水を無停電電源装置(UPS)で作動する電気ヒータにより加熱して使用してもよい。
図1に示す実施形態の燃料電池(以下、SOFC)1は、圧力容器2と、圧力容器2の内部に格納され、燃料ガス及び空気の供給を受けて電解質を介した電気化学反応により発電する複数のカートリッジ(SOFCモジュール)10と、緊急停止時に圧力容器の容器内雰囲気にスプレー水を噴霧する水スプレー装置(水スプレー手段)30と、を備えている。なお、図示の構成例においては、圧力容器2の内部に16セットのカートリッジ10を配列しているが、カートリッジ10の形状等も含めて特に限定されることはない。すなわち、以下において、カートリッジ10に搭載されるセルスタックを円筒型セルスタック(セルチューブ)として説明するが、必ずしもこれに限定されることはなく、平板型のセルスタックを搭載するカートリッジにも適用可能である。
燃料供給室12と空気排出室13との間は、金属製の上部管板17により仕切られている。空気排出室13と発電室14との間は上部断熱材18で仕切られ、発電室14と空気供給室15との間は下部断熱材19により仕切られている。空気供給室15と燃料排出室16との間は、金属製の下部管板20により仕切られている。
このため、空気供給室15に供給された空気は、貫通孔19aを通って発電室14に流入し、この発電室14で燃料供給室12から供給されてセルチューブ21内を流れる燃料ガスと電気化学的に反応して発電する。発電室14で発電に使用された空気は、貫通孔18aを通って空気排出室13へ流れ込んだ後、排出空気としてカートリッジ10の外部へ流出する。また、発電室14で発電に使用された燃料ガスは、排燃料として燃料排出室16からカートリッジ10の外部へ流出する。
なお、水供給配管32及び水噴霧ノズル31の数については、図示の構成に限定されるものではない。
すなわち、圧力容器2の内部は通常高温になっているので、圧力容器2の内部に配設された水噴霧ノズル31や水供給配管32も同様の高温状態にある。このため、高温状態の水供給配管32に低温のスプレー水が供給されると、大きな温度差により供給配管32等の破損が懸念される。従って、できるだけ多量のスプレー水を高水温の状態にしておくためには、スプレー水の噴霧時に開とする給水元弁が圧力容器2内で水噴霧ノズル31の近傍にあることが望ましい。この結果、給水元弁まできているスプレー水も加熱を受けて温度上昇するので、ほとんど温度差のないスプレー水を確保することができる。
また、このような熱衝撃対策としては、たとえば水噴霧に使用する水を無停電電源装置(UPS)で作動する電気ヒータとうにより、加熱して使用するようにしてもよい。
この場合、内部雰囲気の容積内に存在する空気量は、下記の通りである。
n(mol)=300000×50/8.314/723=2495
従って、n=2495molの空気量は、重量にして72Kgとなる。
Q(Kj)=72×250×1=18000
一方、水の蒸発潜熱を2441Kj/Kgとすれば、72Kgの空気量を冷却するために必要な水量W(Kg)は、顕熱変化分を無視した場合、下記のように算出される。
W(Kg)=18000/2441=7.4
この結果、本試算によるスプレー水の必要量は、7Kg程度である。
また、スプレー水の噴霧により蒸発した7Kgの水蒸気と72Kgの空気とが混合された場合、水蒸気濃度は13%で露点は約50℃となるから、50℃まではドレン化しない。
すなわち、窒素ガスを用いた従来の冷却では、図3に実線で示すように、運転時の発電部温度(950℃)から経過時間とともに温度低下していく。このとき、上部管板17及び下部管板20は600℃以下の状態にあり、燃料側窒素(N2)ガス通気遮断まで窒素ガスを燃料側へ通気した場合、いったん温度上昇した後に温度降下している。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 圧力容器
10 カートリッジ(SOFCモジュール)
11 容器
12 燃料供給室
13 空気排出室
14 発電室
15 空気供給室
16 燃料排出室
17 上部管板
18 上部断熱材
19 下部断熱材
20 下部管板
21 セルチューブ
30 水スプレー装置
31 水噴霧ノズル
32 水供給配管
Claims (3)
- 圧力容器と、
前記圧力容器の内部に格納され、燃料ガス及び空気の供給を受けて電解質を介した電気化学反応により発電する燃料電池セルを有する複数のカートリッジと、
緊急停止時に前記圧力容器の容器内雰囲気にスプレー水を噴霧する水スプレー手段と、
を備えていることを特徴とする燃料電池。 - 前記水スプレー手段は、前記圧力容器の内部に配設された複数の水噴霧ノズルと、該水噴霧ノズルに容器外の水源から給水する水供給配管と、緊急停止時に開動作する給水元弁と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- 圧力容器と、前記圧力容器の内部に格納され、燃料ガス及び空気の供給を受けて電解質を介した電気化学反応により発電する燃料電池セルを有する複数のカートリッジとを備えている燃料電池の停止時冷却方法であって、
緊急停止時に前記圧力容器の容器内雰囲気にスプレー水を噴霧し、前記スプレー水の蒸発熱で前記容器内雰囲気を温度低下させることを特徴とする燃料電池の停止時冷却方法。
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