JP2011124056A - 液冷型二次電池の冷却システム - Google Patents
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Abstract
【課題】大型の二次電池であっても、効率よく冷却する。
【解決手段】循環する冷却用液体によって冷却される液冷型二次電池2と、前記冷却用液体を、液体通路3を通じて、液冷型二次電池2と外部との間で循環させる電動ポンプ4と、液冷型二次電池2の外部に設けられる液体通路3の途中に設けられ前記冷却用液体が含む熱を放散させるラジエーター5とを備える。二次電池2は、複数の電池ユニット7を組み合わせてなり、電池ユニット7の間に冷却板8が設けられたもので、電池内部に発生した熱を外部に排出するようになっている。
【選択図】 図1
【解決手段】循環する冷却用液体によって冷却される液冷型二次電池2と、前記冷却用液体を、液体通路3を通じて、液冷型二次電池2と外部との間で循環させる電動ポンプ4と、液冷型二次電池2の外部に設けられる液体通路3の途中に設けられ前記冷却用液体が含む熱を放散させるラジエーター5とを備える。二次電池2は、複数の電池ユニット7を組み合わせてなり、電池ユニット7の間に冷却板8が設けられたもので、電池内部に発生した熱を外部に排出するようになっている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液冷型二次電池の冷却システムに関するものである。
一般に、電池は、容量(サイズ)が小さい場合には、充電時および放電時における電池の発熱については自然冷却(単なる放射あるいは自然対流)だけでも問題が少ない。
しかし、電池の容量が大きい場合(例えば電池自体の容量が大容量である大型の単電池、または複数の電池ユニットを組み合わせてなり電池全体で大容量となる場合)、電池容量に比例する電池体積と比較して、電池の表面積は、2/3乗しか増大しないため、電池の容量が大きい場合には、電池の充電時と放電時に発生する熱の放散が悪くなり、そのままでは電池の温度が高くなり、電池が使用可能温度を超える可能性がある。そのため、発生した熱の強制冷却が必要となる。
そこで、電池を冷却空気によって強制的に冷却しながら、電池寿命が短くなるを有効に防止したものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
電池から開放空間への熱の放散が可能な場合は、空冷式の場合でも効率が高いが、電池が外部に対して閉じている空間で使用される場合や、前述した複数の電池ユニットが更に多く組み合わされて密閉空間内に収納されている場合は、外部に対して電池の充放電時に発生する熱が逃げにくく、冷却風により冷却する空冷方式では冷却効率が悪い。
つまり、外部に対して閉じている閉鎖空間かそれに近い空間で、充放電時に発熱する、容量が大きい大型電池を連続使用する場合は、電池の温度と電池周囲の空間の温度が高くなる。電池は使用可能温度の上限値が限られているため、電池の温度が高くなると、空冷装置によって冷却しても、電池の温度と電池周囲の空間の温度の温度差がなくなり、やがて熱的に飽和してしまう。そのようになると電池の温度は使用可能温度を超えるので、それ以上は電池を使用することが出来ない状態となる。またこの温度上昇が使用可能温度内であっても冷却が充分でないと、電池の温度が上昇して電池の内部抵抗が大きくなり、この結果エネルギー損失が大となる。
特に、ある程度以上の規模で使用され電池の容量が大きくなる大型の電池であって、例えば地下空間で前記電池を利用する場合や、艦船等の船内で前記電池を利用する場合には、閉鎖空間で使用される状態に近いため、空冷により電池を冷却しようとすれば、冷却効果を高めるために、前記大型の電池に対しそれを冷却する大型のブロワーを設けるとともに外部に対して通風路の断面積が大きい煙突やダクトを設ける必要が生ずるが、そのような閉鎖空間ではスペース上の制約を受けるので、大型のブロワーとともに外部に対して通風路の断面積が大きい煙突やダクトを設けることが困難である。
また、前述したような地下空間などの閉じている空間ではなく、地上であっても、発電所や変電所等において、さらに大規模の電池を使用し電池の容量が大きくなる場合には、前述したように電池容量に比例する電池体積と比較して電池の表面積は、2/3乗しか増大しないため、電池体積に対して電池表面積が実質的に冷却に十分な大きさにならず、上述したような密閉空間における空冷に近い状態となる。
また、電池自体は、使用時において、ほとんど騒音が発生しないものであるが、電池冷却のために電池の近くに大型のブロワーを設置し、屋外へ廃熱を流すため通風路の断面積が大きい煙突やダクトを設けた場合には、その煙突やダクトの部分を通してそのブロワーの騒音が伝播する原因となる。
また、そのような大規模の電池から離れた屋外に大型の空冷用ブロワーを設置し、ダクトを通じて冷却風を供給するようにした場合は、騒音の発生源が屋外に移動するだけとなり、やはり騒音の課題は解決しない。
そこで、発明者は、二次電池を直接に冷却用液体により冷却する液冷型とすることにより冷却効率を高め、さらに電池外部でラジエーターにより、前記二次電池を冷却する冷却用液体を冷却することで、開放空間で使用する電池でも密閉空間で使用する電池でも、いずれの場合も変わりなく効率よく冷却できることに着想し、本発明の対象である液冷型二次電池の冷却システムを開発したものである。特に、ポンプを使用して前記冷却用液体を、冷却対象である二次電池とラジエーターとの間で強制循環させることで、二次電池とラジエーターとの間にある程度の距離がある場合であっても、二次電池の冷却を効率よく図れるようにしたものでもある。
ところで、前述したように、大型の二次電池の冷却板(ヒートシンク)を冷却する冷却用液体をラジエーターを用いて冷却するのではなく、ヒートパイプ方式やヒートポンプ方式の冷却装置の冷媒を用いて冷却板を冷却することとし、そのための冷媒として、水、二酸化炭素、アンモニア、炭化水素(ブタン等)を使用することが考えられるが、いずれの場合も次の問題がある。
(i)水を冷媒する方式は、水が導体であるため、絶縁上の問題がある。純水を利用すれば絶縁は確保できるが、高価な純水装置を必要とする。
(ii)二酸化炭素を冷媒とする方式は、高圧圧縮による液化と圧力開放による気化が必要なサイクルであるため、電池ユニットの間の冷却板に導入することは困難である。
(iii)アンモニア、炭化水素(ブタン等)によるノンフロン冷媒を使用したヒートポンプ方式およびヒートパイプ方式の冷却装置の場合は、それら冷媒は、冷媒として比較的効率がよく、絶縁性もよいが、燃料としても使用される可燃性物質であるため、電流が流れる電池の冷媒として使用することは安全上の問題から困難である。
この発明は、大型の二次電池を、開放空間で使用する場合であっても密閉空間内で使用する場合であっても、効率よく冷却することができる液冷型二次電池の冷却システムを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、複数の電池ユニットを組み合わせてなり、前記電池ユニットの間に導電性の冷却部材(ヒートシンク)が設けられて直列に接続されたものである液冷型二次電池と、前記冷却用液体が保有する熱を放散させるラジエーターと、前記液冷型二次電池とラジエーターとの間にあって、前記液冷型二次電池と電気的に絶縁された、冷却用液体の液体通路と、前記液体通路において前記冷却用液体を循環させるポンプとを備え、前記冷却部材は、前記液体通路に連通され前記冷却用液体が流れる通路を有することを特徴とする。なお、前記冷却用液体が流れる通路の断面形状は、前記冷却用液体が流れる形状であればよく、円形状であっても矩形状であってもよい。
この場合には、請求項2に記載のように、前記液体通路を構成する部材および前記冷却用液体は、絶縁物である。
このようにすれば、二次電池を液冷型とすることにより冷却効率が高められ、さらに電池外部でラジエーターにより、前記二次電池を冷却する冷却用液体を適度に冷却することで、開放空間で使用する場合でも、閉鎖空間や密閉空間で使用する場合でも、いずれの場合も変わりなく効率よく冷却される。
また、ポンプを使用して前記冷却用液体を、冷却対象である二次電池と、ラジエーターとの間で強制的に循環させるようにすることで、二次電池とラジエーターとの間にある程度の距離がある場合であっても、ラジエーターを利用した二次電池を効率よく冷却することができる。
同時に空冷式による電池冷却方法と異なり、熱媒体として、冷却用液体は空気よりはるかに熱容量が大きいため、空冷式の場合は前述した通風路の断面積が大きい煙突やダクトが必要で気流の速度も高くとる必要があるが、液冷式の場合は液体の通路(パイプ)の断面積も小さくてよく、流速も比較的低速で良い。
請求項3に記載のように、前記液冷型二次電池は、電池ユニットである密閉型ニッケル水素電池ユニットを複数基積層してなる積層型密閉型ニッケル水素電池であって、隣り合う2基の前記密閉型ニッケル水素電池ユニット間に前記冷却部材が設けられている構成とすることができる。
このようにすれば、二次電池が複数の電池ユニットを組み合わせてなる場合に、電池ユニット間の冷却部材に形成した通路を、前記冷却用液体が流れるようにしているので、電池ユニットを組み合わせてなる構造の電池であっても、効率よく各電池ユニットが冷却される。
請求項4に記載のように、前記冷却部材は、箱体の内部に複数の仕切板が平行に設けられて、前記仕切板の間に、前記冷却用液体が流れる前記通路がそれぞれ形成されている構成とすることができる。
このようにすれば、押し出し形材などを用いて、冷却用液体が流れる通路を有する冷却部材を簡単に形成することができる。
ところで、一般に、電池反応がスムーズに進行するには、電池構成材料は一定の温度範囲(約10℃〜50℃)にあることが好ましい。特に、電池ユニットを組み合わせて密閉空間内に収納する密閉構造の大型電池においては、電池反応により発生した熱が密閉空間内部にこもりやすく、電池の劣化が促進される傾向にあるので、適切な冷却手段で冷却することが求められる。一方、過度に冷却すると、電池反応の進行が抑えられる。そこで、劣化が促進されることなく、電池反応をスムーズに実行するためには、前記一定の温度範囲となるように冷却制御することが必要である。
そこで、請求項5に記載のように、前記二次電池の電池温度を検出する電池温度検出手段と、前記電池温度検出手段よりの信号を受け、前記電池温度に応じて前記冷却用液体の流量を調節する冷却制御手段とを備えることが望ましい。
このようにすれば、電池温度に応じて前記冷却用液体の流量を調節するので、冷却用液体の温度が、二次電池の冷却に適する温度となるように制御される。
請求項6に記載のように、前記液冷型二次電池は、船舶に搭載されているものであり、前記ラジエーターは、前記船舶に、海水に対し放熱可能なるように設けられている構成とすることもできる。
このようにすれば、液冷型二次電池が船舶に搭載されている場合に、海水を利用して、ラジエーターの放熱を効率よく行うことができる。
また、請求項7に記載のように、前記液冷型二次電池は、発電所または変電所に対して設けられているものであり、前記ラジエーターは、前記発電所または変電所付近の海水または淡水内に設置されている構成とすることもできる。
このようにすれば、ラジエーターは、海水または淡水内に設置されているので、海水または淡水を利用して、効率よく冷却することができる。
本発明は、二次電池を液冷型とするとともにラジエーターを用いることにより、低騒音で、冷却効率を高めることができ、前記二次電池を冷却する冷却用液体を適度に冷却することで、開放空間で使用する電池でも閉鎖空間や密閉空間で使用する電池でも、いずれの場合も変わりなく効率よく冷却することができる。
このように、冷却効率が非常に高いので、大型の二次電池の排熱に有効であり、大型の二次電池であっても、発生熱の問題を回避できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
図1に示すように、本発明に係る液冷型二次電池の冷却システム1は、循環する冷却用液体によって冷却される液冷型二次電池2と、前記冷却用液体を、液体通路3を通じて、液冷型二次電池2と外部との間で循環させる電動ポンプ4と、液冷型二次電池2の外部に設けられる液体通路3の途中に設けられ前記冷却用液体が含む熱を放散させるラジエーター5とを備える。
前記冷却用液体としては、耐熱絶縁性の電気絶縁油、例えば、鉱油(1種)、アルキルベンゼン(2種)、ポリブテン(3種)、アルキルナフタレン(4種)、アルキルジフェニルアルカン(5種)、シリコン油(6種)、鉱油アルキルベンゼン(7種)などが用いられるが、この実施の形態では低粘度のシリコン油が用いられる。二次電池2とラジエーター5との間の液体通路3としては、耐熱性かつ絶縁性を有するチューブ(例えばシリコンチューブ)が用いられ、耐圧構造とされる。ここで、耐熱性といっても、電池自体が60℃以上となること自体が、電池として実質的に使用することが困難となるので、連続100℃程度までの耐熱性があればよい。
ラジエーター5は、熱伝導性に優れる箱体6内に箱体6の側面に放熱フィン5aが密着するように収納された状態で、設置場所の周囲にある水W(海水または淡水)中に設けることで、前記設置場所の周囲にある水(海水または淡水)に、ラジエーター5によって前記冷却用液体が含む熱を放散させ、冷却用液体を冷却するようになっている。なお、ラジエーター5は、箱体6内に収納する必要はなく、そのまま前記海水中または淡水中に放熱可能なるように設けることも可能である。
二次電池2は、複数の電池ユニット7を組み合わせてなり、電池ユニット7の間に導電性の冷却板8(冷却部材)が設けられたもので、電池内部に発生した熱を外部に排出するようになっている。
このように二次電池2が、複数の電池ユニット7を組み合わせて積層した構造で、大型化すると、表面積も大きくなり、表面を冷却するだけでは電池内部の冷却が不充分になるので、各電池ユニット7の間に冷却用液体を流して各電池ユニット7を冷却するために冷却板8を設け、電池内部も効果的に冷却するようにしているのである。
この二次電池2は、大容量ニッケル水素電池で、例えば図3および図4に示すように、電池ユニット7を積層したもので、各電池ユニット7は、対向して設けられた正極集電体71と負極集電体72の間に、アルカリ電解液中で腐食など変質せず、イオンは透過するが電子を透過させない蛇腹状のセパレータ73が交互に両集電体に近接するように配置され、蛇腹状のセパレータ73と正極集電体71とで形成される区画される空間に電解質溶液74とともに正極活物質を含有する正極シート75を配置し、蛇腹状のセパレータ73と負極集電体72とで形成される区画される空間に電解質溶液74とともに負極活物質を含有する負極シート76を配置し、正極シート75と負極シート76がセパレータ73を挟んで交互に組み込まれている。また、正極シート75は正極集電体71に接し、負極シート76は負極集電体72に接している。そして、隣り合う2基の電池ユニットの間には、一方の電池ユニットの正極集電体71ともう一方の電池ユニットの負極集電体72に接するように冷却板8(冷却部材)が挿入されている。この冷却板8の通路8C(冷却用液体が流通する通路)は断面円形状で正極シート75と負極シート76の上下方向に一致している。
冷却板8は、アルミニウムを素材としてニッケルメッキを施したもので、図5に示すように、上下方向に貫通する通路8Cが多数設けられている。この冷却板8を正極シート75と負極シート76との間に挿入して、冷却用液体が通路8Cを流通するようにしている。この冷却板8は正極シート75と負極シート76とに接して両シート75,76を接続するための部材であり、電気伝導性があればよい。その点でアルミニウムは電気抵抗が比較的低く、熱伝導率が比較的大きいので、本発明の冷却板として好ましい特性を有しているが、酸化しやすいという欠点を有している。そこで、アルミニウム板にニッケルメッキを施したものは、ニッケルメッキを施すことにより接触抵抗を低下させることができるので、この発明の冷却板としてさらに好ましい。
各電池ユニットの電流を通すとともに熱伝導性のよい金属で構成された正極集電体71と負極集電体72が、それぞれ正極シート75及び負極シート76と直接接触し、その上、各集電体が電気的に正極集電体71と負極集電体72をつなぐ役割を果たす冷却板8と接触しているため、上から下に向かって冷却板8の通路8Cを流通する冷却用液体に対して、電池反応の結果発生した熱は図3の矢符で示す方向に沿って効率的に伝達されて外部に放出されるので、二次電池(電池ユニットの積層体)の温度を電池反応をスムーズに実行することができる適正な範囲に維持することができる。77は統括正極集電体、78は統括負極集電体、79,80は絶縁板である。
正極シート75は、例えば、正極活物質と導電性フィラーと樹脂に溶剤を加えてぺ一スト状にしたものを基板上に塗布して板状に成形し、硬化させたものであり、負極シート76は、例えば、負極活物質と導電性フィラーと樹脂に溶剤を加えてぺースト状にしたものを基板上に塗布して板状に成形し、硬化させたものである。正極活物質および負極活物質としては、すべての公知の活物質材料を用いることができる。導電性フィラーとしては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独または組み合わせて用いることができる。樹脂としては、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、アルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂などを用いることができる。基板としては、ニッケル板などの電気伝導性のある金属板を用いることができる。セパレータ73としては、例えば、四フッ化エチレン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレンなどの織物や不織布又はメンブレンフィルターなどを使用することができる。
なお、電池ユニット7の大きさは、例えば、大型のもので30mm×200mm×260mm(36V仕様,24V仕様)、小型のもので30mm×100mm×160mm(36V仕様、24V仕様、12V仕様)である。電池容量は、大型のもので150〜220Ah、小型のもので50Ahである。大型の電池ユニットであっても小型の電池ユニットであっても、1ユニットあたりの端子電圧は1.2Vである。
前記電池ユニットを、冷却板を介して直列につなぐことで、所望の電圧が得られる(所望の電圧=1.2V×直列ユニット個数)。
前記電池ユニットを、冷却板を介して直列につなぐことで、所望の電圧が得られる(所望の電圧=1.2V×直列ユニット個数)。
前記冷却板は、冷却板内部に前述した断面円形状の通路8Cを形成した板状のもののほか、図5(a)〜(c)に示すように構成することも可能である。すなわち、冷却板18は、図5(a)〜(c)に示すように、矩形筒状の箱体18Aの内部に複数の仕切板18Bが平行に設けられて、押し出し形材で水平断面ハモニカ形状に形成されている。そして、仕切板18Bの間に、前記冷却用液体が流れる前記複数の通路18Cがそれぞれ形成されている。箱体18Aの上下に、筒状の導入口部18Daおよび導出口部18Eaを有する板状の蓋体18D,18Eがロー付けで接合され、仕切板18Bの上下端部と蓋体18D,18Eとの間に、複数の通路18Cに連通する空間部18F,18Gが形成される。この複数の通路18Cを冷却用液体が流れることで、冷却用液体によって二次電池2(複数の電池ユニット7)が冷却される。
二次電池2には、二次電池2の温度が一定の温度範囲になるように冷却制御するために、二次電池2の電池温度を検出する電池温度検出センサ11(電池温度検出手段)と、(ラジエーター5が設けられている)前記海水または淡水中にはラジエーター5付近の水温度を検出する水温度検出センサ12(水温度検出手段)とが設けられ、マイクロコンピュータからなる冷却制御装置13(冷却制御手段)が、両検出センサ11,12からの信号を受け、前記電池温度及び水温度に応じて電動ポンプ4の回転数を制御するようになっている。これにより、液体通路3を流れる冷却用液体の流量が制御され、二次電池2の温度制御がなされる。なお、システムの簡素化のために、冷却制御装置13(冷却制御手段)が、電池温度検出センサ11からの信号だけを受け、前記電池温度に応じて電動ポンプ4の回転数を制御するようにすることも可能である。
続いて、前記システムを船舶に搭載する場合と、発電所(あるいは変電所)に設置する場合について説明する。
(船舶に搭載する場合)
図6に示すように、ディーゼルエンジン21(または蒸気タービン、ガスタービン)で発電機22を駆動して発電し、VVVFインバータ装置23を介して電動モータ24でスクリュー25を回転推進する船舶26A(例えば、客船)であって、発電量の平準化のため大型の二次電池27を船内に保有するハイブリッド電動船舶に適用することができる。
(船舶に搭載する場合)
図6に示すように、ディーゼルエンジン21(または蒸気タービン、ガスタービン)で発電機22を駆動して発電し、VVVFインバータ装置23を介して電動モータ24でスクリュー25を回転推進する船舶26A(例えば、客船)であって、発電量の平準化のため大型の二次電池27を船内に保有するハイブリッド電動船舶に適用することができる。
この船舶26Aでは、港湾停泊時では、二次電池27でもって船内の使用電力を供給するようにしているので、この場合の二次電池27の冷却システムとして、ラジエーター28を利用した本発明を適用することができる。
また、現在、船舶においては、港湾内に停泊中で、電動モータによるプロペラの推進力に使用しない場合であっても、港湾内での電力使用のため、船内のディーゼル発電機によって電力供給が行われている例が多いが、大都市近傍にあることの多い港湾設備近辺のNOxや浮遊微粒子等の発生の主要な原因の一つとなるとして、大気汚染対策のため、船内のディーゼル発電機によって電力供給を止めて、一般の電力供給システムからの給電によるシステムが求められてきている。
そこで、船舶26B内に港湾停泊時にのみ使用する電力供給用として、二次電池を使用し、その冷却システムとしてラジエーターを利用した本発明を適用することができる。この場合は、図7に示すように、外洋航海時に、発電用エンジン31によって駆動される発電機32によって二次電池33に充電し、港湾内では、二次電池33をラジエーター34を利用して冷却しながら、電池33から給電することができる。35は岸壁である。
このような船舶内の二次電池27,33は、海水を利用して冷却することができる。たとえば、ラジエーターを海水に近い舷側に密着させる。この方法が冷却にとって最も効率的である。一方、反対に海水温度が低い場合は、二次電池の温度が下がりすぎるため、その場合はラジエーターと二次電池(冷却板)との間で冷却用液体を移動させないようにして過冷却を防止する必要があるため、二次電池とラジエーターの間をつなぐ液体通路の途中に設けられ液体を循環させる電動ポンプを停止すればよい。
よって、電池温度が、二次電池とラジエーターの使用条件以下の温度であった場合は、電動ポンプを停止させ、その後、温度が高くなれば、電動ポンプを駆動して回転数を制御すれば、二次電池の温度が最適化される。
(発電所(あるいは変電所)に設置する場合)
発電所(あるいは変電所)の電力発電量/電力供給量の変動対策または、発電効率を高めるため、海岸または河川に隣接する発電所に付属する大型の二次電池を設置することができる。とくに、自然エネルギーを利用した発電所の場合には、発電量の変動と電力の必要時間に大きなズレがあるため、大型の二次電池を併設する必要があるからである。
(発電所(あるいは変電所)に設置する場合)
発電所(あるいは変電所)の電力発電量/電力供給量の変動対策または、発電効率を高めるため、海岸または河川に隣接する発電所に付属する大型の二次電池を設置することができる。とくに、自然エネルギーを利用した発電所の場合には、発電量の変動と電力の必要時間に大きなズレがあるため、大型の二次電池を併設する必要があるからである。
例えば火力発電所の場合は、熱効率=エネルギー効率がベストな状態は狭い範囲であるため、図8に示すように、発電所41に対し大型の二次電池42を併設して、変動対策とすることは、省エネ効果が高く、大気汚染の低減にも重要な技術となる。
この場合も、前述した船舶の場合と同様に、海水または河川の水中にラジエーター43そのものを設置するか、ラジエーターを箱体に収納して設置し、二次電池を冷却する冷却用液体をラジエーターによって冷却する。なお、これらの場合は定置式であり、海水や河川の温度を上昇させる要因となるため、環境面の管理が必要であることはもちろんである。
また、変電所であっても、変電所機能の緊急時のバックアップとしても、また供給電力量の変動対応のために、発電所の場合と同様に、大型の二次電池を併設して、変動対策とすることは、省エネ効果が高く、大気汚染の低減にも重要な技術となる。
また、前述した実施の形態のように、河川や海に隣接していない発電所又は変電所(水中冷却ができない場合)や住宅地に設置する場合には、次のように実施することができる。また、住宅地などに設置される充電スタンド(変電所の一種)における電気自動車用急速充電装置において、一旦二次電池に充電しておき、その二次電池を急速放電して電気自動車に搭載される二次電池に充電するような場合にも、その充電装置側の二次電池の冷却システムに適用することができる。
図9に示すように、室外に設置するラジエーター5を、大面積とするとともに、風量は大きいが風速が低速度の低騒音の強制冷却ファン41を用いる。
ラジエーター5に対し、冷却ファン41に加えて、細かい水滴を吹き付ける噴霧吹付方式の水冷装置42を併設することで、二次電池2の一時的な温度上昇や、夏季等において外気温が高くなったとき、水の気化熱を利用して、一時的に高効率なラジエーター5とすることが可能となる。
このシステムにおいては、前述した冷却制御装置13のほか、ラジエーター5付近の空気温度を検出する空気温度センサ43(空気温度検出手段)を設け、電池温度検出センサ11及び空気温度センサ43よりの信号を受け、強制空冷ファン41の回転数、水冷装置42の噴霧量(あるいは散水量)を制御する冷却制御装置44(冷却制御手段)を備える。なお、システムの簡素化のために、冷却制御装置44が、電池温度検出センサ11からの信号だけを受け、前記電池温度に応じて電動ポンプ4の回転数を制御するようにすることも可能である。
具体的には、図10に示すように、二次電池2は、充電制御装置51を介して系統電力により充電され、電池温度、強制冷却ファン41の回転数、水冷装置42の噴霧量を制御して、二次電池2の温度を一定の温度範囲に維持して、二次電池による電力供給が行われる。
なお、外部気温が低い場合、降雨の場合、極端な場合降雪や室外ラジエーターが凍結した場合は、二次電池2の温度が下がりすぎ、電池としての効率が下がるため、前述した場合と同様に、ラジエーター5と二次電池2との間で冷却用液体を移動させない。つまり、液冷型二次電池2とラジエーター5の間をつなぐ液体通路3に設けた電動ポンプ4を、電池温度が二次電池とラジエーター5の使用条件以下の温度であった場合は停止し、その後、二次電池とラジエーターとの温度が高くなると電動ポンプを駆動し、温度が高くなるに連れて電動ポンプの回転数を増やし、流量を増加させる制御を行い、二次電池の温度を最適化する。
このようにすれば、外部に設置されるラジエーター5の表面積を極端に大きく取ることで、自然通風でかなりの熱放散の効果を図れるとともに、大面積であるため強制空冷のファン41による、風速を通常よりかなり遅くすること(例えば、5m/s以下)が可能となり、住宅地等の低騒音が求められる環境でも、大型二次電池利用の電力供給システムを実現することができる。
そのファン41のような空冷手段に加えて、冷却用噴霧(細かい水滴)を吹き付ける水冷装置42のような水冷手段を併設することで、二次電池2の一時的な温度上昇や、夏季等において外気温が高くなったときに、水冷装置42を作動させることで、一時的にラジエーター5により熱放散をアシストして、高効率な冷却システムを実現することができる。
この発明は、前述した実施の形態に制限されるものではなく、次のように変更して実施することもできる。
(i)二次電池は、前述した大容量ニッケル水素電池に制限されず、大容量の二次電池であれば全てのタイプで採用可能である。
(ii)前述した海上を航行する船舶のほか、海中で作業を行う水中作業船、水中調査船などの他の船舶についても適用することができる。
(i)二次電池は、前述した大容量ニッケル水素電池に制限されず、大容量の二次電池であれば全てのタイプで採用可能である。
(ii)前述した海上を航行する船舶のほか、海中で作業を行う水中作業船、水中調査船などの他の船舶についても適用することができる。
1 二次電池の冷却システム
2 二次電池
3 液体通路
5 ラジエーター
6 箱体
7 電池ユニット
8,18 冷却板(冷却部材)
11 電池温度検出センサ(電池温度検出手段)
13,44 冷却制御装置(冷却制御手段)
2 二次電池
3 液体通路
5 ラジエーター
6 箱体
7 電池ユニット
8,18 冷却板(冷却部材)
11 電池温度検出センサ(電池温度検出手段)
13,44 冷却制御装置(冷却制御手段)
Claims (7)
- 複数の電池ユニットを組み合わせてなり、前記電池ユニットの間に導電性の冷却部材が設けられて直列に接続されたものである液冷型二次電池と、
前記冷却用液体が保有する熱を放散させるラジエーターと、
前記液冷型二次電池とラジエーターとの間にあって、前記液冷型二次電池と電気的に絶縁された、冷却用液体の液体通路と、
前記液体通路において前記冷却用液体を循環させるポンプとを備え、
前記冷却部材は、前記液体通路に連通され前記冷却用液体が流れる通路を有することを特徴とする液冷型二次電池の冷却システム。
- 前記液体通路を構成する部材および前記冷却用液体は、絶縁物であることを特徴とする請求項1記載の液冷型二次電池の冷却システム。
- 前記液冷型二次電池は、電池ユニットである密閉型ニッケル水素電池ユニットを複数基積層してなる積層型密閉型ニッケル水素電池であって、
隣り合う2基の前記密閉型ニッケル水素電池ユニット間に前記冷却部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の液冷型二次電池の冷却システム。
- 前記冷却部材は、箱体の内部に複数の仕切板が平行に設けられて、前記仕切板の間に、前記冷却用液体が流れる前記通路がそれぞれ形成されているものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の液冷型二次電池の冷却システム。
- 前記二次電池の電池温度を検出する電池温度検出手段と、
前記電池温度検出手段よりの信号を受け、前記電池温度に応じて前記冷却用液体の流量を調節する冷却制御手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の液冷型二次電池の冷却システム。
- 前記液冷型二次電池は、船舶に搭載されているものであり、
前記ラジエーターは、前記船舶に、海水に対し放熱可能なるように設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の液冷型二次電池の冷却システム。
- 前記液冷型二次電池は、発電所または変電所に対して設けられているものであり、
前記ラジエーターは、前記発電所または変電所付近の海水または淡水内に設置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の液冷型二次電池の冷却システム。
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