JP7094933B2 - 冷却器、冷却構造および冷却器の製造方法 - Google Patents
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(1)本発明に係る冷却器(例えば、実施形態の冷却器11)は、一方向に延在し、延在方向に沿って第1冷媒流路(例えば、実施形態の第1冷媒流路14a)が複数形成された第1流路形成部材(例えば、実施形態の第1流路形成部材12a)と、一方向に延在し、延在方向に沿って第2冷媒流路(例えば、実施形態の第2冷媒流路14b)が複数形成された第2流路形成部材(例えば、実施形態の第2流路形成部材12b)と、を備え、前記第1流路形成部材と前記第2流路形成部材とは、互いに延在方向が交差しつつ、前記第1冷媒流路と前記第2冷媒流路とが連通した状態で、端部同士が接合している。
また、第1流路形成部材および第2流路形成部材を容易に形成できる。
また、冷却器を発熱体に向かって付勢する付勢部材を別途設ける必要がない。したがって、冷却構造を軽量化できる。また、付勢部材を設ける工程は不要となるため、冷却構造の製造工程を簡略化できる。加えて、部品点数を削減できるため、冷却構造の製造費を削減できる。
冷却器の製造方法は、第1流路形成部材の第1傾斜面と第2流路形成部材の第2傾斜面とを接合する接合工程を備える。これにより、第1傾斜面と第2傾斜面とを隙間なく当接できるため、第1流路形成部材と第2流路形成部材とは、精度よく接合される。したがって、第1冷媒流路と第2冷媒流路との境界部から冷媒が漏洩するのを防止できる。
(バッテリパック)
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリパック1の斜視図である。
バッテリパック1は、例えば車両(不図示)に搭載される。車両は、例えば、電気自動車やハイブリッド車両等の電動車両である。
図1に示すように、バッテリパック1は、ケース2と、ケース2の内部に収容された冷却構造10と、を備えている。
ケース2は、底壁2aと、底壁2aの縁部から立ち上がる側壁2bと、を有している。ケース2は、全体としてバスタブ状に形成されている。ケース2における側壁2bの内側は、冷却構造10を収容する収容部2cとなっている。
図2は、本発明の一実施形態に係る冷却構造10の側面図である。図2は、冷却構造10の各構成の配置を模式的に示している。
図2に示すように、冷却構造10は、冷却器11と、熱伝導体4と、バッテリモジュール3(請求項の発熱体に相当)と、板バネ5(請求項の付勢部材に相当)と、を備えている。
図3は、本発明の一実施形態に係る冷却器11の分解斜視図である。図3は、冷媒流路14の図示を一部省略して示している。
図4は、図3のIV-IV線に沿う冷却器11の断面図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る冷却器11の本体部16の平面図である。図5は、冷媒流路14の図示を一部省略して示している。
図3に示すように、冷却器11は、本体部16と、蓋部13とを備えている。
本体部16は、複数の流路形成部材12を備えている。流路形成部材12は、一方向に沿って延在する長尺板状の部材である。流路形成部材12は、アルミニウムによって形成されている。流路形成部材12は、例えば押出成形により形成されている。流路形成部材12には、流路形成部材12の延在方向に沿って冷媒流路14が複数形成されている。複数の冷媒流路14は、一の流路形成部材12において、平行となっている。冷媒流路14は、流路形成部材12の一方側に開口する溝状に形成されている(図4参照)。本実施形態では、本体部16は、長さが異なる複数の流路形成部材12を備えている。
第1冷媒流路14aと第2冷媒流路14bとは、構成体17を形成する。構成体17は、平面視で第1方向D1の他方側に開口するU字状に形成されている。構成体17は、2個形成されている。2個の構成体17は、第2流路形成部材12bを介して接続され、本体部16を形成している。本体部16は、平面視でクランク状に形成されている。
図3に示すように、蓋部13は、供給配管18を有している。供給配管18は、連通された冷媒流路14の一端部に対応する位置に配置されている。供給配管18は、外部から冷媒流路14に例えば冷却水等の冷媒Rを供給する。蓋部13は、排出配管19を有している。排出配管19は、連通された冷媒流路14の他端部に対応する位置に配置される。排出配管19は、冷媒流路14から外部に冷媒Rを排出する。
図2に示すように、熱伝導体4は、冷却器11を挟んでケース2の底壁2aとは反対側に配置されている。熱伝導体4は、冷却器11と接触している。熱伝導体4は、バッテリモジュール3の熱を冷却器11に効率良く伝達する。熱伝導体4は、シート状に形成されている。熱伝導体4は、例えばシリコーン等の樹脂材料によって形成されている。熱伝導体4は、弾性変形可能に形成されている。
図2に示すように、バッテリモジュール3は、熱伝導体4を挟んで冷却器11とは反対側に配置されている。バッテリモジュール3は、熱伝導体4と接触している。バッテリモジュール3は、一方向に積層された複数のバッテリセル(不図示)を有している。バッテリモジュール3は、バッテリセルが積層されることにより、一方向に延びる直方体状に形成されている。4個のバッテリモジュール3は、並んで平行に配置されている。
図2に示すように、板バネ5は、ケース2の底壁2aと冷却器11との間に配置されている。板バネ5は、例えば金属材料によって形成されている。板バネ5は、冷却器11と当接する取付部5aと、取付部5aから底壁2aに向かって延びる一対の脚部5bと、を有している。脚部5bは、弾性変形可能に形成されている。脚部5bの底壁2a側の端部は、底壁2aと当接している。脚部5bは、弾性変形した状態で取付部5aを底壁2aから離間させている。板バネ5は、脚部5bの弾性復元力により、冷却器11をバッテリモジュール3に向かって付勢している。
以下、冷却器11の製造工程について説明する。
冷却器11の製造工程は、押出成形工程と、第1切断工程と、第2切断工程と、接合工程と、重ね合わせ工程と、を備えている。
(押出成形工程)
押出成形工程では、アルミニウムを金型から押し出す押出成形により、第1流路形成部材12aと第2流路形成部材12bとを含む流路形成部材12を形成する。
第1切断工程では、所定角度Aで流路形成部材12を切断する。これにより、第1冷媒流路14aと所定角度Aで交差する第1傾斜面15aを有する第1流路形成部材12aが形成される。
(第2切断工程)
第2切断工程では、所定角度Aで流路形成部材12を切断する。これにより、第2冷媒流路14bと所定角度Aで交差する第2傾斜面15bを有する第2流路形成部材12bが形成される。
第1切断工程と第2切断工程とは、同時に行われてもよい。すなわち、所定角度Aで流路形成部材12を切断して第1流路形成部材12aと第2流路形成部材12bとに分断することにより、第1切断工程と第2切断工程とが同時に行われてもよい。
接合工程では、まず、第1流路形成部材12aの第1傾斜面15aと第2流路形成部材12bの第2傾斜面15bとを当接させる。続いて、第1冷媒流路14aと第2冷媒流路14bとを連通させた状態で、第1傾斜面15aと第2傾斜面15bとを例えばロウ付け等によって接合する。これにより、第1流路形成部材12aと第2流路形成部材12bとの構成体17が形成される。さらに、構成体17を複数接続することにより、本体部16が形成される。
(重ね合わせ工程)
重ね合わせ工程では、まず、本体部16と、例えばプレス加工により形成された蓋部13と、を重ね合わせる。続いて、本体部16と蓋部13との当接部11aを、冷媒流路14の全周にわたって接合する。これにより、冷却器11が製造される。
上述の本実施形態によれば、以下の作用および効果が得られる。
第1流路形成部材12aと第2流路形成部材12bとは、互いに延在方向が交差しつつ、第1冷媒流路14aと第2冷媒流路14bとが連通した状態で接合している。よって、第1流路形成部材12aと第2流路形成部材12bとを接続させるために、第1流路形成部材12aと第2流路形成部材12bとの間に例えばパイプ等の接続部材を別途設ける必要がない。これにより、冷却性能を向上しつつ従来技術と比較して小型化できる冷却器11を提供できる。加えて、部品点数を削減できるため、従来技術と比較して軽量化できる。
また、第1流路形成部材12aおよび第2流路形成部材12bを容易に形成できる。
冷却器11の製造方法は、第1流路形成部材12aの第1傾斜面15aと第2流路形成部材12bの第2傾斜面15bとを接合する接合工程を備える。これにより、第1傾斜面15aと第2傾斜面15bとを隙間なく当接できるため、第1流路形成部材12aと第2流路形成部材12bとは、精度よく接合される。したがって、第1冷媒流路14aと第2冷媒流路14bとの境界部から冷媒Rが漏洩するのを防止できる。
以下、本実施形態の第1変形例について図面を参照して説明する。
図6は、第1変形例に係る冷却構造10の側面図である。図6は、冷却構造10の各構成の配置を模式的に示している。
本実施形態では、付勢部材として板バネ5を備えていた。これに対して第1変形例では、付勢部材としてフランジ6を備えている点で、本実施形態と異なる。第1変形例において、上述した本実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
上述の第1変形例によれば、以下の作用および効果が得られる。
フランジ6は、冷却器11と一体形成されている。これにより、冷却器11とケース2の底壁2aとの間に、冷却器11をバッテリモジュール3に向かって付勢する付勢部材を別途設ける工程が不要となる。したがって、冷却構造10の製造工程を簡略化できる。
以下、本実施形態の第2変形例について図面を参照して説明する。
図7は、第2変形例に係る冷却構造10の側面図である。図7は、冷却構造10の各構成の配置を模式的に示している。図7は、冷却器11が弾性変形する前の状態を示している。
本実施形態では、付勢部材として板バネ5を備えていた。これに対して第2変形例では、冷却器11が付勢部材となっている点で、本実施形態と異なる。第2変形例において、上述した本実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
上述の第2変形例によれば、以下の作用および効果が得られる。
冷却器11が弾性変形可能に形成され、弾性復元力により冷却器11が熱伝導体4をバッテリモジュール3に押圧する。このため、熱伝導体4は、バッテリモジュール3および冷却器11の両方に密着される。これにより、冷却構造10の熱抵抗が低下する。よって、バッテリモジュール3の熱は、熱伝導体4を介して冷却器11に効率良く伝達される。したがって、従来技術と比較して冷却性能を向上できる冷却構造10を提供できる。
また、冷却器11をバッテリモジュール3に向かって付勢する付勢部材を別途設ける必要がない。したがって、冷却構造10を軽量化できる。また、付勢部材を設ける工程は不要となるため、冷却構造10の製造工程を簡略化できる。加えて、部品点数を削減できるため、冷却構造10の製造費を削減できる。
4 熱伝導体
5 板バネ(付勢部材)
6 フランジ(付勢部材)
10 冷却構造
11 冷却器
12 流路形成部材
12a 第1流路形成部材
12b 第2流路形成部材
14a 第1冷媒流路
14b 第2冷媒流路
15a 第1傾斜面
15b 第2傾斜面
A 所定角度
R 冷媒
Claims (5)
- 一方向に延在し、延在方向に沿って第1冷媒流路が複数形成された第1流路形成部材と、
一方向に延在し、延在方向に沿って第2冷媒流路が複数形成された第2流路形成部材と、を備え、
前記第1流路形成部材と前記第2流路形成部材とは、互いに延在方向が交差しつつ、前記第1冷媒流路と前記第2冷媒流路とが連通した状態で、端部同士が接合し、
前記第1流路形成部材の端部は、前記第1冷媒流路と所定角度で交差する第1傾斜面を有し、
前記第2流路形成部材の端部は、前記第2冷媒流路と前記所定角度で交差する第2傾斜面を有し、
前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とは接合されていることを特徴とする冷却器。 - 前記第1流路形成部材および前記第2流路形成部材は、押出成形により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却器。
- 請求項1または請求項2に記載の冷却器と、
前記冷却器に接触する熱伝導体と、
前記熱伝導体を挟んで前記冷却器とは反対側に配置され、前記熱伝導体と接触する発熱体と、
前記冷却器を前記発熱体に向かって付勢する付勢部材と、
を備えることを特徴とする冷却構造。 - 請求項1または請求項2に記載の冷却器と、
前記冷却器に接触する熱伝導体と、
前記熱伝導体を挟んで前記冷却器とは反対側に配置され、前記熱伝導体と接触する発熱体と、
を備え、
前記冷却器が弾性変形可能に形成され、弾性復元力により前記冷却器が前記熱伝導体を前記発熱体に押圧することを特徴とする冷却構造。 - 請求項1に記載の冷却器の製造方法であって、
前記第1流路形成部材と前記第2流路形成部材とを含む流路形成部材を押出成形により形成する押出成形工程と、
前記流路形成部材を切断し、前記第1冷媒流路と所定角度で交差する第1傾斜面を有する前記第1流路形成部材を形成する第1切断工程と、
前記流路形成部材を切断し、前記第2冷媒流路と前記所定角度で交差する第2傾斜面を有する前記第2流路形成部材を形成する第2切断工程と、
前記第1流路形成部材の前記第1傾斜面と前記第2流路形成部材の前記第2傾斜面とを当接させ、前記第1冷媒流路と前記第2冷媒流路とを連通させた状態で接合する接合工程と、を備えることを特徴とする冷却器の製造方法。
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