JP2004247122A - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】改質用原料の供給の停止後に、内部の可燃性ガスを処理し、環境への放出量を大幅に削減できる燃料電池発電システムを提供する。
【解決手段】改質用原料hの導入口71と、原料hを改質ガスgに改質する改質部21と、改質ガスg中のCOを空気k1により選択的に酸化する酸化部23と、酸化部を出た改質ガスを導出する導出口74と、導入口と、改質部と、酸化部と、導出口とを連通し、原料hまたは改質ガスを導くライン76と、オフガスfを燃焼させ、改質部を加熱するバーナー部25とを有する燃料処理装置2と、導出した改質ガスで発電し、オフガスをバーナー部に放出するスタック3と、燃焼用原料mのバーナー部への供給を確認し、供給のない場合は、この供給を開始し、次に原料hの導入を停止し、ラインに残留する可燃性ガスをバーナー部に押し出す不燃性流体nを導入口から導入する制御部4とを備えるシステムとする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池発電システムに関し、停止運転に際し燃料電池発電システム内に残留する可燃性ガス(例えば改質ガス,アノードオフガス等)を適切に処理することができる燃料電池発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池発電システムは、停止運転時において燃料処理装置内の改質ガス系統内、および燃料電池スタック内の改質ガス系統内に残存する改質ガスの環境への放出は、特別に処理をせずに行われていることが多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、停止運転時において少量で一時的に行われているとはいえ、可燃性ガスをそのまま環境に放出することは、火事などの危険性のほか、一酸化炭素などの有毒ガスを放出することとなり、特に屋内設置となる可能性のある小型の燃料電池発電システムにおいては危険である可能性がある。
【0004】
そこで、本発明は、改質用原料ガスの供給の停止後に、改質ガス系統内の可燃性ガスを処理し、環境に放出する量を大幅に削減できる安全な燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による燃料電池発電システム1は、例えば図1に示すように、改質用原料hを導入する第1導入口71と、前記導入された改質用原料hを改質ガスgに改質する改質部21と、改質ガスgに含まれる一酸化炭素を選択酸化用空気k1によって選択的に酸化する選択酸化部23と、選択酸化部23を出た改質ガスgを導出する導出口74と、第1導入口71と、改質部21と、選択酸化部23と、導出口74とを連通し、改質用原料hまたは改質ガスgを導く改質ガス系統ライン76と、少なくともアノードオフガスfを燃焼させ、改質部21を加熱するバーナー部25とを有する燃料処理装置2と;前記導出した改質ガスgを用いて発電し、アノードオフガスfをバーナー部25に放出する燃料電池スタック3と;(B1)燃焼用原料mがバーナー部25へ供給されていることを確認し、燃焼用原料mがバーナー部25に供給されていない場合は、燃焼用原料mのバーナー部25への供給を開始し、次に改質用原料hの導入を停止し、(C1)改質ガス系統ライン76に残留する可燃性ガスをバーナー部25に押し出す第1不燃性流体nを第1導入口71から導入する制御部4とを備える。
【0006】
このように構成すると、燃料処理装置2と、燃料電池スタック3と、制御部4とを備えるので、制御部4によって、燃焼用原料mがバーナー部25へ供給されている状態で、改質用原料hの供給を停止するので、改質用原料hの供給の停止後もバーナー部25での燃焼を維持することができる。改質ガス系統ライン76に第1不燃性流体nを供給するので、改質ガス系統ライン76内の改質用原料hあるいは改質ガスgをバーナー部25へ押し出して排除し、燃焼用原料mの供給により燃焼が維持されているバーナー部25で燃焼させることができる。このように燃料電池発電システム1内の残留可燃性ガスを安全に処理,パージすることが可能となる。なお、残留可燃性ガスとは、一般的には燃料電池発電システム1内に残留している改質用原料h、改質ガスg、アノードオフガスf、燃焼用原料mを含む概念である。
【0007】
燃焼用原料mのバーナー部25への供給は、燃料電池スタック3の発電を停止した後に行ってもよい。このようにすると、燃料電池スタック3の発電を停止した後に、バーナー部25で燃焼用原料mによって燃焼が確実に行われることを確保し、バーナー部25に押し出された可燃性ガスを確実に燃焼して処理し、燃料電池発電システム1内の残留可燃性ガスを安全に処理し,燃料電池発電システム1を停止することが可能となる。(C1)の制御の後に、選択酸化用空気k1の供給を停止してもよい。このようにすると、改質ガス系統ライン76を第1不燃性流体nで充満させることができ、可燃性ガスの第1不燃性流体によるパージをより効率よく行うことができる。(C1)の制御の後に、あるいは選択酸化用空気k1の供給を停止した後に、燃焼用原料mの供給を停止してもよい。このようにすると、バーナー部25を第1不燃性流体nで充満させ、改質用原料hを押し出すことができ、可燃性ガスのパージをより効率よく行うことができる。
【0008】
燃焼用原料mの供給停止は、燃料処理装置2内および燃料電池スタック3内の改質ガス系統から改質用原料h、改質ガスgが第1不燃性流体nによって十分排除されてから行うのが望ましい。
【0009】
制御部4による(C1)の制御において、燃料処理装置2の改質ガス系統ライン76に残留している残留改質ガスgが、バーナー部25に混入してくる可能性があるので、改質用原料hの供給を停止し,第1不燃性流体nを供給開始すると同時に燃焼用空気k4の流量を増加し空気比(燃焼用原料に対する空気比)を増加させ、残留改質ガスgが十分燃焼するようにするとよい。また、(C1)の制御の後に、選択酸化用空気k1の供給の停止し、燃焼用原料mの供給を停止してから、バーナー部25を燃焼用空気k4を用いてパージするようにしてもよい。このようにするとバーナー部25に残留している微量の燃焼用原料mをパージすることができる。
【0010】
第1不燃性流体nが水蒸気を含む場合あるいは水蒸気である場合、第1不燃性流体nの供給によりバーナー部25に残留する水分を燃焼用空気k4によるパージによって除去し、次回のバーナー部25の着火をスムーズに行うことができる。第1不燃性流体nが水蒸気である場合であって、さらに選択酸化部23を出た改質ガスgを冷却する冷却器77(図5)が設置されている場合には、水蒸気による冷却器77下流のパージがなされないので、燃焼用空気k4によってバーナー部25のパージを行い、残留可燃性ガスh、gをバーナー部25から除去することができる。
【0011】
請求項2に係る発明による燃料電池発電システム1は、請求項1に記載の燃料電池発電システムにおいて、例えば図5に示すように、前記導出した改質ガスgを燃料電池スタック3に搬送する改質ガスライン16であって、前記導出した改質ガスgに残留する一酸化炭素をさらに酸化するブリード空気k2を導入する第2導入口53を有する改質ガスライン16を備え;制御部4は、改質部21で蒸発され、改質用蒸気として使用されるプロセス水pを前記第1導入口72から導入し、前記(C1)の制御において、プロセス水pの前記導入を行い、改質部21により蒸発されたプロセス水pを第1不燃性流体pとして使用し、さらに改質ガスライン16に残留する可燃性ガスをバーナー部25に押し出す第2不燃性流体として、ブリード空気k2を前記第2導入口53から導入する。
【0012】
前記(C1)の制御において、プロセス水pの第1導入口72からの導入を行い、改質部21で蒸発されたプロセス水pを第1不燃性流体として使用するので、燃焼用原料mがバーナー部25に供給された状態で、蒸発したプロセス水pにより改質ガス系統ライン76に残留する残留可燃性ガスをバーナー部25に押し出すことができる。さらに第2不燃性流体として、ブリード空気k2の第2導入口53からの導入を行うので、改質ガスライン16に残留する可燃性ガスをバーナー部25に押し出すことができる。特に、改質ガスライン16に改質ガスgを冷却する冷却器77が設置されている場合は、冷却器77下流は蒸発したプロセス水pでは、パージすることが難しいので、冷却器77の上流側からブリード空気k2にてパージを行うことにより改質ガスライン16に残留する残留可燃性ガスをバーナー部25に押し出すことができる。
【0013】
請求項3に係る発明による燃料電池発電システム1は、請求項1または請求項2に記載の燃料電池発電システムにおいて、例えば図1、図3および図4に示すように、制御部は、前記(B1)の制御の前に、燃料電池スタック3の発電を中止する(A1)の制御を行い、さらに前記(A1)の制御において、燃料電池スタック3が発生するスタック電流Isを所定の勾配で減少して0にして発電を中止すると共に、改質用原料hの供給量を所定の流量まで減少させて保持するよう構成される。
【0014】
このように構成すると、改質用原料hの供給量を徐々に減少させることができ、発電を中止させた後に、第1不燃性流体nの供給によって、燃料処理装置2の改質ガス系統ライン76内、および燃料電池スタック3内の改質用原料h、改質ガスgのパージをスムーズに行なうことができ、燃焼用ガスmのバーナー部25での燃焼によって確実に燃焼させることができる。改質用原料hの供給量の減少は、典型的には、電流の減少と同時進行させる。所定の勾配とは、バーナー部25に過剰のアノードオフガスfが供給されない程度の減少勾配であり,典型的には1L/min程度である。
【0015】
請求項4に係る発明による燃料電池発電システム1は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池発電システムにおいて、例えば図1に示すように、燃料電池スタック3は、燃料電池スタック3に残留する残留水素が、燃料電池スタック3のスタック残留電圧を放電することによって消費されるよう構成され;
制御部4は、
(E1)前記(C1)の制御と同時に、前記放電を起こさせ、
(F1)燃料電池スタック3のいずれかのセル電圧が所定の値以下になった時点で前記放電を停止させ、
(G1)前記所定の値以下になったセル電圧が所定の値まで回復した場合は、前記放電を再度起こさせ;
前記(E1)の制御と、(F1)の制御と、(G1)の制御とを所定の回数、あるいはセル電圧の回復が起こらなくなるまで繰り返す。
【0016】
このように構成すると、改質ガス系統ライン76へ第1不燃性流体nを供給し、改質ガス系統ライン76内、および燃料電池スタック3内の改質用原料h、改質ガスgをバーナー部25へ押し出し排除し、バーナー部25で燃焼させて消費すると同時に、燃料電池スタック3内に残留する残留水素を放電により消費するので、燃料電池発電システム1内の可燃性ガスh、gを短時間に確実に除去することができる。
【0017】
例えば図2に示すように、燃料電池スタック3は、出力される直流電圧を所定の直流電圧に変圧するDC/DCコンバータ81と、DC/DCコンバータ突入電流防止用抵抗R1とを有し,あるいはさらにスタック残留電圧放電用抵抗R2を有し;制御部4は、燃料電池スタック3内残留水素を消費するため、DC/DCコンバータ待機電力による放電、またはスタック残留電圧放電用抵抗R2による放電、またはDC/DCコンバータ突入電流防止用抵抗R1による放電を起こさせるようにするとよい。
【0018】
DC/DCコンバータ81の待機電力で十分短時間に燃料電池スタック3内残留水素を消費できる場合には、当該待機電力による放電を行う。消費電流が大きい場合に対処するため突入防止抵抗R1をDC/DCコンバータ81と直列に配置することで、電気抵抗を増して消費電流を抑えて適当な消費速度で放電を行い、スタック内残留水素分を消費することができる。また,消費電流が足りない場合に対処するためスタック残留電圧放電用抵抗R2を設けているので、この抵抗R2を用いて放電を行い、燃料電池スタック3内残留水素分を消費することができる。
【0019】
請求項4に記載の燃料電池発電システム101は、例えば図5に示すように、さらに前記導出した改質ガスgを燃料電池スタック3に導く改質ガスライン16と、前記燃料電池スタック3で発電に用いられなかった前記改質ガスgを燃料電池スタック3から前記バーナー部25に導くアノードオフガスライン17とからなるガスラインを備え;前記ガスラインは、前記導出した改質ガスgを前記バーナー部25に直接送り込むよう切り替える切替手段68を有し;制御部104は、前記(A1)の制御の後、前記(B1)の制御の前に、切替手段68による切り替えを行うように構成されてもよい。
【0020】
このように構成すると、通常運転時には導出した改質ガスgを改質ガスライン16を介して燃料電池スタック3部に導き、燃料電池スタック3で発電に用いられなかった改質ガスgを、アノードオフガスライン17を介して燃料電池スタック3からバーナー部25に導くことができる。一方、停止運転時には、燃料電池スタック3の発電を停止した後,切替手段68による切り替えを行い、導出した改質ガスgをバーナー部25に直接送り込むようにし、燃料電池スタック3への改質ガスgの供給を断ち、燃料電池スタック3のスタック残留電圧を放電することによって燃料電池スタック3内に残留する残留水素を消費することができる。なお、バーナー部25に直接送り込むとは、燃料電池スタック3を介さないでバーナー部25に送り込むという意味である。このとき,燃焼用原料mがバーナー部25に供給されていない場合に、当該供給を開始し、次に改質用原料hの供給を停止するとよい。
【0021】
請求項5に係る発明による燃料電池発電システム1は、例えば図1に示すように、改質用原料hとプロセス水pとを導入する第1導入口71、72と、前記導入されたプロセス水pを蒸発させて改質用蒸気として用いて、改質用原料hを改質ガスgに改質する改質部21と、改質ガスgに含まれる一酸化炭素を選択酸化用空気k1によって選択的に酸化する選択酸化部23と、選択酸化部23を出た改質ガスgを導出する導出口74とをする燃料処理装置2と;前記導出した改質ガスgを搬送する改質ガスライン16であって、前記導出した改質ガスgに残留する一酸化炭素をさらに酸化するブリード空気k2を導入する第2導入口53を有する改質ガスライン16と;ブリード空気k2にて一酸化炭素を酸化した改質ガスgを用いて発電する燃料電池スタック3と;(B2)改質用原料hの第1導入口71からの導入を停止した後、所定時間経過後にプロセス水pの第1導入口72からの導入を停止し、
(C2)ブリード空気k2の第2導入口53からの導入を行う制御部4を備える。
【0022】
このように構成すると、燃料処理装置2と、改質ガスライン16と、燃料電池スタック3と、制御部4とを備えるので、制御部4によって、改質用原料hの導入を停止した後、所定時間経過後に前記プロセス水pの導入を停止し、前記ブリード空気k2の導入を行うことができる。
【0023】
改質用原料hの導入を停止した後、所定時間経過後にプロセス水pの導入を停止するので、改質用原料hの導入を停止した後の所定時間の間、プロセス水pを導入することによって、プロセス水pが改質部21で蒸発し、蒸発した水蒸気を燃料処理装置2に残存する改質用原料h、改質ガスgを押し出すパージガスとして利用することができる。プロセス水pの導入を停止し、ブリード空気k2の導入を行うので、ブリード空気k2によりさらに改質ガスライン16に残存する水蒸気を押し出すことができ、水蒸気の凝縮による水分の残存を回避することができる。ここでいう所定時間とは、プロセス水pが蒸発した水蒸気により燃料処理装置2に残存する改質用原料h、改質ガスgを押し出して排除することができる十分な時間をいう。
【0024】
また、燃料処理装置2は典型的にはバーナー部25を有するので、この場合には、バーナー部25に残留する水分をブリード空気k2によるパージによって除去し、次の燃料電池発電システム1の起動時にバーナー部25の着火をスムーズに行うことができる。また、選択酸化部23を出た改質ガスgを冷却する冷却器77が改質ガスライン16に設置されている場合には、水蒸気による冷却器下流のパージを行うことが難しいので、選択酸化部23の下流であって冷却器77の上流からのブリード空気k2によってバーナー部25のパージを行うことができる。このパージによって、改質ガスライン16に残留する可燃性流体nを除去することができる。また,燃焼用空気k4を用い,バーナー部25のパージを行ってもよい。
(C2)でブリード空気k2の供給を行ったときに、空気比を一定に保つために燃焼用空気k4の流量を、ブリード空気k2の流量分だけ減少させるとよい。なお、プロセス水pの供給の停止は、典型的には、燃料処理装置2の水蒸気と接触する箇所の温度が水分の沸点以下になる前に行うことが望ましい。
【0025】
請求項5において、例えば図1に示すように、制御部4が(A2)前記燃料電池スタック3の発電を中止した後、前記ブリード空気k2の導入を停止し、(B2)前記改質用原料hの第1導入口72からの導入を停止した後、所定時間経過後に前記プロセス水pの第1導入口72からの導入を停止し、(C2)前記ブリード空気k2の第2導入口53からの導入を再び開始し、(D2)所定時間経過後、前記ブリード空気k2の導入を再び停止するようにしてもよい。
【0026】
このようにすると、燃料電池スタック3の発電の中止後に、蒸発したプロセス水pによって燃料処理装置2に残留する可燃性ガスh、gを燃料処理装置2からパージし、燃料電池発電システム1を停止することができる。特にブリード空気k2の供給の停止後に、第1導入口72から導入され蒸発されるプロセス水pによりパージを行うので、燃料処理装置2内のパージをより効率的に行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0028】
図1のブロック図を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池発電システム1の構成を説明する。燃料電池発電システム1は、燃料処理装置2と、固体高分子電解質型燃料電池である燃料電池スタック3と、制御装置4と、燃料供給ライン11と、選択酸化用空気供給ライン12と、プロセス水供給ライン13と、燃焼用ガス供給ライン14と、燃焼用空気供給ライン10と、あるいは改質ガスラインとしての改質ガス搬送ライン16と、アノードオフガスライン17と、ブリード空気ラインとしてのブリード空気供給ライン18と、スタック用空気供給ライン19、窒素ガス供給ライン20、切替ライン67とを含んで構成される。
【0029】
燃料供給ライン11は、流体昇圧装置としてのブロワ31と流量調節装置としての調節弁32と流量測定装置としての流量計47とを備え、選択酸化用空気供給ライン12は、ブロワ33と調節弁34と流量計48とを備える。プロセス水供給ライン13は、流体昇圧装置としてのポンプ35と調節弁36と流量計49とを備え、燃焼用ガス供給ライン14は、ブロワ37と調節弁38と流量計50とを備える。また、燃焼用空気供給ライン10は、ブロワ64と調節弁65と流量計66とを備える。改質ガス搬送ライン16には、改質ガス搬送ライン16にブリード空気k2を導入する第2導入口としてのブリード空気導入口53が形成され、ブリード空気導入口53には、ブリード空気供給ライン18が接続される。ブリード空気供給ライン18は、ブロワ41と調節弁42と流量計51とを備え、スタック用空気供給ライン19は、ブロワ43と調節弁44と流量計52とを備える。窒素ガス供給ライン20は、窒素ガス供給源としての窒素ボンベ(不図示)と調節弁62と流量計63とを備える。
【0030】
燃料処理装置2は、改質部21と、変成部22と、選択酸化部23と、バーナー部25と、第1導入口としての燃料導入口71と、第1導入口としてのプロセス水導入口72と、選択酸化用空気導入口73と、改質ガス導出口74と、燃料導入口71と改質部21と変成部22と選択酸化部23と改質ガス導出口74とを連通する改質ガス系統ライン76とを備える。
【0031】
燃料導入口71に、燃料供給ライン11が接続される。燃料供給ライン11から燃料導入口71に導入された改質用原料としての改質用原料ガスhは、改質部21に供給される。改質部21では、供給された改質用原料ガスhを改質し水素を主成分(例えば、水素の成分がモル%で約70〜75%)とする改質ガスgにする改質反応が行われる。変成部22では、改質ガスgのCO変成反応が行われる。選択酸化用空気導入口73には、選択酸化用空気供給ライン12が接続される。選択酸化用空気供給ライン12から選択酸化用空気導入口73に導入された選択酸化用空気k1は選択酸化部23に供給される。選択酸化部23では、改質ガス中に残存する一酸化炭素ガスの選択酸化用空気k1による選択的酸化が行われる。燃料導入口71に、さらにプロセス水供給ライン13が接続される。プロセス水供給ライン13から燃料導入口71に導入されたプロセス水pは、改質部21に供給される。改質部21に供給されたプロセス水pは、蒸発して改質用蒸気となる。バーナー部25には、燃焼用ガス供給ライン14が接続され、バーナー部25にバーナーガスとしての、または燃焼用原料としての燃焼用ガスmを供給する。バーナー部25には、さらに燃焼用空気供給ライン10が接続され、バーナー部25に燃焼用空気k4を供給する。また、バーナー部25には、後述のようにアノードオフガスライン17が接続され、アノードオフガスfを供給する。バーナー部25は燃焼用空気k4によって燃焼用ガスmを燃焼させ改質反応、変成反応に必要な熱を供給する。なお、改質用原料は液体であってもよく、この場合はブロワ31の代わりにポンプ(不図示)が使用される。
【0032】
制御部4は、流量制御信号i1を、調節弁32、調節弁34、調節弁36、調節弁38、調節弁62へ、それぞれ個別に送る。制御部4から流量制御信号i1を受け、調節弁32は、改質用原料ガスhの改質部21への供給量を調節し、調節弁34は、選択酸化用空気k1の選択酸化部23への供給量を調節し、調節弁36は、プロセス水pの改質部21への供給量を調節し、調節弁38は、燃焼用ガスmのバーナー部25への供給量を調節し、調節弁65は、燃焼用空気k4のバーナー部25への供給量を調節する。調節弁62は、第1不燃性流体あるいは不燃性ガスとしての窒素ガスnの改質部21への供給量を調節する。
【0033】
ブロワ31、ブロワ33、ポンプ35、ブロワ37、ブロワ64は、不図示のモータにより駆動され、それぞれ改質用原料ガスh、選択酸化用空気k1、プロセス水p、燃焼用ガスm、燃焼用空気k4、不活性ガスである窒素ガスnを供給し、定常状態で回転数はほぼ一定である。これらを不図示の例えば蒸気タービンにより駆動し、回転数制御により流量が制御されるようにしてもよい。この場合、調節弁32、34、36、38、65、62は設置しなくてもよい。
【0034】
流量計47は、改質部21に供給される改質用原料ガスhの流量を計測し、計測された流量は流量信号i5として制御部4に送られる。流量計48は、選択酸化部23に供給される選択酸化用空気k1の流量を計測し、計測された流量は流量信号i5として制御部4に送られる。流量計49は、改質部21に供給されるプロセス水pの流量を計測し、計測された流量は流量信号i5として制御部4に送られる。流量計50は、バーナー部25に供給される燃焼用ガスmの流量を計測し、計測された流量は流量信号i5として制御部4に送られる。流量計66は、バーナー部25に供給される燃焼用空気k4の流量を計測し、計測された流量は流量信号i5として制御部4に送られる。流量計63は、改質部21に供給される窒素ガスnの流量を計測し、計測された流量は流量信号i5として制御部4に送られる。
【0035】
改質ガス搬送ライン16は、燃料処理装置2の導出口74と燃料電池スタック3を繋ぎ、選択酸化部23を出た改質ガスgを導出口74から燃料電池スタック3に搬送する。改質ガス搬送ライン16には、三方切替弁68が設置されている。三方切替弁68には、制御部より三方切替弁を切り替えるための切替信号i6が送られる。アノードオフガスライン17は、燃料電池スタック3とバーナー部25とを繋ぎ、後述のアノードオフガスfを燃料電池スタック3からバーナー部25へ搬送して、供給する。三方切替弁68には、切替ライン67の一端が接続され、切替ライン67の他端は、アノードオフガスライン17に接続されている。
【0036】
三方切替弁68は、通常運転時はa1側が開となり、選択酸化部23を出た改質ガスgは燃料処理装置2から改質ガス搬送ライン16を通りスタック電池3側に流れる。停止運転が始まると同時に三方切替弁68のb1側への切り替えが行われると、選択酸化部23を出た改質ガスgは、改質ガス搬送ライン16から切替ライン67を通り、アノードオフガスライン17に達し、バーナー部25へ送られる。アノードオフガスライン17の切替ライン67との合流部の上流側には逆止弁69が設置され、アノードオフガスライン17に流れ込んだ改質ガスgが燃料電池スタック3へ逆流しないようになっている。
【0037】
燃料電池スタック3は、不図示の固定高分子膜と不図示のセパレータとが交互に重ねられた多重構造であり、供給された改質ガスgとスタック用空気k3とを電気化学的に反応させて発電を行うと共に、アノードオフガスf(未利用改質ガス)を発生する。ここでアノードオフガスfは、燃料電池スタック3において、水素が発電に利用された後の余剰改質ガスであり、改質ガスgに含まれる水素のうち、例えば80パーセント(モルパーセント)が発電に使用された場合、残り20パーセント(モルパーセント)相当量の水素を含むいわゆる水素リッチガスである。
【0038】
燃料電池スタック3は各セル電圧を検出するセル電圧検出器75を有する。セル電圧検出器75によって検出された各セル電圧は、電圧信号i3として制御部に送られる。なお、図中、セル電圧検出器75から送られる電圧信号i3は一つのみ記載され、他は省略されている。
【0039】
ブリード空気供給ライン18は、前述のように改質ガス搬送ライン16に接続され、ブリード空気k2を改質ガス搬送ライン16に供給する。改質ガスgは、ブリード空気k2によって残留するCOガスが酸化される。スタック用空気供給ライン19は、燃料電池スタック3に接続され、スタック用空気k3を燃料電池スタック3に供給する。制御部4は、調節弁42、44へ流量制御信号i1をそれぞれ個別に送る。調節弁42は、ブリード空気k2の改質ガス搬送ライン16への供給量を調節し、調節弁44は、スタック用空気k3の燃料電池スタック3への供給量を調節する。ブロワ41、43は、不図示のモータにより駆動され、定常状態で回転数はほぼ一定である。これらを不図示の例えば蒸気タービンにより駆動し、回転数制御により流量が制御されるようにしてもよい。この場合、調節弁42、44は設置しなくてもよい。流量計51は、改質ガス搬送ライン16に供給されるブリード空気k2の流量を計測し、計測された流量は流量信号i5として制御部4に送られる。流量計52は、燃料電池スタック3に供給される酸化剤ガスとしてのスタック用空気k3の流量を計測し、計測された流量は流量信号i5として制御部4に送られる。
【0040】
燃料電池スタック3は、負荷5(何らかの電気機器)に電気的に接続されている。燃料電池スタック3は、スタック電圧Vsを検出するスタック電圧検出器45と、スタック電流Isを検出するスタック電流検出器46とを有する。スタック電圧検出器45によって検出されたスタック電圧Vsは、電圧信号i3として制御部4に送られる。スタック電流検出器46によって検出されたスタック電流Isは、電流信号i4として制御部4に送られる。
【0041】
次に、燃料電池発電システム1の通常運転時の作用を説明する。バーナー部25には、起動時、助燃時にブロワ37により搬送された燃焼用ガスmが燃焼用ガス供給ライン14から供給される。燃焼用ガス供給ライン14に設置された調節弁38は、制御部4からの流量制御信号i1を受け、流量制御信号i1に対応する流量の燃焼用ガスmを流すよう所定の開度に制御される。燃焼用空気供給ライン10に設置された調節弁65は、制御部4からの流量制御信号i1を受け、流量制御信号i1に対応する流量の燃焼用ガスmを流すよう所定の開度に制御される。燃焼用ガスmの流量は流量計50により計測され、計測された流量は、流量信号i5として制御部4に送られる。通常運転時にはバーナー部25には、アノードオフガスライン17を介して燃料電池スタック3からアノードオフガスfが供給される。バーナー部25で発生する燃焼熱は、改質部21での改質反応熱に利用され、改質部21に充填された改質触媒(不図示)、変成部22に充填されたCO変成触媒(不図示)を反応に適した所定の温度に維持するために利用される。
【0042】
改質用原料ガスhは、ブロワ31により搬送され燃料供給ライン11を介して改質部21に供給される。燃料供給ライン11に設置された調節弁32は、制御部4からの流量制御信号i1を受け、流量制御信号i1に対応する流量の改質用原料ガスhを流すよう所定の開度に制御される。改質用原料ガスhの流量は流量計47により計測され、計測された流量は、流量信号i5として制御部4に送られる。
【0043】
プロセス水pは、ポンプ35により搬送されプロセス水供給ライン13を介して改質部21に供給される。プロセス水供給ライン13に設置された調節弁36は、制御部4からの流量制御信号i1を受け、流量制御信号i1に対応する流量のプロセス水pを流すよう所定の開度に制御される。プロセス水pの流量は流量計49により計測され、計測された流量は、流量信号i5として制御部4に送られる。改質部21に供給されたプロセス水pは、改質部21で蒸発し改質用蒸気sとして利用される。すなわち、改質部21では、改質用原料ガスhがメタンの場合は、改質触媒によりCH+HO→CO+3H で表せる水蒸気改質反応が行われ、改質ガスgとなる。ここでHOは、改質用蒸気である。
【0044】
改質ガスgは、改質部21から変成部22に送られ、変成部22で、CO変成触媒によりCO+HO→CO+H で表せる変成反応が行われる。さらに、改質ガスgは、変成部22から選択酸化部23に送られる。選択酸化用空気k1は、ブロワ33により搬送され選択酸化用空気供給ライン12から選択酸化部23に供給される。選択酸化用空気供給ライン12に設置された調節弁34は、制御部4からの流量制御信号i1を受け、流量制御信号i1に対応する流量の選択酸化用空気k1を流すよう所定の開度に制御される。選択酸化用空気k1の流量は流量計48により計測され、計測された流量は、流量信号i5として制御部4に送られる。
【0045】
改質ガスg中に残留するCOガスは、選択酸化部23で選択酸化用空気k1により選択的に酸化され、CO+(1/2)O→CO で表される反応が行われる。COガスが除去された改質ガスgは、改質ガス搬送ライン16を通って燃料電池スタック3に向けて供給される。
【0046】
改質ガス搬送ライン16内を搬送中の改質ガスgに含まれるCOガスは、改質ガス搬送ライン16内に供給されるブリード空気k2によって酸化される。
ブリード空気k2は、ブロワ41により搬送されブリード空気供給ライン18から改質ガス搬送ライン16に供給される。ブリード空気供給ライン18に設置された調節弁42は、制御部4からの流量制御信号i1を受け、流量制御信号i1に対応する流量のブリード空気k2を流すよう所定の開度に制御される。ブリード空気k2の流量は流量計51により計測され、計測された流量は、流量信号i5として制御部4に送られる。
【0047】
燃料電池スタック3には、ブロワ43により搬送されたスタック用空気k3がスタック用空気供給ライン19を通って供給される。スタック用空気供給ライン19に設置された調節弁44は、制御部4からの流量制御信号i1を受け、流量制御信号i1に対応する流量のスタック用空気k3を流すよう所定の開度に制御される。スタック用空気k3の流量は流量計52により計測され、計測された流量は、流量信号i5として制御部4に送られる。
【0048】
燃料電池スタック3は、改質ガスgとスタック用空気k3とを電気化学的に反応させ、発電が行われ、負荷5に電力が供給される。燃料電池スタック3に供給された改質ガスgの一部は発電には利用されず、燃料電池スタック3を出てアノードオフガスfとしてバーナー部25に送られバーナー部25で燃焼される。
調節弁62は、通常運転の間は、制御部4から開度を0にするように、流量制御信号i1を受け、閉の状態を維持し、窒素ガスnは、通常運転時には供給されない。
【0049】
図2に示すように、負荷5は、DC/DCコンバータ81と、インバータ82と、負荷本体5Aとをこの順序で直列に含んで構成される。インバータ82の入力側には、平滑コンデンサ83と、3接点aa1、bb1、cc1からなるスイッチSW1と、2接点aa2、bb2からなるスイッチSW2とが設置されている。
【0050】
燃料電池スタック3の発電を終了させるときは、スイッチSW1が接点aa1に接続され、スイッチSW1はオフとなり、インバータ82及び負荷本体5AがDC/DCコンバータ81及び燃料電池スタック3から切り離される。
燃料電池スタック3による発電を開始するときは、スイッチSW1が接点bb1に接続され、インバータ82及び負荷5Aが突入電流防止用抵抗R1を介してDC/DCコンバータ81及び燃料電池スタック3に接続され、定常発電に移行するときは、スイッチSW1は、接点bb1から接点cc1に接続される。
【0051】
定常発電時には、スイッチSW2は接点aa2に接続されており、スイッチSW2はオフとなっている。発電休止時に、スタック残留電圧の放電を行うときは、スイッチSW2を接点bb2に接続し、残留電圧放電用抵抗R2によるスタック残留電圧の放電が行われる。当該放電の終了後、スイッチSW2は、接点aa2に接続されオフとされる。
【0052】
次に、図3、図4を参照し適宜図1を参照して、第1の実施の形態の燃料電池発電システム1の制御部4による停止運転方法について説明する。図3中、横軸は時間の経過、縦軸は流量(単位は気体がNL/min)を表す。図4中、横軸は時間の経過、縦軸は流量(単位L/min)、電流(単位A)を表す。
【0053】
図3中、折れ線R1(実線)は、燃焼用空気k4の流量、折れ線R2(長い二点鎖線)は、改質用原料ガスhの流量、折れ線R3(短い一点鎖線)は、燃焼用ガスmの流量、折れ線R4(短い二点鎖線)は、窒素ガスnの流量、折れ線R5(破線)は、ブリード空気k2の流量の流量を表す。図4中、折れ線R6(実線)は、プロセス水pの流量、折れ線R7(実線)は、スタック電流Isを表す。
【0054】
時間t0に、燃料電池発電システム1の通常運転がなされている。時間t0においては、燃焼用空気k4の流量は20NL/minで一定であり、改質用原料ガスhの流量は4.5NL/minで一定である。燃焼用空気k4の流量は、燃焼用ガスmおよびアノードオフガスfを完全燃焼させるのに必要な流量の、約1.2倍である(空気比約1.2)。改質用原料ガスhの流量は、燃料電池スタック3のスタック電流Isに対応する流量であり、負荷5に見合った電力を燃料電池スタック3が発生させるのに必要な改質ガスgを燃料処理装置2が発生させるのに必要な流量である。
【0055】
同じく時間t0において、プロセス水pの流量は、0.011L/minで一定である。プロセス水pの流量は、プロセス水pの流量から求められる蒸気のモル流量と、改質用原料ガスhの流量から求められる炭素とモル流量との比が、約2.8となる流量である。ブリード空気k2の流量は、0.7NL/minで一定である。ブリード空気k2の流量は、選択酸化された改質ガスg中に残存する一酸化炭素を酸化するに十分な量である。
【0056】
図3に図示しないが、同じく時間t0において、選択酸化用空気k1、スタック用空気k3も一定流量が供給されている。選択酸化用空気k1の流量は、改質ガス中の一酸化炭素を選択的に酸化するのに必要な流量が供給される。スタック用空気k3は、燃料電池スタック3の電流負荷に応じた流量が供給される。なお、時間t0において、燃焼用ガスmの流量は0である。よって、バーナー部25で助燃は行われず、アノードオフガスfのみを使用して燃焼が行われる。また、時間t0において、窒素ガスnの流量も0である。
【0057】
時間t1に、制御部4に燃料電池発電システム1の停止信号(不図示)が送られ、制御部4は、スタック電流Isの値を下げ始め、停止運転に移行する。同時に、改質用原料ガスhの流量をスタック電流Isの減少(例えば、57Aから10A/minの割合で減少)に対応して減少させる。改質用原料ガスhの流量は、スタック電流Isの関数として表される流量である。改質用原料ガスhの流量の流量は、1NL/min以下に下がらないように制御される。1NL/min以下に下がらないようにするのは、アノードオフガスfによって燃焼しているバーナー部25での燃焼安定性を保つためである。スタック電流Isの減少割合を10A/minとしたのは、スタック電流Isの急激な減少は、消費される改質ガス流量の急激な減少となり、改質ガス搬送ライン16の圧力が急激に上昇する原因となること、燃料処理装置2において、改質ガスgの流量の変動にともなう背圧の変動は改質ガスg中のCO量が増加する原因となること、改質ガスgの流量の急変によるアノードオフガスfの流量の急変は、バーナー部25での不完全燃焼の原因となることによる。時間t1に、燃焼用空気k4の流量も減少し始める。
【0058】
同じく時間t1において、プロセス水p、ブリード空気k2が、改質用原料ガスhの流量の減少割合と同じ減少割合で減少し始める。
図3に図示しないが、同じく時間t1において、選択酸化用空気k1、スタック用空気k3も、改質用原料ガスhの流量の減少割合と同じ減少割合で減少し始める。
【0059】
スタック電流Isは、時間t1から時間t2(例えば、時間t1より5.7分経過)の間単純に減少し続け、時間t2に、スタック電流Isが0になり、発電を停止する。改質用原料ガスh、プロセス水pの流量も、時間t1から時間t2の間単純に減少し続け、時間t2に、それぞれ最小供給流量である1.0NL/min、0.003L/minに達する。ブリード空気k2も、時間t1から時間t2の間単純に減少し続ける。燃焼用空気k4も、時間t1から時間t2の間単純に減少し続け、時間t2に、流量が10NL/minとなる。
【0060】
図3に図示しないが、選択酸化用空気k1、スタック用空気k3も、同様に、時間t1から時間t2の間単純に減少し続ける。
また、時間t2に、三方切替弁68をa1側からb1側に切り替え、選択酸化部23を出た改質ガスgが改質ガス導出口74、改質ガス搬送ライン16から三方切替弁68、切替ライン67、アノードオフガスライン17を経て、バーナー部25に供給されるようにする。したがって、改質ガスgは、燃料電池スタック3には供給されない。スタック用空気k3の供給は時間t2で停止する(図3に不図示)。
【0061】
さらに、時間t2に、燃焼用ガスmがバーナー部25に供給されているか否かのチェックが行われる(図3に不図示)。これは、流量計50からの流量信号i5に基づいて行われる。燃焼用ガスmがバーナー部25に供給されていない場合は(本実施の形態は、この場合に該当)、燃焼用ガスmのバーナー部25への供給を開始する。燃焼用ガスmの供給は、時間t2を僅かに経過した時間t21に開始される。燃焼用ガスmの流量は1.2NL/minとする。同時に、燃焼用空気k4の流量を28.9NL/minに増加させる。この燃焼用空気k4の流量は、バーナー部25に供給される燃焼用ガスm、改質用原料ガスh、改質ガスgの流量を考慮し空気比を1.2にすべく決められた流量である。
【0062】
時間t2を過ぎた後、改質用原料ガスhの流量は、1NL/min、プロセス水pの流量は、0.003L/minの一定量に維持されるが、時間t3より少し前である時間t23に、改質用原料ガスh及びプロセス水pの供給を停止する。同時に、燃焼用空気k4の流量を13.5NL/minまで減少させる。
【0063】
選択酸化用空気k1(図3に不図示)、ブリード空気k2は、時間t2にも、そのまま減少を続ける。ブリード空気k2は、時間t2と後述の時間t3の中間時t22に流量が0となる。
また、時間t22に、ブリード空気k2の流量を0とするのは、スタック切離し時に確実にブリード空気k2が供給されているようにするためである。
【0064】
停止運転時に、改質用原料ガスhの流量を減少させた場合、改質ガスgの流量も減少する。よって、プロセス水p、ブリード空気k2、選択酸化用空気k1、スタック空気k3の流量も、同様に減少させる必要がある(図3に不図示)。
【0065】
次に、時間t3より少し前の時間t23に、改質用原料ガスh及びプロセス水pの供給を停止する。同時に、燃焼用空気k4の流量を13.5NL/minまで減少させる。燃焼用ガスmの流量はそのまま1.2NL/minに維持する。
【0066】
時間t3に、流量5NL/minの窒素ガスnの改質ガス系統ライン76への供給を開始する。窒素ガスnは、燃料処理装置2内の改質ガス系統ライン76、改質ガス搬送ライン16(三方切替弁の下流側を除く)、切替ライン67に残留する可燃性ガスと(改質用原料hおよび改質ガスg)とプロセス水pが蒸発した改質用蒸気とを置換し、またアノードオフガスライン17(切替ラインの接続部の上流側を除く)に残留する可燃性ガス(アノードオフガスf)を置換し、可燃性ガスh、g、f、および改質用蒸気をバーナー部25に向けて押し出して排除する。排除された可燃性ガスh、g、fは、バーナー部25で燃焼される。燃焼用空気k4の流量は、燃焼用ガスmの流量、バーナー部25に押し出されてくる可燃性ガスの流量を基に空気比1.2を前提として決められる流量より20%程度多い流量である。このように流量を設定したのは、バーナー部25で残留可燃性ガスの燃焼を効率よく行わせることにより未燃の可燃性ガス、一酸化炭素の発生を極力抑えるためである。
【0067】
時間t3と後述の時間t4との中間時点である時間t31に選択酸化用空気k1の供給を停止する(図3に不図示)。時間t31に選択酸化用空気k1の供給量を停止するのは、改質用原料ガスhの供給停止時には、確実に選択酸化用空気k1が投入されているようにし,改質ガスg中のCO量を抑制するためである.
【0068】
期間t3を経過後、窒素ガスn、燃焼用ガスm、燃焼用空気k4の流量は,それぞれ一定量に維持されるが、時間t4より少し前の時間t32に、燃焼用ガスmの供給を停止し、さらに同時に窒素ガスnの流量を15NL/minに増加し、さらに同時に燃焼用空気k4の流量を20NL/minに増加する。これにより、燃料処理装置2内の改質ガス系統ライン76、改質ガス搬送ライン16(三方切替弁68の燃料電池スタック3側を除く)、切替ライン67、アノードオフガスライン17(切替ライン67の接続部の燃料電池スタック3側を除く)の窒素ガスnによる可燃性ガスh、gの置換、バーナー部25の窒素ガスnおよび燃焼用空気k4による可燃性ガスの置換を完全に行う。
【0069】
時間t4に、燃焼用ガスmの流量が0となる。このとき、窒素ガスn、燃焼用空気k4の流量は増加中である。
【0070】
時間t5(例えば、時間t4より5分経過)より少し前である時間t41に、窒素ガスnおよび燃焼用空気k4の供給を停止し、燃料電池発電システム1を停止する。そして、まず窒素ガスの流量が0となり、次に時間t5に燃焼用空気k4の流量が0となる。
【0071】
なお、時間t2に、残留するスタック電圧を以下の少なくともいずれかの方法で放電し燃料電池スタック3内に残留する改質ガスg中の水素を消費する。
▲1▼DC/DCコンバータ81(図2)の待機電力による放電
▲2▼スタック残電圧放電用抵抗R1(図2)による放電
▲3▼DC/DCコンバータ突入防止用抵抗R2(図2)による放電
セル電圧検出器75によって検出されたいずれかのセル電圧が、第1所定の値(0.4V)以下になった時点で放電を停止する。また所定の値以下に下がったセル電圧が第2所定の値(0.5V)以上に回復し、第1所定の値以下のセル電圧がない場合は、前述の放電を再開する。あるセルのセル電圧の低下、セル電圧の回復、放電再開を所定の回数(例えば、3回)繰り返すまで、あるいはセル電圧が回復しなくなるまで繰り返す。
【0072】
第1所定の値とは、セルに接触する部分の水素が少なくなり放電により触媒等に悪影響を与える可能性のある場合のセル電圧の値である。第2所定の値とは、セルに接する部分に水素が拡散されて当該部分に水素が増えセル電圧が高くなり放電を行っても触媒に悪影響を与えないセル電圧の値である。所定の回数とは水素のスタック内拡散速度が放電による水素消費速度より遅いことにより生じる,放電停止後の電圧回復を十分抑えることのできる回数である。
【0073】
このように放電を行うと、燃料電池スタック3内に残留する残留水素を放電により消費するので、燃料電池発電システム1内の改質用原料ガスh、改質ガスgを短時間に確実に除去することができる。
【0074】
改質用原料ガスhの供給を停止すると、燃料処理装置2の改質ガス系統ライン76中の改質用原料ガスh、改質ガスgのガス速度が低下する。このため、改質反応が進んでしまい、改質ガスgからの一酸化炭素の除去が十分に行えず、少量ではあるが一酸化炭素濃度の高い改質ガスが発生する可能性がある。三方切替弁67を作動させることにより、一酸化炭素濃度の高い改質ガスgが燃料電池スタック内に混入することを防ぐことができ、燃料電池スタック3の固体高分子膜(図1に不図示)の一酸化炭素被毒を防ぐことができる。
【0075】
時間t2に燃料電池スタック3の発電を停止した後に、選択酸化用空気k1は時間t31まで供給される(図3に不図示)が、時間t2に三方切替弁67を作動させることにより、選択酸化用空気k1が、燃料電池スタック内に混入することを防ぐことができ、選択酸化用空気k1が、燃料電池スタック3内の残留水素と固体高分子膜上の触媒部(図1に不図示)で燃焼反応し、燃料電池スタック3の寿命を縮めることを回避することができる。
【0076】
第1の実施の形態の燃料電池発電システム1によれば、スタック電流Isを減少させて0とし燃料電池スタック3の発電を停止し、燃焼用原料ガスmがバーナー部25へ供給されている状態で、改質用原料ガスhの供給を停止するので、改質用原料ガスhの供給の停止後もバーナー部25へ燃焼用原料ガスmを供給しバーナー部25での燃焼を維持することができる。改質ガス系統ライン76に窒素ガスnを供給するので、改質ガス系統ライン76中の改質用原料ガスh、改質ガスgを置換し、バーナー部25へ押し出して排除し、押し出した改質用原料ガスh、改質ガスgをバーナー部25で燃焼させることができる。次に、選択酸化用空気k1(図3に不図示)とブリード空気k2の供給を停止するので、改質ガス系統ライン76を窒素ガスnで充満させることができる。次に燃焼用原料ガスmの供給を停止するので、バーナー部25を窒素ガスnで充満させ、少量の未燃の燃焼用原料ガスm等を押し出すことができる。よって、燃料電池発電スタック1の停止後に残留した改質用原料ガスh、改質ガスgの環境への放出を大幅に削減することができる。なお、燃焼用原料ガスmの供給を停止は、改質ガス系統ライン76から改質ガスg等を窒素ガスnによって十分排除してから行うのが望ましい。
【0077】
以上の第1の実施に形態では、第1不燃性流体として窒素ガスnを改質ガス系統ライン76に供給するが、この窒素ガスnの代わりに、第1不燃性流体として空気を改質ガス系統ライン76に供給しても、同様の効果を得ることができる。
【0078】
図4のブロック図を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る燃料電池発電システム101の構成を説明する。以下前述の第1の実施の形態(図1参照)との相違点のみ説明する。説明しない他の点に関しては、第1の実施の形態と同様である。
【0079】
燃料電池発電システム101は、改質ガス系統ライン76に第1不燃性流体としての窒素ガスnを供給する、窒素ガス供給ラインを備えていない。代わりに、改質ガス系統ライン76に供給されるプロセス水pを第1不燃性流体として利用する。改質部21に供給されるプロセス水pは改質部21で蒸発して不燃性ガスとしての水蒸気となる。したがって、燃料電池発電システム101が備える制御部104から、窒素ガスの流量を制御する制御信号が出力されることはなく、窒素ガスの流量を示す流量信号が制御部104に入力されることはない。
改質ガス搬送ライン16のブリード空気導入口53の下流側には、改質ガスgを冷却する冷却器77が設置され、燃料処理装置2を出て燃料電池スタック3へ向かう改質ガスgの温度を下げる。改質ガスgの冷却器77の入り温度は、90℃程度であり、冷却器77の出の温度は55℃程度である。
【0080】
次に、図6、図7を参照し適宜図5を参照して、第2の実施の形態の燃料電池発電システム101の制御部104による停止運転方法について説明する。以下前述の第1の実施の形態の制御部4による停止運転方法との相違点のみ説明する。燃料電池発電システム101は、窒素ガス供給ラインを備えていないので、窒素ガスを供給すべき段階で、プロセス水pの供給を止めないで供給を維持し、プロセス水pが蒸発した水蒸気を窒素ガスの代わりに利用する。
【0081】
図6中、折れ線R11(実線)は、燃焼用空気k4の流量、折れ線R12(長い二点鎖線)は、改質用原料ガスhの流量、折れ線R13(短い一点鎖線)は、燃焼用ガスmの流量、折れ線R15(破線)は、ブリード空気k2の流量を表す。図6中、折れ線R16(実線)は、プロセス水pの流量、折れ線R17(実線)は、スタック電流Isを表す。図6中、横軸は時間の経過、縦軸は流量(単位はNL/min)を表す。図7中、横軸は時間の経過、縦軸は流量(単位L/min)、電流(単位A)を表す。
【0082】
時間t0から時間t3までは、時間t3にプロセス水pの供給を停止せずに供給を維持する点を除けば、前述の燃料電池発電システム1の停止運転方法と同じである。よって、時間t0から時間t3までの説明を省略する。また前述の燃料電池発電システム1の停止運転方法では、時間t3と時間t4の間は5分であるが、本燃料電池発電システム101の停止運転方法では、10分としている。
【0083】
時間t3と時間t4の間の時間t3’(時間t3から5分経過)より少し前の時間t31’で、プロセス水pの供給を停止するので、プロセス水pは、時間t3から時間t31’の間も続けて供給される。よって、供給されたプロセス水pは、改質部21で蒸発し水蒸気となるが、この水蒸気が、改質用原料ガスhの供給を停止した後は、改質用蒸気として働くのではなく、燃料処理装置2内の改質ガス系統ライン76に残留する可燃性ガス(改質用原料ガスhおよび改質ガスg)を置換しバーナー部25に向けて押し出して排除するよう働く。ここでプロセス水p及びプロセス水が蒸発した水蒸気は本発明の第1不燃性流体である。バーナー部25に押し出された可燃性ガスは、バーナー部25での燃焼用ガスmの燃焼により同様に燃焼される。この時点で(時間t31’)、燃焼用ガスmと燃焼用空気k4の供給が続けられているのでバーナー部25の燃焼が行われている。
【0084】
時間t31’にプロセス水pの供給が停止され、一度停止されたブリード空気k2の供給が時間t31’に再開される。このときのブリード空気k2の流量は1NL/minである。ここでブリード空気k2を供給するのは、プロセス水pが蒸発した水蒸気は、冷却器77の下流側は水蒸気の冷却による凝縮のため可燃性ガスの置換を十分にすることはできないが、ブリード空気k2を供給することにより冷却器77の下流側(改質ガス搬送ライン16(三方切替弁の燃料電池スタック3側を除く)、切替ライン67、アノードオフガスライン17の冷却器77の下流側(切替ライン67の接続部の燃料電池スタック3側を除く))の可燃性ガスの置換をすることができる。ここでブリード空気k2は、本発明の第2不燃性流体である。
時間t3’より僅かに前(時間t31’より後)に、燃焼用空気k4の流量が13.5NL/minから12.5NL/minの減少する。この減少は、ブリード空気k2の供給再開による。
【0085】
時間t4(時間t3’より5分間経過)より少し前の時間t33’に、燃焼用ガスmの供給、ブリード空気k2の供給を停止し、燃焼用空気k4の流量を20NL/minに増加させる。バーナー部25から水分を完全に除去し、次に燃料電池発電システム101を起動したときに、バーナー部25の着火性を確保するためである。
【0086】
時間t4に、燃焼用ガスm、ブリード空気k2の流量が0となる。
【0087】
時間t5(例えば、時間t4より5分経過)より少し前である時間t41に、燃焼用空気k4の供給を停止し、時間t5に燃焼用空気の流量が0となり、燃料電池発電システム1を停止する。なお、時間t2に、残留するスタック電圧を前述の▲1▼▲2▼▲3▼の少なくともいずれかの方法で放電し燃料電池スタック3内に残留する改質ガスg中の水素を消費する。
【0088】
第2の実施の形態の燃料電池発電システム101によれば、スタック電流Isを減少させて0とし燃料電池スタック3の発電を停止し、燃焼用原料ガスmがバーナー部25へ供給されている状態で、改質用原料ガスhの供給を停止するので、改質用原料ガスhの供給の停止後もバーナー部25へ燃焼用原料ガスmを供給しバーナー部25での燃焼を維持することができる。改質用原料ガスhの供給停止後もプロセス水pを供給するので、プロセス水pが蒸発した水蒸気によって改質ガス系統ライン76中の改質用原料ガスh、改質ガスgを置換し、バーナー部25へ押し出して排除し、押し出した改質用原料ガスh、改質ガスgをバーナー部25で燃焼させることができる。次に、ブリード空気k2の供給を開始するのでプロセス水pが蒸発した水蒸気では置換することのできない冷却器77下流側の可燃性ガスをブリード空気k2によって置換することができる。よって、燃料電池発電スタック101の停止後に残留した改質用原料ガスh、改質ガスgの環境への放出を大幅に削減することができる。
【0089】
【発明効果】
以上のように本発明によれば、燃料処理装置と、燃料電池スタックと、制御部とを備えるので、制御部によって、燃料電池スタックの発電を停止し、燃焼用原料がバーナー部へ供給されている状態で、改質用原料の供給を停止するので、改質用原料の供給の停止後もバーナー部へ燃焼用原料を供給しバーナー部での燃焼を維持することができる。改質ガス系統ラインに第1不燃性流体を供給するので、改質ガス系統ライン内の改質用原料は改質ガスをバーナー部へ押し出し排除し、燃焼用原料の供給で燃焼が維持されているバーナー部で燃焼させることができる。このように燃料電池発電システム内の残留可燃性ガスを安全に処理,パージし,システムを停止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の燃料電池発電システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の燃料電池発電システムの負荷の詳細を説明するブロック図である。
【図3】図1の燃料電池発電システムの停止運転方法を示すグラフである。
【図4】図1の燃料電池発電システムの停止運転におけるスタック電流とプロセス水の時間的変化を示すグラフである。
【図5】第2の実施の形態の燃料電池発電システムの構成を示すブロック図である。
【図6】図5の燃料電池発電システムの停止運転方法を示すグラフである。
【図7】図5の燃料電池発電システムの停止運転におけるスタック電流とプロセス水の時間的変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1、101 燃料電池発電システム
2 燃料処理装置
3 燃料電池スタック
4、104 制御部
5 負荷
11 燃料供給ライン
12 選択酸化用空気供給ライン
13 プロセス水供給ライン
16 改質ガス搬送ライン
17 アノードオフガスライン
21 改質部
22 変成部
23 選択酸化部
25 バーナー部
32、34、36、38、42、44 調節弁
39 温度検出器
45 スタック電圧検出器
46 スタック電流検出器
47〜52 流量計
53 ブリード空気導入口
54 電圧電流データ記憶部
55 変成部適正温度記憶部
f アノードオフガス
g 改質ガス
h 燃料
i1 流量制御信号
i2 温度信号
i3 電圧信号
i4 電流信号
i5 流量信号
i6 切替信号
Is スタック電流
k1 選択酸化用空気
k2 ブリード空気
k3 スタック用空気
n 燃焼用ガス
p プロセス水
Vs スタック電圧

Claims (5)

  1. 改質用原料を導入する第1導入口と、
    前記導入された改質用原料を改質ガスに改質する改質部と、
    前記改質ガスに含まれる一酸化炭素を選択酸化用空気によって選択的に酸化する選択酸化部と、
    前記選択酸化部を出た前記改質ガスを導出する導出口と、
    前記第1導入口と、前記改質部と、前記選択酸化部と、前記導出口とを連通し、前記改質用原料または前記改質ガスを導く改質ガス系統ラインと、
    少なくともアノードオフガスを燃焼させ、前記改質部を加熱するバーナー部とを有する燃料処理装置と;
    前記導出した改質ガスを用いて発電し、前記アノードオフガスを前記バーナー部に放出する燃料電池スタックと;
    (B1)燃焼用原料が前記バーナー部へ供給されていることを確認し、前記燃焼用原料が前記バーナー部に供給されていない場合は、前記燃焼用原料の前記バーナー部への供給を開始し、次に前記改質用原料の導入を停止し、
    (C1)前記改質ガス系統ラインに残留する可燃性ガスを前記バーナー部に押し出す第1不燃性流体を前記第1導入口から導入する制御部とを備える;
    燃料電池発電システム。
  2. 前記導出した改質ガスを前記燃料電池スタックに搬送する改質ガスラインであって、前記導出した改質ガスに残留する一酸化炭素をさらに酸化するブリード空気を導入する第2導入口を有する改質ガスラインを備え;
    前記制御部は、前記改質部で蒸発され、改質用蒸気として使用されるプロセス水を前記第1導入口から導入し、
    前記(C1)の制御において、前記プロセス水の前記導入を行い、前記改質部で蒸発されたプロセス水を前記第1不燃性流体として使用し、
    さらに前記改質ガスラインに残留する可燃性ガスを前記バーナー部に押し出す第2不燃性流体として、前記ブリード空気を前記第2導入口から導入する;
    請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記制御部は、前記(B1)の制御の前に、前記燃料電池スタックの発電を中止する(A1)の制御を行い、
    さらに前記(A1)の制御において、前記燃料電池スタックが発生するスタック電流を所定の勾配で減少して0にして前記燃料電池スタックの発電を中止すると共に、前記改質用原料の供給量を所定の流量まで減少させて保持する;
    請求項1または請求項2に記載の燃料電池発電システム。
  4. 前記燃料電池スタックは、前記燃料電池スタックに残留する残留水素が、前記燃料電池スタックのスタック残留電圧を放電することによって消費されるよう構成され;
    前記制御部は、
    (E1)前記(C1)の制御と同時に、前記放電を起こさせ、
    (F1)燃料電池スタックのいずれかのセル電圧が所定の値以下になった時点で前記放電を停止させ、
    (G1)前記所定の値以下になったセル電圧が所定の値まで回復した場合は、前記放電を再度起こさせ;
    前記(E1)の制御と、(F1)の制御と、(G1)の制御とを所定の回数、あるいはセル電圧の回復が起こらなくなるまで繰り返す;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池発電システム。
  5. 改質用原料とプロセス水とを導入する第1導入口と、
    前記導入されたプロセス水を蒸発させて改質用蒸気として用いて、前記改質用原料を改質ガスに改質する改質部と、
    前記改質ガスに含まれる一酸化炭素を選択酸化用空気によって選択的に酸化する選択酸化部と、
    前記選択酸化部を出た前記改質ガスを導出する導出口とをする燃料処理装置と;
    前記導出した改質ガスを搬送する改質ガスラインであって、前記導出した改質ガスに残留する一酸化炭素をさらに酸化するブリード空気を導入する第2導入口を有する改質ガスラインと;
    前記ブリード空気にて一酸化炭素を酸化した改質ガスを用いて発電する燃料電池スタックと;
    (B2)前記改質用原料の第1導入口からの導入を停止した後、所定時間経過後に前記プロセス水の第1導入口からの導入を停止し、
    (C2)前記ブリード空気の第2導入口からの導入を行う制御部とを備えた;
    燃料電池発電システム。
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