JP5233064B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に燃料電池システムの起動停止を繰り返す場合の劣化抑制技術に関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源や熱電併給(コジェネレーション)システムとして注目されている。
通常、固体高分子型燃料電池は、白金等の微粒子を炭素等で担持した電極触媒を備えている。燃料電池の起動停止を繰り返すと、電極触媒が劣化し発電出力や発電効率が低下することが知られている。この電極触媒の劣化を抑制するために、燃料電池システムの起動時に、水素循環ポンプを駆動しながらアノードに水素を供給し、水素濃度センサの水素濃度検出値が95%以上になるまで、排気経路から水素と残留空気との混合ガスを排出する構成になっている(例えば、特許文献1)。
また、燃料電池の起動時にアノードに残留した空気を迅速に排出するため、通常運転時における燃料ガスの排出流路より、流路抵抗の低い燃料ガス置換流路を設ける技術が知られている(例えば、特許文献2)。
特開2003−109630号公報(第8頁、図10) 特開2004−327397号公報(第5頁、図3)
しかしながら、上記従来技術にあっては、アノードへ供給される水素の供給流量が、循環ポンプからの吐出流量すなわち循環ポンプの性能により制約されるために、アノードにて水素/空気の混合ガスの水素濃度が低く、さらにアノードでの水素/空気境界面の存在する時間が長くなり、カソードカーボンの腐食を進行させている可能性が高い。
一方、アノードでの水素/酸素境界面の存在する時間を短くするために、循環ポンプからの吐出流量を増大させたならば、アノードへ供給される水素と残留空気との混合ガスの供給速度が増大するともに、排気経路から排出される水素と残留空気との混合ガスの流量が増大するために、燃焼器あるいは希釈装置などの水素処理装置のサイズを小型化することが困難であるという問題点があった。
上記問題点を解決するために、本発明は、アノード及びカソードが対設された燃料電池スタックと、該燃料電池スタックのアノードへ燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、前記燃料電池スタックのカソードへ酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、アノードの圧力を検出するアノード圧力検出手段と、アノード圧力を制御するアノード圧力制御手段と、アノードから排出されるアノードオフガスを吸引する吸引装置と、前記吸引装置を介してアノードオフガスをアノードへ再度供給するための循環経路と、前記循環経路からアノードオフガスを外部へ排出する排出経路と、前記循環経路と前記排出経路とを切り替える切替装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、燃料電池システムの起動時に、前記切替装置は前記排出経路を選択し、前記吸引装置により吸引したアノードオフガスを排出経路から排出し、前記アノード圧力検出手段の検出値が予め計算された負圧以下となった後に、前記切替装置は前記循環経路を選択し、前記吸引装置により吸引したアノードオフガスをアノードへ循環するとともに、前記燃料ガス供給装置からアノードへ燃料ガスの供給を開始し、前記燃料ガスの供給開始後、前記アノード圧力制御手段がアノード圧力を前記負圧から目標運転圧力まで所定時間で増大させ、前記負圧は、前記吸引装置により循環供給される残留ガスの流量と、当該ガス中の水素ガス濃度に基づいて算出される圧力に設定され、前記所定時間は、前記吸引装置により循環供給される残留ガスが前記循環経路を少なくとも1周循環する時間より長く設定することを要旨とする。
本発明によれば、アノードに存在する空気を含む残留ガスを、吸引装置により排出経路から外部へ排出することで、アノードの圧力を所定圧力すなわち所定負圧になるまで低減できる。その後、所定負圧まで到達した時点で、残留ガスの外部排出を終了し、吸引装置によりアノードに存在する残留ガスを循環するとともに、アノード圧力を所定負圧から目標圧力まで所定時間で増大する。このとき、燃料ガス供給装置からアノードへ供給される燃料ガス流量は、アノード圧力の時間変化率((目標圧力−所定負圧)/所定時間)に比例する。
すなわち、アノード圧力を「大気圧から目標圧力まで増大する場合」と比較して「所定負圧から目標圧力まで増大する場合」の方が、アノードへ供給する燃料ガス流量を増大させることができる。従って、アノードにて燃料ガス/空気境界面の形成する時間をより短くすることができ、燃料ガス/空気境界面の形成による燃料電池スタックの構成部品の劣化をより抑制することができる。
また、アノードへ流入する供給燃料ガスと循環ガスとの混合ガス中の燃料ガス濃度は、式(1)となる。
(供給燃料ガス流量Qs+循環燃料ガス流量Qrh)/総流量Qt …(1)
ここで、
燃料ガス供給装置から供給される供給燃料ガス流量Qs、
吸引装置による循環される循環ガス流量Qr、
循環ガス流量Qr=循環燃料ガス流量Qrh+循環不活性ガス流量Qri
総流量Qt=供給燃料ガス流量Qs+循環ガス流量Qr
である。
このため、アノードへ流入する混合ガス中の燃料ガス濃度は、燃料ガス供給装置から供給される供給燃料ガス流量Qsの増大にしたがい増大する。よって、アノードへ流入する混合ガス中の燃料ガス濃度は、供給燃料ガス流量Qsにより調整することができ、供給燃料ガス流量Qsは、燃料ガス供給を開始する直前のアノード圧力(以下、アノード負圧)により調整することができる。そのため、アノードへ流入する混合ガスの燃料ガス濃度は、アノード負圧により調整することができる。
従って、アノード負圧を、アノードへ流量する混合ガス中の燃料ガス濃度が燃料電池スタックの構成部品を劣化させることのない燃料ガス濃度より高くなる圧力より低い圧力として設定することで、燃料電池スタックの構成部品の劣化を防止することができる。または、アノード負圧を、アノードへ流量する混合ガス中の酸化剤ガス濃度が燃料電池スタックの構成部品を劣化させることのない酸化剤ガス濃度より低くなる圧力より低い負圧として設定することで、燃料電池スタックの構成部品の劣化を防止することができる。
また、前記所定時間経過後においては、アノード圧力を増大させないために、燃料電池スタックの発電量が少ない場合には、燃料ガス供給装置からアノードへ供給される燃料ガス流量が大幅に減少する。そのため、前記所定時間経過後において、吸引装置により循環している循環ガスに酸化剤ガス(ここでは空気中の酸素)が含まれている場合には、アノードにて燃料ガス/酸化剤ガス境界面が形成され、燃料電池スタックを劣化させる可能性が高くなる。
よって、前記所定時間を、吸引装置により循環供給される循環ガスが循環経路を少なくとも1周循環できる所要時間より長く選定することで、循環ガス中に含まれる酸化剤ガスをアノード触媒上にて化学反応させて消費することができるので、前記所定時間経過後において、燃料ガス供給装置から供給される燃料ガス流量が減少するような場合においても、アノードにて燃料ガス/酸化剤ガス境界面が形成されることを防止できるために燃料電池スタックの構成部品の劣化を防止することができる。
さらに、アノードに供給する燃料ガス濃度を高めるため、および、燃料ガス/空気境界面の形成する時間をより短くするために、アノードへ供給する燃料ガス流量を増大しているが、アノード系を密閉空間としているために燃料ガスを外部へ排出することがないので、燃焼器あるいは燃料ガス希釈装置などの燃料ガス処理装置をコンパクト化できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る燃料電池システムの実施例1の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システム101は、燃料ガスとして水素を供給する水素ガス供給装置1と、水素ガス供給装置1から供給される水素ガスの圧力を調整する圧力調整弁6と、酸化剤ガスとして空気を供給する空気コンプレッサ2と、水素と酸素とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池スタック3と、燃料電池スタック3から排出された水素ガスを再び燃料電池スタック3へ供給するための水素ガス循環流路9と、水素ガス循環流路9内の水素ガスを外部へ排出するパージ弁11と、パージ弁11の下流に接続された水素ガス排出流路12と、燃料電池スタック3から排出された水素ガスを水素ガス循環流路9に循環させるガス循環装置8と、空気コンプレッサ2で圧送された空気を冷却するアフタークーラ13と、燃料電池スタック3から排出される空気(排空気)から燃料電池スタック3へ供給される空気(供給空気)へ水分を移動させる加湿器14と、燃料電池スタック3から排出される空気の圧力を調整する圧力調整弁17とを備える。
燃料電池スタック3は、水素ガスが供給されるアノード(燃料極)4と、空気が供給されるカソード(酸化剤極)5と、アノード4とカソード5の間に挟持された図示しない電解質膜とを備える単電池を積層させて構成される。電解質膜は、加湿器14により加湿された供給空気が供給されることにより湿潤状態に保され、効率的な発電を行うことができる。
空気コンプレッサ2から吐出される空気は、空気供給配管15を流れてカソード5へ供給され、カソード5から排出される空気は、空気排出流路17を流れて装置外部へ排出される。空気コンプレッサ2から流出する空気は、アフタークーラ13により燃料電池スタック3での電気化学的反応に適した温度まで冷却される。カソード5から排出される空気は、一部の酸素が消費され且つ発電により生成した水分を含んだカソードオフガスとなる。加湿器14は、カソードオフガスに含まれる水分を用いて燃料電池スタック3へ供給される空気を加湿する。加湿器14よりも下流の空気供給配管15上には、空気の圧力(カソード圧力)を検出する圧力センサ26が配置されている。カソード圧力は、アノード圧力に応じて圧力調整弁17により調整される。
水素ガス供給装置1から流出する水素ガスは、水素ガス供給配管7を流れてアノード4へ供給される。圧力調整弁6は、水素ガス供給配管7上に配置され、水素ガス供給装置1から流出する高圧状態の水素ガスをアノード4内において適切な圧力(アノード圧力)及び流量に調整する。圧力調整弁6よりも下流の水素ガス供給配管7上には、水素ガスの圧力(アノード圧力)を検出する圧力センサ23が配置されている。アノード圧力は、圧力調整弁6により調整される。
アノード4の水素ガス排出口は、水素ガス循環流路9と水素ガス排出流路12とに分岐している。水素ガス循環流路9は、アノード4の水素ガス排出口と水素ガス供給配管7との間を接続し、ガス循環装置8は未反応のまま排出された水素ガスを水素ガス循環流路9を介してアノード4へ再び循環させている。
パージ弁11は水素ガス排出流路12上に配置され、パージ弁11の開度を調整することで水素ガス排出流路12から排出される水素ガス(アノードオフガス)の排出流量が調整される。
通常発電時には、カソード5内に存在する燃料電池スタック3の発電に寄与することのないガス(例えば、窒素)が、カソード5とアノード4の窒素分圧差に応じて、カソード5からアノード4へ電解質膜を介して透過してくる。ガス循環装置8の循環流量には、ガス循環装置8のガス循環性能、及びアノード4の圧力損失と水素ガス循環流路9の圧力損失に基づいた限界値が存在する。そのため、燃料電池スタック3の発電に応じて要求される水素流量に基づいた水素ガス循環流路9に許容できる窒素濃度の限界値(上限許容窒素濃度)が存在する。水素ガス循環流路9の窒素濃度を上限許容窒素濃度以下に調整するため、カソード5からの透過窒素を外部へ排出する必要がある。カソード5からの透過窒素は、アノードオフガスとともに水素ガス排出流路12から外部へ排出することができるために、パージ弁11の開度を調整することで水素ガス循環流路9の窒素濃度を調整できる。
システム制御装置19には、燃料電池スタック3における各燃料電池セルの電流値や電圧値、燃料電池スタック3全体での電流値や電圧値が入力され、さらに、圧力調整弁6や圧力調整弁17、パージ弁11が電気的に接続され、各圧力センサのセンサ値なども入力される。
また、システム制御装置19は、経過時間計測部20を備え、この経過時間計測部20により、前回の燃料電池システム停止から今回の燃料電池システムの起動開始までの経過時間である停止時間計測、吸引装置であるガス循環装置8の駆動開始からの経過時間である排出時間計測、アノード圧力制御手段である圧力調整弁6がアノード圧力を目標運転圧力まで増大した時からの経過時間である待機時間計測をそれぞれ行う。
さらに、システム制御装置19は、燃料電池システム各部の異常を判断する異常検出部21を有し、異常を判断した場合には、警報を発生する警報発生装置22へ信号を送信する。
次に、燃料電池スタック3を構成する電解質膜の劣化メカニズムを説明する。燃料電池スタック3の電解質膜には、プラチナ触媒などの反応触媒が炭素を担体として炭素の表面に塗られる。
しかしながら、このような燃料電池スタック3の電解質膜にあっては、停止時にカソード5とアノード4にそれぞれ酸素と水素が残ったままで負荷をつながないで放置したとき、また、起動時にアノード4に水素を供給し始めたときには、アノード4は水素と酸素が混在した状態すなわち水素/空気境界面が形成され、アノード4からカソード5へプロトンH+ が移動し、移動したH+ とカソード5の酸素が反応して水が生成される。この反応では電子e- が必要とされるが、負荷が接続されていないため電子e- が負荷を通じて移動してこない。そのため、カソード5に存在する水と電解質膜上の炭素が反応し、生成された電子e- がカソード水生成反応に使われる。このとき電解質膜上の炭素が奪われて、電解質膜が劣化する。アノード4では混在している酸素と、カソード5から移動したH+ と、水素のプロトン化で生じた電子e- が反応して水が生成される。開放端電圧が高いと電子の移動が起こりすくなり、これらの化学反応が促進されて電解質膜の炭素被毒が激しくなる。電解質膜上の炭素の被毒は電流−電圧特性に影響を及ぼし、燃料電池の発電電圧が低下し、大きな発電電力を得ることができなくなる。
電解質膜上の炭素の被毒は、燃料電池起動時の水素置換速度が早いほど、すなわち水素/空気界面の存在する時間が短いほど抑制できることがわかっている。また、アノード4へ水素/空気混合ガスが供給される場合には水素リッチの状態すなわち混合ガスの水素濃度が高いほど抑制できることがわかっている。従って、電解質膜上の炭素の被毒を抑制するには、アノード4へ供給する水素流量を増大させることを実現することが必要となる。
一般的なアノード水素置換方法として、水素ガス循環流路9に設けたパージ弁11を開放した状態で、水素ガス供給装置1からアノード4へ水素を供給しながら水素/空気混合ガスをパージ弁11から外部へ排出する方策がとられている。そのため、水素置換速度を高める場合には、アノード4へ供給する水素流量を増大させる必要があり、パージ弁11から多くの水素が外部へ排出される。よって、外部へ排出する水素を処理するために必要な燃焼器あるいは水素希釈装置などの水素処理装置が小型化することが困難となる。
本実施例1では、起動時にアノード4へ供給する水素流量が増大した場合でも、外部へ水素排出を行わず、電解質膜上の炭素の被毒を抑制することが可能である。
まず、パージ弁11を閉じてアノード4を含む水素ガス循環流路9を密閉状態にすることで、水素の外部排出を禁ずる。ここで、水素ガス供給装置1から密閉空間へ水素ガスを供給した場合、供給する水素流量がより多いほど、密閉空間の圧力の時間変化率が増大する。
すなわち、水素流量を増大させるには、アノード4の圧力制御において、圧力の時間変化率(ΔP(圧力の変化量)/Δt(圧力変化の時間))を増大させることで可能となる。ここで、圧力の時間変化率(ここでは(終状態の圧力−初期状態の圧力)/昇圧時間)を増大させるには、昇圧時間を短縮すること、初期状態の圧力である昇圧前の圧力を低減すること、終状態の圧力である昇圧の目標圧力を増大することで実現できる。
本実施例では、圧力の時間変化率を増大するために、昇圧の目標圧力は燃料電池スタック3の許容上限圧力、昇圧時間はカソード5を目標圧力まで昇圧する際のカソード圧力制御の応答性能から決まる応答時間の最小時間として選定している。昇圧前の圧力は、昇圧する前のアノード4の圧力をより低減するために、密閉空間の圧力を負圧に制御する。すなわち、パージ弁11を閉じて密閉状態をつくる以前に、水素ガス循環流路9に設けた遮断弁10を閉じて、パージ弁11を開放し、ガス循環装置8によりアノード4を掃気することで、アノード4の圧力を負圧に制御する。この結果、図2の(a)、(b)に示すように、所定の昇圧時間で、アノード4の圧力を「大気圧から目標圧力まで増大する場合」と比較して「負圧から目標圧力まで増大する場合」の方が、アノード4へ供給できる水素流量が増大する。
ここで、図2の(a)、(b)に示すように、圧力の時間変化率が0となった場合には、水素ガス供給装置1から供給する水素流量が0となる。例えば、水素ガス供給装置1からの水素流量が0となる状況では、ガス循環装置8による循環ガス中に酸素が含まれているならばアノード4にて水素/空気境界面が形成されるため、電解質膜上の炭素の被毒が起こる懸念がある。従って、所定昇圧時間すなわち水素流量が増大している間に、アノード4の残留ガス中に含まれる酸素を、アノード触媒上で消費し、炭素被毒を防止できる量まで低減する必要がある。すなわち、所定昇圧時間のときには、遮断弁10を開放することで、ガス循環装置8により循環ガスをアノード4へ循環供給する。すなわち、アノード4へは、水素ガス供給装置1からの水素ガスとガス循環装置8からの残留ガスとの混合ガスが流入する。
ここで、アノード4へ流入する水素ガスと循環ガスとの混合ガス中の水素ガス濃度は、式(2)となる。
(供給水素ガス流量Qs+循環水素ガス流量Qrh)/総流量Qt …(2)
ここで、
水素ガス供給装置1から供給される供給水素ガス流量Qs、
ガス循環装置8により循環される循環ガス流量Qr、
循環ガス流量Qr=循環水素ガス流量Qrh+循環不活性ガス流量Qri
総流量Qt=供給水素ガス流量Qs+循環ガス流量Qr
である。
そのため、アノード4へ流入する混合ガスの水素ガス濃度を高めるには、循環ガスの流量を最小限にする必要がある。従って、ガス循環装置8の目標流量は、所定昇圧時間で、アノード4の残留ガス中に含まれる酸素を、アノード触媒上で消費し、炭素被毒を防止できる量まで低減することができる、最小流量として選定する。
本実施例では、具体的にアノード4を昇圧する以前の初期状態での密閉空間を占めるガスを、所定昇圧時間で、ガス循環装置8よりアノード4を含む水素ガス循環流路9を少なくとも1周循環できる流量として、ガス循環装置8の目標流量を選定している。なお、水素流量が増大している間に、全ての残留ガスが少なくとも1度は、アノード4を通過することで、残留ガス中に含まれる酸素を、アノード触媒上で化学反応により炭素被毒を防止できる量まで消費することができることを実験にて確認している。
また、アノード4へ流入する混合ガス中の水素ガス濃度は、上記式(2)で与えられるため、ガス循環装置8の流量Qrと水素ガス濃度が与えられるならば、必要となる水素ガス供給装置1からの水素流量Qsが算出できる。
さらに、この水素流量が与えられるならば、圧力の時間変化率((終状態の圧力−初期状態の圧力)/昇圧時間)から所定昇圧時間と目標圧力(終状態の圧力)がわかっているために、目標負圧(初期状態の圧力)が算出できる。すなわち、ガス循環装置8の目標流量をすでに選定しているために、アノード4へ流入する混合ガスの水素ガス濃度が与えられるならば、目標負圧を算出できる。
本実施例では、アノード4へ流入する混合ガスの水素ガス濃度は、所定昇圧時間の昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止できる水素濃度より高い濃度となるように制御する。この水素濃度の要求値から目標負圧を選定する。
また、水素濃度と相対的に酸素濃度の決まるため、上記と同様の考察から、電解質膜上の炭素の被毒を防止できる水素濃度が決まると、酸素濃度の要求値が決まる。
以上をまとめると、図3乃至図4の示すような時系列となる。図3(a)は遮断弁10の開閉状態、(b)はパージ弁11の開閉状態、(c)はガス循環装置8(循環ポンプ)の吐出流量、(d)は圧力センサ23が検出するアノード圧力、(e)は水素ガス供給装置1から供給する水素流量をそれぞれ示す。図4(a)はガス循環装置8(循環ポンプ)の吐出流量、(b)は水素ガス供給装置1が供給する水素流量、(c)はアノードへ流入する混合ガス流量、(d)はアノードへ流入する混合ガスの水素濃度をそれぞれ示す。
まず、図3の領域Iでは、遮断弁10を閉じ(図3の(a))、パージ弁11を開き(図3の(b))、ガス循環装置8を駆動(図3の(c))し、アノード4の圧力センサ23のセンサ値が目標負圧以下になるまで(図3の(d)))、残留ガスを外部へ排出する。次に、図3の領域IIでは、目標負圧まで到達した後、遮断弁10を開き(図3の(a))、パージ弁11を閉じ(図3の(b))、ガス循環装置8の流量を目標流量へ制御(図3の(c))し、その状態で、所定時間で、アノード4の圧力を目標負圧から目標圧力まで増大させる(図3の(d))。このとき、水素ガス供給装置1から圧力の時間変化率に応じた水素がアノード4へ供給される(図3の(e))。
その結果、図4(d)に示すようなアノード4へ流入する混合ガスの水素濃度となる。まず、図4の領域Iでは、ガス循環装置8による循環される残留ガス中に水素が存在しない場合には、アノード4へ流入する水素は存在しないため、水素濃度は0となる(図4の(d))。
次に、領域IIでは、水素ガス循環装置8から水素がアノード4へ供給されており(図4の(b))、アノード4へ流入する混合ガスの水素濃度は、上記式(2)となる(図4の(d))。このとき、水素濃度は、電解膜上の炭素の被毒を抑制できる濃度となるように、水素ガス装置から供給される水素流量が制御されており、この水素流量は目標負圧に基づき調整される。
ここで、アノード4にある残留ガスは、水素ガス供給装置1から供給される水素により押し出されながら、ガス循環装置8により吐出されているため、領域IIでは、循環ガスから吐出されるガス中に水素が含まれない時間が続き、領域IIの後半において、循環ガスから吐出されるガス中に水素が含まれてくる。領域II以降(所定昇圧時間の経過した後)では、領域IIにおいて酸素が水素とのアノード触媒上での化学反応により消費されているため、ガス循環装置8から吐出されるガス中には酸素が含まれず、ガス循環装置8からは、混合ガスのガス成分の各濃度に応じた各ガス流量が吐出される。
次に、図5のフローチャートを参照して、実施例1のシステム制御装置19による燃料電池システムの起動動作を説明する。
まず、ステップ(以下、ステップをSと略す)110において、目標負圧Pをシステム制御装置内の制御記憶から読み込む。次いで、S120において、遮断弁10を閉じる。
S130において、パージ弁11を開く。S140において、ガス循環装置8の駆動を開始する。遮断弁10を閉じ、パージ弁11を開いている状態で、ガス循環装置8が駆動しているため、アノード4に存在する残留ガスがパージ弁11から外部へ排出される。
S150において、アノード4に存在する残留ガスの排出時間の初期化を行う(排出時間t=0)。S160において、アノード4に存在する残留ガスの排出時間tのカウントアップを行う。
S170において、システム制御装置19は、排出時間tと所定排出時間とを比較する。排出時間tが所定排出時間より小ならば(S170においてYES)、S180に進む。一方、排出時間tが所定排出時間以上ならば(S170においてNO)、S195に進む。
S180において、圧力センサ23の検出値Paを読み込む。S190において、システム制御装置19は、圧力センサ23の検出値Paと目標負圧Pをとを比較する。検出値Paが目標負圧Pより小ならば(S190においてYES)、S200に進む。一方、検出値Paが目標負圧P以上ならば(S190においてNO)、S160に戻る。
S195において、システム制御装置19は、所定時間内でアノード4の残留ガスを排出して目標負圧に到達できなかった異常が発生したと判定する。すなわちガス循環装置8あるいはアノード4を含む水素ガス循環流路9の異常と判定し、警報発生装置22に警報発生指令を転送して、S200へ進む。警報発生指令を受けた警報発生装置22は、警告灯を点灯させるとともに警報音を発する。
S200において、遮断弁10を開く。S210において、パージ弁11を閉じる。S220において、ガス循環装置8の目標流量を読み込み、吐出流量を目標流量へ制御する。S230において、圧力センサ23の検出値Paを読み込む。
S240において、システム制御装置19は、アノードの目標圧力と所定昇圧時間を読み込み、目標圧力、目標負圧P、及び所定昇圧時間に基づいて、目標負圧から目標圧力まで所定昇圧時間でアノード圧力を昇圧するための、圧力の時間変化率を算出する。
S250において、アノード圧力を、S240にて算出した圧力の時間変化率に従って目標圧力へ上昇するように制御する。
S260において、システム制御装置19は、所定待機時間を読み込み、所定待機時間だけS270への移行を禁止する。この段階では、所定待機時間は、アノード4を含む水素ガス循環流路9内の、残留ガスと水素の混合ガスが、均一に混合するまでの時間として選定している。
S270において、燃料電池スタック3の発電待機時間tの初期化を行う(発電待機時間t=0)。S280において、燃料電池スタック3の発電待機時間tのカウントアップを行う。
S290において、システム制御装置19は、発電待機時間tと所定発電待機時間との比較を行う。発電待機時間tが所定発電待機時間より小ならば、S300に進む(S290においてYES)。一方、発電待機時間が所定発電待機時間以上ならば(S290においてNO)、システム制御装置19は、S290を終了し、燃料電池スタック3の発電が困難と判定して、警報発生装置22に警報発生指令を転送し警報を発するともに、システムを停止する。
S300において、図1では図示しないセル電圧センサにより、燃料電池スタック3の各セル電圧を読み込み、各セル電圧の中で最小セル電圧を検出する。
S310において、システム制御装置19は、最小セル電圧と所定セル電圧との比較を行う。最小セル電圧が所定セル電圧より大ならば(S310においてYES)、システム制御装置19はS310を終了し、燃料電池システムの要求負荷に応じた発電を開始する。一方、最小セル電圧が所定セル電圧以下ならば(S310においてNO)、S320に戻る。なお、所定セル電圧は、燃料電池システムの最小発電量に基づき算出されたセル電圧として選定している。
ここで、燃料電池システムの要求負荷に応じた発電を開始する場合には、アノード4を含むガス循環流路9にある窒素濃度を推定して、発電量に上限値を設けている。図ので示すように昇圧直後の窒素濃度は予め推定可能であり、この窒素濃度の推定値に応じて発電量の上限値を選定している。
この結果、実施例1による効果としては、アノード4に存在する空気を含む残留ガスを、ガス循環装置8により水素ガス排出流路12から外部へ排出することで、アノード4の圧力を目標負圧になるまで低減できる。その後、目標負圧まで到達した時点で、残留ガスの外部排出を終了し、ガス循環装置8によりアノード4に存在する残留ガスを循環するとともに、アノード圧力を目標負圧から目標圧力まで所定時間Tで増大する。このとき、水素ガス供給装置1からアノード4へ供給される水素流量は、アノード圧力の時間変化率((目標圧力−目標負圧)/所定時間)に比例する。すなわち、アノード圧力を「大気圧から目標圧力まで増大する場合」と比較して「目標負圧から目標圧力まで増大する場合」の方が、アノード4へ供給する水素流量を増大させることができる。よって、アノード4にて水素/空気境界面の形成する時間をより短くすることができ、水素/空気境界面の形成による燃料電池スタック3の構成部品の劣化をより抑制することができる。
アノード4へ流入する供給水素と循環ガスとの混合ガス中の水素濃度は、上記式(2)で表されるため、アノード4へ流入する混合ガスの水素濃度は、水素ガス供給装置1から供給される水素流量(Qs)の増大にしたがい増大する。
よって、アノード4へ流入する混合ガスの水素濃度は水素ガス供給装置1から供給される水素流量(Qs)により調整することができ、供給水素流量(Qs)はアノード圧力の目標負圧により調整することができる。そのために、アノード4へ流入する混合ガスの水素濃度はアノード圧力の目標負圧により調整することができる。従って、目標負圧を、アノード4へ流量する混合ガスの水素濃度が燃料電池スタック3の構成部品を劣化させることのない水素濃度より高くなる所要負圧より低い負圧として選定することで、燃料電池スタック3の構成部品の劣化を防止することができる。または、目標負圧を、アノード4へ流量する混合ガスの酸化剤ガス濃度が燃料電池スタック3の構成部品を劣化させることのない酸化剤ガス濃度より低くなる所要負圧より低い負圧として選定することで、燃料電池スタック3の構成部品の劣化を防止することができる。
昇圧時間経過後においては、アノード圧力を増大させないために、燃料電池スタック3の発電量が少ない場合には、燃料ガス供給装置1からアノード4へ供給される燃料ガス流量が大幅に減少する。そのため、昇圧時間経過後において、ガス循環装置8により循環している残留ガスに酸素が含まれている場合には、アノード4にて水素/酸素境界面が形成され燃料電池スタック3を劣化させる可能性が高くなる。よって、昇圧時間を、ガス循環装置8により循環供給される残留ガスが循環経路を少なくとも1周循環できる所要時間より長く選定することで、残留ガス中に含まれる酸素をアノード触媒上にて化学反応させて消費することができるので、前記所定時間経過後において、水素ガス供給装置1から供給される水素流量が減少するような場合においても、アノード4にて水素/酸素境界面が形成されることを防止できるために、燃料電池スタック3の構成部品の劣化を防止することができる。
さらに、アノード4にて水素/空気の水素濃度を低くするため、および、水素/空気境界面の形成する時間をより短くするために、アノード4へ供給する水素流量を増大しているが、アノード4を密閉空間としているために水素を外部へ排出することがないので、燃焼器あるいは水素希釈装置などの水素処理装置をコンパクト化できる。
所定排出時間を、ガス循環装置8の性能かつ水素ガス循環流路9が正常である場合における大気圧から目標負圧までの所要到達時間より長い時間として選定することで、所定排出時間の範囲で、燃料電池スタック3の構成部品の劣化を抑制することができ、起動完了できる。
要求負荷に応じた燃料電池スタック3の発電モードへ移行するまえに、ガス循環装置8の性能低下あるいは水素ガス循環流路9の異常を燃料電池システムのユーザへ報知することができる。
アノード4に存在する混合ガスが一様に分布、混合してない場合には、要求負荷に応じて燃料電池スタック3の発電を開始した場合に、要求負荷に応じて燃料電池スタック3の発電に必要な水素の部分的な供給不足になる可能性があり、燃料電池スタック3の構成部品を劣化させる可能性があるが、所定待機時間を設けることで、アノード4に存在する混合ガスを一様に分布、混合することができ、要求負荷に応じて燃料電池スタック3の発電に必要な水素ガスの部分的な供給不足を防止できるため、要求負荷に応じて燃料電池スタック3の発電を開始した場合にでも燃料電池スタック3の構成部品の劣化を防止できる。
セル電圧を検出することで、ガス循環装置8により燃料電池スタッックの発電に必要な水素をアノード4へ不足することなく供給できていること検出できるために、要求負荷に応じて燃料電池スタック3の発電を開始した場合にでも燃料電池スタック3の構成部品の劣化を防止できる。
アノード4に存在する発電に寄与しないガスの濃度あるいはガス量を検出し、検出値に応じて要求負荷の上限値を選定できるために、要求負荷に応じて燃料電池スタック3の発電を開始した場合に、ガス循環装置8により燃料電池スタッックの発電に必要な水素をアノード4へ不足することなく供給できるので燃料電池スタック3の構成部品の劣化を防止できる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの実施例2を説明する。実施例2の燃料電池システムの構成は、図1に示した実施例1の燃料電池システムと同じ構成を有するため、図示及び説明を省略する。
図6から図8を参照して、実施例2の燃料電池システムのシステム制御装置19による起動動作を説明する。図6は、システム停止中におけるアノード残留ガスの各ガス成分の濃度を示したものである。図7(a)は、温度に対する目標負圧を示すテーブルA、図7(b)は、温度に対する燃料電池運転時のアノードの目標圧力である。
図6において、温度の増大ともに、飽和水蒸気圧力が増大するために、アノード残留ガス中の水蒸気以外の主要なガスである窒素および酸素のそれぞれの濃度は減少する。アノード圧力を昇圧する前段階の酸素濃度が低下するに従い、昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすのに必要となる、水素ガス供給装置1から供給する水素流量を低減することができる。よって、温度の増大ともに目標負圧を低減できる。
さらに温度が高い場合には、酸素濃度がより低下するために、負圧制御を行わずとも昇圧制御のみにより、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすことが可能な、水素流量を確保することができる。よって、負圧制御を行う必要のない温度領域とその閾値が存在する。この閾値より高い温度では、負圧制御を省略することができる。また、この閾値より高い温度では、目標圧力を低減する制御を行った場合にでも、水素濃度の要求値を満たすのに必要となる水素流量を確保することができる。
従って、図7(a)で示すテーブルAおよび図7(b)で示すテーブルBを準備しておき、温度に応じてアノードの目標負圧及び目標圧力を制御することで、昇圧する前段階の温度が増大するに従い、起動時間を短縮することができる。
次に、図8のフローチャートを参照して、実施例2における燃料電池システムの起動動作を説明する。図8は、図5で説明したフローチャートの一部を変更したものであり、同様の内容の図示及び説明は省略する。
まず、S111において、アノード4入口のガス温度を検出する温度センサ24の検出値Taを読み込む。S112において、温度センサ24の検出値Taから、図7(a)で示すテーブルAを参照して、目標負圧を読み込む。S113において、温度センサ24の検出値Taから、図7(b)で示すテーブルBを参照して、目標圧力を読み込む。S114において、システム制御装置19は、温度センサ24の検出値Taと所定温度(負圧制御を行う必要のない閾値)とを比較する。検出値Taが所定温度より小ならば(S114においてYES)、図5のS120へ進み、負圧制御を行う。一方、検出値Taが所定温度以上ならば(S114においてNO)、図5のS200へ進み、負圧制御を省略して昇圧制御を行う。
この結果、実施例2による効果としては、温度の増大ともに、水蒸気濃度が増大するために、水蒸気以外の主要なガスである窒素および酸素のそれぞれの濃度は減少する。昇圧する前段階の酸素濃度が低下するに従い、昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすのに必要となる、水素ガス供給装置1から供給する水素流量を低減することができる。よって、温度の増大ともに目標負圧を低減でき、アノード4の圧力が大気圧から目標負圧になるまでの時間を短縮できる。従って、アノード4の温度に応じて、燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの実施例3を説明する。実施例3の燃料電池システムは、図1に示した燃料電池システムと同じ構成を有するため、図示及び説明を省略する。
図9から図11を参照して、実施例3の燃料電池システムのシステム制御装置19による起動動作を説明する。アノード圧力を昇圧する前段階のアノードにおける酸素濃度が低下するに従い、昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすのに必要となる、水素ガス供給装置1から供給する水素流量を低減することができる。よって、酸素濃度の減少ともに目標負圧を低減できる。
さらに酸素濃度が低い場合には、酸素濃度がより低下するために、負圧制御を行わずとも昇圧制御のみにより、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすことが可能な、水素流量を確保することができる。よって、負圧制御を行う必要のない酸素濃度領域とその閾値が存在する。この閾値より低い酸素濃度では、負圧制御を省略することができる。また、この閾値より低い酸素濃度では、目標圧力を低減する制御を行った場合にでも、水素濃度の要求値を満たすのに必要となる水素流量を確保することができる。従って、図9(a)で示すテーブルCおよび図9(b)で示すテーブルDを準備しておくことで、アノード圧力を昇圧する前段階のアノード酸素濃度が低下するに従い、起動時間を短縮することができる。
次に、図11に示すフローチャートを参照して、第燃料電池システムの起動動作を説明する。図11は、図5で示すフローチャートの一部を変更したものであり、同様の内容の図示及び説明は省略する。
まず、S411において、酸素濃度センサ25の検出値を読み込む。S412において、酸素濃度センサ25の検出値から、図9(a)で示すテーブルCを参照して、目標負圧を読み込む。S413において、酸素濃度センサ25の検出値から、図9(b)で示すテーブルDを参照して、目標圧力を読み込む。
S414において、システム制御装置19は、酸素濃度センサ25の検出値と所定酸素濃度(負圧制御を行う必要のない閾値)とを比較する。検出値が所定酸素濃度より小とならば(S414においてYES)、図5のS120へ進み、負圧制御を行う。一方、検出値が所定酸素濃度より大ならば(S414においてNO)、図5のS200へ進み、負圧制御を省略して昇圧制御を行う。
なお、酸素濃度に基づき説明したのと同様に、昇圧する前段階の水素濃度が増大するに従い、昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすのに必要となる、水素ガス供給装置1から供給する水素流量を低減することができる。従って、図10(a)で示すテーブルEおよび図10(b)で示すテーブルFを準備しておくことで、昇圧する前段階の酸素濃度が低下するに従い、起動時間を短縮することができる。
なお、水素濃度に基づいた、燃料電池システムの起動方法を説明するフローチャートは、図14で説明したフローチャートにおいて、「酸素濃度から水素濃度へ、図9(a)のテーブルCから図10(a)のテーブルEへ、図9(b)のテーブルDから図10(b)のテーブルFへ変更し、S414のYES/NOの判断ロジックを反転させたもの」であるため、その図示および説明は省略する。
この結果、実施例3による効果としては、アノード圧力を昇圧する前段階のアノード酸素濃度が低下するに従い、昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすのに必要となる、水素ガス供給装置1から供給する水素流量を低減することができる。よって、酸素濃度の低下ともに目標負圧を低減でき、アノード4の圧力が大気圧から目標負圧になるまでの時間を短縮できる。従って、昇圧する前段階の酸素濃度に応じて、燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。
昇圧する前段階の水素濃度が増大するに従い、昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすのに必要となる、水素ガス供給装置1から供給する水素流量を低減することができる。よって、水素濃度の増大ともに目標負圧を低減でき、アノード4の圧力が大気圧から目標負圧になるまでの時間を短縮できる。従って、昇圧する前段階の水素濃度に応じて、燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの実施例4を説明する。実施例4の燃料電池システムは、図1に示した燃料電池システムと同じ構成を有するため、図示及び説明を省略する。
図12及び図13を参照して、実施例4の燃料電池システムのシステム制御装置19による起動動作を説明する。図12(a)は、前回のシステム停止からの経過時間に応じた、残留ガスの各成分のガス濃度の時系列を示したものである。経過時間の増大ともに、水素は、アノード4からカソード5への水素透過により減少するともに、カソード5からアノード4への酸素透過による酸素との化学反応により消費され減少する。酸素は、カソード5からアノード4への酸素透過してくるが、水素との化学反応により消費されるため、化学反応が生じることのない水素量あるいは水素濃度になるまで増大しない。その後、経過時間の増大ともに、酸素透過により増大する。窒素は、経過時間の増大ともに、カソード5からアノード4への窒素透過により増大する。水蒸気は、経過時間の増大ともにアノード4の温度が低下するために、時間の増大ともに減少する。
ところで、実施例3では、酸素濃度に応じて、図9(a)で示す目標負圧のテーブルおよび図9(b)で示す目標圧力テーブルを備えていた。実施例4では、システム停止の経過時間に応じて、酸素濃度が推測できるために、システム停止の経過時間に応じた、図12(b)で示す目標負圧のテーブルGおよび図12(c)で示す目標圧力のテーブルHを選定することで、実施例3と同じ効果を得ることができる。また、図12(a)で示すように所定停止時間Aまでは、酸素が存在しない。そのため、所定停止時間Aまでは、電解質膜の劣化抑制制御を省略できる(すなわち要求負荷に応じて燃料電池スタック3の発電モードへ移行できる)。また、所定停止時間Aから所定停止時間Bまでは、酸素濃度が低いために、負圧制御を省略できる。
次に、図13に示すフローチャートに従い、燃料電池システムの起動動作を説明する。図13は、図5で示すフローチャートの一部を変更したものであり、同様の内容は図示および説明を省略する。
まず、S511において、前回のシステム停止からの経過時間tを読み込む。S512において、システム制御装置19は、経過時t間と所定停止時間A(電解質膜の劣化抑制制御を行う必要のない閾値)とを比較する。経過時間tが所定停止時間Aより大ならば(S512においてYES)、S513へ進む。一方、経過時間tが所定停止時間A以下ならば(S512においてNO)、システム制御装置19は、アノード4の残留ガス中に酸素がないと判断して、電解質膜の劣化抑制制御を省略して、要求負荷に応じた燃料電池スタック3発電へ移行する。
S513において、経過時間から、図12(b)で示すテーブルGを参照して、目標負圧を読み込む。S514において、経過時間から、図12(c)で示すテーブルHを参照して、目標圧力を読み込む。
S515において、システム制御装置19は、経過時間tと所定停止時間B(負圧制御を行う必要のない閾値)とを比較する。経過時間tが所定停止時間Bより大ならば(S515においてYES)、図5のS120へ進み、負圧制御を行う。一方、経過時間tが所定停止時間B以下ならば(S515においてNO)、図5のS200へ進み、負圧制御を省略し昇圧制御を行う。
この結果、実施例4に関する効果としては、前回の燃料電池システム停止からの経過時間が短くなるに従い、昇圧する前段階の酸素濃度が低下するため、昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすのに必要となる、水素ガス供給装置1から供給する水素流量を低減することができる。よって、前回の燃料電池システム停止からの経過時間が短いほど、目標負圧の低減でき、アノード4の圧力が大気圧から目標負圧になるまでの時間を短縮できる。さらに、前回の燃料電池システム停止からの経過時間が短くなると、アノード4に存在する酸素がないため、電解質膜の劣化制御の省略が可能である。従って、前回の燃料電池システム停止からの経過時間に応じて、燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。
次に、本発明に係る燃料電池システムの実施例5を説明する。実施例5の燃料電池システムは、図1に示した燃料電池システムと同じ構成を有するため、図示及び説明を省略する。
図14を参照して、実施例5の燃料電池システムにおける起動動作を説明する。アノード4を含む水素ガス循環流路9に含まれる総ガス量は、圧力の減少に従い総ガス量は増大し、温度の増大にしたがい減少する。
ところで、実施例1で説明したように、ガス循環装置8の目標流量は、所定昇圧時間で、残留ガスをガス循環装置8によりアノード4を含む水素ガス循環流路9を少なくとも1周循環できる流量として、選定している。よって、圧力の減少あるいは温度の増大に従い、ガス循環装置8の目標流量を低減することが可能である。ガス循環装置8の吐出流量が減少するに従い、アノード4へ循環供給される残留ガスの循環流量が減少するため、昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすのに必要となる、水素ガス供給装置1から供給する水素流量を低減することができる。よって、圧力の減少あるいは温度の増大とともに、ガス循環装置8の目標流量を低減することにより、目標負圧を低減できる。
従って、図14で示すマップAを準備しておき、このマップAに基づき算出される図7(a)のテーブルAと図7(b)のテーブルB、あるいは、図9(a)のテーブルCと図9(b)のテーブルD、あるいは、図10(a)のテーブルEと図10(b)のテーブルF、あるいは、図12(b)のテーブルGと図12(c)のテーブルH準備することで、昇圧する前段階の圧力の減少あるいは温度の増大に従い、起動時間を短縮することができる。
なお、実施例5の燃料電池システムの起動方法を説明するフローチャートは、図8、あるいは、図11、あるいは、図13で示したフローチャートの一部を変更したもの、すなわち、フローチャートのS220の内容を「アノード圧力センサ23の検出値Paと温度センサ24の検出値Taから図14のマップAを参照してガス循環装置8の目標流量を読み込み、環ポンプの流量を目標流量へ制御する」へ変更したものであるため、その図示および説明は省略する。
この結果、実施例5による効果としては、アノード4を含む水素ガス循環流路9に含まれる総ガス量は、圧力の減少に従い総ガス量は増大し、温度の増大にしたがい減少する。そのため、圧力の減少あるいは温度の増大に従い、ガス循環装置8の目標流量を低減することが可能である。ガス循環装置8の吐出流量が減少するに従い、アノード4へ循環供給される残留ガスの循環流量が減少するため、昇圧過程において、電解質膜上の炭素の被毒を防止することができる水素濃度の要求値を満たすのに必要となる、水素ガス供給装置1から供給する水素流量を低減することができる。よって、圧力の減少あるいは温度の増大とともに、ガス循環装置8の目標流量を低減することにより、目標負圧を低減できる。従って、昇圧前の段階における圧力と温度に応じて、燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。
本発明に係る燃料電池システムの実施例1のシステム概要図である。 アノード圧力の昇圧過程における圧力変化と圧力変化に対する水素供給流量の関係を示す図である。 アノード圧力の昇圧過程におけるアクチュエータ動作、圧力、流量の時系列を示す図である。 アノード圧力の昇圧過程における流量、ガス濃度の時系列を示す図である。 実施例1の燃料電池システムにおける起動動作のフローチャートである。 温度に対するアノード残留ガス中の各成分毎の濃度を示す図である。 (a)温度に対するカソードの目標負圧テーブル、(b)温度に対するカソードの目標圧力テーブルである。 実施例2の燃料電池システムにおける起動動作のフローチャートである。 (a)酸素濃度に対す目標負圧テーブル、(b)酸素濃度に対す目標圧力テーブルである。 (a)水素濃度に対す目標負圧テーブル、(b)水素濃度に対す目標負圧テーブルである。 実施例3の燃料電池システムにおける起動動作のフローチャートである。 (a)燃料電池システム停止からの経過時間に対するアノードのガス濃度あるいはガス量の時系列、(b)燃料電池システム停止からの経過時間に対する目標負圧テーブル、(c)燃料電池システム停止からの経過時間に対する目標圧力テーブルである。 実施例4の燃料電池システムにおける起動動作のフローチャートである。 実施例5における通常発電開始までの各ガス濃度変化と圧力の時系列である。
符号の説明
1…水素ガス供給装置
2…空気コンプレッサ
3…燃料電池スタック
4…アノード
5…カソード
6…圧力調整弁
7…配管
8…ガス循環装置
9…水素ガス循環流路
10…遮断弁
11…流量制御弁(パージ弁)
12…配管
13…アフタークーラ
14…加湿器
15…配管
16…配管
17…圧力調整弁
18…配管
19…システム制御装置
20…経過時間計測部
21…異常検出部
22…警報発生装置
23…圧力センサ
24…温度センサ
25…酸素濃度センサ(あるいは水素濃度センサ)
26…圧力センサ
27…温度センサ

Claims (12)

  1. アノード及びカソードが対設された燃料電池スタックと、該燃料電池スタックのアノードへ燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、前記燃料電池スタックのカソードへ酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、アノードの圧力を検出するアノード圧力検出手段と、アノード圧力を制御するアノード圧力制御手段と、アノードから排出されるアノードオフガスを吸引する吸引装置と、前記吸引装置を介してアノードオフガスをアノードへ再度供給するための循環経路と、前記循環経路からアノードオフガスを外部へ排出する排出経路と、前記循環経路と前記排出経路とを切り替える切替装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    燃料電池システムの起動時に、前記切替装置は前記排出経路を選択し、前記吸引装置により吸引したアノードオフガスを排出経路から排出し、前記アノード圧力検出手段の検出値が予め設定された負圧以下となった後に、前記切替装置は前記循環経路を選択し、前記吸引装置により吸引したアノードオフガスをアノードへ循環するとともに、前記燃料ガス供給装置からアノードへ燃料ガスの供給を開始し、
    前記燃料ガスの供給開始後、前記アノード圧力制御手段がアノード圧力を前記負圧から目標運転圧力まで所定時間で増大させ、
    前記負圧は、前記吸引装置により循環供給される残留ガスの流量と、当該ガス中の水素ガス濃度に基づいて算出される圧力に設定され、
    前記所定時間は、前記吸引装置により循環供給される残留ガスが前記循環経路を少なくとも1周循環する時間より長く設定したことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記切替装置は、前記循環経路を遮断する遮断用開閉弁と、前記排出経路から排出されるアノードオフガスの排出量を調整する排出量調整弁とを備え、
    燃料電池システムの起動時には、前記遮断用開閉弁を閉じ、前記排出量調整弁を開き、前記吸引装置を駆動することで、前記吸引装置により吸引したアノードオフガスを排出経路から排出し、
    前記アノード圧力検出手段の検出値が前記負圧以下となった後に、前記遮断用開閉弁を開き、前記排出量調整弁を閉じることにより、前記吸引装置により吸引したアノードオフガスをアノードへ循環させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. アノードの温度を検出するアノード温度検出手段を備え、
    該アノード温度検出手段の検出値に応じて、前記負圧あるいは前記目標運転圧力の少なくとも一方を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. アノードの酸素濃度あるいは酸素量の少なくとも一方を検出する酸素検出手段を備え、
    該酸素検出手段の検出値に応じて、前記負圧あるいは前記目標運転圧力の少なくとも一方を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. アノードの水素濃度あるいは水素量の少なくとも一方を検出する水素検出手段を備え、
    該水素検出手段の検出値に応じて、前記負圧あるいは前記目標運転圧力の少なくとも一方を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  6. 前回の燃料電池システム停止から今回の燃料電池システムの起動開始までの経過時間を計測する停止時間計測手段を備え、
    該停止計測時間の計測値に応じて、前記負圧あるいは前記目標運転圧力の少なくとも一方を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  7. 前記負圧あるいは前記アノード温度検出手段の検出値の少なくとも一方に応じて、前記吸引装置から吐出される流量の目標流量を設定することを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記吸引装置の駆動開始からの経過時間を計測する排出時間計測手段を備え、
    該排出時間計測手段の計測値が所定排出時間を超えた時に、前記切替装置は、前記排出経路の選択状態から前記循環経路の選択状態へ切り替えるとともに、前記燃料ガス供給装置からアノードへ燃料ガスの供給を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記排出時間計測手段の計測値が所定排出時間を超えたときに、警報を発生する警報発生装置を備えたことを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記アノード圧力制御手段が、アノード圧力を前記目標運転圧力まで増大した後からの経過時間を計測する待機時間計測手段を備え、
    該待機時間計測手段の計測値が所定待機時間を超えた場合、要求負荷に応じて燃料電池スタックの発電を開始し、
    前記所定時待機時間は、要求負荷に応じて燃料電池スタックの発電を開始した場合にでも燃料電池スタックの構成部品を劣化させることのない所要時間より長く設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 燃料電池スタックのセル電圧あるいは総電圧の少なくとも一方を検出する電圧検出手段を備え、
    該電圧検出手段の検出値が所定電圧を超えた場合、要求負荷に応じて燃料電池スタックの発電を開始し、
    前記所定電圧は、要求負荷に応じて燃料電池スタックの発電を開始した場合にでも燃料電池スタックの構成部品を劣化させることのない所要電圧より高い電圧に設定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  12. アノードに存在する発電に寄与しないガスの濃度あるいはガスの量の少なくとも一方を検出する不純物ガス検出手段を備え、
    該不純物ガス検出手段の検出値に応じて、前記要求負荷の上限値が設定されること特徴とする請求項11に記載の燃料電池システム。
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