JP3601521B2 - 燃料電池の発電制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の発電制御装置に係り、特に多孔質膜を介してガス流路と加湿水流路とを隔てた加湿器を備えた燃料電池の発電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、運転温度が室温〜100℃程度と低く、起動時間が短く、高出力密度で小型軽量であることから電動車両の電源として鋭意研究開発されている。
【0003】
固体高分子型燃料電池の動作原理は以下の通りである。燃料(水素)ガスは、燃料極(アノード)で触媒による酸化反応によって水素イオン(H、プロトン)と電子に分かれる。水素イオンは、水和状態(H・xHO)で周囲に数個の水分子を伴って高分子電解質中を燃料極から酸化剤極(カソード)へ移動する。一方、電子は電子導電性の電極を移動して外部の負荷回路(モータなど)を経てカソードへと移動する。外部回路を移動してきた電子と、高分子電解質中を移動してきた水素イオンは、外部から供給される空気中の酸素によってカソードで還元反応して水を生成する。
【0004】
固体高分子殻燃料電池で使用する固体高分子電解質は、湿潤状態でなければ良好な水素イオン伝導性を発揮しない。またアノードで解離した水素イオンは、水和状態で電解質中をカソードへ移動するため、電解質膜のアノード表面付近では、水が不足する状態となり、連続して発電を維持するためには水を補給する必要がある。
【0005】
通常、この水の補給は、アノードに供給する水素ガスを加湿することで行われている。また、カソードへ供給する空気を加湿する場合もある。
【0006】
このような燃料ガスや空気を加湿する加湿器としては、車載用に小型軽量化するために、多孔質膜を介してガス流路と加湿水流路とを隔てた加湿器が用いられる。
【0007】
多孔質膜による加湿器を用いた燃料電池では、ガスの加湿状態や加湿器の耐久性を考えて、ガス圧力と水圧との差圧を管理する必要がある場合がある。ガス圧力と水圧との差圧の管理に関する公知例として、特開平8−138705号公報がある。
【0008】
この従来技術は、加湿器に供給する水と燃料ガスにおいて、水の圧力を燃料ガスの圧力よりも高い値とすることで水が多孔質膜を透過しやすいようにし、これによりガスを加湿する、というものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、加湿器における水の圧力をガス圧よりも高い値とするものであるから、多孔質膜が薄い構造の加湿器にこの方法を適用した場合、ガスは圧縮性流体であるため、非圧縮性流体である水の圧力を支えきれず、その結果、水とガスの圧力のアンバランスにより多孔質膜を劣化させるという問題点があった。
【0010】
以上の問題点に鑑み本発明の目的は、加湿器の多孔質膜を劣化させることを防止した燃料電池の発電制御装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの少なくとも一方のガスを多孔質膜を介して加湿水により加湿する加湿手段を備えた燃料電池の発電制御装置において、前記ガスの圧力を前記加湿水の圧力よりも高く、かつ、ガス圧力と加湿水圧力との間の差が所定値以下となるように、ガス圧力と加湿水圧力の少なくとも一方の圧力制御を行うことを要旨とする。
【0012】
また、前記圧力検出手段は、加湿水の圧力を検出する水圧検出手段であり、該水圧検出手段が検出した加湿水の圧力に基づいてガスの圧力を制御することで、ガス圧力と加湿水圧力との間の差が所定値以下とすることが好ましい。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、多孔質膜を介してガスを加湿する水の圧力がガス圧力よりも低く制御されるので、圧縮性流体であるガスの高い圧力を非圧縮性流体である水の低い圧力により支えることができるため、両者の圧力にある程度の差圧が生じていても多孔質膜に損傷を与えることはなく、加湿性能を維持しつつ多孔質膜を保護できるという効果がある。
【0014】
通常、水がガス側に蒸発することで多孔質膜内には水分の濃度分布が発生するため、水の圧力がガス圧力よりも低くても濃度分布による拡散では水はガス側へ移動することが可能であり、充分に加湿器として機能する。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る発電制御装置を備えた燃料電池システムの一実施形態を示す構成図である。
【0016】
図1において、燃料電池システムは、燃料電池本体である燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1に供給する水素及び空気を多孔質膜を用いて加湿する加湿器2と、空気を圧縮して加湿器2へ送るコンプレッサ3と、空気の圧力及び流量を制御するスロットル4と、高圧水素を貯蔵する高圧水素タンク5と、高圧水素の流量を制御する可変バルブ6と、水素系の通路を大気開放して燃料電池内部の水を外部に排出するパージ弁7と、燃料電池から出てきた未使用の水素を上流へ還流するためのイジェクタ8と、加湿器2に加湿用水を供給する水ポンプ9と、燃料電池から出力を取り出す駆動ユニット10と、燃料電池入口の空気圧力を検出する空気圧力センサ11と、燃料電池入口の水素圧力を検出する水素圧力センサ12と、燃料電池へ流入する空気流量を検出する空気流量センサ13と、燃料電池へ流入する水素流量を検出する水素流量センサ14と、加湿水の圧力を検出する水圧センサ15と、各センサの信号を取り込み、内蔵された制御ソフトウェアに基づいて各アクチュエータを駆動するコントローラ16とを備えている。
【0017】
次に、上記構成による燃料電池システムの動作を説明する。
コンプレッサ3は空気を圧縮して加湿器2へ送り、加湿器2は水ポンプ9で供給された純水を用いて空気を加湿し、加湿された空気が燃料電池スタック1の酸化剤極へ送り込まれる。
【0018】
一方、高圧水素タンク5からは高圧水素が可変バルブ6へ送られ、可変バルブ6は水素圧力を減圧するとともに水素流量を制御してイジェクタ8へ送る。イジェクタ8は、可変バルブ7からの新規水素ガスと環流水素ガスとを混合、合流させ、加湿器2へ送る。加湿器2は空気と同様に水ポンプ9で供給された純水で水素を加湿し、加湿された水素が燃料電池スタック1の燃料極へ送り込まれる。
【0019】
燃料電池スタック1では送り込まれた空気と水素を反応させて発電を行い、電流(電圧)を駆動ユニット10へ供給する。
【0020】
また、この実施形態では、加湿器2の加湿水通路23,25と、燃料電池スタック1の内部に設けた冷却水通路とを直列に接続し、この直列接続した水通路内に純水を水ポンプ9で循環させ、加湿水が燃料電池の冷却水を兼ねる構成としている(請求項7に対応)。
【0021】
燃料電池スタック1で反応に使用した残りの空気は燃料電池外へ排出され、スロットル4で圧力制御が行われた後、大気へ排出される。また、反応に使用した残りの水素は燃料電池外へ排出されるが、イジェクタ8によって加湿器上流へ環流されて発電に再利用する。
【0022】
燃料電池入口の空気圧力を検出する空気圧力センサ11と空気流量を検出する空気流量センサ13,水素圧力を検出する水素圧力センサ12と水素流量を検出する水素流量センサ14,水圧を検出する水圧センサ15を備え、これらの検出値はコントローラ16へ読み込まれる。
【0023】
コントローラ16では、各センサから読み込んだ各検出値が、その時の目標発電量から決まる所定の目標値になるように、コンプレッサ3,スロットル4,可変バルブ6,水ポンプ9を制御するとともに、目標値に対して実際に実現されている圧力、流量に応じて燃料電池スタック1から駆動ユニット10へ取出す出力(電流値)を指令し制御を行う。
【0024】
図2は、加湿器2の内部を示す模式断面図である。加湿器2は、多孔質膜21を挟んで空気用のガス通路24と加湿水通路23、水素用のガス通路26と加湿水通路25が夫々対向して設けられている。
【0025】
多孔質膜21としては、例えば、ポリオレフィン系の多孔質フィルムであって、空孔率が50[%]以上で、平均孔径が0.05[μm]程度のものを用いる。
【0026】
本実施形態は、空気及び水素の双方に加湿器2で加湿しており、正確には空気圧力及び水素圧力を加湿水の水圧に対して差圧が所定値以内となるようにそれぞれ制御しなければならないが、以下の説明では、簡単化のために、単にガス圧力として説明する。
【0027】
本実施形態は、燃料電池の目標出力に基づいてガスの目標圧力を算出し、ガスの圧力制御を行う。その際にガスの圧力を水の圧力よりも高く、かつ、両者の差圧が所定値以内、下限値以上に収まるように、水圧センサ15が検出した水の実圧力に基づいてガスの目標圧力を補正し、その補正した目標圧力となるようにガス圧力制御を行うことで加湿を行うものである。
【0028】
次に、第1実施形態におけるコントローラ16の制御動作を図10,図11,図13,図14の制御フローチャートを参照して説明する。
図10がゼネラルフローチャートであり、コントローラ16が所定時間毎(例えば10[ms]毎)に実行するものとする。
【0029】
ステップ(図中ステップは、Sと略す)1001では、燃料電池の目標発電量TPOWERを算出する。
ステップ1002では、TPOWERに基づいて図7,図8のテーブルから目標ガス圧力TPR、目標ガス流量TQを算出する。
【0030】
ステップ1003では、TPOWERに基づいて図9のテーブルから目標水流量TQWTRを算出する。
ステップ1004では、空気圧力センサ11または水素圧力センサ12の検出値を読み込み、ガス圧力PRGASを検出する。
ステップ1005では、水圧センサ15により水圧力PRWTRを検出する。
【0031】
ステップ1006では、燃料電池システムが起動手順中であるかどうかを判断し、起動手順中である場合にはステップ1008で起動時制御を行い、ステップ1011へ進む。
【0032】
ステップ1006で起動手順中でないと判断した場合には、ステップ1007へ進み、燃料電池システムが停止手順中であるかどうかを判断し、停止手順中である場合にはステップ1009で停止時制御を行い、ステップ1011へ進む。
【0033】
ステップ1007で停止手順中でないと判断した場合には、ステップ1010へ進み、ガス圧力/水流量の目標値補正を行い、ステップ1011へ進む。
ステップ1011では目標値に基づき、ガスと水の制御を行い、この手続きを終了する。
【0034】
図11には、図10のステップ1010でのガス圧力及び水流量目標値補正の手続きの詳細内容を示す(請求項1〜4,8に対応)。
【0035】
ステップ1101では目標ガス圧力TPRがPRWTR+ΔPRWTR1(ΔPRWTR1:下限値、例えば50[kPa])より大きいか否かを判断する。
【0036】
大きい場合はそのままステップ1103へ進む。
大きくない場合はステップ1102でTPRにPRWTR+ΔPRWTR1を代入してステップ1103へ進む。
【0037】
ステップ1103では目標ガス圧力TRPがPRWTR+ΔPRWTR2(PRWTR2>PRWTR1,ΔPRWTR2:所定値、例えば100[kPa])より小さいか判断し、小さい場合はそのまま終了し、小さくない場合はステップ1104でTPRにPRWTR+ΔPRWTR2を代入して終了する。
【0038】
所定値ΔPRWTR2は、差圧により加湿器の多孔質膜が損傷しない許容範囲内に設定され、例えば100[kPa]程度の値に設定される。
【0039】
上述のように、ガスの圧力が水の圧力に対して低いことによる多孔質膜の損傷がないように、また、制御の誤差、応答遅れがあったとしても、加湿水の圧力がガス圧力よりも高くなることの無いように下限値ΔPRWTR1を設定し、この値は例えば50[kPa]程度としておく。
なお、本実施形態の制御では、水流量の目標値TQWTRの補正は行っていない。
【0040】
図13には、図10のステップ1008での起動時制御の手続きの詳細内容を示す(請求項5に対応)。
【0041】
このフローの制御は、燃料電池の起動時にまずガスの圧力制御を開始し、ガスの実圧力が所定圧力に到達してから、加湿水の制御を開始させるためのものである。このように制御することで、起動時にも加湿水の圧力がガスの圧力を上回ることを防止し、ガス圧力と水圧力との差圧を所定値以内に収めることができる。
【0042】
ステップ1301ではガス圧力PRGASがPRWTR+ΔPRWTR1より大きいか判断し、大きくない場合はステップ1302で目標水流量TQWTRを0とし、大きい場合はステップ1303で起動時制御終了のフラグを立てて終了する。
【0043】
図14には、図10のステップ1009での停止時制御の手続きの詳細内容を示す(請求項6に対応)。
【0044】
このフロー制御は、燃料電池の停止時に水の実圧力が大気圧付近の所定の圧力に到達し先に水の運転を停止し、その後ガスの制御を停止させるものである。このように制御することで、停止時も水の圧力がガスの圧力よりも高くなることを防止するものである。
【0045】
ステップ1401では水圧力PRWTRがPR0+ΔPR1(PR0は大気圧)より小さいかを判定し、小さくない場合はそのまま終了し、小さい場合はステップ1402へ進み、目標水流量TQWTRを0とし、ステップ1403へ進む。
【0046】
ステップ1403では水圧力PRWTRがPR0+ΔPR2(ΔPR2<ΔPR1)より小さいかを判定し、小さくない場合はそのまま終了し、小さい場合はステップ1404へ進み、目標ガス圧力TPRにPR1(大気圧あるいはそれ以下の圧力制御を停止するための目標値)を代入し、目標ガス流量TQを0とし、終了する。
【0047】
図3は、本発明に係る燃料電池の発電制御装置による実際の圧力を用いずに制御した場合のガスと加湿水の圧力の様子を示す図であり、請求項1に対応する。
【0048】
この例では、本実施形態と同様に目標発電量に応じて、ガス圧力、ガス流量、水流量の目標値を算出し、その目標値になるように各々を制御する。目標ガス圧力、目標ガス流量、目標水流量のテーブル(図7から図9)は、結果的にガスの圧力が加湿水の圧力よりも高く、かつ、ガス圧力と加湿水圧力との間の差圧が所定値以内に収まるように設計されているものとする。
【0049】
しかし、経年変化や、加湿水の中にガスが混入するなどにより、ガスと水の圧力の関係がずれることがある。特に加湿水系は圧力制御ではなく流量制御であるので想定していた圧力が出ないことがありえる。その場合は図3のようにガス圧力と水圧力との差圧が許容範囲を超えてしまい、その結果、燃料電池の加湿器の多孔質膜を劣化させてしまうおそれがある。
【0050】
そこで本実施形態では、図4に示すように、ガス圧力と加湿水圧力の少なくとも一方の実際の圧力として、加湿水の実圧力の検出値に基づき、ガスの目標圧力を補正し、その目標圧力になるようにガスの圧力制御を行うことで、ガス圧力と水圧力との差圧が許容範囲に収まるように制御する。
【0051】
また、燃料電池の起動時、停止時にも、その立ち上げ方、立ち下げ方を工夫することでガスと水の圧力の関係を所定の関係に保つことができる。
【0052】
図5に、起動時の制御の様子を示す。ガス圧力、水圧力とも大気圧である停止時から、まずガス制御を開始してガス圧力を上昇させ、実ガス圧力が水圧力との許容範囲に入ってから、水の制御を開始する。これにより、ガス圧力と水圧力との差圧を所定の範囲に保ちながら起動することができる。
【0053】
ここで、停止時から水の制御が開始されるまでの間はガス圧力と水圧力との差圧が所定の範囲に収まっていないことがわかるが、この領域では圧力が大気圧付近で非常に小さいため、差圧が小さすぎることによる問題は生じない。
【0054】
図6に、停止時の制御の様子を示す。通常の運転状態からガス圧力と水圧力との差圧を保ちながら停止状態に向けて制御し、水圧力が大気圧付近の所定範囲に入ったら水の制御を停止し、水圧力が大気圧になったらガスの制御を停止する。これにより、ガス圧力と水圧力との差圧を所定の範囲に保ちながら停止することができる。また、起動時と同様に停止直前にはガス圧力と水圧力との差圧が所定の範囲に収まっていない部分があるが、ここでも差圧が小さすぎることにより問題は生じない。
【0055】
〔第1実施形態の効果〕
以上説明した第1実施形態によれば、下記の効果が得られる。
(1)ガスの圧力を燃料電池の加湿水の圧力より高く、かつ、ガスと加湿水の間の差圧が所定値以内に収まるように圧力制御を行うことで加湿を行うので、加湿器の多孔質膜を損傷することを防止できる。
(2)加湿水の実際の圧力を検出してその実圧力と所定値以内の差圧となるようにガスの圧力制御を行うので、加湿水が目標圧制御をしていないとも確実に差圧を所定値以内に制御できる。
【0056】
(3)実圧力検出を加湿水で行うので、差圧の制御はガスの圧力を制御することで行うことになり、直接的に圧力を制御できるので、制御が容易になる。
【0057】
本発明とは逆に、ガスの実圧力に基づき加湿水の圧力を制御しようとすると、加湿水系にはポンプしかないので圧力を直接的には制御できず、流量を制御することで間接的に圧力を制御することになるので精度よく制御するのが難しい。燃料電池システムにはガスの圧力を制御する手段は通常備えているので、本実施形態では、これを利用できる。
【0058】
(4)水の実圧力に基づいてガスの目標圧力を補正することで、より簡単な構成でガス圧力と水圧力との間の差圧が所定値以内に収めることができる。
(5)燃料電池の起動時に、ガスの圧力制御を開始し、ガス圧力が所定圧力まで到達したら加湿水の制御を開始するので、水圧力、ガス圧力とも大気圧とも大気圧である状態からシステムを立ち上げる場合でも、水圧力がガス圧力を上回ることを防止することができる。
【0059】
(6)燃料電池の停止時に、ガス圧力と水圧力との間の差圧を所定の関係を保ったまま停止に向かって制御し、水圧が大気圧付近に近づいたら先に水の運転を停止し、その後、ガスの運転を停止するため、水圧力、ガス圧力とも大気圧となる状態にシステムをもっていく場合でも、確実に水圧力がガス圧力よりも低い状態を維持してシステムを停止することができる。
(7)加湿水は燃料電池の冷却水も兼ねることでシステム構成が簡略なものになる。
【0060】
(8)差圧制御に下限値を設定することで、ガス圧力と水圧力との差圧が低くなり、ガス圧力が水圧力に近づくあるいは、水圧力がガス圧力を上回ることで、圧縮性流体であるガスが非圧縮性流体である水の圧力を支えきれず、その結果、水とガスの圧力のアンバランスにより多孔質膜が損傷してしまうことを防止できる。またある程度の余裕をもって下限値を設定しておくことで、制御の誤差、応答遅れがあったとしても、確実に水圧力がガス圧力よりも低い状態を維持することができる。
【0061】
〔第2実施形態〕
本実施形態は、ガスの実圧力に対して水の圧力を所定の範囲に収めるように制御するものである。
図10のゼネラルフローチャートの内容は第1実施形態と同様なので、図12についてのみ説明する。
【0062】
図12には、図10のステップ1010でのガス圧力/水流量目標値補正手続きの詳細内容を示す。
ステップ1201では水圧力PRWTRがPRGAS−ΔPRGAS1(ΔPRGAS1:下限値、例えば50[kPa])より小さいか判断し、小さい場合はそのままステップ1203へ進み、小さくない場合はステップ1202で目標水流量TQWTRにTQWTR−ΔQWTR(ΔQWTR:補正値)を代入してTQWTRを補正してステップ1203へ進む。
【0063】
ステップ1203では水圧力PRWTRがPRGAS−ΔPRGAS2(ΔPRGAS2:所定値>ΔPRGAS1、例えば100[kPa])より大きいか判断し、大きい場合はそのまま終了し、大きくない場合はステップ1204で目標水流量TQWTRにTQWTR+ΔQWTRを代入してTQWTRを補正して終了する。
【0064】
ここで、第1実施形態は、水の実圧力に基づいてガス圧を補正するものであり、第2実施形態はガスの実圧力に基づいて水の圧力(流量)を補正するものとしたが、これらは、両方を同時に行ってよい。
【0065】
以上の実施形態で説明したガスとは、燃料電池の燃料極のガス(水素)、酸化剤極のガス(空気)のいずれでもよく、第2実施形態で用いるガス圧力は、燃料極ガスと酸化剤極ガスの両方が検出できる場合には、それらの圧力の小さい方の値を用いるのがよい。
【0066】
以上説明した実施形態では、加湿手段は図2に示すように燃料電池の外に加湿器がある、いわゆる「外部加湿」のシステムを例に挙げたが、燃料電池の内部で加湿を行う「内部加湿」のシステムにおいて同様にガスと加湿水の差圧力を管理する要求があり、加湿手段としてこの「内部加湿」を有するシステムに対しても本発明は有効である。
【0067】
また、圧力制御は、流量を制御することで実質的に圧力を変化させる制御で代用してもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用した燃料電池システムのハードウェア構成図である。
【図2】多孔質膜を用いた加湿器の構造を説明する模式断面図である。
【図3】本発明に係る燃料電池の発電制御装置による燃料電池運転中の様子を表わす図である。
【図4】第1実施形態の燃料電池運転中の様子を表わす図である。
【図5】第1実施形態の燃料電池起動手続中の様子を表わす図である。
【図6】第1実施形態の燃料電池停止手続中の様子を表わす図である。
【図7】目標発電量に対する目標ガス圧力のテーブルの一例を示す図である。
【図8】目標発電量に対する目標ガス流量のテーブルの一例を示す図である。
【図9】目標発電量に対する目標水流量のテーブルの一例を示す図である。
【図10】第1、第2実施形態のゼネラルフローチャートである。
【図11】第1実施形態のガス圧力/水流量目標値補正の手続きを表す詳細フローチャートである。
【図12】第2実施形態のガス圧力/水流量目標値補正の手続きを表す詳細フローチャートである。
【図13】第1、第2実施形態の起動時制御の手続を表す詳細フローチャートである。
【図14】第1、第2実施形態の停止時制御の手続を表す詳細フローチャートである。
【符号の説明】
1…燃料電池スタック
2…加湿器
3…コンプレッサ
4…スロットル
5…高圧水素タンク
6…可変バルブ
7…パージ弁
8…イジェクタ
9…水ポンプ
10…駆動ユニット
11…空気圧力センサ
12…水素圧力センサ
13…空気流量センサ
14…水素流量センサ
15…水圧センサ
16…コントローラ(発電制御装置)
21…多孔質膜

Claims (8)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの少なくとも一方のガスを多孔質膜を介して加湿水により加湿する加湿手段を備えた燃料電池の発電制御装置において、
    前記ガスの圧力を前記加湿水の圧力よりも高く、かつ、ガス圧力と加湿水圧力との間の差が所定値以下となるように、ガス圧力と加湿水圧力の少なくとも一方の圧力制御を行うことを特徴とする燃料電池の発電制御装置。
  2. 前記ガスの圧力と前記加湿水の圧力との少なくとも一方を検出する圧力検出手段を備え、
    該圧力検出手段が検出した圧力との差が所定値以下となるように他方の圧力を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の発電制御装置。
  3. 前記圧力検出手段は、加湿水の圧力を検出する水圧検出手段であり、
    該水圧検出手段が検出した加湿水の圧力に基づいてガスの圧力を制御することで、ガス圧力と加湿水圧力との間の差が所定値以下とすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池の発電制御装置。
  4. 燃料電池の出力に基づいてガスの目標圧力を算出し、前記水圧検出手段が検出した加湿水の圧力に基づいてガスの目標圧力を補正し、その補正した目標圧力となるようにガス圧力を制御することで、ガス圧力と加湿水圧力との差が所定値以下となることを特徴とする請求項3項に記載の燃料電池の発電制御装置。
  5. 燃料電池の起動時に、ガスの圧力制御を開始し、ガス圧力が所定圧力まで到達した後に、加湿水の圧力制御を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の燃料電池の発電制御装置。
  6. 燃料電池の停止時に、加湿水の圧力が大気圧付近に近づいたら先に加湿水の運転を停止し、その後、ガスの運転を停止することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の燃料電池の発電制御装置。
  7. 前記加湿水は、燃料電池の冷却水も兼ねることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の燃料電池の発電制御装置。
  8. 前記ガス圧力と加湿水圧力との間の差は、下限値を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の燃料電池の発電制御装置。
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