JP2004245794A - 磁気式回転検出装置およびこれを用いた車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気ロータ10の回転に伴い、磁気ロータ10の外周に配置された磁石11が移動することによって生ずるピックアップ15周囲の磁束変化をピックアップ15で検出し、その出力変動が磁気ロータ10の特定位置の磁石11によって生ずる場合に、磁石11への鉄片付着等の磁気ロータ10の異常状態と判定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車輪回転速度検出等に用いられる磁気式回転検出装置およびこれを用いた車両制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両において車輪の回転速度を検出する装置として、磁気式回転センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の磁気式回転センサは、回転速度の検出対象である対象物と同期して回転するロータの外周部に等間隔で磁性体が配置されており、検出器であるピックアップは、ホール素子等からなり、ロータの外側にこのロータに対峙して配置されている。そして、ロータが回転する際には、外周に配置された磁性体によってピックアップ周囲の磁束が変化する。ピックアップは、この磁束変化を検出して出力する。したがって、ピックアップ出力から、磁束変化を引き起こす磁性体の移動、つまり、ロータの回転を検出することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−59416号公報(第3、4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の磁気式回転センサは、車輪の回転軸等に配置されるが、取り付け構造を密閉化することは困難なため、センサ内部への異物侵入は避けられない。そして、鉄片等が侵入した場合、ロータの外周部に配置された磁性体に付着してしまい、磁束変化を乱してしまうおそれがある。このようにして磁束変化が乱されると、ロータの回転自体は一定であるにもかかわらず、回転速度変動が起きているとして誤検出してしまう。
【0005】
そこで本発明は、こうしたロータの磁性体への異物付着を検出することが可能な磁気式回転検出装置と、これを用いた車両制御装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る磁気式回転検出装置は、外周部に所定の間隔で配設された磁性体を有する磁気ロータと、磁気ロータの回転に伴う磁性体による磁力変化を検出する検出体と、を備える磁気式回転検出装置において、この検出体の検出結果に基づく磁気ロータの見かけの回転速度変動を監視し、この変動が磁気ロータの特定位置で発生している場合に磁気ロータの異常状態と判定する異常判定部をさらに備えている。
【0007】
磁気ロータの磁性体に異物が付着するなどの異常が起こった場合、その磁性体位置での磁束変化は正常な場合と異なったものとなり、その位置で回転数変動が生じた場合と同様の結果となり、見かけの回転数変動が発生する。逆に、特定位置で見かけの回転数変動が検出される場合には、このような異常状態と推定される。
【0008】
この異常判定部は、見かけの回転速度変動に対応する磁性体の位置間隔を判定することにより、この変動が磁気ロータの特定位置で発生していることを検出することが好ましい。この位置間隔の判定は、検出体で検出した出力ノイズの発生間隔時間と発生時の磁気ロータの回転速度の積を基にして求めるとよい。
【0009】
この異常判定は、特定位置における回転速度変動が所定時間以上継続している場合に磁気ロータの異常と判定することが好ましい。このようにすると、ノイズが多いような場合や一時的な異物混入等の異常を磁気ロータの異常と判定することがなく、正確な測定が可能となる。磁気ロータの回転速度の微分値の絶対値が所定の値を超えた場合に、見かけの回転速度変動ありと判定することが好ましい。
【0010】
異常判定部は、特定位置における回転速度変動を磁気ロータへの金属片付着異常と推定することが好ましい。金属片以外の付着物は通常、磁束に影響を及ぼさないため磁束変化、つまり見かけ上の回転速度変動を生ぜしめることがないと考えられるからである。
【0011】
本発明に係る車両制御装置は、上述の本発明に係る磁気式回転検出装置を用いて車輪速度を検出する車輪速度検出器と、車輪速度検出器で測定した車輪変動を基にして走行中の路面の悪路状態を判定する悪路判断手段と、を備えており、異常判定部で磁気ローターの異常と判定された場合には、前記悪路判定手段は、異常判定された磁気式回転検出装置により検出された車輪速度の反映度を下げて悪路状態を判定する。
【0012】
あるいは、上述の本発明に係る磁気式回転検出装置を用いてそれぞれの車輪速度を検出する複数の車輪速度検出器と、これらの車輪速度検出器で測定した各車輪速度を基にして車速を推定する車速判定手段と、を備えており、異常判定部で磁気ローターの異常と判定された場合には、車速判定手段は、異常判定された磁気式回転検出装置により検出された車輪速度の反映度を下げて車速推定を行うものである。
【0013】
あるいは、本発明に係る車両制御装置は、上述の本発明に係る磁気式回転検出装置を用いた車輪速度検出器と、車輪速度検出器で測定した車輪速度に基づいて車両の挙動を制御する車両制御手段と、を備えており、異常判定部で磁気ローターの異常と判定された場合には、車両制御手段は、積極的な車両制御を抑制するものである。
【0014】
磁気ロータの異常が検出された場合、その磁気式回転検出装置によって測定した車輪速度は信頼性が低いと考えられる。このように信頼性が低いと考えられる検出結果を用いて、悪路判定・車速判定・車両制御を行うと、判定や制御の信頼性を維持できない可能性があることから、このような場合には、判定を中止したり、判定の前提から除外したり、積極的な制御を行わないことにより、誤判定、誤制御を防止する。
【0015】
なお、悪路判定、車速推定において、異常判定された磁気式回転検出装置の検出結果を除外して悪路判定、車速推定を行うようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明に係る磁気式回転検出装置の概略図である。ここでは、磁気ロータ10についてはその一部のみを描いている。磁気ロータ10は円盤状であって、その外周に等間隔で磁石11が突出して配置されている。各磁石11の間には間隙12が形成される。ピックアップ(検出体)15は、この磁気ロータ10の外周に近接し、その回転運動に対して静止する位置に固定されている。このピックアップ15としては、周囲の磁束変化に応じて出力が変化する各種のセンサを用いることができ、例えば、電磁誘導現象を用いたセンサ、ホール効果を用いたセンサ、磁気抵抗効果を用いたセンサ等を好適に利用できる。このピックアップ15の出力は異常判定部17を経由して出力される。異常判定部17は、CPU、メモリ等からなり、ピックアップ15の出力の正当性を検証し、異常がある場合には、出力を停止、あるいは、異常を表す信号を付加して出力を行うものである。
【0018】
図2は、この磁気式回転検出装置を車輪速センサとして用いた本発明に係る車両挙動制御装置の構成を示すブロック図である。ここでは、簡略化のため、4つある車輪のうち1輪のみを示している。
【0019】
車輪20の回転軸にはブレーキディスク21が取り付けられており、同様に磁気ロータ10が配置される。ピックアップ15は、車輪20の回転軸と連結していない車体本体に配置されている。ブレーキディスク21には、これを挟み込んで制動力を付与するブレーキキャリバ22が配置されており、このブレーキキャリバ22を油圧で作動させるホイルシリンダ51が取り付けられている。
【0020】
各輪のホイルシリンダ51は、油圧を制御するアクチュエータ50に接続されており、アクチュエータ50は、マスタシリンダ52を経由してブレーキペダル53に接続されている。
【0021】
車両制御ECU3は、CPU、メモリ等からなり、ハード的あるいはソフト的に車両の制御を行うプログラムを格納している。車両制御ECU3内には、車輪速判定手段16が設けられ、ピックアップ15の出力を基にして各車輪の車輪速判定を行う車輪速判定部18と、前述の異常判定部17とを有している。車両制御ECU3にはさらに、車輪速判定手段16が判定した車輪速を基にして車両が走行している路面の状態を判定する悪路判定部32と、車両の移動速度、車速を判定する車速判定部33と、各検出結果を基にしてアクチュエータ50を制御することにより、各輪に付与する制動力を制御するブレーキ制御部31とを備えている。ブレーキ制御部31には警報ランプ4が接続されている。ここでは、車両制御ECU3内の車輪速判定手段16に前述の異常判定部17を内蔵している場合を説明したが、異常判定部17あるいは車輪速判定手段16全体を車両制御ECU3とは独立して設けてもよい。
【0022】
次に、この車両挙動制御装置の動作を、車輪速センサ、つまり本発明に係る磁気式回転検出装置の動作とあわせて説明する。図3は車輪速センサである磁気式回転検出装置の動作を示すフローチャートであり、図4は、車輪速センサの検出結果を受けた車両挙動制御装置の動作を示すフローチャートである。これらの処理は、車両のイグニッションキーがONにされてから、車両制御ECU3により所定のタイミングで定期的に実行される。
【0023】
まず、磁気式回転検出装置の動作から説明する。まず、車輪速判定手段16が検出体であるピックアップ15の出力を読み込む(ステップS1)。磁気ロータ10は、車輪20と同軸で固定されているため、車輪20の回転に同期して回転する。この回転に伴い、ピックアップ15位置を磁石11と間隙12が交互に通過することで、周期的に周囲の磁束が変化する。この磁束変化に応じてピックアップ15の出力は変化する。次に、異常判定部17は、この出力に磁気ロータ10の特定の位置における変動発生していないかどうかチェックする(ステップS2)。
【0024】
具体的には、ピックアップ15の出力を基にして車輪速判定部18が算出した車輪速度の微分値(見かけの車輪加速度である)DVXが−10G以下(絶対値としては10G以上)となった場合にこれを出力ノイズとみなし、この出力ノイズの発生間隔時間をTFEとする。このような大きな負の見かけの車輪加速度は金属片付着等により、磁束変化が乱されてピックアップ15が磁石11を検出できなかったような場合に発生する。そして、発生時の車輪速度をVWFEとして設定する。ただし、この車輪速度は複数輪による補正前の車輪速度である。ここで、出力ノイズ発生の瞬間の車輪速度は出力ノイズの影響を受けた不正確なものであるため、これを発生時の車輪速度として判定に用いることは好ましくない。そのため、出力ノイズの影響を受けない時点で、かつ、出力ノイズの発生時に近接した時点、例えば、出力ノイズの発生時点より所定時間前または後の時点の車輪速度や近接した所定時間内の平均車輪速度を用いるとよい。この所定時間としては、最高速度で走行した場合の車輪の1回転(より正確には、磁気ロータ10の1回転)に要する時間より短く設定することが好ましい。
【0025】
そして、TFEとVWFEの積算値(TFE×VWFE)と判定用係数KFEとを比較し、0.8×KFE≦TFE×VWFE≦1.2×KFEを満たす場合に、特定位置で回転速度変動が発生していると判定する。ここで、TFE×VWFEとは、ピックアップ15で出力ノイズが発生した時点間に車両が移動した距離に対応する値をとり、これは出力ノイズを生ぜしめた磁性体14間の磁気ロータ10の外周に沿った距離に対応する(実際には、タイヤ径と磁気ロータ10径の比に応じて拡大された距離となる)。KFEはここでは、タイヤの外周長さに対応する値をとる。なお、TFE、VWFEの単位系が異なる場合には、換算係数を考慮してKFEを設定すればよい。また、低車速時は車輪回転数が低く、ピックアップ15の出力が安定していない場合がありうるので、このような場合、例えば、車速が10km/h未満の場合にはこの異常判定を行わないことが好ましい。
【0026】
磁気ロータ10の特定位置で変動ありと判定した場合には、ステップS3に移行してカウンタCRf(n)の値を1加算して処理を終了する。ここで、カウンタCRf(n)はn=1〜4の値をとり、各車輪センサごとに設定されている値であって、この特定位置における変動が連続的に検出されている異常状態と判定された場合にその継続時間(単位はタイムステップに相当する。)を示す値である。特定位置における変動がないと判定した場合には、ステップS4に移行してこのカウンタCRf(n)の値を0にリセットして処理を終了する。
【0027】
このような車輪、すなわち、磁気ロータ10の特定位置において出力変動(見かけ上の車輪速度の変動)が起こる要因としては、磁石11への鉄片等の付着が考えられる。ピックアップ15で検出している磁束変化は、ピックアップ15に対する磁石11の配列ピッチに応じて発生するため、このような鉄片付着が起こると、その位置での磁束変化が生じず、鉄片付着等のない正常な場合と異なってくる。そのため、この磁束変化を基に算出した磁気ロータ10の回転状態は、本来の磁気ロータ10の回転状態と異なったものとなり、見かけ上だけの回転速度変動が磁気ロータ10外周の特定位置で発生する。したがって、このような特定位置における変動が検出された場合には、異常判定部16は、磁石11への鉄片付着であると推定し、カウンタCRf(n)を正の値に設定して、回転変動の誤検出を抑制する。
【0028】
次に、この車輪速センサの検出結果を受けた車両挙動制御装置の動作を説明する。最初に、CRf(n)=0、つまり、悪路判定部32と車速判定部33は、それぞれ特定位置における見かけの回転変動が検出されていない車輪速センサの出力データのみを用いて悪路判定、車速判定を行う(ステップS11)。悪路判定は、例えば、車輪加速度の不定期な変動量に応じて路面の乱れの状態を推定するものである。車速判定は、平均の車輪速度(回転数)から既知のタイヤ径を利用して換算することにより求められる。
【0029】
ステップS12では、カウンタ値CRf(n)の最大値がしきい値Th−CRf以上に達しているか否かを判定する。このしきい値は、車輪速度の特定位置における見かけの回転変動を検出している時間が所定時間以上連続している場合に対応する値に設定されており、例えば、15秒継続している場合に相当する値に設定される。
【0030】
車輪速度の特定位置における見かけの回転変動が所定時間以上継続していると判定された場合には、ステップS13に移行し、ABS(Antilock Braking System)制御の禁止フラグXABSとEBD(Electronic Brake−force Distribution)制御の禁止フラグXEBDにそれぞれ禁止状態を表す1を設定し、警報ランプ4を用いて運転者に車輪速度センサの異常を検出した旨を報知する警告処理を行う(ステップS14)。このとき、図示していない診断システムに異常検出結果を通知し、診断システム内に格納しておくと、修理・点検が容易となり好ましい。
【0031】
車輪速度の特定位置における見かけの回転変動が所定時間以上継続している場合ではないと判定された場合には、ステップS15に移行し、ABS制御の禁止フラグXABSとEBD制御の禁止フラグXEBDにそれぞれ禁止解除状態を表す0を設定して処理を終了する。
【0032】
運転者がブレーキペダル53を操作すると、操作量に応じた油圧がマスタシリンダ52からアクチュエータ50に付与される。ブレーキ制御部31は、XABS、XEBDがそれぞれ0の場合に、ABS制御、EBD制御を行う。具体的には、制動操作時に車速、車輪速、路面状態を基にして各輪に付与する制動力を制御するEBD制御を行う。さらに、付与する制動力が大きい場合には、車輪のロックを防止して適切な制動力を各輪に付与するABS制御を実施する。
【0033】
本発明によれば、異常判定部17において車輪速センサ(磁気式回転検出装置)の異常と判定された場合には、異常と判定された車輪速センサの検出結果は悪路判定、車速判定の判定対象から除外されるので、誤差を有する車輪速センサの値を用いることなく正確な判定が可能となる。さらに、異常が継続している場合には、ABS制御、EBD制御等の車両挙動制御を禁止するため、誤差を有する車輪速センサの値を用いて車両の挙動を制御することがなくなり、誤制御を抑制する効果が得られる。
【0034】
ここでは、異常と判定された車輪速センサの検出結果を判定対象から除外する例を説明したが、異常と判定された車輪速センサの検出結果についても完全に判定から除外するのではなく、判定への寄与度を下げた形で判定に用いてもよい。この場合、正常と判定されている車輪速センサの検出結果の判定への寄与度が通常より高く設定されているので、異常と判定された車輪速センサの検出結果をそのまま用いる場合に比べて誤判定を抑制する効果が得られる。また、車両挙動制御についても、制御を完全に禁止してしまうのではなく、積極的な制御を抑制して緩やかな制御を行うようにしてもよい。このように緩やかな制御を行うようにすれば、誤制御を抑制しつつ、車両挙動の修正が可能となる。このとき、異常判定の継続時間(上述のカウンタCRf(n)値)に応じて制御を緩やかにしたり、所定の継続時間を超えたら制御を禁止するように設定してもよい。
【0035】
本発明に係る磁気式回転検出装置の磁気ロータ10の構成は図1の構成に限られるものではない。例えば、図5(a)に示されるように、歯車状の磁気ロータ10a本体の各歯13aの間に磁石11aを配置する構成や、図5(b)に示されるように、磁気ロータ10bの外周近傍に設けた溝14bのそれぞれに磁石11bを嵌め込んだ構成や、図5(c)に示されるように、磁気ロータ10cの外周近傍の側面に設けた溝14c内に磁極配置の異なる磁石11c1、11c2を交互に配置する構成としてもよい。いずれの場合においても、磁気ロータ10a〜10cの回転に伴って外周部で起こる磁束変化をピックアップ15で検出することにより、磁気ロータ10a〜10cの回転速度を検出することが可能である。
【0036】
以上の説明では本発明に係る磁気式回転検出装置を車輪速センサとして用いる場合を例に説明してきたが、本発明に係る磁気式回転検出装置は、車両搭載式あるいはそれ以外の内燃機関の回転数検出やその他の各種の回転検出用のセンサとしても用いることができる。また、車輪速センサとして用いる場合でも、磁気ロータと車輪が同軸に配置される必要はなく、車輪の回転数を減速あるいは増速して回転している軸上に磁気ロータを配置しても良い。この場合も、磁気ロータの特定位置で発生する見かけの回転変動を検出する点は同様である。見かけの回転変動が発生する磁気ロータの特定位置を検出する手法としては、上述したように、被測定物(上述した場合はタイヤ)の周位置として検出する手法のほか、被測定物の角度位置、磁気ロータ自体の周位置、角度位置として特定する手法がある。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ピックアップの出力を監視して、磁気ロータの見かけの回転変動が特定位置の磁性体で発生している場合に、この特定位置の磁性体への金属片付着等の異常と判定することにより、磁気ロータの磁性体への金属片付着等の異常を確実に判定でき、回転検出時の誤検出発生と、検出した回転数、速度等を基にした各種の判定における誤判定や車両制御における誤制御を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気式回転検出装置の概略図である。
【図2】図1の磁気式回転検出装置を車輪速センサとして用いた本発明に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の磁気式回転検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図2の車両制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】図1の磁気式回転検出装置の別の実施形態における磁気ロータの磁石配置を示す部分正面図である。
【符号の説明】
1…回転センサ(磁気式回転検出装置)、3…制御装置、4…警報ランプ、10…磁気ロータ(ロータ本体)、11…磁石、12…間隙、13…ローター歯、14…溝、15…ピックアップ(検出体)、16…車輪速判定手段、17…異常判定部、18…車輪速判定部、20…車輪、21…ディスクブレーキ、22…ブレーキキャリバ、31…ブレーキ制御部、32…悪路判定部、33…車速判定部、50…アクチュエータ、51…ホイルシリンダ、52…マスタシリンダ、53…ブレーキペダル、
Claims (11)
- 外周部に所定の間隔で配設された磁性体を有する磁気ロータと、前記磁気ロータの回転に伴う前記磁性体による磁力変化を検出する検出体と、を備える磁気式回転検出装置において、
前記検出体の検出結果に基づく前記磁気ロータの見かけの回転速度変動を監視し、該変動が前記磁気ロータの特定位置で発生している場合に前記磁気ロータの異常状態と判定する異常判定部をさらに備えている磁気式回転検出装置。 - 前記異常判定部は、見かけの回転速度変動に対応する磁性体の位置間隔を判定することにより、該変動が前記磁気ロータの特定位置で発生していることを検出する請求項1記載の磁気式回転検出装置。
- 前記位置間隔の判定は、検出体で検出した出力ノイズの発生間隔時間と発生時の前記磁気ロータの回転速度の積を基にして求める請求項2記載の磁気式回転検出装置。
- 前記異常判定部は、前記特定位置における見かけの回転速度変動が所定時間以上継続している場合に前記磁気ロータの異常と判定する請求項1〜3のいずれかに記載の磁気式回転検出装置。
- 前記異常判定部は、前記磁気ロータの回転速度の微分値の絶対値が所定の値を超えた場合に、見かけの回転速度変動ありと判定する請求項1〜4のいずれかに記載の磁気式回転検出装置。
- 前記異常判定部は、前記特定位置における回転速度変動を前記磁気ロータへの金属片付着異常と推定する請求項1〜5のいずれかに記載の磁気式回転検出装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の磁気式回転検出装置を用いて車輪速度を検出する複数の車輪速度検出器と、
前記車輪速度検出器で測定した各車輪速度を基にして走行中の路面の悪路状態を判定する悪路判定手段と、を備えており、
前記異常判定部で異常状態と判定された場合には、前記悪路判定手段は、異常判定された磁気式回転検出装置により検出された車輪速度の反映度を下げて悪路状態を判定する車両制御装置。 - 前記異常判定部で異常状態と判定された場合には、前記悪路判定手段は、異常判定された磁気式回転検出装置の検出結果を除外して悪路状態判定を行う請求項7記載の車両制御装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の磁気式回転検出装置を用いてそれぞれの車輪速度を検出する複数の車輪速度検出器と、
前記車輪速度検出器で測定した各車輪速度を基にして車速を推定する車速判定手段と、を備えており、
前記異常判定部で異常状態と判定された場合には、前記車速判定手段は、異常判定された磁気式回転検出装置により検出された車輪速度の反映度を下げて車速推定を行う車両制御装置。 - 前記異常判定部で異常状態と判定された場合には、前記車速判定手段は、異常判定された磁気式回転検出装置の検出結果を除外して車速推定を行う請求項9記載の車両制御装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の磁気式回転検出装置を用いた車輪速度検出器と、
前記車輪速度検出器で測定した車輪速度に基づいて車両の挙動を制御する車両制御手段と、を備えており、
前記異常判定部で異常状態と判定された場合には、前記車両制御手段は、積極的な車両制御を抑制する車両制御装置。
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