JP2004237947A - タイヤ空気圧低下の検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストの条件の下で、各タイヤにおいて同時に空気圧低下が発生したような場合であっても、高精度にその空気圧低下を検知する手段を提供する。
【解決手段】タイヤ空気圧低下の検知装置1を搭載する車両は4つの車輪、すなわち、左前輪T1、右前輪T2、左後輪T3及び右後輪T4を備えており、左前輪T1及び右前輪T2は車軸3を介して連結されていて、左後輪T3及び右後輪T4は車軸4を介して連結されている。タイヤ空気圧低下の検知装置1は、前輪T1、T2及び後輪T3、T4のそれぞれの車速パルスを車輪速センサS1〜S4を介して入力し、車両の位置情報をGPS受信機5から入力し、制御装置2においてそれらの取得した数値に所定の演算や補正を行いながら空気圧低下の有無を判定し、その判定結果を出力するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のタイヤの空気圧低下を検知する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両を安定して走行させることを目的として、車輪に装着されるタイヤの空気圧が低下したことを検知するシステムが開発されている。このようなシステムは、各タイヤに空気圧センサを取り付けて空気圧を検出する手法と、空気圧の変化によりタイヤの外径が変化することを利用して車輪の回転速度差から空気圧の変化を検出する手法とに大別される。このうち、車輪の回転速度差から空気圧の変化を検出する手法は、ABS(アンチロックブレーキシステム)等のために車輪に取り付けられている車輪速センサを利用することによって、低コストに空気圧低下監視システムを構築できるという利点を有している。具体的には、タイヤの空気圧が低下した場合に車輪の動荷重半径(タイヤが路面と接している面の中心からタイヤの回転中心までの距離)が短縮することに基づき、車輪速センサからの信号を用いて4輪の回転速度差を算出し、各タイヤの空気圧のばらつきを推定する。そして、このばらつきが基準値を超えた場合、警報を発生する。
【0003】
車輪の回転速度差に着目して行う検出手法の一例としては、車両の左前輪の回転数と右後輪の回転数との和と、右前輪の回転数と左後輪の回転数との和を求め、二つの回転数の和を比較することで、曲線走行中の左右の車輪の回転数差や、前後の車輪の回転数差(駆動輪とそれに隷属して回転する車輪との違いに起因する回転数の差)を相殺することで検知精度を向上させるものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
更に、車輪の回転速度を検出して車輪の空気圧を検知するにあたり、車両がごく低速状態で走行している場合や、急加速時あるいは急減速時、大きな横加速度を受けているときなど、車両の挙動が過渡状態にあるときは、回転速度差を検知しないように制御ユニットをプログラミングして、誤検知を防止し、信頼性を高めるものもある(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭49−85701号公報(第3頁、第2図参照)
【特許文献2】
特開平6−92114号公報(段落[0055]〜[0067]、図4、図7参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車輪の回転速度差から空気圧低下を検出する手法では、各タイヤの空気圧のばらつきや差といった相対関係を推定することはできるが、各タイヤの空気圧の絶対値を推定することはできない。このため、例えば、4輪同時に空気圧低下が発生した場合、その空気圧低下を認識できないという問題がある(特許文献1の例では、前輪同士又は後輪同士において同時に空気圧低下が発生した場合にも、その空気圧低下を認識できない)。
【0007】
そこで、本発明は、前記課題に鑑み、低コストの条件の下で、各タイヤにおいて同時に空気圧低下が発生したような場合であっても、高精度にその空気圧低下を検知する手段を提供することを主たる課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明のうち、請求項1に係る発明は、タイヤを装着した車輪の回転状態を検出する車輪速センサと、GPS電波を受信して車両の位置情報を出力するGPS受信機とを用いてタイヤの空気圧の低下を検知するタイヤ空気圧低下検知装置であって、車輪速センサから車輪の回転状態を入力し、所定時間内における車輪が回転した車輪回転角度を算出する車輪回転角度算出手段と、GPS受信機から車両の位置情報を入力し、所定時間内における車両の移動距離を算出する車両移動距離算出手段と、車輪回転角度及び移動距離から車輪の動荷重半径を算出する動荷重半径算出手段と、算出した動荷重半径に基づいてタイヤの空気圧を推定する空気圧推定手段とを備え、推定したタイヤの空気圧に基づいて当該タイヤの空気圧低下の判定を行うことを特徴とするタイヤ空気圧低下検知装置である。
この構成における車輪回転角度算出手段では、所定時間内に車輪速センサから入力した車速パルスをカウントした車速パルス数及び車輪1回転あたりの車速パルス数から、所定時間内に車輪が回転した車輪回転角度を算出する。車両移動距離算出手段では、所定時間経過の前後においてGPS受信機から車両の位置情報を入力して、その2つの位置情報の差分から所定時間内に車両が移動した車両移動距離を算出する。動荷重半径算出手段では、車輪回転角度算出手段で算出した車輪回転速度及び車両移動距離算出手段で算出した車両移動距離から、動荷重半径を算出する。更に、空気圧推定手段では、動荷重半径とタイヤ空気圧との関係図(タイヤ空気圧推定線図)を使って、動荷重半径算出手段で算出した動荷重半径からタイヤ空気圧を推定する。このようにして推定したタイヤ空気圧と所定の基準値(しきい値)とを比較することによって、タイヤの空気圧低下を判定することが可能になる。
【0009】
請求項2に係る発明は、タイヤの空気圧を推定するときに、車輪の回転角速度に基づいてタイヤの空気圧を補正することを特徴とするタイヤ空気圧低下検知装置である。この構成における空気圧推定手段では、車輪回転角度算出手段で算出した車輪回転角度と、所定時間とから算出できる回転角速度に応じて、動荷重半径とタイヤ空気圧との関係図(タイヤ空気圧推定線図)のグラフを補正することによって、動荷重半径算出手段で算出した動荷重半径から推定するタイヤ空気圧を補正することができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、車輪の加速及び減速が行われていないときに、タイヤの空気圧低下の判定を行うことを特徴とするタイヤ空気圧低下の検知装置である。この構成においては、所定時間経過の前後に車輪回転角度算出手段で算出した車輪回転角度とその所定時間とから2つの回転角速度を求め、その2つの回転角速度とその所定時間とから回転角加速度を求めることができる。このようにして求めた各車輪の回転角加速度が0であれば、車輪の加速及び減速が行われていないと判断して、タイヤの空気圧低下の判定を行う。
【0011】
請求項4に係る発明は、車両が直進走行をしているときに、タイヤの空気圧低下の判定を行うことを特徴とするタイヤ空気圧低下検知装置である。この構成においては、左前輪及び右前輪の回転角速度が等しく、かつ、左後輪及び右後輪の回転角速度が等しければ、車両が直進走行していると判断して、タイヤの空気圧低下の判定を行う。
【0012】
【発明の実施の形態】
≪検知装置の構成≫
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。最初に、図1を参照して本発明の実施形態に係る空気圧低下の検知装置の構成について説明する。空気圧の検知装置1を搭載する車両は4つの車輪、すなわち、左前輪T1、右前輪T2、左後輪T3及び右後輪T4を備えており、左前輪T1及び右前輪T2は車軸3を介して連結されていて、左後輪T3及び右後輪T4は車軸4を介して連結されている。ここで、1つの車輪の空気圧が低下した場合には、その車輪の動荷重半径(タイヤが路面と接している面の中心からタイヤの回転中心までの距離)が減少し、その分その車輪の回転角速度が増大する。
【0013】
空気圧低下の検知装置1は、前輪T1、T2及び後輪T3、T4のそれぞれの車速パルスを車輪速センサS1〜S4から入力し、車両の位置情報をGPS受信機5から入力し、ECU(Electric Control Unit)である制御装置2において各種の処理を行って空気圧の低下の有無を判定するように構成されている。車輪速センサS1〜S4及び制御装置2は、アンチロックブレーキシステムやトラクションコントロール等を行う駆動力制御システムの構成要素を利用し、それらのシステムのECUに空気圧の低下検知用のプログラムを搭載することにより実現されるが、別個のECUを備える構成であってもよい。また、制御装置2が空気圧の低下を検知した場合には、判定結果をインストルメントパネル(図示せず)等に出力し、運転者に通知するようになっている。タイマー6は、制御装置2に処理開始のトリガーを与えるものである。
【0014】
車輪速センサS1〜S4は、公知の構成のものが使用できる。例えば、永久磁石と誘導コイルとを備え、車軸と一体になって回転するロータの外周に沿って形成された複数の歯との間で変化する磁束を検知するものがあげられる。ロータの歯は所定のピッチで形成されており、車軸が回転すると突出する歯が車軸の回転速度に応じて周期的に車輪速センサに近接したり、離れたりする。このときに、永久磁石による磁束も同じ周期で変化し、誘導コイルには磁束の変化に直接比例する周期的な電圧が発生する。つまり、車輪速センサS1〜S4は車軸の回転速度に応じた周波数の電圧信号(以下、「車速パルス」という)を出力する。なお、車輪速センサS1〜S4は、その他のセンサ、例えば、ホール効果を用いたものやレーザ光を用いたもの等でもよい。ここで、本実施形態においては、車輪速センサS1〜S4から得られる車速パルスから車速パルス数をカウントし、その車速パルス数から車輪T1〜T4の回転角度を算出するものとする。
【0015】
続いて、制御装置2の構成について説明する。制御装置2は、CPUやRAM、ROM等を有し、各種の処理が可能に構成されている。図2のブロック構成図に示すように、制御装置2は、車輪速センサS1〜S4及びGPS受信機5の出力を取得して、その取得した数値に所定の演算や補正を行いながら空気圧を推定し、その推定した空気圧に基づいて空気圧低下の有無を判定し、その判定結果を検知信号として出力するようになっている。
制御装置2は、車速パルス数カウント手段U1〜U4、データ入出力制御手段21、車両移動距離算出手段22、車輪回転角度算出手段23、動荷重半径算出手段24、車輪回転角速度算出手段25、空気圧推定手段26、車輪回転角加速度算出手段27、空気圧低下判定手段28等により構成されている。車速パルス数カウント手段U1〜U4は、車輪速センサS1〜S4のそれぞれ及びデータ入出力制御手段21に接続されている。データ入出力制御手段21は、各車輪T1〜T4の車速パルス数カウント手段U1〜U4、GPS受信機5、タイマー6及びデータバッファDBに接続されている。空気圧低下判定手段28は、検知信号を外部に出力する。なお、各手段の接続関係及びデータの流れについての説明は、後記する各手段の動作説明にて行うものとする。また、その各手段の動作説明は、U1〜U4、21〜28の順番に行うものとする。
【0016】
≪検知装置の動作≫
次に、制御装置2の動作を中心に説明することによって、空気圧低下の検知装置の動作説明を行う。まず、制御装置2内の車速パルス数カウント手段U1〜U4は、車輪速センサS1〜S4のそれぞれに接続されていて、その車輪速センサS1〜S4から出力される車速パルスの数を常時カウントする機能を持つ。また、車速パルス数カウント手段U1〜U4は、データ入出力制御手段21に接続されていて、そのデータ入出力制御手段21の指示に従って、その時点の車速パルス数を出力したり、車速パルス数を0にリセットしたりする。
【0017】
図3のフローチャートを参照しながら、データ入出力制御手段21の動作について説明する。このデータ入出力制御手段21の動作は、周期的に実施されるものであり、具体的には、タイマー6により所定時間t(例えば1秒)ごとに動作開始のトリガーが与えられることによって実行される。その動作開始のトリガーを与えられたデータ入出力制御手段21は、まず、GPS受信機5から、車両の位置情報を入力する(ステップS101)。この位置情報は、緯度及び経度でもよいし、走行中の道路上の特定の地点を示す情報であってもよい。ただし、2つの位置情報からその2つの位置間の距離を求めることができる必要がある。また、各車速パルス数カウント手段U1〜U4から各車輪T1〜T4の車速パルス数を入力すると共に、各車速パルス数カウント手段U1〜U4に対して各車輪T1〜T4の車速パルス数をリセットするように指示する(ステップS102)。この車速パルス数は、所定時間t内に車輪T1〜T4が回転した角度に対応するものである。そして、ステップS101及びS102において入力した位置情報及び車速パルス数を用いて、データバッファDBとのデータ入出力を行う(ステップS103)。
【0018】
ここで、データバッファDBとのデータの入出力動作について説明する。図4の構成図に示すように、データバッファDBは、車両の位置情報P及び各車輪T1〜T4の車速パルス数Kn(n=1〜4、以下同様)を保持している。一方、データ入出力制御手段21においては、他の手段に出力するために、車両の位置情報P(1)、P(2)及び各車輪T1〜T4の車速パルス数Kn(1)、Kn(2)をメモリに持っている。例えば、ステップS103において車両の位置情報の入出力を実施する場合、以下の手順を行う。すなわち、まず、図4の[1]のようにステップS101において入力した車両の位置情報をP(2)のメモリに格納する。次に、図4の[2]のようにデータバッファDB内のPの内容をP(1)のメモリに上書きする。最後に、図4の[3]に示すようにP(2)のメモリの内容をデータバッファDBのPのエリアに格納する。このような動作によって、最新の車両の位置情報が常にデータバッファDBに保持されると共に、最新の車両の位置情報及び所定時間t前の車両の位置情報がデータ入出力制御手段21内のメモリP(2)及びP(1)に格納される。なお、そのメモリP(2)及びP(1)に格納された情報については、その情報を他の手段に出力した後は、消去してもよい。
以上のデータの入出力動作は、各車輪T1〜T4の車速パルス数Knについても同様である。その動作の結果、最新情報を入力した時刻をt3、t3より所定時間tだけ前の時刻をt2、更にt2より所定時間tだけ前の時刻をt1とすれば、t2からt3までの間にカウントされた車速パルス数が、データバッファDB内のKn及びデータ入出力制御手段21のメモリKn(2)に格納される。また、t1からt2までの間にカウントされた車速パルス数が、データ入出力制御手段21のメモリKn(1)に格納されることになる。
【0019】
図3に戻って、データ入出力制御手段21は、車両の位置情報P(1)及びP(2)を車両移動距離算出手段22に対して出力し(ステップS104)、各車輪T1〜T4の車速パルス数であるKn(1)、Kn(2)及び1回転あたりの車速パルス数k(例えば20個)を車輪回転角度算出手段23に対して出力する(ステップS105)。続いて、所定時間tを車輪回転角速度算出手段25及び車輪回転角加速度算出手段27に出力する(ステップS106)。これで、データ入出力制御手段21の動作が終了する。なお、これ以降説明する各部の動作は、その動作に必要なデータが各部に入力された時点で開始されるものとする。これによれば、制御装置2全体の動作は、タイマー6からデータ入出力制御手段21に与えられる動作開始のトリガーの周期、すなわち、所定時間tごとに行われることになる。
【0020】
図2を参照しながら説明を進める。車両移動距離算出手段22においては、データ入出力制御手段21から入力した車両の位置情報P(1)及びP(2)に基づいて所定時間tの間に車両が移動した距離Dを算出して、その移動距離Dを動荷重半径算出手段24に出力する。
車輪回転角度算出手段23では、データ入出力制御手段21から入力した各車輪T1〜T4の車速パルス数であるKn(1)、Kn(2)及び1回転あたりの車速パルス数kによって各車輪T1〜T4の回転角度θn(1)及びθn(2)を求める。この回転角度は、所定時間tの間に各車輪T1〜T4が回転した角度(ラジアン値)を示すものである。以下の式1及び式2にその求め方を示す。
θn(1)=2π×Kn(1)/k・・・式1
θn(2)=2π×Kn(2)/k・・・式2
そして、求めた各車輪T1〜T4の回転角度θn(1)を動荷重半径算出手段24に対して出力し、θn(1)及びθn(2)を車輪回転角速度算出手段25に対して出力する。
【0021】
動荷重半径算出手段24においては、車両移動距離算出手段22から入力した移動距離D及び車輪回転角度算出手段23から入力した各車輪T1〜T4の回転角度θn(1)より各車輪T1〜T4の動荷重半径Rnを算出する。この動荷重半径Rnは、以下の式3によって算出することができる。
Rn=D/θn(1)・・・式3
そして、算出した各車輪T1〜T4の動荷重半径Rnを空気圧推定手段26に出力する。
車輪回転角速度算出手段25では、データ入出力制御手段21から入力した所定時間t及び車輪回転角度算出手段23から入力した各車輪T1〜T4の回転角度θn(1)及びθn(2)から各車輪T1〜T4の回転角速度θ’n(1)及びθ’n(2)を算出する。以下の式4及び式5にその算出式を示す。
θ’n(1)=θn(1)/t・・・式4
θ’n(2)=θn(2)/t・・・式5
そして、算出した各車輪T1〜T4の回転角速度θ’n(1)を空気圧推定手段26及び空気圧低下判定手段28に出力し、θ’n(1)及びθ’n(2)を車輪回転角加速度算出手段27に出力する。
【0022】
空気圧推定手段26においては、動荷重半径算出手段24から入力した動荷重半径Rn及び車輪回転角速度算出手段25から入力した回転角速度θ’n(1)に基づいて、各車輪T1〜T4のタイヤ空気圧Anを推定して、その推定したタイヤ空気圧Anを空気圧低下判定手段28に出力する。タイヤ空気圧Anの推定は、図5に示すようなタイヤ空気圧推定線図を利用して行う。このタイヤ空気圧推定線図は、動荷重半径とタイヤ空気圧との関係を示すグラフであるが、そのグラフは回転角速度によって異なる。すなわち、所定の回転角速度に対応するグラフaに対して、グラフbは回転角速度がより小さい場合であり、逆にグラフcは回転角速度がより大きい場合である。これは、タイヤ空気圧が一定と仮定すれば、回転角速度が大きくなるほど、遠心力によって動荷重半径が大きくなることから認識することができる。このようにタイヤ空気圧推定線図のグラフを回転角速度によって補正することにより、タイヤ空気圧推定の精度を上げることができる。
車輪回転角加速度算出手段27では、データ入出力制御手段21から入力した所定時間t及び車輪回転角速度算出手段25から入力した各車輪T1〜T4の回転角速度θ’n(1)及びθ’n(2)から回転角加速度θ”nを算出して、空気圧低下判定手段28に出力する。この回転角加速度θ”nは、以下の式6によって求めることができる。
θ”n=(θ’n(2)−θ’n(1))/t・・・式6
【0023】
空気圧低下判定手段28においては、空気圧推定手段26から入力した各車輪T1〜T4のタイヤ空気圧An、車輪回転角速度算出手段25から入力した回転角速度θ’n(1)及び車輪回転角加速度算出手段27から入力した回転角加速度θ”nに基づいて、タイヤ空気圧の低下について判定を行う。図6に示すフローチャートを使って、その判定論理を説明する。
まず、各車輪T1〜T4の回転角加速度θ”、θ”、θ”及びθ”が0か否かを判定する(ステップS201)。この判定は、角速度が変化していないか否か、すなわち、車輪T1〜T4の加速や減速が行われていない安定状態(例えば、ブレーキやアクセルが作動していない状態)か否かを判断するためのものである。従って、この判定により、車輪T1〜T4の加減速が行われているような精度の低い状態における空気圧低下の判定を回避することができる。各車輪T1〜T4の回転角加速度がすべて0であれば(ステップS201のYes)、左右の前輪T1、T2の回転角速度であるθ’(1)とθ’(1)とを比較する(ステップS202)。それらが等しければ(ステップS202のYes)、左右の後輪T3、T4の回転角速度であるθ’(1)とθ’(1)とを比較する(ステップS203)。それらが等しければ(ステップS203のYes)、各車輪T1〜T4のタイヤ空気圧の低下の判定を行う(ステップS204以降)。ここで、ステップS202及びS203の判定は車両が直進走行しているか否かを判断するためのものであり、これらの判定によって、曲線走行している場合のような精度の低い状態における空気圧低下の判定を回避することができる。
ステップS201、S202又はS203のいずれかにおいてNoの判断になった場合には、空気圧低下判定手段28は、車輪T1〜T4の加減速が行われている状態、又は、車両が直進走行していない状態であるためタイヤ空気圧の低下の判定精度が悪いと認識したわけであり、タイヤ空気圧の低下の判定を行わずに処理を終了する。
【0024】
ステップS204〜S207における各車輪T1〜T4のタイヤ空気圧の低下の判定は、所定の基準値(しきい値)と比較することによって行い(ステップS204〜S207)、各車輪T1〜T4のタイヤ空気圧A、A、A又はAのいずれかが基準値以下であれば(ステップS204〜S207のYes)、空気圧低下判定手段28は空気圧低下の検知信号を出力し(ステップS208)、運転者に警告する。
ステップ204〜S207の判断がすべてNoであれば、タイヤ空気圧が4輪共に基準値より大きく、空気圧に関して問題ないことになり、空気圧低下判定手段28は何もせずに処理を終了する。
【0025】
このようにして、データ入出力制御手段21から空気圧低下判定手段28までの動作が終了する。そして、タイマー5による動作開始のトリガーによって、所定時間tごとにそれらの動作が繰り返される。なお、データ入出力制御手段21から空気圧低下判定手段28までの動作に必要な時間は所定時間tと比較して十分小さく、それらの動作は支障なく繰り返されるものとする。
【0026】
≪その他の実施形態≫
以上本発明について好適な実施形態について一例を示したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、以下のような実施形態が考えられる。
(1)前記実施形態ではデータ入出力制御手段21がタイマー6から動作開始のトリガーを与えられるようにしたが、データ入出力制御手段21がタイマー6の時計を常時監視して所定時間tが経過するごとに動作を開始するようにしてもよい。
(2)前記実施形態では車両の直進走行の判定に各車輪T1〜T4の回転角速度を用いたが、車両の回転角速度であるヨーレートを用いるようにしてもよい。この場合は、ヨーレートが0であれば車両が直進走行していることになる。
(3)前記実施形態では、図6の空気圧低下判定手段のフローチャートのステップS201、S202及びS203において、θ”〜θ”=0やθ’(1)=θ’(1)のように正確に等しいか否かを判定している。これらについては、例えば、測定誤差等を考慮して設定した基準値(しきい値)との大小関係を判定するようにして所定のマージンを持たせてもよい。
(4)前記実施形態では、各車輪T1〜T4のタイヤ空気圧の推定値と基準値とを大小比較しているが、追加補助的なチェックとして、各車輪T1〜T4のタイヤ空気圧の推定値の平均値が過度に低下していないか否かを判定するようにしてもよい。
(5)エンジン出力と車両加速度との関係やエアバック用着座センサからの情報等から4輪軸重を推定し、その4輪軸重の推定値を補正に用いることによって、タイヤ空気圧の推定精度を向上させることができる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、各車輪ごとにタイヤ空気圧を推定してその空気圧低下を判定することができるので、各タイヤにおいて同時に空気圧低下が発生したような場合であってもその空気圧低下を検知することができる。
【0028】
請求項2に係る発明によれば、各車輪の動荷重半径から推定するタイヤ空気圧を各車輪の回転角速度によって補正することができるので、タイヤ空気圧推定の精度を上げることができる。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、車輪の加速及び減速が行われていないときに、タイヤ空気圧低下の判定を行うので、高精度な空気圧低下の判定を行うことができる。
【0030】
請求項4に係る発明によれば、車両が直進走行をしているときに、タイヤ空気圧低下の判定を行うので、高精度な空気圧低下の判定を行うことができる。
【0031】
以上の発明によれば、多くの車両に搭載されている車輪速センサ及びGPS受信機を利用することによって低コストの条件を満たしながら、各タイヤにおいて同時に空気圧低下が発生したような場合であっても高精度にタイヤ空気圧低下を検知する手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空気圧低下の検知装置の構成概要を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る制御装置内の空気圧低下の検知に関連する部分を抽出したブロック構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る制御装置内のデータ入出力制御手段の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る制御装置内のデータ入出力制御手段内蔵メモリ及びデータバッファの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る動荷重半径によるタイヤ空気圧推定線図である。
【図6】本発明の実施形態に係る制御装置内の空気圧低下判定手段の判定論理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…空気圧低下の検知装置
2…制御装置
3、4…車軸
5…GPS受信機
6…タイマー
21…データ入力制御部
22…車両移動距離算出手段
23…車輪回転角度算出手段
24…動荷重半径算出手段
25…車輪回転角速度算出手段
26…空気圧推定手段
27…車輪回転角加速度算出手段
28…空気圧低下判定手段
〜A…車輪のタイヤ空気圧
〜K…車輪の車速パルス数
P…車両の位置情報
〜R…車輪の動荷重半径
S1〜S4…車輪速センサ
T1〜T4…車輪
U1〜U4…車速パルス数カウント手段
θ〜θ…車輪の回転角度
θ’〜θ’…車輪の回転角速度
θ”〜θ”…車輪の回転角加速度

Claims (4)

  1. タイヤを装着した車輪の回転状態を検出する車輪速センサと、
    GPS電波を受信して車両の位置情報を出力するGPS受信機と、
    を用いて前記タイヤの空気圧の低下を検知するタイヤ空気圧低下検知装置であって、
    前記車輪速センサから前記車輪の回転状態を入力し、所定時間内における前記車輪が回転した車輪回転角度を算出する車輪回転角度算出手段と、
    前記GPS受信機から前記車両の位置情報を入力し、前記所定時間内における前記車両の移動距離を算出する車両移動距離算出手段と、
    前記車輪回転角度及び前記移動距離から前記車輪の動荷重半径を算出する動荷重半径算出手段と、
    この算出した動荷重半径に基づいて前記タイヤの空気圧を推定する空気圧推定手段とを備え、
    前記推定したタイヤの空気圧に基づいて当該タイヤの空気圧低下の判定を行うことを特徴とするタイヤ空気圧低下検知装置。
  2. 前記タイヤの空気圧を推定するときに、
    前記所定時間及び前記車輪回転角度から算出した前記車輪の回転角速度に基づいて前記タイヤの空気圧を補正することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧低下検知装置。
  3. 前記車輪の加速及び減速が行われていないときに、
    前記タイヤの空気圧低下の判定を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイヤ空気圧低下検知装置。
  4. 前記車両が直進走行をしているときに、
    前記タイヤの空気圧低下の判定を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイヤ空気圧低下検知装置。
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