JP3170945B2 - 回転体の速度検出装置 - Google Patents

回転体の速度検出装置

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JP3170945B2
JP3170945B2 JP10084093A JP10084093A JP3170945B2 JP 3170945 B2 JP3170945 B2 JP 3170945B2 JP 10084093 A JP10084093 A JP 10084093A JP 10084093 A JP10084093 A JP 10084093A JP 3170945 B2 JP3170945 B2 JP 3170945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体の速度を検出す
る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、回転体の速度を求めるためには、
回転体速度センサーに設けられている回転検出部の規格
値とパルス信号の入力回数により回転体の回転距離を算
出し、この回転距離とパルス信号周期とに基づいて演算
される。しかし、回転体速度センサーの回転検出部の加
工時に発生する加工不良や腐食等による回転検出部の変
形や、回転体の変形により発生する回転速度変動等の非
規格要素より、パルス信号周期にずれが生ずる場合があ
る。そこで、特開昭63−172966号公報において
は上記問題点を解決するために、例えば車輪速検出装置
において、非制動時には車輪と共に回転するセンサロー
タの歯による最新のパルス信号周期とその前回・前々回
のパルス信号周期とを比較し、センサロータの各歯に対
応する補正係数を求めることによって、パルス信号周期
を補正している。また制動時においては、制動開始直前
に求めた各歯に対応する補正係数によりパルス周期を補
正している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置においては、振動等のランダムに変動するパル
ス信号が入力される場合には補正係数がランダムに変化
するために、非規格要素によるパルス周期検出誤差を補
正係数を用いて補正することはできないという問題があ
る。
【0004】本発明は上記問題点に鑑み、振動等のラン
ダムに変動するパルス信号が入力された場合において
も、回転体の回転検出部の加工不良や回転体の変形等の
非規格要素によるパルス信号周期検出誤差を補正するこ
とができる回転体の速度検出装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の回転体の速度検出装置は、被測定回
転体の回転に応じて連続的に発生するパルス信号におけ
る前記被測定回転体の非規格要素による検出誤差を補正
係数を用いて補正し、補正したパルス信号に基づき被測
定回転体の速度を算出する回転体の速度検出装置におい
て、前記補正係数を更新する更新手段を備え、この補正
係数更新手段は、前記パルス信号の周期の平均に依存し
た値を算出する平均依存値算出手段と、前記各々のパル
ス信号周期と前記平均依存値との偏差に依存した値を算
出する偏差依存値算出手段と、1回のパルス信号入力に
対する前記偏差依存値の前記補正係数への影響度合いを
調整する調整手段と、前記調整手段によって調整した値
と前回算出された補正係数とを加算することにより今回
の補正係数を算出する補正係数算出手段と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0006】請求項2記載の回転体の速度検出装置は、
請求項1記載の発明において、前記調整手段は前記偏差
依存値に所定の感度係数を乗ずることにより調整を行う
ことを特徴とする。請求項3記載の回転体の速度検出装
置は、請求項2記載の発明において、前記感度係数を切
り換える切換手段を備えることを特徴とする。
【0007】請求項4記載の回転体の速度検出装置は、
請求項1記載の発明において、前記補正手段の更新の許
可を判定する判定手段を備えることを特徴とする。請求
項5記載の回転体の速度検出装置は、請求項1記載の発
明において、回転体の加減速状態を検出する加減速状態
検出手段と、前記回転体の加減速状態に応じて前記補正
係数を補正する補正手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0008】請求項6記載の回転体の速度検出装置は、
請求項1記載の発明において、所定周期毎にパルス信号
の発生の有無を判定する判定手段と、前記判定手段の判
定結果に応じて前記補正係数を補正する補正手段と、を
備えることを特徴とする。請求項7記載の回転体の速度
検出装置は、請求項1記載の発明において、前記被測定
回転体の速度に基づき前記被測定回転体の加速度を算出
する加速度算出手段を備えることを特徴とする。
【0009】
【作用】パルス信号周期と平均依存値との偏差に依存し
た値が、被測定回転体の非規格要素によるパルス信号周
期の誤差を示しており、この偏差依存値をなくす方向に
補正係数を更新してパルス信号周期を補正すれば、非規
格要素によるパルス信号周期検出誤差を補正することが
できる。しかしながら、各々のパルス信号には振動等の
影響を受けたランダム信号が含まれていることがある。
この振動等のランダムに変動する信号による誤差が連続
的であった場合には、偏差依存値が大きく連続的に変動
することから、上記のような単に偏差依存値をなくす方
向に補正係数を更新すると、この補正係数が頻繁に大き
く更新されることとなり、本来、一定であるべきはずの
非規格要素によるパルス信号周期の誤差が変動すること
になってしまう。
【0010】そこで本願発明では、1回のパルス信号入
力に対する偏差依存値の補正係数への影響度合いを調整
することにより振動等の影響を排除し、この調整した値
と前回算出された補正係数とを加算して今回の補正係数
を算出することにより一回に補正係数を更新する更新量
を抑えて補正係数の大きな変動を防止する。これによ
り、補正係数は振動等の影響を受けず被測定回転体の非
規格要素に起因する所定の値に収束していくことなる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。この実施例では、本発明を車輪速度センサに適用
された場合を示している。 実施例(1) 図1に車輪速度検出装置の構成を示す。ここで車輪速度
検出機構11は、車輪と共に回転されるシグナルロータ
12を備えているもので、このシグナルロータ12は周
囲に磁性体材料によって構成された多数の(本実施例で
は48個)の歯をほぼ等間隔で有する歯車にて構成され
ている。そして、このシグナルロータ12の外周に近接
するようにして電磁ピックアップ13が固定的に設定さ
れる。この電磁ピックアップ13は、車輪と共に回転す
るシグナルロータ12の1つの歯が通過することに伴う
磁界の変化を検出し、例えば歯の1つが通過するごとに
1つの正弦波状の検出信号が出力する。すなわち、車輪
と共にシグナルロータ12が回転することによって、電
磁ピックアップ13からシグナルロータ12の各歯の通
過に伴ってこの歯を計数するようになる正弦波信号が出
力されるもので、この正弦波状のピックアップ信号は電
子制御ユニット(ECU)14に入力する。このECU
14は、正弦波状ピックアップ信号が入力される波形整
形回路141、およびこの波形整形回路141からの出
力が入力されるマイクロコンピュータ142を含み構成
されるもので、正弦波状のピックアップ信号を整形した
波形整形回路141からの矩形波信号の例えば立ち下が
りを割り込み信号としてECU14に入力する。
【0012】図2は車速パルス割り込み処理の流れを示
すもので、波形整形回路141からの矩形波状の入力パ
ルス信号の立ち下がりに対応して実行される。図3はこ
の波形整形回路141からマイクロコンピュータ142
に入力されるパルス信号の状態を示しているもので、こ
のパルス信号に対してマイクロコンピュータ142にお
ける定時割り込み処理は、S1,S2・・で示す時刻にお
いて実行される。図2で示した処理の流れにおいて、ス
テップ110で図3で示した入力パルス信号周期Δtn
(n=1〜48)を求める。しかし、シグナルロータ1
2の歯の加工不良や腐食等による回転検出部の変形や、
車輪の偏摩耗や走行中の変形等による回転体の変形等の
非規格要素により、信号周期Δtn にずれが生じてい
る。そこでステップ120において、非規格要素の信号
周期Δtn に対する算出誤差を補正する。
【0013】図4は、図2のステップ120における信
号周期Δtn の補正の流れを示すものである。ステップ
121においては、各パルスに各回転検出部番号に対応
した番号を付ける。回転検出部番号とは、シグナルロー
タ12の歯に1から歯数の最高値(本実施例においては
48)まで付けたシグナルロータ12の歯の番号であ
る。すなわち、各パルスに1,2,3・・・ 48,1,2
・・・ の様に各回転検出部に対応した1〜48の数字を繰
り返し付ける。ステップ122においては、パルス信号
周期Δt1 〜Δt48を記憶できるブロックメモリーに最
新のパルス信号間隔Δtn を記憶する。ステップ123
においては、各回転体検出部に対応する補正係数ωn,m
より
【0014】
【数1】Δtn ' =Δtn ×ωn,m ここで、n:回転検出部番号 m:回転体回転数 を求め、非規格要素によるΔtn の算出誤差を補正す
る。
【0015】ステップ124においては、前回の定時割
り込み処理の直後のパルス信号周期から最新のパルス信
号周期までの、補正したパルス信号周期の和Δts を求
める。
【0016】
【数2】
【0017】ここで、j:最新の定時割り込み区間の最
初の回転検出部番号 p:最新の定時割り込み区間の最後の回転検出部番号 ただし、回転検出部番号nは1〜48の数字が繰り返さ
れるので、j>pとなることもありうる。図5は定時割
り込み処理の流れを示すもので、この処理は所定の時間
間隔で発生するマイクロコンピュータ142の定時割り
込み信号ごとに実行される。まずステップ210におい
ては、補正係数ωn,m の更新許可を判定する。ここで補
正係数ωn,m の更新許可条件は、最新連続48個のパル
ス信号が定時割り込み区間に途切れることなく入力した
場合である(図6:更新許可、図7:更新未許可)。ス
テップ220においては、最新定時割り込み区間に入力
されたパルスに関して、各回転検出部ごとに補正係数の
更新を行う。ステップ230においては、車輪速度を演
算する。ステップ240においては、車輪加速度を演算
する。
【0018】ステップ220における補正係数ωn,m
更新は、下式にて算出する。
【0019】
【数3】ωn,m =ωn,m-1 +k・Δth
【0020】
【数4】
【0021】
【数5】
【0022】ここで、m:回転体回転数 k:補正感度係数 上記式は、各回転検出部が被回転検出部を通過するごと
に各回転検出部に対応する補正係数ωn,m を更新し、任
意の速度で各回転検出部に対応する非規格要素による誤
差を補正しうる補正係数収束値を求めることを意味す
る。ここで、補正係数ωn,m の初期値は1とする。ま
た、その収束値は、回転体が非規格要素を含む場合のパ
ルス信号周期の、回転体が非規格要素を含まないパルス
信号周期に対する割合を表す。回転体が1回転する時間
は微小であるので、回転体が1回転する間の回転速度を
一定速度であると仮定する。その場合、本来ならば回転
体1回転における48パルス信号周期は一定となるはず
である。ところが、実際は回転検出部の加工誤差やタイ
ヤの偏摩耗や走行中の変形等の非規格要素により、パル
ス信号周期にばらつきが発生する(図8(a)参照)。
そこで、48パルス信号周期の平均値と各回転検出部の
パルス信号周期との偏差Hを0に近づけるように補正を
行う(図8(b)参照)。
【0023】図9は、数3における補正係数ωn,m の算
出方法の流れである。ステップ221においては、回転
体が1回転する間の48個のパルス信号周期の平均値S
を算出する(数5参照)。ステップ222においては、
パルス信号周期の平均値と前回の補正係数により補正し
た各回転検出部のパルス信号周期との偏差を算出する
(数4の分子参照)。そして、前記偏差の速度依存性を
なくすために前記偏差のパルス信号周期の平均値に対す
る割合Δth (=S−ωn,m-1 ・Δtn )/S)を算出
する(数4参照)。このΔth が、非規格要素による各
回転検出部のパルス信号周期のずれを示していると考え
られる。ところが実際に車両が路面を走行した場合、路
面の振動により車輪速度はランダムに変動するため、Δ
h もパルス信号入力ごとにランダムに変動し各回転検
出部における回転体の特徴を示す値とはなりえない。そ
こでステップ224において、補正係数ωn,m の収束速
度を調整する補正感度係数kをΔth にかける(k・Δ
h )ことによって、1回のパルス入力に対するΔth
の補正係数ωn,m への影響度合いを調整する(数3参
照)。たとえば、補正感度係数kの値を小さくすれば補
正係数ωn,m の収束速度は遅くなるが、路面振動等のラ
ンダムな速度変動による補正係数ωn,m の変動量を小さ
くすることができる。この手段によって、車輪速度セン
サにより車輪速度を測定する場合に免れることができな
い路面振動による車輪速度のランダム変動が補正係数ω
n,m に及ぼす影響をなくすことが可能となる。
【0024】ステップ224においては、ステップ22
3において算出した値k・Δth を各回転検出部の補正
係数前回値ωn,m-1 に加算する(ωn,m =ωn,m-1 +k
・Δth )ことにより、補正係数ωn,m の更新を完了す
る。図10(a),(b)は、それぞれ補正感度係数k
が大きい場合と小さい場合における、補正係数ωn,m
時間変化を示す。補正感度係数kが大きい場合は、補正
係数ωn,m の収束速度は速いが路面振動の影響を受けや
すく変動が大きい。補正感度係数kが小さい場合は、補
正係数ωn,m の収束速度は遅いが路面振動の影響を受け
にくく変動が小さい。本願発明者が実験したところ、k
=0.008としてほぼ一定速度で車輪を回転した場
合、タイヤが約500回転したとき(100km/h走
行時:約35秒、50km/h走行時:約70秒)、補
正係数ω n,m がほぼ一定値に収束した。
【0025】図11は、ステップ230における車輪速
度演算の流れを示す。ステップ231で、車輪速度Vx
を演算する。この車輪速度Vx は、数2で示した最新定
時割り込み区間の補正パルス信号周期の和Δts 、およ
び図3で示したΔts 間の入力パルス信号数Np 、さら
にシグナルロータ12の歯数(48個)と車輪半径によ
って決まる速度定数aとにもとづいて、次の数6により
算出される。
【0026】
【数6】Vx =a・(Np /Δts ) 図12は、ステップ240における車輪加速度演算の流
れを示す。ステップ241で車輪速度DVx (Dは時間
微分を表示する)を演算する。この車輪加速度DVx
は、前回算出された車輪速度Vx0と今回算出された車輪
速度Vx1と、前回定時割り込み区間の補正パルス信号周
期の和Δts0と今回定時割り込み区間の補正パルス信号
周期の和Δts1とにもとづいて、次の数7により算出さ
れる。
【0027】
【数7】 DVx =(Vx1−Vx0)/((Δts0+Δts1)/2) 実施例(2) 本実施例では、路面の荒れや加減速といった走行状態を
検出し、この走行状態に応じて補正係数を更新する具合
を調整し、路面の荒れや加減速によるパルス信号周期の
誤補正を防止する点を特徴とする。
【0028】図13は本実施例に基づく定時割り込み処
理での流れを示す。尚、車速パルスの割り込み処理につ
いては第1の実施例と同様であるためここでは詳細な説
明は行わない。 ステップ310:パルス間隔を補正する場合に誤差要因
の発生する走行状態を検出する処理であり、ここでは車
両の加減速状態及び路面の荒れを検出する。
【0029】ステップ320:上記ステップで補正を行
うのに好ましくない状態であると判断された場合はステ
ップ330の補正処理を行わずにステップ340以降に
進み前回までの補正係数を用いて車輪速度及び加速度を
算出する。 ステップ330:補正係数を更新する処理で、基本的な
演算式は第1実施例と同じであるが、本実施例では本式
の補正感度係数kを走行状態により切り換えながら補正
を行うことにより加減速度や路面の荒れに影響されるこ
となくステップ340以降の車輪速度及び加速度が演算
可能となる.次に各処理の詳細について説明する.図1
4はステップ310の走行状態を検出する処理に関する
フローチャートであり、まずステップ311〜314に
て車両の加減速状態を以下のように判定する。
【0030】ステップ311では前回までの定時割り込
み処理で算出された車輪加速度DVx にフィルタ処理を
施すことにより走行中に発生する路面や駆動系の振動で
ある高周波成分を除去した比較的低周波の加減速度成分
DVw を抽出する。このフィルタは、例えば以下の式で
示すような形式で実現される.
【0031】
【数8】 DVw (n)=Ka0×DVx (n)+Ka1×DVx (n−1) +Ka2×DVx (n−2)+Kb1×DVw (n−1) +Kb2×DVw (n−2) ただし、Ka0〜Kb2は除去する周波数で決まる所定の定
数であり,添え字の(n),(n−1),(n−2)は
最新,前回,前々回の定時割り込み処理での演算結果を
表す。
【0032】このようにして求められた車輪加速度DV
w (n)についてステップ312では所定値KAINH と
の比較を行い、DVw (n)がこの所定値KAINH を上
回っている場合には補正係数の更新を禁止するためステ
ップ313にてフラグfINHをセットする。そうでない
場合はステップ314でフラグをリセットしてステップ
315に進む。
【0033】なお、ステップ311では加減速度状態と
して前回定時割り込みでの瞬時的な加速度を利用してい
るが、シグナルロータ12の1周期分に相当する速度情
報について以下のような加速度情報を抽出することも可
能である。
【0034】
【数9】DVw (n)=|Vx (n)−Vx (l)| ここで、Vx (n)は前回定時割り込み処理での車輪速
度、Vx (l)はシグナルロータ12の1周期前に相当
する時刻近傍における定時割り込み処理での車輪速度で
あり、|A|はAの絶対値を採ることを表している。こ
れにより、シグナルロータ12の1周期の平均パルス間
隔への加減速度の影響をより正確に判断することが可能
となる。
【0035】次のステップ315〜319では路面の荒
れ具合を以下のように判定する。まずステップ315で
前回の定時割り込み処理から遡って1周期分の加速度D
Vx (l)〜DVx (n)を抽出する。ステップ316
では、この抽出された加速度情報について最大値DVMA
X 及び最小値DVMIN を抽出し、以下の式で路面の荒れ
度合い評価量DVR を算出する。
【0036】
【数10】DVR =|DVMAX −DVMIN | ステップ317では、このDVR を所定値KRINH と比
較し,DVR がこの所定値KRINH を上回っている場合
には補正係数の更新を禁止するためステップ318にて
フラグfINH をセットする。そうでない場合はステップ
319でフラグをリセットしてステップ320からの処
理に戻る。
【0037】ステップ320では、ステップ310で判
定されたフラグfINH がセットされているか否かを判断
し、セットされるいる場合にはステップ340に進む。
ステップ320でフラグがセットされていないと判断さ
れた場合には、ステップ330で補正係数の更新を行
う。図15に補正係数の更新処理のフローチャートを示
す。
【0038】補正係数の演算方法の概略は第1実施例と
同様であるためここでは詳細な説明を行わないが、本実
施例では補正感度係数kをステップ310で求められた
走行状態である加減速度や路面状態によって切り換える
ことを特徴としている。具体的な切り換え方を図16,
17を用いて説明する。図16は今回算出された加減速
度状態から補正感度係数要素k1 を決定するための参照
マップであり、予めECU14に内蔵されたCPUに記
憶されている。同様に図17は今回算出された路面の荒
れ状態から補正感度係数要素k2 を決定するための参照
マップである。これらマップから検索された各走行状態
による補正感度係数要素k1 ,k2 について以下のよう
な重み付け平均などを行って実際の補正感度係数kを決
定する。
【0039】
【数11】k=KH1×k1 +KH2×k2 ただし,KH1,KH2は所定の重み付け係数を表す このようにして求められた補正感度係数kを用いて補正
係数ωの更新量を補正することにより、急激な加減速度
や荒れた路面などでの誤補正を防止しながら回転体速度
センサーの回転検出部の非規格要素を常に正確に補正す
ることが可能となる。
【0040】なお本実施例では、走行状態についてある
所定状態以上では補正係数を調整せずに前回の補正係数
ωを利用して車輪速度や加速度の算出を行っているが、
ステップ320の許可判定を除去して上記所定状態以上
でも補正感度係数を小さくすることにより常時補正係数
の更新を行わせることも可能である。この逆にステップ
320で走行状態が所定以下の状態であると判断された
場合に、所定の補正感度係数のみを用いて補正係数の更
新を行うことにより、簡易的に好ましくない走行状態で
の補正係数の更新を禁止することも可能である.また,
本実施例が走行状態で補正係数の更新感度を調整するも
のであるのに対し、第1実施例におけるステップ223
での補正感度を調整する場合に算出された今回の補正量
である(k・Δth )を,予め設定された1回の補正で
更新可能な所定量と比較し、今回の補正量が所定量以上
である場合には前記所定量を今回の補正量として更新す
ることにより、走行状態を判別することなく路面状態や
加減速による誤補正量を抑制することも可能である。
【0041】実施例(3) 本実施例では、補正係数の時間変化を参照することによ
り回転体速度センサーの回転検出部の非規格要素に相当
する所定値への収束が完了したことを検出し、収束以降
の加減速状態や路面の荒れによる誤補正を防止しつつ常
に正確な車輪速度・加速度情報を得ることを特徴とす
る。
【0042】図18は本実施例における定時割り込み処
理のフローチャートを示したものであり、以下で触れな
い処理については第1実施例と同様の処理を行うことで
実現できるためここでは詳細な説明は行わない。ステッ
プ410は補正係数の収束状態を検出する処理であり、
続くステップ420で前記補正係数の収束が検出された
場合はステップ430の補正係数の更新処理を行わず
に、補正係数の収束値を用いてステップ440,450
の車輪速度及び加速度の算出処理を行う。
【0043】次にステップ410の処理について具体的
な実現方法を説明する。図19は補正係数の収束を検出
する処理のフローチャートであり、まずステップ411
にて前回の補正係数と今回の補正係数の差を表す時間変
化量DWを計算する。次のステップ412ではこの補正
係数の時間変化量DWが所定量KDW以下であるかどう
かを判定する。ここでDWがKDW以上である場合は、
補正係数が変動中であると判断してステップ414に進
み収束状態の継続回数を示すカウンタCDWをクリアし
ステップ420に進む。
【0044】ステップ412でDWがKDWよりも小さ
いと判断された場合にはステップ413に進みカウンタ
CDWをインクリメントする。次のステップ415で
は、この収束状態が所定期間継続したかどうかを判断す
るためにカウンタCDWと所定値KCDWを比較する。
ここでまだ所定時間に到達していない場合にはステップ
420に進む。ステップ415で所定時間収束状態が継
続したと判断された場合にはステップ416にて収束完
了を示すフラグfDWOKをセットする。このフラグfDWOK
がセットされるとステップ420における判定がyes
となり、ステップ440,450にて車輪速度および加
速度を演算する。
【0045】通常、補正係数に誤差を発生させるような
荒れた路面を走行中もしくは加減速状態にある場合は各
定時割り込み処理毎に演算される補正係数は時事刻々ラ
ンダムに変動するため、この補正係数の時間変化が所定
時間一定値を保っていればそれがセンサーの非規格要素
によるばらつき値であると判断できる。従って、本実施
例に基づけば、上記の外乱要素による誤補正を気にせず
に早い応答性を維持することができる。
【0046】なお、本実施例では補正係数の収束状態の
判定をカウンタCDWを一定時間毎にインクリメントし
て所定量と比較することにより所定時間の変動を監視し
ているが、これとは別にカウンタCDWのインクリメン
トをパルス個数に応じてインクリメントすることで、所
定の回転数、すなわち所定回数の補正が完了する間の変
動を監視するようにしてもよい。
【0047】また、本実施例では補正係数ωの収束状態
を検出しているが、路面状態や加減速度の影響がランダ
ムに発生する点に着目することにより、所定のフィルタ
リング処理を施して検出部のばらつきのみを推定するこ
とも可能である。具体的には第1実施例のステップ22
0の補正係数ωの更新結果を各定時割り込み毎に所定個
数記憶する処理、及びその記憶値から以下のような演算
式で補正係数ωをフィルタリングする処理をステップ2
20の直後に追加することで実現できる。
【0048】
【数12】 ωw (n)=Kc0×ω(n)+Kc1×ω(n−1)+Kc2×ω(n−2) +Kd1×ωw (n−1)+Kd2×ωw (n−2) ただし、Ka0〜Kb2は除去する周波数で決まる所定の定
数であり,添え字の(n),(n−1),(n−2)は
最新,前回,前々回の定時割り込み処理での演算結果を
表す。
【0049】また、このフィルタリング処理は、補正係
数ωの単純な移動平均を用いてもよい。これらの処理に
より,路面状態や加減速状態がパルス周期の補正処理に
影響を及ぼすような状態であっても車輪速度や加速度を
常に正確に演算することが可能となる。
【0050】実施例(4) 本実施例では、センサーの回転速度が低下した場合など
その出力信号が検出不可能なレベルに低下することによ
り、それまでにつけられていた各回転検出部の番号が見
失われた場合に補正係数の誤った検出部への適用を防止
することを特徴とする。
【0051】図20は本実施例における定時割り込み処
理のフローチャートを示したものであり、以下で触れな
い処理については第1実施例と同様の処理を行うことで
実現できるためここでは詳細な説明は行わない。ステッ
プ510はセンサーの出力が検出不可能な状態であるか
どうかの判定を行う処理であり、ここで判定された状態
に基づいてステップ530の補正係数の更新処理におけ
る補正感度係数の調整を行う。
【0052】図21はステップ510の処理内容を示す
フローチャートであり、まずステップ511において今
回と前回の定時割り込みの間にパルス入力が存在するか
どうかの判定を行い、パルス入力が存在する場合はステ
ップ513に進む。そうでない場合はステップ512で
フラグfPIN をクリアしてステップ510の処理を抜け
る。
【0053】ステップ513では、前回の定時割り込み
時に判定されたパルス入力の有無状態を示すフラグfPI
N を参照し、同フラグがセットされている場合はステッ
プ514に進み定時割り込み毎のパルス入力が連続して
存在することを示すカウンタCPIN をインクリメントす
る。次のステップ515ではカウンタCPIN の値が所定
値KCPIN を上回っているかどうかの判定を行い、上回
っている場合はステップ516でパルス検出正常状態を
セットし,ステップ519の処理に進む。ステップ51
5でカウンタCPIN がKCPIN を上回っていない場合に
はステップ510の処理を抜ける。
【0054】ステップ513でフラグfPIN がクリアさ
れている場合は、前回パルス入力が存在せず、今回パル
ス入力が存在していることから、センサーの回転が低速
領域から上昇に転じたものであるとみなすことができ
る。このような状態では前回の最終パルスから今回の最
新パルスまでの間に検出不可能な低出力のパルスが存在
していた可能性が濃厚であるため、これ以降のパルスに
対する補正係数の演算をやり直す必要が発生する。従っ
てステップ517ではセンサー検出不可状態を設定する
と共に次のステップ518でカウンタCPIN をクリアし
てステップ519の処理に進む。
【0055】ステップ519では、パルス入力が存在し
たことを示すフラグfPIN をセットし、その後ステップ
510の処理を抜ける。図22にステップ530の処理
フローチャートを示す。第1実施例と同様に補正係数ω
を演算するが、本実施例では補正感度係数kをステップ
510で判定されたセンサーの検出状態に基づいて切り
換える。
【0056】具体的にはステップ533でフラグfPIN
に基づいてセンサー検出状態を判定し、検出不可状態で
ある場合には、ステップ534で比較的収束速度の大き
い所定の補正感度係数kFST をkに代入する。そうでな
い場合には、ステップ535でkFST よりも収束速度の
小さい所定の補正感度係数kSLW をkに代入する。これ
により、センサーの検出能力が正常な状態では従来通り
各回転検出部について補正係数の更新を行い、センサー
出力が低下した状態が発生した場合は、所定時間経過す
るまでの間補正感度係数kを大きくすることで再度各検
出部の補正係数を素早く更新することが可能となる。
【0057】実施例(5) 上記実施例(4)がセンサー出力が低下して従来の各検
出部の位置情報を見失った場合に補正感度係数を調整し
て補正係数の再収束を高速で行わせるものであるのに対
し、本実施例では上記位置情報の消失後、新たに得られ
る補正係数情報を元に位置情報を適正値に戻すことによ
り前回までの補正係数を有効に活用することを特徴とす
る。
【0058】図23は本実施例における定時割り込み処
理のフローチャートを示したものであり、以下で触れな
い処理については第1実施例と同様の処理を行うことで
実現できるためここでは詳細な説明は行わない。ステッ
プ610ではセンサーの出力が検出不可能な状態である
かどうかの判定を行う処理であり、ここで判定された状
態に基づいてステップ630の補正係数の退避処理を行
うかどうかの判断に利用される。
【0059】図24はステップ610の処理内容を示す
フローチャートであり、まずステップ611において今
回と前回の定時割り込みの間にパルス入力が存在するか
どうかの判定を行い、パルス入力が存在する場合はステ
ップ613に進む。そうでない場合はステップ612で
フラグfPIN をクリアしてステップ610の処理を抜け
る。
【0060】ステップ613では、前回の定時割り込み
時に判定されたパルス入力の有無状態を示すフラグfPI
N を参照し、同フラグがセットされている場合はステッ
プ615の処理に進む。ステップ613でフラグfPIN
がクリアされている場合は、実施例(4)と同様にセン
サーの回転が低速領域から上昇に転じたものであるとみ
なすことができる。このような状態では前回の最終パル
スから今回の最新パルスまでの間に検出不可能な低出力
のパルスが存在していた可能性が濃厚であるため、これ
以降のパルスに対する補正係数の演算をやり直す必要が
ある。
【0061】従ってステップ614ではセンサー検出不
可状態を設定してステップ615の処理に進む。ステッ
プ615では、パルス入力が存在したことを示すフラグ
fPIN をセットし、その後ステップ610の処理を抜け
る。次のステップ620ではこのセンサーの状態が正常
であるかどうかをフラグfPIN に基づいて判定し、検出
不可能な状態である場合にはステップ630に進む。ス
テップ630では、センサー検出不可状態と判定した初
回時のみに、センサー検出不可状態となる直前の各検出
部の補正係数をECU14のRAMに検出部の並び順に
記憶した後に現在の補正係数を全て初期化してステップ
640に進む。
【0062】一方、ステップ620で検出状態が正常で
ある場合はステップ650及び670,680に進み第
1実施例と同様の補正係数の更新及び車輪速度・加速度
演算を行う。ステップ640は補正係数の更新処理であ
り、第1実施例と同様の処理が行われる。ステップ66
0は今回の補正係数の更新結果に基づいて、ステップ6
30にて記憶した補正係数の記憶値とのパターンマッチ
ングを行う処理である。ここでのパターンマッチングは
今回算出した補正係数がセンサー検出不可状態に切り替
わる以前のいずれの検出部の補正係数に相当するかを判
断する処理であり、これにより短時間でセンサー検出不
可状態までに得られた補正係数に復帰することが可能と
なる。また、ステップ660では、パターンマッチング
が完了したか否かを判定する処理が行われる。この判定
結果はパルス割り込み処理におけるΔt n の補正処理に
反映される。従って本定時割り込み処理ではパターンマ
ッチングの完了に関わらず第1実施例と同様の車輪速度
演算・加速度演算を行う。
【0063】図25に信号周期Δtn 補正処理のフロー
チャートを示す。基本的な処理は第1実施例の車輪速度
演算処理と同様であるが、ステップ712の信号周期Δ
n 記憶処理の後、ステップ713でステップ660の
パターンマッチングの完了判定結果に従って、マッチン
グが完了している場合には信号周期Δtn を補正係数ω
n,m を用いて補正した後にステップ716に進み、未完
了である場合には誤補正による車輪速度の算出を防止す
るため、ステップ715に進んで信号周期Δtn を補正
しない。
【0064】次に本実施例の中枢であるステップ660
のパターンマッチングの具体的な実現方法について図2
6示すフローチャートを用いて説明する。ステップ66
1〜667では今回までに計算された新たな補正係数列
とステップ630で処理された前回の補正係数記憶値を
最小自乗法を用いて評価する。具体的には、まずステッ
プ661で評価量HPLS をクリアする。以降の処理で検
出部を1データづつずらしながらそれぞれの自乗誤差積
算値を計算し,これが最小となる値がHPLS にセットさ
れる(最小となる場合のずらし量がセンサー検出部の位
置の補正量に相当する可能性が高い)。
【0065】ステップ662では検出部のずらし量を示
す変数iをクリアする(ずらし量0に相当)。ステップ
663は以下に示すような自乗誤差の計算処理を行な
う。
【0066】
【数13】
【0067】ただし、ωn 及びω'nはn 番目の検出部の
新たな補正係数及び前回の補正係数記憶値を示し、n は
1〜48までの循環数をとるものとする。例えばn =45
である場合にn +10=55→55−48=7となる。
参考のため図27にこの演算式の概念図を示す。これに
より算出された自乗誤差HdPLSについてステップ664
で前記評価量HPLS との比較を行う。ここでHdPLSの方
が小さい場合にはステップ665に進み評価量HPLS を
更新すると共に現在のずらし量iをNPLS にセットす
る。そうでない場合はステップ666に進む。
【0068】ステップ666では全てのずらし操作を完
了したかどうかの判定を行う処理で、ずらし量iが検出
部の数48に到達したかどうかで判断される。未到達の
場合にはステップ667に進みずらし量を1つインクリ
メントしてステップ663〜665の処理を繰り返す。
ステップ666でずらし量の検証が完了したと判断され
た場合にはステップ668に進み最終的な評価量HPLS
がパターンマッチング完了とみなせる所定量KHPLS 以
下になっているかどうかの判定を行う。ここでKHPLS
以上である場合はパターンマッチングが不完全であると
判断してステップ660の処理を抜け出す。ステップ6
68で評価量が所定値以下になっていると判定された場
合にはステップ669に進み、検出部の番号のつけ換え
を行う。具体的には668までに設定されたHPLS を最
小値とするずらし量NPLS を元に、今回の定時割り込み
処理までに入力された最新のパルスの番号を数13と同
様の循環数でずらし量分だけ加算処理する。これにより
前回までの補正係数記憶値を正常な検出部に適用するこ
とが可能となる。
【0069】ステップ66Aはパターンマッチングの完
了したことを以降のステップ670で判定するための状
態設定処理である。なお、本実施例では自乗誤差の算出
を各検出部の補正係数同士で行っているが、センサーの
加工方法の特徴として1回転中に大きなうねりを有する
場合があり、このような場合には補正係数の積算値を以
下のように定義してこの積算値同士の自乗誤差を利用し
てもよい。
【0070】
【数14】
【0071】実施例(6) 本実施例は、加速もしくは減速が任意時間続いた場合に
発生する、パルス信号周期の誤補正による補正係数のず
れを補正することを特徴とする。たとえば、車両加速時
においてはパルス信号周期は徐々に短くなる。そのた
め、最新のパルス信号周期は48パルス信号周期の平均
値と比較すると短い。本発明においては、各パルス信号
周期に補正係数ωn をかけることによって、48パルス
信号周期の平均値に近づけるように補正を行っている。
そのため加速が任意時間続いた場合、各パルス信号周期
を長くするように補正する状態が続くために、全回転検
出部の補正係数ωn は定速走行時と比較して大きくな
る。逆に、減速時においては補正係数ωn は小さくなっ
てしまう(図28参照)。そこで、本実施例では、全回
転検出部の補正係数ωn の平均値より各回転検出部の補
正係数ω n を補正することにより、車両の加減速による
補正係数ωn の誤学習を補正する。
【0072】図29に本実施例による補正係数ωn の補
正のフローチャートを示す。ステップ710では、数3
より各回転検出部の補正係数ωn を算出する。ステップ
720では、全回転検出部の補正係数ωn の平均値を算
出する(下式参照)
【0073】
【数15】
【0074】。ステップ730では、次式より各回転検
出部の補正係数ωn の補正を行う。
【0075】
【数16】ωh = ωn - Δωn
【0076】
【数17】
【0077】ここで、Δωn は図28の斜線部を表し車
両の加減速による補正係数ωn のずれを意味している。
従って、数16より車両の加減速による補正係数ωn
誤学習を補正することができる。 実施例(7) 本実施例は、回転検出部に破損が生じたり異物が付着し
たことに起因して、各パルス信号に付ける回転検出部番
号がずれることを防止することを特徴とする。
【0078】図30は、ステップ121の回転検出部番
号処理で実施する、回転検出部番号修正のフローチャー
トである。ステップ810では、各パルス信号に回転検
出部番号nを付ける。ステップ820では、回転検出部
に異常が発生した場合に、回転検出部番号を修正する。
図31は、ステップ820の回転検出部番号修正の具体
的手段を示す。
【0079】ステップ821では、下式より最新のパル
ス信号周期Δtn とその直前のパルス周期信号Δtn-1
の比を求め回転検出部異常を検出する。
【0080】
【数18】αn = Δtn /Δtn-1 たとえば、シグナルロータ12の回転検出部番号3の歯
が欠けた場合は、図32(a)に示すようにΔt3 の値
が大きくなる。よって、αn ≧2となったら歯欠けが発
生したと判定しステップ822へ進む。この場合、本来
入力されるべきパルスp3 が入力されないため、4,
5,6・・となるべき回転検出部番号が3,4,5・・と1
つずつ小さくなる。そこで、ステップ822では歯欠け
を検出した回転検出部の番号(図32(a)では3)に
1を加える(3→4)。ここでΔt3 は異常パルス信号
周期となるので、ステップ823でΔt3 を除外し補正
係数ωn 、車輪速度および車輪加速度演算にΔt3 を用
いないようにする。そして、Δt3 、Δt4 は無効な値
となるので、シグナルロータ1回転時の有効パルス信号
周期数Nは2つ減る。よって、ステップ824において
NをN−2として処理を終了する。
【0081】つぎに、シグナルロータ12の回転検出部
に異物が付着した等の理由により、図32(b)に示す
ようにp2,p3 間に偽パルスが入力される場合はΔt31
の値が小さくなる。よってαn ≦0.5となったら偽パ
ルスが入力したと判定しステップ825へ進む。この場
合、本来入力されないパルスp3' が入力されるため、
3,4,5・・となるべき回転検出部番号が4,5,6・・
と1つずつ大きくなる。そこで、ステップ826では偽
パルスを検出した回転検出部の番号(図32(b)では
3)から1を引く(3→2)。ここでΔt31, Δt32
は異常パルス信号周期となるので、ステップ826でΔ
t31, Δt32を除外し補正係数ωn 、車輪加速度および
車輪加速度演算にΔt31, Δt32を用いないようにす
る。そしてΔt3 は無効な値となるので、シグナルロー
タ1回転時の有効パルス信号周期数Nは1つ減る。よっ
て、ステップ827においてNをN−1として処理を終
了する。
【0082】最後に0.5<αn <2の場合は、回転検
出部異常はないと判定して処理を終了する。 実施例(8) 本実施例は、異なる原因による補正係数の変動を、異な
る補正係数調整手段を持つ複数の適応フィルタを持つこ
とによって学習することを特徴とする。
【0083】パルス信号周期に、図8(a)に示すずれ
が発生する原因は二つ考えられる。第一原因はセンサロ
ータの回転検出部の加工誤差、第二原因は走行速度およ
び路面状況等の走行状態の変化によるタイヤ形状の変化
である。図33は、それぞれの原因によるパルス周期の
ずれを補正する補正係数ωna、ωnbの時間変化を示す。
【0084】このωnaとωnbは、補正係数の変動要因で
ある路面振動および車両加速度による影響度合いが異な
るため、ωna、ωnbそれぞれの変動状態は異なる。よっ
て図33に示すような、それぞれの補正係数ωnaおよび
ωnbの変動状態に適した補正感度係数k1 ,k2 を持つ
第一および第二適応フィルタ(数3〜数5)を直列に用
いることによって、それぞれの補正係数の変動分を別々
に除去することが可能となる。
【0085】実施例(9) 本実施例は、実施例(8)で示した第一もしくは第二原
因による補正係数のそれぞれの変動分を、一つの適応フ
ィルタによって別々に除去することを特徴とする。図3
4は、本実施例による補正係数算出のフローチャートで
ある。補正係数は上記実施例(8)で示した理由より2
種類の変動状態を持つ。そこでステップ910では、下
式より補正係数の第一の変動要因を除去する。
【0086】
【数19】
【0087】
【数20】
【0088】ここで、k1 :第一補正感度係数 ステップ920では、下式より補正係数の第二の変動要
因を除去する。
【0089】
【数21】
【0090】
【数22】
【0091】ここで、k2 :第二補正感度係数 以上の手段より、上記実施例(8)で示した第一もしく
は第二原因による補正係数のそれぞれの変動分を、一つ
の適応フィルタによって別々に除去することが可能とな
る。以上、車両の車輪速度センサに適用した場合におけ
る実施例を詳細に説明したが、車輪速度センサの信号と
してはアンチスキッド制御装置だけでなく、トラクショ
ン制御装置、定速走行制御装置、或いは本願出願人が特
願平3−294622号にて出願した「タイヤ空気圧検
知装置」においても有効に活用できる。また、本発明は
車輪速度センサに限定されるものではなく、振動等を受
ける場所に設置されている回転体の速度検出装置であれ
ば全てに本発明を適用することができる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる回転
体の速度検出装置によれば、1回のパルス信号入力に対
する偏差依存値の補正係数への影響度合いを調整し、こ
の調整した値と前回算出された補正係数とを加算して今
回の補正係数を算出することにより、補正係数を被測定
回転体の非規格要素に起因する所定の値に収束させてい
るので、振動等の影響にかかわらず回転体の速度を正確
に検出することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係わる回転体の速度検出装置を説明
するための構成図である。
【図2】車速パルス割り込み処理を示すフローチャート
である。
【図3】回転体の検出信号を説明する図である。
【図4】図2のステップ120における信号周期Δtn
の補正の処理を示すフローチャートである。
【図5】実施例(1)の定時割り込み処理を示すフロー
チャートである。
【図6】最新連続48個のパルス信号が定時割り込み区
間に途切れることなく入力した場合(補正係数の更新許
可)の図である。
【図7】最新連続48個のパルス信号が定時割り込み区
間に途切れることなく入力しない場合(補正係数の更新
未許可)の図である。
【図8】(a)はパルス信号周期のばらつきを説明する
ための図である。(b)はパルス信号周期のばらつきを
補正した後の図である。
【図9】実施例(1)の補正係数の算出方法の処理を示
すフローチャートである。
【図10】(a)は補正感度係数が大きい場合における
補正係数の時間変化を示す図である。(b)は補正感度
係数が小さい場合における補正係数の時間変化を示す図
である。
【図11】車輪速度演算の処理を示すフローチャートで
ある。
【図12】車輪加速度演算の処理を示すフローチャート
である。
【図13】実施例(2)の定時割り込み処理を示すフロ
ーチャートである。
【図14】走行状態を検出する処理を示すフローチャー
トである。
【図15】実施例(2)の補正係数の更新処理を示すフ
ローチャートである。
【図16】今回算出された加減速度状態から補正感度係
数要素k1 を決定するための参照マップである。
【図17】今回算出された路面の荒れ状態から補正感度
係数要素k2 を決定するための参照マップである。
【図18】実施例(3)の定時割り込み処理を示すフロ
ーチャートである。
【図19】補正係数の収束を検出する処理を示すフロー
チャートである。
【図20】実施例(4)の定時割り込み処理を示すフロ
ーチャートである。
【図21】実施例(4)のセンサー出力状態検出の処理
を示すフローチャートである。
【図22】実施例(4)の補正係数の更新処理を示すフ
ローチャートである。
【図23】実施例(5)の定時割り込み処理を示すフロ
ーチャートである。
【図24】実施例(5)のセンサー出力状態検出の処理
を示すフローチャートである。
【図25】パルス信号周期補正の処理を示すフローチャ
ートである。
【図26】パターンマッチングの具体的な実現方法を示
すフローチャートである。
【図27】自乗誤差の計算処理を行なうための演算式の
概念図である。
【図28】加速が任意時間続いた場合における補正係数
の収束状態を説明するための図である。
【図29】実施例(6)の補正係数の算出方法の処理を
示すフローチャートである。
【図30】回転検出部番号処理のフローチャートであ
る。
【図31】図30のステップ820における回転検出部
番号修正のフローチャートである。
【図32】(a)は回転検出部番号3の歯が欠けた場合
におけるパルス入力を示す図である。(b)はパルスp
2,p3 間に偽パルスが入力した場合におけるパルス入力
を示す図である。
【図33】パルス周期のずれを補正する補正係数ωna
ωnbの時間変化を示す図である。
【図34】実施例(9)の補正係数算出のフローチャー
トである。
【符号の説明】
11 車輪速度検出機構 12 シグナルロータ 13 電磁ピックアップ 14 ECU 141 波形整形回路 142 マイクロコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−133680(JP,A) 特開 平4−69079(JP,A) 特開 平3−272414(JP,A) 特開 昭63−172966(JP,A) 特開 昭61−90008(JP,A) 特開 平3−51764(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 3/42 - 3/489

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定回転体の回転に応じて連続的に発
    生するパルス信号における前記被測定回転体の非規格要
    素による検出誤差を補正係数を用いて補正し、補正した
    パルス信号に基づき被測定回転体の速度を算出する回転
    体の速度検出装置において、 前記補正係数を更新する更新手段を備え、この補正係数
    更新手段は、 前記パルス信号の周期の平均に依存した値を算出する平
    均依存値算出手段と、 前記各々のパルス信号周期と前記平均依存値との偏差に
    依存した値を算出する偏差依存値算出手段と、 1回のパルス信号入力に対する前記偏差依存値の前記補
    正係数への影響度合いを調整する調整手段と、 前記調整手段によって調整した値と前回算出された補正
    係数とを加算することにより今回の補正係数を算出する
    補正係数算出手段と、 を備えることを特徴とする回転体の速度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記調整手段は前記偏差依存値に所定の
    感度係数を乗ずることにより調整を行うことを特徴とす
    る請求項1記載の回転体の速度検出装置。
  3. 【請求項3】 前記感度係数を切り換える切換手段を備
    えることを特徴とする請求項2記載の回転体の速度検出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段の更新の許可を判定する判
    定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の回転体
    の速度検出装置。
  5. 【請求項5】 回転体の加減速状態を検出する加減速状
    態検出手段と、 前記回転体の加減速状態に応じて前記補正係数を補正す
    る補正手段と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の回転体の速度
    検出装置。
  6. 【請求項6】 所定周期毎にパルス信号の発生の有無を
    判定する判定手段と、 前記判定手段の判定結果に応じて前記補正係数を補正す
    る補正手段と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の回転体の速度
    検出装置。
  7. 【請求項7】 前記被測定回転体の速度に基づき前記被
    測定回転体の加速度を算出する加速度算出手段を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の回転体の速度検出装
    置。
JP10084093A 1993-03-23 1993-04-27 回転体の速度検出装置 Expired - Lifetime JP3170945B2 (ja)

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JP10084093A JP3170945B2 (ja) 1993-04-27 1993-04-27 回転体の速度検出装置
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