JP2004242593A - 発芽種子の製造方法および発芽玄米の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発芽玄米の製造工程中、玄米の洗浄・殺菌処理後、従来法では玄米を水浸漬した状態で発芽培養処理・発芽停止処理・殺菌処理・冷却処理されているのに対して、本発明においては玄米を水浸漬することなく、水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気下で均一発芽培養処理した後、加熱による発芽停止処理・殺菌処理することによって、上記課題を解決する発芽玄米の製造方法を提供するものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の種子の発芽を促進させることを特徴とする発芽種子の製造方法および発芽玄米の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物の種子は温水に適当な時間浸漬しておけば発芽することはよく知られており、発芽大豆、もやし大豆等古くから食用されている。玄米は白米に比べ栄養価が高いことはよく知られているものの、玄米には糖層があり吸水性が悪いために食感が悪く、これを改善するために発芽処理が行われることがある。発芽玄米は発芽過程で栄養価がさらに向上することも知られており、近年、需要が増えている。
【0003】
発芽玄米は玄米を発芽培養させた後、その成長を停止させて得られる。その製造方法及び装置として知られているものの一部を紹介する。
【0004】
(1)特開2002−45135号公報(おむすびころりん本舗)
過去の多数の特許を紹介しながら、発芽に伴い生成した栄養が水に逃げないように短時間で処理するようにし、30〜38℃の温水浸漬で発芽処理を行い、発芽停止・殺菌・冷却処理を行う製造方法が報告されている。さらに発芽処理中に空気酸化による褐変現象による変色を避けるため、吸水玄米が完全に水に漬かる量の水を入れ、かつ表面を布又はプラスチックシートで覆う対策が必要であるとしている。
【0005】
(2)特公昭58−25419号公報(土田清二)
一方、前記発芽に良好な水温条件(30〜38℃)は又、雑菌が水中でもっとも増殖しやすい温度とも一致するため、微生物汚染が生じる。そこで比較的菌増殖の少ない低温の水温条件(15〜20℃)で発芽処理する方法が報告されている。しかし低温度にするために発芽までの時間が50時間もの長時間必要となる。
【0006】
(3)特開平5−292836号公報(マルセイ)
流水による菌対策をする方法である。発芽水温条件(25〜37℃)で流水により処理することで菌の増殖を抑制しようとするものであるが、菌対策のために水を15回以上も入れ替えるようにしており、大変手間のかかるものになっている。
【0007】
(4)特開2001−352917号公報(ファンケル)
発芽停止処理後、直ちに冷凍又は乾燥させ菌対策すると、流通コストアップ及び食感悪化を起こすため、発芽停止後熱水又は蒸気処理で菌対策する方法が報告されている。
【0008】
(5)特開平9−275786号公報(山内里子)
菌対策として、発芽用の水に電解殺菌水を用いる方法が報告されている。
【0009】
(6)特開平10−117713号公報(竹越製作所)
家庭用で発芽玄米を作るには、除菌水や殺菌水を使用するのは大変なので、釜を抗菌性金属とする工夫が報告されている。
【0010】
以上、代表例として従来技術を紹介したが、ポイントは菌の増殖を防止する菌対策、酸化反応による褐変現象の防止対策、均一な発芽条件をいかにして作り出すかということである。これら従来技術に共通しているのは、発芽培養処理・発芽停止処理がすべて水浸漬中で行われていることである。水浸漬法の場合、発芽培養に適した水温は又菌増殖温度にも一致して微生物汚染が生じやすいとも言える。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−45135号公報(該当部分7頁[0065]および図1)
【特許文献2】
特公昭58−25419号公報(該当部分1頁)
【特許文献3】
特開平5−292836号公報(該当部分4頁[0038]〜[0042]および図3)
【特許文献4】
特開2001−352917号公報(該当部分2頁[0007]、[0008])
【特許文献5】
特開平9−275786号公報(該当部分2頁[0004])
【特許文献6】
特開平10−117713号公報(該当部分2頁[0007]および図2)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で紹介した如く、玄米を発芽培養処理及び発芽停止処理して発芽させた状態の発芽玄米の成分富化については多数の報告があり、澱粉が糖分に、蛋白質がアミノ酸に、脂肪分はグリセリンに、電子伝達物質であるビタミンE、フィチン酸、フェルラ酸、トコトリエノール等の抗酸化物質や神経伝達物質ギャバ(γ−アミノ酪酸)が玄米の数倍にも富化されていることが報告されている。従って、発芽玄米が健康主食として商品化され、愛用されている。
【0013】
ところで、糖分、アミノ酸、グリセリンなど発芽玄米として富化された成分の大部分は水溶性成分である。ところが、現行の発芽玄米の製造工程中発芽培養処理・発芽停止処理は全て水浸漬法で、適当な温水に玄米を浸した状態で発芽培養処理を行い、同条件下で加熱して発芽停止と殺菌処理を行っている。これではせっかく発芽玄米として成分富化された有用成分が水側に流失して減少してしまう恐れがある。
【0014】
以上のことから、本発明が目的とする解決すべき課題の第一は、発芽培養処理及び発芽停止処理により成分富化された有用成分を水側に流出させることなく発芽玄米中に堆積させることである。
【0015】
第二に、水中菌の増殖による微生物汚染を防止することを課題とする。前記の如く、従来技術での水浸漬による発芽培養処理における発芽温度と菌の増殖温度はほとんど一致するため、微生物による汚染については特に注意が必要である。水中浸漬の発芽工程においては時間の経過とともに水の汚れが進むので、頻繁に水を入れ替えるなどの手間や工夫を要する。さらに最終工程で加熱殺菌処理をしたとしても、途中の工程で微生物汚染があると微生物が復生する毒素による食中毒の危険も排除されない。従って、全ての工程で一般生菌・雑菌等を処理して菌の持込みを排除して、特に処理室は無菌雰囲気を保持維持させなければならない。
【0016】
第三に、食味・風味を低下させる褐変現象を防止することを課題とする。従来技術では、前記の如く、菌対策のため殺菌剤として多量に酸化剤が使用されるため、水浸漬されている部分の褐変現象は少ないものの、水浸漬されていない空気中に露出した玄米は酸化による褐変現象が即時に現れてしまい、品質の低下を招く。特に処理室における褐変現象を起こさせない処置が重要な課題となる。
【0017】
本発明は、均質な発芽培養処理により充分な発芽玄米の成分富化を行い、的確な監視システムにより発芽停止処理を行い、発芽玄米の有用成分を水側に流出させることなく発芽玄米内に蓄積貯留させて、さらに充分な菌対策によって微生物汚染を防止し、又酸化による褐変現象を起こさせない発芽玄米の製造方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、本発明の第1の手段は、水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気下で植物の種子を処理することにより、前記植物の種子の発芽を促進させる発芽処理を行うものである。
【0019】
本発明によれば、発芽培養処理により成分富化された有用成分を水側に流出させることなく発芽植物種子中に堆積させることができ、また従来法で問題となっている水中発芽培養処理に起因する水中菌の増殖による微生物汚染を防止することができ、さらに食味・風味を低下させる褐変現象を防止し、植物の種子の発芽を促進させることができる植物の発芽種子の製造方法が得られる。
【0020】
また本発明の第2の手段は、水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気下で玄米を処理することにより、前記玄米の発芽を促進させる発芽処理を行うものである。
【0021】
本発明によれば、発芽培養処理により成分富化された有用成分を水側に流出させることなく発芽玄米中に堆積させることができ、また従来法で問題となっている水中発芽培養処理に起因する水中菌の増殖による微生物汚染を防止することができ、さらに食味・風味を低下させる褐変現象を防止し、玄米の発芽を促進させることができる発芽玄米の製造方法が得られる。
【0022】
また本発明の第3の手段は、発芽処理後に発芽を停止させる発芽停止手段を備えたことを特徴とする前記2記載の発芽玄米の製造方法としたものである。
【0023】
また本発明の第4の手段は、発芽停止手段は発芽玄米を加熱殺菌する加熱殺菌手段を兼ねたものであることを特徴とする前記3記載の発芽玄米の製造方法としたものである。
【0024】
また本発明の第5の手段は、発芽玄米の加熱殺菌後に発芽玄米を冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする前記4記載の発芽玄米の製造方法としたものである。
【0025】
また本発明の第6の手段は、玄米を水浸漬する浸漬手段を備え、前記浸漬手段により玄米の水浸漬処理後に発芽処理を行うことを特徴とする前記2、3、4または5記載の発芽玄米の製造方法としたものである。
【0026】
本発明によれば、発芽処理に要する時間をより短縮させ、また空気中発芽処理の所要時間や効果をより安定させることができる発芽玄米の製造方法が得られる。
【0027】
また本発明の第7の手段は、玄米を洗浄する洗浄手段を備え、前記洗浄手段により玄米の洗浄処理後に発芽処理を行うことを特徴とする前記2、3、4、5または6記載の発芽玄米の製造方法としたものである。
【0028】
また本発明の第8の手段は、玄米を洗浄する洗浄手段を備え、玄米の洗浄処理後に水浸漬することを特徴とする請求項6記載の発芽玄米の製造方法としたものである。
【0029】
また本発明の第9の手段は、洗浄処理手段に玄米を殺菌する殺菌手段を備えたことを特徴とする前記7または8記載の発芽玄米の製造方法としたものである。
【0030】
また本発明の第10の手段は、水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気は、殺菌手段と加熱手段を設けた循環水槽と1個以上の噴射ノズルを有する噴射部とが噴射ポンプで連結されており噴射部下流側に気液接触部及び気水分離部を備えた装置により生成される、除菌処理された清浄空気であることを特徴とする前記2、3、4、5、6、7、8または9記載の発芽玄米の製造方法としたものである。
【0031】
本発明によれば、発芽培養処理により成分富化された有用成分を水側に流出させることなく発芽玄米中に堆積させることができ、また従来法で問題となっている水中発芽培養処理に起因する水中菌の増殖による微生物汚染を防止することができ、さらに食味・風味を低下させる褐変現象を防止し、玄米の発芽を促進させることができる発芽玄米の製造方法が得られる。
【0032】
また本発明の第11の手段は、玄米を所定の容器に最適量秤量投入後、前記容器の中に玄米を収納したまま各種処理を行うことを特徴とする、前記2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の発芽玄米の製造方法としたものである。
【0033】
本発明によれば、製造工程を自動化するのに適した発芽玄米の製造方法が得られる。
【0034】
また本発明の第12の手段は、発芽玄米の製造を製品出荷時間より逆算したタイムスケジュールで行うことを特徴とする発芽玄米の製造方法としたものである。
【0035】
本発明によれば、製品出荷の時間にあわせて製品がもっとも良い状態で完成させることのできる発芽玄米の製造方法が得られる。
【0036】
また本発明の第13の手段は、発芽状態の監視を含む製造プロセスの管理、制御をタイムスケジュールに組み込まれたコンピューターシステムで自動的に行うことを特徴とする発芽玄米の製造方法としたものである。
【0037】
本発明によれば、最適な発芽状態を安定して得られ、また製造工程を自動化するのに適した発芽玄米の製造方法が得られる。
【0038】
また本発明の第14の手段は、発芽状態をカメラで直接撮影して、リアルタイムでコンピューター画像処理を行い、最適な発芽状態において自動的に発芽停止処理指示を行わせることを特徴とする発芽玄米の製造方法としたものである。
【0039】
本発明によれば、最適な発芽状態を安定して得られ、また製造工程を自動化するのに適した発芽玄米の製造方法が得られる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る発芽玄米の製造方法について、図1に基づいて説明する。図1において、処理室1に水分子由来負イオンを含む高湿度空気を供給する高湿度空気雰囲気発生機2と処理室1内を加熱する加熱手段3と処理室1内を冷却する冷却手段4が設けられている。高湿度空気雰囲気発生機2は殺菌用紫外線ランプ5と加熱ヒーター6を設けた循環水槽7と、噴射ノズルを有する噴射部8、この噴射部8の下流側に順次設けられた気液接触部9及び気水分離部10を備え、循環水槽7と噴射部8とが噴射ポンプ11で連結されている。トレー台車12は処理室1内に設けられ、高湿度空気雰囲気発生機2内に設けられた送風機13により高湿度空気は処理室1内に送られる。加熱手段3は、処理室1内を加熱できれば良く例えば循環型ファンヒーターがあり、冷却手段4は、処理室1内を冷却できれば良く例えば冷凍機付循環型冷却ファンがあり、加熱ヒーター7は、水槽内の水を加熱できれば良く例えば水槽内設置防水型加熱ヒーターがある。
【0041】
《洗浄、殺菌》初めに、玄米の洗浄は飲用に適する清浄水で行う。このとき、あわせて殺菌処理を行うことが好ましく、前記玄米の洗浄水に、例えば電気分解方式の陽極側に生成する酸性水を添加して弱酸性水(pH=4〜6)として用いるのが好ましい。殺菌は、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素、オゾン水、あるいは殺菌作用を有する機能水と呼ばれているものでもよく、さらに殺菌用紫外線照射による殺菌方法でもよい。
【0042】
この洗浄殺菌水への玄米の浸漬時間は玄米表皮が膨潤するための少なくとも1時間以上、さらに好ましくは6時間以上12時間以内が好ましい。
【0043】
《トレー盛付》次に、前記洗浄・殺菌処理された玄米がこぼれ落ちない程度の網目状ネットであって通気性がある、通常トレーと呼ばれる皿状籠に、処理された玄米を盛付・水切を行う。盛付高さは15cm以下であって、皿状籠の中心部が薄く、外周部が厚い盛付が好ましい。水切は水滴がしたたり落ちない状態が好ましい。
【0044】
《発芽処理》次に、前記玄米を皿盛・水切したトレーは棚段式トレー台車12に積み込み、これら複数台の棚段式トレー台車12を予め殺菌処理された処理室1に収納した後、処理室1を密閉する。処理室1に付帯して給気側と排気側とで連結した循環系の水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気発生機2(以下、雰囲気発生機2と呼ぶ)を稼動して処理室1内を所定室内温度(30〜40℃)の水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気にして、発芽処理を開始する。
【0045】
水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気とは、水が破砕分裂する際にレナード効果によって発生する多量の水分子由来負イオンと、該負イオンに対しおおよそ10分の1以下の少量の水分子由来正イオンと、少量の1μm以下の微細水滴と、多量のナノサイズ水クラスターからなる、夫々の最適な雰囲気温度に制御された相対湿度がおおよそ90%RH以上の高湿度空気である。
【0046】
処理室1から高湿度空気雰囲気発生機2へ戻り、高湿度空気雰囲気発生機2で処理されて再び送風機13によって処理室1に給気される水分子由来負イオンを含む高湿度雰囲気は、高湿度空気雰囲気発生機2内で除菌処理されるので、処理室1内部は除菌された清浄空間を保つことができる。
【0047】
高湿度空気雰囲気発生機2が処理する風量は、処理室1の内部空間容積との比率にあたる換気回数で表して1時間あたり50回以上が好ましく、多い方が処理室1内の清浄度を上げ、発芽を阻害するガス成分の除去及び室内温湿度の安定のためにも好ましい。
【0048】
発芽処理を開始するにあたり、予めタイムスケジュールに組み込まれたコンピューターシステムとの照合を行う。玄米の水分含有量、玄米の総重量などの情報から自動的に処理室1内の換気回数、室内温度・相対湿度の設定を行う。
【0049】
《発芽停止処理》発芽培養状態は処理室1内に設置されたカメラで直接撮影し、コンピューター画像処理を行い、最適な発芽状態と判断される時点でコンピュータシステムから自動的に発芽停止処理の指示を出力する。
【0050】
発芽培養の停止・殺菌処理は処理室1に付置された加熱手段(循環型ファンヒーター)3で行う。前記の指示を受けて、高湿度空気雰囲気発生機2内の噴射ポンプ11が停止され(送風機13は作動を続ける)、続いて加熱手段3を作動させ、処理室1内温度を70℃以上で、少なくとも5分間以上20分間以下の間保持して、加熱により発芽停止処理と殺菌処理を同時に行う。尚、殺菌効果からは80℃以上が好ましい。
【0051】
《冷却処理》発芽停止・殺菌処理された発芽玄米を取扱うための冷却処理は、装置停止後の自然冷却でもよいが、時間短縮・汚染防止などのためには処理室1に付設した冷却手段(冷凍機付循環型冷却ファン)4を作動して包装作業が可能な温度(おおよそ30℃以下)まで低下して作業するのが好ましい。
【0052】
《乾燥、包装》乾燥が必要な場合は、前記加熱殺菌処理を延長して行えばよく、包装形態は顧客との契約に基づく方法で行えばよい。
【0053】
《製造管理》本発明の最もよいと考えられる実施形態を表1のタイムスケジュールに例示する。玄米処理の最初の洗浄から玄米がこぼれ落ちない程度の網目状ネットで通気性がありトレーと呼ばれる皿状籠を2枚合わせて両開きの籠構造として、この皿状籠に玄米を秤量して皿状籠に盛付ける。次に洗米・殺菌処理を行い、次に水滴がたれない程度の水切をする。その後はすべての工程、すなわち発芽処理、発芽停止処理、殺菌処理及び冷却・乾燥処理までを、処理室1内において一貫して行う形態である。
【0054】
【表1】
【0055】
また、発芽状態の監視を含む製造プロセスの管理、制御は表1に例示されたタイムスケジュールに組み込まれたコンピューターシステムで自動的に行うことが好ましい。発芽玄米の製造を製品出荷時間より逆算したタイムスケジュールで行うには、秤量・盛付時間、洗米・殺菌時間、水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気下での発芽処理時間、発芽停止・加熱殺菌処理時間、冷却(及び乾燥)処理時間、包装時間など必要な情報を整理して各処理工程での処理時間を算出したデータを準備しておき、これと照合することによって行えばよい。例えば表1のタイムスケジュールの例で朝10時に販売開始の場合は、発芽玄米の製造タイムスケジュールを逆算して、前日の夜9時に仕込みを開始するようにする。
【0056】
以上、発芽玄米の製造方法について記載したが、同じ製造方法で、大豆などの豆類、そばなどの穀類など各種種子を《洗浄・殺菌》《トレー盛付》後、水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気下で《発芽処理》《発芽停止処理》《冷却処理》と同様の製造プロセスで処理することで発芽種子が得られる。
【0057】
【発明の効果】
水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気下で発芽培養処理・発芽停止・殺菌処理を行うことにより、植物の種子の発芽あるいは発芽玄米の加工に際して生成する有用成分が水に流出することなく、発芽種子あるいは発芽玄米内に蓄積・貯留され、無駄なく製品に取り込まれつつ、植物の種子あるいは玄米の発芽を促進させることができるようになる。
【0058】
また、菌などによる汚染管理の手間が軽減され、製品の品位低下の要因である褐変現象もみられず、食味・食感の良い発芽玄米の生産を可能とする。
【0059】
更に、処理時間の短縮が可能であり、カメラを用いたコンピューター画像処理技術をはじめとするコンピューター製造管理になじむシステムを提供できるので省力化に貢献し、また例えば出荷時間にあわせた製造管理も可能となり、優れた品質の製品をより安くタイムリーに顧客に提供することが可能となるという大きな効果を創出するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】発芽玄米の製造ブロックフローシートを示す図
【符号の説明】
1 処理室
2 高湿度空気雰囲気発生機
3 加熱手段
4 冷却手段
5 紫外線ランプ
6 加熱ヒーター
7 循環水槽
8 噴射部
9 気液接触部
10 気水分離部
11 噴射ポンプ
12 トレー台車
13 送風機
Claims (14)
- 水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気下で植物の種子を処理することにより、前記植物の種子の発芽を促進させる発芽処理を行うことを特徴とする植物の発芽種子の製造方法。
- 水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気下で玄米を処理することにより、前記玄米の発芽を促進させる発芽処理を行うことを特徴とする発芽玄米の製造方法。
- 発芽処理後に発芽を停止させる発芽停止手段を備えた請求項2記載の発芽玄米の製造方法。
- 発芽停止手段は発芽玄米を加熱殺菌する加熱殺菌手段を兼ねたものであることを特徴とする請求項3記載の発芽玄米の製造方法。
- 発芽玄米の加熱殺菌後に発芽玄米を冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の発芽玄米の製造方法。
- 玄米を水浸漬する浸漬手段を備え、前記浸漬手段により玄米の水浸漬処理後に発芽処理を行うことを特徴とする請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の発芽玄米の製造方法。
- 玄米を洗浄する洗浄手段を備え、前記洗浄手段により玄米の洗浄処理後に発芽処理を行うことを特徴とする請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6記載の発芽玄米の製造方法。
- 玄米を洗浄する洗浄手段を備え、玄米の洗浄処理後に水浸漬することを特徴とする請求項6記載の発芽玄米の製造方法。
- 洗浄処理手段に玄米を殺菌する殺菌手段を備えたことを特徴とする請求項7または請求項8記載の発芽玄米の製造方法。
- 水分子由来負イオンを含む高湿度空気雰囲気は、殺菌手段と加熱手段を設けた循環水槽と1個以上の噴射ノズルを有する噴射部とが噴射ポンプで連結されており噴射部下流側に気液接触部及び気水分離部を備えた装置により生成される、除菌処理された清浄空気であることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8または請求項9に記載の発芽玄米の製造方法。
- 玄米を所定の容器に最適量秤量投入後、前記容器の中に玄米を収納したまま発芽処理を行うことを特徴とする、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9または請求項10に記載の発芽玄米の製造方法。
- 発芽玄米の製造を製品出荷時間より逆算したタイムスケジュールで行うことを特徴とする発芽玄米の製造方法。
- 発芽状態の監視を含む製造プロセスの管理、制御をタイムスケジュールに組み込まれたコンピューターシステムで自動的に行うことを特徴とする発芽玄米の製造方法。
- 発芽状態をカメラで直接撮影して、リアルタイムでコンピューター画像処理を行い、最適な発芽状態において自動的に発芽停止処理指示を行わせることを特徴とする発芽玄米の製造方法。
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