JP2004241767A - 配線材料、配線基板及びその製造方法並びに表示パネル、微粒子薄膜材料、薄膜層を備えた基板及びその製造方法 - Google Patents

配線材料、配線基板及びその製造方法並びに表示パネル、微粒子薄膜材料、薄膜層を備えた基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 配線の低抵抗化と配線と基板との接着性の向上を図りつつ、素材の選択の自由度の高い配線材料を提供する。
【解決手段】 熱処理することで金属微粒子4同士が結合して配線6を基板1上に形成するための配線材料であって、バインダー層2と配線層3とを有する。バインダー層2は、金属微粒子4を含み、上記基板1に接着するためのバインダー機能を有し、配線層3は、金属微粒子4からなり、上記バインダー層2上に積層され、該バインダー層2の金属微粒子4と該配線層3の金属微粒子4とが接触状態にある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導電性微粒子を含む配線材料、該配線材料を基板上に形成して得られる配線基板及びその製造方法、該配線基板を用いた表示パネルに関し、さらに、微粒子薄膜材料、薄膜層を備えた基板及びその製造方法に関するものである。
一般に、金属粒子を用いて配線基板を形成する方法として、金属粒子を接着剤、ペースト中に含ませた金属ペーストを配線材料として用い、該金属ペーストを基板に対して印刷や塗布することによって配線を形成する方法がとられている。
上記の金属ペーストとして、最も一般的なものは、銀(Ag)の粒子を使ったペーストで、端子間の接続、断線の補修に利用されている。この金属ペーストに用いられている粒子は、数ミクロンから、数十ミクロンくらいの金属微粒子を用いているのが一般的であり、電気的な結合は主に粒子間の接触(分子間力)に頼っている。一般に、金属ペーストには、金属微粒子以外に耐腐食材料、エポキシなどの接着性材料、これらの溶剤などが含まれている。
また、近年、粒径が数ナノメートルから数十ナノメートルの金属微粒子(以下、金属超微粒子と称する)が注目されている。このように、粒径が小さいということは、対象物に接触させる際にその接触点が多くなること、より薄膜に形成できること、表面状態がより平坦に出来ること等の利点がある。
しかも、粒径が100ナノメートルを下回るあたりから金属超微粒子の特性が顕著になり、その特性とは、例えば融点降下や、反応性が上がるなどのサイズ効果が挙げられる。これは、粒径が小さくなることで、内部エネルギーに対し、表面エネルギーの増加が無視できないことを示している。
このように、表面エネルギーの高い金属超微粒子は、粒子同士が接触すると簡単に融合を引き起す性質があり、サイズ効果が薄れるまで隣接粒子間で融合が続く。このように、金属超微粒子の融合によって形成された金属薄膜は、金属微粒子を並べて単に粒子同士の接触によって電気伝導を取っていた材料よりもバルクに近い低い抵抗値を期待できることを示唆している。
このような性質を持った金属超微粒子を配線材料に利用することは、既に提案されている。例えば、ミクロンサイズの大きい金属微粒子(粒径がμmオーダーの粒子)とナノサイズの金属超微粒子(粒径がnmオーダーの粒子)の両方を含有することで、大きい金属粒子間の隅間を超微粒子が埋めることで抵抗値を下げた導電性ペーストを配線材料とすることが提案されている。
また、金属超微粒子を有機材料でコーティングし溶剤に分散させ、対象物に塗布焼結することで簡単に金属薄膜を形成できるコロイド材料を配線材料として用いることも提案されている。この場合、コロイド材料が焼結されるときに、超微粒子をコーティングしている有機材料が飛ばされることで、金属超微粒子同士が融合し易い状態となるので、容易にバルク同様の抵抗値をもった金属薄膜を形成することができる。
ところで、金属超微粒子は、粒径が小さいことからエネルギー的に活性であり、反応性はこの活性さに負うところが大きい。したがって、金属超微粒子を対象物に塗布して成膜する場合、該対象物が金属面を有していれば、該金属面と金属超微粒子とのコンタクトは金属結合を期待できるので、成膜した膜が金属面から剥がれる虞はない。
しかしながら、金属超微粒子の塗布による成膜の対象物が酸化物に代表される絶縁材料である場合、スパッタ、蒸着の様にエネルギーをもった粒子の対象物への打ち込み効果が期待できないので、金属超微粒子は単に絶縁材料の塗布面に置かれている状態となる。金属超微粒子が、貴金属のような他の物質との反応性が低い場合には、なおさら、絶縁材料の塗布面から剥がれ易くなり、テープ剥離試験で簡単に剥がれてしまうという問題が生じる。
そこで、上記のような金属超微粒子を含む配線材料と絶縁材料との密着性を向上させるために、例えば、特許文献1に開示されているように、金属超微粒子にガラスフリットを数重量%含有させた配線材料を用いる第1の方法や、特許文献2に開示されているように、絶縁材料の塗布面上に、未硬化又は半硬化したエポキシ接着剤を設け、このエポキシ接着剤上に金属超微粒子を塗布し、表面を押圧、加熱する第2の方法や、また、特許文献3には、例えば図8に示すように、基板101上に金属微粒子103を塗布して焼成した後、該塗布面にシリカ材料102を塗布して硬化する第3の方法が提案されている。
特開平3−263391号公報(1991年11月22日公開) 特開平3−179794号公報(1991年08月05日公開) 特開平11−80618号公報(1999年03月26日公開)
ところで、上記第1の方法のように、配線材料にガラスフリットを含有させることは、配線と絶縁材料との密着性に有効である。しかしながら、配線材料内のガラスフリットは配線内での抵抗成分として寄与するので、スパッタや蒸着で形成される金属(Alなど)で形成される配線に匹敵するような低抵抗を実現するには、配線材料内のガラスフリットの含有量をできるだけ少なくする必要がある。
ところが、配線材料内のガラスフリットの含有量を少なくすると、配線が基板から剥がれやすくなるという問題が生じる。
したがって、上記第1の方法では、配線の基板に対する接着性と配線の低抵抗化を両立させることは困難である。
また、上記の第2の方法のように、未硬化、半硬化エポキシ接着剤上に金属超微粒子を塗布した後、押厚、加熱する方法では、薄膜の配線を形成する場合に、押厚によって配線材料が変形し、これによって断線する虞がある。
また、上記の第2の方法では、接着剤はあくまでも基板との密着性を確保するためのものであるので、金属微粒子の種類によっては、接着剤から剥がれる虞がある。したがって、第2の方法では、配線材料として、接着剤との接着性に優れた金属超微粒子を使用する必要がある。つまり、配線材料の素材の選択の自由度が低くなる。
さらに、上記の第3の方法のように、基板上に塗布された金属超微粒子をシリカ材料で塗布硬化する方法は、配線と絶縁材料との密着性を向上させているわけでなく、シリカ材料によって配線を上から押さえ込んで、配線が絶縁材料から剥がれないようにしているだけであるため、金属超微粒子とシリカ材料との密着性がもともと期待できなければ、配線を形成する微粒子膜の形成面積によっては、剥がれる虞がある。
また、上記第3の方法では、微粒子材料の隙間からシリカ材が浸透することで、配線と基板との密着性を向上させているので、膜厚が薄く隙間が十分にある場合は良い、金属超微粒子間の融合が進み、連続な膜になるほど該金属超微粒子間をシリカ材が浸透する効果は期待できなくなる。従って、この場合も配線と絶縁材料との密着性の向上は期待できない。さらにこの様な処理後には表層はシリカとなるため表層からの電気的コンタクトが取り難くなる。
本発明は、上記の各問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、配線の低抵抗化と配線と基板との接着性の向上を図りつつ、素材の選択の自由度の高い配線材料及び配線基板並びにその製造方法、さらに表示パネル、微粒子薄膜材料、薄膜層を備えた基板及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る配線材料は、上記の課題を解決するために、熱処理することで導電性微粒子同士が結合して配線を基板上に形成するための配線材料において、導電性微粒子を含み、上記基板に接着するためのバインダー機能を有する第1層と、該第1層上に導電性微粒子を含む第2層とが積層されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1層と第2層とが積層されていることで、第1層に含まれている導電性微粒子の一部が第2層を構成する導電性微粒子に接触した状態となっている。
この状態で、熱処理すれば、第2層内の導電性微粒子同士が結合して配線となると共に、該第2層の導電性微粒子に接触している第1層の導電性微粒子とも結合される。このとき、第1層と第2層とは、お互いの導電性微粒子同士が結合された状態となる。また、上記第1層に含まれる導電性微粒子はバインダー機能により、該第1層に強固に結合された状態となっている。さらに、形成された配線は、導電性微粒子同士が熱処理によって結合されているので、配線の低抵抗化を可能にしている。
従って、第2層を熱処理することによって得られた配線は、第1層にも強固に結合されていることになる。また、第1層は、バインダー機能によって基板上に密着することができるので、この第1層に強固に結合された第2層を熱処理して得られた配線は、基板に対して第1層を介して強固に結合された状態となり、該基板から剥がれにくくなる。
しかも、第1層と第2層とは、導電性微粒子同士が熱処理によって結合されるので、第1層と第2層との密着性を考慮することなく、第2層を構成する導電性微粒子を選択することができる。逆に、第1層の素材は、第2層を構成する導電性微粒子に影響されることなく、基板に対して接着性の高い素材を自由に選択することができる。
従って、配線の基板に対する接着性と配線の低抵抗化を図りつつ、配線材料の素材の選択の自由度を高くすることができる。
ここで、導電性微粒子は、粒径が100nm以下の導電材料からなり、熱処理によって簡単に導電性微粒子同士が融合するような素材が選択されている。例えば、導電材料として金属材料が好適に用いられる。
導電材料が金属材料であれば、粒径が100nm以下の金属超微粒子の状態で、エネルギー的に活性化されるので、金属材料の融点以下の温度で金属超微粒子同士が簡単に融合し、簡単に金属膜を形成することができる。
通常、第1層は、基板との接着性を高めるためには、導電性微粒子の含有量を少なくし、第2層は、配線として低抵抗化を図るために導電性微粒子の含有量を多くする必要がある。
したがって、配線材料において、上記第1層の導電性微粒子の濃度を、上記第2層の導電性微粒子の濃度よりも小さくなるように濃度勾配を付けるようにすればよい。
また、上記第1層の主成分は、上記基板の主成分と同じであってもよい。
この場合、基板と第1層との接着性を向上させることが可能となる。さらに、接着性を向上させるには、上記主成分が、アルコキシル基を含んでいることが好ましい。
本発明の配線基板は、上記の各課題を解決するために、導電性微粒子を含み、基板上に接着された第1層上に、導電性材料からなる配線層としての第2層が積層され、上記第1層と第2層との境界に、上記導電性微粒子と導電性材料とが一体化して、該第1層と第2層とを結合させるためのアンカー効果を発生させるためのアンカー部材が形成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記基板と第1層とは接着され、上記第1層と第2層とはアンカー効果によって結合されているので、第2層の配線層は、第1層を介して基板から剥がれにくくなる。
また、第1層と第2層とはアンカー効果によって結合されるので、第1層の素材を第2層の素材との接着性を考慮しないで選択することができる。つまり、第1層の素材は基板との接着性のみを考慮して選択すればよい。
上記導電性微粒子が金属微粒子であり、導電性材料が金属材料であるとき、上記アンカー部材は、金属微粒子と金属材料で形成される金属粒であってもよい。
この場合、導電性材料が金属材料であるので、第2層の配線層の低抵抗化を容易に図ることができる。したがって、配線の基板への接着性を確保しつつ、配線の低抵抗化を図ることができる。
上記金属粒は、金属微粒子と金属材料とが金属結合をして形成されているのが好ましい。
この場合、金属結合が、溶融された金属同士の結合であるので、配線層となる第2層と第1層との結合をより強固なものとすることができる。
本発明の配線基板の製造方法は、上記の各課題を解決するために、基板上に、導電性微粒子を含み、該基板に接着するためのバインダー機能を有する第1層を形成する第1の工程と、第1の工程によって基板上に形成された第1層上に、導電性微粒子を含んだ第2層を形成する第2の工程と、基板上に第1層と第2層とが積層された状態で熱処理を行い、該第1層と第2層との境界部分において、該第1層に含まれる導電性微粒子と該第2層に含まれる導電性微粒子と一体化させる第3の工程とを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、第1層と第2層とが積層された状態で熱処理されることで、第2層内の導電性微粒子同士が結合される一方、第2層内の導電性微粒子と第1層内の導電性微粒子とが結合される。
これにより、第2層内に導電性微粒子同士が結合された配線は、第1層内の導電性微粒子とも結合された状態となるので、基板上に接着された第1層を介して、該基板から剥がれにくくなっている。
しかも、第1層と第2層とは、導電性微粒子同士が熱処理によって結合されるので、第1層と第2層との密着性を考慮しないで、第2層を構成する導電性微粒子を選択することができる。逆に、第1層の素材は、第2層を構成する導電性微粒子に影響されることなく、基板に対して接着性の高い素材を自由に選択することができる。
従って、配線の基板に対する接着性と配線の低抵抗化を図りつつ、配線材料の素材の選択の自由度を高くすることができる。
また、上記第1の工程で、上記第1層を形成する素材を含む第1溶液を基板に塗布し、焼結して第1層を形成し、上記第2の工程で、上記第2層を形成する素材を含む第2溶液を上記第1層上に塗布し、焼結して第2層を形成するとき、上記第1溶液と第2溶液の溶媒が同じであってもよい。
この場合、第1層と第2層との素材を含む溶媒が同じであるので、各工程で熱処理する際の処理温度を同じにすることができる。
以上の説明では、配線基板について述べているが、本発明は、配線基板及び配線材料に限定されるものではなく、広く一般的な薄膜層を備えた基板、すなわち基板上に薄膜層が形成されたものにも適用することが可能である。
具体的には、上記の配線材料を微粒子で形成される薄膜に置き換えればよい。
本発明に係る配線材料は、導電性微粒子を含み、上記基板に接着するためのバインダー機能を有する第1層と、該第1層上に導電性微粒子を含む第2層とが積層されていることで、配線の基板に対する接着性と配線の低抵抗化を図りつつ、配線材料の素材の選択の自由度を高くすることができるという効果を奏する。
本発明に係る配線基板は、導電性微粒子を含み、基板上に接着された第1層上に、導電性材料からなる配線層としての第2層が積層され、上記第1層と第2層との境界に、上記導電性微粒子と導電性材料とが一体化して、該第1層と第2層とを結合するためのアンカー部材が形成されていることで、配線の基板への接着性を確保しつつ、配線の低抵抗化を図ることができるという効果を奏する。
本発明に係る配線基板の製造方法は、基板上に、導電性微粒子を含み、該基板に接着するためのバインダー機能を有する第1層を形成する第1の工程と、第1の工程によって基板上に形成された第1層上に、導電性微粒子を含んだ第2層を形成する第2の工程と、基板上に第1層と第2層とが積層された状態で熱処理を行い、該第1層と第2層との境界部分において、該第1層に含まれる導電性微粒子と該第2層に含まれる導電性微粒子と一体化させる第3の工程とを含むことで、配線の基板に対する接着性と配線の低抵抗化を図りつつ、配線材料の素材の選択の自由度を高くすることができるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、導電性微粒子を用いた配線材料の一例として、金属微粒子を配線材料に用いた場合について説明する。
本実施の形態に係る配線材料は、図1(a)に示すように、基板1に対してバインダー機能を有するバインダー層(第1層)2と、複数の導電性微粒子としての金属超微粒子4金属超微粒子4からなる配線層(第2層)3とが積層されたものである。この状態で焼結処理(熱処理)されることにより、図1(b)に示すように、金属超微粒子4同士が融合して金属粒5を経てバインダー層2上に配線6が形成されるものである。ここで、導電性微粒子である金属超微粒子4は、熱処理によって簡単に導電性微粒子同士が融合する導電材料からなることが好ましい。
上記バインダー層2は、絶縁性の基板1との接着強度を考慮して選択された材料の接着剤、例えばエトキシシランからなり、さらに、金属超微粒子4を含んでいる。バインダー層2中の金属超微粒子4の濃度は、配線層3の金属超微粒子4の濃度よりも低くなるように設定されている。但し、バインダー層2の金属超微粒子4の濃度は、該バインダー層2の金属超微粒子4の少なくとも一部が、配線層3の金属超微粒子4と接触するように設定する必要がある。なお、上記の金属超微粒子4の濃度についての詳細は後述する。
上記金属超微粒子4は、粒径が100ナノメートル(nm)以下であり、金属として、例えばAgが用いられる。なお、金属超微粒子4は、融点降下のような特有の現象が起こり、該金属超微粒子4の融点以下の温度であっても、図2に示すように、金属超微粒子4同士を融点以下の温度に加熱(焼結)すると、該金属超微粒子4同士が融合して金属粒5を形成する。この金属粒5は、さらに、金属超微粒子4が融合して金属膜(図1(b)の配線6)となる。
上記金属膜は、金属超微粒子4同士の金属結合によって形成されている。一般に、金属原子は、少ないエネルギーで最外郭電子を放出して陽イオンになり易い。金属結合は、金属を構成する原子が最外郭電子を放出するが、互いにその最外郭電子を共有し結合している状態を示す。この共有される電子は、自由電子であり、希ガスのように原子サイトにとらわれず移動できることから、固体中でバンド構造を構築し良好な電気伝導の担い手とされている。
ところで、粒径がミクロン程度の大きさの粒子では、接触による電気伝導が支配的とされており、この場合の電気伝導は、上記のような自由電子を共有することによる電気伝導も考えられるが、粒子形状は変化しないので、接触は点状態である。また、接触する両粒子間に存在する絶縁物をトンネル効果によって電気伝導が生じることも考えられる。この場合は接触抵抗が生じる。つまり、粒径がミクロン程度の大きさであれば、粒子同士の接触による接触抵抗が生じ、バルクに比べてかなり抵抗値が高くなり、場合によっては配線として使用できない虞がある。
一方、体積に対して表面積の占める割合の大きい微粒子(粒径が100ナノメートル以下)の場合、粒子のエネルギーが高いことから、接触した粒子が一体となるため、形状も変形し完全に自由電子を共有した状態になる。よって、この場合の微粒子同士は、点接触ということはない。従って、この場合の金属結合は、接触抵抗が無く、微粒子がこのような状態になって電気伝導状態を実現したことを意味している。
上述したように、金属超微粒子4は、融点降下という特有の効果により、比較的低温で融合(金属結合)される。このため、金属超微粒子4を配線材料として使用する場合には、例えば図3(a)に示すように、金属超微粒子4の周りを有機材料7でコーティングしてコロイド粒子10を形成し、図3(b)に示すように、コロイド粒子10をアルコール系等の溶媒11に分散させたコロイド材料として使用するのが好ましい。なお、説明の便宜上、図1(a)では、有機材料7を省略している。
また、コロイド粒子10を分散させている溶媒11と、バインダー層2の材料となるエトキシシランを溶解させている溶媒とを同じにするのが好ましい。この場合、バインダー層2と配線層3との素材を含む溶媒が同じであるので、各層を形成する工程での加熱温度を同じにすることができる。また溶媒が同じであると、コロイド粒子を分散状態を保ったまま混ぜ合わせることが可能となる。
上記コロイド材料を対象物に塗布し、200℃〜250℃の焼成温度で加熱することにより、メタリックな薄膜を形成することができる。つまり、上記コロイド材料のコロイド粒子10は、加熱されると金属超微粒子4の周りをコーティングしている有機材料7が蒸発してなくなり、容易に金属超微粒子4同士が接触する状態にすることができる。この加熱の温度は、以下の説明で焼結温度と称するが、有機材料7が蒸発する温度であればよく、通常、金属超微粒子4の融点よりも低くなっている。
上記構成の配線材料では、基板1に塗布された状態(図1(a))では、バインダー層2と配線層3とが積層されていることで、バインダー層2に含まれている導電性微粒子である金属超微粒子4の一部が配線層3を構成する導電性微粒子である金属超微粒子4に接触した状態となっている。
この状態で、焼結すれば、配線層3内の金属超微粒子4は、融合して配線となると共に、該配線層3の金属超微粒子4に接触しているバインダー層2の金属超微粒子4と融合される。このとき、バインダー層2と配線層3とは、お互いの金属超微粒子4同士による融合によって結合された状態となるので、配線層3はバインダー層2に対して分子間力による結合よりも強固に結合された状態となる。図1(b)に示すように、バインダー層2と配線層3との境界に金属超微粒子4同士が融合されて得られた金属粒5のアンカー効果によって、形成された配線6は、バインダー層2から剥がれにくくなる。
また、バインダー層2は、バインダー機能によって基板1上に密着することができるので、このバインダー層2に強固に結合された配線層3を焼結して得られた配線6は、基板1に対してバインダー層2を介して強固に結合された状態となり、該基板1から剥がれにくくなる。
しかも、バインダー層2と配線層3とは、金属超微粒子4同士の融合によって結合されるので、バインダー層2の素材に影響されることなく配線層3を構成する金属超微粒子4を選択することができる。逆に、バインダー層2の素材は、配線層3を構成する金属超微粒子4に影響されることなく、基板1に対して密着性の高い素材を自由に選択することができる。
本願発明の配線基板は、上記構成の配線材料の特性を利用して基板上に配線を形成するものである。
ここで、上記構成の配線材料を用いた配線基板の製造方法について、図1(a)(b)を参照しながら、以下に説明する。なお、図1(a)では、金属超微粒子4の周りをコーティングしている有機材料7を省略している。
まず、第1工程として、基板1上に、該基板1との密着性の高い材料からなり、金属超微粒子4を少量含んだ接着剤を塗布しバインダー層2を形成する。
次に、第2工程として、図1(a)に示すように、上記バインダー層2上に、金属超微粒子4からなるコロイド材料を塗布して配線層3を形成する。
続いて、第3工程として、図1(a)に示す状態で、焼成し、金属超微粒子4の周囲をコーティングしている有機材料(図示せず)を蒸発させ、該金属超微粒子4同士を直接接触させて融合させ、図1(b)に示すように、バインダー層2上に金属超微粒子4が融合した配線6を形成する。
上記第3工程では、配線層3の金属超微粒子4同士の融合に加えて、配線層3内の金属超微粒子4とバインダー層2内の金属超微粒子4との間での融合が行なわれる。
すなわち、本発明の配線基板の製造方法では、基板上に、導電性微粒子を含み、該基板に接着するためのバインダー機能を有する第1層を形成する第1の工程と、第1の工程によって基板上に形成された第1層上に、導電性微粒子を含んだ第2層を形成する第2の工程と、基板上に第1層と第2層とが積層された状態で熱処理を行い、該第1層と第2層との境界部分において、該第1層に含まれる導電性微粒子と該第2層に含まれる導電性微粒子と一体化させる第3の工程とを含んでいる。
そして、上記第1の工程で、上記第1層を形成する素材を含む第1溶液を基板に塗布し、焼結して第1層を形成し、上記第2の工程で、上記第2層を形成する素材を含む第2溶液を上記第1層上に塗布し、焼結して第2層を形成するとき、上記第1溶液と第2溶液の溶媒が同じであるのが好ましい。
上記製造方法によって製造された配線基板において、一層目であるバインダー層2は、基板1との密着とともに微粒子材料である金属超微粒子4を該バインダー層2の内部、表面に固定する働きがあり、二層目である配線層3に形成した微粒子材料である金属超微粒子4は焼成の際に、微粒子間で融合を果たして金属層(配線層6)を形成するとともに、バインダー層2に含まれる金属超微粒子4との融合も行なわれ、バインダー層2に含まれる金属材料である金属超微粒子4をアンカーの役割として配線層3は該バインダー層2との密着が取れることになる。
したがって、配線層3の金属材料からなる配線6は、バインダー層2を介して基板1と密着を図ることが可能となる。よって、配線6は、基板1から剥がれにくくなる。
以上のように、本発明の配線基板の製造方法は、金属錯体を用いるような、つまり金属−有機物結合、有機物−基板結合を用いて基板と密着を図る方法とは異なっている。それは、金属−有機−基板といった結合形態では、金属−有機結合が比較的定まった材料間でのみ有効であるのに対し、本発明の製造方法は、特に相手方の材料によって形成方法、結合方法、結合種類を替える必要がなく、材料を選ぶことができる利点がある。つまり、本発明によれば、バインダー層2および配線層3の材料の選択の自由度が増すことになる。
ここで、本発明の具体例について、以下に説明する。
まず、基板1として、#1737無アルカリガラスからなるガラス基板、密着材料となるバインダー層2の主成分である接着剤としてエトキシシラン、金属材料となる金属超微粒子4として銀(Ag)の超微粒子材料(粒径が20nm以下)を用いて、バインダー層2のエトキシシラン中に含有するAg超微粒子によって密着性がどのように変化するか調べた。ここで、Ag超微粒子は、図3(a)(b)に示すように、周囲を有機材料7でコーティングされたコロイド粒子10(以下、Agコロイド材料と称する)の状態で使用するものとする。
はじめに、Agコロイド材料を基板1上にスピンコートで塗布を行い、焼成した後密着性を調べた。密着性の評価は、クロスハッチによるテープピール方式(以下、ピール試験と称する)で行った。また、焼成は、200℃で行なった。
基板1上に形成された膜の抵抗値は、2〜4μΩ・cmであり配線材料としては十分低い抵抗値が得られた。しかしながら、ピール試験では、全て膜が剥がれ密着性は無かった。
続いて、Agコロイド材料に密着材料としてエトキシシランを入れ抵抗値を評価した。
図4は、Agコロイド中のエトキシシラン含有量に対する体積抵抗を示したグラフである。
図4に示したグラフから、Agコロイド材料中のエトキシシラン含有量が4wt%を超えると体積抵抗値は、10.00μΩ・cmを超えてくることが分った。
例えば、液晶パネルに用いられる配線の抵抗値としては、3〜5μΩ・cmが一般的である。
しかしながら、近年液晶パネルの大型化に伴い、配線長も長くなる傾向があり、更なる低抵抗な配線が求められている。大型化に伴って配線の幅を広く、膜厚を厚くすることによって、従来の抵抗値でまかなうことも考えられるが、無闇に広配線幅、厚膜化は出来ない。
すなわち、配線幅の増大は開口率の低下をもたらし、開口率低下によって必要輝度を得る為にバックライトの高輝度化が要求され、よって消費電力増大を引き起こすことになるからである。一方、膜厚を増大させることについては、配線同士がクロスする部分において生じる段差で配線が切断される確立が増大し、歩留まり低下をきたすことがある。よってこの場合も無闇に厚くすることは出来ない。
上記の10.00μΩ・cmは、液晶パネルに用いられる配線の抵抗値(3〜5μΩ・cm)から考えると、2〜3倍となるため、幅もしくは厚み何れかを2〜3倍にしなくてはならないことを意味する。これでは、更に低抵抗化を図るのは困難である。つまり、配線抵抗値としては不十分な値である。
次に、密着性に観点をおいてエトキシシランの含有率に対して、Agコロイド材料の基板1に対する密着性を調べた。この結果を、表1に示す。
ここで、表1は、エトキシシラン含有量に対しピール試験による密着性を示したもので、5wt%から密着性が出てくることが分った。
Figure 2004241767
以上のことから、抵抗値と、密着性の評価から考えると、Agコロイド材料の基板1への密着性と抵抗値とを両立させることは困難であることが分かった。
そこで、配線材料を、密着性の膜(バインダー層)と低抵抗化を図るための膜(配線層)の2層化することを考え、上面の配線層と下面のバインダー層とでAg超微粒子の濃度に勾配をもたせることを考え、バインダー層には密着性向上のためにエトキシシランを含有させ、配線層には低抵抗化を図るために配線抵抗となるエトキシシランを含まないようにした。
この方法では、上面の配線層にはAgコロイド材料以外に何も含まない為、従来のように配線形成後にシリカや接着剤を上面からコートして配線を基板に密着させる方法と比べ、抵抗値を低く出来る他、上面から電気的コンタクトを取るのも容易であるので、形成された配線上に別の配線材料を形成する場合、例えばITOなどを形成することが簡単になる。
上記のように配線材料を2層にして配線基板を作成したときの、配線6の膜厚に対して体積抵抗を測定した結果を示すグラフが図5である。ここで、配線材料のバインダー層2としては、エトキシシラン90wt%、Agコロイド材料10wt%とする。また、配線層3としては、Agコロイド材料100wt%とする。
図5に示すグラフから、形成される配線6の膜厚(0.34μm〜0.40μm)によって体積抵抗の変動が少ないことが分かる。ここでは、配線6として使用される0.3μm〜0.4μmにおいて安定した抵抗値を示し、体積抵抗自体が2.7〜3.8μΩ・cmと良好な値が得られた。
続いて、膜の密着性を調べるために、下層にエトキシシランを含有するAgコロイド材料を設け、エトキシシラン含有量に対する膜残存率を測定した結果を、図6および図7のグラフに示す。図6は、膜を1層とした場合の膜残存率を測定したグラフであり、図7は、膜をAgコロイド材料が100%の配線膜とエトキシシランを含有する膜の2層とした場合の膜残存率を測定したグラフである。
表1で示したように、図6に示すグラフからも、エトキシシラン含有量が4wt%から膜残存率が向上しはじめ、5wt%以上になれば、ほとんどの膜が残っていることが分かる。すなわち、1層の膜の場合、Agコロイド材料にエトキシシランを5wt%以上含ませることで、基板との密着性を向上させることができる。
しかしながら、この場合、上述したように、エトキシシランの含有量が5wt%以上になれば、膜の抵抗値は高くなり、配線として使用することはできない。
図7に示すグラフは2層にした場合であり、Agコロイド材料のエトキシシラン含有量が80wt%を越えるあたりから、2層の膜の残存率が向上し、90wt%以上であれば、ほぼ100%の膜残存率になることが分かった。
すなわち、1層目を焼結した後で、2層目を形成した場合、該1層目のエトキシシラン材料の含有量は90wt%を越えないと密着しないことが分かった。
また、下層がエトキシシラン90wt%、Agコロイド材料10wt%のとき、形成される2層の膜の体積抵抗値は、3.0μΩ・cmを下回る値となり、Agコロイド材料のみで形成された場合の抵抗値に近い値となった。
以上のことから、基板1への密着性と低抵抗化を図るには、エトキシシラン90wt%、Agコロイド材料10wt%のバインダー層2と、Agコロイド材料100wt%の配線層3とを積層した配線材料を用いて配線基板を形成するのが好ましいことが分かった。なお、以上説明中に使用したAgコロイド材料は、Agを含む固形分濃度が50wt%のコロイド溶液であり、またエトキシシランとの混合における、例えばAgコロイド材料10wt%とは、固形分と溶媒分両方を含んだAgコロイド材料として10wt%という意味である。
ここで、上記配線材料が形成された配線基板から、配線を形成する方法について以下に説明する。
先ず、Agを少量含んだエトキシシランをスピンコートにて基板に塗布する。ここでは、基板への密着性および配線としての低抵抗化を考慮して、Agコロイドの含有量は10%とした。
その後、エトキシシランを塗布した状態で基板の焼成を行う。ここでは200℃、60分間の条件で焼成を行った。
次に、焼成されたエトキシシラン上に、Agコロイド材料をスピンコートで塗布し、同じく200℃、60分間焼成を行った。
このようにして形成された基板上の膜に、レジストを塗布しマスクを遣ったフォトリソグラフ法にて所望のパターンを形成し、Agをエッチングすることで配線パターンを形成する。
ここでのエッチング方法は、ウエットエッチング、ドライエッチング何れの方法で行っても構わない。但し、表面のAg面を特にウエットエッチング処理によって除去した場合、Agを少量含んだエトキシシラン面は除去されずに残る場合があるが、Agの含有量は少量であるので、抵抗値は大きく絶縁物に近い値であるので問題はない。
更に、第一層であるエトキシシランで形成された膜もエッチングで除去するには、Arガスを用いたミリング加工、または例えばCF、Oガスを用いたリアクティブイオンエッチングといったドライエッチングを利用することが可能である。
また、別の配線形成方法としては、インクジェットプリント装置を用いて形成することが可能である。
先ず、ガラス上にレジストで配線材料を流し込む為のガイドを形成する。次に、Oプラズマでガラス表面を親水化したのち、CF等でレジスト部分を撥水化する。
この後、インクジェットヘッドによって配線形成領域に配線材料の塗布を行う。この場合、Agを少量含んだエトキシシラン材料をインクジェットヘッドで塗布し、その後200℃、60分程度の焼成を行い、更に、Ag材料をインクジェットヘッドで塗布し、再度200℃、60分程度で焼成を行い、配線を形成した。
ここで、本実施の形態では、バインダー層2の主成分としてエトキシシランを使用し、配線材料に使用する金属材料としてAgを用いたが、これに限定されるものではない。
例えば、バインダー層2の主成分としては、エトキシシランの他に、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなど使用可能であり、さらに、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどメトキシシラン類なども可能である。一般に、アルコキシル基をもったシランカップリング剤を使用することができる。
また、配線材料に使用する金属材料としては、Agの他に、Au、Ni、Cu等の単体やCu/Ag等の合金を使用することができる。
バインダー層2に含ませる金属材料と配線層3を構成する金属材料はかならずしも同じでなくてもよい。
また、導電材料としては、上述したように金属の他に、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO等の酸化物系の導電材料を使用してもよい。
なお、本発明の配線基板は、上述したように、液晶表示パネルに用いられるが、これに限定されるものではなく、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electroluminescence)パネル、無機ELパネルに用いられてもよく、他の表示パネルに用いられてもよい。
また、本発明は、上記のように配線材料に限定されるものではなく、微粒子で形成される薄膜(微粒子薄膜)をそのまま若しくは加工したものに適用することができる。この場合、微粒子として金属が考えられる。従って、本発明は、微粒子薄膜材料で形成される薄膜として、超微粒子金属膜が考えられる。
この超微粒子金属膜を用いた分野として、反射板、電磁シールド板、フィルター用の電極材、装飾用金属薄膜の基板などがあり、スパッタ、蒸着、CVD、メッキなどで形成した薄膜金属と同等の用途が考えられる。
例えば、本実施の形態で説明した図1(a)(b)において、配線材料として使用しているバインダー層(第1層)2と、配線層(第2層)3とで、微粒子薄膜材料を形成するようにすればよい。すなわち、基板1に対して、バインダー層2が該基板1の表面全体に形成され、さらに、該バインダー層(第1層)2の上に配線層3ではなく金属超微粒子4からなる超微粒子金属膜(第2層)を形成するようにすれば、微粒子薄膜材料からなる超微粒子金属膜(反射板等)を形成することができる。
同様に、第1層及び第2層をそれぞれの用途に合わせた金属超微粒子を用いれば、上述した電磁シールド板、フィルター用の電極材、装飾用金属薄膜の基板等を形成することができる。
例えば、本実施の形態では、配線材料に使用する金属材料としては、Agの他に、Au、Ni、Cu等の単体やCu/Ag等の合金を使用することを述べたが、上述のように微粒子薄膜材料に使用する金属材料としては、Agの他にAu、Pt、Pd等の貴金属を選べばよいし、その他、用途に合わせた金属材料を選べばよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、微粒子で形成される薄膜(微粒子薄膜)をそのまま若しくは加工したものに適用することができる。
(a)は焼結前の配線材料の概略断面図であり、(b)は焼結後の配線材料の概略断面図である。 金属微粒子同士の焼結前後の状態を示す図である。 (a)は金属微粒子を含むコロイド粒子の模式図であり、(b)は(a)で示したコロイド粒子を溶剤中に保存している状態を示す図である。 Agコロイドのエトキシシラン含有量と体積抵抗との関係を示すグラフである。 Ag膜の膜厚みと体積抵抗との関係を示すグラフである。 膜を1層にした場合の該膜のエトキシシラン含有量と膜残存率との関係を示すグラフである。 膜を2層にした場合の該膜のエトキシシラン含有量と膜残存率との関係を示すグラフである。 従来の配線基板の概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 バインダー層(微粒子薄膜材料)
3 配線層(微粒子薄膜材料)
4 金属微粒子
5 金属粒
6 配線
7 有機材料
10 コロイド粒子
11 溶媒

Claims (29)

  1. 熱処理することで導電性微粒子同士が結合して配線を基板上に形成するための配線材料において、
    導電性微粒子を含み、上記基板に接着するためのバインダー機能を有する第1層と、該第1層上に導電性微粒子を含む第2層とが積層されていることを特徴とする配線材料。
  2. 上記導電性微粒子は、金属微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の配線材料。
  3. 上記導電性微粒子は、熱処理によって簡単に導電性微粒子同士が融合する導電材料からなることを特徴とする請求項1に記載の配線材料。
  4. 上記導電性微粒子は、粒径が100nm以下の導電材料からなることを特徴とする請求項3に記載の配線材料。
  5. 上記導電材料は、Agであることを特徴とする請求項4に記載の配線材料。
  6. 上記第1層の導電性微粒子の濃度は、上記第2層の導電性微粒子の濃度よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の配線材料。
  7. 上記第1層の主成分は、上記基板の主成分と同じであることを特徴とする請求項1に記載の配線材料。
  8. 上記主成分はアルコキシル基を含んでいることを特徴とする請求項7に記載の配線材料。
  9. 上記主成分はエトキシシランであることを特徴とする請求項7に記載の配線材料。
  10. 導電性微粒子を含み、基板上に接着された第1層上に、導電性材料からなる配線層としての第2層が積層され、
    上記第1層と第2層との境界に、上記導電性微粒子と導電性材料とが一体化して、該第1層と第2層とを結合するためのアンカー部材が形成されていることを特徴とする配線基板。
  11. 上記導電性微粒子が金属微粒子であり、導電性材料が金属材料であるとき、
    上記アンカー部材は、金属微粒子と金属材料で形成される金属粒であることを特徴とする請求項10に記載の配線基板。
  12. 上記金属粒は、金属微粒子と金属材料とが金属結合をして形成されていることを特徴とする請求項11に記載の配線基板。
  13. 基板上に、導電性微粒子を含み、該基板に接着するためのバインダー機能を有する第1層を形成する第1の工程と、
    第1の工程によって基板上に形成された第1層上に、導電性微粒子を含んだ第2層を形成する第2の工程と、
    基板上に第1層と第2層とが積層された状態で熱処理を行い、該第1層と第2層との境界部分において、該第1層に含まれる導電性微粒子と該第2層に含まれる導電性微粒子と一体化させる第3の工程とを含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  14. 上記第1の工程で、上記第1層を形成する素材を含む第1溶液を基板に塗布し、焼結して第1層を形成し、
    上記第2の工程で、上記第2層を形成する素材を含む第2溶液を上記第1層上に塗布し、焼結して第2層を形成するとき、
    上記第1溶液と第2溶液の溶媒が同じであることを特徴とする請求項13に記載の配線基板の製造方法。
  15. 表示部を駆動するための駆動回路が設けられ、
    導電性微粒子を含み、基板上に接着された第1層上に、導電性材料からなる配線層としての第2層が積層され、
    上記第1層と第2層との境界に、上記導電性微粒子と導電性材料とが一体化して、該第1層と第2層とを結合するためのアンカー部材が形成されている配線基板を有することを特徴とする表示パネル。
  16. 熱処理することで導電性微粒子同士が結合して薄膜を基板上に形成するための微粒子薄膜材料において、
    導電性微粒子を含み、上記基板に接着するためのバインダー機能を有する第1層と、該第1層上に導電性微粒子を含む第2層とが積層されていることを特徴とする微粒子薄膜材料。
  17. 上記導電性微粒子は、金属微粒子であることを特徴とする請求項16に記載の微粒子薄膜材料。
  18. 上記導電性微粒子は、熱処理によって簡単に導電性微粒子同士が融合する導電材料からなることを特徴とする請求項16に記載の微粒子薄膜材料。
  19. 上記導電性微粒子は、粒径が100nm以下の導電材料からなることを特徴とする請求項18に記載の微粒子薄膜材料。
  20. 上記導電材料は、Agであることを特徴とする請求項19に記載の微粒子薄膜材料。
  21. 上記第1層の導電性微粒子の濃度は、上記第2層の導電性微粒子の濃度よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項16に記載の微粒子薄膜材料。
  22. 上記第1層の主成分は、上記基板の主成分と同じであることを特徴とする請求項16に記載の微粒子薄膜材料。
  23. 上記主成分はアルコキシル基を含んでいることを特徴とする請求項22に記載の微粒子薄膜材料。
  24. 上記主成分はエトキシシランであることを特徴とする請求項22に記載の微粒子薄膜材料。
  25. 導電性微粒子を含み、基板上に接着された第1層上に、導電性材料からなる配線層としての第2層が積層され、
    上記第1層と第2層との境界に、上記導電性微粒子と導電性材料とが一体化して、該第1層と第2層とを結合するためのアンカー部材が形成されていることを特徴とする薄膜層を備えた基板。
  26. 上記導電性微粒子が金属微粒子であり、導電性材料が金属材料であるとき、
    上記アンカー部材は、金属微粒子と金属材料で形成される金属粒であることを特徴とする請求項25に記載の薄膜層を備えた基板。
  27. 上記金属粒は、金属微粒子と金属材料とが金属結合をして形成されていることを特徴とする請求項25に記載の薄膜層を備えた基板。
  28. 基板上に、導電性微粒子を含み、該基板に接着するためのバインダー機能を有する第1層を形成する第1の工程と、
    第1の工程によって基板上に形成された第1層上に、導電性微粒子を含んだ第2層を形成する第2の工程と、
    基板上に第1層と第2層とが積層された状態で熱処理を行い、該第1層と第2層との境界部分において、該第1層に含まれる導電性微粒子と該第2層に含まれる導電性微粒子と一体化させる第3の工程とを含む薄膜層を備えたことを特徴とする基板の製造方法。
  29. 上記第1の工程で、上記第1層を形成する素材を含む第1溶液を基板に塗布し、焼結して第1層を形成し、
    上記第2の工程で、上記第2層を形成する素材を含む第2溶液を上記第1層上に塗布し、焼結して第2層を形成するとき、
    上記第1溶液と第2溶液の溶媒が同じであることを特徴とする請求項28に記載の薄膜層を備えた基板の製造方法。
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