JP2004240140A - 光学素子保持機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】ミラー等の光学素子の保持を行う接着剤の体積変化等による光学素子の傾き変化等に及ぼす影響を低減できる光学素子保持機構を提供する。
【解決手段】ミラー6を保持し、バネにより可動可能に支持されるミラーホルダ12には、ミラー6の位置決め用でミラー6の中心位置に対称な位置に壁42,44,45等が設けてあり、かつその根元内側にスリット44a,45a等が設けてあり、壁44,45の内側の面とこれに対向するミラー6の側面との間を接着剤47により接着固定することにより、接着剤47が体積変化等してもミラー6による反射面6aに及ぼす悪影響を低減できるようにした。
【選択図】 図9
【解決手段】ミラー6を保持し、バネにより可動可能に支持されるミラーホルダ12には、ミラー6の位置決め用でミラー6の中心位置に対称な位置に壁42,44,45等が設けてあり、かつその根元内側にスリット44a,45a等が設けてあり、壁44,45の内側の面とこれに対向するミラー6の側面との間を接着剤47により接着固定することにより、接着剤47が体積変化等してもミラー6による反射面6aに及ぼす悪影響を低減できるようにした。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、光磁気ディスクドライブ、追記型ディスクドライブ、相変化型ディスクドライブ、CD−ROM、DVD、光カード等の光記録媒体に対して情報を記録及び/または再生する情報記録再生装置や、光スキャナー、光通信用の光偏向器等の光学装置に使用する光学素子保持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気ディスクドライブ、追記型ディスクドライブ、相変化型ディスクドライブ、CD−ROM、DVD、光カード、走査型顕微鏡等の光記録媒体に対して情報を記録及び/または再生する情報記録再生装置の光学装置や、光スキャナー等の光学装置においては、光束を傾けるためにミラーが回転もしくは平行移動する機構が設けられ、該ミラーは駆動可能な保持部材、すなわちミラーホルダに接着された構造が広く用いられている。
【0003】
例えば、特開平11−231251号公報には、図28に示す様な装置が開示されている。図28のミラー回転駆動装置においては、ミラー90はその裏面に板バネ91が接着固定されており、弾性可能に支持されている。
【0004】
また前記板バネ91の一方の面に前記ミラー90が接着されており、他方の面にボビン92が接着固定されている。前記ボビン92の内側にはコイル94が接着固定されている。
【0005】
前記ボビン92の中央部にはマグネット93が配置されており、該マグネット93は非磁性材料のベース95と接着されている。前記コイル94に電流を印加することにより、前記マグネット93との間に電磁力が作用し、板バネ91で支持される可動部分は回転駆動する。また、ミラー90には可動部分の重心位置と回転中心とをほぼ一致させるために、バランサ96が接着固定されている。
【0006】
このようなミラー回転駆動装置は、駆動特性を向上させるために可動部は小さく軽量であることが望ましく、そのためミラーはできるたけ薄いことが望まれる。最近では例えば厚さ1mm以下で外形が2.5×3mmのミラーが用いられており、なおかつミラー反射面の面精度が高く要求されている。これは該反射面の面精度が悪いと、反射光の収差が悪化し、情報記録、再生特性あるいは光偏向器の入出力特性が低下し、製品特性上不利になるからである。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−231251号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上述のように薄厚のミラーを接着によって固定する場合は、接着剤の硬化収縮、熱膨張などの影響が大きく、接着による歪みの影響が問題となる。つまり接着固定されるミラーが薄くなるほど剛性が弱くなるため歪みの影響は大きくなり、前記のような回転駆動装置においては、薄型ミラーの歪みの問題を解決する必要がある。
【0009】
前記特開平11−231251号公報に記載の図28に示す様な装置では、ミラー90と支持部材としての板バネ91が面で接着される構造のため、接着剤の硬化収縮、また熱変化による膨張、収縮により前記ミラー90が歪みの影響を受けやすく、反射面の面精度が悪化することが予想される。
【0010】
特に、接着面積が広い場合ほどその影響は大きいため、前記ミラー90を裏面全体で接着する方法は歪みを考慮した接着構造とは言えない。また、接着面内で接着層の厚みに差が生じた際、例えば温度変化や吸湿により接着剤が膨張収縮した場合、前記ミラー面の傾きが変化したり歪みが生じるといった問題がある。
仮に接着面積を限定した接着構造を採用しても、接着位置によって前記ミラー90の歪みが悪化するため、接着面積を限定するだけでは解決に至らない。
【0011】
(発明の目的)
以上より本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、ミラー等の光学素子の保持を行うに際し、接着剤の応力歪みによる光学素子の面精度の悪化防止と、接着剤の体積変化による光学素子の傾き変化を抑制し、かつ回転駆動時の共振周波数低下が少ない光学素子保持機構を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学素子の保持機構は、反射面または受光面を有する光学素子と、この光学素子を保持する可動部材と、この可動部材を駆動可能に支持する支持機構とを有し、前記光学素子は前記可動部材に位置決めされて接着固定される光学素子の保持機構において、前記光学素子は側面で可動部材に保持される。また、本発明の光学素子の保持機構は前記光学素子の中心に対称な位置で可動部材に保持される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図9は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の光学素子保持機構を備えた光路切り替え装置の概略構成を示し、図3はミラー保持機構を備えたガルバノミラーの構成を示し、図2は図3を分解して示し、図4はミラーが取り付けられるミラーホルダ周辺部の構造を示し、図5は図4における矢視A方向から見たコイルの端末付近を示し、図6はミラーが取り付けられるミラーホルダを示し、図7は図6の断面図を示し、図8はミラー及びミラーが取り付けられるミラーホルダの概略構造を斜視図で示し、図9は図8でミラーを接着固定した場合におけるB−B断面図を示す。
【0014】
図1に示すように本発明の光学素子保持機構を備えたガルバノミラー(或いは光スイッチ)1を用いた光路切り替え装置2は1本の光ファイバ3から出射される光通信伝送用の光はレンズ4で平行光とされ、その入射光5はガルバノミラー装置1を構成するミラー6の前面(表面)の反射面6aに投射され、この反射面6aで反射されて反射光7となる。
【0015】
ミラー6は、互いに直交する2つの方向の回転軸OxとOyとで回転自在に支持されており、後述する2つのコイルに駆動信号を印加することにより、ミラー6を回転軸OxとOyの周りで自由に回動変位させて、反射面6aの傾き方向を自由に設定できるようにしている。
【0016】
上記ミラー6の反射面6aでの反射光7はこの反射光7の方向に略垂直な平面上に、例えば3段(行)、3列に配置された合計9つのレンズ8−1,8−2,…,8−9の内の一つに選択的に入射され、各レンズ8−i(i=1,2,…,9)の光軸上にそれぞれ配置された9本の光ファイバ9−iの内の1本に選択的に入射される(ように駆動信号でミラー6の反射面6aの傾き方向が制御される)。
【0017】
例えばミラー6を回転軸Oxの周りに傾けることによりミラー6での反射光7を図1の上下方向であるY方向に偏向させ、ミラー6を回転軸Oyの周りに傾けることによりミラー6での反射光7を図1の左右方向であるX方向に偏向させ、9つのレンズ8−1から8−9に選択的に入射させて、光ファイバ9−1から9−9に選択的に入射させることができる。
【0018】
これにより入射側の一本の光ファイバ3からの光を出力する光ファイバを9本の光ファイバ9−iから選択出力して光路切り替えを行うことができる。この入射光5と反射光7はガルバノミラー1のミラー6で偏向される主な光線である。
以下、このガルバノミラー1の具体的な構成を図2〜図5を参照して説明する。
【0019】
図2に分解して示されるようにガルバノミラー1は、ミラー6を保持するミラー保持機構11を有する。このミラー保持機構11は、光学素子としてのミラー6と、このミラー6が接着固定され、このミラー6を保持するミラーホルダ12と、このミラーホルダ12を支持する支持部材としてのバネ13により、前記ミラー6の中心を通る回転軸Ox,Oyの周りで回動自在に保持する固定部材としてのマグネットホルダ14とを備えて構成されている。
図3に示すようにガルバノミラー1は、ハウジング15の前側開口部に取り付けたマグネットホルダ14によりその中央部に配置したミラー6を垂直方向及びこれに直交する水平方向の2軸Ox,Oyの周りで回動自在に保持するミラー保持機構11と、ミラー6の2軸方向での回転変位をミラー6の裏面側のハウジング11内に配置した(2次元或いは2方向に対する光を利用した)位置検出機構とで構成されている。
【0020】
図2等に示すようにミラー6は正方形(ないしは長方形)の板形状であり、その表側の反射面6aは、例えば光通信に用いる主な光の波長1.5μmに対しての反射率が高い様にコーティング膜が施されている。また、このミラー6の裏面6bはセンサ用の光を発生するレーザ30の例えば波長780nmに対し反射率が高い様にコーティング膜が施されている。
【0021】
このミラー6は略四角枠状のミラーホルダ12の中央部の後述するミラー当接面41(図6、図7参照)に当接して、かつミラー当接面41における周囲の複数箇所に突設した後述する壁(リブ)42〜45により位置決めされた状態で、ミラー6の側面が接着固定される。
簡単に説明するとこのミラーホルダ12は、図4に示すように、中央の円形開口12cを設けたミラー当接面41の上下及び左右の周辺には、壁(壁部)42〜45が突設され、これらにより位置決めされミラー当接面41にミラー6の裏面6bが当接するように、ミラー6の側面で接着固定される。また壁42〜45の外側には第1のコイルC1が位置決めされて取り付けられる。
【0022】
なお、図4では示していないが、ミラー6の裏面6bが当接するミラー当接面41の背面側にも第2のコイルC2を位置決め固定するための壁が設けてあり、その外側に第2のコイルC2が位置決めされて取り付けられる。
つまり、このミラーホルダ12は第1のコイルC1及び第2のコイルC2を保持するコイルホルダの機能も有する。
【0023】
またミラーホルダ12の外周位置には、図4に示すように略円弧形状にした4本のバネ13(図4では13a、13b、13cで示している)が配置され、このバネ13の両端はマグネットホルダ14とミラーホルダ12とにインサート成形される。つまり図2では、バネ13とマグネットホルダ14及びミラーホルダ12とを分解して別体で示してあるが、以下のように、バネ13はマグネットホルダ14及びミラーホルダ12内にインサート成形される構成である。
【0024】
具体的には、図4に示すようにミラーホルダ12とマグネットホルダ14とがプラスチックで成形される時に、ベリリウム銅の20μmの箔をエッチング加工し表面に金メッキされた4本のバネ13が、その内側部分はミラーホルダ12のに、外側部分はマグネットホルダ14に最初にインサート成形され、その両端が保持される。
【0025】
そして、バネ13の前後両側に第1のコイルC1と第2のコイルC2とがミラーホルダ12に固定される。ミラー6が取り付けられるミラーホルダ12、及びこのミラーホルダ12の外周面に取り付けられる第1のコイルC1と第2のコイルC2は可動部を構成する。
【0026】
さらに詳細に説明すると、4本のバネ13は、図4に示すように、ミラーホルダ12の回転軸Oyに近い上面中央および下面中央のそれぞれ2箇所に一端が固定されており、その固定端付近は、回転軸Oyに平行となるように変形させた第1の変形部13aを有する。
【0027】
このバネ13の他端はマグネットホルダ14の回転軸Oxに近い左右の側面壁でそれぞれ2箇所固定されている。その他端の固定端付近は回転軸Oxに平行となるように変形された第2の変形部13bを有する。
【0028】
第1の変形部13aと第2の変形部13bを連結する連結部13cがミラーホルダ12の4角を取り囲む様に配置されている。この4本の変形部13a、連結部13c、変形部13bを有するバネ13が支持部材となる。
【0029】
第1の変形部13a付近にはその第1の変形部13aにミラーホルダ12の内部で接続されている半田付け部kが配置され、4個の半田付け部kに第1コイルC1及び第2のコイルC2の両端の端末が半田付けで接続固定される。
【0030】
第2の変形部13bの端部は、マグネットホルダ14の左右側面から内側に突出する長方形状の突出部18を貫通して、マグネットホルダ14内にインサートされているが、このインサート部はマグネットホルダ14の中を通り、マグネットホルダ14の外面に突出する4つの端子tに至っている。
【0031】
この4つの端子tに図示しないフレキシブルケーブルが半田付けされ、このフレキシブルケーブルを経て給電することにより4本のバネ13を介して2つのコイルC1,C2に駆動電流が供給され、可動部を回動させることができる。
【0032】
また、第1の変形部13a及び半田付け部kと、第2の変形部13b及び突出部18には紫外線硬化のシリコンゲルによりダンパD1,D2が付着形成され、バネ13両端部の振動に対するダンピングの機能を有している。
【0033】
図2、図3に示されるように水平方向に着磁された2つのマグネットm1はその背面にヨーク22が接着されて、その内側で第1のコイルC1が対向してその左右両側の位置でマグネットホルダ14に接着固定される。
そして、マグネットm1による磁界がその内側に対向配置された第1のコイルC1に作用する磁気回路が構成されている。
【0034】
また、上下方向に着磁された2つのマグネットm2は背面にヨーク23が接着されて、その内側に第2のコイルC2が対向してその上下両側の位置で、マグネットホルダ14に接着されている。
略四角枠状のマグネットホルダ14は例えば亜鉛ダイキヤストで成形されたハウジング15の開口する前面の取り付け面15aに接着されている。なお、ミラーホルダ12とマグネットホルダ14は非導電性プラスチックである例えばチタン酸ウイスカ入りの液晶ポリマーで成形されている。
上述のようにミラー6と、このミラー6を取り付けたミラーホルダ12、第1及び第2のコイルC1、C2は可動部を構成し、可動部の重心Gは回転軸Ox上で、かつ回転軸Oy上となるように配置されている。また、可動部の慣性主軸は回転軸Oxと回転軸Oyに一致している。
【0035】
また、図2に示すようにマグネットホルダ14の背面には、プレート24が固定されている。このプレート24はマグネットホルダ14の背面に取り付けられる本体部25と、この本体部25の中央部に形成され、その前面からマグネットホルダ14を貫通してミラー6の裏面6bに近接するように延在される先端を球面にした略円筒形の突起部26とを有し、この突起部26の先端とミラー6の裏面6bとの間に図示しないダンピング部材が設けられ、可動部の振動を減衰できるようにしている。
【0036】
このプレート24の突起部26は、本体部25の4角形の外枠部25aから中央に向けて上下、左右方向に延出した細い連結部25bにより本体部25と連結されている。
【0037】
また、図2に示すように、ハウジング15には、回転軸Ox,Oyの回りでのミラー6の傾きを検出する傾きセンサが取り付けられる。
つまり、ハウジング15には、センサ用の光源としてのレーザダイオード30がハウジング15の後端の開口部15bに圧入されて固着される。このレーザダイオード30の前方には、1/4波長板31を接合した偏光ビームスプリッタ(PBS)32が配置され、このPBS32の一側面32bがハウジング15の一方の内壁面に接着固定される。
【0038】
また、このPBS32の前方位置にレンズ33がハウジング15に接着固定される。そして、レーザ30によるレーザ光はPBS32、1/4波長板31、レンズ33を経て集光され、マグネットホルダ14に固定されたプレート24に形成された突起部26の周囲の空間を通り、ミラーホルダ12に保持されたミラー6の裏面6bに入射されるように構成されている。なお、ミラーホルダ12の中央部分には円形の開口12cが設けられ、レーザ光の通過窓を形成している(図4、図6参照)。
【0039】
また、図2に示すようにPBS32における接着面32bと反対側の側面に対向するように配置され、入射される光の2方向の光照射中心位置を検出する位置検出センサ(PSD)35がハウジング15の側面に設けた開口部に接着固定される。このPSD35はその受光部35aに入射された光の2方向(Y,Z方向)の中心位置を電圧で出力する2次元位置センサであり、例えば浜松ホトニクス(株)のS5990−01,S7848−01等を採用することができる。
【0040】
図4に示すように第1の変形部13a付近に形成した半田付け部kは突出部が短く、かつ回転軸に近い位置に配意され、ミラーホルダ12が回転軸Oyの周りに回動した場合でもこの半田付け部kが可動する範囲は小さくなるようにしてある。このため固定部側の部材配置スペースを広くとることができる。
【0041】
さらに半田付け部kは後述のようにコイルC1及びC2の端末が半田付けされるが、回転軸Oy近くに配置されているため半田重量を含んだ慣性モーメントを小さくできる利点がある。また、半田付け部kにはコイルC1及びC2の端末の導出部から遠い位置すなわち回転軸側に切り欠きが設けてある。
【0042】
また、図4のX′−X′断面をその垂直な矢視方向AからコイルC1側を見た図を図5に示す。
図5に示すように、コイルC1の端末C1bは、巻回された部分の端部となる端末導出部C1aから屈曲されて回転軸Oyに向かって誘出された後、半田付け部kの切り欠きに引っかけられる。ミラーホルダ12を小型化し十分作業スペースが確保出来ない場合でも、端末C1bを屈曲させて誘導することで容易に半田付け部kに絡げることが可能な形状となっている。
【0043】
また図5のようにコイルC1の端末C1bを絡げた後に半田付け部kに半田ペーストPを塗布し、コイルC1の端末C1bとバネ13の半田付け部kとが半田付けされ電気的に導通される。その後、コイル端末C1bは、半田付け部k付近で(具体的には図5のq−qの点線)でカットされる。
なお、コイルC1,C2とバネ13接続においては、半田付けではなく導電性接着剤を用いても良い。
【0044】
次に図6、図7を参照してミラーホルダ12のミラー接着保持に関する部分の概略形状を説明する。
なお図7は図6の中心Oを通る一つの回転軸Oyに沿った断面図である。図6においてミラーホルダ12は該ミラーホルダ12の中心Oを通る軸Ox、Oyの周りに回転するようにバネ13(図6で省略)で支持されている。またこの回転軸Ox、Oyはミラーホルダ12に接着固定される図示しないミラー面に対して中心軸をなす。
【0045】
ミラーホルダ12の外周には、中央に円形開口を設けたミラー当接面41より上部及び下部と、左右の側縁部のそれぞれ中央位置からミラー当接面41に垂直に壁42〜45が突設され、該壁42〜45の外側を囲むようにして第1のコイルC1が位置決め固定される。またミラーホルダ12の背面側にも壁42〜45と同様に壁42′〜45′が設けてあり、第2のコイルC2がこれらの壁の外側を囲むように位置決め固定される。なお、図7では壁42′、44′及び45′を示しているが、後述においては壁42〜45と同様であるので図示を省略している。
【0046】
図4の2点鎖線で示されるようにミラー6は、壁42〜45の内側に収まるように位置決めして載置される。つまり、壁42〜45の内側の壁面はミラー6の側面の位置を位置決めするように設けられている。また、ミラー6は図7に示す当接面41に裏面を当て付けして載置される。壁42と壁43は回転軸すなわちOxかつOyに関して対称となるような位置に設けられている。すなわち接着固定されることになるミラー6の中心軸に対しても対称な位置となるように設けてある。
【0047】
各々の壁42、43の幅a、bは図6に示すようにa=bである。また、壁44と壁45は回転軸OxかつOyに関して対称となるような位置にある。すなわち接着固定されることになるミラー6の中心軸にも対称な位置となるように設けてある。各々の壁44、45の幅c、dは図6に示すようにc=dである。なお、a及びcは同じでも異なっていても良い。
【0048】
このような配置とすることで壁42〜45により(その長さ方向の中央部分を中心として)ミラー6の側面と接着固定するようにすると、接着固定されるミラー6の中心に対して対称な形状(構造)となる。またミラー6の当接面41は図6に示すように傾きセンサ用のレーザ光が透過できるセンサ用のレーザ光透過孔となる開口12cが設けてある。
本実施の形態では、ミラー6を位置決めして接着固定するために、各壁42〜45に隣接してスリット42a〜45aを設けるようにしている。
【0049】
以下、図8及び図9を参照してミラー6の接着構造について説明する。以下のミラーホルダ12に関する図(具体的には図8以降)では、簡単化のためコイルC1、センサLD光透過孔としての開口12cは図示しない。
【0050】
上述のようにミラーホルダ12には、ミラー6の中心に対して対称となる位置に4箇所の壁42〜45が突出されており、4箇所の壁42〜45の内面により前記ミラー6を収めることで容易に位置決めが出来る構造となっている。
【0051】
前記ミラー6は、前記ミラーホルダ12に接着して固定されるが、接着方法はミラー6を壁42〜45の内側に入れる前に、前記壁42〜45の内側面に接着剤を先塗布する、あるいは前記ミラー6を収めた後に前記ミラー6と前記壁42〜45の隙間に後塗布でしみ込ませる方法の両方が可能である。
本実施の形態では前記壁42〜45の根元にミラーホルダ12の表裏を貫通するスリット42a〜45aを設けていることも特徴となっている。
【0052】
図9は図8において、ミラー6が接着された場合の構造を示す断面図であり、断面位置は図8のB−Bの位置である。
接着剤47は前記ミラー6の側面と壁44、45との隙間を埋めるようにして接着されるが、壁44、45の根元にスリット44a、45aがあるため、接着剤47が図9の下方に流れ出してもミラー6の裏面6bにしみ込む(或いは回り込む)ことを防止でき、ミラー側面と壁44、45の内面のみとの間で接着することが可能である。
【0053】
つまり壁44と壁45は、ミラーホルダ12に固定される前記ミラー6の中心に対して対称な位置にあることから、前記ミラー6の中心に対して対称な位置で前記ミラー6の側面のみで接着可能となる。
なお、壁42及び壁43においても、ミラー6側面と同様に接着剤47で接着固定される。
【0054】
このことが本実施の形態の利点であり、接着剤47が塗布後に、硬化収縮が生じてもミラー6は側面方向にすなわち反射面6aに対して水平な方向に均等に引っ張られるため、反射面6aに及ぼす歪みの影響を少なくできる。つまり、接着剤47の体積変化が発生しても反射面6aの面精度を悪化させる影響を防止できる。
またミラー6の裏面6bに接着剤47がしみ込んでしまうことがないため、接着剤47の膨張収縮による反射面6aの傾き変化も生じない。
【0055】
また、接着面積を単に限定した場合、例えば前記ミラー6の裏面中央1点のみ接着固定した場合では、反射面6aに及ぼす歪みの影響は軽減できるが接着剛性(或いは接着強度)が不足するため駆動時の共振周波数の低下が問題となる。 また、例えば側面一辺のみ接着固定した場合は、歪みの影響が軽減できるが、固定点が回転軸に対して非対称であるため高次共振等の駆動特性の劣化が問題となる。
【0056】
しかし本実施の形態の接着構造を採用することで、前記ミラー6の接着剛性を確保しつつ、かつ接着点をミラー6の中心に対し対称な位置としているため共振周波数低下、高次共振等の駆動特性劣化を少なくすることが可能となる。
【0057】
接着剤47は紫外線硬化型(UV硬化型)のアクリル系、エポキシ系の接着剤を用いることができる。中でも硬化収縮率が低く、接着力の高いエポキシ系の接着剤が望ましい。シリコーン系接着剤は硬化後の硬度が低く、歪みに対しては非常に有利だが、接着面積の小さい本実施の形態の場合では接着力量が低くなるという可能性があるため耐衝撃性等注意が必要である。
【0058】
また、接着剤47を硬化させる場合、紫外線にさらされる接着剤47の面積が少なくなるため、紫外線に加え、熱硬化、湿気硬化特性を有する接着剤が望ましい。たとえば、協立化学産業(株)のNo.8803SA(アクリル系UV硬化型)、No.8463(エポキシ系UV熱硬化型)、あるいは(株)スリーボンドのTB3164(シリコーン系UV湿気硬化型)などが使用できる。
【0059】
また作業タクト的に仮硬化を要しない場合にはUV硬化型接着剤のみならず(株)スリーボンドのTB1220D(シリコーン系湿気硬化型)、東レ・ダウコーニング社のJCR6125(シリコーン系熱硬化型)、SE9186(シリコーン系湿気硬化型)、信越シリコーンのKE109(RTVシリコーン2液混合付加硬化型)、GE東芝シリコーン社のTSE3221S(熱硬化型シリコーンゴム)などが使用できる。
【0060】
このように本実施の形態によれば、ミラー6の中心に対して対称な側面位置でミラー6を接着固定しているので、接着剤47による体積変化等による反射面6aに及ぼす影響を軽減でき、また共振周波数低下等を防止してミラー6を保持することができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を図10〜図12を参照して説明する。
図10は第2の実施の形態におけるミラーホルダ52を示す図である。本実施形態ではミラー6が載置されるミラーホルダ52のミラー当接面41に例えば貫通孔53〜56を設けていることを特徴としている。
【0062】
また、図11はミラー6の接着固定された場合を示す断面図であり、その断面位置は貫通孔53、54の中心を通る図10におけるC−Cの位置である。また、上記貫通孔53,54の位置は図12に示すH1及びH2等の位置である。
【0063】
すなわち、図12において、ミラーホルダ52における前記ミラー当接面41には、実線の円、つまり○で示すH1〜H4の貫通孔が設けてあり、孔H1〜H4はミラー6の中心軸Oおよび可動部の回転軸Ox、Oyに対する距離はe=f、g=hである。
【0064】
具体的には2点鎖線で示すミラー6の中心Oを通り、ミラー6の(2点鎖線で示す)対角線線上で中心から等距離の位置に孔H1〜H4が形成されている。そして、図12に示すように回転軸Oyから孔H1及びH2までの距離と回転軸Oyから孔H4及びH3までの距離、つまりe、fが等しく、回転軸Oxから孔H2及びH3までの距離と、回転軸Oxから孔H1及びH4までの距離、つまりg、hとが等しい,
このようにミラーホルダ52に設けた孔H1〜H4はミラー6の当接面41内で前記ミラー6の中心軸Oと前記可動部の回転軸Ox、Oyに対して対称な位置となる。また前記孔H1〜H4がミラー6の中心軸Oに対して対称な位置なら、前記孔H1〜H4の位置のみならず、2点鎖線で示す円○で示す孔I1〜I4でも良い。
さらに必ずしも4点である必要はなく、前記ミラー6の中心軸Oおよび可動部の回転軸Ox、Oyに対して対称であれば例えばI1とI3の2箇所、あるいはI2とI4の2箇所のみでも良い。
【0065】
以上よりミラー6は前記ミラーホルダ52に当接して載置されたあと、図11に示すようにミラーホルダ52の裏側から貫通孔53、54に接着剤58を充填するように塗布して接着される。また、図10の貫通孔55,56でも同様に接着される。
【0066】
本実施の形態では孔53等の開口部分でのみ接着されるので接着面積が少なくなり、また前記孔53〜56の位置は図12で示したように前記ミラー6の中心Oに対して対称な位置となるため、第1の実施の形態と同様に前記ミラー6の接着による歪みは軽減される。
なお、接着剤58はミラー6の裏面にしみ込まないように高粘度、少なくとも20000cps以上のもが望ましい。
【0067】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態を図13〜図15を参照して説明する。
図13は本発明の第3の実施の形態におけるミラーホルダ52Bを示す図である。本実施の形態ではミラーホルダ52Bに設けた壁42〜45にはミラー当接面41に平行に貫通孔42b〜45bを設けていることを特徴としている。
【0068】
また前記壁42〜45の配置は第1の実施の形態と同様に前記ミラー6の中心軸Oおよび可動部の回転軸Ox、Oyに対して対称な位置である。
図14は本実施の形態によって前記ミラー6が接着された場合の断面図であり、その断面位置は図13におけるD−D(孔44bと45bの中心を通る面)である。
【0069】
貫通孔42b〜45bの位置は図6で示す回転軸Ox、Oyを通る面に平行に設けられる。すなわち貫通孔42b〜45bは前記ミラー6の中心に対して対称な位置に配置される。前記ミラー6はミラー当接面41に載置されたあとに、貫通孔42b〜45bに接着剤59を塗布して固定される。
【0070】
すなわち、図14に示すように貫通孔44b、45bから接着剤59を塗布し、前記ミラー6の側面6c、6dと壁44、45とを接着固定する。この場合、側面からの塗布であるから、前記ミラー6の反射面6aの有効範囲への接着剤59のはみ出しの心配がなく、塗布しやすいという利点がある。
第1の実施の形態と同様にミラー6の側面のみが均等に接着されるので歪みの発生を軽減できる効果がある。
【0071】
また図15に示すようなミラーホルダ52Cにしても良い。つまり、図13、図14に示すミラーホルダ52Bにおいて、さらに第1の実施の形態で説明したように壁42、44、45(図示しない43)の根元にスリット44a、45a(図示しない42a、43a)を設けることで前記ミラー6の裏面への接着剤59のしみ込みをより防止できる。
なお、壁42〜45に設けた貫通孔42b〜45bは円形に限らない。
【0072】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態を図16〜図18を参照して説明する。
図16は本発明の第4の実施の形態におけるミラーホルダ12Bの一部を示す図である。また図17は図16で前記ミラー6が接着された場合の図16のE部を示す断面図であり、その断面位置は図16におけるF−Fである。
本実施の形態におけるミラーホルダ12Bは第1の実施の形態の変形例に近い構造である。
【0073】
つまり、本実施の形態におけるミラーホルダ12Bは、第1の実施の形態におけるミラーホルダ12と同じように壁42、44(及び図示しない壁43、45)の根元にそれぞれスリット42a、44a(図示しないスリット43a、45a)を設けてあり、さらに(本実施の形態では)各根元の脇に突起42c、44c(図示しない突起43c、45c)を設けて、ミラー6を接着固定するようにすることが特徴となっている。
また突起42c〜45cはミラー6の中心軸Oおよび可動部の回転軸Ox、Oyに対して対称な位置に配置されていると共に、突起42c〜45cの上面(先端面)は平坦にしている。
【0074】
前記ミラー6の固定手順は、まず、前記突起42c〜45cの先端面に接着剤60を塗布し、図17に示すように前記ミラー6を上から挿入して該ミラー6の裏面と前記突起42c〜45cの先端面が接着剤60を介して当接される。また前記ミラー6の側面は前記壁42〜45に収めることで容易に位置決めできることはこれまでの実施の形態と同様である。
【0075】
本実施の形態では、裏面を接着固定する場合でも、接着剤60は突起42c〜45cの段差状に突出する先端面によってミラー6の裏面に広がることなく、接着面積が突起42c〜45cの先端面に限定され、かつ接着箇所がミラー6の中心に対して対称な位置にあるため接着歪みの影響を軽減できる。
【0076】
なお、第1の実施の形態と同様に壁42〜45の根元には図16、図17で示したようにスリット42a〜45aを設けているがこれに限定されるものでなく、図18の断面図に示すように溝44d(或いは凹部)を設けたミラーホルダ12Cでも構わない。
【0077】
また本実施の形態の場合、接着剤60を硬化させる紫外線はミラー6の反射面6aを透過させることが必要になる場合もあるが、熱硬化あるいは湿気硬化などの付加硬化性を付与したUV接着剤にするとより望ましい。また、突起42c〜45cの形状は図示したような半円柱形状に限定されるものではなく、角柱形状など、他の形状で良いことは明らかである。
【0078】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態を図19〜図27を参照して説明する。
図19は本発明の第5の実施の形態におけるミラーホルダ52Dを示す図である。本実施の形態におけるミラーホルダ52Dでは第2の実施の形態と同じく、ミラー当接面41に貫通孔53〜56を有しており、本実施の形態ではさらに孔53〜56の周囲を囲むように例えば同心円状の溝53a〜56aをそれぞれ設けたことを特徴としている。
図20は前記ミラー6が接着された場合を示す断面図で、断面位置は図19のG−G(孔55、56の中心を通る)である。
【0079】
接着剤61の選定上、低粘度の接着剤を選定せざるを得ない場合でも図20に示すように溝55a、56aが接着剤61のたまり部となって(溝55a、56aの外側に配置される)前記ミラー6の裏面へのしみ込み(周り込み)を抑止することができ、接着面積を限定でき、前記ミラー6の接着歪みを軽減することが可能となる。
【0080】
従って溝53a〜56aの位置はできるだけ貫通孔近傍が望ましい。また第3の実施の形態のように側壁に貫通孔を設けた場合においても同様に孔の周囲に溝を設けることで同様の効果を得ることができる。
【0081】
この場合の断面図を図21に示す。すなわち、前記ミラー6はミラーホルダ52B′の壁44、45に設けられた貫通孔44b、45bに注入された接着剤62により前記壁44、45と前記ミラー6が側面6c、6dのみで接着される。接着剤62が低粘度の場合でも壁44、45に設けられた溝44d、45dにより接着剤62のしみ込み(周り込み)を抑止できる。
【0082】
次に上述した実施の形態の変形例を説明する。
第3の実施の形態では図13に示したように壁42〜45に貫通孔42b〜45bを設けていたが、図22に示す変形例のミラーホルダ72のように例えば壁45において、U字型の溝73を設けるように変更(変形)しても良い。なお、他の壁42〜44も同様に適用できる。
【0083】
図23は図22のミラーホルダ72にミラー6が接着された場合における壁45付近を示す断面図である、
図23に示すように溝73に接着剤74を塗布して壁45に前記ミラー6を接着しても同様な効果を得ることができる。また本変形例の形状にすることにより、接着剤74を容易に塗布できるという効果がある。
【0084】
あるいは、図24に示すミラーホルダ74のように、例えば壁44に切り欠き44eを設けるように変形しても良い。なお、図示しないが、他の壁42,43,45も同様である。
図25は図24のミラーホルダ74に前記ミラー6が接着された場合の壁44付近の断面図を示している。図25に示すように切り欠き44eに接着剤75を塗布してミラー6の側面6cと、ミラーホルダ74の壁44とを接着固定しても良い。
本変形例の構造でも接着剤75を容易に塗布できるといる効果がある。
【0085】
さらには図26に示すミラーホルダ82のように、例えば壁44に面取り部44fを設けても良い。なお、図示しないが、他の壁42,43,45も同様である。
【0086】
図27は図26のミラーホルダ82に前記ミラー6が接着された場合における壁44部分の断面図である。この壁44に設けられた前記面取り部44fに接着剤84を塗布して前記ミラー6の側面6cと前記壁44を接着しても同様の効果を得ることができる。また接着剤84を容易に塗布できるという効果がある。
【0087】
なお、上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせて構成される実施の形態等も本発明に属する。
また、上述した第1〜5の実施の形態は薄型で光を反射するミラー6を光学素子の1例としてそのミラー6の接着保持する方法について説明してきたが、本発明の光学素子保持機構はミラー6の保持に限定されるものではない。
【0088】
例えば反射或いは屈折するプリズム、屈折或いは回折する光学レンズ或いは回折レンズ、受光面を有する受光素子等、光学素子全般の保持機構として広く用いる事が可能である。また、本発明の光学素子保持機構は光通信用装置に限定されるものではなく、光磁気ディスクドライブ、DVD、光スキャナー等の光学素子を保持する光学装置に広く用いることが可能である。
【0089】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の光学素子保持機構によれば、接着剤の応力歪みによる光学面の面精度悪化と光学素子接着固定時の該光学素子の裏面しみ込みによる傾き変化を抑制し、かつ光学素子回動時における共振周波数低下などの駆動特性劣化を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子保持機構を備えた光路切り替え装置の概略構成図。
【図2】光学素子保持機構を備えたガルバノミラーを分解して示す斜視図。
【図3】光学素子保持機構を備えたガルバノミラーの構成を示す斜視図。
【図4】ミラーが取り付けられるミラーホルダ周辺部の構造を示す正面図。
【図5】図4における矢視A方向から見たコイルの端末付近を示す図。
【図6】ミラーが取り付けられるミラーホルダの正面図。
【図7】図6の断面図。
【図8】ミラー及びミラーが取り付けられるミラーホルダの構造を示す斜視図。
【図9】図8でミラーを接着固定した場合におけるB−B断面図。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるミラー及びミラーが取り付けられるミラーホルダの構造を示す斜視図。
【図11】図10でミラーを接着固定した場合におけるC−C断面図。
【図12】貫通孔の位置を示すためのミラーホルダを示す正面図。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるミラー及びミラーが取り付けられるミラーホルダの構造を示す斜視図。
【図14】図13でミラーを接着固定した場合におけるD−D断面図。
【図15】第3の実施の形態でさらにスリットを設けた第1変形例におけるミラーを接着固定した部分の断面図。
【図16】本発明の第4の実施の形態におけるミラーホルダの一部を示す斜視図。
【図17】図16でミラーを接着固定した場合におけるE部を示すF−F断面図。
【図18】第4の実施の形態でスリットの代わりに溝部にした変形例におけるミラーを接着固定した部分の断面図。
【図19】本発明の第5の実施の形態におけるミラーホルダの構造を示す斜視図。
【図20】図19でミラーを接着固定した場合におけるG−G断面図。
【図21】第3の実施の形態において、貫通孔の周囲に溝部を設けた第2変形例におけるミラーを接着固定した部分の断面図。
【図22】第3の実施の形態において、貫通孔の代わりにU字型の溝部を設けた第3変形例におけるミラーホルダの一部を示す斜視図。
【図23】図22において、ミラーを接着固定した部分を示す断面図。
【図24】第3の実施の形態において、貫通孔の代わりに切り欠き部を設けた第4変形例におけるミラーホルダの一部を示す斜視図。
【図25】図24において、ミラーを接着固定した部分を示す断面図。
【図26】第3の実施の形態において、貫通孔の代わりに面取り部を設けた第5変形例におけるミラーホルダの一部を示す斜視図。
【図27】図26において、ミラーを接着固定した部分を示す断面図。
【図28】従来例のミラー保持機構の構造を示す図。
【符号の説明】
1…ガルバノミラー
2…光路切り替え装置
3…光ファイバ
6…ミラー
6a…反射面
11…ミラー保持機構
12…ミラーホルダ
13…バネ
14…マグネットホルダ
15…ハウジング
24…プレート
30…レーザ
35…PBS
41…当接面
42〜45…壁
42a〜45a…スリット
47…接着剤
C1,C2…コイル
m1,m2…マグネット
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、光磁気ディスクドライブ、追記型ディスクドライブ、相変化型ディスクドライブ、CD−ROM、DVD、光カード等の光記録媒体に対して情報を記録及び/または再生する情報記録再生装置や、光スキャナー、光通信用の光偏向器等の光学装置に使用する光学素子保持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気ディスクドライブ、追記型ディスクドライブ、相変化型ディスクドライブ、CD−ROM、DVD、光カード、走査型顕微鏡等の光記録媒体に対して情報を記録及び/または再生する情報記録再生装置の光学装置や、光スキャナー等の光学装置においては、光束を傾けるためにミラーが回転もしくは平行移動する機構が設けられ、該ミラーは駆動可能な保持部材、すなわちミラーホルダに接着された構造が広く用いられている。
【0003】
例えば、特開平11−231251号公報には、図28に示す様な装置が開示されている。図28のミラー回転駆動装置においては、ミラー90はその裏面に板バネ91が接着固定されており、弾性可能に支持されている。
【0004】
また前記板バネ91の一方の面に前記ミラー90が接着されており、他方の面にボビン92が接着固定されている。前記ボビン92の内側にはコイル94が接着固定されている。
【0005】
前記ボビン92の中央部にはマグネット93が配置されており、該マグネット93は非磁性材料のベース95と接着されている。前記コイル94に電流を印加することにより、前記マグネット93との間に電磁力が作用し、板バネ91で支持される可動部分は回転駆動する。また、ミラー90には可動部分の重心位置と回転中心とをほぼ一致させるために、バランサ96が接着固定されている。
【0006】
このようなミラー回転駆動装置は、駆動特性を向上させるために可動部は小さく軽量であることが望ましく、そのためミラーはできるたけ薄いことが望まれる。最近では例えば厚さ1mm以下で外形が2.5×3mmのミラーが用いられており、なおかつミラー反射面の面精度が高く要求されている。これは該反射面の面精度が悪いと、反射光の収差が悪化し、情報記録、再生特性あるいは光偏向器の入出力特性が低下し、製品特性上不利になるからである。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−231251号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上述のように薄厚のミラーを接着によって固定する場合は、接着剤の硬化収縮、熱膨張などの影響が大きく、接着による歪みの影響が問題となる。つまり接着固定されるミラーが薄くなるほど剛性が弱くなるため歪みの影響は大きくなり、前記のような回転駆動装置においては、薄型ミラーの歪みの問題を解決する必要がある。
【0009】
前記特開平11−231251号公報に記載の図28に示す様な装置では、ミラー90と支持部材としての板バネ91が面で接着される構造のため、接着剤の硬化収縮、また熱変化による膨張、収縮により前記ミラー90が歪みの影響を受けやすく、反射面の面精度が悪化することが予想される。
【0010】
特に、接着面積が広い場合ほどその影響は大きいため、前記ミラー90を裏面全体で接着する方法は歪みを考慮した接着構造とは言えない。また、接着面内で接着層の厚みに差が生じた際、例えば温度変化や吸湿により接着剤が膨張収縮した場合、前記ミラー面の傾きが変化したり歪みが生じるといった問題がある。
仮に接着面積を限定した接着構造を採用しても、接着位置によって前記ミラー90の歪みが悪化するため、接着面積を限定するだけでは解決に至らない。
【0011】
(発明の目的)
以上より本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、ミラー等の光学素子の保持を行うに際し、接着剤の応力歪みによる光学素子の面精度の悪化防止と、接着剤の体積変化による光学素子の傾き変化を抑制し、かつ回転駆動時の共振周波数低下が少ない光学素子保持機構を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学素子の保持機構は、反射面または受光面を有する光学素子と、この光学素子を保持する可動部材と、この可動部材を駆動可能に支持する支持機構とを有し、前記光学素子は前記可動部材に位置決めされて接着固定される光学素子の保持機構において、前記光学素子は側面で可動部材に保持される。また、本発明の光学素子の保持機構は前記光学素子の中心に対称な位置で可動部材に保持される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図9は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の光学素子保持機構を備えた光路切り替え装置の概略構成を示し、図3はミラー保持機構を備えたガルバノミラーの構成を示し、図2は図3を分解して示し、図4はミラーが取り付けられるミラーホルダ周辺部の構造を示し、図5は図4における矢視A方向から見たコイルの端末付近を示し、図6はミラーが取り付けられるミラーホルダを示し、図7は図6の断面図を示し、図8はミラー及びミラーが取り付けられるミラーホルダの概略構造を斜視図で示し、図9は図8でミラーを接着固定した場合におけるB−B断面図を示す。
【0014】
図1に示すように本発明の光学素子保持機構を備えたガルバノミラー(或いは光スイッチ)1を用いた光路切り替え装置2は1本の光ファイバ3から出射される光通信伝送用の光はレンズ4で平行光とされ、その入射光5はガルバノミラー装置1を構成するミラー6の前面(表面)の反射面6aに投射され、この反射面6aで反射されて反射光7となる。
【0015】
ミラー6は、互いに直交する2つの方向の回転軸OxとOyとで回転自在に支持されており、後述する2つのコイルに駆動信号を印加することにより、ミラー6を回転軸OxとOyの周りで自由に回動変位させて、反射面6aの傾き方向を自由に設定できるようにしている。
【0016】
上記ミラー6の反射面6aでの反射光7はこの反射光7の方向に略垂直な平面上に、例えば3段(行)、3列に配置された合計9つのレンズ8−1,8−2,…,8−9の内の一つに選択的に入射され、各レンズ8−i(i=1,2,…,9)の光軸上にそれぞれ配置された9本の光ファイバ9−iの内の1本に選択的に入射される(ように駆動信号でミラー6の反射面6aの傾き方向が制御される)。
【0017】
例えばミラー6を回転軸Oxの周りに傾けることによりミラー6での反射光7を図1の上下方向であるY方向に偏向させ、ミラー6を回転軸Oyの周りに傾けることによりミラー6での反射光7を図1の左右方向であるX方向に偏向させ、9つのレンズ8−1から8−9に選択的に入射させて、光ファイバ9−1から9−9に選択的に入射させることができる。
【0018】
これにより入射側の一本の光ファイバ3からの光を出力する光ファイバを9本の光ファイバ9−iから選択出力して光路切り替えを行うことができる。この入射光5と反射光7はガルバノミラー1のミラー6で偏向される主な光線である。
以下、このガルバノミラー1の具体的な構成を図2〜図5を参照して説明する。
【0019】
図2に分解して示されるようにガルバノミラー1は、ミラー6を保持するミラー保持機構11を有する。このミラー保持機構11は、光学素子としてのミラー6と、このミラー6が接着固定され、このミラー6を保持するミラーホルダ12と、このミラーホルダ12を支持する支持部材としてのバネ13により、前記ミラー6の中心を通る回転軸Ox,Oyの周りで回動自在に保持する固定部材としてのマグネットホルダ14とを備えて構成されている。
図3に示すようにガルバノミラー1は、ハウジング15の前側開口部に取り付けたマグネットホルダ14によりその中央部に配置したミラー6を垂直方向及びこれに直交する水平方向の2軸Ox,Oyの周りで回動自在に保持するミラー保持機構11と、ミラー6の2軸方向での回転変位をミラー6の裏面側のハウジング11内に配置した(2次元或いは2方向に対する光を利用した)位置検出機構とで構成されている。
【0020】
図2等に示すようにミラー6は正方形(ないしは長方形)の板形状であり、その表側の反射面6aは、例えば光通信に用いる主な光の波長1.5μmに対しての反射率が高い様にコーティング膜が施されている。また、このミラー6の裏面6bはセンサ用の光を発生するレーザ30の例えば波長780nmに対し反射率が高い様にコーティング膜が施されている。
【0021】
このミラー6は略四角枠状のミラーホルダ12の中央部の後述するミラー当接面41(図6、図7参照)に当接して、かつミラー当接面41における周囲の複数箇所に突設した後述する壁(リブ)42〜45により位置決めされた状態で、ミラー6の側面が接着固定される。
簡単に説明するとこのミラーホルダ12は、図4に示すように、中央の円形開口12cを設けたミラー当接面41の上下及び左右の周辺には、壁(壁部)42〜45が突設され、これらにより位置決めされミラー当接面41にミラー6の裏面6bが当接するように、ミラー6の側面で接着固定される。また壁42〜45の外側には第1のコイルC1が位置決めされて取り付けられる。
【0022】
なお、図4では示していないが、ミラー6の裏面6bが当接するミラー当接面41の背面側にも第2のコイルC2を位置決め固定するための壁が設けてあり、その外側に第2のコイルC2が位置決めされて取り付けられる。
つまり、このミラーホルダ12は第1のコイルC1及び第2のコイルC2を保持するコイルホルダの機能も有する。
【0023】
またミラーホルダ12の外周位置には、図4に示すように略円弧形状にした4本のバネ13(図4では13a、13b、13cで示している)が配置され、このバネ13の両端はマグネットホルダ14とミラーホルダ12とにインサート成形される。つまり図2では、バネ13とマグネットホルダ14及びミラーホルダ12とを分解して別体で示してあるが、以下のように、バネ13はマグネットホルダ14及びミラーホルダ12内にインサート成形される構成である。
【0024】
具体的には、図4に示すようにミラーホルダ12とマグネットホルダ14とがプラスチックで成形される時に、ベリリウム銅の20μmの箔をエッチング加工し表面に金メッキされた4本のバネ13が、その内側部分はミラーホルダ12のに、外側部分はマグネットホルダ14に最初にインサート成形され、その両端が保持される。
【0025】
そして、バネ13の前後両側に第1のコイルC1と第2のコイルC2とがミラーホルダ12に固定される。ミラー6が取り付けられるミラーホルダ12、及びこのミラーホルダ12の外周面に取り付けられる第1のコイルC1と第2のコイルC2は可動部を構成する。
【0026】
さらに詳細に説明すると、4本のバネ13は、図4に示すように、ミラーホルダ12の回転軸Oyに近い上面中央および下面中央のそれぞれ2箇所に一端が固定されており、その固定端付近は、回転軸Oyに平行となるように変形させた第1の変形部13aを有する。
【0027】
このバネ13の他端はマグネットホルダ14の回転軸Oxに近い左右の側面壁でそれぞれ2箇所固定されている。その他端の固定端付近は回転軸Oxに平行となるように変形された第2の変形部13bを有する。
【0028】
第1の変形部13aと第2の変形部13bを連結する連結部13cがミラーホルダ12の4角を取り囲む様に配置されている。この4本の変形部13a、連結部13c、変形部13bを有するバネ13が支持部材となる。
【0029】
第1の変形部13a付近にはその第1の変形部13aにミラーホルダ12の内部で接続されている半田付け部kが配置され、4個の半田付け部kに第1コイルC1及び第2のコイルC2の両端の端末が半田付けで接続固定される。
【0030】
第2の変形部13bの端部は、マグネットホルダ14の左右側面から内側に突出する長方形状の突出部18を貫通して、マグネットホルダ14内にインサートされているが、このインサート部はマグネットホルダ14の中を通り、マグネットホルダ14の外面に突出する4つの端子tに至っている。
【0031】
この4つの端子tに図示しないフレキシブルケーブルが半田付けされ、このフレキシブルケーブルを経て給電することにより4本のバネ13を介して2つのコイルC1,C2に駆動電流が供給され、可動部を回動させることができる。
【0032】
また、第1の変形部13a及び半田付け部kと、第2の変形部13b及び突出部18には紫外線硬化のシリコンゲルによりダンパD1,D2が付着形成され、バネ13両端部の振動に対するダンピングの機能を有している。
【0033】
図2、図3に示されるように水平方向に着磁された2つのマグネットm1はその背面にヨーク22が接着されて、その内側で第1のコイルC1が対向してその左右両側の位置でマグネットホルダ14に接着固定される。
そして、マグネットm1による磁界がその内側に対向配置された第1のコイルC1に作用する磁気回路が構成されている。
【0034】
また、上下方向に着磁された2つのマグネットm2は背面にヨーク23が接着されて、その内側に第2のコイルC2が対向してその上下両側の位置で、マグネットホルダ14に接着されている。
略四角枠状のマグネットホルダ14は例えば亜鉛ダイキヤストで成形されたハウジング15の開口する前面の取り付け面15aに接着されている。なお、ミラーホルダ12とマグネットホルダ14は非導電性プラスチックである例えばチタン酸ウイスカ入りの液晶ポリマーで成形されている。
上述のようにミラー6と、このミラー6を取り付けたミラーホルダ12、第1及び第2のコイルC1、C2は可動部を構成し、可動部の重心Gは回転軸Ox上で、かつ回転軸Oy上となるように配置されている。また、可動部の慣性主軸は回転軸Oxと回転軸Oyに一致している。
【0035】
また、図2に示すようにマグネットホルダ14の背面には、プレート24が固定されている。このプレート24はマグネットホルダ14の背面に取り付けられる本体部25と、この本体部25の中央部に形成され、その前面からマグネットホルダ14を貫通してミラー6の裏面6bに近接するように延在される先端を球面にした略円筒形の突起部26とを有し、この突起部26の先端とミラー6の裏面6bとの間に図示しないダンピング部材が設けられ、可動部の振動を減衰できるようにしている。
【0036】
このプレート24の突起部26は、本体部25の4角形の外枠部25aから中央に向けて上下、左右方向に延出した細い連結部25bにより本体部25と連結されている。
【0037】
また、図2に示すように、ハウジング15には、回転軸Ox,Oyの回りでのミラー6の傾きを検出する傾きセンサが取り付けられる。
つまり、ハウジング15には、センサ用の光源としてのレーザダイオード30がハウジング15の後端の開口部15bに圧入されて固着される。このレーザダイオード30の前方には、1/4波長板31を接合した偏光ビームスプリッタ(PBS)32が配置され、このPBS32の一側面32bがハウジング15の一方の内壁面に接着固定される。
【0038】
また、このPBS32の前方位置にレンズ33がハウジング15に接着固定される。そして、レーザ30によるレーザ光はPBS32、1/4波長板31、レンズ33を経て集光され、マグネットホルダ14に固定されたプレート24に形成された突起部26の周囲の空間を通り、ミラーホルダ12に保持されたミラー6の裏面6bに入射されるように構成されている。なお、ミラーホルダ12の中央部分には円形の開口12cが設けられ、レーザ光の通過窓を形成している(図4、図6参照)。
【0039】
また、図2に示すようにPBS32における接着面32bと反対側の側面に対向するように配置され、入射される光の2方向の光照射中心位置を検出する位置検出センサ(PSD)35がハウジング15の側面に設けた開口部に接着固定される。このPSD35はその受光部35aに入射された光の2方向(Y,Z方向)の中心位置を電圧で出力する2次元位置センサであり、例えば浜松ホトニクス(株)のS5990−01,S7848−01等を採用することができる。
【0040】
図4に示すように第1の変形部13a付近に形成した半田付け部kは突出部が短く、かつ回転軸に近い位置に配意され、ミラーホルダ12が回転軸Oyの周りに回動した場合でもこの半田付け部kが可動する範囲は小さくなるようにしてある。このため固定部側の部材配置スペースを広くとることができる。
【0041】
さらに半田付け部kは後述のようにコイルC1及びC2の端末が半田付けされるが、回転軸Oy近くに配置されているため半田重量を含んだ慣性モーメントを小さくできる利点がある。また、半田付け部kにはコイルC1及びC2の端末の導出部から遠い位置すなわち回転軸側に切り欠きが設けてある。
【0042】
また、図4のX′−X′断面をその垂直な矢視方向AからコイルC1側を見た図を図5に示す。
図5に示すように、コイルC1の端末C1bは、巻回された部分の端部となる端末導出部C1aから屈曲されて回転軸Oyに向かって誘出された後、半田付け部kの切り欠きに引っかけられる。ミラーホルダ12を小型化し十分作業スペースが確保出来ない場合でも、端末C1bを屈曲させて誘導することで容易に半田付け部kに絡げることが可能な形状となっている。
【0043】
また図5のようにコイルC1の端末C1bを絡げた後に半田付け部kに半田ペーストPを塗布し、コイルC1の端末C1bとバネ13の半田付け部kとが半田付けされ電気的に導通される。その後、コイル端末C1bは、半田付け部k付近で(具体的には図5のq−qの点線)でカットされる。
なお、コイルC1,C2とバネ13接続においては、半田付けではなく導電性接着剤を用いても良い。
【0044】
次に図6、図7を参照してミラーホルダ12のミラー接着保持に関する部分の概略形状を説明する。
なお図7は図6の中心Oを通る一つの回転軸Oyに沿った断面図である。図6においてミラーホルダ12は該ミラーホルダ12の中心Oを通る軸Ox、Oyの周りに回転するようにバネ13(図6で省略)で支持されている。またこの回転軸Ox、Oyはミラーホルダ12に接着固定される図示しないミラー面に対して中心軸をなす。
【0045】
ミラーホルダ12の外周には、中央に円形開口を設けたミラー当接面41より上部及び下部と、左右の側縁部のそれぞれ中央位置からミラー当接面41に垂直に壁42〜45が突設され、該壁42〜45の外側を囲むようにして第1のコイルC1が位置決め固定される。またミラーホルダ12の背面側にも壁42〜45と同様に壁42′〜45′が設けてあり、第2のコイルC2がこれらの壁の外側を囲むように位置決め固定される。なお、図7では壁42′、44′及び45′を示しているが、後述においては壁42〜45と同様であるので図示を省略している。
【0046】
図4の2点鎖線で示されるようにミラー6は、壁42〜45の内側に収まるように位置決めして載置される。つまり、壁42〜45の内側の壁面はミラー6の側面の位置を位置決めするように設けられている。また、ミラー6は図7に示す当接面41に裏面を当て付けして載置される。壁42と壁43は回転軸すなわちOxかつOyに関して対称となるような位置に設けられている。すなわち接着固定されることになるミラー6の中心軸に対しても対称な位置となるように設けてある。
【0047】
各々の壁42、43の幅a、bは図6に示すようにa=bである。また、壁44と壁45は回転軸OxかつOyに関して対称となるような位置にある。すなわち接着固定されることになるミラー6の中心軸にも対称な位置となるように設けてある。各々の壁44、45の幅c、dは図6に示すようにc=dである。なお、a及びcは同じでも異なっていても良い。
【0048】
このような配置とすることで壁42〜45により(その長さ方向の中央部分を中心として)ミラー6の側面と接着固定するようにすると、接着固定されるミラー6の中心に対して対称な形状(構造)となる。またミラー6の当接面41は図6に示すように傾きセンサ用のレーザ光が透過できるセンサ用のレーザ光透過孔となる開口12cが設けてある。
本実施の形態では、ミラー6を位置決めして接着固定するために、各壁42〜45に隣接してスリット42a〜45aを設けるようにしている。
【0049】
以下、図8及び図9を参照してミラー6の接着構造について説明する。以下のミラーホルダ12に関する図(具体的には図8以降)では、簡単化のためコイルC1、センサLD光透過孔としての開口12cは図示しない。
【0050】
上述のようにミラーホルダ12には、ミラー6の中心に対して対称となる位置に4箇所の壁42〜45が突出されており、4箇所の壁42〜45の内面により前記ミラー6を収めることで容易に位置決めが出来る構造となっている。
【0051】
前記ミラー6は、前記ミラーホルダ12に接着して固定されるが、接着方法はミラー6を壁42〜45の内側に入れる前に、前記壁42〜45の内側面に接着剤を先塗布する、あるいは前記ミラー6を収めた後に前記ミラー6と前記壁42〜45の隙間に後塗布でしみ込ませる方法の両方が可能である。
本実施の形態では前記壁42〜45の根元にミラーホルダ12の表裏を貫通するスリット42a〜45aを設けていることも特徴となっている。
【0052】
図9は図8において、ミラー6が接着された場合の構造を示す断面図であり、断面位置は図8のB−Bの位置である。
接着剤47は前記ミラー6の側面と壁44、45との隙間を埋めるようにして接着されるが、壁44、45の根元にスリット44a、45aがあるため、接着剤47が図9の下方に流れ出してもミラー6の裏面6bにしみ込む(或いは回り込む)ことを防止でき、ミラー側面と壁44、45の内面のみとの間で接着することが可能である。
【0053】
つまり壁44と壁45は、ミラーホルダ12に固定される前記ミラー6の中心に対して対称な位置にあることから、前記ミラー6の中心に対して対称な位置で前記ミラー6の側面のみで接着可能となる。
なお、壁42及び壁43においても、ミラー6側面と同様に接着剤47で接着固定される。
【0054】
このことが本実施の形態の利点であり、接着剤47が塗布後に、硬化収縮が生じてもミラー6は側面方向にすなわち反射面6aに対して水平な方向に均等に引っ張られるため、反射面6aに及ぼす歪みの影響を少なくできる。つまり、接着剤47の体積変化が発生しても反射面6aの面精度を悪化させる影響を防止できる。
またミラー6の裏面6bに接着剤47がしみ込んでしまうことがないため、接着剤47の膨張収縮による反射面6aの傾き変化も生じない。
【0055】
また、接着面積を単に限定した場合、例えば前記ミラー6の裏面中央1点のみ接着固定した場合では、反射面6aに及ぼす歪みの影響は軽減できるが接着剛性(或いは接着強度)が不足するため駆動時の共振周波数の低下が問題となる。 また、例えば側面一辺のみ接着固定した場合は、歪みの影響が軽減できるが、固定点が回転軸に対して非対称であるため高次共振等の駆動特性の劣化が問題となる。
【0056】
しかし本実施の形態の接着構造を採用することで、前記ミラー6の接着剛性を確保しつつ、かつ接着点をミラー6の中心に対し対称な位置としているため共振周波数低下、高次共振等の駆動特性劣化を少なくすることが可能となる。
【0057】
接着剤47は紫外線硬化型(UV硬化型)のアクリル系、エポキシ系の接着剤を用いることができる。中でも硬化収縮率が低く、接着力の高いエポキシ系の接着剤が望ましい。シリコーン系接着剤は硬化後の硬度が低く、歪みに対しては非常に有利だが、接着面積の小さい本実施の形態の場合では接着力量が低くなるという可能性があるため耐衝撃性等注意が必要である。
【0058】
また、接着剤47を硬化させる場合、紫外線にさらされる接着剤47の面積が少なくなるため、紫外線に加え、熱硬化、湿気硬化特性を有する接着剤が望ましい。たとえば、協立化学産業(株)のNo.8803SA(アクリル系UV硬化型)、No.8463(エポキシ系UV熱硬化型)、あるいは(株)スリーボンドのTB3164(シリコーン系UV湿気硬化型)などが使用できる。
【0059】
また作業タクト的に仮硬化を要しない場合にはUV硬化型接着剤のみならず(株)スリーボンドのTB1220D(シリコーン系湿気硬化型)、東レ・ダウコーニング社のJCR6125(シリコーン系熱硬化型)、SE9186(シリコーン系湿気硬化型)、信越シリコーンのKE109(RTVシリコーン2液混合付加硬化型)、GE東芝シリコーン社のTSE3221S(熱硬化型シリコーンゴム)などが使用できる。
【0060】
このように本実施の形態によれば、ミラー6の中心に対して対称な側面位置でミラー6を接着固定しているので、接着剤47による体積変化等による反射面6aに及ぼす影響を軽減でき、また共振周波数低下等を防止してミラー6を保持することができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を図10〜図12を参照して説明する。
図10は第2の実施の形態におけるミラーホルダ52を示す図である。本実施形態ではミラー6が載置されるミラーホルダ52のミラー当接面41に例えば貫通孔53〜56を設けていることを特徴としている。
【0062】
また、図11はミラー6の接着固定された場合を示す断面図であり、その断面位置は貫通孔53、54の中心を通る図10におけるC−Cの位置である。また、上記貫通孔53,54の位置は図12に示すH1及びH2等の位置である。
【0063】
すなわち、図12において、ミラーホルダ52における前記ミラー当接面41には、実線の円、つまり○で示すH1〜H4の貫通孔が設けてあり、孔H1〜H4はミラー6の中心軸Oおよび可動部の回転軸Ox、Oyに対する距離はe=f、g=hである。
【0064】
具体的には2点鎖線で示すミラー6の中心Oを通り、ミラー6の(2点鎖線で示す)対角線線上で中心から等距離の位置に孔H1〜H4が形成されている。そして、図12に示すように回転軸Oyから孔H1及びH2までの距離と回転軸Oyから孔H4及びH3までの距離、つまりe、fが等しく、回転軸Oxから孔H2及びH3までの距離と、回転軸Oxから孔H1及びH4までの距離、つまりg、hとが等しい,
このようにミラーホルダ52に設けた孔H1〜H4はミラー6の当接面41内で前記ミラー6の中心軸Oと前記可動部の回転軸Ox、Oyに対して対称な位置となる。また前記孔H1〜H4がミラー6の中心軸Oに対して対称な位置なら、前記孔H1〜H4の位置のみならず、2点鎖線で示す円○で示す孔I1〜I4でも良い。
さらに必ずしも4点である必要はなく、前記ミラー6の中心軸Oおよび可動部の回転軸Ox、Oyに対して対称であれば例えばI1とI3の2箇所、あるいはI2とI4の2箇所のみでも良い。
【0065】
以上よりミラー6は前記ミラーホルダ52に当接して載置されたあと、図11に示すようにミラーホルダ52の裏側から貫通孔53、54に接着剤58を充填するように塗布して接着される。また、図10の貫通孔55,56でも同様に接着される。
【0066】
本実施の形態では孔53等の開口部分でのみ接着されるので接着面積が少なくなり、また前記孔53〜56の位置は図12で示したように前記ミラー6の中心Oに対して対称な位置となるため、第1の実施の形態と同様に前記ミラー6の接着による歪みは軽減される。
なお、接着剤58はミラー6の裏面にしみ込まないように高粘度、少なくとも20000cps以上のもが望ましい。
【0067】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態を図13〜図15を参照して説明する。
図13は本発明の第3の実施の形態におけるミラーホルダ52Bを示す図である。本実施の形態ではミラーホルダ52Bに設けた壁42〜45にはミラー当接面41に平行に貫通孔42b〜45bを設けていることを特徴としている。
【0068】
また前記壁42〜45の配置は第1の実施の形態と同様に前記ミラー6の中心軸Oおよび可動部の回転軸Ox、Oyに対して対称な位置である。
図14は本実施の形態によって前記ミラー6が接着された場合の断面図であり、その断面位置は図13におけるD−D(孔44bと45bの中心を通る面)である。
【0069】
貫通孔42b〜45bの位置は図6で示す回転軸Ox、Oyを通る面に平行に設けられる。すなわち貫通孔42b〜45bは前記ミラー6の中心に対して対称な位置に配置される。前記ミラー6はミラー当接面41に載置されたあとに、貫通孔42b〜45bに接着剤59を塗布して固定される。
【0070】
すなわち、図14に示すように貫通孔44b、45bから接着剤59を塗布し、前記ミラー6の側面6c、6dと壁44、45とを接着固定する。この場合、側面からの塗布であるから、前記ミラー6の反射面6aの有効範囲への接着剤59のはみ出しの心配がなく、塗布しやすいという利点がある。
第1の実施の形態と同様にミラー6の側面のみが均等に接着されるので歪みの発生を軽減できる効果がある。
【0071】
また図15に示すようなミラーホルダ52Cにしても良い。つまり、図13、図14に示すミラーホルダ52Bにおいて、さらに第1の実施の形態で説明したように壁42、44、45(図示しない43)の根元にスリット44a、45a(図示しない42a、43a)を設けることで前記ミラー6の裏面への接着剤59のしみ込みをより防止できる。
なお、壁42〜45に設けた貫通孔42b〜45bは円形に限らない。
【0072】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態を図16〜図18を参照して説明する。
図16は本発明の第4の実施の形態におけるミラーホルダ12Bの一部を示す図である。また図17は図16で前記ミラー6が接着された場合の図16のE部を示す断面図であり、その断面位置は図16におけるF−Fである。
本実施の形態におけるミラーホルダ12Bは第1の実施の形態の変形例に近い構造である。
【0073】
つまり、本実施の形態におけるミラーホルダ12Bは、第1の実施の形態におけるミラーホルダ12と同じように壁42、44(及び図示しない壁43、45)の根元にそれぞれスリット42a、44a(図示しないスリット43a、45a)を設けてあり、さらに(本実施の形態では)各根元の脇に突起42c、44c(図示しない突起43c、45c)を設けて、ミラー6を接着固定するようにすることが特徴となっている。
また突起42c〜45cはミラー6の中心軸Oおよび可動部の回転軸Ox、Oyに対して対称な位置に配置されていると共に、突起42c〜45cの上面(先端面)は平坦にしている。
【0074】
前記ミラー6の固定手順は、まず、前記突起42c〜45cの先端面に接着剤60を塗布し、図17に示すように前記ミラー6を上から挿入して該ミラー6の裏面と前記突起42c〜45cの先端面が接着剤60を介して当接される。また前記ミラー6の側面は前記壁42〜45に収めることで容易に位置決めできることはこれまでの実施の形態と同様である。
【0075】
本実施の形態では、裏面を接着固定する場合でも、接着剤60は突起42c〜45cの段差状に突出する先端面によってミラー6の裏面に広がることなく、接着面積が突起42c〜45cの先端面に限定され、かつ接着箇所がミラー6の中心に対して対称な位置にあるため接着歪みの影響を軽減できる。
【0076】
なお、第1の実施の形態と同様に壁42〜45の根元には図16、図17で示したようにスリット42a〜45aを設けているがこれに限定されるものでなく、図18の断面図に示すように溝44d(或いは凹部)を設けたミラーホルダ12Cでも構わない。
【0077】
また本実施の形態の場合、接着剤60を硬化させる紫外線はミラー6の反射面6aを透過させることが必要になる場合もあるが、熱硬化あるいは湿気硬化などの付加硬化性を付与したUV接着剤にするとより望ましい。また、突起42c〜45cの形状は図示したような半円柱形状に限定されるものではなく、角柱形状など、他の形状で良いことは明らかである。
【0078】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態を図19〜図27を参照して説明する。
図19は本発明の第5の実施の形態におけるミラーホルダ52Dを示す図である。本実施の形態におけるミラーホルダ52Dでは第2の実施の形態と同じく、ミラー当接面41に貫通孔53〜56を有しており、本実施の形態ではさらに孔53〜56の周囲を囲むように例えば同心円状の溝53a〜56aをそれぞれ設けたことを特徴としている。
図20は前記ミラー6が接着された場合を示す断面図で、断面位置は図19のG−G(孔55、56の中心を通る)である。
【0079】
接着剤61の選定上、低粘度の接着剤を選定せざるを得ない場合でも図20に示すように溝55a、56aが接着剤61のたまり部となって(溝55a、56aの外側に配置される)前記ミラー6の裏面へのしみ込み(周り込み)を抑止することができ、接着面積を限定でき、前記ミラー6の接着歪みを軽減することが可能となる。
【0080】
従って溝53a〜56aの位置はできるだけ貫通孔近傍が望ましい。また第3の実施の形態のように側壁に貫通孔を設けた場合においても同様に孔の周囲に溝を設けることで同様の効果を得ることができる。
【0081】
この場合の断面図を図21に示す。すなわち、前記ミラー6はミラーホルダ52B′の壁44、45に設けられた貫通孔44b、45bに注入された接着剤62により前記壁44、45と前記ミラー6が側面6c、6dのみで接着される。接着剤62が低粘度の場合でも壁44、45に設けられた溝44d、45dにより接着剤62のしみ込み(周り込み)を抑止できる。
【0082】
次に上述した実施の形態の変形例を説明する。
第3の実施の形態では図13に示したように壁42〜45に貫通孔42b〜45bを設けていたが、図22に示す変形例のミラーホルダ72のように例えば壁45において、U字型の溝73を設けるように変更(変形)しても良い。なお、他の壁42〜44も同様に適用できる。
【0083】
図23は図22のミラーホルダ72にミラー6が接着された場合における壁45付近を示す断面図である、
図23に示すように溝73に接着剤74を塗布して壁45に前記ミラー6を接着しても同様な効果を得ることができる。また本変形例の形状にすることにより、接着剤74を容易に塗布できるという効果がある。
【0084】
あるいは、図24に示すミラーホルダ74のように、例えば壁44に切り欠き44eを設けるように変形しても良い。なお、図示しないが、他の壁42,43,45も同様である。
図25は図24のミラーホルダ74に前記ミラー6が接着された場合の壁44付近の断面図を示している。図25に示すように切り欠き44eに接着剤75を塗布してミラー6の側面6cと、ミラーホルダ74の壁44とを接着固定しても良い。
本変形例の構造でも接着剤75を容易に塗布できるといる効果がある。
【0085】
さらには図26に示すミラーホルダ82のように、例えば壁44に面取り部44fを設けても良い。なお、図示しないが、他の壁42,43,45も同様である。
【0086】
図27は図26のミラーホルダ82に前記ミラー6が接着された場合における壁44部分の断面図である。この壁44に設けられた前記面取り部44fに接着剤84を塗布して前記ミラー6の側面6cと前記壁44を接着しても同様の効果を得ることができる。また接着剤84を容易に塗布できるという効果がある。
【0087】
なお、上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせて構成される実施の形態等も本発明に属する。
また、上述した第1〜5の実施の形態は薄型で光を反射するミラー6を光学素子の1例としてそのミラー6の接着保持する方法について説明してきたが、本発明の光学素子保持機構はミラー6の保持に限定されるものではない。
【0088】
例えば反射或いは屈折するプリズム、屈折或いは回折する光学レンズ或いは回折レンズ、受光面を有する受光素子等、光学素子全般の保持機構として広く用いる事が可能である。また、本発明の光学素子保持機構は光通信用装置に限定されるものではなく、光磁気ディスクドライブ、DVD、光スキャナー等の光学素子を保持する光学装置に広く用いることが可能である。
【0089】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の光学素子保持機構によれば、接着剤の応力歪みによる光学面の面精度悪化と光学素子接着固定時の該光学素子の裏面しみ込みによる傾き変化を抑制し、かつ光学素子回動時における共振周波数低下などの駆動特性劣化を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子保持機構を備えた光路切り替え装置の概略構成図。
【図2】光学素子保持機構を備えたガルバノミラーを分解して示す斜視図。
【図3】光学素子保持機構を備えたガルバノミラーの構成を示す斜視図。
【図4】ミラーが取り付けられるミラーホルダ周辺部の構造を示す正面図。
【図5】図4における矢視A方向から見たコイルの端末付近を示す図。
【図6】ミラーが取り付けられるミラーホルダの正面図。
【図7】図6の断面図。
【図8】ミラー及びミラーが取り付けられるミラーホルダの構造を示す斜視図。
【図9】図8でミラーを接着固定した場合におけるB−B断面図。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるミラー及びミラーが取り付けられるミラーホルダの構造を示す斜視図。
【図11】図10でミラーを接着固定した場合におけるC−C断面図。
【図12】貫通孔の位置を示すためのミラーホルダを示す正面図。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるミラー及びミラーが取り付けられるミラーホルダの構造を示す斜視図。
【図14】図13でミラーを接着固定した場合におけるD−D断面図。
【図15】第3の実施の形態でさらにスリットを設けた第1変形例におけるミラーを接着固定した部分の断面図。
【図16】本発明の第4の実施の形態におけるミラーホルダの一部を示す斜視図。
【図17】図16でミラーを接着固定した場合におけるE部を示すF−F断面図。
【図18】第4の実施の形態でスリットの代わりに溝部にした変形例におけるミラーを接着固定した部分の断面図。
【図19】本発明の第5の実施の形態におけるミラーホルダの構造を示す斜視図。
【図20】図19でミラーを接着固定した場合におけるG−G断面図。
【図21】第3の実施の形態において、貫通孔の周囲に溝部を設けた第2変形例におけるミラーを接着固定した部分の断面図。
【図22】第3の実施の形態において、貫通孔の代わりにU字型の溝部を設けた第3変形例におけるミラーホルダの一部を示す斜視図。
【図23】図22において、ミラーを接着固定した部分を示す断面図。
【図24】第3の実施の形態において、貫通孔の代わりに切り欠き部を設けた第4変形例におけるミラーホルダの一部を示す斜視図。
【図25】図24において、ミラーを接着固定した部分を示す断面図。
【図26】第3の実施の形態において、貫通孔の代わりに面取り部を設けた第5変形例におけるミラーホルダの一部を示す斜視図。
【図27】図26において、ミラーを接着固定した部分を示す断面図。
【図28】従来例のミラー保持機構の構造を示す図。
【符号の説明】
1…ガルバノミラー
2…光路切り替え装置
3…光ファイバ
6…ミラー
6a…反射面
11…ミラー保持機構
12…ミラーホルダ
13…バネ
14…マグネットホルダ
15…ハウジング
24…プレート
30…レーザ
35…PBS
41…当接面
42〜45…壁
42a〜45a…スリット
47…接着剤
C1,C2…コイル
m1,m2…マグネット
Claims (11)
- 光学素子と、該光学素子を保持する可動部材と、この可動部材を駆動可能に支持する支持機構とを有し、前記光学素子は前記可動部材に位置決めされて接着固定される光学素子保持機構において、
前記可動部材は、前記光学素子を側面で、かつ、少なくとも前記光学素子の中心に対称な位置で接着固定することを特徴とする光学素子保持機構。 - 光学素子と、該光学素子を保持する可動部材と、この可動部材を駆動可能に支持する支持機構とを有し、前記光学素子は前記可動部材に位置決めされて接着固定される光学素子保持機構において、
前記可動部材は、前記光学素子を少なくとも前記光学素子の中心に対称な位置に設けられた壁と、該壁の根元に設けられた溝、あるいはスリットにより前記光学素子の側面のみで接着固定することを特徴とする光学素子保持機構。 - 光学素子と、該光学素子を保持する可動部材と、この可動部材を駆動可能に支持する支持機構とを有し、前記光学素子は前記可動部材に位置決めされて接着固定される光学素子保持機構において、
前記可動部材は、少なくとも前記光学素子の中心に対称となる位置に設けられた複数の貫通孔を有し、前記光学素子を、該貫通孔から注入される接着剤により接着固定することを特徴とする光学素子保持機構。 - 光学素子と、該光学素子を保持する可動部材と、この可動部材を駆動可能に支持する支持機構とを有し、前記光学素子は前記可動部材に位置決めされて接着固定される光学素子保持機構において、
前記可動部材は、前記光学素子を、少なくとも前記光学素子の中心に対称な位置に設けられた壁の前記光学素子の当接面に平行な位置に設けられた貫通孔から注入される接着剤により、接着固定することを特徴とする光学素子保持機構。 - 前記光学素子は前記壁根元の溝あるいはスリットの脇に設けた突起のみで接着固定されることを特徴とする請求項2記載の光学素子保持機構。
- 前記可動部材の貫通孔の周囲に溝を設けたことを特徴とする請求項3記載の光学素子保持機構。
- 前記可動部材の貫通孔の周囲に溝を設けたことを特徴とする請求項4記載の光学素子保持機構。
- 光学素子は、少なくとも反射面、及び/または屈折面、及び/または回折面、及び/または受光面を有することを特徴とする請求項1に記載の光学素子保持機構。
- 光学素子は、少なくとも反射面、及び/または屈折面、及び/または回折面、及び/または受光面を有することを特徴とする請求項2に記載の光学素子保持機構。
- 光学素子は、少なくとも反射面、及び/または屈折面、及び/または回折面、及び/または受光面を有することを特徴とする請求項3に記載の光学素子保持機構。
- 光学素子は、少なくとも反射面、及び/または屈折面、及び/または回折面、及び/または受光面を有することを特徴とする請求項4に記載の光学素子保持機構。
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