JP2004238530A - 被覆粒子及び洗剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明によれば、水中での凝集による溶解性の低下及び長期保存時の品質劣化がなく、分散性に優れ、さらには、造粒機への付着性も防止された被覆粒子及び洗剤組成物を提供することができる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、長期保存後の溶解性、分散性、装置付着防止性に優れた被覆粒子及び洗剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水溶性高分子を用いて粉体を造粒したり、粒子をコーティングしたりすることによって、得られた粒子に適当な溶解性及び崩壊性を付与したり、粒子の溶解時に発生する様々な問題を解決できることが知られている(例えば特許文献1:特開平3−53000号公報、2:特開2001−293354号公報参照)。
【0003】
特に、界面活性剤を含む洗剤粒子が水に接した際にゲル化し溶解性が低下する問題は、洗剤組成を設計する上での大きな問題であり、この問題を解決する手法として、洗剤粒子の表面を水溶性高分子でコーティングする方法も提案されている(例えば特許文献3:特開平7−242899号公報参照)。また、粒状洗剤には種々の特徴や機能を付与するために、様々な粒子をブレンドする技術が提案されているが、ブレンドする粒子同士の相互作用によって、溶解性が劣化する等の問題もあった。特に、水溶性無機塩を洗剤粒子とドライブレンドして用いる際は、水溶性無機塩が水と接触した際に生じる水和現象によって洗剤組成物の溶解性が悪化する現象が問題となっていた。このような問題を解決するために検討がなされており、例えば、洗剤粒子にアルカリ金属炭酸塩をドライブレンドした洗剤組成物の溶解性を向上させるために、洗剤粒子をノニオン界面活性剤で被覆し、且つアルカリ金属炭酸塩を水溶性有機物溶液及び/又は固体粉体で被覆する技術が提案されている(例えば特許文献4:特開2002−266000号公報参照)。
【0004】
しかし、上記技術では粒子を水溶性高分子等でコーティングする際に造粒機内に多くの付着物を生じたり、被覆膜の強度がやや弱く、長期保存後に十分な溶解性を維持することが困難であった。また、コーティングの際の装置内の付着を防止するために粒子をコーティング後に乾燥させる技術も提案されているが(例えば特許文献5:特開平3−111497号公報参照)、この場合、乾燥工程を伴い製造プロセスが複雑化する上、エネルギーの消費量も増大し、好ましいとは言えなかった。
【0005】
一方、粒子に十分な膜強度のコーティングを施す方法として、塩感応性高分子でコーティングした後、該塩感応性高分子を架橋させる金属塩で架橋させて膜強度を増加させる方法が知られている。例えば、水に不溶の粉体を多価金属イオンと反応する感応基を有する水溶性高分子を用いて造粒した粒状物に、多価金属イオンを接触させて該水溶性高分子を多価金属イオンで架橋する技術が提案されている(例えば特許文献6:特開昭63−130522号公報参照)。また、漂白活性化剤の造粒物をアルギン酸で被覆し、その後アルカリ土類金属イオンで架橋する技術が提案されている(例えば特許文献7:特表平11−514402号公報参照)。しかしながら、これらの技術は水不溶性粉体の造粒物の水中での保形性や有機化合物の環境安定性向上を目的とするもので、水溶性無機物質の水和抑制効果については言及されていない。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−53000号公報(第5〜7頁)
【特許文献2】
特開2001−293354号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開平7−242899号公報(第1〜3頁)
【特許文献4】
特開2002−266000号公報(第2頁)
【特許文献5】
特開平3−111497号公報(第2頁)
【特許文献6】
特開昭63−130522号公報(第1〜2頁)
【特許文献7】
特表平11−514402号公報(第17〜18頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、長期保存後においても水中での凝集による溶解性の低下がなく、分散性に優れ、さらには、造粒機への付着性も防止することのできる被覆粒子及び洗剤組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、水溶性無機塩核粒子の表面が塩感応性高分子で被覆された造粒物を、前記塩感応性高分子を感応せしめる塩の微粉体及び/又は水溶液で処理することにより、上記目的を達成できる被覆粒子及び洗剤組成物を得ることができることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
従って、本発明は、水溶性無機塩核粒子の表面が塩感応性高分子で被覆された造粒物を、前記塩感応性高分子を感応せしめる塩の微粉体及び/又は水溶液で処理してなることを特徴とする被覆粒子及び該被覆粒子を含有する洗剤組成物を提供する。
【0010】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明の被覆粒子には、水溶性無機塩核粒子の表面が塩感応性高分子で被覆された造粒物が用いられる。
【0011】
本発明における水溶性無機塩とは、5℃における水への溶解度が1g/100g以上、好ましくは2g/100g以上、より好ましくは3g/100g以上の無機塩(日本化学会編、「化学便覧」等参照)をいう。このような水溶性無機塩であればいずれの無機塩でも好適に用いることができるが、好ましい無機塩としては一般に洗浄ビルダーとして用いられるものが挙げられる。
【0012】
本発明においては、核粒子に水溶性無機塩を用いて、これに後述する被覆及び処理をすることにより、水中において、該無機塩粒子が凝集することを防止し、長期保存後における溶解性低下の防止をすることができる。
【0013】
水溶性無機塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸塩類、セスキ炭酸ナトリウム等のセスキ炭酸塩類、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩類、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩類、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム等の硝酸塩類、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等の亜硝酸塩類、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の塩化物類、珪酸ナトリウム等の珪酸塩類、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩類等が挙げられる。
【0014】
水溶性無機塩が水中で溶解性に問題を生じる場合、通常、水中での静置条件で凝集を起こしていることが多く、これには水溶性無機塩の水和が関与していると考えられる。よって本発明に用いられる無機塩としては20℃未満で結晶水を持ち得る物質であることが、効果が得られやすい点から好ましい。このような物質としては、例えば、日本化学会編、「化学便覧」に記載の物質が好適に用いることができる。中でも炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ性無機塩が最も好ましい。水溶性無機塩は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることもでき、2種以上を組み合わせることが好ましい。
【0015】
水溶性無機塩核粒子の平均粒子径は通常100〜1500μm、好ましくは200〜1000μmである。平均粒子径が100μm未満では高分子によるコーティングが困難になる場合があり、1500μmを超えると無機塩自体の溶解性が低下する場合がある。
【0016】
水溶性無機塩核粒子は、水溶性無機塩以外に不純物として、少量の水溶性物質を含んでいてもよい。
【0017】
本発明における塩感応性高分子とは、塩に感応して粘度が上昇し、ゲル化したり、膜を形成する高分子をいう。このような高分子としてはカルボキシル基、硫酸基等のアニオン性の感応基を有し、多価金属イオンと反応して架橋するものが好ましい。このような塩感応性高分子としては、例えば、アクリル酸重合体、マレイン酸重合体、アクリル酸/マレイン酸の共重合体、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、カラギーナン、硫化セルロース等や、それらのアルカリ金属塩等、エチレン基含有アルキルリン酸エステルのモノアルカリ金属塩の重合物等が挙げられる。また、アニオン性の感応基を有さない高分子として、四ホウ酸ナトリウムに感応しゲル化するポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0018】
塩感応性高分子は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。核粒子を被覆する場合、塩感応性高分子は水溶液の形態で用いられ、水溶液中の高分子の濃度は通常0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜80質量%、さらに好ましくは1〜60質量%である。高分子溶液の粘度としては、0.001〜100Pa・s、好ましくは0.0005〜50Pa・sである。
【0019】
塩感応性高分子は水溶性無機塩に対する被覆剤として用いられるが、被覆塩感応性高分子量は、被覆粒子全量に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%が特に好ましい。被覆塩感応性高分子量が0.1質量%未満では被覆の効果が得られにくい場合があり、一方、10質量%を超えると水溶性無機塩の配合量が少なくなる場合がある。
【0020】
本発明の造粒物は、水溶性無機塩核粒子の表面が塩感応性高分子で被覆されたものであるが、その製造方法については後述する。
【0021】
本発明の被覆粒子は、上述の造粒物を塩感応性高分子を感応せしめる塩の微粉体及び/又は水溶液で処理してなるものである。このような処理をすることにより、被覆粒子の長期保存性が良好となる。
【0022】
本発明における塩感応性高分子を感応せしめる塩とは、水溶性無機塩のコーティング剤として用いる塩感応性高分子の粘度を上昇させたり、ゲル化させたり、膜を形成させる塩をいう。このような塩の好ましい例としては、高分子としてカルボキシル基、硫酸基等のアニオン性の感応基を有する物を用いる場合、多価金属塩が挙げられる。多価金属塩の好ましい例としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の多価塩化物、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の多価硫酸塩、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム等の多価硝酸塩、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の多価有機酸塩、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。また、アニオン性の感応基を有さない高分子であるポリビニルアルコールを用いる場合は、これをゲル化する四ホウ酸ナトリウム等が挙げられる。塩感応性高分子を感応せしめる塩は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0023】
塩感応性高分子を感応せしめる塩は、微粉体及び/又は水溶液の形態で用いられる。塩感応性高分子を感応せしめる塩を微粉体で用いる場合、その平均粒子径は、通常、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜30μmである。平均粒子経が0.1μm未満では発塵性が悪化する場合があり、一方、100μmを超えると高分子を感応させる効果が得られにくい場合がある。また、塩感応性高分子を感応せしめる塩を水溶液の形態で用いる場合、水溶液中の塩の濃度は用いる塩の溶解度によって異なるが、通常、1質量%以上、好ましくは5〜60質量%である。
【0024】
造粒物を塩感応性高分子を感応せしめる塩の微粉体及び/又は水溶液で処理するとは、造粒物に塩感応性高分子を感応せしめる塩の微粉体及び/又は水溶液を添加、噴霧し、撹拌等により混合し、塩感応性高分子と塩感応性高分子を感応せしめる塩とで、被覆膜を形成することをいう。
【0025】
処理量は、塩感応性高分子を感応せしめ、核粒子である水溶性無機塩粒子上に十分な被覆膜を形成させるだけの量である限り特に限定はないが、通常、被覆粒子の組成として、被覆粒子全量に対し0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%である。処理量が0.1質量%未満ではコーティングの効果が得られにくい場合があり、一方、10質量%を超えると無機塩の配合量が少なくなる場合がある。
【0026】
本発明の被覆粒子の物性値は、特に制限されるものではないが、嵩密度は、通常、0.3g/mL以上、好ましくは0.5〜1.2g/mL、より好ましくは0.6〜1.1/mLである。嵩密度が小さ過ぎても大きすぎても他の粒子と混合して使用する際に分級しやすくなる。また、平均粒子径は、好ましくは200〜1500μm、より好ましくは300〜1000μmである。平均粒子径が200μm未満になると、比表面積が大き過ぎ、水和抑制効果が得られにくくなる可能性があり、一方、1500μmを超えると被覆粒子そのものの溶解性が劣化する場合がある。さらに、安息角として70°以下、特に50°以下が好適である。安息角が70°を超えると粒子の取扱性が悪化する場合がある。なお、安息角は、容器に満たした粒子が流出するときに形成されるすべり面の水平面となす角を測定する、いわゆる排出法による安息角測定法により測定することができる。
【0027】
本発明の被覆粒子は以下の方法によって得ることができる。水溶性無機塩粒子に塩感応性高分子を添加し撹拌羽根で撹拌して造粒・被覆(コーティング)する撹拌造粒法、水溶性無機塩粒子を転動させつつ塩感応性高分子を噴霧して造粒・被覆(コーティング)する転動造粒法、水溶性無機塩粒子を流動化させつつ、塩感応性高分子を噴霧し造粒・被覆(コーティング)する流動層造粒法等が挙げられる。さらに、得られた造粒物に、塩感応高分子を感応せしめる塩の微粉体及び/又は水溶液を、混合機、造粒機又は流動層等の適宜、任意の機械を用いて、添加、混合することにより、被覆粒子を得ることができる。
以下に、それぞれの方法、製造装置、条件等について説明する。
【0028】
1.撹拌造粒法
撹拌造粒法では任意の型式の撹拌造粒装置を使用することができる。その中でも、撹拌羽根を備えた撹拌軸を内部の中心に有し、撹拌羽根が回転する際に撹拌羽根と器壁との間にクリアランスを形成する構造であることが好ましい。クリアランスは1〜30mmであるのが好ましく、3〜10mmがより好ましい。クリアランスが1mm未満では付着層により混合機が過動力となり易い。30mmを超えると圧密化の効率が低下するため粒度分布がブロードに、また、造粒時間が長くなり生産性が低下する場合がある。この様な構造を有する撹拌造粒機としては、例えばヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製]、ハイスピードミキサー[深江工業(株)製]、バーチカルグラニュレーター[(株)パウレック製]等の装置が挙げられる。特に好ましくは横型の混合槽で円筒の中心に撹拌軸を有し、この軸に撹拌羽根を取付けて粉末の混合を行う形式のミキサーであり、例えばレディゲミキサー[(株)マツボー製]、ブロシェアミキサー[大平洋機工(株)製]である。
【0029】
撹拌造粒法における好適な造粒条件を以下に示す。
(1)フルード数(Fr数)
撹拌造粒法においては、下記式で定義されるフルード数は1〜16であるのが好ましく、2〜9がより好ましい。前記フルード数が1未満であると、流動化が不十分であるため高分子によるコーティングも不十分となる場合がある。一方、16を超えると粒子に対するせん断力が強くなり過ぎコーティング膜に壊れが発生する場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:撹拌羽根の先端の周速(m/s)
R:撹拌羽根の回転半径(m)
g:重力加速度(m/s2)
【0030】
(2)チョッパー回転数
撹拌造粒法において、使用される撹拌造粒機には、造粒物の圧密化促進及び粗粉解砕促進の為に高速で回転するチョッパーが装備されている。チョッパーの回転速度としてはコーティング膜の壊れが発生しない程度の回転数が好ましい。チョッパー先端速度(周速)で0〜30m/sが好ましく、0〜20m/sがより好ましい。
【0031】
(3)造粒時間
撹拌造粒法において、好適な造粒物を得るための回分式の造粒における造粒時間及び連続式の造粒における平均滞留時間は、0.5〜20分が好ましく、3〜10分がより好ましい。造粒時間(平均滞留時間)が0.5分未満であると、時間が短過ぎて好適な平均粒子径及び嵩密度を得るための造粒制御が困難となり、粒度分布がブロードになる場合がある一方、20分を超えると時間が長過ぎて生産性が低下する場合がある。
【0032】
(4)水溶性無機塩の充填率
撹拌造粒法において、水溶性無機塩の造粒機への充填率(仕込み量)としては、混合機の全内容積の70容量%以下が好ましく、15〜40容量%がより好ましい。充填率(仕込み量)が、70容量%を超えると混合機内での洗剤原料の混合効率が低下し、好適に造粒を行うことができない場合がある。
【0033】
2.転動造粒法
転動造粒法では任意の型式の転動造粒装置を使用することができる。その中でもドラム状の円筒が回転して処理するものが好ましく、特に任意の形状の邪魔板を装備しているものが好ましい。ドラム型造粒機としては水平円筒型造粒機の他にも日本粉体技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の円錐ドラム型造粒機、多段円錐ドラム型造粒機、撹拌羽根付ドラム型造粒機等が挙げられる。
【0034】
転動造粒法における好適な造粒条件を以下に示す。
(1)処理時間
回分式における高嵩密度化の処理時間、連続式における以下の式で定義される平均滞留時間は、5〜120分、好ましくは10〜90分、特に好ましくは10〜40分である。前記時間が5分未満であると嵩密度を十分上昇できない場合がある一方、120分を超えると生産性の低下又は洗剤造粒物粒子の崩壊が起こる場合がある。
Tm=(m/Q)×60
Tm:平均滞留時間(s)
m:容器回転型混合機内の洗剤造粒物滞留量(kg)
Q:連続運転における能力(kg/hr)
【0035】
(2)フルード数(Fr)
下記式で定義されるフルード数としては、0.01〜0.8となる条件を選択するのが好ましい。条件としては0.05〜0.7がより好ましく、0.1〜0.65がさらに好ましい。
フルード数が0.01未満であると、均一でかつ高嵩密度の洗剤粒子が得られない場合がある一方、0.8を超えると、ドラム型混合機の場合等には、洗剤造粒物粒子が飛散し、正常な剪断混合が起こらない場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:容器回転型混合機最外周の周速(m/s)
R:容器回転型混合機最外周の回転中心からの半径(m)
g:重力加速度(m/s2)
【0036】
(3)容積充填率(X)
下記式で定義される容積充填率が、15〜50%となる条件を選択するのが好ましい。より好ましくは20〜45%、25〜40%がさらに好ましい。容積充填率が15%未満であると、生産性が悪い場合がある一方、50%を超えると良好な剪断混合が生じない場合がある。
容積充填率(X)=(M/ρ)/V×100
M:容器回転型混合機への洗剤造粒物粒子の仕込量(g)
ρ:洗剤造粒物粒子の嵩密度(g/L)
V:容器回転型混合機の容積(L)
【0037】
3.流動層造粒法
流動層造粒法では流動層本体、整流板、送風機、吸気フィルター、エアヒーター及びクーラー、スプレー装置、集塵装置、送風機等で構成された任意の型式の流動層造粒装置を使用することができる。例えば、日本粉体技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の回分式流動層造粒装置(トップスプレー式、サイドスプレー式、ボトムスプレー式等)、噴流流動層造粒装置、噴流動層造粒装置、半連続式式流動層造粒装置(分散板反転排出式、下部排出式、側壁排出式等)連続式流動層造粒装置(横型多室型、円筒型等)等が好適に利用できる。具体的装置の利用例としては回分式流動層造粒装置のGlatt−POWREXシリーズ[(株)パウレックス製]、フローコーターシリーズ[(株)大川原製作所製]、連続式流動層造粒装置のMIXGRADシリーズ[(株)大川原製作所製]等が挙げられる。
【0038】
流動層造粒における造粒条件として、静置時の原料粉体層の平均厚さは50〜500mm程度が好ましい。その後、流動層に風を送り、粉体を流動化させた後に塩感応性高分子液の噴霧を開始する。噴霧ノズルとしては、通常の加圧ノズルのほか、噴霧状体を良好にするため、2流体ノズルを用いることも好ましい。この時の平均液滴径は5〜500μm程度が好ましい。噴霧が進むにつれて造粒も進み粒子径が大きくなるため、流動化状態を維持するため風速を調整しながら造粒を行う。風速は0.2〜4.0m/sの範囲で調整を行い、風温度は5〜70℃、好ましくは7〜65℃で行う。バグフィルターに付着した微粒子は定期的にパルスエアーで落としながら製造を行うことが好ましい。
【0039】
上述の方法で得られた塩感応性高分子で被覆された造粒物は、塩感応性高分子を感応せしめる塩の微粉体及び/又は水溶液を添加、混合することで処理される。添加、混合の方法としては、造粒に用いた造粒機内に造粒、被覆操作に引き続き、塩感応性高分子を感応せしめる塩の添加、混合を行ってもよいし、上述した他の造粒機に造粒物を移した後、塩感応性高分子を感応せしめる塩の添加、混合を行ってもよい。塩感応性高分子を感応せしめる塩の添加、混合の際の各造粒機での運転は、上述の造粒操作の運転条件の範囲内である。
【0040】
上述の方法により造粒された被覆粒子は必要に応じて分級して所望の粒度の被覆粒子のみ製品に利用することもできる。分級装置としては一般に知られたいかなる分級装置も用いることができ、特に篩が好適に利用できる。中でもジャイロ式篩、平面篩及び振動篩が好適である。ジャイロ式篩は僅かに傾斜した平面篩に対し、水平な円運動を与える篩である。平面篩は僅かに傾斜した平面篩に、面にほぼ平行に往復運動を与える篩である。振動篩は、篩面にほぼ直角方向に急速な振動を与える篩である。篩に供する時間は5秒以上とすることが好ましく、また、ふるい効率を向上させる為にはタッピングボールを用いることも好ましい。このような篩の具体例としては、ジャイロシフター((株)徳寿工作所製)、ローテックススクリーナー((株)セイシン企業製)、ダルトン振動ふるい((株)ダルトン製)等が挙げられる。篩による振動は、好適には60〜3000回/分、好ましくは100〜2500回/分、さらに好ましくは150〜2000回/分の振動で与えられる。篩の振動数が60回/分未満であると分級効果が悪化する場合がある一方、3000回/分を超えると発塵が増大する場合がある。
【0041】
分級方法により分級した際に発生した所望の粒度以外の被覆粒子の内、微粉については再度水溶性無機塩と共に造粒機に投入し造粒・被覆(コーティング)操作に供することが好適である。また、粗粉については粉砕し、造粒・被覆(コーティング)前の水溶性無機塩と同等の粒子径にした後、再度水溶性無機塩と共に造粒機に投入し造粒・被覆(コーティング)操作に供することが好適である。この際粗粉を粉砕する粉砕機としては、分級スクリーンと回転ブレードを持った機種が好ましい。このような粉砕機としてはフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製)、ニュースピードミル(岡田精工(株)製)、フェザーミル(ホソカワミクロン(株)製)等がある。また、粉砕機内に冷風を流し冷却しながら粉砕することもできる。冷風と粉砕品をサイクロンで分級し、その時微粉を分級することも可能である。さらに、多段粉砕することで、より粒度分布がシャープになる。粉砕機のブレードの先端周速としては15〜90m/sが好ましく、20〜80m/sがより好ましく、25〜70m/sがさらに好ましい。先端周速が15m/s未満であると粉砕能力が不十分となる場合があり、90m/sを超えると粉砕されやすくなる場合がある。
【0042】
本発明の被覆粒子は、そのまま洗剤組成物として用いることもできるが、被覆粒子及び界面活性剤を含有する洗剤組成物として用いることが好ましい。洗剤組成物は、被覆粒子と必要に応じて洗浄剤粒子群と混合することによって得ることができる。洗浄剤粒子群は、通常、界面活性剤及び洗浄ビルダーを含有する洗浄剤粒子、酵素粒子、漂白剤粒子及び漂白活性化剤粒子等から構成される。以下、洗浄剤粒子群について詳述する。
【0043】
1.洗浄剤粒子
洗浄剤粒子は界面活性剤、洗浄ビルダー及びその他添加剤等により構成される。その他の添加物としては、吸油性担体、粘度鉱物、溶解促進剤及び膨潤性水不溶性物質等が挙げられる。
(1)界面活性剤
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
【0044】
アニオン界面活性剤としては、従来より洗剤において使用されるものであれば、特に限定されるものではなく各種のアニオン界面活性剤を使用することができる。例えば、以下のものを挙げることができる。
▲1▼炭素数8〜16のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩。
▲2▼炭素数10〜20のアルキル硫酸塩(AS)又はアルケニル硫酸塩。
▲3▼炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
▲4▼炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
▲5▼炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテル硫酸塩(AES)又はアルケニルエーテル硫酸塩。
▲6▼炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩。
▲7▼炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
▲8▼炭素数10〜20の高級脂肪酸塩。
▲9▼炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸(α−SF)塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル等。
【0045】
アニオン界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。アニオン界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、AOS、α−SF、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)が好ましい。
【0046】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
▲1▼炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが使用される。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。好ましい脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが使用される。
【0047】
▲2▼ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
▲3▼長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した、例えば以下の式で示される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
R1CO(OA)nOR2 …(1)
(式中、R1COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキシドの付加単位を示し、nはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。R2は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級アルキル基を示す。)
▲4▼ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
▲5▼ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
▲6▼ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
▲7▼ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
▲8▼グリセリン脂肪酸エステル。
【0048】
上記のノニオン界面活性剤の中でも、融点が40℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドとプロピレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。また、これらのノニオン界面活性剤は1種を単独で又は2種以上の混合物として使用してもよい。
【0049】
カチオン界面活性剤としては、従来より洗剤において使用されるものであれば、特に限定されることなく、各種のカチオン界面活性剤を使用することができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
【0050】
▲1▼ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
[R3R4R5R6N]+・X− …(2)
(式中、R3及びR4は、通常炭素数が12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。R5及びR6は、通常炭素数が1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基、通常炭素数が2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CH3SO4、C2H5SO4、1/2SO4、OH、HSO4、CH3CO2又はCH3−C6H4−SO3を示す。)
【0051】
上記一般式(2)で表されるジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩としては、具体的には、ジステアリルジメチルアンモニウム塩や、ジ水添牛脂アルキルジメチルアンモニウム塩、ジ水添牛脂アルキルベンゼンメチルアンモニウム塩、ジステアリルメチルベンジルアンモニウム塩、ジステアリルメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジステアリルメチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩、ジステアリルジヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジオレイルジメチルアンモニウム塩、ジココナッツアルキルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。また、Xであるハロゲンの具体例としては、塩素原子や臭素原子等が挙げられる。
【0052】
▲2▼モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
[R7R8R9R10N]+・X− …(3)
(式中、R7は、通常、炭素数が12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。R8、R9及びR10は、通常、炭素数が1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基、通常炭素数が2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CH3SO4、C2H5SO4、1/2SO4、OH、HSO4、CH3CO2又はCH3−C6H4−SO3を示す。)
【0053】
上記一般式(3)で表されるモノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩としては、具体的には、ラウリルトリメチルアンモニウム塩や、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、水添牛脂アルキルトリメチルアンモニウム塩、水添牛脂アルキルベンゼンジメチルアンモニウム塩、ステアリルジメチルベンジルアンモニウム塩、ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、ステアリルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩、ステアリルトリヒドロキシエチルアンモニウム塩、オレイルトリメチルアンモニウム塩、ココナッツアルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。また、Xであるハロゲンの具体例としては、塩素原子や臭素原子等が挙げられる。
【0054】
▲3▼テトラ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
[R11R12R13R14N]+・X− …(4)
(式中、R11、R12、R13及びR14は、通常、炭素数が1〜4、好ましくは1〜3のアルキル基、ベンジル基、通常、炭素数が2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CH3SO4、C2H5SO4、1/2SO4、OH、HSO4、CH3CO2又はCH3−C6H4−SO3を示す。)
【0055】
上記一般式(4)で表されるテトラ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロキサイド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0056】
▲4▼トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
[R15R16R17R18N]+・X− …(5)
(式中、R15、R16及びR17は、通常、炭素数が12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。R18は、通常、炭素数が1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基、通常、炭素数が2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基又はポリオキシアルキレン基を示す。Xは、ハロゲン、CH3SO4、C2H5SO4、1/2SO4、OH、HSO4、CH3CO2又はCH3−C6H4−SO3を示す。)
【0057】
上記一般式(5)で表されるトリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩としては、具体的には、トリラウリルメチルアンモニウムクロライド、トリステアリルメチルアンモニウムクロライド、トリオレイルメチルアンモニウムクロライド、トリココナッツアルキルメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。また、これらのカチオン界面活性剤は1種を単独で又は2種以上の混合物として使用してもよい。
【0058】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系や、アミドベタイン系等の両性界面活性剤を挙げることができる。特に好ましい両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインや、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。
【0059】
界面活性剤の含有量は、洗剤粒子中、通常5〜80質量%、好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは20〜45質量%である。
【0060】
(2)洗浄ビルダー
洗浄剤粒子中に配合される洗浄ビルダーとしては、無機及び有機ビルダーが挙げられる。無機ビルダーとしては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、結晶性層状珪酸ナトリウム、非結晶性層状珪酸ナトリウム等のアルカリ性塩、硫酸ナトリウム等の中性塩、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩、下記一般式(6)
x1(M2O)・Al2O3・y1(SiO2)・w1(H2O) …(6)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x1、y1及びw1は各成分のモル数を示し、一般的には、x1は0.7〜1.5、y1は0.8〜6の数、w1は任意の正数を示す。)
で表される結晶性アルミノ珪酸塩、下記一般式(7)、(8)
x2(M2O)・Al2O3・y2(SiO2)・w2(H2O) …(7)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x2、y2及びw2は各成分のモル数を示し、一般的には、x2は0.7〜1.2、y2は1.6〜2.8、w2は0又は任意の正数を示す。)
x3(M2O)・Al2O3・y3(SiO2)・z3(P2O5)・w3(H2O)…(8)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x3、y3、z3及びw3は各成分のモル数を示し、一般的には、x3は0.2〜1.1、y3は0.2〜4.0、z3は0.001〜0.8、w3は0又は任意の正数を示す。)
で表される無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。前記無機ビルダーの中では、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウムが好ましい。
【0061】
有機ビルダーとしては、例えばニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸、アクリル酸−アリルアルコール共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体及び共重合体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン−1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物やカルボキシメチルセルロース等の多糖類;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の非解離高分子化合物等が挙げられる。
【0062】
これらの有機ビルダーの中では、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、及びアクリル酸−マレイン酸共重合体が好ましい。前記ビルダーは、通常、単独又は2種以上を混合して用いられる。
【0063】
ビルダーの含有量は、十分な洗浄性を付与する点から、洗剤粒子中、好ましくは10〜80質量%、特に好ましくは20〜50質量%である。
【0064】
(3)吸油性担体
吸油性担体としては、JIS−K5101試験方法で表される吸油量が80mL/100g以上、好ましくは150〜600mL/100gの吸油性である物質が好適に用いられる。このような吸油性担体としては、例えば、珪酸塩化合物として、トクシールN[(株)トクヤマ製、吸油量280mL/100g]、ニップシールNS−K[日本シリカ(株)製、吸油量320mL/100g]、サイリシア#310[富士シリシア化学(株)製、吸油量340mL/100g]等の無定形含水非晶質珪酸、シルデックスH−52[旭硝子(株)製、吸油量260mL/100g]等の球状多孔質含水非晶質珪酸、アエロジル#300[日本アエロジル(株)製、吸油量350mL/100g]等の無定形無水非晶質珪酸、フローライトR[(株)トクヤマ製、吸油量600mL/100g]等の花弁状含水非晶質珪酸カルシウム、ゾノトライト[宇部化学(株)製、吸油量220mL/100g]等の針状含水非晶質珪酸カルシウム、非晶質アルミノ珪酸塩[水沢化学(株)製、吸油量170mL/100g]、珪酸マグネシウム[吸油量180mL/100g]等がある。また、炭酸塩化合物として、炭酸マグネシウム[(株)トクヤマ製、吸油量150mL/100g]、炭酸カルシウム[白石工業(株)製、吸油量110mL/100g]、その他の化合物として、超微粒子スピネル[住友セメント(株)製、吸油量600mL/100g]、超微粒子コーディエライト[住友セメント(株)製、吸油量600mL/100g]、超微粒子ムライト[住友セメント(株)製、吸油量560mL/100g]、加工澱粉パインフロ−S[松谷化学(株)製、吸油量130mL/100g]等が挙げられる。
【0065】
これらの吸油性担体は、1種を単独で2種以上を組み合わせて用いることができる。吸油性担体の含有量は、洗剤粒子中に、通常0.1〜25質量%、好ましくは0.5〜20質量%、特に好ましくは1〜15質量%である。
【0066】
(4)粘土鉱物
洗浄剤粒子中に配合される粘土鉱物としては、特に、スメクタイト群に属し、その結晶構造がジオクタヘドラル型3層構造又はトリオクタヘドラル型3層構造をとるものが好ましい。粘土鉱物は、好ましくは吸油量が80mL/100g未満、さらに好ましくは30〜70mL/100gで、嵩密度が好ましくは0.1g/mL以上、特に好ましくは0.2〜1.5g/mLのものである。このような粘土鉱物の具体例には、例えば、ジオクタヘドラル型3層構造をとる粘土鉱物として、モンモリロナイト(吸油量:50mL/100g、嵩密度:0.3g/mL)、ノントロナイト(吸油量:40mL/100g、嵩密度:0.5g/mL)、バイデライト(吸油量:62mL/100g、嵩密度:0.55g/mL)、パイロフィライト(吸油量:70mL/100g、嵩密度:0.63g/mL)等が挙げられ、一方、トリオクタヘドラル型3層構造をとる粘土鉱物として、サポナイト(吸油量:73mL/100g、嵩密度:0.15g/mL)、ヘクトライト(吸油量:72mL/100g、嵩密度:0.7g/mL)、スチーブンサイト(吸油量:30mL/100g、嵩密度1.2g/mL)、タルク(吸油量:70mL/100g、嵩密度:0.1g/mL)等が挙げられる。
【0067】
粘土鉱物の含有量は、洗剤粒子中、通常0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。上記(1)〜(4)の原料成分はスラリーに配合した後、噴霧乾燥し乾燥粉として用いてもよい。
【0068】
(5)溶解促進剤
洗浄剤粒子中に配合される溶解促進剤としては、例えば、炭酸カリウムや、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の無機アンモニウム塩、安息香酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、D−グルコース、尿素、蔗糖等の水溶性物質が挙げられる。
(6)膨潤性水不溶性物質
洗浄剤粒子中に配合される膨潤性水不溶性物質としては、具体的には、粉末セルロース、結晶性セルロース、低エーテル化度のカルボキシメチルセルロース、架橋型カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、コーンスターチ等のデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等のデンプン誘導体、架橋型ポリビニルピロリドン、低エーテル化度のポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0069】
その他の洗浄剤粒子中に配合される成分の具体例としては、以下のものが示される。
(7)蛍光剤:ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩[チノパールCBS]等。
(8)帯電防止剤:ジアルキル型4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤等。
(9)再汚染防止剤:カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等。
(10)増量剤:硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩酸ナトリウム等。
(11)還元剤:亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等。
【0070】
洗浄剤粒子の平均粒子径は200〜1500μmが好ましく、300〜1000μmがさらに好ましい。また、嵩密度は0.4〜1.2g/mLが好ましく、0.5〜1.0g/mLがさらに好ましい。
【0071】
洗浄剤粒子は、以下の造粒方法によって得ることができる。洗剤成分の原料粉末及びバインダー成分(界面活性剤、水、液体高分子成分等)を捏和・混練した後、押し出して造粒する押し出し造粒法、捏和・混練した後、得られた固形洗剤を破砕して造粒する捏和・破砕造粒法、原料粉末にバインダー成分を添加し撹拌羽根で撹拌して造粒する撹拌造粒法、原料粉末を転動させつつバインダー成分を噴霧して造粒する転動造粒法、原料粉末を流動化させつつ、液体バインダーを噴霧し造粒する流動層造粒法等が挙げられる。これら造粒方法で使用可能な具体的装置や条件等は特願2001−299007号、特願2002−77254号、、日本粉体技術協会編及び造粒ハンドブック第一版等に記載の通りである。
【0072】
2.蛍光増白剤粒子
洗浄剤粒子群中に蛍光増白剤が独立の粒子として添加される場合には、例えば粒状炭酸ナトリウム、微粉A型ゼオライト、バインダーとともに蛍光増白剤粉末を転動又は撹拌造粒したり、粘土鉱物と蛍光増白剤粉末を混合後、水を添加して押し出し造粒し、流動層等で乾燥してから添加する等の手法をとることができる。
【0073】
蛍光増白剤粒子の粒度は、250〜1000μmが好ましく、250〜750μmが特に好ましい。蛍光増白剤は純分として、洗浄剤粒子群全量に対し0.05〜2質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
【0074】
3.酵素粒子
酵素粒子中の酵素は、現在、粒状の衣料用洗剤に用いられている市販の酵素粒子をそのまま使用することができる。具体的には、サビナーゼ18T、カンナーゼ12T、リポラーゼウルトラ50T、エバラーゼ8T(以上、ノボノルディスク社製)、マクサカル45G、マクサペム30G、プロペラーゼ1000E(以上、ジエネンコア社製)等がある。
【0075】
酵素粒子の含有量は、洗浄剤粒子群全量に対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜2質量%が好ましい。
【0076】
洗浄剤粒子、蛍光増白剤粒子及び酵素粒子は、表面を染料や顔料で着色してから用いることができる。この際着色に用いる染料、顔料は洗浄時に衣類への染着が起こらないものを用いる。この様な染料、顔料としては、群青、コラニルグリーンCG−130(CIナンバー:74260)、食用色素赤色102号、酸性染料アシッドイエロー141等が挙げられる。これらの染料、顔料は、水溶液や分散液とした後、洗浄剤粒子の造粒装置と同様な撹拌造粒機や転動造粒機中で上記粒子を撹拌、転動しながら、添加することで着色することができる。また、上記粒子をベルトコンベアで移送中に上記水溶液や分散液を上記粒子に噴霧して着色することもできる。着色量としては、着色する粒子に対し0.01〜1質量%が好ましい。
【0077】
4.漂白剤粒子
洗浄剤粒子群中の漂白剤としては、過炭酸ナトリウムを好適に用いることができる。過炭酸ナトリウムは、被覆されたものも用いることもできる。この被覆された過炭酸ナトリウムは、過炭酸ナトリウム粒子にホウ酸水溶液とケイ酸アルカリ金属塩とを別々に噴霧して乾燥し造粒することができる。この際、2本以上の噴霧ノズルから別々に、同時に又は逐次に噴霧してもよい。ホウ酸溶液とケイ酸アルカリ金属塩の溶媒は、溶解性、安全性、価格の面から水が好ましい。被覆剤としてのホウ酸は、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等が用いられる。また、ケイ酸アルカリ金属塩としては、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、水ガラス1号、2号、3号のナトリウム塩、メタケイ酸カリウム、オルトケイ酸カリウム等の1種を単独で又は2種以上を使用することができる。この中でも、水ガラス1号、2号、3号は液状であり、使用上の利便性の点から好ましい。
【0078】
被覆剤の他に、従来知られているキレート剤等の安定化剤を被覆剤と併用してもよい。被覆された過炭酸ナトリウム粒子の粒子径は、過炭酸ナトリウム粒子の安定性及び溶解性の点から、100〜2000μmが好ましく、より好ましくは、200〜1000μmである。
【0079】
漂白剤の含有量は、洗浄剤粒子群全量に対し1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%が好ましい。
【0080】
5.漂白活性化剤粒子
洗浄剤粒子群中の漂白活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン、炭素数8〜12のアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸、炭素数8〜12のアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸又はそれらの塩が挙げられる。これらの内、これらの中で下記一般式(9)又は(10)で表されるものが好ましい。
【0081】
【化1】
(式中、R19はそれぞれ独立に炭素数7以上のアルキル基又はアルケニル基、Phはフェニレン基、Mはそれぞれ独立に塩形成カチオン又は水素を示す。)
【0082】
R19は、炭素数7以上のアルキル基又はアルケニル基であり、炭素数7〜17のアルキル基又はアルケニル基、特に直鎖状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数9〜15の直鎖状アルキル基である。また、Mは塩形成カチオン又は水素であり、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン等のアミン類が挙げられる。この中で水素、アルカリ金属が好ましい。上記一般式中、SO3M基やCOOM基は、オルト、メタ又はパラ位をとることができ、パラ位が好ましい。
【0083】
洗浄剤粒子群においては、これらの漂白活性化剤を1種を単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。これらの漂白活性化剤は、通常の製造方法により約100〜1000μmの板状結晶で得られるので、必要に応じて常法により平均粒子径が800μmより小さくなるように、好ましくは250〜750μm程度となるように粉砕する。さらに、保存安定性向上と溶解性向上の点から、PEG#3000〜#20000のような常温で固体のポリエチレングリコールを加熱溶融した中に漂白活性化剤を分散後、押し出して直径1mm程度のヌードル状の漂白活性化剤造粒物を製造し、その後長さ1〜3mm程度に軽く粉砕してから用いてもよい。
【0084】
漂白活性化剤の含有量は、洗浄剤粒子群全量に対し0.5〜15質量%が好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
【0085】
また、上記洗浄剤粒子単独、各種粒子及び必要に応じて液状の添加剤を混合した混合物に賦香してもよい。
また、場合によっては被覆粒子と洗浄剤粒子群を混合した後、賦香してもよい。用いられる香料としては、脂肪族炭化水素、テルペン炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類、脂肪族アルコール、テルペンアルコール、芳香族アルコール等のアルコール類、脂肪族エーテル、芳香族エーテル等のエーテル類、脂肪族オキサイド、テルペン類のオキサイド等のオキサイド類、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、水素化芳香族アルデヒド、チオアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類、脂肪族ケトン、テルペンケトン、水素化芳香族ケトン、脂肪族環状ケトン、非ベンゼン系芳香族ケトン、芳香族ケトン等のケトン類、アセタール類、ケタール類、フェノール類、フェノールエーテル類、脂肪酸、テルペン系カルボン酸、水素化芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の酸類、酸アマイド類、脂肪族ラクトン、大環状ラクトン、テルペン系ラクトン、水素化芳香族ラクトン、芳香族ラクトン等のラクトン類、脂肪族エステル、フラン系カルボン酸族エステル、脂肪族環状カルボン酸エステル、シクロヘキシルカルボン酸族エステル、テルペン系カルボン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル等のエステル類、ニトロムスク類、ニトリル、アミン、ピリジン類、キノリン類、ピロール、インドール等の含窒素化合物等々の合成香料及び動物、植物からの天然香料、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料の1種又は2種以上を混合し使用することができる。例えば、1996年化学工業日報社刊印藤元一著「合成香料化学と商品知識」、1969年MONTCLAIR,N.J.刊STEFFEN ARCTANDER著“Perfume and Flavor Chemicals”等に記載の香料が使用できる。以下に主な香料名を示す。
【0086】
アルデヒドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アルファダマスコン、ベータダマスコン、デルタダマスコン、アンブレットリッド、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、オウランチオール、アセチルユゲノール、バクダノール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミールアセテート、ボルニルアセテート、ブチルブチレート、パラターシャリーブチルシクロヘキサノール、パラターシャリーブチルシクロヘキシルアセテート、オルトターシャリーブチルシクロヘキサノール、オルトーターシャリーブチルシクロヘキシルアセテート、ベンツアルデヒド、ベンジルフォーメート、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、キャロン、クマリン、シンナミルアセテート、デルタC6〜C13ラクトン、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、エチルワニリン、ユゲノール、フルイテート、フェンチールアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、ガラキソリッド、ガンマーC6〜13ラクトン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ミルセン、β−カリオフィレン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニールアセテート、シス−3−ヘキセニールサリシレート、トリプラール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ヒヤシンスジメチルアセタール、ハイドロトロピックアルコール、ヒドロキシシトロネラール、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソユゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、コアボン、リグストラール、リリアール、ライムオキサイド、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、マンザネート、マイヨール、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルユゲノール、メントール、アルファメチルイオノン、ベータメチルイオノン、ガンマメチルイオノン、メチルイソユゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM−II、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、オキサヘキサデセン−2−オン、14−メチル−ヘキサデセノリド、14−メチル−ヘキサデカノリド、ムスクケトン、ムスクチベチン、ノピルアルコール、ノピルアセテート、ネリルアセテート、ネロール、メチルフェニルアセテート、ミラックアルデヒド、ネオベルガメート、オークモスNo,1、オリボン、オキシフェニロン、パラクレジールメチルエーテル、ペンタリッド、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアセテート、アルファピネン、ルバフラン、ダマセノン、ラズベリーケトン、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ジャスマサイクレン、メチルナフチルケトン、ローズフェノン、ローズオキサイド、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、ターピネオール、ターピニルアセテート、テトラハイドロリナロール、テトラハイドロリナリールアセテート、テトラハイドロゲラニオール、テトラハイドロゲラニールアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、チモール、ワニリン、ベルドックス、ヤラヤラ、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、シダーウッド油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、バジル油、ナツメグ油、シトロネラ油、クローブ油、コリアンダー油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ヒバ油、桧油、ジャスミン油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、ネロリ油、オークモス油、オコチア油、パチュリ油、ペパーミント油、ペリラ油、プチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、しょう脳油、芳油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、スペアミント油、スパイクラベンダー油、スターアニス油、タイム油、トンカ豆チンキ、テレピン油、ワニラ豆チンキ、ベチバー油、イランイラン油、グレープフルーツ油、ゆず油、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、チュベローズ油、オークモスアブソリュート、ファーバルサム、ムスクチンキ、カストリウムチンキ、シベットチンキ、アンバーグリスチンキが挙げられる。
【0087】
香料の溶剤又は保留剤としてジエチルフタレート、ジプロピレングリコール、ベンジルベンゾエート、イソプロピルミリステート、ハーコリン、イソペンタン、オレンジテルペン等を使用することができる。なお、香料は実施例の香料に限定されない。
【0088】
本発明において被覆粒子と洗浄剤粒子群は任意に混合して用いることができるが、その比率(質量比)として被覆粒子/洗浄剤粒子群=3/97〜97/3が好ましく、5/95〜95/5がより好ましく、10/90〜90/10がさらに好ましい。
【0089】
その混合方法としては、乾式混合が好適に用いられる。使用する混合機は、各種粒子同士が十分に混合できる限りいかなる混合機を用いてもよいが、水平円筒型、二重円錐型、V型、自転・公転型等の混合機が好適に利用できる。また、撹拌造粒機、転動造粒機を用いてもよい。好ましくは、水平円筒型又は二重円錐型を用い、温度0〜50℃、Fr数0.01〜0.2(算出式は上述した通り)で混合する。このとき、各種粒子やそれ以外の成分の添加順序は特に問わない。
【0090】
最終的に被覆粒子と洗浄剤粒子群を混合して得られた粒状洗剤組成物の物性値は、特に制限されるものではないが、嵩密度は、通常0.3g/mL以上、好ましくは0.5〜1.2g/mL、より好ましくは0.6〜1.1g/mLである。また、平均粒子径は、好ましくは200〜1500μm、より好ましくは300〜1000μmである。平均粒子径が200μm未満になると粉塵が発生し易くなる場合があり、一方、1500μmを超えると本発明が目的とする溶解性が得られ難くなる場合がある。さらに、洗剤組成物の流動性は、安息角として60°以下、特に50°以下が好適である。60°を超えると取扱性が悪化する場合がある。
【0091】
被覆粒子と洗浄剤粒子群を混合して得られた洗剤組成物はそのまま粒状洗浄剤として利用することはもちろん、さらに崩壊剤等を混合した後圧縮成形して、タブレット洗浄剤やブリケット洗浄剤等の圧縮成形洗浄剤として利用することもできる。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、長期保存時の水中での凝集による溶解性の低下がなく、分散性に優れ、さらには、造粒機への付着性も防止された被覆粒子及び洗剤組成物を提供することができる。
【0093】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、%は質量%、比率は質量比を示し、表中の各成分の量は純分換算した量である。
【0094】
被覆粒子の製造方法▲1▼(撹拌造粒)
下記表2〜6に示す組成のうち、水溶性無機塩(温度25℃)を鋤刃状ショベルを装備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入し(充填率30容量%)、主軸200rpmの撹拌を開始した(チョッパーは停止)。撹拌開始後10秒後に塩感応性高分子を30秒で添加し、添加終了後、塩感応性高分子を感応せしめる塩(以下、高分子感応性塩)を液体の場合は30秒間で滴下添加し、粉体の場合は一括添加し30秒撹拌した。最後に必要に応じて流動性改善剤を添加し、30秒間撹拌を続け造粒物を得た。
【0095】
得られた造粒物を目開き2000μmの篩を用いて分級し、目開き2000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子とした。なお、比較例においては高分子感応性塩の添加は行わなかった。
【0096】
被覆粒子の製造方法▲2▼(転動造粒)
下記表2〜6に示す組成のうち、水溶性無機塩(温度25℃)を水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)に投入し(充填率20容量%)、回転数22rpm、25℃の条件で転動操作を開始した。転動開始後30秒後に塩感応性高分子を噴霧角度70°の2流体ホローコーンノズルを用いて100g/minで噴霧添加し、添加終了後、高分子感応性塩を液体の場合は100g/minで噴霧添加し、粉体の場合は一括添加し60秒転動混合した。最後に必要に応じて流動性改善剤を添加し、60秒間転動操作を続け造粒物を得た。
【0097】
得られた造粒物を目開き250μm及び目開き2000μmの篩を用いて分級し、目開き250μmを通過せず、目開き2000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子とした。なお、比較例においては高分子感応性塩の添加は行わなかった。
【0098】
被覆粒子の製造方法▲3▼(流動層造粒)
表2〜6に示す組成のうち、水溶性無機塩(温度25℃)を流動層((株)パウレックス製、Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20)に、静置時の粉体層厚が200mmになる重量を添加した。その後、20℃の風(空気)を流動層内に送り、粉体が流動化したことを確認した後に塩感応性高分子を流動化している粉体層に向け上部より噴霧した。流動層内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜10.0m/sの範囲で調整しながら造粒・被覆(コーティング)操作を行った。
【0099】
塩感応性高分子は50℃で噴霧を行い、噴霧するためのノズルは噴霧角度70°の2流体ホローコーンノズルを使用した。噴霧速度は約100g/minで行った。塩感応性高分子の噴霧終了後、溶液状の高分子感応性塩を添加する場合は同様のノズルを用いて噴霧速度は約100g/minでさらに噴霧添加した。粉体の高分子感応性塩を添加する場合は流動層より造粒物を排出し、転動ドラム(直径0.6m、長さ0.48m、厚さ1mm×幅12cm×長さ48cmの邪魔板4枚付き、回転数20rpm)内で造粒物と高分子感応性塩を60秒間混合した。
【0100】
得られた造粒物を目開き2000μmの篩を用いて分級し、目開き2000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子とした。なお、比較例においては高分子感応性塩の添加は行わなかった。
【0101】
なお、上記被覆粒子の製造方法▲1▼〜▲3▼の分級工程で発生した被覆粒子として用いない篩上品の粗粒子は該粒子に対して5%相当量の微粉亜硫酸ナトリウムと共にフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕し(スクリーン穴径2mm、回転数:全段4700rpm)、次の造粒時に水溶性無機塩と共に造粒機に投入し再利用した。また、分級操作によって被覆粒子として用いない篩下品の微粒子が発生する際には微粒子も次の造粒時に水溶性無機塩と共に造粒機に投入し再利用した。
【0102】
洗浄剤粒子群Aの製造方法
(A−1)洗浄剤粒子の造粒
下記表1に示すA組成のうち、ノニオン界面活性剤、3.2%相当量(対各洗浄剤粒子、以下同様)の粉砕助剤用及び1.5%相当量の表面被覆用のA型ゼオライト、酵素、色素及び香料を除く成分を水に溶解もしくは分散させた水分38%のスラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度300℃の条件で噴霧乾燥し、水分3%の噴霧乾燥粒子を得た。この乾燥粒子と共に、ノニオン界面活性剤3.5%相当量及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/h、温度60℃の条件で捏和し、不定形固形洗剤を得た。この不定形固形洗剤を穴径10mmのダイスを装備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)、長さ5〜30mm程度のペレット状固形洗剤を得た。
【0103】
次いで、得られた固形洗剤に粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)を4.2%相当量添加し、冷風(10℃、15m/s)下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:全段4700rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で0.5%相当量の微粉A型ゼオライト加え、0.5%相当量のノニオン界面活性剤を噴霧しつつ、2分間転動し表面改質して洗浄剤粒子を得た。
【0104】
(A−2)洗浄剤粒子の賦香
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で(A−2)で得られた洗浄剤粒子を混合しつつ、0.14%相当量の香料を噴霧して洗浄剤粒子に賦香した。
【0105】
(A−3)洗浄剤粒子の着色
得られた賦香後の洗浄剤粒子の一部を着色するために、洗浄剤粒子をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の洗浄剤粒子層高30mm、層幅300mm)その表面に青色色素溶液を噴霧した。洗浄剤粒子A(平均粒子径500μm、嵩密度0.80g/mL)を得た。
【0106】
(A−4)その他粒子との混合
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で、着色後の洗浄剤粒子に、酵素粒子0.72%相当量、漂白剤粒子4.0%相当量及び漂白活性化剤粒子1.3%相当量を5分間混合して、洗浄剤粒子群A(平均粒子径500μm、嵩密度0.80g/mL)を得た。
【0107】
洗浄剤粒子群Bの製造方法
洗浄剤粒子群Aの製造方法と同様の製造法で表1に示したB組成の洗浄剤粒子群B(平均粒子径480μm、嵩密度0.80g/mL)を得た。ただし、表1のB組成に示したとおり、漂白剤粒子及び漂白活性化剤粒子は混合されていない。
【0108】
洗浄剤粒子群Cの製造方法
(C−1)流動層によるドライ中和
表1に示したC組成の内、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム粉砕品を含む粉体原料(コーティング剤は除く)を流動層((株)パウレックス製、Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20)に静置時の粉体層厚が200mmになる重量を添加した。その後、20℃の風(空気)を流動層内に送り、粉体が流動化したことを確認した後にα−SF−H(α−スルホ脂肪酸アルキルエステル)を流動化している粉体層に向け、上部より噴霧した。流動層内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜2.0m/sの範囲で調整しながら造粒操作を行った。
【0109】
α−SF−Hは60℃で噴霧を行い、噴霧するためのノズルは噴霧角度70°の2流体ホローコーンノズルを使用した。噴霧速度は約400g/minで行った。α−SF−Hの噴霧終了後、さらに20℃の風(空気)を流動層内に送り、240秒間熟成を行った。さらに、流動層より造粒物を排出し、転動ドラム(直径0.6m、長さ0.48m、厚さ1mm×幅12cm×長さ48cmの邪魔板4枚付き、回転数20rpm)内でゼオライト4.5%相当量をコーティングした。
【0110】
(C−2)漂白
その後、得られた粒子に過酸化水素水溶液を転動ドラム(直径0.6m、長さ0.48m、厚さ1mm×幅12cm×長さ48cmの邪魔板4枚付き、回転数20rpm)内で噴霧し、流動性改善のために、さらにゼオライト5.0%相当量をコーティングした。こうして洗浄剤粒子C(平均粒子径380μm、嵩密度0.50g/mL)を得た。
【0111】
洗浄剤粒子群Dの製造方法
(D−1)洗浄剤粒子の造粒
下記表1に示すD組成のうち、ノニオン界面活性剤、4.0%相当量の粉砕助剤用及び2.0%相当量の表面被覆用のA型ゼオライト、モンモリロナイト、ホワイトカーボン、酵素、色素及び香料を除く成分を水に溶解もしくは分散させた水分40%のスラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度300℃の条件で噴霧乾燥し水分3%の噴霧乾燥粒子を得た。この乾燥粒子と共に、ノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/h、温度60℃の条件で捏和し、不定形固形洗剤を得た。この不定形固形洗剤を穴径10mmのダイスを装備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレット状固形洗剤を得た。
【0112】
次いで、得られた固形洗剤に粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)を4.2%相当量添加し、冷風(10℃、15m/s)下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=8mm/6mm/3mm、回転数:全段3760rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で0.5%相当量の微粉A型ゼオライトを加え、2分間転動し表面改質した。
【0113】
(D−2)洗浄剤粒子の賦香
洗浄剤粒子群Aの場合と同様の方法で洗浄剤粒子を賦香した。
【0114】
(D−3)その他粒子との混合
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で、得られた賦香後の洗浄剤粒子と酵素粒子1.0%相当量を5分間混合して、洗浄剤粒子群C(平均粒子径560μm、嵩密度0.81g/mL)を得た。
【0115】
洗浄剤粒子群Eの製造方法
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で、洗浄剤粒子群Aと洗浄剤粒子群Cを質量比1:1で5分間混合して、洗浄剤粒子群E(平均粒子径530μm、嵩密度0.81g/mL)を得た。
【0116】
【表1】
【0117】
被覆粒子と洗浄剤粒子群との混合
得られた被覆粒子と洗浄剤粒子群を水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容量%、回転数22rpm、25℃の条件で、表2〜6に示した比率で混合し、洗剤組成物を得た。なお、被覆粒子と洗浄剤粒子群Cとを混合する際には混合と同時に混合物に対して0.2%相当量となるように香料を噴霧した。
【0118】
実施例中で用いた原料を下記に示す。
LAS−K:ライポンLH−200(ライオン(株)製)のカリウム塩
α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム(AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)
α−SF−H:α−スルホ脂肪酸アルキルエステル(メチルエステル(パステルM−14、パステルM−16(ライオンオレオケミカル(株)製)を2:8で混合したもの)を特開2001−64248号公報の実施例1で開示されている方法に準拠してスルホン化し、エステル化工程後に抜き出しα−スルホ脂肪酸アルキルエステルとしたもの)
石鹸:C12:C18 F1=1:1の脂肪酸ナトリウム(純分68%の水性ペースト)
ノニオン界面活性剤A:ダイアドール13(三菱化学(株)製)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%)
ノニオン界面活性剤B:パステルM−181(ライオンオレオケミカル(株)製)の酸化エチレン平均15モル付加体
A型ゼオライト:シルトンB(水沢化学(株)製)(純分80%)
アクリル酸/マレイン酸コポリマーNa▲1▼:アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
アクリル酸/マレイン酸コポリマーNa▲2▼:アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)を純分20%となるように水で希釈したもの
ポリアクリル酸Na:アクアリックDL−40(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
アルギン酸Na:ダックアルギンNSPLL((株)紀文フードケミファ製)の純分4%水溶液
カルボキシメチルセルロースNa:CMCダイセル1105(ダイセル化学工業(株)製)の純分5%水溶液
ポリビニルアルコール:クラレポバールPVA−105((株)クラレ製)の純分5%水溶液
炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製)
微粉炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製)を卓上型微粉砕機(スタッドミル63C型、アルピネ社製)で平均粒子径30μmに粉砕したもの
炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製)
重炭酸ナトリウム:純正化学(株)製の試薬一級品
硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(日本化学工業(株)製)
硫酸カリウム:硫酸加里(上野製薬(株)製)
亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)
微粉亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)を卓上型微粉砕機(スタッドミル63C型、アルピネ社製)で平均粒子径25μmまで微粉砕したもの
塩化カルシウム(液):セントラル硝子製、35%水溶液
塩化カルシウム(粉)▲1▼:塩化カルシウム無水物(純正化学(株)製)の試薬一級品
塩化カルシウム(粉)▲2▼:塩化カルシウム2水和物(粒状)(セントラル硝子(株)製)を卓上型微粉砕機(スタッドミル63C型、アルピネ社製)で微粉砕したもの
塩化マグネシウム(粉):塩化マグネシウム無水物(純正化学(株)製)の試薬一級品
硝酸カルシウム(液):硝酸カルシウム4水和物(純正化学(株)製)の試薬一級品の純分50%水溶液
塩化アルミニウム(粉):塩化アルミニウム無水物(純正化学(株)製)の試薬一級品
硫酸マグネシウム(液)硫酸マグネシウム無水物(純正化学(株)製)の試薬一級品の純分30%水溶液
酸化カルシウム(粉):酸化カルシウム(純正化学(株)製)の試薬一級品
四ホウ酸ナトリウム(粉):四ホウ酸ナトリウム無水物(純正化学(株)製)の試薬一級品
ホワイトカーボン:シリカの微粉末((株)トクヤマ製、トクシールN)
モンモリロナイト:モンモリロナイト(SUD CHEMIE社製ラウンドロジル)
蛍光剤:チノパールCBS−X(チバスペシャリティケミカルズ)
色素:青色色素溶液(群青)35%溶液(大日精化(株)製)
香料:デカナール0.5%、オクタナール0.3%、ヘキシルシンナミックアルデヒド10.0%、ジメチルベンジルカルビニルアセテート8.0%、レモン油3.0%、リリアール6.0%、リラール2.0%、リナロール5.0%、フェニルエチルアルコール7.5%、トナリド2.0%、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート3.0%、ガラクソリド BB*2.0%、リナスコール2.5%、ゲラニオール1.0%、シトロネロール2.0%、ジャスモランジ2.0%、メチルジヒドロジャスモネート5.0%、ターピネオール1.0%、メチルヨノン3.0%、アセチルセドレン5.0%、レモニトリル1.0%、フルイテート1.0%、オリボン1.5、ベンゾイン1.0%、シス−3−ヘキセノール0.5%、クマリン2.0%、ダマセノン0.2%、ダマスコン0.3%、ヘリオナール1.5%、ヘリオトロピン1.5%、アニスアルデヒド2.5%、ガンマーウンデカラクトン0.8%、バグダノール1.2%、トリプラール0.5%、スチラリルアセテート1.5%、キャロン0.1%、ペンタリド3.0%、オキサヘキサデセン−2−オン2.9%、エチレンブラシレート6.2%。なお、BBはベンジルベンゾエート、香料成分の%は香料組成物中の%を示す。
過酸化水素水:純正化学(株)製、一級試薬、過酸化水素35%含有水溶液
酵素粒子:サビナーゼ18T(ノボ・ノルディスクバイオインダストリー製)
漂白剤粒子:過炭酸ナトリウム(三菱瓦斯化学(株)製、SPC−D)
漂白活性化剤粒子:下記製造方法によって得られた粒子
【0119】
(漂白活性化剤粒子の製造方法)
ホソカワミクロン(株)製エクストルード・オーミックスEM−6型に4−デカノイルオキシ安息香酸(試薬グレード)69.4%(対漂白活性化剤粒子、以下同じ)、ポリエチレングリコール20.9%及びAOS−Na(α−オレフィンスルホン酸ナトリウム)4.7%を投入し、65℃の条件で混練押し出しすることにより径が0.8mmφのヌードル状の押し出し品を得た。この押し出し品を、コミニューターFXB型(不二パウダル株式会社)により、混練押出し造粒物を導入するのと同じ方向から15℃の冷風を導入し、また助剤としてA型ゼオライト粉末5.0%を同様にして供給し粉砕して漂白活性化剤粒子を得た。
【0120】
[実施例1〜30、比較例1〜3]
表2〜6に示す組成となるように、表中に示す上記方法で被覆粒子を調製した。得られた被覆粒子と上記で得られた洗浄剤粒子を用いて上記方法で洗剤組成物を得た。得られた被覆粒子について、下記方法に基づいて平均粒子径、嵩密度を測定し、装置付着性を評価した。洗剤組成物について、平均粒子径、嵩密度を測定し、長期保存後の溶解性を評価した。結果を表2〜6に併記する。
【0121】
(1)平均粒子径の測定
目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μm、の9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行なった。分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回のベースサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型ふるい振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収する操作を行った。
【0122】
この操作を繰すことによって1410〜1680μm(1410μm.on)、1190〜1410μm(1190μm.on)、1000〜1190μm(1000μm.on)、1000〜710μm(710μm.on)500〜710μm(500μm.on)、350〜500μm(350μm.on)、250〜350μm(250μm.on)、149〜250μm(149μm.on)、皿〜149μm(149μm.pass)の各粒子径の分級サンプルを得、重量頻度(%)を算出した。
【0123】
次に、算出した重量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、またaμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの重量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の重量頻度をd%として、次式によって平均粒子径(重量50%)を求めた。
【0124】
【数1】
【0125】
(2)嵩密度の測定
嵩密度はJIS K3362に準じて測定した。
【0126】
(3)装置付着性評価
各被覆粒子を製造後、被覆粒子を造粒した装置内壁の付着物の形成状況を下記基準に基づいて評価した。
◎:ほとんど付着物が無い
○:付着物があるが問題ないレベル
△:付着物が目立つ
×:ほぼ全面に付着物がある。
【0127】
(4)長期保存後溶解性評価
▲1▼外側からコートボール紙(坪量:350g/m2)、ワックスサンド紙(坪量:30g/m2)、クラフトパルプ紙(坪量:70g/m2)の3層からなる紙を用いて、長さ15cm×巾9.3cm×高さ18.5cmの箱を作製した。この箱に被覆粒子と洗浄剤粒子群の混合物1.2kgを入れ、40℃、85%RHの恒温恒湿室中に30日間保存して、溶解性試験用サンプルを得た。
▲2▼二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、CW−C30A1−H)に、5℃の水道水30Lを張り、綿肌シャツ7枚、ポリエステルシャツ2枚、アクリルシャツ2枚で浴比20倍に調整し、それらを折り畳んで水面に浮かべた。その中心に長期保存後の溶解性試験用サンプル30gを乗せ、布ごと2分間浸漬後、弱水流で5分間撹拌した。排水後、布を1分間脱水し、布上と洗濯機中にある溶け残りを拾い出し、目視にて溶け残り量を下記評価基準に基づいて評価した。
◎:溶け残りがほとんどない
○:溶け残りがやや見られるが問題ないレベル
△:溶け残りが目立つ
×:溶け残りが著しく見られる
家庭における使用性を考慮すると、洗剤組成物としては○以上の評価が好ましい。
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】
【表4】
【0131】
【表5】
【0132】
【表6】
Claims (5)
- 水溶性無機塩核粒子の表面が塩感応性高分子で被覆された造粒物を、前記塩感応性高分子を感応せしめる塩の微粉体及び/又は水溶液で処理してなることを特徴とする被覆粒子。
- 被覆塩感応性高分子量が、被覆粒子全量に対し0.1〜10質量%である請求項1に記載の被覆粒子。
- 水溶性無機塩が、20℃未満で結晶水を持ち得る物質であることを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆粒子。
- 塩感応性高分子がカルボキシル基を有する高分子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の被覆粒子。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の被覆粒子及び界面活性剤を含有することを特徴とする洗剤組成物。
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