JP5230920B2 - 噴霧乾燥粉体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アミノ樹脂コアシェル型カプセルを含む、油状物又はワックス状固形物を、無機塩及び任意の結合剤又は1種もしくは複数の界面活性剤と共に噴霧乾燥させて粒子状粉体を形成するための製造方法に関する。
繊維製品の洗濯においては、洗浄のみならず、何らかの利点を与えることにも関心がもたれるようになっている。乾燥させた洗濯物の香りを長持ちさせることはそのような利点の一つであり、その他の利点としては、米国特許第5,554,588号明細書に記載されているような悪臭中和物質や、アロマテラピー物質、エステティック剤等を含むことが挙げられる。残念ながら、高度に洗浄することと、小さな有機分子を表面に供給することを同時に達成するのは技術的に困難であって、このことは、例えば米国特許第5,500,154号明細書にあるように、洗濯プロセスにおいて長続きする香りを供給するための各種手段が試みられてきたことからもわかる。香料成分が洗剤中の他の構成成分と反応しやすいことだけでなく、それらが界面活性剤によって可溶化されて、洗浄時に失われる可能性もある。さらに、香料のような揮発性物質は、洗濯物を乾燥させる際に蒸発してしまう可能性もある。洗濯プロセスや乾燥中に知覚可能な香りを発生させるのが好都合であるが、その香りが消失するのは、通常、比較的わずかな香りしか乾燥させた洗濯物の上に残っていないということを意味する。
例えば、米国特許第4,511,495号明細書に例示されるすすぎ用洗剤や乾燥機用シート、あるいはアイロン用製品を用いて、洗濯プロセスの終わりの方の段階において香りを加えるのが、洗濯物に香りを与えるための一つの方法であるが、そうすることは追加の製品を購入して使用することになるので、高価であるし、不便でもある。洗濯した布地に香りを供給するため別な方法としては、例えばプロフラグランス(pro−fragrance)を使用することによって、洗濯の際の付着量を増やし、乾燥の際の蒸発を防ぐものがある。それらの分子は、洗浄の際には織物の上に付着していて、後になって揮発性の香り分子を放出する。その反応を引き起こさせるためには、米国特許第5,726,345号明細書にあるように共存する酵素の影響によるもの、米国特許第6,218,355号明細書にあるように日光の影響によるもの、あるいは、細菌分解又は酵素分解によるもの等、いくつかの手段があり得る。そのような技術は有用ではあるが、プロフラグランスを合成するのに使用可能な香料物質が比較的狭い範囲のものに限定され、また得られる香りが、一般にフルフラグランス(full fragrance)を構成する分子の混合物が含むことができない。
より有望なアプローチとしては、香りをカプセル化させることである。米国特許第4,145,184号明細書及び米国特許第4,234,627号明細書には、カプセルの壁を通して香料物質が拡散することを防止する外側コーティングを有するカプセルを使用することが教示されている。それらのカプセルが洗濯の際に布地の上に付着し、布地を扱っている際にカプセルが開いて内容物を放出する。
しかしながら、そのような技術を商品化するには、克服すべきいくつかの実務的な困難が存在する。大きな困難の一つとして、粒径の違いが原因でカプセルが粉体の包みの中で分離しないように、カプセルを添加しなければならないという点がある。さらに、それらのカプセルは、製造工程に含まれるすべてのプロセス、例えば、運搬、取扱い、包装等に耐えられるよう充分に堅牢でなければならないが、その一方で、衣類を取り扱う際の比較的穏やかな条件下で破裂できるだけの充分な脆さも有していなければならない。したがって、洗剤の中で長期間貯蔵している間に、広範囲の香料物質を保護するための手段を提供することが望まれる。例えば、ある種の香り成分は、アルカリ性及び/又は洗剤粉末の漂白内容物の影響を受けやすい。
洗濯プロセスの間に洗剤製品から、多くの香料成分を洗濯物に供給するための方法が提供されることが望まれている。
また、乾燥させた洗濯物に対して長続きする香りを与えることが望まれている。
また、粉体の特性を低下させる可能性があり、時には過度に強烈な香りを有する、洗濯用洗剤のための香油をタワーに後添加する量を減少させることが望まれている。
さらに、上述のような利点を与えるカプセルのいずれもが、洗剤粉末の中に容易かつ均一に混合させることができ、製造の際の加工及び取扱いに耐えられ、しかも洗濯物を取り扱うときには破裂することが可能なような形態とすることが、より望まれている。
本発明は、噴霧乾燥により香料カプセルを含む粉体を製造する方法に関する。
この製造方法は、(a)無機塩及び任意に結合剤を含み、乾燥粉体を基準にして0.001%〜20重量%の範囲のカプセルを含むスラリーを調製する工程、及び、(b)そのようにして得られたスラリーを噴霧乾燥させて噴霧乾燥粉体を形成する工程、を含むものである。
本発明の好ましい形態では、前記粉体が洗濯用洗剤粉末であって、その場合、スラリーにはアニオン性、ノニオン性、両性イオン性又はカチオン性界面活性剤の少なくとも1種の活性洗剤が含まれていてもよい。また、無機塩の一部が洗剤中で、例えばリン酸塩又は炭酸塩と共にビルダーとして機能していてもよい。別な形態として、そのスラリーが、洗剤ビルダーとして機能する、例えばアルミノケイ酸塩のような、無機化合物を追加して含んでいてもよい。スラリー中に通常添加される洗剤粉末のその他一般的な構成成分としては、蛍光剤、無水マレイン酸アクリル酸コポリマーのようなポリマー、金属イオン封鎖剤、シリコーン系消泡剤、及び再汚染防止剤等が挙げられる。
また、本発明は、洗濯用洗剤製品の中に直接組み入れることが可能な粒子を調製するのに必要な粉体を、その後に各種処理することも包含している。したがって、個々の噴霧乾燥タワーの設計及び操作条件に合わせて、洗剤粉末の中に組み入れるのに適したサイズの粒子を形成するための粒状化が必要となる。そのような粒状化は、一つの噴霧乾燥プロセスの一部であってもよいし、あるいは噴霧乾燥の後の別な工程であってもよい。
本発明に係る粉体は、洗濯クリーニング又はコンディショニングにおいて直接使用することが可能であるとも考えられるが、噴霧乾燥させた洗剤の中に通常後で添加されるその他の構成成分、例えば漂白剤、漂白剤前駆体、金属イオン封鎖剤、酵素、着色防止剤、別の界面活性剤、無機物、及び香料とともに、本発明に係る粉体を洗剤の製造プロセスの一部としてブレンドしてもよい。さらに、本発明に係るカプセルは、別の予備成形した洗剤粉末の中に濃縮したカプセル化香料を添加するという簡便な方法によって洗剤粉末に添加することも可能である。別な方法として、その粉体を他の形態の洗剤製品の中で応用することも可能であって、例えば粉体を圧縮又はコーティングして洗剤のタブレットを形成し、次いでそれを通常の洗濯の一部として布地処理に使用することもできる。
タブレットにするには、分散剤を使用すると好都合であることが多い。
好ましくは、本発明の製造方法に使用するカプセルは、約300ミクロン未満の平均粒径を有し、100ミクロン以下、特に5〜50ミクロンの平均粒径を有することが好ましい。
本発明の製造方法において使用するカプセルは、250℃で15分間の熱安定性を有するコアシェル型カプセルであれば、都合がよい。
すなわち、本発明は以下の(1)から(12)に関する。
(1) 噴霧乾燥粉体の製造方法であって、
(a)無機塩と、少なくとも1種の結合剤と、噴霧乾燥粉体の重量を基準にして0.001〜20重量%のコアシェル型カプセルとを含む、加温、撹拌された水性スラリーを形成する工程を含み、前記コアシェル型カプセルが少なくとも香料を含む有効成分を含有しており、
(b)得られたスラリーを噴霧乾燥させて、噴霧乾燥粉体を形成する工程を含み、
前記コアシェル型カプセルが、
1)香料成分、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、乳化剤、ギ酸又は酢酸、及び水を30〜45℃でオイルフリーとなるまで撹拌し、次いでメラミン−尿素懸濁液を加えて60〜100℃に加熱し、硬化が完了するまで撹拌し、50℃まで冷却後、分散体を中和することにより得られ、
2)無撹拌の密閉容器中における「スラリーサバイバル試験」に従って、70℃で分散させた後60分後に、前記有効成分の40〜95重量%が、カプセル化された状態を維持するものであり;かつ、
3)「噴霧乾燥試験」に従って、周囲温度においたスラリーに添加して15分間置いたときに、前記有効成分の30〜80重量%が、実験室スケールの噴霧乾燥機による噴霧乾燥に耐えるものである、
噴霧乾燥粉体の製造方法。
(2) 前記コアシェル型カプセルのカプセル壁が、0.025〜1.0μmの厚みを有する、上記(1)に記載の製造方法。
(3) 前記スラリーが、洗剤粉末用スラリーであり、無機塩として少なくとも1種のビルダー、結合剤として少なくとも1種の界面活性剤、そして任意にその他の洗剤粉末用成分を含む、上記(1)に記載の製造方法。
(4) 前記洗剤粉末用スラリーが、ゼオライト、リン酸塩もしくは炭酸塩材料、又はそれらの組み合せをさらに含む、上記(3)に記載の製造方法。
(5) 前記コアシェル型カプセルが、コア部分に油状物又はワックス状固形物を含み、前記油状物又はワックス状固形物が20重量%未満のアルデヒドを含む、上記(1)に記載の製造方法。
(6) 前記コアシェル型カプセルが、コア部分に油状物又はワックス状固形物を含み、前記油状物又はワックス状固形物が10重量%未満の一級又は二級アミンを含む、上記(1)に記載の製造方法。
(7) 前記コアシェル型カプセルが、コア部分に油状物又はワックス状固形物を含み、前記油状物又はワックス状固形物の80重量%以上が、ClogPが1.5〜4.5の範囲である、上記(1)に記載の製造方法。
(8) 前記コアシェル型カプセルが、コア部分に油状物又はワックス状固形物を含み、前記油状物又はワックス状固形物が以下の〔1〕及び〔2〕を含有する、上記(1)に記載の製造方法。
〔1〕以下のa)〜e)から選ばれる少なくとも2種の香料成分の混合物である香料組成物を50〜100重量%
a)香料組成物に対して0〜20重量%のアルデヒド(アルファベータ不飽和アルデヒドを含む);
b)香料組成物に対して0〜10重量%の一級又は二級アミン;
c)香料組成物に対して0〜25重量%のClogP>4.0である香料成分;
d)香料組成物に対して0〜20重量%のClogP>5.0である香料成分;及び、
e)香料組成物に対して0〜20重量%のClogP<2.0である香料成分。
〔2〕香料成分以外の有効成分を0〜50重量
(9) 前記コアシェル型カプセルが、250℃で15分間の熱安定性を有し、香料成分、及び、悪臭中和剤、精油、アロマテラピー物質、エステティック剤、ビタミン及び防虫剤から選択される任意のその他の有効成分を含む、上記(1)に記載の製造方法。
10) 前記コアシェル型カプセルの粒径が、300μm未満である、上記(1)に記載の製造方法。
11) 前記有効成分が、ClogPが2以下である物質を0〜20重量%含む、上記(1)に記載の製造方法。
12) 上記(1)に記載の製造方法により製造された噴霧乾燥粉体を用いて洗濯物を処理することを含む、洗濯物に香料を供給する方法。
(コアシェル型カプセル)
洗濯用洗剤及びクリーニング製品用組成物のほとんどのものには、組成物そのもの又はその組成物を用いて処理した繊維製品に快適な香りを与えるための香料が含まれている。香料には、他の化学成分の影響を多少なりとも受けやすい化合物が含まれることが多い。さらに、香料のうちの多くは、界面活性剤によって可溶化されて、洗濯物の上に付着することなく放出されてしまう。さらに、より多くの香料は、洗濯物を乾燥させる際に、蒸発によって失われる。これらいくつかの課題を克服する目的で、芳香物質又は香料をカプセル化させた形態で、洗濯用洗剤又はクリーニング製品の中に組み入れることが、これまでにも提案されてきた。克服すべき様々な種類の課題が存在するため、その解決策として様々なタイプのカプセルが提案されている。
デンプン又は水溶性ポリマーをベースとするカプセルの主な目的は、貯蔵の間は香料を保護し、水と混合すると直ちに香料を放出しようとするものである。例えば欧州特許第1,388,585号明細書では、洗濯プロセスの間に香料を放出することが記載されている。また、欧州特許第1,196,533号明細書では、デンプンカプセルの中にカプセル化させた油状物又はワックス状固形物であって、水との接触によりそれを放出するものが提案されている。それらのカプセルは、後述するスラリー安定性試験には合格せず、本発明の範囲には入らない。例えば、欧州特許第0,469,228号明細書では、35〜120℃の範囲を超える融点を有する香料固体組成物について規定しているが、このような高融点ワックス又はポリマーの中に組み入れられた香料を用いたカプセルは、噴霧乾燥の高温度を通過させてもなお香料を保持するのは、困難と思われる。
本発明に係るカプセルにおける具体的な要件は、大部分のカプセルが、温かい水性スラリー中で内容物を過剰に漏出させることなく分散状態を維持し続けなければならず、次いで噴霧乾燥の際に遭遇する高温暴露の間に変化してはならない、ということである。
すなわち、以下の2種の試験によって、カプセルの好適性を定義することができる:
スラリーサバイバル試験(slurry survival test)(試験1):70℃でスラリー中に一度分散させ、密閉容器中でさらに撹拌することなしに60分置いた後に、カプセル化物質の40重量%以上がカプセル化された状態を維持しなければならない。そのスラリーには以下の組成が含まれる:
− 約0.8重量%の、7EO C12〜C13ノニオン性界面活性剤、例えばネオドール(Neodol)23−7(シェル);
− 約19.7重量%の、モレキュラーシーブ、4Å、粉体、活性化(4Å型ゼオライト);
− 約20.5重量%の、硫酸ナトリウム;
− 約3.0重量%の、分子量約70000のアクリル酸/マレイン酸ランダムコポリマー、例えばコポリマーCP5ソカラン(Sokalan)(BASF);
− 約7.4重量%の、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;
− 約0.6重量%の、カプセル化した香料及び有効成分の分散体;
− 約48重量%の水。
カプセル化物質の放出量は、適切な分析方法によって求められるが、例えば香料の放出は、放出された香料をトラップし、ガスクロマトグラフィーによって測定することによって、求めることが可能である。
噴霧乾燥試験(試験2):本発明の要件を満たすためには、以下の組成を有するスラリーにカプセル化物質を15分間添加し:
− 約0.48重量%の、7EO C12〜C13ノニオン性界面活性剤、例えばネオドール(Neodol)23−7(シェル);
− 約11.4重量%の、モレキュラーシーブ、4A、粉体、活性化(4A型ゼオライト);
− 約11.4重量%の、硫酸ナトリウム;
− 約2.0重量%の、分子量約70000のアクリル酸/マレイン酸ランダムコポリマー(例えばコポリマーCP5ソカラン(Sokalan)(BASF))の40重量%水溶液;
− 約4.2重量%の、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;
− 約0.5重量%の、約45重量%のカプセルを含む、カプセル化された香料及び有効成分の水性分散体;
− 約70.0重量%の水。
実験室スケールの噴霧乾燥機を通過させて噴霧乾燥させた後に、カプセル化物質の30重量%以上が、(依然としてカプセル化された状態で)存在していなければならない。噴霧乾燥機としては、例えば、ブッチ(Buchii)製の、スプレーノズルパーツ番号44698付きのミニ噴霧乾燥機B−290が挙げられる。このノズルは直径0.7mmの孔を有していて、ペリスタポンプを介して供給される液体(速度:約560gスラリー/時間)を、6〜8バールの圧縮空気と混合する。得られる液滴サイズは約25μmであり、これが、入口温度145〜150℃、出口温度55〜60℃の並流方向に流れる加熱乾燥空気を用いて乾燥される。得られる乾燥粉体粒子の直径は、5〜20μmである。その乾燥粒子から放出されるカプセル化された物質の量は、粉体サンプルを抽出し、その香料を定量分析することによって測定することができる。
本発明の目的においては、ホルムアルデヒド及び尿素、ホルムアルデヒド及びメラミン、又はホルムアルデヒド及び尿素メラミンの縮合ポリマーをベースとするコアシェル型カプセルが特に適しているが、他のモノマーを用いて製造したカプセルや、他のモノマー又は他のアミンアルデヒド縮合ポリマーを組み入れたカプセルを除外しようとするものではない。コアシェル型カプセルのために適したその他のモノマーとしては、例えば、国際公開第01/49817号パンフレットに例示されているようなメタクリル酸メチル、及び国際公開第03/099005号パンフレットに例示されているようなウレタンが挙げられる。好適なモノマーは、重合反応に関わる当業者には周知である。
水不溶性物質、多くは香料をカプセル化し、それらを洗濯粉体から供給するようなカプセルの利用について教示している特許は数多く存在している。例えば、米国特許第5,188,753号明細書には、表面活性物質と、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン等の固体コアの中に分散された香料を含有する香料粒子とを含む洗剤組成物が開示されており、それらの粒子は、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂から製造された崩れやすいコーティングの中にカプセル化されている。機械的な力にさらされると、それらのカプセルが砕けて、カプセル化されていた香料が放出される。国際公開第02/74430号パンフレットには、カプセルからの香料の漏出を抑制する、変性アミノ樹脂カプセルが記載されている。国際公開第92/18601号パンフレットには、とりわけ洗濯物に適用するためのアミノ樹脂カプセルが教示されているが、そのカプセルは、周囲温度では固化するコアを有していて、カプセルの強度が改良されている。国際公開第00/05951号パンフレットには、アルカリ性の条件下で、放出の引き金となるような、塩基で解離することが可能なエステル残基を持つアミノ樹脂カプセルが記載されている。しかしながら、上述の特許のいずれにおいても、噴霧乾燥させた粒子の中にカプセルを組み入れることについての記載はない。米国特許第6,849,591号明細書には、油相中で、好ましくは油溶性開始剤を用いて付加重合によって作製されたアミノ樹脂カプセルを乾燥させるために、噴霧乾燥を使用することが記載されているが、カプセルを洗剤スラリーに添加することや乾燥工程において何か他の構成成分を添加することについては、何の示唆もない。
本発明の製造方法に適した特に好適なコアシェル型カプセルは、コアの中に油状物又はワックス状固形物を含むコアシェル型カプセルであって、前記油状物又はワックス状固形物には、アルデヒド又はアミンを含む原料物質は全く又はほとんど含まれない。さらに、その油状物又はワックス状固形物の80重量%以上が、1.5〜4.5のClogPを有することが好ましく、2〜4のClogPを有することがより好ましい。
この好適なコアシェル型カプセルには、コア部分に油状物又はワックス状固形物を含んでいればより好ましく、前記油状物又はワックス状固形物は以下のものを含む:
(1)以下のa)〜e)から選ばれる少なくとも2種の香料成分の混合物である香料組成物を50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、さらにより好ましくは80〜100重量%、
a)香料組成物に対して0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%、さらにより好ましくは0〜1重量%のアルデヒド(アルファベータ不飽和アルデヒドを含む);
b)香料組成物に対して0〜10重量%、好ましくは0〜1重量%の一級又は二級アミン;
c)香料組成物に対して0〜25重量%、好ましくは0〜20重量%のClogP>4.0である香料成分;
d)香料組成物に対して0〜20重量%、好ましくは0〜15重量%のClogP>5.0である香料成分;及び、
e)香料組成物に対して0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%のClogP<2.0である香料成分。
(2)香料成分以外の有効成分を0〜50重量%、好ましくは0〜40重量%、より好ましくは0〜30重量%、さらにより好ましくは0〜20重量%。
香料成分以外の有効成分(これらもまた、アルデヒド及びアミンに関する上記の2つの条件を満足していなければならない)は、下記のものからなる群より選択するのが好ましい:悪臭中和剤(malodour conteracting agent)、精油、アロマテラピー物質(aromatherapeutic material)、エステティック剤(chemaesthetic agents)、ビタミン、防虫剤、UV吸収剤、抗酸化剤、及び下記のようにカプセルの性質を改良する成分:
a)カプセル製造時におけるエマルションを安定化すること、
b)カプセルからの漏れを抑制すること、及び、
c)カプセル硬度を改良すること。
(カプセルの調製)
多くの特許に、分散体の形態のアミノ樹脂カプセルを製造するための組成と製造方法が記載されており、そのような特許としては、例えば欧州特許出願公開第1,246,693A1号明細書、及び米国特許第6,261,483号明細書が挙げられ、これらの特許を参照することにより本明細書に組み入れる。いかなる面においても本特許を限定することを望むものではないが、カプセル分散体を調製するための典型的な縮重合には以下の工程が含まれる。
香料成分及び各種有効成分又は重合調整剤(乳化剤又はエマルジョン安定剤を含む)のエマルジョンの調製は、激しい撹拌下で実施する。
第一の工程では、上述のエマルジョンをメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(メラミン:ホルムアルデヒド:メタノール混合物のモル比が、約1:3:2から1:6:4まで)、及び乳化剤と混合する。それらのモノマーは予め縮合させておいてもよいし、あるいはモノマーを直接使用してもよい。メラミンの幾分かを尿素に置き換えることもできる。これらのポリマーにおいては、好ましくはメチルエーテルとしてホルムアルデヒドを部分的にエーテル化してもよい。
好ましくは、シェルは、50〜100%のホルムアルデヒド−メラミンもしくはホルムアルデヒド−メラミン−尿素もしくはホルムアルデヒド−尿素の縮合ポリマー、又は、(好ましくはメチルエーテルとして)部分的にエーテル化した対応するホルムアルデヒド縮合ポリマーにより構成する。
さらに、シェルは50〜100%のメタクリレート又はウレタンで構成されていてもよい。
次いで、上記の混合物に酸を添加してpHを3.5〜6.5に調節し、温度を上げて30〜45℃とする。分散体がオイルフリーになるまで、撹拌を続けることができる。このプロセスにおいては、悪影響を及ぼさない限りいかなる酸を使用してもよく、例えばギ酸又は酢酸が使用できる。
穏やかな撹拌下で、60℃〜100℃の間で加熱することによってカプセルを硬化させれば、特に有利である。
硬化の初期の段階で、尿素、メラミンもしくはその他のアミン、又はそれらの混合物をさらに添加して、最終の分散体の中におけるホルムアルデヒド濃度を低下させ、壁の厚みを増やすことができれば、特に有利である。典型的には、10〜30%の追加のメラミン及び/又は尿素をこの段階で加えることができるが、特に有利な比率は、メラミン:尿素が5:1から1:1までである。
硬化が完了したら、温度を約50℃にまで低下させ、分散体を中和して、そのpHを約9.5に調節する。
出荷される最終のカプセル分散体には、GLC又はHPLC(標準試験法は米国環境保護庁(US Environmental Protection Agency)から出版されており、HPLCではホルムアルデヒドの誘導化が必要である)の測定による遊離ホルムアルデヒド又は遊離アセトアルデヒドが、0.1重量%未満、好ましくは100ppm(重量/重量)未満、より好ましくは10ppm(重量/重量)未満となるようにするのがよい 。
基材上へのカプセルの定着を改良したり、あるいは、使用する際の定着選択性を改良したり、あるいは、保存時に分散体の経時安定性を改良したりするために、物理的又は化学的にさらなる物質を組み入れることも、有利となるであろう。カチオン性ポリマー又はコポリマー例えば、ポリビニルイミダゾール、ベータ1、4結合をベースとする多糖類例えばグアーゴム、及びポリエステルコポリマー、例えば、洗剤のためのソイルリリースポリマーとして市販されているもの等の物質が、定着性を改良するのに適した物質の例である。
上述の製造方法によるカプセルは、乳化条件にも依存するが、一般に1〜100μm、好ましくは5〜70μmの範囲の粒径を有していることが多い。カプセル壁は、0.025〜1.0μmの厚みを有することが多い。カプセルを適切に機能させるには、これらのパラメーターは重要である。カプセルの壁が薄すぎると、その後の出荷や取り扱いの際にカプセルが壊れやすく、逆に厚すぎると、必要なときに破壊されない可能性がある。カプセルが極めて小さい時には、壁の物質がカプセルの中で大きな割合を占めることとなり、経済的に不利となってしまう。極めて大きなカプセルでは、より厚い壁が必要となったり、取り扱いの際の破壊を防止するためにコアに硬化剤を添加することが必要になったりするが、これらのいずれもが、供給すべき有効成分の量を減らすことになる。
最終的な分散体には典型的には、水中に分散させたカプセルを2.5重量%〜80重量%、好ましくは5重量%〜70重量%、より好ましくは30重量%〜70重量%含むことができる。プロセスのいくつかの形態においては、過剰の水を除去して濃縮したウェットケーキとするか、又はそれに続く適用に最適となるように、乾燥させた自由流動粉体とすることができる。このカプセルは水性スラリーへ導入されるのであるから、水の存在が悪影響を与えることはなく、出荷の際のカプセルを保護することも可能である。
カプセルは、カプセルの水性分散体の形態でスラリーに導入するのが好都合である。
(香料)
本組成物に適した香料には、当業者に周知の広い範囲の香料原料物質が含まれる。好適な香料成分の例は、S.アークタンダー(S. Arctander)「パヒューム・フレーバーズ・アンド・ケミカルズ(Perfume Flavors and Chemicals)」第1巻及び第2巻(アーサー(Aurthor)、ニュージャージー州モントクレア(Montclair, N. J.)、ならびに、「メルク・インデックス(Merck Index)」第8版(メルク・アンド・カンパニー・インコーポレーッテッド(Merck & Co., Inc.)に記載がある(これら両書を参照することにより本明細書に組み入れる)。
香料には、アルデヒド又はアミン含有原料物質を全く又はほとんど含んでいないのが好ましい。さらに、香料の80重量%以上が、1.5〜4.5のClogPを有するものであることが好ましく、2〜4のClogPを有するものであることがより好ましい。
さらに、低い嗅覚閾値を有する物質を使用することが好ましい。香料物質の嗅覚閾値を求める方法は、国際公開第02/089862号パンフレットに記載がある。
特に好適な香料組成物は、油状物又はワックス状固形物の形態にあるものであり、それには少なくとも2種の香料成分が含まれるが、ここで:
a)香料組成物に対して0〜20重量%のアルデヒド(アルファベータ不飽和アルデヒドを含む);
b)香料組成物に対して0〜10重量%の一級又は二級アミン;
c)香料組成物に対して0〜25重量%のClogP>4.0である香料成分;
d)香料組成物に対して0〜20重量%のClogP>5.0である香料成分;及び、
e)香料組成物に対して0〜20重量%のClogP<2.0である香料成分。
本明細書の文脈においては、「香料組成物(perfume composition)」は、以下で定義される「香り成分(fragrance)」とも呼ばれるものであり、本発明の本質に関わる部分である。「香料組成物」という用語は、各種芳香性の物質又は悪臭中和物質(malodor couteractant)として作用する各種の物質を意味する。香料の用途として多くの種類の化合物が知られており、そのような物質としては、例えばアルコール、ケトン、エステル、エーテル、ニトリル等が挙げられる。限定されることを望むものではないが、通常ほとんどの場合、香料化合物は、充分な揮発性を確保するために400質量単位未満の分子量を有し、そして、強いイオン化性官能基、例えばスルホン酸イオン、硫酸イオン又は四級アンモニウムイオンを含まない。
各種の化学的成分の複雑な混合物を含む、天然由来の植物性、動物性の油状物及び抽出物や、天然に見いだされるものと同じ油状物及び抽出物もまた香料として使用できることが知られており、そのような物質は本発明においても使用することができる。本発明の香料組成物は、その組成においては、最低で2種の香料成分又は香り成分を有する比較的単純なものとすることもできるし、あるいは、各種所望のにおいを与えるべく選択した、天然及び合成化学成分の極めて複雑な混合物を含んでいてもよい。香料成分についての詳細は、S.アークタンダー(S. Arctander)「パヒューム・フレーバーズ・アンド・ケミカルズ(Perfume Flavors and Chemicals)」第1巻及び第2巻(アーサー(Aurthor)、ニュージャージー州モントクレア(Montclair, N. J.)、ならびに、「メルク・インデックス(Merck Index)」第8版(メルク・アンド・カンパニー・インコーポレーッテッド(Merck & Co., Inc.)に記載がある(これら両書を参照することにより本明細書に組み入れる)。
本発明の一つの態様によれば、アルデヒドは、カプセルの調製の間にも幾分か反応するだけではなく、驚くべきことに保存時においてもそのカプセルそのものの中で継続的に反応が続いていて、その香りが嗅覚的に感知できなくなる程度までなりうる、ということが見いだされた。アルデヒドが反応性を有する化学種であるという一般的な見方があるにも関わらず、いくつかのアルデヒド、例えば、リリアール、シクラメンアルデヒド、及びヘキシルケイ皮アルデヒドは、洗濯製品のための香りに極めて高いレベルで使用されることが多く、それらの配合の中では安定である。本発明の香料組成物では、アルファ、ベータ不飽和アルデヒドを含めた全アルデヒドのレベルを、香料組成物の20重量%未満、好ましくは10重量%未満、さらにより好ましくは1重量%未満に制限するのが好ましい。
さらに、カプセル製造の最後にホルムアルデヒドを除去する目的で、過剰の水溶性アミンを添加するが、それらのコア成分として存在するアミンが、カプセルに驚くほどの安定性を示すことも見いだされた。したがって、本発明の香料組成物では、一級及び二級アミンの含量は、10重量%未満、より好ましくは1重量%未満とするのが好ましい。
本発明のさらなる態様では、カプセルには、50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらにより好ましくは80重量%以上の香料成分を含んでいるのがよい。経済的な面からは、それぞれのカプセルの中に可能な限り多くの活性な構成成分を組み入れるのが当然と考えられるものの、エマルジョンの安定性、カプセルの完全性等、多くの実用的な理由から、カプセルには、その他の構成成分例えば、溶媒、硬化剤等が含まれることが多く、それらが、香り成分及び有効成分を実質的に希釈している。
上記に関連して認識しておくべきことは、香り成分は沈着する際には何の役割も果たさないのだから、米国特許第5,652,206号明細書及び米国特許第5,500,138号明細書に教示されているような、供給性と香りの持続性を改良するために、高いClogP(計算されたlogP)をもつ物質の割合を選択する必要があるということは、もはや要求されない。実際のところ、より揮発性の高い構成成分を選択して、その香りが最高の香り効果を与えるようにすれば、好ましい。したがって、本発明の香料組成物では、ClogP>4であるものを香料成分の25重量%未満、好ましくは20重量%未満含み、ClogP<2であるものを20重量%未満含むのが好ましい。
ClogPとは、香り構成成分のオクタノール/水分配係数(P)のことを指している。香料成分のオクタノール/水分配係数は、そのオクタノール中の平衡濃度と水中の平衡濃度の比である。香料成分の分配係数は、10を底としたその対数、logPの形で表すのがより都合がよい。したがって、本発明の香料成分は、約1.5、好ましくはより高い2.5〜5の範囲のlogPを有する。多くの香料成分のlogPの値は報告されていて、例えば、ポモナ(Pomona)92データベース(カリフォルニア州アービン(Irvine, Calif.)のデイライト・ケミカル・インフォメーション・システムズ・インコーポレーテッド(Daylight Chemical Information Systems, Inc.)(デイライト・CIS(Daylight CIS)から入手可能)には、多くの数値と共に、オリジナルの文献への引用がある。しかしながら、本明細書において記すClogPの数値は、「CLOGP」プログラムによって最も好適に計算されたものであって、そのプログラムは、「ケムオフィス・ウルトラ・ソフトウェア(Chemoffice Ultra Software)バージョン9」の中に利用でき、それは、ケンブリッジソフト・コーポレーション(CambridgeSoft Corporation、米国、02140、マサチューセッツ州ケンブリッジ・ケンブリッジパーク・ドライブ・100(100,CambridgePark Drive, Cambridge, MA 02140 USA)又は、ケンブリッジソフト・コーポレーションズ(CambridgeSoft Corporations、英国、CB5 8LA、ケンブリッジ、スワンズ・ロード、シグネット・コート 8(8 Signet Court, Swanns Road, Cambridge CB5 8LA UK))から入手可能である。
本発明において有用である香料成分の選択においては、実験によるlogPに代えて、ClogPの数値を使用するのが好ましい。天然の油状物又は抽出物の場合には、そのような油状物の組成は、分析によって求めるか、又はESO2000データベース(BACIS(ベーレンズ・アロマ・ケミカル・インフォメーション・サービス(Boelens Aroma Chemical Information Service))発行、オランダ国1272GBフイゼン、グロン・ファン・プリンステルラン21(Groen van Prinsterlaan 21,1272 GB Huizen, The Netherlands)に公表されている組成を使用して求めることができる。
油状物又はワックス状固形物には0〜1重量%の香料成分が含まれているのが好ましいが、これは以下のものから選択される:
i.以下のものからなる群より選択されるアルデヒド;
アミルケイ皮アルデヒド;シトラール(CAS番号:005392−40−5);ヒドロキシ−シトロネラール;ケイ皮アルデヒド;ヒドロキシメチルペンチル−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド;2−(4−tert−ブチルベンジル)プロピオンアルデヒド;ヘキシルケイ皮アルデヒド;フェニルアセトアルデヒド;トランス−2−ヘプテナール;2,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド;ベンズアルデヒド;クロトンアルデヒドE(CAS番号:123−73−9);及びフルフラール(CAS番号:98−01−1);
ii.以下のものからなる群より選択されるClogP>4を有する香料成分;
サリチル酸ベンジル、ケイ皮酸ベンジル、ファルネソール(CAS番号:4602−84−0)、d−リモネン、l−リモネン、D,L−リモネン(ラセミ体)、3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、シクロウッド(CAS番号:13019−04−0)、ポリサントール(CAS番号:107898−54−4);及び、
iii.以下のものからなる群より選択されるClogP<2を有する香料成分;
ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、クマリン;アニスアルコール;アセタールE71(CAS番号:105−57−7)、アセトフェノン;酢酸sec−ブチル;酢酸tert−ブチル;酢酸n−ブチル;酢酸イソブチル、p−クレゾール;酢酸エチル;プロピオン酸エチル;酢酸プロピル;プロピオン酸エチル;酢酸プロピル;ベンゾニトリル。
より多くの香りが表面上に定着すること、及び破裂させたカプセルの周辺での局所的な濃度が極めて高くなることが本発明の目的の達成において本質的なものであるので、カプセルのコアの組成物では、いくつかの香り物質のより望ましくない特性、例えば、環境中での残存性、水生生物における蓄積、ヒトに対する毒性、アレルギー性又は刺激性の作用等を考慮に入れておかねばならない。
一般的に、カプセルはより効率的に表面に香りを供給するので、香り効果を達成するのに必要とされるのは、より少ないカプセル、従って香り成分をより少量とすることが必要であり、それによって、トータルとしての環境負荷が抑制される。しかしながら、皮膚上又は皮膚のごく近くの衣服での濃度が高いほど、さらなる注意を払って、そのような状況でも安全であることが判っている構成成分だけを使用して、コア組成物を配合する必要がある。
望ましくない特性が判っていて、そのため本発明の香料組成物からは好ましくは除外するべき物質としては、例えばムスクアンブレト(CAS番号:83−66−9)、及びムスクケトン(CAS番号:81−14−1)のようなニトロムスク、ポリサイクリックムスク、典型的にはガラクソリド(CAS番号:1222−05−5)及びトナリド(CAS番号:1506−02−1)、キャシュメラン、ゲラニルニトリル、サフロール、エストラゴール、メチルオイゲノール、ハロゲン含有香料物質等がある。溶媒としては、特にフタル酸エステル及びR−(OCHCH−ORで定義されるカルビトールエーテル(ここで、n=1、2又は3、R=(C〜C)アルキル又はフェニル又はアルキル置換フェニル、そしてRはH又は(C〜C)アルキルである)である。
デンジャラス・サブスタンシズ・ダイレクティブ(Dangerous Substances Directive)(67/548/EEC)の付録1もしくはその各種改訂版、又はATP(アダプテーション・トゥ・テクニカル・プログレス(Adaptation to Technical Progress))にリストアップされている物質、又はその安全性データシートにおいてR43として分類されているものは、任意に、コア組成物の1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0.001重量%未満、さらにより好ましくは分析検出限界未満に制限される。
さらに、極めて毒性(very toxic)又は毒性(toxic)と分類されているようなものはすべて、コア組成物から除外されているのが好ましい。コスメティック・ダイレクティブ(Cosmetic Directive)の第7修正版、ダイレクティブ(Directive)2003/15/EC(ダイレクティブ(Directive)76/768/EECの第7修正版)及びデタージェント・レギュレーションズ(Detergent Regulations)(2004/648/EEC)の中でアレルギー性があると指摘されているような香料成分は、任意に、コア組成物の1重量%未満、好ましくは100重量ppm未満、より好ましくは10重量ppm未満に制限される。さらに、それらのダイレクティブ(Directive)は、ATP例えば、第26回コミッション・ダイレクティブ(Commission Directive)2002/34/ECによって修正される。コア組成物は、特に、例えば、デンジャラス・プレパレーション・ダイレクティブ(Dangerous Preparation Directive)(99/45/EEC)において、R43「皮膚接触による感作」、R36「眼刺激性」、R38「皮膚刺激性」、又はR21「皮膚との接触が有害」と分類されているような原料物質の量的存在によるために、Xi又はXnと分類されて、いかなる形式であろうとも分類又は警告を必要とされるようなことがないように、配合するのが好ましい。
時には、ある種の原料物質の酸化が、ペルオキシドの生成につながり、それらのペルオキシドがいくつかの健康上の問題を有している、ということが見いだされることがある。SCCNFP(サイエンティフィック・コミッティー・オン・コスメティック・プロダクツ・アンド・ノン・フード・プロダクツ・フォア・コンシューマーズ(Scientific Committee on Cosmetic Products and Non Food Products for Consumers))は、彼らの意見SCCNFP/0392/00(最終版)において、関心を寄せられている多くの原料物質を示している。油状物又はワックス状固形物は好ましくは、0〜20ミリモルペルオキシド/リットル、好ましくは0〜10ミリモルペルオキシド/リットル、さらにより好ましくは0〜1ミリモルペルオキシド/リットルのペルオキシド値を有している。具体的に望ましくは、リモネン(d−、l−、及びdl−)、及びリモネンを実質的な量で含む天然産物を使用する場合には、それらが、20ミリモルペルオキシド/リットル未満のペルオキシド値を有するようにすべきである。ペルオキシド値の測定方法は当業者には周知であり、一つの方法が、FMA(フラグランス・マテリアル・アソシエーション(Fragrance Material Association))から、出版されている。
本明細書における典型的な香料組成物には、例えば、香料成分として合成物質やビャクダン油又はパッチュリ油等のような天然抽出物を含有する木材系/鉱物系ノートを含んでいるのがよい。本明細書における香りとは、軽質のフローラル香り、例えば、バラ、スミレ、ジャスミン、ユリ等であってよい。本明細書における香料組成物は、所望のフルーティ香り、例えば、ライム、レモン、オレンジ、ベリーフルーツ又はピーチ等を与えるように、配合することもできる。
端的に言えば、快適又はその他望ましい香りを発散させる化学的適合性のある物質ならばいずれのものでも、本願の香料カプセルに使用することができ、布地に添加したときに望ましい香りを与えるようにすることができる。
以下の表1に、ケムオフィス・ウルトラ・バージョン9(Chemoffice Ultra Version 9)を用いて計算したClogPの値が2.0〜5.0の間であり、本発明の要求に適合する、いくつかの香料成分を列挙する。それらの値は、デイライト・CLogP(Daylight CLogP)(バージョン4.9)を用いて得られた数値と、本質的に同じであることが見いだされた。
Figure 0005230920
以下の表2に、家庭用品の香料に広く使用されている物質を列挙するが、本発明はその範囲内に制限されない。
Figure 0005230920
いずれの表においても、それらのリストは全部を網羅することを目的としたものではなく、単に定義を明確にするために挙げたものである。
本発明にはさらに、悪臭中和物質としても作用する芳香性物質の使用も包含する。それらの物質は、以後においては「香料成分」という用語を用いるが、弱い香りを有するが、各種の不快臭を隠したり、抑制したりすることができる。好適な悪臭中和物質の例は、米国特許第3,102,101号明細書及び米国特許第5,554,588号明細書に開示されている。
(溶媒)
においの弱い又は無臭の溶媒が、カプセルコア物質の30重量%まで、好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満を構成することができる。溶媒が存在している場合には、1種又は複数の香料成分と共に導入されているのが、最も通常の形である。香料産業においては、固形の香り物質を適切な溶媒中に溶解させるか、又は、低レベルで使用される強力な物質を溶媒を用いて希釈して、製造を容易にすることが、極めて通常に行われている。典型的な溶媒としては、高ClogP物質、例えば安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジアルキル、クエン酸エステル、例えば、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、又はフタル酸ジエチル、又は、低ClogP物質、例えば、プロピレングリコールもしくはジプロピレングリコール等が挙げられる。これらの物質は、香りの放出又はカプセル製造時のエマルジョンの性質に影響を与える可能性があるが、記載されているレベルでは、そのような影響は最小限にとどまるであろう。本発明の目的においては、溶媒が存在する場合には、それは「その他の有効成分」とみなされる。
(その他の有効成分)
本明細書の文脈においては、「その他の有効成分」という用語は、後述の方法によってカプセル化することが可能であり、保存にも耐えることができ、家庭用品、パーソナルケア用品、又は化粧品において使用したときに、メリットを与えることが可能な各種物質を意味する。ただし、アルデヒド、特にアルファ、ベータ不飽和アルデヒド又は一級もしくは二級アミンを、ほとんど又はまったく含まない、すなわち先にも説明したように、それらは、香料組成物について先に挙げたアルデヒド及びアミンに関する要件を満たしているべきである。有効成分は、香り成分の場合に記したような、ClogPに関する要件に適合する必要はないが、その理由は、それらが蒸発して効果を与えるということが、有効成分に必要とされる特徴ではないからである。
有効成分には、芳香の有無にかかわらず、天然抽出物や、弛緩剤又は刺激剤、例えば、アロマテラピーオイルのような治療的効果を有する物質が含まれる。皮膚に有益な、天然油又は植物抽出物、例えばホホバ油又はアーモンド油もまた有効成分である。ビタミン又はビタミン誘導体、例えばパルミチン酸アスコルビル(CAS番号:137−66−6)、酢酸トコフェロール(CAS番号:58−95−7)又はパルミチン酸レチニル(CAS番号:79−81−2)等も、この定義に入る有効成分である。提案された多くのメカニズムのいずれかによって、悪臭及びその知覚を抑制又は減少させる物質も有効成分であって、例えばリシノール酸亜鉛(CAS番号:13040−19−2)等が挙げられる。エマルションに添加することによってカプセル化の前のコアエマルションの性質やカプセルものものの性質を改良するような物質も、有効成分である。M.エルマン(M. Erman)により、コスメチックス・アンド・トイレトリーズ(Cosmetics and Toiletries)第120巻、第5号、p.105に記載されているような、加温又は冷却効果を与えるような物質もまた有効成分である。そのような物質の例としては以下のようなものが挙げられる(これらに限定されない):WS3(商標)として知られるシクロヘキサンカルボキサミドN−エチル−5−メチル−2−(1−メチルエチル)(CAS番号:39711−79−0);WS23(商標)として知られるN−2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタミド(CAS番号:51115−67−4);乳酸メンチル(CAS番号:59259−38−0);クーリング・エージェント 10(cooling agent 10(商標))として知られる(−)−メントキシプロパン1,2−ジオール及びイソプレゴール。防虫剤として機能する物質、例えば、メルク(Merck)のIR3535(商標)として知られる、エチルブチルアセチルアミノプロピオネート(CAS番号:52304−36−6);又はN,N−ジエチルトルアミド(CAS番号:134−62−3);又は1−ピペリジンカルボン酸;ベイレペル(Bayrepel(商標))として知られる2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル(CAS番号:119515−38−7);又はp−メンタン−3,8−ジオール(CAS番号:42822−86−6)、又は、天然植物油、例えばティートリー油、ニーム油、シトロネラ油、又はユーカリ油等も、有効成分である。抗菌剤として機能する物質、例えばトリクロサン(triclosan(商標))(CAS番号:3380−34−5)、メチル、エチル、プロピル、及びブチルパラヒドロキシ安息香酸エステル(CAS番号:4247−02−3、94−26−8、94−13−3、120−47−8、99−76−3)、2−フェノキシエタノール、3−ヨードプロピニル−2−ブチルカルバメート(CAS番号:55406−53−6)、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール(CAS番号:52−51−7)、並びに、天然油、例えばチョウジ油、パイン油、ケイ皮油、及びティートリー油等も有効成分である。抗酸化剤として機能する物質、例えばブチル化ヒドロキシルトルエン又はブチル化ヒドロキシアニソール又はペンタエリスリチルテトラ−ジ−t−ブチルヒドロキシヒドロシンナメート、オクタデシルジt−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(CAS番号:2082−79−3)、テトラブチルエチリデンビスフェノール(CAS番号:35958−30−6)等も有効成分である。UV吸収剤として機能する物質、例えばオクチルメトキシシンナメート、ベンゾフェノン3、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、又はベンゾトリアゾリルドデシルp−クレゾール(CAS番号:6683−19−8)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等も有効成分である。上に列記した物質は、有効成分の例を挙げることを目的としたものであって、有効成分を列記したものに限定するものではない。上記のものの混合物もまた、本発明の有効成分と考えられる。したがって、UV吸収剤と抗酸化剤とを組み合わせることによって香り成分を保護したり、あるいは抗真菌剤と殺菌剤とを組み合わせることによってより広い抗菌的保護を行うのが有利であろう。さらに、いくつかの物質では、2種以上の効果を示すことが可能であることも、理解されたい。例えば、ビタミンE酢酸塩は、ビタミンの前駆体であると同時に抗酸化剤としても機能する。
(スラリー)
本発明の製造方法において使用される水性スラリーには、無機塩と少なくとも1種の結合剤とが含まれる。
噴霧乾燥に適した無機塩としては、典型的には、硫酸、炭酸、重炭酸、クエン酸、ケイ酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム又はアルミニウム塩が挙げられ、それらは単独で使用してもよいし、あるいは各種の組み合せ及び比率で使用してもよい。いくつかのものは後に無機ビルダーとして述べるものであり、その他のものも次のような役割を果たす:
− 噴霧乾燥粉体粒子に優れた粉体特性及び多孔性(例えば遊離の香料又はノニオン性界面活性剤のような油状物質のための液体担持能力)を与える;
− アルカリ性(例えば、炭酸塩)である;
− 界面活性剤洗浄系の性能を向上させるイオン強度を与える(例えば硫酸塩)。
特に好ましい無機塩は、以下のものである:炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、層状ケイ酸ナトリウム(特に、Na SKS-6)、リン酸ナトリウム(特に、三リン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム)、アルミノケイ酸ナトリウム(特に、ゼオライト4A、ゼオライトA24)。
噴霧乾燥に適した結合剤としては、ノニオン性、アニオン性、両性、及びカチオン性界面活性剤等が挙げられるが、これらについては以下に詳しく説明する。その他の好適な結合剤は、有機ポリマー、例えばポリカルボン酸塩、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムである。界面活性剤が洗浄系の一部であったり、ポリカルボン酸塩がビルダー系の一部であったりするように、結合剤が機能的な利点を有しているのが特に好ましい。
好ましい結合有機ポリマー/ポリカルボン酸塩(ポリカルボン酸塩は酸の形態で添加してもよいが、洗剤中では中性化してポリカルボン酸塩となる)は、以下のものである:ポリ(アクリル酸)、アクリル酸のコポリマー(特に、マレイン酸とのコポリマー)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(乳酸)、クエン酸、カルボキシメチルセルロース及びその塩/誘導体、ポリエチレングリコール及びその塩/誘導体。
特に好ましい本発明に係る結合界面活性剤は、慣用されるC11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩(「LAS」)、C10〜C18アルキルアルコキシ硫酸塩(AE硫酸塩;特にEO1〜7エトキシ硫酸塩)、アルキル硫酸塩(「AS」)、せっけん、モノ又はジアルキル(C10〜C20)4級アンモニウム塩、である。
スラリーは、無機塩と、結合剤と、水を含むカプセルとを混合して製造するが、そのような方法は当業者には周知である。そのスラリーは極めて濃縮されたものなので、典型的には、(高い水溶性物質を含んでいるときでさえ)溶液というよりは分散体であり、それは連続的に充分混合している必要がある。その分散体の中に存在する粒子状物質はいずれも、充分に小さく、噴霧乾燥ノズルの中を容易に通過できて、詰まりを起こす原因とならないようにしなければならない。
(噴霧乾燥)
加工技術としての噴霧乾燥により、粉体を製造するための方法として広範な用途がこれまでに見いだされてきている。噴霧乾燥によって比較的多孔質の粒子が作られ、それは低温でもあっても容易に溶解する。噴霧乾燥については、多数の特許及び公刊物を入手することができる。洗剤粉末についての総説は、M.ショウエル(M. Showell)編『パウダード・ディタージェンツ(Powdered Detergents)第71卷(サーファクタント・サイエンス・シリーズ(Surfactant Science Series))』(ISBN0−8247−9988−7)に見いだすことができる。これには、製造方法の一般的総説、及び、25ページには、スラリー調製及び噴霧乾燥の模式図(バレストラ・SPA(Ballestra SPA)提供)が記載されている。また、ホ・タン・タイ(Ho Tan Tai)『フォーミュレーティング・デタージェンツ・アンド・パーソナル・ケア・プロダクツ(Formulating Detergents and Personal Care Products)』(AOCS・プレス(AOCS Press)、ISBN1−893997−10−3)も挙げることができる。
洗剤組成物を形成するための噴霧乾燥プロセスは、当業者には周知であって、典型的には、洗剤スラリーを形成し、これをアニオン性界面活性剤の中和熱(例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸の中和)を少なくとも部分的に使用して、多くの場合60〜80℃に加温する工程が含まれる。そのスラリーは、典型的には、30重量%〜60重量%の範囲の水分含量を有し、通常は、クラッチャ(crutcher)中に、ビルダー、中和されるか又は酸の形態のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、中和用アルカリ、例えばソーダ灰もしくは炭酸ナトリウム、無機塩もしくは硫酸ナトリウムのような塩、水、加工助剤、ならびに有機ポリマーを含む。その洗剤スラリーを噴霧乾燥塔の塔頂にポンプ輸送し、ノズルから塔内にスプレーして、噴霧液滴を形成する。それらの組成物は、連続スラリー製造法によって調製することも可能である。「連続スラリー製造法」という用語は、複数の成分を連続かつ実質的に同時に、スラリー製造容器の中に供給し、その一方でその噴霧塔から、その容器内で実質的に一定の容積が保たれるような速度で、混合されたスラリーを抜き出すプロセスを意味する。
加熱空気を噴霧乾燥塔を通してポンプ輸送して、噴霧された液滴が加熱空気の中に噴霧されると、遊離の水分が蒸発し、乾燥して粉体となるようにする。そのようにして形成された噴霧乾燥粒子は次いで、塔底で集められる。特定の性質を有する粉体をより良好に製造する目的で、数多くの特許が、この基本的な方法に対する具体的な修正を教示している。米国特許第4,269,722号明細書では、ノニオン性界面活性剤を組み入れる特に多孔質な粒子の噴霧乾燥を教示している。英国特許第1,473,201号明細書には、ゼオライトを含む噴霧乾燥組成物の教示がある。欧州特許第1,499,703号明細書には、アニオン性界面活性剤含量が低い粉体の製造が記載されているのに対し、米国特許第4,900,466号明細書には、界面活性剤をほとんど又はまったく使用しない代わりにポリマーバインダーを使用した組成物中で、無機塩の比率を変えることにより、所定の細孔を有する粒子を調製することが記載されている。しかしながら、それらの洗剤特許のいずれにおいても、スラリーの中にカプセルを導入することに関する記載は無い。
さらに、食品、調味料及び医薬品等、各種の物質の噴霧乾燥が多くの特許で教示されており、この噴霧乾燥は、アミノ樹脂カプセルを含むそれらの粒子を乾燥させるため、あるいは、高度に多孔質な粒子を製造するための簡便な手段として示されている。しかしながら、噴霧乾燥のために香料含有カプセルを無機塩を混合して、より大きな粒子を製造することについての記述は一切無い。
カプセル分散体を、後添加するのではなく、スラリーに添加することの利点は以下の通りである:
− 湿潤のカプセル分散体をスラリーに直接添加するために、乾燥工程を必要としない;
− 洗剤粉末中に混合され得るように、充分に大きな粒子を作るための、さらなる凝集工程を必要としない;
− カプセルがより大きな洗剤粒子の中で保護されるので、洗剤のその後の加工工程で破壊されにくい。
具体的な噴霧乾燥塔の設計及び操作パラメーターに応じて、その粉体粒子の特性を変化させることができる。通常の典型的な噴霧乾燥させた洗剤粉末は、200〜550kgm−3のかさ密度と、250〜700μm程度に集中した粒径とを有する。任意に、より細かい粉体、より密度の高い粉体を製造することも可能である。それらのものは洗剤粉末の中に均一に分散することができないので、粉体をより凝集させておくのが好ましい。このことは、噴霧乾燥塔の中で粉体に対していくらか蒸気を加えるか、あるいは別途に流体ベッドミキサーに添加することにより、達成することが可能である。
噴霧乾燥によって調製することが可能な、ある範囲の粉体(「ブローン粉体(blown powder)又は「ベース粉体(base powder)と呼ばれることが多い)の組成物の例は、国際公開第99/65458号パンフレットに見いだすことができる(本特許を参照することにより本明細書に組み入れる)。この特許では、そのベース粉体に後添加するか又はスプレーすることが可能な構成成分についての教示もある。
噴霧乾燥設備及びその付属設備には、例えば並流空気流、向流空気流等各種の設計やスケールが存在している。当業者であれば、適切な操作条件と設備とを選択すれば、特定の噴霧乾燥塔で本発明を使用して、所望の品質を有する粉体を製造することが可能であろう。
(界面活性剤系)
噴霧乾燥の前にスラリーに点しうる洗剤の任意成分である界面活性剤組成物としては、少なくとも約0.01重量%の、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、双性イオン性界面活性剤からなる群より選択される界面活性剤が含まれる。界面活性剤は、組成物の約1.0重量%〜60重量%、より好ましくは約1.0重量%〜30重量%の範囲で含まれていることが好ましい。
ここに挙げる例によって本発明で用いる界面活性剤を限定するものではないが、典型的には、約1重量%〜約55重量%のレベルとすることができ、慣用されるC11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩(「LAS」)及び一級で分岐状鎖又はランダムのC10〜C20アルキル硫酸塩(「AS」)、式CH(CH(CHOSO )CH及びCH(CH(CHOSO )CHCH(ここで、x及び(y+1)は少なくとも約7、好ましくは少なくとも約9の整数であり、Mは、水可溶化カチオン、特にナトリウムである)のC10〜C18二級アルキル硫酸塩、例えばオレイル硫酸塩等の不飽和硫酸塩、C10〜C18アルキルアルコキシ硫酸塩(AE硫酸塩;特にEO1〜7エトキシ硫酸塩)、C10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩(特に、EO1〜5エトキシカルボン酸塩)、C10〜C18グリセロールエーテル、C10〜C18アルキルポリグリコシド及びそれらに対応する硫酸化ポリグリコシド、及び、C12〜C18アルファ−スルホン化脂肪酸エステル等が挙げられる。
所望により、慣用されるノニオン性及び両性界面活性剤、例えば、いわゆるナロウピークの(narrow peaked)アルキルエトキシレート及びC〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシ)等を含めたC12〜C18アルキルエトキシレート(「AE」)、C12〜C18ベタイン及びスルホベタイン(「スルテイン(sultaine)」)、C10〜C18アミンオキシド等もまた、全体の組成物の中に含めることが可能である。C10〜C18N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミドが極めて好ましく、C12〜C18N−メチルグルカミドが特に好ましい。国際公開第92/06154号パンフレットを参照されたい。その他の糖類由来の界面活性剤としては、N−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えばC10〜C18N−(3−メトキシプロピル)グルカミド等が挙げられる。N−プロピルからN−ヘキシルまでのC12〜C18グルカミドを低起泡性のために使用することができる。C10〜C20の慣用される石けんを使用することも可能である。高発泡性を望む場合には、分岐鎖のC10〜C16石けんを使用してもよい。アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との混合物は特に有用である。その他の慣用される有用な界面活性剤については本明細書においてさらに記述するが、標準的な教科書、例えば、シュバルツ(Schwartz)、ペリー(Perry)及びバーチ(Berch)による、『サーフェス・アクティブ・エージェンツ・アンド・ディタージェンツ(Surface Active Agents and Detergents)』にも記載されている(この文献を参照することにより本明細書に組み入れる)。
アニオン性界面活性剤は、広義には、水溶性の塩と記述することができ、特にアルカリ金属塩であり、約8〜約22個の炭素原子と、スルホン酸及び硫酸エステルラジカルからなる群より選択されるラジカルとをその分子構造の中に含む、アルキルラジカルを有する、有機硫酸反応生成物であると記述することができる。(「アルキル」という用語には、高級アシルラジカルのアルキル部分も含む)。本発明の組成物の界面活性剤成分を形成することが可能な、アニオン性合成洗剤の重要な例としては、アルキル硫酸ナトリウム又はアルキル硫酸カリウム、特に獣脂やヤシのオイル又はワックス状固形物のグリセリドを還元することによって得られる高級アルコール(C〜C18の炭素原子)を硫酸化することによって得られるアルキル硫酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム又はアルキルベンゼンスルホン酸カリウム(ここでそのアルキル基は約9〜約15個の炭素原子を含み、そのアルキルラジカルは直鎖状又は分岐状の脂肪族鎖である);アルキルグリセリルエーテルスルホン酸ナトリウム、特に、獣脂やヤシのオイル又はワックス状固形物から誘導される高級アルコールのエーテル類;ヤシのオイル又はワックス状固形物脂肪酸モノグリセリド硫酸ナトリウム及びヤシのオイル又はワックス状固形物脂肪酸モノグリセリドスルホン酸塩;1モルの高級脂肪族アルコール(例えば、獣脂又はヤシアルコール)と約1〜約10モルのエチレンオキシドとの反応生成物の硫酸エステルのナトリウム塩又はカリウム塩;1分子あたり約1〜約10単位のエチレンオキシドを有し、そのアルキルラジカルが8〜12個の炭素原子を含むアルキルフェノールエチレンオキシドエーテル硫酸のナトリウム塩又はカリウム塩;それらの脂肪酸の反応生成物は、ヤシのオイル又はワックス状固形の、タウリン酸メチル(methyl tauride)の脂肪酸アミドのナトリウム塩又はカリウム塩(ここで、その脂肪酸は例えば、ヤシのオイル又はワックス状固形物、ベータ−アセトキシ−もしくはベータ−アセトアミド−アルカンスルホン酸ナトリウム、又はベータ−アセトキシ−もしくはベータ−アセトアミド−アルカンスルホン酸カリウム(ここでそのアルカンは8〜22個の炭素原子を有する)から、誘導される)から誘導される。
さらに、二級アルキル硫酸塩は、配合者によって単独で使用することも、あるいは他の界面活性剤物質と組み合わせて使用することも可能であり、以下において、硫酸塩化界面活性剤と、その他の慣用されるアルキル硫酸塩界面活性剤との違いを同定し、説明する。また、そのような構成成分の非限定的な例を以下に示す。
例えば、上記で説明したような、慣用される一級アルキル硫酸塩(AS)は、一般式ROSO を有するが、ここでRは典型的には直鎖状のC〜C22ヒドロカルビル基であり、Mは水可溶化カチオンである。8〜20個の炭素原子を有する分岐鎖の一級アルキル硫酸塩界面活性剤(すなわち、分岐鎖「PAS」)もまた公知である(例えば、欧州特許出願公開第0,439,316号明細書を参照されたい)。
慣用される二級アルキル硫酸塩界面活性剤は、分子のヒドロカルビル「主鎖」にそって、ランダムに分布された硫酸塩を有するような物質である。そのような物質は、CH(CH(CHOSO )(CHCHの構造によって表すことができる。ここでm及びnは2以上の整数であり、m+nの合計が典型的には約9〜17であり、そしてMは水可溶化カチオンである。
上述の二級アルキル硫酸塩は、オレフィンにHSOを添加することによって調製したものである。アルファオレフィンと硫酸を用いた典型的な合成は、米国特許第3,234,258号明細書中、又は米国特許第5,075,041号明細書中に開示されている。さらに、米国特許第5,349,101号明細書及び米国特許第5,389,277号明細書も参照されたい。
高級脂肪酸の水溶性の塩、すなわち石けんは、本明細書においては有用なアニオン性界面活性剤である。これに含まれるのは、高級脂肪酸のアルカリ金属及びアミン又は四級アンモニウム塩、例えば、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約12〜約18個の炭素原子を含む高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はアルキロールアンモニウム塩である。脂肪酸は必要に応じて全面的又は部分的に飽和(任意に硬化と呼ばれる)されていてもよい。石けんは、油脂又は油状もしくはワックス状固形物を直接鹸化させるか、又は遊離の脂肪酸を中和させることにより、製造することができる。特に有用なのは、ヤシ油、パーム油及び獣脂に由来する脂肪酸の混合物のナトリウム及び/又はカリウム塩である。その他の有用な石けんについては、欧州特許第1 282 678号明細書の中の、「脂肪酸」というタイトルのセクションに記載がある。
本発明において好ましい界面活性剤はアニオン性界面活性剤であるが、その他の本明細書で有用な界面活性剤について、以下で説明する。
本発明の組成物には、任意に、少なくとも約0.01重量%、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは約1重量%〜約30重量%のノニオン性界面活性剤が含まれていてもよい。本発明の組成物において使用することが可能な、好適なノニオン性界面活性剤としては、例えば、いわゆるナロウピークの(narrow peaked)アルキルエトキシレート及びC〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシ)等を含めたC12〜C18アルキルエトキシレート(「AE」)、C〜C12アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合物、C〜C22アルカノールのアルキレンオキシド縮合物、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー(プルロニック(Pluronic,商標)−BASF・コーポレーション)、さらには半極性ノニオン性界面活性剤(例えば、アミンオキシド及びホスフィンオキシド)等が挙げられる。米国特許第3,929,678号明細書において、これらのような界面活性剤の多数の記載がある(前記特許を参照することにより本明細書に組み入れる)。
米国特許第4,565,647号明細書に開示されているようなアルキル多糖類もまた本発明の組成物における好適なノニオン性界面活性剤となりうる(前記特許を参照することにより本明細書に組み入れる)。
他のタイプのノニオン性界面活性剤には、米国特許第4,565,647号明細書に開示されているような、アルキル鎖の中に8〜22個、好ましくは10〜18個の炭素原子を有するアルキルポリグルコシドが含まれる。それらの化合物には通常、1〜20個、1.1〜5個のグルコシド単位が含まれる。他のタイプのノニオン性界面活性剤としては、N−アルキルグルカミドが挙げられる。
本明細書の組成物において使用するための、このタイプの特に望ましい界面活性剤は、アルキル−N−メチルグルカミドである。
その他の糖類由来の界面活性剤としては、N−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。
他の任意成分の洗浄効果を有する界面活性剤は、カチオン性界面活性剤である。そのカチオンが荷電した基は、少なくとも1種、好ましくはただ1種だけのヒドロキシアルキル基と、3個のアルキル基とによって置換されたアンモニウム基であって、その3個のアルキル基のうち、1個が12〜20個の炭素原子を有する長いアルキル鎖であり、他の2個が1〜4個の炭素原子を有するアルキル置換基であるものである。そのヒドロキシアルキル基は、好ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくは2個又は3個の炭素原子、最も好ましくは2個の炭素原子を有している。
洗浄効果を有する界面活性剤として使用するのに好適な四級アンモニウム化合物の例としては、以下のものを挙げることができる:塩化又は臭化ココヤシトリメチルアンモニウム;塩化又は臭化ココヤシメチルジヒドロキシエチルアンモニウム;塩化デシルトリエチルアンモニウム;塩化又は臭化デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム;塩化又は臭化C12〜C15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム;塩化又は臭化ココヤシジメチルヒドロキシエチルアンモニウム;硫酸ミリスチルトリメチルアンモニウムメチル;塩化又は臭化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム;塩化又は臭化ラウリルジメチル(エテノキシ)アンモニウム。
本明細書において有用なその他のカチオン性界面活性剤は、米国特許第4,228,044号明細書、欧州特許出願第0 000 224号明細書、及び欧州特許出願第1 254 201号明細書に記載されている。市販されている例としては、仏国、パリ、ラ・デフェンス 92058(92058 La Defense, Paris, France)のクラリアント(Clariant)(フランス)から提供されている「プラエパゲン HY(Praepagen HY)」として入手可能である。
界面活性剤の別なカテゴリーは、両性界面活性剤である。それらには、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体が含まれ、その中で、脂肪族残基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、また脂肪族置換基の一つには約8〜18個の炭素原子を含み、一つにはアニオン性水可溶化基を含む。両性界面活性剤の一つの一般的なサブグループがベタインであって、それは、一般式:RN(R)(R)CHを有しているが、ここでRは、約10〜約22個の炭素原子、好ましくは約12〜約18個の炭素原子を含むアルキル基、ベンゼン環を約2個の炭素原子に等価と数えてほぼ同じ数の炭素原子を含むアルキルアリール及びアリールアルキル基、及びアミド又はエーテル結合によって中断されている同様の構造、からなる群より選択される疎水性基であり;それぞれのR及びRは、1〜約3個の炭素原子を含むアルキル基であり、そしてnは、1〜6であり、そしてXは、カルボン酸塩の基である。
好適なベタインの例は、ココアミドプロピルベタイン、ドデシルジメチルベタイン、セチルジメチルベタイン、ドデシルアミドプロピルジメチルベタイン、テトラデシルジメチルベタイン、及びテトラデシルアミドプロピルジメチルベタインである。
(ビルダー系)
噴霧乾燥のためのスラリーの中には、洗剤ビルダーを任意に加えることができる。さらに、それらを洗濯用洗剤組成物の中に組み入れて、ミネラル硬度の調節に役立たせることもできる。無機及び有機ビルダーは、単独で使用することもできるし、混合して使用することもできる。ビルダーは典型的には、布地用洗濯組成物に使用して、粒子状の汚れの除去を助ける。
ビルダーの量は、ビルダーの種類とその組成物の最終用途に合わせて、広範に変化させることができる。ビルダーが存在する場合には、組成物には、典型的には少なくとも約1重量%のビルダーが含まれる。配合物には、典型的には約5重量%〜約80重量%、より典型的には約10重量%〜約50重量%の洗剤ビルダーが含まれる。しかしながら、それらより低量又は多量のビルダーが除外されるということではない。好適な無機ビルダーの例は、イオン交換性能を有するアルミノケイ酸塩、例えばゼオライト等である。各種のタイプのゼオライトが適しているが、特にゼオライトA、X、B、P、MAP及びHS等であり、それらのNa型、又は、そのNaのいくぶんかが、他のカチオン例えばLi、K、Ca、Mg又はアンモニウムで置換されているようなものが適している。好適なゼオライトは、例えば、以下の特許に開示されている:欧州特許出願公開第A0 038 591号明細書、欧州特許出願公開第A0 021 491号明細書、欧州特許出願公開第A0 087 035号明細書、米国特許第4,604,224号明細書、英国特許出願公開第A2 013 259号明細書、欧州特許出願公開第A0 522 726号明細書、欧州特許出願公開第A0 384 070号明細書、及び国際公開第94/24251号パンフレット。
さらなる好適な無機ビルダーの例としては、非晶質又は結晶質のケイ酸塩、例えば非晶質二ケイ酸塩、結晶質二ケイ酸塩、例えばシート状ケイ酸塩であるSKS−6(メーカー:ヘキスト(Hoechst))が挙げられる。それらのケイ酸塩は、そのアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム塩の形態で使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸Li及びケイ酸Mgを使用するのが好ましい。
無機又はP含有洗剤ビルダーの例としては、ポリリン酸塩(例を挙げれば、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、及びガラス状高分子量メタリン酸塩)、ホスホン酸塩、フィチン酸、ケイ酸塩、炭酸塩(重炭酸塩及びセスキ炭酸塩を含む)、及びアルミノケイ酸塩の等アルカリ金属、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら任意に、非リン酸塩ビルダーが必要とされることもある。
ケイ酸塩ビルダーの例としては、アルカリ金属ケイ酸塩、特にSiO:NaOの比が1.6:1から3.2:1までの範囲であるもの、及び層状化ケイ酸塩、例えば米国特許第4,664,839号明細書に記載されているような層状化ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。NaSKS−6は、ヘキスト(Hoechst)によって販売されている結晶性層状化ケイ酸塩の商標である(本明細書においては、一般化した略語「SKS−6」を用いる)。ゼオライトビルダーとは異なって、このNaSKS−6ケイ酸塩ビルダーにはアルミニウムを含まない。NaSKS−6は、層状化ケイ酸塩のNaSiOモルホロジー形を有している。それは、例えば独国特許出願公開第A3,417,649号明細書及び独国特許出願公開第A3,742,043号明細書に記載されているような方法によって調整することができる。SKS−6は、本発明で用いるには特に好ましい層状化ケイ酸塩ではあるが、その他の層状化ケイ酸塩、例えば一般式NaMSi2x+1・yHO(ここで、Mは、ナトリウム又は水素であり、xは1.9〜4の数値、好ましくは2であり、そしてyは0〜20の数値、好ましくは0である)を有するものも、本発明において使用することが可能である。ヘキスト(Hoechst)からの各種のその他の層状化ケイ酸塩としては、アルファ、ベータ及びガンマ形として、NaSKS−5、NaSKS−7及びNaSKS−11等が挙げられる。上述のように、本発明で用いるには、ΔNaSiO(NaSKS−6形)が、最も好ましい。その他のケイ酸塩もまた有用であり、例えばケイ酸マグネシウムは、粒状配合の中のクリスプニング剤(crispening agent)として、酸素漂白剤のための安定剤として、そして泡調節系(suds control system)成分として使用することができる。
炭酸塩ビルダーの例としては、独国特許出願公開第2,321,001号明細書に開示されているようなアルカリ土類金属及びアルカリ金属の炭酸塩が挙げられる。
国際公開第2005/052105号パンフレットには、実質的にゼオライトを含まず、ビルダー系としての炭酸塩とコポリマーをベースとした配合が記載されている。欧州特許第0 267 043号明細書には、ビルダーとしての炭酸塩のさらに別な使用方法が記載されており、それにはシードされた方解石を使用して、炭酸カルシウムの懸濁を促進することが記載されている。
アルミノケイ酸塩ビルダーは、本発明においては特に有用であり、現在商品化されている粒状重質洗剤組成物のほとんどにおいて重要な役割を果たしている。アルミノケイ酸塩ビルダーには次の実験式を有するものが含まれている:
[M(zAlO]・xH
(ここで、z及びyは少なくとも6の整数であり、zのyに対するモル比は1.0〜約0.5の範囲であり、そしてxは約15〜約264の整数である)。
有用なアルミノケイ酸塩イオン交換物質は市販されている。それらのアルミノケイ酸塩は結晶質構造であっても非晶質構造であってもよく、また天然由来のアルミノケイ酸塩であっても合成品由来であってもよい。アルミノケイ酸塩イオン交換物質を製造するための方法は、米国特許第3,985,669号明細書に開示されている。本明細書で有用な、好適な合成結晶質アルミノケイ酸塩イオン交換物質は、ゼオライトA、ゼオライトP(B)、ゼオライトMAP及びゼオライトXの名称で入手可能なものである。特に好ましい実施態様においては、結晶質アルミノケイ酸塩イオン交換物質は次式で表される:
Na12[(AlO12(SiO12]・xH
(ここで、xは約20〜約30、特に約27である)。この物質はゼオライトAと呼ばれている。本発明において、脱水ゼオライト(x=0〜10)を用いてもよい。そのアルミノケイ酸塩が直径約0.1〜10ミクロンの粒径を有しているのが好ましい。
本発明の目的に適した有機洗剤ビルダーとしては、広く各種のポリカルボン酸塩化合物が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書において「ポリカルボン酸塩」という用語は、複数のカルボン酸塩の基、好ましくは少なくとも3個のカルボン酸塩を有する化合物を指す。ポリカルボン酸塩ビルダーは、一般に、組成物に酸の形態で添加することができるが、中和塩の形態で添加することも可能である。塩の形態を用いる場合には、アルカリ金属例えばナトリウム、カリウム、及びリチウム、又はアルカノールアンモニウム塩が好ましい。
好ましいポリカルボン酸塩は、カルボン酸基を側鎖にもつ有機ポリマーである。典型例としては、アクリル酸ポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー(洗濯洗剤のための両種のポリマーの適当なものとしては、ソカラン(Sokalan)PAやCPのような製品、例えばソカランCP5(BASF製)が入手可能である。さらに興味深い有機ポリマーとしては、例えばポリ(アスパラギン酸)やポリ(乳酸)のような生分解可能なポリマーがある。これらのようなポリマーは、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩や酸として添加することができ、一般的には酸であっても添加することができる。そして、このようなポリマーは、スラリー中や洗剤粉末への後添加時において中和される。
ポリカルボン酸塩ビルダーには、様々な種類の有用な物質が含まれる。ポリカルボン酸塩ビルダーの一つの重要な種類としては、エーテルポリカルボン酸塩があり、例えば、米国特許第3,128,287号明細書、米国特許第3,635,830号明細書に開示されているようなオキシ二コハク酸塩、及び米国特許第4,663,071号明細書の「TMS/TDS」ビルダー等が挙げられる。さらに、好適なエーテルポリカルボン酸塩としては、環状化合物、特に脂環式化合物、例えば米国特許第3,923,679号明細書;米国特許第3,835,163号明細書;米国特許第4,158,635号明細書;米国特許第4,120,874号明細書及び米国特許第4,102,903号明細書に記載されているようなものが挙げられる。
その他の有用な洗剤効果のあるビルダーとしては、エーテルヒドロキシポリカルボン酸塩、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロトリ酢酸の各種のアルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウム塩、さらにはポリカルボン酸塩、例えばメリット酸、コハク酸、オキシ二コハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びそれらの可溶性塩等が挙げられる。
クエン酸及びその可溶性塩(特にナトリウム塩)等のクエン酸塩ビルダーは、特別重要なポリカルボン酸塩ビルダーであるが、その理由は、それが再生可能な原料から得ることができ、またそれが生分解性を有しているからである。クエン酸塩はさらに、ゼオライト及び/又は層状化ケイ酸塩ビルダーと組み合わせて使用することも可能である。オキシ二コハク酸塩もまた、そのような組成物や組み合せにおいて特に有用である。
本発明の洗剤組成物において好適なものとしてはさらに、米国特許第4,566,984号明細書に開示されているような、3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート及びその関連化合物を挙げることができる。有用なコハク酸ビルダーとしては、C〜C20アルキル及びアルケニルコハク酸ならびにそれらの塩が挙げられる。このタイプで特に好適な化合物は、ドデセニルコハク酸である。コハク酸塩ビルダーの具体例としては以下のものが挙げられる:ラウリルコハク酸塩、ミリスチルコハク酸塩、パルミチルコハク酸塩、2−ドデセニルコハク酸塩(好適)、2−ペンタデセニルコハク酸塩、等。ラウリルコハク酸塩もこの群の好適なビルダーであり、欧州特許出願公開第0 200 263号明細書に記載がある。
その他の好適なポリカルボン酸塩が、米国特許第4,144,226号明細書中、米国特許第3,308,067号明細書中、及び米国特許第3,723,322号明細書中に開示されている。
脂肪酸、例えば、C12〜C18モノカルボン酸もまた、単独で又は前述のビルダーとの組み合わせで、特にクエン酸塩及び/又はコハク酸塩ビルダーと組み合わせて、組成物中に組み入れて、さらなるビルダー活性を与えることが可能である。
ある種のポリカルボン酸塩は、主に重金属のキレート剤として用いられているが、カルシウムと結合することが可能であるので、ビルダーとして用いうると考えられる。具体例としては、ジコハク酸誘導体が挙げられ、特に、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(EDDS)、イミノジコハク酸塩(IDS)、及びヒドロキシイミノジコハク酸塩(HIDS)が挙げられる。
(その他の構成成分)
洗剤組成物において有用とされる各種の構成成分を、本発明における組成物に取り入れることが可能であるが、そのようなものとしては、その他の活性成分、キャリヤー、ヒドロトロープ剤、加工助剤、染料又は顔料、ソイルリリースポリマー等が挙げられる。
上述のものに加えて無機塩、特に硫酸、炭酸、重炭酸、クエン酸、ケイ酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム又はアルミニウム塩もまた有用な構成成分となりうるが、それらは単独で使用してもよいし、あるいは各種の組み合せ及び比率で使用してもよい。
ビルダーとして使用されていない無機塩も、以下のような役割を果たすことができる:
− 噴霧乾燥粉体粒子に優れた粉体特性及び多孔性(例えば遊離の香料又はノニオン性界面活性剤のような油状物質のための液体担持能力)を与える;
− アルカリ性(例えば、炭酸塩)である;
− 界面活性剤洗浄系の性能を向上させるイオン強度を与える(例えば硫酸塩);
− 最終的に得られる粉体の密度を変える(例えば、「高密度の」炭酸ナトリウムの乾燥添加の後)。
洗濯用洗剤のために好適なソイルリリースポリマー及び/又は灰色化禁止剤(grayness inhibitor)としては下記のものが挙げられる:
− ポリエチレンオキシド及びエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール、ならびに、芳香族ジカルボン酸又は芳香族及び脂肪族ジカルボン酸とから製造された、ポリエステル;
− 一端で末端基がキャップされているポリエチレンオキシド、2価及び/又は多価アルコール、ならびにジカルボン酸から製造されたポリエステル。この種のポリエステルは公知であって、例えば、米国特許第3,557,039号明細書、英国特許出願公開第A1 154 730号明細書、欧州特許出願公開第A0 185 427号明細書、欧州特許出願公開第A0 241 984号明細書、欧州特許出願公開第A0 241 985号明細書、欧州特許出願公開第A0 272 033号明細書、及び米国特許第5,142,020号明細書に記載がある。
− 英国特許第2 307 696号明細書に記載されている、水分散化可能なスルホン化ポリエステル。
市場で入手可能なポリエステルソイルリリースポリマーとしては、ローディア(Rhodia)からリペル−オ−テックス(Repel-O-Tex(商標))、及び、BASFからソコランSR(Sokolan SR(商標))で販売されているものが挙げられる。
好適なソイルリリースポリマーとしてはさらに、ポリアルキレンオキシド上へのビニル及び/又はアクリルエステルの両親媒性グラフトポリマー又はコポリマー(米国特許第4,746,456号明細書及び米国特許第4,846,995号明細書、独国特許出願公開第A3 711 299号明細書、米国特許第4,904,408号明細書、米国特許第4,846,994号明細書及び米国特許第4,849,126号明細書を参照されたい)又は変性セルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロース等がある。
綿用ソイルリリースポリマーもまた好適であり、変性ポリエチレンイミンが米国特許第6,121,226号明細書に記載されている。エトキシル化ポリエチレンイミンが特に有用である。
洗剤に柔軟化作用を付加するべく、任意に洗剤粉末に柔軟化剤を添加することができる。柔軟化剤の例としては、粘土、特に米国特許第4,062,647号明細書に記載のスメクタイト粘土、さらには当業者には公知のその他の柔軟化剤クレーが挙げられるが、それらは、任意に、通常約0.5重量%〜約10重量%程度で使用して、洗剤粉末又はタブレットで洗浄するときに同時に柔軟性を布地に与えることができる。クレー柔軟化剤は、例えば米国特許第4,375,416号明細書及び米国特許第4,291,071号明細書に開示されているように、アミン及びカチオン性柔軟化剤と組み合わせて使用することができる。それらはまた、フロキュレーティング剤と組み合わせて使用することもできるが、これについては米国特許第6,881,717号明細書に教示がある。上述の特許はすべて、参照することにより本明細書に組み入れるものとする。
使用される色移り禁止剤の例としては、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリドン及び4−ビニルピリジン−N−オキシドの、分子量15000〜100000のホモポリマー及びコポリマー、ならびに、それらのモノマーをベースとする架橋、微粉砕したポリマーがある。そのようなポリマーをこの用途に使用することは公知であって、例えば独国特許公告第B2 232 353号明細書、独国特許出願公開第A2 814 287号明細書、独国特許出願公開第A2 814 329号明細書、及び独国特許出願公開第A4 316 023号明細書に開示されている。
天然ポリマーは、付着促進剤として機能したり、回復の利点を有していたりする。具体例としては、欧州特許第1 141 195号明細書及び欧州特許第1 141 196号明細書に記載されている、グアーゴム、イナゴマメゴム、及びキサンタンゴム又はそれらの誘導体がある。
好適な酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼである。酵素系は、酵素の単一系に限定してもよいし、あるいは異なった酵素の組み合せを含んでいてもよい。
噴霧乾燥させたベース粉体に添加することが可能なその他の任意の構成成分を挙げれば、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、光活性化剤、染料、蛍光剤、柔軟仕上げ剤、クレー、加水分解分解性界面活性剤、蛍光増白剤、保存剤、抗酸化剤、キレート化剤、安定剤、抗収縮剤、防しわ剤、分散助剤、タブレット崩壊剤、殺菌剤、殺真菌剤、腐食防止剤、ならびに高発泡が望ましい場合には所望の気泡増強剤、例えばC10〜C16アルカノールアミドを組成物の中に、典型的には1%〜10%のレベルで組み入れることができる。C10〜C14モノエタノール及びジエタノールアミドが、そのような気泡増強剤の典型例である。
本発明における洗剤組成物は、水洗浄処理において使用しているときに、洗浄用の水が約6.5〜約11の間のpH、好ましくは約7.5〜10.5の間のpHを有するようになるような配合とするのが好ましい。洗濯用製品のpHは典型的には9〜11である。推奨される使用レベルにpHを調節するための方法としては、緩衝剤、アルカリ、酸等の添加があるが、それらは当業者には周知である。
(粒子状組成物)
本発明は、低密度(典型的には550kgm−3未満)粉体中で直接使用することもできるが、粒子状物の密度が少なくとも550kgm−3から最高1200kgm−3まで、より好ましくは500〜950kgm−3であって、時には濃縮洗剤又はコンパクト粉体とも呼ばれる高密度粒子状組成物中に組み込むこともできるし、洗濯用洗剤タブレット中に組み込むことも可能である。
カプセルの中に香料及び有効成分を含む、本発明の典型的な(重質の)粉体又は粒子状洗濯用洗剤は、以下のような代表的な組成を有している:
− 0.5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の、少なくとも1種のアニオン性及び/又はノニオン性及びカチオン性界面活性剤、
− 0.5〜60重量%、好ましくは15〜40重量%の、少なくとも1種の無機ビルダー(最も典型的には、このものは、ポリリン酸塩、ゼオライト、又は炭酸塩である)、
− 0〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の、少なくとも1種の有機コビルダー(コビルダーの例としては、ポリカルボン酸塩例えばクエン酸ナトリウム、又はポリカルボン酸塩ポリマー、例えばソカラン(Sokalan)CP5(BASF)の名称で市販されているコポリマーがあり、これはゼオライトと共に使用するのが有利である。)、
− 0.001〜2重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の、本発明のカプセル、
− 任意に、0〜60重量%の、少なくとも1種の可溶性無機塩(最も典型的には、(ビルダーとして使用されていなければ)硫酸塩及び/又は炭酸塩である)。
以下のような構成成分をタワーベース粉体(tower base powder)に添加することも可能であるが、これは、いかなる点においても本発明を限定しようとするものではない。それは単に、洗剤粉末を製造するためのプロセスを記述し、そして本発明が採用される方法の例を示すことだけを目的としている。ノニオン性界面活性剤(1種又は複数)及びビルダーを後添加して、特定の粉体特性を達成したり、生産柔軟性を得たりすることは、一般的に実施されていることである。
すなわち、タワーベース粉体に下記の化合物を添加することができる:
− 任意に、0〜60重量%の少なくとも1種の可溶性無機塩。最も典型的には、硫酸塩及び/又は炭酸塩であり、特にナトリウム塩である。;
− 任意に、0〜35重量%、好ましくは5〜20重量%の過ホウ酸ナトリウム又は過炭酸ナトリウム漂白剤、及び、任意に、過酸もしくは過酸前駆体及び安定化添加剤;
− 任意に、0〜5重量%、好ましくは0〜1.5重量%の高分子量色移り禁止剤;
− 任意に、0〜1重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%のプロテアーゼ;
− 任意に、0〜1重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%のその他の洗濯用洗剤酵素、例えば、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、オキシダーゼ、及びペルオキシダーゼ。そのような酵素は典型的には、市販されている粒状の酵素カクテルとして添加される。;
− 0〜1.0%の香料。カプセル化されている香りと同一のものであってもよいが、異なったノートであってもよい。;
− 任意に、0〜1.5重量%、好ましくは0.2〜1.0重量%のソイルリリースポリマー及び/又は灰色化禁止剤又はその他の衣類ケア構成成分及び常用される助剤、ならびに100%までの残存湿分;
− 任意に、すすぎ水を介して添加される各種の布地柔軟化剤、特にスメクタイトクレー。これらは、アミン及びカチオン性柔軟化剤又はフロキュレーティング剤と組み合わせて使用してもよい。
低嵩密度及び高嵩密度粉体のための配合の各種の態様を代表し、各種の洗濯態様で使用するための洗剤粉末組成物については、国際公開第99/65458号パンフレットに教示がある(この特許を参照することにより本明細書に組み入れる)。
(洗剤タブレット)
本発明の製造方法は、洗剤タブレットや、家庭での洗濯に使用されるゲル層を有するタブレットの配合にも使用することができる。タブレットには、洗剤粉末の構成成分と同様の多くのものを含むことができる。しかし、機械的に安定であるが水の中では迅速に分散及び溶解するように、タブレットの中に洗剤を組み入れる必要があることから、その配合にはある種の制約があり、このことは、国際公開第99/41353号パンフレット及び欧州特許出願公開第1 123 381号明細書に教示されている。タブレットの多くは、噴霧乾燥させた洗剤粉末を他の構成成分と混合してから、圧縮してタブレットに成形し、多くの場合米国特許第6,358,911号明細書に記載されているような水溶性層を用いてコーティングしてから、包装することにより、製造されている。粉体を圧縮してタブレットを成形すると、ノニオン性界面活性剤又は香料のようなスプレーした液体成分を保持することが困難となったり、あるいは、タブレットの崩壊及び溶解に悪影響を及ぼしたりするので、香料又はその他の液状成分をカプセル化させた形態で組み込むと、極めて有利となる。
洗剤組成物における他の変更点としては、洗剤配合中において柔軟化させるための成分として、又は、布地柔軟化剤の粉体もしくはタブレットの形態においてかのいずれかで使用される、布地柔軟化剤である。組成物には、スメクタイトクレー、及び米国特許第6,627,598号明細書に記載されているようなカチオン性物質、及び長鎖三級アミンの塩であってもよいカチオン性又はノニオン性柔軟化剤分子、のような特定の形態を含むことができる。
(使用方法)
本発明においては、香料を洗濯物に供給する方法を提供する。この方法は、噴霧乾燥粉体を取り出す工程、及び、それを粉体洗剤組成物に添加するか、洗剤スラリー中にそのカプセルを組み入れる工程を含むものである。その洗剤スラリーは、噴霧乾燥の後に、ベーシック洗剤粉末を与える。このベーシック洗剤粉末に対して、他の構成成分、例えば遊離の香りの場合ならば液体スプレーするか、又は例えば漂白剤の場合ならば固体粒状物としてのいずれかで添加して、市販される洗剤粉末を配合し、次いでその洗剤粉末を家庭用衣類洗濯機の中で使用する。
ここで、以下の実施例を用いて本発明を説明する。
実施例1:カプセルの調製
2Lの円筒状撹拌容器に、直径50mmの標準的な市販の分散ディスクを有する無限調節分散器(infinitively adjustable disperser)を取り付けた。
下記のものをこの順で仕込んだ:
− 400gの香り成分(香料組成物No.1、下記表3参照)
− 69gのメチル化メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(メラミン:ホルムアルデヒド:メタノールのモル比、1:3.9:2.4)の70%溶液(ブルックフィールド粘度が275mPas、pHが8.5)
− 64gの、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩の20%溶液(K値123、ブルックフィールド粘度770mPas)
− 350gの水
− 15gの10%強度のギ酸。
周速約20ms−1の撹拌速度に調節することにより、この仕込み物を加工してカプセル分散体とした。温度は約35℃に保った。
60分後に、その分散体はオイルフリーとなり、約5μmの粒径となった。次いで分散ディスクの撹拌速度を落として、容器の内容物が均一に循環するのに充分なレベルとした。
硬化温度を90℃に設定し、加熱スチームの注入によりその温度に到達したら、(pHを4.5に調節するための)ギ酸の中のメラミン−尿素(メラミン:尿素の比2.5:1)の27%懸濁液のフィードを、予備成形したマイクロカプセルの分散体に一定の質量流量で1時間かけて計量しながら添加した。合計して67gのメラミン−尿素懸濁液を計量仕込みした。
続いて、90℃で120分間かけて相の硬化をさせた。
その分散体を冷却して約55℃としてから、ジエタノールアミンを用いてそれを中和し、アンモニアを使用して9.5のpHに調節した。
これにより、固形分含量が45重量%カプセルであり、粘度が83mPasの均質な水性カプセル分散体が得られた。カプセル重量のうち約85%が香料オイルである。
同一の手順に従って、表4及び5に示した香料成分と任意にその他の有効成分とを用いて、カプセルを製造した。表4及び5は、それぞれ45重量%のカプセル及び40重量%のカプセルを含むものであった。
Figure 0005230920
Figure 0005230920
Figure 0005230920
実施例2〜4:噴霧乾燥粉体
これらの実施例においては、欧州における前面投入式の自動洗濯機用に多く市販されている典型的な配合である、ゼオライトビルダー混合ノニオン/アニオン洗剤粉末のスラリー組成物について述べる。このスラリーを調製し、連続的に撹拌しながら加温して80℃としてから、7メートルの塔の中で噴霧乾燥させた。噴霧には回転ディスクを使用し、導入空気温度を220℃、出口温度を80〜95℃とした。実施例2〜4には、異なった香料組成物の香料カプセルを含むが、実施例Aは、噴霧乾燥した後に、遊離の香り又はカプセル化香りを添加したベース粉末である。適当な保存期間をおいた後で、3種の本発明の処方全部について洗濯を実施し、噴霧乾燥させたカプセルの残存状況と性能を示した。
Figure 0005230920
カプセルの平均粒子径はそれぞれ16μm、18μm、14μmであった(マルベルン・インストゥルメント(Malvern Instrument))。
上記に示したように、香料の実質的に大部分は、スラリー調製及び噴霧乾燥の後では、粉体の中にカプセル化された状態を保っていた。実施例2、3、及び4はすべて「噴霧乾燥試験」に合格する。
実施例5:スラリーサバイバル試験
上記実施例Aと同様にしてフレッシュなスラリーを製造し、その10gを、0.06gの香料組成物No.1のカプセル分散体と混合した。10gの香料を添加したスラリーの上のヘッドスペースをサンプリングし、開始時(時間ゼロ)及び60分後に、GC/MSによって分析した。
また、上記実施例Aと同様にしてフレッシュなスラリーを製造し、その10gを、0.02gの遊離の香料組成物No.1と混合することにより、ヘッドスペース測定の対照を作製し、同様の手順で分析した。サンプルを穏やかにかき混ぜてから、70℃でさらに撹拌することなく保存し、次いで70℃で測定した。
60分後、遊離の香料の場合と比較すると、有効なカプセル化香料のわずか5重量%がカプセルから放出されていた。
さらに、スラリーAのサンプル10gを、タカサゴ・ヨーロッパ・GmbHにより提供されるミントの香り(「ミクロンプラス(Micronplus,商標)」)を含むデンプンカプセルと混合した。
そのサンプルのヘッドスペースを、開始時及び60分後にGC/MSにより測定する。このサンプルを保存し、70℃で分析した。
時間ゼロでは、測定される香りは実質的にゼロであったが、60分後には、全香料の70重量%が放出されていた。
スラリーサバイバル試験では、アミノ樹脂カプセルは最小限の漏れしか示さなかったが、それに対してデンプンカプセルは「スラリーサバイバル試験」では不合格であった。
実施例6
以下の実施例によって、単一のスラリーを噴霧乾燥させて香料カプセル粒子に組み入れ、次いで各種の粉体及び固形製品中に投入することが可能であることを示す。
実施例Zの組成物は、周囲温度で、実施例Zの組成物:水を3:7として水と混合することによってスラリーとし、次いでブッチ(Buchi)のB−290を用いて噴霧乾燥させて、ベース粉体を得ることにより、製造した。同様の手順に従い、実施例6の組成物を作製した。
Figure 0005230920
実施例6のベース粉体は、スラリー化及び噴霧乾燥プロセスの後では、カプセル化香料の70重量%が残っていた。実施例6のベース粉体は、各種の洗剤粉末、例えば、ノンタワー(non tower)洗剤組成物、又はリン酸塩、炭酸塩もしくはアルミノケイ酸塩ベースの洗剤粉末に添加するための添加剤として極めて適している。
実施例7
実施例7ならびに比較例B及びCでは、洗濯後にライン乾燥させた綿のタオル地の手袋(バスミット)に残存している香料の量を示す。ライン試験中、布に対する液体の比率を10:1とし、洗剤濃度6.8g/Lの液体洗剤を用いて、40℃で45分間手袋を洗濯してから、周囲条件下で2回すすぎ洗いをし、ライン乾燥させる。
実施例Bにおいては、組成物No.1の遊離香料を実施例Zの粉体上に付着させた。香料は、粉体上に0.64重量%添加した。
実施例Cは、香料組成物No.1のカプセル分散体を実施例Zの粉体に直接加えることにより香料を添加すること以外は実施例Bと同様にする。香料は、粉体上に0.64重量%添加した。(カプセル分散体中には、カプセル化されていない香料が幾分か存在している。)それらのカプセルが洗剤ベースの上に噴霧乾燥させたものではないことに注目されたい。
実施例7では、(噴霧乾燥後の)0.42重量%の香りを含む実施例6の噴霧乾燥粉体を使用する。
下記の表は、すべての成分を合計に対する有効な香料の割合で、香料の回収量を比較したものである。
Figure 0005230920
実施例Cは、カプセル化香料を使用することによって、遊離の香料を使用した場合に比較して、洗濯の後に、より多くの香りを布地に供給できることを示す。実施例7は、スラリー調製及び噴霧乾燥の後では、幾分かの香りの損失はあるものの、それでもなおカプセル化香料を使用するとかなりのメリットが得られることを示している。
実施例8
実施例8ならびに比較例D及びEでは、洗濯後にライン乾燥させた綿のタオル地の手袋(バスミット)に残存している香料の量を示す。ライン試験中、布に対する液体の比率を10:1とし、洗剤濃度6.8g/Lの液体洗剤を用いて、40℃で45分間手袋を洗濯してから、周囲条件下で2回すすぎ洗いをし、ライン乾燥させる。
実施例Dにおいては、香料組成物No.1を、実施例Aの粉体上に付着させた。香料は、粉体上に0.2重量%添加した。
実施例Eは、香料組成物No.1のカプセル分散体を実施例Aの粉体に直接加えることにより香料を添加すること以外は実施例Bに同様にする。香料は、粉体上に0.2重量%添加した。(カプセル分散体中には、カプセル化されていない香料が幾分か存在している。)それらのカプセルが洗剤ベースの上に噴霧乾燥させたものではないことに注目されたい。
実施例8では、(噴霧乾燥後の)0.2重量%の香料を含む実施例3の噴霧乾燥粉体を使用している。
下記の表は、すべての成分を合計に対する有効な香料の割合で、香料の回収量を比較したものである。
Figure 0005230920
実施例Eは、カプセル化香料を使用することによって、遊離の香料を使用した場合に比較して、洗濯の後に、より多くの香りを布地に供給できることを示す。実施例8は、スラリー調製及び噴霧乾燥の後でも、カプセル化香料を使用するとかなりのメリットが得られることを示している。
実施例9〜13
実施例9〜13では、噴霧乾燥の前に、スラリーの中にカプセルを加えることが可能ないくつかの洗剤粉末配合を示す。実施例9〜11は、各種のビルダーを含む、慣用される低嵩密度粉体であるのに対して、実施例13は一般に濃縮粉体(concentrated powder)と呼ばれる高嵩密度粉体である。その洗剤粉末に第二の香料を後添加することも可能である。その香料は、カプセル中の香料と同一であってもよいが、異なった組成及び香りを有するものであってもよい。
Figure 0005230920
Figure 0005230920
実施例14〜17
実施例14〜17では、噴霧乾燥させて洗剤粉末とすることが可能で、種々の界面活性剤種及びビルダーを用いた、一連のスラリー組成物を示す。それぞれ、80〜85℃で30〜60重量%の水含量となるように粉体をスラリー化し、空気入口温度200℃〜350℃範囲とし、出口温度90〜100℃で噴霧乾燥させた。
Figure 0005230920
この場合も同様に、漂白剤、漂白剤前駆体、酵素、ある種の界面活性剤、ビルダー、消泡剤、再汚染防止剤、布地ケアポリマー、蛍光剤、光漂白剤、及び遊離の香料のいずれであっても、噴霧乾燥をさせた後のこれらの各種組成物に添加することができる。
実施例18:熱安定性
香料組成物No.1〜No.3のカプセル分散体を、ブッチ(Buchi)のB−290を用いて直接噴霧乾燥させて粉体を得た。この粉体は、実質的に100%の乾燥カプセルであった。秤量した乾燥カプセルを、温度を200℃に調節した炉の中に入れ、10分後に温度を10℃上昇させた。この手順を繰り返して、260℃とした。それぞれの温度上昇させるところでサンプルを秤量したが、いずれの場合でも最終的な重量損失は5%未満であった。
実施例19
以下の香り組成物(香料組成物No.4)を実施例1と同様にしてカプセル化し、次いでスラリーを調製し、そして実施例6と同様にして噴霧乾燥させた。
Figure 0005230920
噴霧乾燥し、得られた粉体を分析すると、2未満のClogPを有する香料成分(上の表で*印を付けた物質)の70重量%以上が失われていることがわかった。

Claims (12)

  1. 噴霧乾燥粉体の製造方法であって、
    (a)無機塩と、少なくとも1種の結合剤と、噴霧乾燥粉体の重量を基準にして0.001〜20重量%のコアシェル型カプセルとを含む、加温、撹拌された水性スラリーを形成する工程を含み、前記コアシェル型カプセルが少なくとも香料を含む有効成分を含有しており、
    (b)得られたスラリーを噴霧乾燥させて、噴霧乾燥粉体を形成する工程を含み、
    前記コアシェル型カプセルが、
    1)香料成分、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、乳化剤、ギ酸又は酢酸、及び水を30〜45℃でオイルフリーとなるまで撹拌し、次いでメラミン−尿素懸濁液を加えて60〜100℃に加熱し、硬化が完了するまで撹拌し、50℃まで冷却後、分散体を中和することにより得られ、
    2)無撹拌の密閉容器中における「スラリーサバイバル試験」に従って、70℃で分散させた後60分後に、前記有効成分の40〜95重量%が、カプセル化された状態を維持するものであり;かつ、
    3)「噴霧乾燥試験」に従って、周囲温度においたスラリーに添加して15分間置いたときに、前記有効成分の30〜80重量%が、実験室スケールの噴霧乾燥機による噴霧乾燥に耐えるものである、
    噴霧乾燥粉体の製造方法。
  2. 前記コアシェル型カプセルのカプセル壁が、0.025〜1.0μmの厚みを有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記スラリーが、洗剤粉末用スラリーであり、無機塩として少なくとも1種のビルダー、結合剤として少なくとも1種の界面活性剤、そして任意にその他の洗剤粉末用成分を含む、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記洗剤粉末用スラリーが、ゼオライト、リン酸塩もしくは炭酸塩材料、又はそれらの組み合せをさらに含む、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記コアシェル型カプセルが、コア部分に油状物又はワックス状固形物を含み、前記油状物又はワックス状固形物が20重量%未満のアルデヒドを含む、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記コアシェル型カプセルが、コア部分に油状物又はワックス状固形物を含み、前記油状物又はワックス状固形物が10重量%未満の一級又は二級アミンを含む、請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記コアシェル型カプセルが、コア部分に油状物又はワックス状固形物を含み、前記油状物又はワックス状固形物の80重量%以上が、ClogPが1.5〜4.5の範囲である、請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記コアシェル型カプセルが、コア部分に油状物又はワックス状固形物を含み、前記油状物又はワックス状固形物が以下の(1)及び(2)を含有する、請求項1に記載の製造方法。
    (1)以下のa)〜e)から選ばれる少なくとも2種の香料成分の混合物である香料組成物を50〜100重量%
    a)香料組成物に対して0〜20重量%のアルデヒド(アルファベータ不飽和アルデヒドを含む);
    b)香料組成物に対して0〜10重量%の一級又は二級アミン;
    c)香料組成物に対して0〜25重量%のClogP>4.0である香料成分;
    d)香料組成物に対して0〜20重量%のClogP>5.0である香料成分;及び、
    e)香料組成物に対して0〜20重量%のClogP<2.0である香料成分。
    (2)香料成分以外の有効成分を0〜50重量%
  9. 前記コアシェル型カプセルが、250℃で15分間の熱安定性を有し、香料成分、及び、悪臭中和剤、精油、アロマテラピー物質、エステティック剤、ビタミン及び防虫剤から選択される任意のその他の有効成分を含む、請求項1に記載の製造方法。
  10. 前記コアシェル型カプセルの粒径が、300μm未満である、請求項1に記載の製造方法。
  11. 前記有効成分が、ClogPが2以下である物質を0〜20重量%含む、請求項1に記載の製造方法。
  12. 請求項1に記載の製造方法により製造された噴霧乾燥粉体を用いて洗濯物を処理することを含む、洗濯物に香料を供給する方法。
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