JP2004238455A - 防汚性光学フィルムと防汚性反射防止光学フィルム及び防汚性反射防止物品 - Google Patents

防汚性光学フィルムと防汚性反射防止光学フィルム及び防汚性反射防止物品 Download PDF

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Shigeki Oka
繁樹 岡
Takashi Murakami
隆 村上
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Abstract

【課題】薄膜基材表面にハードコート層を含めた複数の光学膜を設けた防汚性光学フィルムあるいは防汚性反射防止光学フィルムであり、その作製に当たってはムラの発生がなく、多層塗設されたフィルムであるに係わらずシワがよりにくく、フィルムをロール状態に巻いたまま長期間保存しても、防汚性、巻姿が損なわれない、防汚性光学フィルムあるいは防汚性反射防止光学フィルムを提供し、それにより得られる防汚性反射防止物品を提供する。
【解決手段】厚さ30μm以上60μm以下の透明樹脂フィルムの一方の面を溶剤処理した後、他方の面にハードコート層を設け、ハードコート層側の最表面に防汚加工をなしたことを特徴とする防汚性光学フィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
CRT、LCD、PDP、有機EL等の画像表示装置の表面や、窓ガラス表面に貼合させる防汚性光学フィルムや防汚性反射防止光学フィルムと、それを用いて得られる防汚性反射防止物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CRT、LCD、PDP、有機EL等の画像表示装置の表面や、窓ガラス表面に貼合させその表面に汚れ、傷防止のためにハードコート加工や防汚加工更に反射防止加工を行うことは知られている。
【0003】
このような防汚性光学フィルムや防汚性光学フィルム(誤解を生じない場合は、両方併せて防汚性光学フィルム又は単に防汚性フィルムということがある)には、より薄膜化への要望が強く、その場合においても筒状に巻いて運搬、保存しても、防汚性が損なわれず、薬品に対する耐久性が低せず、巻いた状態が悪いと防汚性フィルムが変形してしまうといった問題が発生しないことが求められている。
【0004】
一方、本発明の防汚性フィルムと構成が類似している発明としては、透明樹脂基材のカールを防止するための方法として、特開平9−218302号公報に開示されたように、一方の面を溶剤で処理する方法や、特開平9−201912号公報に開示されているように、透明樹脂フィルムの片面に活性線硬化樹脂層を設け、反対側にカール防止機能を有する層を設けた偏光板用保護フィルムが開示されている。
【0005】
さらに、特開2002−264243号公報には、塗布による反射防止膜と、カールを防止するためにハードコート層を塗設した反対側にアンチカール層を設けることができるとの記載がある。すなわち、アンチカール層を設けた面を内側にして丸まろうとする性質を持たせることにより、カールの度合いをバランスさせるものである。
【0006】
又、特開2002−113805号公報には、撥水性防汚フィルムに、その用途に応じた他の積層材料、例えばアンカーコート層やバックコート層、さらに反射防止機能を付与する場合には高屈折率層、中屈折率層、酸化チタン層をさらに設けることができるとの記載がある。
【0007】
しかし、上記文献の記載は、本発明の如く、基体として薄い透明樹脂フィルムを用い、その上にハードコート層を設け、最表面に防汚加工をなした防汚性フィルムの有用性や問題点まで開示したものではなく、無論その解決策を提示したものではない。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−218302号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平9−201912号公報
【0010】
【特許文献3】
特開2002−264243号公報
【0011】
【特許文献4】
特開2002−113805号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、基体として薄い透明樹脂フィルムを用い、その上にハードコート層を設け、最表面に防汚加工をなした防汚性フィルムの有用性を損なうことなくその問題点の解決策を提供するためになされた。
【0013】
即ち、本発明の目的は、薄膜基材表面にハードコート層を含めた複数の光学膜を設けた防汚性光学フィルムあるいは防汚性反射防止光学フィルムであり、その作製に当たってはムラの発生がなく、多層塗設されたフィルムであるに係わらずシワがよりにくく、フィルムをロール状態に巻いたまま長期間保存しても、防汚性、巻姿が損なわれない、防汚性光学フィルムあるいは防汚性反射防止光学フィルムを提供することにある。更にはそれにより得られる防汚性反射防止物品を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者等は、鋭意検討した結果、下記構成を採ることにより本発明の目的が達成されることを見出した。
【0015】
〔1〕 厚さ30μm以上60μm以下の透明樹脂フィルムの一方の面を溶剤処理した後、他方の面にハードコート層を設け、ハードコート層側の最表面に防汚加工をなしたことを特徴とする防汚性光学フィルム。
【0016】
〔2〕 透明樹脂フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする〔1〕記載の防汚性光学フィルム。
【0017】
〔3〕 防汚加工面と溶剤処理面との動摩擦係数が0.01〜0.6であることを特徴とする〔2〕記載の防汚性光学フィルム。
【0018】
〔4〕 JIS−Z−0208に準じ、温度25℃±0.5℃、相対湿度90±2%の条件で測定した水蒸気透過率が、0.1〜150(g/m・24h)であることを特徴とする〔3〕記載の防汚性光学フィルム。
【0019】
〔5〕 ハードコート層の厚みが5〜13μmであることを特徴とする〔4〕記載の防汚性光学フィルム。
【0020】
〔6〕 〔4〕又は〔5〕記載の防汚性光学フィルムが反射防止フィルムでもあることを特徴とする防汚性反射防止光学フィルム。
【0021】
〔7〕 反射防止処理が大気圧プラズマCVD法によって成されたものであることを特徴とする〔6〕記載の防汚性反射防止光学フィルム。
【0022】
〔8〕 防汚加工がアルキル基、あるいはパーフルオロアルキル基を有するポリシロキサンの大気圧プラズマCVD法による処理であることを特徴とする〔7〕記載の防汚性反射防止光学フィルム。
【0023】
〔9〕 防汚加工として表面に、メチル基あるいはトリフルオロメチル基を有するように処理されたことを特徴とする〔6〕、〔7〕又は〔8〕記載の防汚性反射防止光学フィルム。
【0024】
〔10〕 〔6〕〜〔9〕のいずれか1項記載の防汚性反射防止光学フィルムを他の部材に貼合させて作製したことを特徴とする防汚性反射防止物品。
【0025】
本発明の上記構成によりなぜ本発明の効果が得られるのか、その理由については明らかではない。
【0026】
又、前記した特開2002−264243号公報や、特開2002−113805号公報等の特許文献を参照しても、基材の透明樹脂フィルム(基体又は基体フィルムということもある)に塗設したハードコート層の裏面側にバックコート層を設けるという記載はあるが、ハードコート層上に防汚層を設ける点については記載がなかったり、ハードコート層を設けてもよいとの一般的な記載があるだけである。
【0027】
本発明の如く薄い基体フィルムを用いた場合の問題点に関する記載はなく、無論それを解決する手段の示唆はない。また、上記した如く発明の構成においても同一な記載があるとはいえない。
【0028】
しかし、現実に、厚さが30μm以上60μm以下という薄い透明樹脂フィルムに、比較的薄膜のハードコート層を設け、さらにその上に防汚加工をなした防汚性光学フィルムを作製するに当たり、基材のもう一方の面に溶剤処理をほどこすと、作製時のハードコート層側各層の塗設に当たりムラが生ぜず、多層塗設したフィルムであるに係わらずシワがよりにくく、フィルムをロール状態に巻いたまま長期間保存しても、防汚性、巻姿が損なわれないという、優れた効果がえられた。これらについては後記する実施例中において具体的例を挙げて説明する。
【0029】
尚、本発明における溶剤処理したとは、基材の透明樹脂フィルム面を後記するような溶剤に浸漬したり、溶剤を吹きかけたりすることや、あらかじめ溶剤液中に樹脂等を溶解しておき、溶剤処理により樹脂フィルム面上に被覆層を形成する場合等も含む。
【0030】
さらに、本発明のその他の構成要件は、次項にて説明する。
【0031】
【発明の実施の形態】
〔基材としての透明樹脂フィルム〕
特に、樹脂の化学組成等に限定はなく、従来用いられているものを広く用いることが出来る。
【0032】
例えばポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースエステルフィルム、たとえばセルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)、あるいはセルロース誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルムあるいはポリアリレート系フィルム等を挙げることができる。
【0033】
本発明には、セルロースエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、例えばJSR(株)社アートン、日本ゼオン(株)社ゼオノア及びポリスルホン系フィルムが透明性、機械的性質などの点で好ましい。特にセルロースエステルフィルム、たとえばトリアセチルセルロースフィルムが、それらの中でも、製膜性が容易で加工性、透明性に優れているために好ましく用いられる。
【0034】
透明樹脂フィルムの厚みは、60μmを超えると、防汚性光学フィルムを使用した製品の質量や厚みが増して、特に携帯電話、ノートパソコンに使用される場合に重くなり好ましくない。また、本発明の構成を用いなくても障害が出ないこともあり、その意味で本発明の有する効果が極めて小さくなる。一方、30μm未満では、巻状態でのシワが強くなりすぎ、防汚性光学フィルムとして強度的にも不十分になる。
【0035】
〔裏面の溶剤処理〕
本発明にかかる溶剤処理とは、具体的には透明樹脂フィルムを溶解させる溶剤又は膨潤させる溶剤を含む組成物を塗布することによって行われる。用いる溶剤としては、溶解させる溶剤及び/又は膨潤させる溶剤の混合物の他、さらに溶解させない溶剤を含む場合もあり、処理は透明樹脂フィルムの樹脂の種類によって適宜の割合で混合した組成物を用いて行う。
【0036】
溶剤組成を溶解させる溶剤及び/又は膨潤させる溶剤の混合比率等は、透明樹脂フィルムの化学組成や、物理化学特性に応じて決められるが、この混合比率は好ましくは(溶解させる溶剤及び/又は膨潤させる溶剤):(溶解させない溶剤)=10:0〜1:9で用いられる。
【0037】
このような混合組成物に含まれる、透明樹脂フィルムを溶解又は膨潤させる溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルムなどがある。溶解させない溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノールなどがある。
【0038】
これらの溶剤組成物をグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、押し出しコーター等を用いて透明樹脂フィルムの表面にウエット膜厚が1〜100μmになるよう塗布するのが好ましいが、特には5〜30μmであると良い。また、これらの溶剤組成物中には、樹脂成分等を含有してもよく従って透明樹脂フィルム面上にこれらが被覆層を形成してもよい。これにより本発明の効果がより強調される場合もある。
【0039】
このようにして塗布した各溶剤は乾燥後は飛散してしまってもよいし、また微量残存していてもよいが、好ましくは塗布面に溶媒が残存していない状態が良い。
【0040】
〔ハードコート層(HC層)〕
鉛筆硬度でF以上であれば無機物、有機物のいずれでも良い。
【0041】
例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等が用いられる。
【0042】
膜の厚みは5〜13μmが好ましい。この範囲であると、巻状態にしたときにシワが入りにくくなり、折れ目が付きにくくなる。
【0043】
〔防汚加工〕
本発明における防汚加工とは、インク、指紋などが拭き取りやすいように表面加工することである。表面上に凹凸をつける、撥水性の化合物を表面につけるなど、公知の方法で行われる。
【0044】
一般的には、防汚加工の原材料となるモノマー、もしくはオリゴマーを溶剤に溶かして、塗布もしくは、気化させて公知のCVD法によって重合させる。
【0045】
原材料としては特に限定はされないが、好ましくは、アルキル基、パーフルオロアルキル基を有するポリシロキサンである。原料としては、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、アルコキシル基など各種反応基を持った、アルキルシランあるいはフルオロアルキルシラン系統のシランカップリング剤といわれる化合物群が好ましく用いられる。シラン化合物としては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、CFCHCHSi(OCH、CCHCHSi(OCH、COCHCHCHSi(OCH、COCHCHCHSi(OC、(CFCHOCHCHCHSi(OCH、CCHOCHCHCHSi(OCH、H(CFCHOCHCHCHSi(OCH、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、(CFCHCHSi(OCH、(COCHCHCHSi(OCH、〔H(CFCHOCHCHCHSi(OCH、(CCHCHSi(OCH、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルエチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することが出来る。フッ素を含むシラン化合物としてはテトラ(トリフルオロメチル)シラン、テトラ(ペンタフルオロエチル)シラン、テトラ(セプタフルオロプロピル)シラン、ジメチルジ(トリフルオロメチル)シラン、ジエチルジ(ペンタフルオロエチル)シラン、テトラ(トリフルオロメトキシ)シラン、テトラ(ペンタフルオロエトキシ)シラン、メチルトリ(トリフルオロメトキシ)シラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、ビニルトリ(トリフルオロメチル)シラン、トリパーフルオロメチルアクリロイルオキシシラン等のフルオロシラン化合物を挙げることが出来、これらの化合物を2種以上混合して使用してもよい。また、特に表面にメチル基あるいはトリフルオロ基を有するように処理されていることが好ましい。
【0046】
〔本発明の防汚性光学フィルム〕
本発明の防汚性光学フィルムは、反射防止フィルム、赤外線透過防止フィルム、電磁波遮蔽フィルム、透明導電性フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム等として用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
特に好ましい態様としては、更に反射防止機能を持たせて防汚性反射防止フィルムとして用いられる。
【0048】
〔反射防止フィルム〕
本発明の防汚性光学フィルムは反射防止フィルムでもあることが好ましい。反射防止フィルムとは、通常、表面に屈折率の低い膜を付与する、もしくは屈折率の低い物質と高い物質を交互に積層することにより得られる。
【0049】
その作製方法は公知の真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などのPVD法、プラズマ化学蒸着(CVD)法、大気圧プラズマCVD法、Cat−CVD法等のCVD法、微粒子分散法、ゾルゲル法により、溶剤をバーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、リップコーター等の塗布法、もしくはディッピング、転写によって形成したものが挙げられる。
【0050】
プラズマCVD法、或いは大気圧プラズマCVD法によって、本発明の防汚性光学フィルムを作製するには、それぞれ公知の方法を用いる。ただし、プラズマ放電空間と防汚処理面が離れていることが好ましい。例えば特開平10−1553号公報、もしくは、特開2002−113805号公報に開示された方法が好ましい製法として挙げられる。
【0051】
〔プラズマ放電処理装置〕
本発明の防汚性光学フィルムあるいは防汚性反射防止光学フィルムは、全ての反射防止層及び防汚層を大気圧プラズマCVD法を用いて作製されたものが、生産性が高く、従ってコスト的にも有利であり好ましい。
【0052】
上記のごとくして作製された防汚性反射防止膜は、特性が良くコスト的にも実用可能なものとなるので画像表示装置、具体的には液晶表示装置、電界発光型表示装置、プラズマディスプレイパネル等に好ましく適用することが出来る。
【0053】
図1は、プラズマ放電処理装置10に用いられるプラズマ放電処理容器20の一例を示す概念図であり、やや別の実施の形態においては、図2に示すプラズマ放電処理容器20を用いている。
【0054】
図1において、長尺フィルム状の基材Fは搬送方向(図中、時計回り)に回転するロール電極21に巻回されながら搬送される。固定電極22は複数の円筒から構成され、ロール電極21に対向させて設置される。ロール電極21に巻回された基材Fは、ニップローラ23a、23bで押圧され、ガイドローラ24で規制されてプラズマ放電処理容器20によって確保された放電処理空間に搬送され、放電プラズマ処理され、次いで、ガイドローラ25を介して次工程に搬送される。また、仕切板26は前記ニップローラ23bに近接して配置され、基材Fに同伴する空気がプラズマ放電処理容器20内に進入するのを抑制する。
【0055】
この同伴される空気は、プラズマ放電処理容器20内の気体の全体積に対し、1体積%以下に抑えることが好ましく、前記ニップローラ23bにより、それを達成することが可能である。
【0056】
尚、放電プラズマ処理に用いられる混合ガス(不活性ガスと、反応性ガスである有機フッ素化合物、チタン化合物または珪素化合物等を含有する有機ガス)は、給気口27からプラズマ放電処理容器20に導入され、処理後のガスは排気口28から排気される。
【0057】
図2は、上述のように、プラズマ放電処理容器20の他の例を示す概略図であり、図1のプラズマ放電処理容器20では円柱型の固定電極22を用いているのに対し、図2に示すプラズマ放電処理容器20では角柱型の固定電極29を用いている。
【0058】
図1に示した円柱型の固定電極22に比べて、図2に示した角柱型の固定電極29は本発明の薄膜形成方法に好ましく用いられる。
【0059】
図3(a)、(b)は、上述の円筒型のロール電極21の一例を示す概略斜視図、図4(a)、(b)は、円筒型の固定電極22の一例を示す概略斜視図、図5(a)、(b)は、角柱型の固定電極29の一例を示す概略斜視図である。
【0060】
図3(a)において、アース電極であるロール電極21は、金属等の導電性母材21aに対しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて封孔処理したセラミック被覆処理誘電体21bを被覆した組み合わせで構成されているものである。セラミック被覆処理誘電体21bを片肉で1mm被覆し、ロール径を被覆後200mmとなるように製作し、アースに接地してある。
【0061】
また、図3(b)に示すように、金属等の導電性母材21Aへライニングにより無機材料を設けたセラミック被覆処理誘電体21Bを被覆した組み合わせでロール電極21を構成してもよい。ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易いので、更に好ましく用いられる。金属等の導電性母材21a、21Aとしては、チタン、銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等が挙げられるが、加工の観点からステンレスもしくはチタンが好ましい。また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。
【0062】
尚、本実施の形態においては、ロール電極の導電性母材21a、21Aは、液体による恒温手段を有するステンレス製ジャケットロール母材を使用している(不図示)。
【0063】
図4(a)、(b)および図5(a)、(b)は、印加電極である固定電極22、固定電極29があり、上記記載のロール電極21と同様な組み合わせで構成されている。
【0064】
印加電極に電圧を印加する電源としては、特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)、パール工業製高周波電源(2MHz)等が使用できる。
【0065】
図6は、本発明に用いられるプラズマ放電処理装置10の一例を示す概念図である。
【0066】
図6において、プラズマ放電処理容器20の部分は図2の記載と同様であるが、更に、ガス発生装置40、電源50、電極恒温ユニット70等が装置構成として配置されている。電極恒温ユニット70の恒温剤としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が用いられる。
【0067】
図6に記載の電極は、図3、図5に示したものと同様であり、対向する電極間のギャップは、例えば1mm程度に設定される。
【0068】
上記電極間の距離は、電極の母材に設置した固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体と電極の最短距離、上記電極の双方に固体誘電体を設置した場合の固体誘電体同士の最短距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは1mm±0.5mmである。
【0069】
前記プラズマ放電処理容器20内にロール電極21、固定電極29を所定位置に配置し、ガス発生装置40で発生させた混合ガスを流量制御し、ガス充填手段41を介して給気口27よりプラズマ放電処理容器20内に入れ、前記プラズマ放電処理容器20内をプラズマ処理に用いる混合ガスで充填し排気口28より排気する。次に電源50により電極に電圧を印加し、ロール電極21はアースに接地し、放電プラズマを発生させる。ここでロール状の元巻き基材60より基材Fを供給し、ガイドローラ24を介して、プラズマ放電処理容器20内の電極間を片面接触(ロール電極21に接触している)の状態で搬送される。そして、基材Fは搬送中に放電プラズマにより表面が製膜され、表面に混合ガス中の反応性ガス由来の無機物を含有した薄膜が形成された後、ガイドローラ25を介して、次工程に搬送される。ここで、基材Fはロール電極21に接触していない面のみ製膜がなされる。
【0070】
電源50より固定電極29に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が0.5〜10kV程度で、電源周波数は1kHzを越えて150MHz以下に調整される。ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良い。
【0071】
又、放電出力については、装置の形状にによって左右されるが、好ましくは1W/cm以上5.0/cm以下の放電密度がよい。
【0072】
上記は、アルゴン、ヘリウム等を用いる場合であり、放電ガスに窒素ガスを用いる場合、放電条件は、対向する第1電極と第2電極との放電空間に、高周波電圧を印加し、該高周波電圧が、第1の周波数ωの電圧成分と、前記第1の周波数ωより高い第2の周波数ωの電圧成分とを重ね合わせた成分を少なくとも有する。
【0073】
高周波とは、少なくとも0.5kHzの周波数を有するものを言う。
前記高周波電圧が、第1の周波数ωの電圧成分と、前記第1の周波数ωより高い第2の周波数ωの電圧成分とを重ね合わせた成分となり、その波形は周波数ωのサイン波上に、それより高い周波数ωのサイン波が重畳されたωのサイン波がギザギザしたような波形となる。
【0074】
本発明において、放電開始電圧とは、実際の薄膜形成方法に使用される放電空間(電極の構成など)および反応条件(ガス条件など)において放電を起こすことの出来る最低電圧のことを指す。放電開始電圧は、放電空間に供給されるガス種や電極の誘電体種などによって多少変動するが、放電ガス単独の放電開始電圧と略同一と考えてよい。
【0075】
上記で述べたような高周波電圧を対向電極間(放電空間)に印加することによって、薄膜形成可能な放電を起こし、高品位な薄膜形成に必要な高密度プラズマを発生することが出来ると推定される。ここで重要なのは、このような高周波電圧が対向する電極それぞれに印加され、すなわち、同じ放電空間に両方から印加されることである。印加電極を2つ併置し、離間した異なる放電空間それぞれに、異なる周波数の高周波電圧を印加する方法では、本発明の薄膜形成は達成出来ない。
【0076】
上記でサイン波の重畳について説明したが、これに限られるものではなく、両方パルス波であっても、一方がサイン波でもう一方がパルス波であってもかまわない。また、更に第3の電圧成分を有していてもよい。
【0077】
上記本発明の高周波電圧を、対向電極間(同一放電空間)に印加する具体的な方法としては、対向電極を構成する第1電極に周波数ωであって電圧Vである第1の高周波電圧を印加する第1電源を接続し、第2電極に周波数ωであって電圧Vである第2の高周波電圧を印加する第2電源を接続した大気圧プラズマ放電処理装置である。
【0078】
上記の大気圧プラズマ放電処理装置には、前記対向電極間に、放電ガスと薄膜形成ガスとを供給するガス供給手段を備える。更に、電極の温度を制御する電極温度制御手段を有することが好ましい。
【0079】
また、電極、第1電源またはそれらの間の何れかには第1フィルターを、また電極、第2電源またはそれらの間の何れかには第2フィルターを接続することが好ましく、第1フィルターは該第1電源からの周波数の電流を通過しにくくし、該第2電源からの周波数の電流を通過し易くし、また、第2フィルターはその逆で、該第2電源からの周波数の電流を通過しにくくし、該第1電源からの周波数の電流を通過し易くするというそれぞれのフィルターには機能が備わっているものを使用する。ここで、通過しにくいとは、好ましくは、電流の20%以下、より好ましくは10%以下しか通さないことをいう。逆に通過し易いとは、好ましくは電流の80%以上、より好ましくは90%以上を通すことをいう。
【0080】
更に、本発明の大気圧プラズマ放電処理装置の第1電源は、第2電源より大きな高周波電圧を印加出来る能力を有していることが好ましい。
【0081】
また、本発明における別の放電条件としては、対向する第1電極と第2電極との間に、高周波電圧を印加し、該高周波電圧が、第1の高周波電圧V及び第2の高周波電圧Vを重畳したものであって、放電開始電圧をIVとしたとき、
≧IV>V
または V>IV≧V
を満たす。更に好ましくは、
>IV>V
を満たすことである。
【0082】
高周波および放電開始電圧の定義、また、上記本発明の高周波電圧を、対向電極間(同一放電空間)に印加する具体的な方法としては、上述したものと同様である。
【0083】
ここで、本発明でいう高周波電圧(印加電圧)と放電開始電圧は、下記の方法で測定されたものをいう。
【0084】
高周波電圧V及びV(単位:kV/mm)の測定方法:
各電極部の高周波プローブ(P6015A)を設置し、該高周波プローブをオシロスコープ(Tektronix(株)社、TDS3012B)に接続し、電圧を測定する。
【0085】
放電開始電圧IV(単位:kV/mm)の測定方法:
電極間に放電ガスを供給し、該電極間の電圧を増大させていき、放電が始まる電圧を放電開始電圧IVと定義する。測定器は上記高周波電圧測定と同じである。
【0086】
高い電圧をかけるような放電条件をとることにより、例え窒素ガスのように放電開始電圧が高い放電ガスでも、放電ガスを開始し、高密度で安定なプラズマ状態を維持出来、高性能な薄膜形成を行うことが出来るのである。
【0087】
上記の測定により放電ガスを窒素ガスとした場合、その放電開始電圧IVは3.7kV/mm程度であり、従って、上記の関係において、第1の高周波電圧を、V≧3.7kV/mmとして印加することによって窒素ガスを励起し、プラズマ状態にすることが出来る。
【0088】
ここで、第1電源の周波数としては、200kHz以下が好ましく用いることが出来る。またこの電界波形としては、サイン波でもパルス波でもよい。下限は1kHz程度が望ましい。
【0089】
一方、第2電源の周波数としては、800kHz以上が好ましく用いられる。この第2電源の周波数が高い程、プラズマ密度が高くなり、緻密で良質な薄膜が得られる。上限は200MHz程度が望ましい。
【0090】
このような二つの電源から高周波電圧を印加することは、第1の周波数ω側によって高い放電開始電圧を有する放電ガスの放電を開始するのに必要であり、また第2の周波数ω側はプラズマ密度を高くして緻密で良質な薄膜を形成するのに必要であるということが本発明の重要な点である。
【0091】
本発明において、前記第1フィルターは、前記第1電源からの周波数の電流を通過しにくくし、且つ前記第2電源からの周波数の電流を通過し易くするようになっており、また前記第2フィルターは、該第2電源からの周波数の電流を通過しにくく、且つ該第1電源からの周波数の電流を通過し易くするようになっている。本発明において、かかる性質のあるフィルターであれば制限無く使用出来る。
【0092】
例えば、第1フィルターとしては、第2電源の周波数に応じて数10〜数万pFのコンデンサー、もしくは数μH程度のコイルを用いることが出来る。第2フィルターとしては、第1電源の周波数に応じて10μH以上のコイルを用い、これらのコイルまたはコンデンサーを介してアース接地することでフィルターとして使用出来る。
【0093】
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、上述のように、対向電極の間で放電させ、該対向電極間に導入した少なくとも放電ガスと薄膜形成性ガスをプラズマ状態とし、該対向電極間に静置あるいは移送される基材を該プラズマ状態のガスに晒すことによって、該基材の上に薄膜を形成させるものである(例えば図1〜7参照)。また他の方式として、大気圧プラズマ放電処理装置は、上記同様の対向電極間で放電させ、該対向電極間に導入したガスを励起し、またはプラズマ状態とし、該対向電極外にジェット状に励起またはプラズマ状態のガスを吹き出し、該対向電極の近傍にある基材(静置していても移送されていてもよい)を晒すことによって該基材の上に薄膜を形成させるジェット方式の装置がある(後記図8参照)。
【0094】
プラズマ放電処理容器20はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等の絶縁性材料が好ましく用いられるが、電極との絶縁が出来れば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレスのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとっても良い。
【0095】
また、放電プラズマ処理時の基材への影響を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材の温度を常温(15℃〜25℃)〜200℃未満の温度に調整することが好ましく、更に好ましくは常温〜110℃に調整することである。ただし、これらの条件は基材の物性、特にガラス転移温度に依存して温度の上限が決定されるため、この範囲の限りではない。上記の温度範囲に調整する為、必要に応じて電極、基材は冷却手段で冷却しながら放電プラズマ処理される。
【0096】
本発明の実施の形態においては、上記のプラズマ処理が大気圧または大気圧近傍で行われるが、真空や高圧下においてプラズマ処理を行ってもよい。なお、大気圧近傍とは、20〜110kPaの圧力を表すが、本発明に記載の効果を好ましく得るためには、93〜104kPaが好ましい。
【0097】
また、大気圧プラズマ処理に使用する放電用の電極においては、電極の少なくとも基材Fと接する側の表面は、JIS B 0601で規定される表面粗さの最大値(Rmax)が10μm以下になるように調整されていることが好ましく、更に、表面粗さの最大値が8μm以下であるのが好ましい。
【0098】
なお、上述した図1および図2に示すプラズマ放電処理装置10は、基材Fがフィルムである場合に使用される装置であったが、例えば、フィルムよりも厚みのある基材、例えば、レンズ等であれば図7に示すようなプラズマ放電処理装置10を使用する。図7は、プラズマ放電処理装置の他の例を示す概略図である。
【0099】
このプラズマ放電処理装置10は、高周波電源101に接続される電極については、平板型の電極103を用い、該電極103上に基材(例えば、レンズL)を載置する。
【0100】
一方、低周波電源102に接続される電極として、電極103上に対向するように、角型棒状の電極104bを設けている。角型棒状の電極104aは、アースとして接地してある。この場合、混合ガスを電極104a,104bの上方より供給し、電極104a,104bの間から電極103にわたる範囲でプラズマ状態とする。
【0101】
図8は上記とはやや異なった窒素ガスを用いる方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
【0102】
プラズマ放電処理装置10は、第1電極111と第2電極112から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極111からは第1電源121からの第1の周波数ωの高周波電圧Vが印加され、また第2電極112からは第2電源122からの第2の周波数ωの高周波電圧Vが印加されるようになっている。第1電源121は第2電源122より高い高周波電圧(V>V)を印加出来る能力を有しており、また第1電源121の第1の周波数ωは第2電源122の第2の周波数ωより低い周波数を印加できるものである。
【0103】
第1電極111と第1電源121との間には、第1電源121からの電流が第1電極111に向かって流れるように第1フィルター123が設置されており、第1電源121からの電流を通過しにくくし、第2電源122からの電流が通過し易くするように設計されている。
【0104】
また、第2電極112と第2電源122との間には、第2電源122からの電流が第2電極112に向かって流れるように第2フィルター124が設置されており、第2電源122からの電流を通過しにくくし、第1電源121からの電流を通過し易くするように設計されている。
【0105】
第1電極111と第2電極112との対向電極間(放電空間)113に、ガス供給手段からガスGを導入し、第1電極111と第2電極112から高周波電圧を印加して放電を発生させ、ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と基材Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、基材Fの上に、処理位置114付近で薄膜を形成させる。
【0106】
〔動摩擦係数〕
本発明において、防汚加工面と溶剤処理面との動摩擦係数が0.01〜0.6であることが好ましい。この範囲にすることにより本発明の効果がより得やすくなる。
【0107】
この場合のフィルム表面と裏面間の動摩擦係数の測定方法は、JIS−K7175(1987)に準じて行った。
【0108】
即ち、フィルムの防汚加工面と透明樹脂面が接触するようにし、200gのおもりを載せ、サンプル移動速度100mm/分、接触面積80mm×200mmの条件でおもりを水平方向に引っ張り、おもりが移動中の平均荷重(F)を測定し、下記式より動摩擦係数(μ)を求めたときの値とする。
【0109】
動摩擦係数(μ)=F/おもりの重さ(g)
〔水蒸気透過度〕
本発明において、水蒸気透過度は、JIS−Z−0208に準じ、温度25℃±0.5℃、相対湿度90±2%に調湿した条件にて、透明樹脂層面をカップ内側向きに設置して測定した値である。
【0110】
この水蒸気透過度が、0.1〜150(g/m・24h)であると本発明の効果がより際ったものとなる。
【0111】
〔防汚性反射防止物品〕
作製した防汚性フィルムを偏光板用として用いる場合には、偏光板に貼り合わせて用いられる。また、実際に反射防止フィルムが用いられるのは、偏光板の他にガラス、アクリル、シクロオレフィンポリマーなどの部材に貼り合せて使用されることもある。従来、このような場合に経時で防汚性フィルムに歪みが発生する問題があったが、本発明の防汚性光学フィルムあるいは防汚性反射防止光学フィルムを用いることにより歪みが有効に防止される。
【0112】
【実施例】
次に、具体的な構成を実施例という形で示し、本発明の構成と効果を説明するが、無論、本発明の態様はこれらに限定されるわけではない。
【0113】
〔光学フィルムの作製方法〕
(1)透明樹脂フイルム(基材)
基材1
コニカ(株)社製のコニカタックKC4UX2MW(トリアセチルセルロース;40μm)を使用した。
【0114】
基材2
コニカ(株)社製のコニカタックKC8UX2MW(トリアセチルセルロース;80μm)を使用した。
【0115】
基材3
帝人(株)社製ピュアエース(ポリカーボネート)を、厚さ50μmの基材として使用した。
【0116】
(2)溶剤処理
溶剤処理1(TAC用)
下記溶剤処理用塗布液1を用いてウエット膜厚10μmに塗布し、乾燥させた。
【0117】
溶剤処理用塗布液1
アセトン 400ml
酢酸エチル 550ml
イソプロピルアルコール 50ml
溶剤処理2(ポリカーボネート用)
下記溶剤処理用塗布液2を用いてウエット膜厚10μmに塗布し、乾燥させた。
【0118】
溶剤処理用塗布液2
メチレンクロライド 70ml
テトラヒドロフラン 70ml
酢酸エチル 700ml
イソプロピルアルコール 160ml
(3)ハードコート層
1.ハードコート層の設置
上記基材の溶剤処理をしていない面に下記ハードコート層組成物を乾燥膜厚3.5〜15μmとなるように塗布し、80℃にて5分間乾燥した。次に80W/cm高圧水銀灯を12cmの距離から4秒間照射して硬化させ、ハードコート層を作製した。ハードコート層の屈折率は1.50であった。
【0119】
Figure 2004238455
上記組成物を撹拌しながら、超音波分散した。
【0120】
2.AG層(防眩層)
上記ハードコート層の代替とし、以下のように作製した。
【0121】
下記防眩層組成物をウエット膜厚13μmとなるように押し出しコーターで塗布し、次いで80℃に設定された乾燥部で乾燥した後、120mJ/cmで紫外線照射し、乾燥膜厚5μmになるように作製した。
【0122】
Figure 2004238455
以上を高速攪拌機(TKホモミキサー、特殊機化工業(株)社)で撹拌し、その後衝突型分散機(マントンゴーリン、ゴーリン(株)社)で分散した後、下記の成分を添加した。
【0123】
Figure 2004238455
(4)反射防止層
1.反射防止層の設置「塗布法」
中屈折率層(MS層)の設置
下記中屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm照射して硬化させ、中屈折率層を形成した。
【0124】
Figure 2004238455
なお、この中屈折率層フィルムの中屈折率層の厚さは78nmで、屈折率は1.70であった。
【0125】
高屈折率層(HS1層)の設置
下記高屈折率層組成物を押し出しコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を175mJ/cm照射して硬化させ形成した。
【0126】
Figure 2004238455
なお、この高屈折率層フィルムの高屈折率層の厚さは66nmで、屈折率は1.85であった。
【0127】
2.反射防止層の設置「大気圧プラズマ法」
高屈折率層(HP1層)の設置
ガス1・・・アルゴン(98.9体積%)
ガス2・・・水素(1.00体積%)
ガス3・・・テトライソプロポキシチタン(0.1体積%)
上記「%」は、混合ガス全体に対する体積%
上記ガス1〜3を放電空間直前で均一に混合させて反応ガスとした。
【0128】
ガス3はリンテック(株)社気化器にてアルゴンガスに混合して気化した。
低屈折率層1(LP1)の設置
ガス1・・・アルゴン(98.90%)
ガス2・・・酸素(1.00%)
ガス3・・・テトラエトキシシラン(0.10%)
上記ガス1〜3を放電空間直前で均一に混合させて反応ガスとした。
【0129】
ガス3はリンテック(株)社気化器にてアルゴンガスに混合して気化した。
低屈折率層2(LP2)の設置
ガス1・・・アルゴン(98.90%)
ガス2・・・酸素(1.00%)
ガス3・・・メチルトリエトキシシラン(0.10%)
上記ガス1〜3を放電空間直前で均一に混合させて反応ガスとした。
【0130】
ガス3はリンテック(株)社気化器にてアルゴンガスに混合して気化した。
中屈折率層(MP)の設置
ガス1・・・アルゴン(98.90%)
ガス2・・・酸素(1.00%)
ガス3・・・二酢酸ジ−n−ブチル錫(0.10%)
ガス3はリンテック(株)社気化器にてアルゴンガスに混合して気化した。
【0131】
3.防汚層
防汚層1(S1)の設置
下記のガス組成物を用い、放電空間直前に均一混合させて反応ガスとした。図6に示す如きプラズマ放電処理装置(パール工業(株)社)を用いて、1.56MHz、3分間、放電出力W/cmにて塗設した。
【0132】
防汚層1(S1)のガス組成(各々の数値は体積%)
アルゴン 94.90
水素 5.00
ジメチルジエトキシシラン 0.10
防汚層2(S2)の設置
下記のガス組成物を用い、放電空間直前に均一混合させて反応ガスとした。図6に示す如きプラズマ放電処理装置(パール工業(株)社)を用いて、1.56MHz、3分間、放電出力W/cmにて塗設した。
【0133】
防汚層2のガス組成(各々の数値は体積%)
アルゴン 94.90
水素 5.00
ヘキサメチルジシロキサン 0.10
防汚層3(S3)の設置
塗布方法は、押し出しコーターで塗布し、液はダイキン工業(株)社、オプツールDSX0.1%希釈液とし、80℃で5分間乾燥させた後、乾燥後、110℃、3分間熱処理を行った。
【0134】
各層の形成作製順序は、▲1▼バックコート層、▲2▼ハードコート/AG層、▲3▼反射防止層、▲4▼防汚層とし、その組み合わせは下記表1の如くとした。
【0135】
尚、反射防止層については、各屈折率層を表1に記載の順序にて積層した。
【0136】
【表1】
Figure 2004238455
【0137】
〔評価方法〕
1.水蒸気透過度
前記、発明の実施の形態の欄に記した方法にて測定した。
【0138】
2.動摩擦係数
前記、発明の実施の形態の欄に記した方法にて測定した。
【0139】
3.接触角
協和界面化学(株)社の接触角計CA−X型を用いて純水、ジヨードメタンの接触角を液滴径1.5mmにて測定した。
【0140】
4.耐薬品性
防汚加工面上をトルエン、メチルエチルケトン、10%塩酸水溶液を含ませたクレシア(株)社のキムワイプにて10回拭いた後、純粋接触角に変化がないかどうか目視で観察した。
【0141】
◎:いずれの薬品でも接触角に全く変化がみられない
○:いずれか1つの薬品で接触角が劣化した
△:いずれか1つの薬品で表面が白色化した
×:いずれか1つの薬品で表面が反射防止層の剥離がみられた
5.巻姿
出来上がった防汚性フィルムを100mmの紙管に、防汚層形成面を内側にして長さ1200m巻き取り、温度調整装置がない内部が約20〜35℃の倉庫にて1ヶ月放置した後に、巻き取り直後から形状に変化が無いかどうかを目視にて判断した。
【0142】
◎:巻き取り直後よりも、さらに円筒型に近づいている
○:巻き取り直後と変化が無い
△:巻き取り後に比べ、フィルムがゆがんでいる
×:紙管とフィルムに空隙が出来ている
6.ハードコート層(HC層)の膜厚ムラ
膜厚ムラについては、大塚電子(株)社FE3000により、基材上にハードコート層を塗布したフィルムの(ハードコート層のない面側については粗面化し、つや消し黒スプレーで反射防止したフィルムを用いた)、ハードコート面の反射スペクトルを幅方向について5cmおきに測定し、最小二乗法とピークバレイ法を用いてn−Cauchy法で屈折率と膜厚をフィットさせて算出した膜厚値の最高値と最低値の差を用いた。
【0143】
7.貼合状態
バックコート面に日東電工(株)社の両面テープCS−9601を貼った後、これをガラス板に貼り付けた。試料を貼り付けて30日間室温放置した後、ハードコート側の面を45度斜め方向から観察し評価した。反射像のゆがみが見られる物を「×」、ゆがみの見られない物を「○」、判断しにくいが、ゆがみがありそうと思われるものを「△」とした。
【0144】
結果を下記表2に示す。
【0145】
【表2】
Figure 2004238455
【0146】
本発明内の実施例1〜17は、いずれも良好な特性を示したが、本発明外の比較例1〜3は少なくもいずれかの特性に問題が出ることがわかる。
【0147】
【発明の効果】
本発明により、薄膜基材表面にハードコート層を含めた複数の光学膜を設けた防汚性光学フィルムあるいは防汚性反射防止光学フィルムであり、その作製に当たってはムラの発生がなく、多層塗設されたフィルムであるに係わらずシワがよりにくく、フィルムをロール状態に巻いたまま長期間保存しても、防汚性、巻姿が損なわれない、防汚性光学フィルムあるいは防汚性反射防止光学フィルムを提供することができる。更にはそれにより得られる防汚性反射防止物品を提供することことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ放電処理容器の一例を示す概念図。
【図2】プラズマ放電処理容器の他の例を示す概略図。
【図3】円筒型のロール電極の一例を示す概略斜視図。
【図4】円筒型の固定電極の一例を示す概略斜視図。
【図5】角柱型の固定電極の一例を示す概略斜視図。
【図6】プラズマ放電処理装置の一例を示す概念図。
【図7】プラズマ放電処理装置の他の例を示す概略図。
【図8】大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図。
【図9】触媒化学蒸着法の装置の概略図。
【符号の説明】
10 プラズマ放電処理装置
20 プラズマ放電処理容器
21 ロール電極
21a、21A 導電性母材
21b、21B セラミック被覆処理誘電体
22、29 固定電極
23a、23b ニップローラ
24、25 ガイドローラ
26 仕切板
27 給気口
28 排気口
40 ガス発生装置
50 電源
70 電極恒温ユニット
101 高周波電源
102 低周波電源
103 平板型の電極
104a、104b 角型棒状の電極
F 基材(透明樹脂フィルム)

Claims (10)

  1. 厚さ30μm以上60μm以下の透明樹脂フィルムの一方の面を溶剤処理した後、他方の面にハードコート層を設け、ハードコート層側の最表面に防汚加工をなしたことを特徴とする防汚性光学フィルム。
  2. 透明樹脂フィルムがセルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項1記載の防汚性光学フィルム。
  3. 防汚加工面と溶剤処理面との動摩擦係数が0.01〜0.6であることを特徴とする請求項2記載の防汚性光学フィルム。
  4. JIS−Z−0208に準じ、温度25℃±0.5℃、相対湿度90±2%の条件で測定した水蒸気透過率が、0.1〜150(g/m・24h)であることを特徴とする請求項3記載の防汚性光学フィルム。
  5. ハードコート層の厚みが5〜13μmであることを特徴とする請求項4記載の防汚性光学フィルム。
  6. 請求項4又は5記載の防汚性光学フィルムが反射防止フィルムでもあることを特徴とする防汚性反射防止光学フィルム。
  7. 反射防止処理が大気圧プラズマCVD法によって成されたものであることを特徴とする請求項6記載の防汚性反射防止光学フィルム。
  8. 防汚加工がアルキル基、あるいはパーフルオロアルキル基を有するポリシロキサンの大気圧プラズマCVD法による処理であることを特徴とする請求項7記載の防汚性反射防止光学フィルム。
  9. 防汚加工として表面に、メチル基あるいはトリフルオロメチル基を有するように処理されたことを特徴とする請求項6、7又は8記載の防汚性反射防止光学フィルム。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項記載の防汚性反射防止光学フィルムを他の部材に貼合させて作製したことを特徴とする防汚性反射防止物品。
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