JP2007017667A - 光学フィルムとそれを用いた画像表示素子 - Google Patents

光学フィルムとそれを用いた画像表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、有用な防汚層を有し、薄膜密着性、耐久性及び反射防止能に優れた光学フィルムとそれを用いた画像表示素子を提供する。
【解決手段】 金属含有量が下記式(1)〜(3)で規定する条件を満たすポリエステル基材上に、少なくとも1層の光学薄膜を有し、該光学薄膜に隣接した位置に最上層としてフッ素原子を含有する防汚層を有し、該防汚層におけるフッ素原子の含有率が20%以上で、かつフッ素原子に対する酸素原子(O)の比率(O/F)が、0.20<O/F<1.0であることを特徴とする光学フィルム。
式(1):100ppm≦Sb≦250ppm
式(2):30ppm≦(Ca+Mg)≦200ppm
式(3):20ppm≦P≦100ppm
【選択図】 なし

Description

本発明は、密着性、耐久性及び反射防止能に優れた光学フィルムとそれを用いた画像表示素子に関するものである。
従来、カーブミラー、バックミラー、ゴーグル、窓ガラス、パソコン、ワープロ等のディスプレイ、その他種々の商業ディスプレイ等には、ガラスやプラスチック等の透明基板が使用されている。そして、これらの透明基板を通して物体や文字、図形等の視覚情報、或いはミラーからの像を透明基板を通して反射層からの像を観察する場合に、これら透明基板の表面が光を反射して、内部の必要な視覚情報が判読し難いという問題点があった。
上記のような光の反射を防止する技術には、ガラスやプラスチックの表面に反射防止塗料を塗工する方法、ガラス等の透明基板の表面に厚み0.1μm程度のMgF2等の極薄膜や金属蒸着膜を設ける方法、プラスチックレンズ等の表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工し、更にその上に蒸着によりSiOXやMgF2の膜を形成する方法、電離放射線硬化型樹脂の硬化膜の上に更に低屈折率の塗膜を形成する方法等があった。
上記のような、透明基板に透明無機薄膜を積層して反射防止機能を付与してなる反射防止フィルムでは、反射防止性には優れているが、特に基材が透明プラスチックフィルムの場合、基材に対する反射防止層の密着性が十分ではないという問題点があり、また、基材と反射防止層との可撓性との違いから、反射防止層に微細クラックが発生しやすいという問題があった。
透明フィルムとしては、ポリエステルフィルムが安価で、防湿性及び強靱性に優れることから、好ましい基材として用いられてきており、その表面に反射防止機能等の機能性薄膜を設けた高付加価値フィルムが市販されている。
これらのポリエステルフィルムはその取扱い性や連続生産性という点からロール状に巻かれた元巻きと呼ばれる形状のものが用いられてきている。しかしながら、ポリエステルフィルムは、ロール状に巻き取ることにより、ブロッキングと呼ばれるベース間の貼り付き、及び巻き締まりと呼ばれる皺、更にベース表面にえくぼ状のへこみ等が発生し、更にベースの摩擦係数が高いとベースの搬送性が悪く、搬送時にベース表面に擦り傷が発生するという問題があり、この様な劣化の発生した元巻きをそのまま大気圧プラズマ処理に摘要すると、表面にムラが発生したり、局部的溶融が起こり、製品の歩留まりが低下するという問題があった。
一方、ポリエステル樹脂中に金属を含有させ、製膜されたフィルムの表面摩擦係数を低下さることにより、巻き皺等の劣化を防止し、取扱い性の向上が図られてきている。しかしこのような、金属含有量が多いフィルムではへーズが高くなり、透明性が低下することから、光学フィルムとしてその機能を充分に発揮できないという問題があった。
上記課題に対し、特定の金属含有量を有するポリエステルフィルム基材を用いて、大気圧プラズマ法により機能性薄膜の形成を行うポリエステルフィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の発明によれば、ヘーズが低く透明性に富んだポリエステルフィルム基材が得られるとされている。しかしながら、使用環境が厳しい状態では、表面に傷が付きやすうという課題を抱えている。
また、近年では、人の手指が直接触れるタッチパネル、CRTや液晶ディスプレイなどの画像表示装置表面、めがね表面、レンズ表面、あるいは外気に晒されて塵埃等が付着しやすい太陽電池や窓ガラスなどの透明材料の表面には、その表面を保護し、視認性を損なう汚れや塵等の付着を防止したり、あるいは付着した汚れや塵等を簡単に取り去ることのできる防汚膜を、その表面に設けることが知られている。
従来、防汚膜の形成方法としては、例えば、特開2000−144097号公報には、防汚膜形成用の液体材料を、物品の表面に塗布する方法が広く知られており、また実用化されている。更に、特開平7−36921号公報には、液晶ディスプレイなどで用いる反射防止膜表面を、末端シラノール有機ポリシロキサンを、塗布方式により被覆して、表面上の防汚性を向上させる方法が開示されている。
しかしながら、塗布方式による防汚膜の形成方法は、塗布液を構成する溶剤に対する化学的な耐性を必要とするため、用いることのできる基材の材質が制限を受けること、塗布後に乾燥工程を必要とするため製造工程にコスト上の負荷がかかること、対象とする基材表面が凹凸を有している場合には、塗布後の乾燥工程でレベリングを起こしたり、材質により塗布液の濡れ性が不適切となり、塗布ムラやはじき故障を引き起こし、均一の膜厚を有する防汚膜を形成することが難しいとの課題を抱えている。
上記課題に対し、薄膜形成ガスとしてフッ素原子を有する有機基を含有する有機金属化合物を用い、大気圧プラズマ法で防汚層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2によれば、基材への影響が無く、優れた撥水性、撥油性、皮脂やインクの拭き取り性及びその繰り返し耐久性を有し、かつ耐擦過性が良好な薄膜が得られるとされている。しかしながら、タッチパネルの最表面として使用される光学フィルムの場合には、指で直接触れたり、あるいはタッチペンによる強い接触を受けるため、使用される環境がより厳しくなり、表面に傷が付きやすかったり、接触する圧力により防汚層等の剥離等を起こしやすく、耐擦性及び密着性に優れた防汚膜を備えて光学フィルムの開発が要望されている。
特開2003−154615号公報 (特許請求の範囲) 特開2003−98303号公報 (特許請求の範囲)
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、太陽電池、液晶画像表示装置、各種ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ、CRT、PDP等に有用な防汚層を有し、薄膜密着性、耐久性及び反射防止能に優れた光学フィルムとそれを用いた画像表示素子を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
金属含有量が下記式(1)〜(3)で規定する条件を満たすポリエステル基材上に、少なくとも1層の光学薄膜を有し、該光学薄膜に隣接した位置に最上層としてフッ素原子を含有する防汚層を有し、該防汚層におけるフッ素原子の含有率が20%以上で、かつフッ素原子に対する酸素原子(O)の比率(O/F)が、0.20<O/F<1.0であることを特徴とする光学フィルム。
式(1)
100ppm≦Sb≦250ppm
式(2)
30ppm≦(Ca+Mg)≦200ppm
式(3)
20ppm≦P≦100ppm
(請求項2)
前記光学薄膜の表面を、コロナ処理、プラズマ処理、大気圧プラズマ処理及び火炎処理から選ばれる少なくとも1つで前処理を施した後、前記防汚層を形成することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
(請求項3)
前記前処理が、大気圧もしくはその近傍の圧力下で、対向電極の間で形成する放電空間に酸素ガスを含有する放電ガスを供給し、少なくとも一方の電極から該放電空間に高周波電圧を印加して酸素ガスを含有する放電ガスを励起し、前記光学薄膜を該励起した放電ガスに晒すことにより処理を行う大気圧プラズマ処理であることを特徴とする請求項2記載の光学フィルム。
(請求項4)
前記放電ガス中の酸素ガス含有量が、50体積%以下であることを特徴とする請求項3記載の光学フィルム。
(請求項5)
前記放電ガスが、酸素ガス及び窒素ガスを含む混合ガスであることを特徴とする請求項3または4に記載の光学フィルム。
(請求項6)
前記防汚層が、大気圧もしくはその近傍の圧力下で、対向電極の間で形成する放電空間に放電ガス及び薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、少なくとも一方の電極から該放電空間に高周波電圧を印加して該ガスを励起し、前記光学薄膜を該励起したガスに晒すことにより処理を行う大気圧プラズマ処理で形成され、該高周波電圧を印加する高周波電源の周波数が30kHz以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(請求項7)
前記光学薄膜の表面の前処理を行った後、3日以内に前記防汚層を形成することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(請求項8)
前記防汚層の光学膜厚が、0.1nm以上、5.0nm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(請求項9)
前記防汚層におけるフッ素原子の含有率が30%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(請求項10)
前記光学薄膜が、大気圧もしくはその近傍の圧力下で、対向電極の間で形成する放電空間に放電ガス及び薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、少なくとも一方の電極から該放電空間に高周波電圧を印加して該ガスを励起し、前記ポリエステル基材を該励起したガスに晒すことにより処理を行う大気圧プラズマ処理で形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(請求項11)
前記光学薄膜が、反射防止層であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(請求項12)
前記ポリエステル基材と前記反射防止層の間に、帯電防止層、クリアハードコート層及び防眩層から選ばれる少なくとも1層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(請求項13)
前記ポリエステル基材を挟んで、前記防汚層を設けた面とは反対側の面が、帯電防止層を有していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学フィルム。
(請求項14)
請求項1〜13のいずれか1項に記載の光学フィルムを有することを特徴とする画像表示素子。
本発明によれば、太陽電池、液晶画像表示装置、各種ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ、CRT、PDP等に有用な防汚層を有し、薄膜密着性、耐久性及び反射防止能に優れた光学フィルムとそれを用いた画像表示素子を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、金属含有量が前記式(1)〜(3)で規定する条件を満たすポリエステル基材上に、少なくとも1層の光学薄膜を有し、該光学薄膜に隣接した位置に最上層としてフッ素原子を含有する防汚層を有し、該防汚層におけるフッ素原子の含有率が20%以上で、かつフッ素原子に対する酸素原子(O)の比率(O/F)が、0.20<O/F<1.0であることを特徴とする光学フィルムにより、太陽電池、液晶画像表示装置、各種ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ、CRT、PDP等に有用な防汚層を有し、薄膜密着性、耐久性及び反射防止能に優れた光学フィルムを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の光学フィルムは、金属含有量が前記式(1)〜(3)で規定する条件を満たすポリエステル基材上に、少なくとも1層の光学薄膜を有し、該光学薄膜に隣接した位置に最上層としてフッ素原子を含有する防汚層を有し、該防汚層におけるフッ素原子の含有率が20%以上で、かつフッ素原子に対する酸素原子(O)の比率(O/F)が、0.20<O/F<1.0であることを特徴とする。
〔ポリエステル基材〕
本発明に係るポリエステル基材を構成する二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)等である。中でもより好ましいポリエステルはPETならびにPEN及びPCであり、特に好ましくはPETである。ここでいう構成されているものとは、共重合体およびポリマーブレンド物であっても良く、全体に占める構成要素の質量比率が50質量%以上のものを指す。
ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレングリコール、PENはナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールから構成されるが、これらを触媒の存在下で適当な反応条件下で結合させることによって重合できる。このとき、適当な1種、または2種以上の第3成分を混合しても良い。適当な第3成分としては、2価のエステル形成官能基を有する化合物であればよく、例えば、ジカルボン酸の例として次のようなものが挙げられる。
イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、グリコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
本発明に係るポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンテレフタレートフィルムの固有粘度は0.5〜0.8であることが好ましい。さらに好ましくは0.6〜0.7である。固有粘度が0.5未満だとデラミを起こしやすく、0.8を越えると切断性が悪く好ましくない。また固有粘度の異なるものを混合して使用しても良い。混合して使用する場合、用いる樹脂の固有粘度差が0.1以上0.3以下であるものを混合したものが必要である。好ましくは固有粘度差が0.15以上0.2以下である。
本発明に係るポリエチレンテレフタレートの合成方法は、特に限定があるわけではなく、従来公知のポリエチレンテレフタレートの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いることができる。この際、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重合反応触媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加することができる。熱安定剤としては、例えば、リン酸、亜リン酸、及びそれらのエステル化合物が挙げられる。また、合成時の各過程で着色防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料などを添加させてもよい。
次に、本発明に係るポリエステル基材の製膜方法について説明する。
未延伸シートを得る方法および縦方向に一軸延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法などにより冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロール群および/または赤外線ヒーターなどの加熱装置を介して、ポリエステルのTgからTg+100℃の範囲内に加熱し、縦延伸する方法である。延伸倍率は、通常2.5倍〜8倍の範囲である。
この際、延伸温度を支持体の表裏で温度差を持たせることで巻きぐせをつき難くすることができる。具体的には、縦延伸の加熱時に、赤外線ヒーター等の加熱手段を片面側に設けることで温度をコントロールすることができる。延伸時の温度差は、好ましく0℃〜40℃、より好ましくは0℃〜20℃である。温度差が40℃より大きくなると、均一に延伸できずにフィルムの平面性が劣化しやすくなり好ましくない。
次に、上記の様にして得られた縦方向に一軸延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tg+120℃の温度範囲内で、横延伸し、次いで熱固定する。横延伸倍率は通常3〜8倍であり、また、縦、横延伸倍率の比は、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整される。ついで熱固定は、その最終横延伸温度より高温で、Tg+180℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定する。このとき、2つ以上の温度で熱固定されることが好ましい。このように2つ以上の温度で熱固定したフィルムは寸法安定性が向上する。
また、本発明で用いる基材は寸法安定性の点で弛緩処理を行うことが好ましい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、またはテンターを出た後に巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は、処理温度が80℃〜200℃で行われることが好ましく、より好ましくは、処理温度が100℃〜180℃、更に好ましくは、処理温度が120℃〜160℃の範囲である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1%〜10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることである。弛緩処理されたポリエステルフィルムは、好ましい熱寸法変化率のポリエステル基材となる。
本発明に係るポリエステル基材の透明性に関しては、ヘーズが3%以下であることが好ましく、更に好ましくは1%以下である。ヘーズが3%より大きいと光学フィルムに用いられる場合、画像が不鮮明になる。上記ヘーズは、ASTM−D1003−52に従って測定したものである。
本発明に係るポリエステル基材においては、基材中の金属含有量を下記式(1)〜(3)で規定する条件の範囲とすることを特徴とする。
式(1)
100ppm≦Sb≦250ppm
式(2)
30ppm≦(Ca+Mg)≦200ppm
式(3)
20ppm≦P≦100ppm
CRT等の視認性を向上させるためには、基材に反射防止機能を設けるだけでは不十分で、基材そのもののヘーズを低下させ、透明性を向上させることが必要であり、更に、長期間にわたり光学薄膜を有する光学フィルムを様々な環境下で長期間にわたり保存した際に、ポリエステル基材に含まれる特定の金属元素の含有率により、ポリエステル基材と形成した光学薄膜間での密着性が低下することが判明し、そのためには金属含有量を上記で規定する範囲内とすることが有効である。即ち、ポリエステルフィルム中の金属含有量が上記で規定する金属含有量とすることにより、ベーズが低く透明性に優れ、かつ長期保存時の光学薄膜との密着性に優れたポリエステル基材を得ることができる。
上記各式で規定する範囲外では、更には、ブロッキング及び巻き締まり皺、更にはベース表面にえくぼ状のへこみ等が多発し、更にベースの搬送性が劣化し、それに伴う擦り傷等の発生が多くなることが分かった。
更に、より優れた透明性を得る観点から、基材中の金属含有量を下記式(4)〜(6)で規定する条件の範囲とすることが好ましい。
式(4)
Sb≦230ppm
式(5)
(Ca+Mg)≦180ppm
式(6)
P≦80ppm
金属含有量を上記各式で規定する範囲内とすることにより、ポリエステル基材としては高い透明性を得ることができるが、少なすぎると表面の摩擦係数が大きく、ロール状に巻き取ったとき巻き皺や巻き締まりによる凹凸が発生し、その上に大気圧プラズマ処理により機能性薄膜を形成したとしても、歩留まりが低かったり、目的とする機能が得られない。
これに対し、ポリエステル基材中の金属含有量の下限を下記式(7)〜(9)で規定する範囲内にすることで、それらの影響を抑制することができる。
式(7)
80≦Sb
式(8)
30≦(Ca+Mg)
式(9)
10≦P≦80ppm
本発明で規定するポリエステル基材中の金属含有量は、XPS測定を用いて求めることができ、例えば、XPS表面分析装置としては、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いることができる。
〔光学薄膜〕
本発明に係る光学薄膜としては、例えば、反射防止層、ハードコート層、防眩層、帯電防止層、導電層、光拡散層、易接着層等を挙げることができるが、少なくとも1層が反射防止層であることが好ましい。
また、本発明の光学フィルムにおいては、均一で高精度で薄膜を形成できる観点から、本発明に係る光学薄膜は、大気圧もしくはその近傍の圧力下で、対向電極の間で形成する放電空間に放電ガス及び薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、少なくとも一方の電極から該放電空間に高周波電圧を印加して該ガスを励起し、前記ポリエステル基材を該励起したガスに晒すことにより薄膜形成を行う大気圧プラズマ処理で形成されることが好ましい。
更に、本発明の光学フィルムにおいては、ポリエステル基材と反射防止層の間に、帯電防止層、クリアハードコート層及び防眩層から選ばれる少なくとも1層を有することが好ましく、これらの各層は大気圧プラズマ処理で形成されたものであっても、あるいは湿式塗布方式で形成されたものであってもよい。
(反射防止層)
本発明に係る反射防止層は、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層から構成されていることが好ましく、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層の膜厚については、反射防止の効果を奏する程度の厚さであれば特に限定されないが、1nm〜1000nmの範囲が好ましく、特に好ましくは、10nm〜150nmの範囲である。
本発明に係る反射防止層を構成する素材としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、ニオブ及び錫からなる元素群から選択される少なくとも1種類の元素を含むことが好ましく、更には、ケイ素、チタン及び錫からなる元素群から選択される少なくとも1種の元素を有することが好ましい。
本発明に係る反射防止層を構成する低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層及びその他の構成層の作製には、塗布、スパッタ、蒸着、プラズマCVD法等、従来公知の方法を用いて形成することができるが、生産性向上、環境適正及び優れた反射防止能を付与する観点から、特に大気圧プラズマ処理法(単に大気圧プラズマ法ともいう)によって形成されたものが好ましい。
大気圧プラズマ法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下にある対向電極間の間隙に反応ガス(反応性ガスともいう)を供給して放電することにより発生させたプラズマによって、基材フィルム上に金属酸化物からなる反射防止層を形成させるものである。
本発明に係る反射防止層の形成に適用できる大気圧プラズマ法としては、特開平11−133205号公報、特開2000−185362号公報、特開平11−61406号公報、特開2000−147209号公報、同2000−121804号公報等に開示されている技術を挙げることができる。
これら公報に開示される大気圧プラズマ法は、対向する電極間に、パルス化され、周波数が0.5kHz〜100kHzであり、且つ、電界の強さが1V/cm〜100V/cmの電界を印加し、放電プラズマを発生させるものである。
ここで、大気圧もしくはその近傍の圧力とは20kPa〜200kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜110kPaが好ましい。
本発明に係る大気圧プラズマ法について説明する。
以下に、プラズマ放電処理により金属酸化物層を形成する方法を図1、2を用いて説明する。
図1は本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置は、プラズマ放電処理装置、二つの電源を有する電圧印加手段の他に、図1では図示してない(後述の図2に図示してある)が、ガス供給手段、電極温度調節手段を有している装置である。
プラズマ放電処理装置10は、第1電極11と第2電極12から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極11からは第1電源21からの第1の周波数ω1の高周波電圧V1が印加され、また第2電極12からは第2電源22からの第2の周波数ω2の高周波電圧V2が印加される。
第1電源21は第2電源22より大きな高周波電圧(V1>V2)を印加出来る能力を有していればよく、また第1電源21の第1の周波数ω1と第2電源22の第2の周波数ω2は、ω1<ω2の関係にある。
第1電極11と第1電源21との間には、第1電源21からの、実線の矢印で示す電流が第1電極11に向かって流れるように第1フィルター23が設置されており、第1電源21からの電流をアース側へと通過しにくくし、第2電源22からの電流が点線で示したようにアース側へと通過し易くするように設計されている。
また、第2電極12と第2電源22との間には、第2電源22からの電流22が点線で示しているように、第2電極12に向かって流れるように第2フィルター24が設置されており、第2電源22からの電流をアース側へと通過しにくくし、第1電源21からの実線で示される電流をアース側へと通過し易くするように設計されている。
第1電極11と第2電極12との対向電極間(放電空間)13に、ここでは図示してない(後述の図2に図示してあるような)ガス供給手段からガスGを導入し、第1電極11と第2電極12から高周波電圧を印加して放電を発生させ、ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と基材Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、図示してない基材の元巻き(アンワインダー)から巻きほぐされて搬送して来るか、あるいは前工程から搬送して来る基材Fの上に、処理位置14付近で薄膜を形成させる。また、基材Fは矢印の方向に搬送される。
薄膜形成中、ここでは図示してない(後述の図2に図示してあるような)電極温度調節手段から配管を経て電極を加熱または冷却する。プラズマ放電処理の際の基材の温度によっては、得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラが出来るだけ生じないように電極の表面の温度を均等に調節することが好ましい。
また、図1に前述の高周波電圧(印加電圧)と放電開始電圧の測定に使用する測定器を示した。25及び26は高周波プローブであり、27及び28はオシロスコープである。
ジェット方式の該大気圧プラズマ放電処理装置を複数基接して直列に並べて同時に同じプラズマ状態のガスを放電させることが出来るので、何回も処理され高速で処理することも出来る。また各装置が異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、異なった層の積層薄膜を形成することも出来る。
図2は本発明に有用な対向電極間でポリエステル基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置30、二つの電源を有する電圧印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置である。
図2は、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との対向電極間(放電空間)32で、基材Fをプラズマ放電処理して薄膜を形成するものである。ここで、基材Fは矢印の方向に搬送される。
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との間の放電空間(対向電極間)32に、ロール回転電極(第1電極)35には第1電源41から周波数ω1であって高周波電圧V1を、また角筒型固定電極群(第2電極)36には第2電源42から周波数ω2であって高周波電圧V2をかけるようになっている。
ロール回転電極(第1電極)35と第1電源41との間には、第1電源41からの電流がロール回転電極(第1電極)35に向かって流れるように第1フィルター43が設置されている。該第1フィルターは第1電源41からの電流をアース側へと通過しにくくし、第2電源42からの電流をアース側へと通過し易くするように設計されている。また、角筒型固定電極群(第2電極)36と第2電源42との間には、第2電源からの電流が第2電極に向かって流れるように第2フィルター44が設置されている。第2フィルター44は、第2電源42からの電流をアース側へと通過しにくくし、第1電源41からの電流をアース側へと通過し易くするように設計されている。
なお、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型固定電極群36を第1電極としてもよい。何れにしろ第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。第1電源は第2電源より大きな高周波電圧(V1>V2)を印加出来る能力を有しており、また、周波数はω1<ω2となる能力を有している。
ガス供給手段50のガス供給装置51で発生させたガスGは、流量を制御して給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入する。放電空間32及びプラズマ放電処理容器31内をガスGで満たす。
図2では、給気口52の設置は、プラズマ放電処理容器31の左斜め上に設けられているが、ガス供給に支障がない限りにおいて給気口52の設置位置はプラズマ放電処理容器31の任意の位置に設置することができる。
基材Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、または前工程から搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群36との間に移送し、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との両方から電圧をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。基材Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにより薄膜を形成する。基材Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取るか、次工程に移送する。
放電処理済みの処理排ガスG′は排気口53より排出する。図2では省略しているが、角筒型固定電極群36の間にはガスGの供給口または排ガスG′の排出口が設けられている。
薄膜形成中、ロール回転電極(第1電極)35及び角筒型固定電極群(第2電極)36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て実線の矢印で示しているように両電極に送り、電極内側から温度を調節する。なお、65及び66はプラズマ放電処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
図3は、図2に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
図3において、ロール電極35aは導電性の金属質母材35Aとその上に誘電体35Bが被覆されたものである。内部は中空のジャケットになっていて温度調節が行われるようになっている。即ち、放電中の電極表面の温度を制御するための媒体(水、シリコンオイル等)を循環できるようになっている。
図4は、角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
図4において、角筒型電極36aは、導電性の金属質母材36Aに対し、図3同様の誘電体36Bの被覆を有し、該電極の構造は金属質のパイプになっていて、それがジャケットとなり、内部に温度制御された媒体(水、シリコンオイル等)を循環出来るようになっている。放電中の電極表面の温度調節が行えるようになっている。
なお、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されていおり、該電極の放電面積はロール回転電極35に対向している全角筒型固定電極面の面積の和で表される。
図2に示した角筒型電極36aは、円筒型電極でもよいが、角筒型電極は円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明に好ましく用いられる。
図3及び4において、ロール電極35a及び角筒型電極36aは、それぞれ導電性の金属質母材35A及び36Aの上に誘電体35B及び36Bとしてのセラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したものである。セラミックス誘電体は片肉で1mm程度被覆あればよい。溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。また、誘電体層が、ガラスライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
導電性の金属質母材35A及び36Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料等を挙げることが出来るが、後述の理由から、チタン金属またはチタン合金が特に好ましい。
2個の電極間の距離(電極間隙)は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、電極の一方に誘電体を設けた場合の誘電体表面と導電性の金属質母材表面の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設けた場合の誘電体表面同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1nm〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5nm〜2mmである。
本発明に有用な導電性の金属質母材及び誘電体についての詳細については後述する。
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(登録商標)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。図1において、平行した両電極の両側面(基材面近くまで)を上記のような材質の物で覆うことが好ましい。
大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数
A1 神鋼電機 3kHz
A2 神鋼電機 5kHz
A3 春日電機 15kHz
A4 神鋼電機 50kHz
A5 ハイデン研究所 100kHz*
A6 パール工業 200kHz
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。なお、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。
また、第2電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数
B1 パール工業 800kHz
B2 パール工業 2MHz
B3 パール工業 13.56MHz
B4 パール工業 27MHz
B5 パール工業 150MHz
等の市販のものを挙げることが出来、何れも好ましく使用出来る。
本発明においては、このような電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことが出来る電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極に1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを薄膜形成性ガスに与え薄膜を形成させる。供給する電力は、好ましくは1W/cm2〜50W/cm2であり、更に好ましくは、1.2W/cm2〜20W/cm2である。なお、放電面積(cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
大気圧プラズマ放電処理装置においては、反応性ガス(混合ガスともいう)として放電ガス及び薄膜形成ガスを含有するが、放電ガスとは、放電を起こすことのできるガスである。放電ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の希ガス、空気、水素、酸素などがあり、これらを単独で放電ガスとして用いても、混合して用いてもかまわないが、窒素ガスを用いることが、ヘリウムまたはアルゴン等の希ガスを用いる場合に比較し、放電ガスの高い経済性を得ることができるため、特に好ましい。放電ガスの量は、放電空間に供給する全ガス量に対し、70〜100体積%含有することが好ましい。
本発明に係る大気圧プラズマ法において、薄膜形成ガスとして、好ましくは、ケイ素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、ニオブ、錫の有機金属化合物を用いることが好ましく、これらの有機金属化合物が金属アルコキシド、アルキル化金属、金属錯体から選ばれるものが好ましい。反応性ガスに用いられる珪素化合物、チタン化合物、錫化合物等の金属化合物としては、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れ等も少ないことから、金属アルコキシドが好ましく用いられる。
また、上記の珪素化合物、チタン化合物等の金属化合物を放電空間である電極間に導入するには、これらは常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用される。珪素化合物、チタン化合物等を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタンなど、常温で液体で、沸点が300℃以下である金属アルコキシドが反射防止膜の形成に好適に用いられる。上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。
混合ガス中に上記の金属化合物を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を形成する観点から、混合ガス中の金属化合物の含有率は、0.1体積%〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1体積%〜5体積%である。また、混合ガス中に酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択される成分を0.01体積%〜5体積%含有させることにより、反応が促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成することができる。
本発明に係る反射防止層の形成において、低屈折率層形成用原料ガスとしては、有機珪素化合物、珪素水素化合物、ハロゲン化珪素化合物等を挙げることが出来、有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルシランジアセトアセトナート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることが出来、何れも本発明において好ましく用いることが出来る。
本発明に係る反射防止層の形成において、中屈折率層もしくは高屈折率層形成用反応ガスにもちいられる金属化合物として錫化合物があるが、好ましい錫化合物としては、有機錫化合物、錫水素化合物、ハロゲン化錫等であり、有機錫化合物としては、例えば、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等を挙げることが出来、何れも本発明において、好ましく用いることが出来る。又、これらの反応性ガスを2種以上同時に混合して使用してもよい。尚、このようにして、形成された酸化錫層は表面比抵抗値を1010Ω/cm2以下、更に好ましくは108Ω/cm2以下に下げることが出来るため、帯電防止層としても有用である。
また、反射防止層において、高屈折率層形成用反応ガスに原料ガスとして使用するチタン化合物としては、有機チタン化合物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、有機チタン化合物としては、例えば、トリエチルチタン、トリメチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリブチルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピルチタン、テトラブチルチタン、トリエトキシチタン、トリメトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、テトラジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジアセトアセトナート、エチルチタントリアセトアセトナート等、チタン水素化合物としてはモノチタン水素化合物、ジチタン水素化合物等、ハロゲン化チタンとしては、トリクロロチタン、テトラクロロチタン等を挙げることが出来る。或いは、高屈折率層としてテトライソプロポキシタンタル等のアルコキシタンタル類が酸化タンタル層を形成する原料ガスとしてあげられ、何れも本発明において好ましく用いることが出来る。又これらの原料ガスを2種以上を同時に混合して使用することが出来るがこれらに限定されない。
本発明に有用な、有機基を有する酸化珪素の膜を形成するための有機珪素化合物の例としては、例えば、オルガノシラン類があり、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物を用いることが好ましい。
一般式(1) R11Si(OR1)(OR2)(OR3
一般式(2) R1112Si(OR1)(OR2
一般式(3) R111213Si(OR1
−OR1,−OR4は置換基を有してもよいアルコキシ基であり、R11,R13は置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、水素原子、ハロゲン原子から選択される置換基であり、それぞれ異なっていても同じでもよい。
この有機珪素化合物の具体例としてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリキドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリキドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシエトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシランなどのトリアルコキシシラン、トリアシルオキシシラン、トリフェノキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシレン、メチルビニルジエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン、ジフェノキシシラン、ジアシルオキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、フルオロアルキルシラン、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルジシロキサン類等が挙げられる。また、有機シリコーン類等も好ましい。
本発明の光学フィルムにおいては、ポリエステル基材と上記反射防止層の間に、帯電防止層、クリアハードコート層及び防眩層から選ばれる少なくとも1層を有することが好ましい。
(クリアハードコート層)
通常のクリアハードコート層は、一般的な紫外線硬化樹脂を用い形成することができる。
クリアハードコート層に用いる活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性エネルギー線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。本発明ではクリアハードコート層が、バインダーとしてアクリル系の活性エネルギー線硬化樹脂を主成分とすることが好ましい。活性エネルギー線硬化アクリレート系樹脂としては、例えば、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂等が挙げられる。
アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号に記載のものを用いることができる。
例えば、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
これらの中で、バインダーの主成分として、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレートから選択されるアクリル系の活性エネルギー線硬化樹脂が好ましい。
本発明において使用し得る紫外線硬化樹脂の市販品としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(旭電化(株)製);コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(広栄化学(株)製);セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(大日精化工業(株)製);KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(ダイセル・ユーシービー(株)製);RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(大日本インキ化学工業(株)製);オーレックスNo.340クリヤ(中国塗料(株)製);サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(三洋化成工業(株)製);SP−1509、SP−1507(昭和高分子(株)製);RCC−15C(グレース・ジャパン(株)製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(東亞合成(株)製)等を適宜選択して利用できる。
紫外線硬化樹脂層の塗布組成物は、固形分濃度は10〜100質量%であることが好ましく、塗布方法により適当な濃度が選ばれる。
本発明に係るクリアハードコート層を塗設する際の溶媒は、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、または混合して使用できる。好ましくは、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルまたはプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
クリアハードコート層組成物塗布液の塗布方法としては、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコーター、押出コーター、エアードクターコーター等公知の方法を用いることができる。塗布量はウェット膜厚で5〜30μmが適当で、好ましくは10〜20μmである。塗布速度は10〜60m/分が好ましい。
ハードコート層組成物は塗布乾燥された後、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射され硬化処理されることが好ましいが、前記活性エネルギー線の照射時間は0.5秒〜5分が好ましく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率等からさらに好ましくは、3秒〜2分である。
(防眩層)
本発明に係る防眩層は、上記説明したクリアハードコート層を形成する紫外線硬化樹脂に、防眩性を付与するために、また屈折率を調整するために無機化合物或いは有機化合物の微粒子が含まれる。
防眩層に使用される無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることが出来る。特に、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムなどが好ましく用いられる。
また有機粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、或いはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等紫外線硬化性樹脂組成物に加えることが出来る。特に好ましくは、架橋ポリスチレン粒子(例えば、綜研化学製SX−130H、SX−200H、SX−350H)、ポリメチルメタクリレート系粒子(例えば、綜研化学製MX150、MX300)が挙げられる。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.005〜5μmが好ましく0.01〜4μmであることが特に好ましい。
また、粒径の異なる2種以上の微粒子を含有することが好ましく、少なくとも1種は防眩層の平均膜厚よりも粒径が大きな微粒子であることが防眩性の効果を高める上で好ましい。
防眩層の平均膜厚よりも粒径が大きな微粒子は、有機物微粒子が好ましく用いられ、防眩効果の点で架橋ポリスチレン微粒子等が好ましく用いられる。防眩層にこれらの紫外線吸収性の微粒子を含有する場合に塗布むらが起こりやすかったが、これも本発明によってその問題が改善される。
紫外線硬化樹脂と微粒子の割合は、紫外線硬化樹脂100質量部に対して、0.1〜40質量部となるように配合することが望ましい。
紫外線硬化樹脂層は、JIS B 0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が、0.06〜0.5μmの防眩層であることが好ましい。中心線平均粗さ(Ra)は光干渉式の表面粗さ測定器で測定することが好ましく、例えばWYKO社製RST/PLUSを用いて測定することが出来る。
本発明に係る防眩層の屈折率は、低反射性フィルムを得るための光学設計上から屈折率が1.45〜1.70の範囲にあることが好ましい。防眩層の屈折率は添加する微粒子の屈折率や含有量によって調製することができる。
十分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、防眩層の膜厚は0.5μm〜10μmの範囲が好ましく、更に好ましくは、1μm〜5μmである。
(帯電防止層:透明導電膜)
本発明の光学フィルムにおいては、ポリエステル基材と反射防止層の間に、あるいはポリエステル基材を挟んで、後述する防汚層を設けた面とは反対側の面に、帯電防止層(以下、透明導電膜ともいう)を有していることが好ましい。
本発明に係る透明導電膜の形成は、真空蒸着法やスパッタリング法等を用いることにより、また、インジウム、スズ等の金属アルコキシド等を用いたゾルゲル法等塗布法によっても、比抵抗値で10-4Ω・cmオーダーの優れた導電性を有する透明導電膜を得ることが出来るが、本発明においては、インジウム、スズ等の金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物を用いて、前記反射防止層の形成と同様に、大気圧プラズマ法により形成することが好ましい。
例えば、工業的には、DCマグネトロンスパッタリング装置を用いて比抵抗値で10−4Ω・cmオーダーの優れた導電性を有するITO膜を得ることが出来るが、これらの物理的製作法(PVD法)では気相中で目的物質を基板に堆積させて膜を成長させるものであり、真空容器を使用するため装置が大がかりで高価なうえ原料の使用効率が悪くて生産性が低い。また大面積の成膜も困難であった。さらに、低抵抗品を得るためには製膜時に200〜300℃に加熱する必要があり、樹脂フィルムへの低抵抗な透明導電膜の製膜は困難であるため、本発明においては、大気圧プラズマ放電処理法により形成することが好ましい。
本発明において、透明導電膜の好適に用いられる大気圧プラズマ放電処理装置と同様の装置を挙げることができる。
本発明に係る大気圧プラズマ法による透明導電膜の形成において使用するガスは、ポリエステル基材上に設けたい透明導電膜の種類によって異なるが、基本的には、前記同様に不活性ガスと、透明導電膜を形成するためにプラズマ状態となる反応性ガスの混合ガスである。ここで不活性ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、更には窒素ガス等が好ましく用いられる。
本発明で用いる反応性ガスは複数用いることが可能であるが、少なくとも1種類は、放電空間でプラズマ状態となり、透明導電膜を形成する成分を含有するものである。このような反応性ガスとしては特に制限はないが、有機金属化合物が好ましく用いられる。有機金属化合物の種類は問わないが、分子内に酸素を有する有機金属化合物が好ましく、特にβジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物が好ましく用いられる。より好ましい例は、インジウムヘキサフルオロペンタンジオネート、インジウムメチル(トリメチル)アセチルアセテート、インジウムアセチルアセトナート、インジウムイソポロポキシド、インジウムトリフルオロペンタンジオネート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、ジンクアセチルアセトナート等を挙げることが出来る。
この中で特に好ましいのは、インジウムアセチルアセトナート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル3,5−ヘプタンジオネート)インジウム、ジンクアセチルアセトナート、ジ−n−ブチルジアセトキシスズである。これらの有機金属化合物は一般に市販されており、たとえばインジウムアセチルアセトナートであれば東京化成工業(株)から容易に入手することができる。
導電膜の形成においてはこれら分子内に少なくとも1つ以上の酸素原子を含有する有機金属化合物のほかに導電性を向上させるために行われるドーピング用のガスを用いることができる。ドーピングに用いられる反応性ガスとしては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、ニッケルアセチルアセトナート、マンガンアセチルアセトナート、ボロンイソプロポキシド、n−ブトキシアンチモン、トリ−n−ブチルアンチモン、ジ−n−ブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−n−ブチルジアセトキシスズ、ジ−t−ブチルジアセトキシスズ、テトライソプロポキシスズ、テトラブトキシスズ、テトラブチルスズ、ジンクアセチルアセトナート、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタン、4フッ化メタン等を挙げることができる
また、透明導電膜の構成元素を含む反応ガスの他に水を反応ガスとして用いることで、高い電導性と大きなエッチング速度を有する透明導電膜の製造が可能である。反応ガス中に混入する水の量は反応性ガスと不活性ガスの混合気体中0.0001から10%の範囲にあることが好ましい。より好ましくは0.001から1%の範囲にあることが好ましい。
反応ガスとしては透明導電膜を構成する元素を含む有機金属化合物及び水の他、酸素などの酸化性を有するガス、水素などの還元性を有するガスその他、一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素などを適宜用いることも可能である。
透明導電膜主成分として用いられる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスの量比は、成膜する透明導電膜の種類により異なる。例えば、酸化インジウムに錫をドーピングして得られるITO膜においては得られるITO膜のIn:Snの原子数比が100:0.1〜100:15の範囲になるように反応性ガス量を調整する。好ましくは、100:0.5〜100:10の範囲になるよう調整する。In:Snの原子数比はXPS測定により求めることができる。酸化錫にフッ素をドーピングして得られる透明導電膜(FTO膜という)においては、得られたFTO膜のSn:Fの原子数比が100:0.01〜100:50の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。Sn:Fの原子数比はXPS測定により求めることが出来る。In23−ZnO系アモルファス透明導電膜においては、In:Znの原子数比が100:50〜100:5の範囲になるよう反応性ガスの量比を調整する。In:Znの原子数比はXPS測定で求めることが出来る。
更に、反応性ガスには透明導電膜主成分となる反応性ガスとドーピングを目的に少量用いられる反応性ガスがある。更に、本発明においては透明導電膜を構成する主たる金属元素、ドーピングとなる金属元素の他、ケイ素を導入する。ケイ素の導入方法には制限はないが、透明導電膜を形成する際、反応ガスとして透明導電膜の抵抗値を調整する為に反応性ガスを追加することも可能である。
透明導電膜の抵抗値を調整する為に用いる反応性ガスとしては、有機金属化合物、特にβジケトン金属錯体、金属アルコキシド、アルキル金属等の有機金属化合物が好ましく用いられる。具体的には以下のものをあげることができる。ケイ素化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。この中でもテトラエトキシシランが安定性、蒸気圧の点で好ましい。
透明導電膜の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の透明導電膜が好ましい。
透明導電膜の場合、大気圧近傍の圧力下で形成された後、熱を加え、透明導電膜の特性を調整することも可能である。この熱処理によっても膜中の水素の量を変える事ができる。熱処理の温度としては50〜300℃の範囲が好ましい。好ましくは100から200℃の範囲である。加熱の雰囲気も特に制限はない。空気雰囲気、水素などの還元性ガスを含む還元雰囲気、酸素などの酸化性ガスを含有するような酸化雰囲気、あるいは真空、不活性ガス雰囲気下のうちから適宜選択することが可能である。還元、酸化雰囲気をとる場合、還元性ガス、酸化性ガスを希ガスや窒素などの不活性ガスで希釈して用いることが好ましい。このような場合、還元性ガス、酸化性ガスの濃度は0.01から5%が好ましく、より好ましくは0.1から3%である。
また、本発明に係る透明導電膜の形成方法によって得られる透明導電膜は、反応性ガスとして有機金属化合物を用いるため、微量の炭素を含有する場合がある。その場合の炭素含有量は、0〜5.0原子数濃度であることが好ましい。特に好ましくは0.01〜3原子数濃度の範囲内にあることが好ましい。
〔前処理〕
本発明の光学フィルムにおいては、光学薄膜の表面を、コロナ処理、プラズマ処理、大気圧プラズマ処理及び火炎処理から選ばれる少なくとも1つで前処理を施した後、後述する防汚層を形成することが、光学薄膜及び防汚層の耐久性を向上し、かつ光学薄膜と防汚層の密着性を飛躍的に向上できる観点から好ましい。
コロナ処理とは、大気圧下、電極間に1kV以上の高電圧を印加し、放電することで行う処理のことであり、春日電機(株)や(株)トーヨー電機などで市販されている装置を用いて行うことが出来る。コロナ放電処理の強度は、電極間距離、単位面積当たりの出力、ジェネレーターの周波数に依存する。コロナ処理装置の一方の電極(A電極)は、市販のものを用いることが出来るが、材質はアルミニウム、ステンレスなどから選択が出来る。もう一方はプラスチックフィルムを抱かせるための電極(B電極)であり、コロナ処理が、安定かつ均一に実施されるように、前記A電極に対して一定の距離に設置されるロール電極である。これも通常市販されているものを用いることが出来、材質は、アルミニウム、ステンレス、及びそれらの金属で出来たロールに、セラミック、シリコン、EPTゴム、ハイパロンゴムなどがライニングされているロールが好ましく用いられる。本発明に用いられるコロナ処理に用いる周波数は、20kHz以上100kHz以下の周波数であり、30kHz〜60kHzの周波数が好ましい。周波数が低下するとコロナ処理の均一性が劣化し、コロナ処理のムラが発生する。また、周波数が大きくなると、高出力のコロナ処理を行う場合には、特に問題ないが、低出力のコロナ処理を実施する場合には、安定した処理を行うことが難しくなり、結果として、処理ムラが発生する。コロナ処理の出力は、1〜5w・min./m2であるが、2〜4w・min./m2の出力が好ましい。電極とフィルムとの距離は、5mm以上50mm以下であるが、好ましくは、10mm以上35mm以下である。間隙が開いてくると、一定の出力を維持するためにより高電圧が必要になり、ムラが発生し易くなる。また、間隙が狭くなりすぎると、印加する電圧が低くなりすぎ、ムラが発生し易くなる。更にまた、フィルムを搬送して連続処理する際に電極にフィルムが接触し傷が発生する。
また、プラズマ処理としては、マイクロ波プラズマ処理またはグロー放電処理が挙げられ、プラズマ処理では、雰囲気ガスとして、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等が好ましい。特に、ヘリウムおよびアルゴンガスが好ましい。雰囲気ガス中に、酸素、メタン、二酸化炭素、窒素(窒素雰囲気の場合を除く)、アンモニアを1ppm〜30%(体積割合)含ませることが好ましく、特にメタン、二酸化炭素、窒素、酸素が好ましい。雰囲気圧力は1Pa〜1MPaが好ましく、大気圧が作業性等から好ましい。しかし、開始電圧が上昇するのでこれを抑えるのに、放電極面に誘電体を挟むこと、雰囲気ガスとしてヘリウムまたはアルゴンであること、電源として交流や高周波を使用することが好ましい。周波数として交流周波数から電子レンジ相当の高周波まで選択することができ、50Hz〜100GHzが好ましい。
また、火炎処理(フレームプラズマ処理ともいう)は、表面処理をしようとするフィルムの表面にバーナーにより火炎(フレーム)処理を行うことでプラズマを発生させ表面処理を行うもので、本発明の火炎処理に用いる燃焼ガスとしては、パラフィン系ガス、例えば、都市ガス、天然ガス、メタンガス、エタンガス、プロパンガス、ブタンガスが、またオレフィン系ガスとしては、エチレンガス、プロピレンガス等が有用であり、アセチレンガスも好ましく用いられる、これらの燃焼ガスは一種類だけ、あるいは2種類以上混合して用いてもよい。特に好ましくはパラフィン系ガス及びオレフィン系ガスである。
本発明において、火炎処理に用いる燃焼ガスと混合する酸化性ガスとしては、酸素、空気が好ましく用いられるが、助燃剤や酸化剤をもちいてもよい。
火炎処理の燃焼ガスと酸化性ガスとの混合比率は、ガスの種類によって異なるが例えばプロパンガスと空気の場合には、プロパンガス/空気の好ましい混合比は、容量比で1/15〜1/22、好ましくは1/16〜1/19の範囲とすることがよく、天然ガスと空気の場合には、1/6〜1/10、より好ましくは1/7〜1/9とするのが好ましい。
一般に、バーナーから出る火炎には外炎と内炎とがあり、外炎部は内炎部の未反応(燃焼しきれない)ガスが加熱された、通常薄い青色をした部分でいわゆるブルーのガス炎と言われており、温度が高い部分であり、ブルーでない火炎部が内炎で酸素供給が少ない温度の比較的低い部分である。内炎と外炎との大きさの比率は燃焼ガスの種類、酸化性ガスの種類、これらの混合比、ガスの供給速度、等によって異なる。
本発明に係る上記前処理においては、大気圧もしくはその近傍の圧力下で、対向電極の間で形成する放電空間に酸素ガスを含有する放電ガスを供給し、少なくとも一方の電極から該放電空間に高周波電圧を印加して酸素ガスを含有する放電ガスを励起し、前記光学薄膜を該励起した放電ガスに晒すことにより処理を行う大気圧プラズマ処理であることが、光学薄膜表面に均一な前処理を施すことができる観点から好ましい。
本発明に係る前処理に適用する大気圧プラズマ処理としては、前述の反射防止層の形成に用いた図1、図2に記載の大気圧プラズマ処理装置を適用することができるが、更には、図5に示す大気圧プラズマ処理装置も適用することができる。
図5は、本発明に係る前処理に用いる大気圧プラズマ放電装置の一例を示す概略図である。図5はプラズマ放電処理装置130、ガス供給手段150、電圧印加手段140、及び電極温度調節手段160から構成されている。ロール回転電極135と角筒型固定電極群136として、基材Fをプラズマ放電処理するものである。ロール回転電極135はアース電極で、角筒型固定電極群136は高周波電源141に接続されている印加電極である。基材Fは、ガイドロール164を経てニップロール165で基材に同伴して来る空気等を遮断し、ロール回転電極135に接触したまま巻き回されながら角筒型固定電極群136との間を移送され、ニップロール166、ガイドロール167を経て、次工程である本発明に係る薄膜形成工程に移送する。前処理用のガスはガス供給手段150で、ガス発生装置151で発生させた前処理用のガスGを、流量制御して給気口152より対向電極間(ここが放電空間になる)132のプラズマ放電処理容器131内に入れ、該プラズマ放電処理容器131内を前処理用のガスGで充填し、放電処理が行われた処理排ガスG′を排気口153より排出するようにする。次に、電圧印加手段140で、高周波電源141により角筒型固定電極群136に電圧を印加し、アース電極のロール回転電極135との電極間で放電プラズマを発生させる。ロール回転電極135及び角筒型固定電極群136を電極温度調節手段160を用いて媒体を加熱または冷却し電極に送液する。電極温度調節手段160で温度を調節した媒体を送液ポンプPで配管161を経てロール回転電極135及び角筒型固定電極群136内側から温度を調節する。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラを出来るだけ生じさせないようにロール回転電極135の内部の温度を制御することが望ましい。なお、168及び169はプラズマ放電処理容器131と外界を仕切る仕切板である。
本発明に係る大気圧プラズマ処理装置を用いた前処理においては、放電ガス(前処理用のガスG)として酸素を含むことが好ましく、更に好ましくは、酸素ガスを50体積%以下含有することであり、特に好ましくは酸素ガスを、1.0体積%以上、30体積%以下含有することである。また、酸素ガスと共に窒素ガスを含有する混合ガスを用いることが、より効率的な前処理を行える観点から好ましい。
また、本発明に係る前処理を光学薄膜上に施した後、3日以内に防汚層を形成することが、前処理効果を喪失することなく、前処理による光学薄膜及び防汚層の優れた耐久性と、光学薄膜と防汚層の高い密着性を維持できる観点から好ましく、更には前処理を光学薄膜上に施した後、1日以内に防汚層を形成することが好ましく、特には、前処理を光学薄膜上に施した後、連続してオンラインで防汚層を形成することが好ましい。
上記の様に前処理と防汚層の形成をオンラインで大気圧プラズマ処理装置を用いて行う場合には、前処理の電源条件は、後述する防汚層形成の電源条件と同一にすることが、処理プロセスを簡便にできる観点から好ましい。
〔防汚層〕
本発明の光学フィルムにおいては、前記光学薄膜に隣接した位置に、フッ素原子の含有率が20%以上で、かつフッ素原子に対する酸素原子(O)の比率(O/F)が、0.20<O/F<1.0である防汚層を最上層となる様に設けることを特徴とする。更には、光学薄膜の表面に前処理を施した後、防汚層を設けることが、光学薄膜及び防汚層の耐久性を向上し、かつ光学薄膜と防汚層の密着性を飛躍的に向上できる観点から好ましい。
本発明で規定する防汚層中のフッ素原子及び酸素原子の原子数はXPS測定により求めることができる。
本発明において、XPS測定で用いるXPS表面分析装置としては、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いることができる。具体的には、X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定した。エネルギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定したとき、1.5eV〜1.7eVとなるように設定した。
測定としては、先ず、結合エネルギ0eV〜1100eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定し、いかなる元素が検出されるかを求めた。
次に、検出された、エッチングイオン種を除く全ての元素について、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンをおこない、各元素のスペクトルを測定した。
得られたスペクトルは、測定装置、あるいは、コンピュータの違いによる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするために、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM (Ver.2.3以降が好ましい)上に転送した後、同ソフトで処理をおこない、各分析ターゲットの元素(炭素、酸素、ケイ素、チタン等)の含有率の値を原子数濃度(atomic concentration:at%)として求めた。
定量処理をおこなう前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムージング処理を行った。定量処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(cps*eV)を用いた。バックグラウンド処理には、Shirleyによる方法を用いた。また、Shirley法については、D.A.Shirley,Phys.Rev.,B5,4709(1972)を参考にすることができる。
本発明においては、上記のXPS測定等で求めた防汚層中のフッ素原子含有量が20%であることが特徴であるが、好ましくは30%以上であり、更に好ましくは30%以上、90%以下である。また、本発明に係る防汚層においては、フッ素原子に対する酸素原子の比率(O/F)が0.20以上、1.0以下であることが特徴である。上記で規定する原子組成とすることにより、本発明の目的効果を十分に発揮でき、優れた防汚能を備えた防汚層を形成することができる。上記で規定する条件を達成するためには、防汚層形成に用いるフッ素原子を含有する有機金属化合物の種類、あるいは薄膜形成ガスの供給量、あるいは放電ガスの種類とその比率を適宜設定することにより得ることができる。
本発明に係る防汚層の膜厚は、特に制限はないが、光学膜厚として0.1nm以上、5.0nm以下であることが、本発明の目的効果をより奏する観点から好ましい。
本発明でいう防汚層の光学膜厚は、公知の分析手段を用いて求めることができるが、本発明においては、X線反射率法により求めた値を用いている。
X線反射率法の概要は、例えば、X線回折ハンドブック 151ページ(理学電機株式会社編 2000年 国際文献印刷社)や化学工業1999年1月No.22を参照して行うことができる。
本発明に有用な測定方法の具体例を以下に示す。
測定装置としては、マックサイエンス社製MXP21を用いて行う。X線源のターゲットには銅を用い、42kV、500mAで作動させる。インシデントモノクロメータには多層膜パラボラミラーを用いる。入射スリットは0.05mm×5mm、受光スリットは0.03mm×20mmを用いる。2θ/θスキャン方式で0から5°をステップ幅0.005°、1ステップ10秒のFT法にて測定を行う。得られた反射率曲線に対し、マックサイエンス社製Reflectivity Analysis Program Ver.1を用いてカーブフィティングを行い、実測値とフッティングカーブの残差平方和が最小になるように各パラメータを求める。各パラメータから防汚層の厚さを求めることができる。
本発明に係る防汚層の形成方法に関しては、特に制限はないが、前述の大気圧プラズマ法あるいは湿式塗布法により形成することが好ましい。
本発明において、大気圧プラズマ法としては、大気圧もしくは大気圧近傍の圧力下で、放電ガス及びフッ素原子を20質量%以上含有する化合物、例えば、フッ素原子を含有する有機金属化合物を含む薄膜形成ガスから構成される混合ガスを放電空間に導入して励起し、該励起した混合ガスに、光学薄膜を有するポリエステル基材を晒すことにより、光学薄膜上に防汚層を形成する。
本発明に係る防汚層の形成に用いることのできる大気圧プラズマ処理装置としては、例えば、特開平11−133205号公報、特開2000−185362号公報、特開平11−61406号公報、特開2000−147209号公報、同2000−121804号公報等に開示されている技術を挙げることができ、また具体的な装置構成としては、前述の反射防止層あるいは前処理の形成あるいは処理で適用できる図1〜図5に記載の装置あるいは電極を適用することができる。
更に、以下に防汚層形成のおける好ましい条件を以下に説明する。
本発明に係る防汚層を形成するする場合の対向電極間に印加する高周波電界の周波数としては特に限定はないが、高周波電源として100kHz以下とすることができ、本発明の目的効果をより奏する観点からは、より低周波数の30kHzとすることが好ましく、更に好ましくは1kHz以上、20kHz以下である。対向電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続したサイン波であることが好ましい。
本発明において、電極間の距離は、電極の金属母材に設置した誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に誘電体を設置した場合の誘電体と電極の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設置した場合の誘電体同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5mm〜20mmが好ましく、より好ましくは0.5〜5mm、更に好ましくは0.5〜3mm、特に好ましくは1mm±0.5mmである。
また、本発明に係る防汚層の形成に用いる放電ガスとしては、窒素、希ガス、空気、水素、酸素などがあり、これらを単独で放電ガスとして用いても、混合して用いてもかまわない。放電ガスの量は、放電空間に供給する全ガス量に対し、70〜100体積%含有することが好ましい。
また、本発明に係る薄膜形成ガスとは、本発明に係るフッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含有し、基材上に化学的に堆積して薄膜を形成するガスのことである。本発明においては、薄膜形成ガスに対する本発明に係る前述のフッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物の含有量としては、0.001〜30.0体積%の範囲であることが好ましい。
本発明の薄膜形成ガスは、上述の放電ガスとして説明した窒素や希ガス等を含有することができる。なお、本発明の薄膜形成ガスは、水素ガス、酸素ガス、窒素ガス、空気等の補助ガスを0.001体積%〜30体積%混合させて使用してもよい。
また、本発明に係る防汚層は、湿式塗布方法により形成することもできる。
これらのシランカップリング剤を用いて光学薄膜上にフッ素原子含有膜を塗設する方法としては、スピンコート塗布、ディップ塗布、エクストルージョン塗布、ロールコート塗布スプレー塗布、グラビア塗布、ワイヤーバー塗布、エアナイフ塗布等、特に制限されないが、シランカップリング剤を溶剤で希釈し、その中に光学薄膜を有するポリエステル基材を浸漬して塗布するディップコート法が簡便であり好ましい。
本発明においては、フッ素原子を含有する防汚層を光学薄膜を有するポリエステル基材の片面側に塗設する場合には、光学薄膜を有するポリエステル基材をガイドロールに巻き付け、ポリエステル基材幅より狭い条件で、ガイドロール下部に設けた液受けパンにフッ素原子を含有する化合物を含む塗布液を満たし、ガイドロールで保持した光学薄膜を有するポリエステル基材を浸漬して塗布することもできる。
次いで、薄膜形成ガスを構成するフッ素原子を有する化合物、あるいは湿式塗布方法で用いることのできるフッ素原子を有する化合物について説明する。
本発明に用いられるフッ素原子を有する化合物としては、フッ素原子を含有するシランカップリング剤が好ましい。本発明に好ましく用いられるシランカップリング剤としては、膜が形成された表面のXPSによる元素組成が、本発明が規定する特定の範囲となるものであれば特に制限されないが、分子構造中にフッ化アルキル間を酸素で結合した置換基を有することが好ましく、例えば、フルオロエーテル系の、パーフロロアルコキシパーフロロアルコキシトリイソプロポキシシラン等であり、置換基中に酸素原子を含有させることにより置換基がフレキシブル構造となり、薄膜で、膜強度の高い低摩擦性の薄膜を形成することができる観点から好ましい。これらのシランカップリング剤としては、例えば、ダイキン社製オプツールDSX、旭ガラス社製サイトップ等の市販のものを入手することができる。本発明に係る薄膜形成ガスにこれらのシランカップリング剤を用いる場合には、これらの化合物を気化させて供給する。
本発明の光学フィルムは、特に偏光板保護フィルムとして有用であり、これを用いて公知の方法で偏光板を作製することができる。
本発明の光学フィルムを適用した偏光板は優れた防汚性を示した。また、本発明の偏光板を用いて作製した画像表示装置は視認性に優れており、過酷な環境下でも優れた視認性を提供することができた。
本発明の光学フィルムを備えた偏光板は、反射型、透過型、半透過型液晶表示装置あるいはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型、IPS型等の各種駆動方式の液晶表示装置で好ましく用いられ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等の各種表示装置にも好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《ポリエステル基材の作製》
〔ポリエチレンテレフタレート樹脂の調製〕
以下のようにしてポリエチレンテレフタレート樹脂1、2を得た。
(ポリエチレンテレフタレート樹脂1の調製)
テレフタル酸ジメチルの100質量部、エチレングリコールの65質量部に、エステル交換触媒として酢酸マグネシウム水和物の0.05質量部を添加し、常法に従ってエステル交換を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモンの0.05質量部、リン酸トリメチルエステルの0.03質量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧し、280℃、67Paで重合を行い、0.60の固有粘度のポリエチレンテレフタレート樹脂1を得た。
得られたポリエチレンテレフタレート樹脂1の金属含有量を、XPS表面分析装置(VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200R)を用いて測定した結果、以下の値であった。
Sb:150ppm
Ca+Mg:100ppm
P:50ppm
(ポリエチレンテレフタレート樹脂2の調製)
上記ポリエチレンテレフタレート樹脂1の調製において、酢酸マグネシウム水和物、三酸化アンチモン及びリン酸トリメチルエステルを添加量を3倍に変更した以外は同様にして、ポリエチレンテレフタレート樹脂2を調製した。
得られたポリエチレンテレフタレート樹脂2の金属含有量を、XPS表面分析装置(VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200R)を用いて測定した結果、以下の値であった。
Sb:450ppm
Ca+Mg:300ppm
P:150ppm
〔二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの作製〕
上記調製したポリエチレンテレフタレート樹脂1、2を用いて、以下のようにして二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであるポリエステル基材1、2を作製した。
上記調製したポリエチレンテレフタレート樹脂1、2をペレット化したものを150℃で8時間真空乾燥した後、285℃でTダイから層状に溶融押し出し、30℃の冷却ドラム上で静電印加しながら密着させ、冷却固化させ、それぞれ未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをロール式縦延伸機を用いて、80℃で縦方向に7倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、第一延伸ゾーン90℃で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン100℃で総横延伸倍率3.3倍になるように延伸した。次いで、70℃で2秒間、前熱処理し、さらに第一固定ゾーン150℃で5秒間熱固定し、第二固定ゾーン220℃で15秒間熱固定した。次いで160℃で横(幅手)方向にテンターを用いて5%弛緩処理を行い、室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップから解放し、製膜巾手方向中心で2本にスリットしながら搬送させて、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであるポリエステル基材1、2を得た。
ここで得られた二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは厚み50μmで、スリット後の巾1250mmである。また、この各二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのTgは79℃であった。
《光学フィルムの作製》
〔光学フィルム1の作製〕
(反射防止層の形成)
上記作製したポリエステル基材1上に、下記の方法に従って反射防止層を形成した。
図2に示した大気圧プラズマ放電処理装置を4基接続し、それぞれの装置の2個の電極の電極間隙を1mmとし、各装置の放電空間に下記ガスをそれぞれ供給し、上記作製したポリエステル基材1上に、順次薄膜を形成した。各装置の第1電極に第1の高周波電源として、神鋼電機社製(50kHz)の高周波電源を使用し、高周波電圧10kV/mm及び出力密度1W/cm2で、また、第2電極に第2の高周波電源として、パール工業社製(13.56MHz)の高周波電源を使用し、高周波電圧0.8kV/mm及び出力密度5.0W/cm2で印加し、プラズマ放電を行って酸化チタンを主成分とする薄膜及び酸化珪素を主成分とする反射防止層を形成した。このときの各装置の放電空間における窒素ガスの放電開始電圧は3.7kV/mmであった。なお、下記薄膜形成ガスは窒素ガス中で気化器によって蒸気とし、加温しながら放電空間に供給した。また、ロール電極はドライブを用いてポリエステル基材の搬送を同期して回転させた。両電極を80℃になるように調節保温して行った。
〈酸化チタン層形成用ガス組成〉
放電ガス:窒素 97.9体積%
薄膜形成ガス:テトライソプロポキシチタン 0.1体積%
添加ガス:水素 2.0体積%
〈酸化珪素層形成用ガス組成〉
放電ガス:窒素 98.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
添加ガス:酸素 1.0体積%
前記のポリエステル基材1上に、順に酸化チタン層1、酸化珪素層1、酸化チタン層2、酸化珪素層2を設け、反射防止層を有するポリエステル基材1Aを作製した。なお、反射防止層を構成するそれぞれの層は、順に酸化チタン層1:屈折率2.1(膜厚15nm)、酸化珪素層1:屈折率1.46(膜厚33nm)、酸化チタン層2:屈折率2.1(膜厚120nm)、酸化珪素層2:屈折率1.46(膜厚76nm)であった。
(前処理)
上記形成した反射防止層表面を、下記の方法に従って前処理を施した。
上記の反射防止層を有するポリエステル基材1Aを、図5に示す1対のロール電極からなる放電装置を用いて、ロール電極対のギャップ間隙を1mm、放電ガスとして、窒素ガス/酸素ガス=80/20(体積比)を用い、その放電空間に1秒間晒した。なお、高周波電源の電源周波数は10kHzとし、第2電極に出力密度として5.0W/cm2で印加した。
(防汚層の形成)
上記前処理を行った反射防止層を有するポリエステル基材1A上に、図5に示す大気圧プラズマ放電処理装置を用いて、前処理工程と連続して、オンラインで防汚層の形成を行った。
下記に記載の放電ガスと薄膜形成ガスとの混合ガスを体積比として1:1で、図5に記載の1対のロール電極から構成される放電空間に供給し、高周波電圧を印加して混合ガスを励起し、前記前処理を行った反射防止層を有するポリエステル基材1Aを励起した混合ガスに晒して、光学膜厚が0.5nmの防汚層を形成し、光学フィルム1を作製した。
〈放電ガス〉
窒素ガス 98.5体積%
水素ガス 1.5体積%
〈薄膜形成ガス〉
窒素ガス 99.8体積%
有機金属化合物:GE東芝シリコン社製ヘプタデカフルオロデシルトリイソプロポキシシラン 0.2体積%
(エステック社製気化器により、窒素ガス中に気化)
〈電極〉
電極は、電極にチタンを用い、更に、電極の放電空間を構成する表面にアルミナセラミックを1mmになるまで溶射被覆させた後、アルコキシシランモノマーを有機溶媒に溶解させた塗布液をアルミナセラミック被膜に塗布し、乾燥させた後に、150℃で加熱し封孔処理を行って誘電体を形成した。電極の誘電体を被覆していない部分に、高周波電源の接続やアースによる接地を行った。なお、ガス放出口と基材との間隙は1mmとした。
高周波電源の電源周波数は10kHzとし、第2電極に出力密度として5.0W/cm2で印加した。
〔光学フィルム2の作製〕
上記光学フィルム1の作製において、反射防止層を形成したポリエステル基材1上に、下記の方法に従って、前処理及び防汚層の形成を行った以外は同様にして、光学フィルム2を作製した。
(前処理)
上記ポリエステル基材1上の反射防止層表面を、春日電機社製AP−400(ギャップ3mm、30秒処理)を用いてコロナ放電処理を施した。
(防汚層の形成:湿式塗布法)
上記前処理を施した反射防止層表面に、フッ素原子を含有する防汚層を形成した。
ダイキン社製オプツールDSXを、同社製SOL−1で0.1%に希釈し、ディップ塗布法でコーティング、乾燥して、膜厚が4.0nmの防汚層を形成した。
〔光学フィルム3の作製〕
上記光学フィルム1の作製と同様の方法で反射防止層及び前処理を行った後、光学フィルム2の防汚層の形成と同様にして、湿式塗布法で防汚層を形成した以外は同様にして、光学フィルム3を作製した。
〔光学フィルム4の作製〕
上記光学フィルム1の作製において、前処理の方法を光学フィルム2と同様の前処理(コロナ放電処理)に変更した以外は同様にして、光学フィルム4を作製した。
〔光学フィルム5の作製〕
上記光学フィルム1の作製において、ポリエステル基材1と反射防止層との間に、下記の方法に従ってクリアハードコート層の設けた以外は同様にして、光学フィルム5を作製した。
(クリアハードコート層の形成)
ポリエステル基材1上に、下記クリアハードコート層組成物を、乾燥膜厚が3.5μmとなるようにダイ塗布し、80℃にて5分間乾燥した。次に、80W/cm高圧水銀灯を12cmの距離から4秒間照射して硬化させ、クリアハードコート層を形成した。クリアハードコート層の屈折率は1.50であった。
〈ハードコート層組成物〉
下記の各組成物を添加、攪拌、溶解し、クリアハードコート層組成物を調製した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20質量部
ジエトキシベンゾフェノン(UV光開始剤) 2質量部
メチルエチルケトン 50質量部
酢酸エチル 50質量部
イソプロピルアルコール 50質量部
〔光学フィルム6の作製〕
上記光学フィルム5の作製において、ポリエステル基材1とクリアハードコート層との間に、下記の方法に従って帯電防止層の設けた以外は同様にして、光学フィルム6を作製した。
(帯電防止層の形成)
ポリエステル基材1上に、下記組成の帯電防止層1の塗布組成物を乾燥膜厚で0.2μmとなるようにダイコートし、80℃、5分間乾燥して、帯電防止層を設けた。
〈帯電防止層の塗布組成物〉
ダイヤナール(BR−88 三菱レーヨン社製) 0.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 60質量部
メチルエチルケトン 15質量部
乳酸エチル 6質量部
メタノール 8質量部
導電性ポリマー樹脂:IP−16(特開平9−203810号公報記載)
0.5質量部
〔光学フィルム7の作製〕
上記光学フィルム5の作製において、裏面側に下記の方法に従って帯電防止層を設けた以外は同様にして、光学フィルム7を作製した。
(裏面帯電防止層(透明導電膜)の形成)
大気圧プラズマ放電処理装置として、図5に記載の1対のロール電極から構成される放電空間内に、下記の組成からなる混合ガスを導入して、透明導電膜(ITO)の形成を行った。また、プラズマ発生に用いる使用電源は日本電子(株)製高周波電源JRF−10000にて周波数13.56MHzの電圧で且つ5W/cm2の電力を供給した。
〈混合ガス組成〉
放電ガス:窒素 98.5体積%
反応性ガス1:水素 0.25体積%
反応性ガス2:トリス(2,4−ペンタンジオナト)インジウム 1.2体積%
反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
ポリエステル基材1の反射防止層を設ける面とは反対側の面に上記混合ガス、反応条件により大気圧プラズマ処理を行い、帯電防止層として錫ドープ酸化インジウム膜を形成した。
〔光学フィルム8〜10の作製〕
上記光学フィルム1の作製において、前処理を行った後、防汚層を形成するまでの間隔を1日、3日、5日と変更した以外は同様にして、光学フィルム8〜10を作製した。
〔光学フィルム11の作製〕
上記光学フィルム1の作製において、前処理を行わず、かつ防汚層の膜厚を0.7nmに変更した以外は同様にして、光学フィルム11を作製した。
〔光学フィルム12の作製〕
上記光学フィルム2の作製において、前処理を行わず、かつ防汚層の膜厚を6.0nmに変更した以外は同様にして、光学フィルム12を作製した。
〔光学フィルム13の作製〕
上記光学フィルム2の作製において、防汚層の膜厚を6.0nmに変更した以外は同様にして、光学フィルム13を作製した。
〔光学フィルム14〜17の作製〕
上記光学フィルム1、3、6、7の作製において、ポリエステル基材1に代えて、ポリエステル基材2を用いた以外は同様にして、光学フィルム14〜17を作製した。
以上により作製した光学フィルム1〜17の構成を、表1に示す。
Figure 2007017667
《光学フィルムの評価》
〔防汚層のフッ素原子含有率(F)、酸素原子含有率(O)の測定〕
上記作製した各光学フィルムの防汚層中のフッ素原子及び酸素原子の原子数を、XPS表面分析装置として、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いて、前述の条件に従って、フッ素原子含有率(F)及び酸素原子含有率(O)を測定した。
〔防汚層の酸素原子含有率(O)/フッ素原子含有率(F)の測定〕
1)上記方法で測定したフッ素原子含有率(F)、酸素原子含有率(O)より、O/Fを算出した。
2)記作製した各光学フィルムの表面を、下記の方法に従って強制摩耗処理を行った後、防眩層中のフッ素原子及び酸素原子の原子数を、上記と同様の方法で測定し、擦過処理後のO/Fを算出した。
〈強制摩耗処理〉
各光学フィルム表面(防汚層塗設面側)を、摩擦試験機HEIDON−14DRで、市販のガーゼを用い、荷重:40kPa、移動速度:10mm/分の条件で、10回の強制摩耗処理を行った。
〔耐擦過性の評価〕
上記作製した各光学フィルム表面(防汚層塗設面側)を、摩擦試験機HEIDON−14DRで、スチールウール(ボンスター #0000)を用い、荷重:40kPa、移動速度:10mm/分の条件で、10回の擦過処理を行った後、1cm×1cmの範囲をルーペで観察し、下記の基準に従って、耐擦過性の評価を行った。
A:全く擦り傷の発生が認められない
B:擦り傷の発生が1本以上、5本以下である
C:擦り傷の発生が6本以上、15本以下である
D:擦り傷の発生が16本以上、25本以下である
E:擦り傷の発生が25本以上である
上記の評価ランクで、A、Bであれば、実用上許容される耐擦過性を有していると判断した。
〔耐久性の評価〕
各光学フィルムを、60℃、95%RHの環境下で2週間の強制劣化処理を施した後、上記の耐擦過性の評価と同様にして、擦過処理を行い、同様の基準に従って、耐久性の評価を行った。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2007017667
表2に記載の結果より明らかな様に、本発明で規定する構成からなる光学フィルムは、比較例に対し、膜強度が強く耐擦過性に優れれると共に、強制劣化処理後の耐久性にも優れていることが分かる。
実施例2
実施例1に記載の光学フィルム1、4〜7の作製において、防汚層形成時の大気圧プラス間処理装置の高周波電源の周波数を20kHz、30kHz、40kHz、60kHz、80kHz、100kHzに変更した以外は同様にして、各光学フィルムを作製し、実施例1と同様の評価を行った結果、高周波電源の周波数として20kHz、30kHzで防汚層を形成した光学フィルムが、40kHz以上の高周波電源の周波数で形成した光学フィルムに比較してフッ素含有率が高く、耐擦過性及び耐久性に対しより良好な結果を示すことを確認することができた。
実施例3
実施例1に記載の光学フィルム5〜7の作製において、クリアハードコート層に代えて、クリアハードコート層組成物にシリカ微粒子を添加した防眩層に変更し、実施例1と同様の評価を行った結果、同様に優れた耐擦過性及び耐久性を確認することができた。
実施例4
上記作製した各光学フィルムを用いて、常法に従って偏光板を作製した後、市販のタッチパネル型液晶表示パネルの最表面の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた、上記で作製した各偏光板を各々貼合して、液晶表示パネルを各々作製した。
得られた液晶表示パネルについて、その表面を指及びタッチペンで1ヶ月間わたり接触を繰り返した後、その表面部を目視観察した結果、本発明の光学フィルムを用いたタッチパネルは、比較例に対し、反射防止能、防汚能に優れ、表面に傷が付きにくく、耐久性に優れていることを確認することができた。
本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。 本発明に有用な対向電極間でポリエステル基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。 図2に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。 角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。 本発明に係る前処理に用いる大気圧プラズマ放電装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
10、131 プラズマ放電処理装置
11 第1電極
12 第2電極
20、140 電圧印加手段
21、141 第1電源
22、142 第2電源
132 放電空間
135 ロール電極(第1電極)
136 角筒型電極群(第2電極)
143 第1フィルター
144 第2フィルター
150 ガス供給手段
160 電極温度調節手段
G ガス

Claims (14)

  1. 金属含有量が下記式(1)〜(3)で規定する条件を満たすポリエステル基材上に、少なくとも1層の光学薄膜を有し、該光学薄膜に隣接した位置に最上層としてフッ素原子を含有する防汚層を有し、該防汚層におけるフッ素原子の含有率が20%以上で、かつフッ素原子に対する酸素原子(O)の比率(O/F)が、0.20<O/F<1.0であることを特徴とする光学フィルム。
    式(1)
    100ppm≦Sb≦250ppm
    式(2)
    30ppm≦(Ca+Mg)≦200ppm
    式(3)
    20ppm≦P≦100ppm
  2. 前記光学薄膜の表面を、コロナ処理、プラズマ処理、大気圧プラズマ処理及び火炎処理から選ばれる少なくとも1つで前処理を施した後、前記防汚層を形成することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
  3. 前記前処理が、大気圧もしくはその近傍の圧力下で、対向電極の間で形成する放電空間に酸素ガスを含有する放電ガスを供給し、少なくとも一方の電極から該放電空間に高周波電圧を印加して酸素ガスを含有する放電ガスを励起し、前記光学薄膜を該励起した放電ガスに晒すことにより処理を行う大気圧プラズマ処理であることを特徴とする請求項2記載の光学フィルム。
  4. 前記放電ガス中の酸素ガス含有量が、50体積%以下であることを特徴とする請求項3記載の光学フィルム。
  5. 前記放電ガスが、酸素ガス及び窒素ガスを含む混合ガスであることを特徴とする請求項3または4に記載の光学フィルム。
  6. 前記防汚層が、大気圧もしくはその近傍の圧力下で、対向電極の間で形成する放電空間に放電ガス及び薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、少なくとも一方の電極から該放電空間に高周波電圧を印加して該ガスを励起し、前記光学薄膜を該励起したガスに晒すことにより処理を行う大気圧プラズマ処理で形成され、該高周波電圧を印加する高周波電源の周波数が30kHz以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 前記光学薄膜の表面の前処理を行った後、3日以内に前記防汚層を形成することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 前記防汚層の光学膜厚が、0.1nm以上、5.0nm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. 前記防汚層におけるフッ素原子の含有率が30%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  10. 前記光学薄膜が、大気圧もしくはその近傍の圧力下で、対向電極の間で形成する放電空間に放電ガス及び薄膜形成ガスを含有するガスを供給し、少なくとも一方の電極から該放電空間に高周波電圧を印加して該ガスを励起し、前記ポリエステル基材を該励起したガスに晒すことにより処理を行う大気圧プラズマ処理で形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  11. 前記光学薄膜が、反射防止層であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  12. 前記ポリエステル基材と前記反射防止層の間に、帯電防止層、クリアハードコート層及び防眩層から選ばれる少なくとも1層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  13. 前記ポリエステル基材を挟んで、前記防汚層を設けた面とは反対側の面が、帯電防止層を有していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光学フィルムを有することを特徴とする画像表示素子。
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