JP2004235269A - 有機電界効果トランジスタ、集積回路装置 - Google Patents

有機電界効果トランジスタ、集積回路装置 Download PDF

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    • H10K10/491Vertical transistors, e.g. vertical carbon nanotube field effect transistors [CNT-FETs]

Abstract

【課題】リソグラフィ技術やエッチング技術を利用することなく短チャネル化を図れる有機電界効果トランジスタおよび集積回路装置を提供する。
【解決手段】各有機電界効果トランジスタTp,Tnは、絶縁性基板1の一表面上に形成されたドレイン電極Dp,Dnと、絶縁性基板1の厚み方向においてドレイン電極Dp,Dnから離間したソース電極Sp,Snと、一部がドレイン電極Dp,Dnとソース電極Sp,Snとの間に介在する有機半導体層3p,3nと、絶縁性基板1の上記一表面上においてドレイン電極Dp,Dnから離間して形成されドレイン電極Dp,Dnとソース電極Sp,Snとの間のコンダクタンスを制御するゲート電極Gp,Gnと、ゲート電極Gp,Gnにおけるドレイン電極Dp,Dn側の側面に形成されたゲート絶縁膜2p,2nとを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界効果トランジスタ、集積回路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、MIS(Metal Insulator Semiconductor)構造における半導体層の材料として有機半導体材料を用いた有機電界効果トランジスタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、有機電界効果トランジスタを利用した回路の一例として、図16に示すように2個のスイッチング素子S1,S2の直列回路であって電源の両端間に接続して用いられるインバータが知られている。ここに、図16に示す回路構成のインバータは、例えば、ハイサイドのスイッチング素子S1をpチャネル有機電界効果トランジスタにより構成するとともに、ローサイドのスイッチング素子S2をnチャネル有機電界効果トランジスタにより構成し、両有機電界効果トランジスタを同一基板上に集積化した集積回路装置により実現できる。なお、図16に示す回路構成のインバータでは、電源の高電位側に接続される端子Vddと、電源の低電位側(グランド側)に接続される端子GNDと、制御入力用の端子Vinと、出力用の端子Voutとを備えている。
【0004】
この種の集積回路装置は、図17に示すように、1つの絶縁性基板1’の一表面側において、ハイサイドのスイッチング素子S1を構成するpチャネル有機電界効果トランジスタTp’とローサイドのスイッチング素子S2を構成するnチャネル有機電界効果トランジスタTn’とが並設されている。なお、絶縁性基板1’としては、表面をシリコン酸化膜などの絶縁膜により覆われたシリコン基板のような無機基板や、絶縁性を有する有機材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイトなど)製の有機基板などが用いられている。
【0005】
上記集積回路装置は、絶縁性基板1’の上記一表面上にpチャネル有機電界効果トランジスタTp’のゲート電極Gp’とnチャネル有機電界効果トランジスタTn’のゲート電極Gn’とが離間して形成され、絶縁性基板1’の上記一表面側の全面に両ゲート電極Gp’,Gn’を覆うように絶縁性を有する有機材料(例えば、ポリイミドなど)からなる絶縁膜2’が形成されており、絶縁膜2’のうちゲート電極Gp’に重なる部分がpチャネル有機電界効果トランジスタTp’のゲート絶縁膜2p’を構成し、ゲート電極Gn’に重なる部分がnチャネル有機電界効果トランジスタTn’のゲート絶縁膜2n’を構成している。なお、各ゲート電極Gp’,Gn’は、金属材料(例えば、Auなど)により形成されている。
【0006】
また、pチャネル有機電界効果トランジスタTp’は、絶縁膜2’上においてソース電極Sp’とドレイン電極Dp’とが離間して形成されるとともに、ソース電極Sp’とドレイン電極Dp’とゲート絶縁膜2p’とを覆うようにp形有機半導体材料からなるp形有機半導体層3p’が形成され、nチャネル有機電界効果トランジスタTn’は、絶縁膜2’上にソース電極Sn’とドレイン電極Dn’とが離間して形成されるとともに、ソース電極Sn’とドレイン電極Dn’とゲート絶縁膜2n’とを覆うようにn形有機半導体材料からなるn形有機半導体層3n’が形成されている。
【0007】
ここに、pチャネル有機電界効果トランジスタTp’は、p形有機半導体層3p’のうちソース電極Sp’とドレイン電極Dp’との間に介在する部分が絶縁性基板1’の厚み方向においてゲート絶縁膜2p’およびゲート電極Gp’に重なっている。同様に、nチャネル有機電界効果トランジスタTn’は、n形有機半導体層3n’のうちソース電極Sn’とドレイン電極Dn’との間に介在する部分が絶縁性基板1’の厚み方向においてゲート絶縁膜2n’およびゲート電極Gn’に重なっている。また、pチャネル有機電界効果トランジスタTp’とnチャネル有機電界効果トランジスタTn’とはゲート電極Gp’,Gn’の並設方向においてドレイン電極Dp’,Dn’同士が隣接し電気的に接続されている。なお、各ソース電極Sp’,Sn’および各ドレイン電極Dp’,Dn’は、構成材料が同じ金属材料であり、製造時に同時形成されている。
【0008】
また、上記集積回路装置は、絶縁膜2’上に4つのパッド4’が形成されており、pチャネル有機電界効果トランジスタTp’のソース電極Sp’に図17(a)の左上の金属配線5’を介して電気的に接続されたパッド4’が上記端子Vddを構成し、nチャネル有機電界効果トランジスタTn’のソース電極Sn’に図17(a)の右下の金属配線5’を介して電気的に接続されたパッド4’が上記端子GNDを構成し、両ゲート電極Gp’,Gn’に図17(a)の左下の金属配線5’を介して電気的に接続されたパッド4’が上記端子Vinを構成し、両ドレイン電極Dp’,Dn’に図17(a)の右上の金属配線5’を介して電気的に接続されたパッド4’が上記端子Voutを構成している。ここに、両ゲート電極Gp’、Gn’は、平面形状が短冊状に形成されており、絶縁膜2’において各ゲート電極Gp’,Gn’それぞれの長手方向の一端部に対応する部位に開孔したコンタクトホール21’,21’に図17(a)の左下の金属配線5’の一部を埋め込むことで金属配線5’と電気的に接続されている。
【0009】
以上説明した有機電界効果トランジスタTp’,Tn’は、ゲート電極Gp’,Gn’への印加電圧(ゲート電圧)を制御して有機半導体層3p’,3n’に形成されるチャネルの広がりを調整することにより、ソース電極Sp’,Sn’−ドレイン電極Dp’,Dn’間を流れる電流を制御することができる。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第6,344,660号明細書(Fig.6)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的に、有機電界効果トランジスタでは、ドレイン電流をId、移動度をμ、ゲート絶縁膜の単位面積当たりの容量をCox、チャネル幅をW、チャネル長をL、ゲート電圧をVg、しきい値電圧をVth、ドレイン電圧をVdとすれば、ドレイン電流Idの線形領域特性を下記の数1で表すことができ、飽和領域特性を下記の数2で表すことができる。
【0012】
【数1】
Figure 2004235269
【0013】
【数2】
Figure 2004235269
【0014】
数1および数2から、ドレイン電流Idを大きくするには、例えば移動度μを大きくすればよいことが分かるが、有機電界効果トランジスタは、チャネルが形成される有機半導体層の構成材料である有機半導体材料の移動度μが一般的なMOSFETで用いられる無機半導体材料(シリコン)に比べて低いので、ドレイン電流Idの大電流化が難しい。
【0015】
そこで、上記従来構成の集積装置における各有機電界効果トランジスタTp’,Tn’では、より大きなドレイン電流Idを得るために、チャネル幅Wを大きくしたり、チャネル長Lを小さくしたりしているのが現状である。
【0016】
しかしながら、チャネル幅Wを大きくすると、絶縁性基板1の上記一表面上での各有機電界効果トランジスタTp’,Tn’の占有面積が大きくなるので、チップサイズが大きくなってしまう(チップ面積が増大する)という不具合があり、チップサイズが一定であれば集積度が低くなってしまうという不具合があった。
【0017】
また、チャネル長Lを小さくする(短チャネル化を図る)には、ドレイン電極Dp,Dn−ソース電極Sp,Sn間の間隔を狭くする必要があるが、ドレイン電極Dp,Dn−ソース電極Sp,Sn間の間隔を狭くするには一般的な半導体製造プロセスにおけるリソグラフィ技術やエッチング技術で使用されている高価な半導体製造装置を利用する必要があり、設備投資を含めて製造コストの増大につながるという不具合があった。
【0018】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、リソグラフィ技術やエッチング技術を利用することなく短チャネル化を図れる有機電界効果トランジスタおよび集積回路装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、絶縁性基板の一表面上に形成されたドレイン電極と、絶縁性基板の厚み方向においてドレイン電極から離間したソース電極と、少なくとも一部がドレイン電極とソース電極との間に介在する有機半導体層と、絶縁性基板の前記一表面上においてドレイン電極から離間して形成されドレイン電極とソース電極との間のコンダクタンスを制御するゲート電極と、ゲート電極におけるドレイン電極側の側面に形成されたゲート絶縁膜とを備えることを特徴とする。この請求項1の発明の構成によれば、ドレイン電極に積層する有機半導体層の厚さがチャネル長に等しくなるので、有機半導体層の成膜時の膜厚を制御することによってチャネル長を制御することができ、リソグラフィ技術やエッチング技術を利用することなく短チャネル化を図れる。なお、請求項1の発明の構成では、ゲート電極に電圧を印加することによって有機半導体層にチャネルが形成されソース電極とドレイン電極との間を電流が流れるので、ゲート電極に印加する電圧を制御してソース電極とドレイン電極との間のコンダクタンスを変化させることによってソース電極とドレイン電極との間に流れる電流を制御することができる。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ゲート絶縁膜は、前記ゲート電極の表面および両側面を覆うように形成され、前記ドレイン電極は、前記ゲート電極の両側面それぞれと対向する2つの分割ドレイン電極を有し、前記有機半導体層は、前記ドレイン電極の表面と前記ゲート絶縁膜の表面および両側面を覆うように形成され、前記ソース電極は、前記有機半導体層を挟んで各分割ドレイン電極それぞれに対向する2つの分割ソース電極を有することを特徴とする。この請求項2の発明の構成によれば、前記ゲート電極の両側でチャネルが形成されるので、チャネル幅を広くすることができ、ドレイン電流を大きくすることができる。また、前記ソース電極が前記ゲート電極に重なる部位で2つの分割ソース電極に分割されているので、2つの分割ソース電極に分割されていない場合に比べて、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の容量を小さくすることができて、スイッチング速度の高速化を図ることができる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記ゲート絶縁膜は、前記ゲート電極の構成材料である金属材料の酸化物からなり、比誘電率が9よりも大きいことを特徴とする。この請求項3の発明の構成によれば、前記ゲート絶縁膜の材料として従来から用いられているポリイミドのような比誘電率が9よりも小さい材料を採用している場合に比べて、高い電界効果が得られ、チャネル幅を広くすることができるから、ドレイン電流を大きくすることができる。しかも、製造時にゲート電極を形成した後にゲート電極の一部を酸化することでゲート絶縁膜を形成するプロセスを採用することが可能となるので、従来に比べてより簡単な製造プロセスで製造可能となる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記ゲート電極の金属材料は、Al,Zr,Ta,Laの群から選択されることを特徴とする。この請求項4の発明の構成によれば、前記ゲート電極を蒸着法などの一般的な半導体製造プロセスで形成することができる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の有機電界効果トランジスタを回路の一部として前記絶縁性基板の前記一表面上に集積化した回路を有することを特徴とする。この請求項5の発明の構成によれば、短チャネル化を図った有機電界効果トランジスタを回路の一部として備えた集積回路装置を従来に比べてより簡単な製造プロセスで製造可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態では、上述の図16に示したインバータを集積化した集積回路装置について図1を参照しながら説明する。なお、本実施形態の集積回路装置においても、従来例と同様に、インバータのハイサイドのスイッチング素子S1をpチャネル有機電界効果トランジスタTpにより構成し、ローサイドのスイッチング素子S2をnチャネル有機電界効果トランジスタTnにより構成している。
【0025】
本実施形態の集積回路装置は、絶縁性基板1の一表面上にpチャネル有機電界効果トランジスタTpとnチャネル有機電界効果トランジスタTnとが形成されている。なお、絶縁性基板1としては、例えば、表面をシリコン酸化膜などの絶縁膜により覆われたシリコン基板のような無機基板や、絶縁性を有する有機材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイトなど)からなる有機基板を用いればよく、有機基板として絶縁性を有するフレキシブルなプラスチック基板を用いてもよい。
【0026】
各有機電界効果トランジスタTp,Tnは、絶縁性基板1の上記一表面上に形成されたドレイン電極Dp,Dnと、絶縁性基板1の厚み方向においてドレイン電極Dp,Dnから離間したソース電極Sp,Snとを備えている。ここに、各ドレイン電極Dp,Dnおよび各ソース電極Sp,Snは、耐酸化性を有する金属材料(例えば、Au,Ptなど)により形成されている。
【0027】
また、pチャネル有機電界効果トランジスタTpは、ドレイン電極Dpとソース電極Spとの間に一部が介在するp形有機半導体層3pが形成され、nチャネル有機電界効果トランジスタTnは、ドレイン電極Dnとソース電極Snとの間に一部が介在するn形有機半導体層3aが形成されている。したがって、絶縁性基板1の厚み方向におけるドレイン電極Dpとソース電極Spとの間の距離はp形有機半導体層3pの厚さに等しく、ドレイン電極Dnとソース電極Snとの間の距離はn形有機半導体層3nの厚さに等しくなっている。ここに、p形有機半導体層3pは、p形有機半導体材料(例えば、図3に示すような分子構造を有するペンタセンなど)により形成され、n形有機半導体層3nは、n形有機半導体材料(例えば、図4に示すような分子構造を有するフッ素化銅フタロシアニンなど)により形成されている。
【0028】
また、各有機電界効果トランジスタTp,Tnは、絶縁性基板1の上記一表面上においてドレイン電極Dp,Dnから離間して形成されドレイン電極Dp,Dnとソース電極Sp,Snとの間のコンダクタンスを制御するゲート電極Gp,Gnと、ゲート電極Gp,Gnにおいて絶縁性基板1との界面と後述の金属配線5との界面を除いた表面(図1(b)における上面および左右両側面など)を覆うように形成されたゲート絶縁膜2p,2nとを備えている。
【0029】
ゲート絶縁膜2p,2nは、ゲート電極2p,2nと同一の金属材料を構成元素として含み且つ絶縁性を有する酸化物である金属酸化物(例えば、Ta,Al,ZrO,Laなど)により形成されている。Ta,Al,ZrO,Laは、従来例におけるゲート絶縁膜2p’,2n’の構成材料であるポリイミドや、MOSFETにおけるゲート絶縁膜の構成材料であるSiOやSiに比べて比誘電率が比較的大きな高誘電率材料である。ここに、各材料の比誘電率は、ポリイミドが3.5程度、SiOが3.8程度、Siが7.4程度、Taが25程度、Alが9.3程度、ZrOが12.5程度、Laが27程度である。要するに、例示した金属酸化物は、比誘電率が9よりも大きい。言い換えれば、ゲート電極Gp,Gnの構成材料として例示した金属材料は、その酸化膜が高誘電率となる金属材料である。なお、上述の各金属酸化物にそれぞれ含まれている金属材料であるTa,Al,Zr,Laは酸化されやすく且つその酸化物が絶縁性を有する金属材料である。
【0030】
ところで、上記集積回路装置は、上述の図16の回路構成を有するものであって、絶縁性基板1の上記一表面上に耐酸化性を有する金属材料(例えば、Au,Ptなど)からなる4つのパッド4が設けられている。
【0031】
本実施形態では、絶縁性基板1の平面形状が矩形状であって、ソース電極Sp,Sn、ドレイン電極Dp,Dn、ゲート電極Gp,Gnそれぞれの長手方向を図1(a)における上下方向に揃えてあり、絶縁性基板1の上記一表面上の四隅にパッド4が1つずつ配設されており、pチャネル有機電界効果トランジスタTpのソース電極Spの長手方向の一端部(図1(a)における上端部)に金属配線5を介して電気的に接続されたパッド4が上記端子Vdd(図16参照)を構成し、nチャネル有機電界効果トランジスタTnのソース電極Snの長手方向の一端部(図1(a)における下端部)に金属配線5を介して電気的に接続されたパッド4が上記端子GND(図16参照)を構成し、両ゲート電極Gp,Gnの長手方向の各中央部に金属配線5を介して電気的に接続されたパッド4が上記端子Vin(図16参照)を構成し、ドレイン電極Dnの長手方向の一端部(図1(a)における上端部)に金属配線5を介して電気的に接続されたパッド4が上記端子Vout(図16参照)を構成している。ここに、両ゲート電極Gp,Gnは、長手方向の中央部と絶縁性基板1の上記一表面との間に金属配線5の一部が介在している。したがって、両ゲート電極Gp,Gnは、コンタクトホールを設けることなく金属配線5と電気的に接続されている。
【0032】
また、上述のp形有機半導体層3pは、絶縁性基板1の上記一表面側において、ドレイン電極Dp、ゲート絶縁膜2p、ゲート電極Gpに電気的に接続された金属配線5の一部などを覆うように形成され、上述のn形有機半導体層3nは、絶縁性基板1の上記一表面側において、ドレイン電極Dn、ゲート絶縁膜2n、ゲート電極Gnに電気的に接続された金属配線5の一部などを覆うように形成されている。ここに、p形有機半導体層3pとn形有機半導体層3nとは隣接している。なお、ゲート電極Gp,Gnおよびドレイン電極Dp,Dnは細長の矩形板状に形成されている。また、pチャネル有機電界効果トランジスタTpとnチャネル有機電界効果トランジスタTnとはゲート電極Gp,Gnの並び方向(ゲート電極Gp,Gnの幅方向)においてドレイン電極Dp,Dn同士が隣接し電気的に接続されている。
【0033】
以上説明した各有機電界効果トランジスタTp,Tnは、ゲート電極Gp,Gnへの印加電圧(ゲート電圧)を制御してソース電極Sp,Sn−ドレイン電極Dp,Dn間のコンダクタンスを制御することにより、ソース電極Sp,Sn−ドレイン電極Dp,Dn間を流れる電流を制御することができる。
【0034】
ここにおいて、pチャネル有機電界効果トランジスタTpは、絶縁性基板1の厚み方向におけるのゲート電極Gpの厚さがドレイン電極Dpの厚さとp形有機半導体層3pの厚さとの合計の厚さよりも大きな厚さに設定され、nチャネル有機電界効果トランジスタTnは、絶縁性基板1の厚み方向におけるゲート電極Gnの厚さがドレイン電極Dnの厚さとn形有機半導体層3nの厚さとの合計の厚さよりも大きな厚さに設定されている。
【0035】
したがって、pチャネル有機電界効果トランジスタTpのゲート電極Gpは、絶縁性基板1の厚み方向においてドレイン電極Dpとp形有機半導体層3pとソース電極Spとに跨るように形成されており、p形有機半導体層3pの厚さがゲート電極Gpへゲート電圧を印加したときに当該p形有機半導体層3pに形成されるチャネル6(図2(b)参照)のチャネル長に等しくなる。同様に、nチャネル有機電界効果トランジスタTnのゲート電極Gnは、絶縁性基板1の厚み方向においてドレイン電極Dnとn形有機半導体層3nとソース電極Snとに跨るように形成されており、n形有機半導体層3nの厚さがゲート電極Gnへゲート電圧を印加したときに当該n形有機半導体層3nに形成されるチャネルのチャネル長に等しくなる。なお、各ゲート電極Gp,Gnと各ドレイン電極Dp,Dnとの間にはそれぞれゲート絶縁膜2p,2nのうちゲート電極Gp,Gnのドレイン電極Dp,Dn側の側面に形成された部位が介在し、各ゲート電極Gp,Gnと各有機半導体層3p,3nとの間にはそれぞれゲート絶縁膜2p,2nが介在し、各ゲート電極Gp,Gnと各ソース電極Sp,Snとの間にはそれぞれゲート絶縁膜2p.2nと有機半導体層3p,3nとの積層膜が介在している。
【0036】
しかして、本実施形態の各有機電界効果トランジスタTp,Tnは、絶縁性基板1の上記一表面上に形成されたドレイン電極Dp,Dnと、絶縁性基板1の厚み方向においてドレイン電極Dp,Dnから離間したソース電極Sp,Snと、一部がドレイン電極Dp,Dnとソース電極Sp,Snとの間に介在する有機半導体層3p,3nと、絶縁性基板1の上記一表面上においてドレイン電極Dp,Dnから離間して形成されドレイン電極Dp,Dnとソース電極Sp,Snとの間のコンダクタンスを制御するゲート電極Gp,Gnと、ゲート電極Gp,Gnにおけるドレイン電極Dp,Dn側の側面に形成されたゲート絶縁膜2p,2nとを備えるので、ドレイン電極Dp,Dnに積層する有機半導体層3p,3nの厚さがチャネル長に等しくなるから、有機半導体層3p,3nの成膜時の膜厚を制御することによってチャネル長を制御することができ、リソグラフィ技術やエッチング技術を利用することなく短チャネル化を図れる。その結果、チップサイズを大きくすることなく、ドレイン電流Id(上述の数1、数2参照)を大きくすることが可能となる。なお、上述の各有機半導体層3p,3nは少なくとも一部がドレイン電極Dp,Dnとソース電極Sp,Snとの間に介在していればよい。
【0037】
また、本実施形態の集積回路装置は、上述の有機電界効果トランジスタTp,Tnを回路の一部として絶縁性基板1の上記一表面上に集積化した回路を有するので、短チャネル化を図った有機電界効果トランジスタTp,Tnを回路の一部として備えた集積回路装置を従来に比べてより簡単な製造プロセスで製造可能となる。
【0038】
また、ドレイン電極Dp,Dnおよび各金属配線5および各パッド4が耐酸化性を有する金属材料により形成され、ゲート電極Gp,Gnが酸化されやすく且つその酸化物が絶縁性を有する金属材料により形成されているので、製造時に、ドレイン電極Dp,Dnおよび各金属配線5および各パッド4およびゲート電極Gp,Gnを形成した後で、ゲート電極Gp,Gnの一部を酸化することによりゲート絶縁膜2p,2nを形成するようなプロセスを採用したとしても、ゲート絶縁膜2p,2nの形成時にドレイン電極Dp,Dnおよび各金属配線5および各パッド4が酸化されるのを防止することができる。また、ゲート電極Gp,Gnの金属材料として、Al,Zr,Ta,Laの群から選択される金属材料を採用すれば、ゲート電極Gp,Gnを蒸着法などの一般的な半導体製造プロセスで形成することができるという利点がある。
【0039】
ところで、図2(b)はゲート絶縁膜2p,2nとして上述の高誘電率材料を採用した場合においてpチャネル有機電界効果トランジスタTpでチャネル6が形成される領域を模式的に示したものであり、ゲート絶縁膜2p,2nとして比誘電率が9よりも大きな上述の高誘電率材料を採用した場合には、図2(a)に示すようにゲート絶縁膜2p,2nとして比誘電率が比較的小さな材料を採用した場合に形成されるチャネル6に比べて、チャネル6が横方向(ドレイン電極Dp,Dnの幅方向)に広がってチャネル6の幅が大きくなる(図2(b)におけるΔWだけ大きくなる)。
【0040】
したがって、ゲート絶縁膜2p.2nとして高誘電率材料を採用することにより、誘電率が比較的小さな材料を採用した場合に比べて、電流の経路であるチャネル6の幅が大きくなるので、大電流化を図ることができ、高い電流駆動能力が期待できる。
【0041】
以下、本実施形態の集積回路装置の製造方法について図5〜図14を参照しながら説明する。なお、製造方法において説明するシャドウマスクM1、M3〜M6は、金属薄板にエッチングで穴を貫設することで所望のパターンを形成したものである。
【0042】
まず、絶縁性基板1の上記一表面上に、後に形成されるゲート電極Gp,Gnに電気的に接続されるパッド4(Vi)および金属配線5を同時にパターン形成するためのシャドウマスクM1(図8参照)を通して耐酸化性を有する金属材料(例えば、Au,Ptなど)を蒸着することでパッド4(Vi)および金属配線5を形成する(図5(a)および図8参照)。なお、一例として金属材料にAuを採用した場合には、パッド4(Vin)および金属配線5の膜厚を50nm程度に設定している。
【0043】
次に、絶縁性基板1の上記一表面側の全面に、ゲート電極Gp,Gnの金属材料(例えば、Ta,Al,Zr,Laなど)からなる所定膜厚の金属膜11をスパッタ法によって成膜することにより、図5(b)および図9に示す構造を得る。ここに、所定膜厚は、図1(b)におけるゲート電極Gp,Gnの厚さよりも大きく設定されている。なお、一例としてゲート電極Gp,Gnの金属材料にTaを採用した場合には、金属膜11の膜厚を500nm程度に設定している。
【0044】
その後、金属膜11上にフォトレジストを塗布してから、フォトリソグラフィ技術によって金属膜11のうちゲート電極Gn,Gpの形成予定領域に対応する部分上にレジスト層M2を残し、金属膜11をパターニングすることによりそれぞれ金属膜11の一部からなるゲート電極Gp,Gnを形成する(図5(c)および図10参照)。なお、図5(c)では、レジスト層M2の図示を省略してある。また、レジスト層M2は、各ゲート電極Gn,Gpが金属配線5の一部に重なるようにパターン設計されている。
【0045】
次に、上述のレジスト層M2を残した状態で、絶縁性基板1の上記一表面上にドレイン電極Dp,Dnと、ドレイン電極Dnに接続されるパッド4(Vout)および金属配線5とを同時にパターン形成するためのシャドウマスクM3(図11参照)を通して耐酸化性を有する金属材料(例えば、Au,Ptなど)を蒸着することでドレイン電極Dp,Dnと、ドレイン電極Dnに接続されるパッド4(Vout)および金属配線5とを形成する(図6(a)および図11参照)。ここに、シャドウマスクM3は、絶縁性基板1の上記一表面においてゲート電極Gp,Gn間で露出していた領域がドレイン電極Dp,Dnで埋まるように、ドレイン電極Dp,Dn形成用のパターンの開口幅がゲート電極Gp,Gn間の距離よりも幅広に形成されており、レジスト層M2のうちシャドウマスクM3に重ならない部分の上には上記金属材料からなる不要な金属層12a,12bが形成される。なお、金属材料の一例としてAuを採用した場合には、ドレイン電極Dp,Dnおよび金属配線5およびパッド4(Vout)の膜厚を50nm程度に設定している。ゲート電極Gp,Gnの材料としてTaを採用し、ドレイン電極Dp,Dnの材料としてAuを採用している場合、ゲート電極Gp,Gnの厚さがドレイン電極Dp,Dnの厚さの10倍程度になっているので、ゲート電極Gp,Gnの側面には絶縁性基板1の上記一表面近傍にのみAuが蒸着される。
【0046】
その後、リフトオフ法などによってレジスト層4を除去するとともに金属層12a,12bを除去することにより、図6(b)および図12に示す構造を得る。
【0047】
続いて、ゲート電極Gn,Gpの表面(絶縁性基板1との界面および金属配線5との界面を除いた面)を酸化工程において酸化することで金属酸化物からなるゲート絶縁膜2p,2nを形成する(図6(c)および図13参照)。酸化工程としては、酸化種を含む雰囲気中(例えば、酸素雰囲気中)で熱酸化する熱酸化法、陽極酸化法などを採用することができる。ただし、熱酸化法によりゲート絶縁膜2p,2nを形成する場合においては絶縁性基板1を加熱する必要があり(例えば、Taを酸化してTaを形成する場合には500℃程度に加熱する必要があり)、絶縁性基板1として表面をシリコン酸化膜などの絶縁膜により覆われたシリコン基板を採用している場合には問題ないが、絶縁性基板1としてポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイトなどの有機材料からなる有機基板を採用している場合には絶縁性基板1が熱変形する恐れがあるので、金属酸化物からなるゲート絶縁膜2p,2nを室温で成膜できる陽極酸化法を採用することが望ましい。ここに、ゲート電極Gp,GnがTaにより形成されている場合に陽極酸化法を採用する際には、例えば、絶縁性基板1を濃度が1%程度のリン酸からなる電解液中に浸漬し、ゲート電極Gp,Gnを陽極とし、電解液中において陽極にPtからなる陰極を対向配置して、陽極と陰極との間に適当な電界をかけることによって、Ta膜からなるゲート電極Gp,Gnの露出表面にTa膜からなるゲート絶縁膜2p,2nを形成する。ここにおいて、ゲート電極Gp,Gnの露出表面では、下記の反応が起こっていると考えられる。
2Ta5++5O2−→Ta
なお、ゲート電極Gp,Gnの材料としてTaを採用していた場合には、酸化工程において金属酸化物としてTaが形成されるが、ドレイン電極Dp,Dnおよび金属配線5およびパッド4は耐酸化性を有する金属材料により構成されているので、この酸化工程において酸化されることはない。また、金属酸化物としてTaを採用した場合には、ゲート絶縁膜2p,2nの膜厚を50nmに設定してある。ここに、ゲート電極Gp,Gnの膜厚は、表面にゲート絶縁膜2p,2nが形成されたことにより上記所定膜厚よりもやや薄くなる。
【0048】
上述のゲート絶縁膜2p,2nを形成した後、p形有機半導体層3pをパターン形成するためのシャドウマスクM4(図14参照)を通してp形有機半導体材料(例えば、ペンタセンなど)を蒸着することでp形有機半導体層3pを形成し(図7(a)および図14(a)参照)、続いて、n形有機半導体層3nをパターン形成するためのシャドウマスクM5(図14(b)参照)を通してn形有機半導体材料(例えば、フッ素化銅フタロシアニンなど)を蒸着することでn形有機半導体層3nを形成する(図7(b)および図14(b)参照)。
【0049】
その後、ソース電極Sp,Snおよびソース電極Sp,Snに電気的に接続されるパッド4(Vdd),4(GND)および金属配線5,5を同時にパターン形成するためのシャドウマスクM6(図14(c)参照)を通して耐酸化性を有する金属材料(例えば、Au,Ptなど)を蒸着することでソース電極Sp,Snおよびパッド4(Vdd),4(GND)および金属配線5,5を形成する(図7(c)および図14(c)参照)。なお、一例として金属材料にAuを採用した場合には、ソース電極Sp,Snおよびパッド4(Vdd),4(GND)および金属配線5,5の膜厚を50nm程度に設定している。
【0050】
以上説明した製造方法によれば、p形有機半導体層3pおよびn形有機半導体層3nの成膜時の膜厚を制御することによってpチャネル有機電界効果トランジスタTpおよびnチャネル有機電界効果トランジスタTnそれぞれのチャネル長を制御することができ、リソグラフィ技術やエッチング技術を利用することなく各有機電界効果トランジスタTp,Tnの短チャネル化を図れる。また、酸化工程では、酸化種を含む雰囲気中でゲート電極Gp,Gnの露出表面を酸化することでゲート絶縁膜2p,2nを成膜するようによれば、ゲート絶縁膜2p,2nを容易に形成することができる。また、酸化工程において、陽極酸化法によりゲート電極Gp,Gnの露出表面を酸化することでゲート絶縁膜2p,2nを成膜するようにすれば、ゲート絶縁膜2p,2nを室温で成膜することができるので、絶縁性基板1として耐熱温度が比較的低いポリエチレンテレフタレートやポリカーボネイトなどの有機基板を採用することができる。
【0051】
(実施形態2)
本実施形態の集積回路装置の構成は実施形態1と略同じであって、図15に示すように、pチャネル有機電界効果トランジスタTpのドレイン電極Dpが、ゲート電極Gpの両側面それぞれと対向する2つの細長の分割ドレイン電極Dp1,Dp2を有するとともに、nチャネル有機電界効果トランジスタTnのドレイン電極Dnが、ゲート電極Gnの両側面それぞれと対向する2つの細長の分割ドレイン電極Dn1,Dn2を有し、さらに、pチャネル有機電界効果トランジスタTpのソース電極Spが、p形有機半導体層3pを挟んで各分割ドレイン電極Dp1,Dp2それぞれに対向する2つの細長の分割ソース電極Sp1,Sp2を有するとともに、nチャネル有機電界効果トランジスタTnのソース電極Snが、n形有機半導体層3nを挟んで各分割ドレイン電極Dn1,Dn2それぞれに対向する2つの細長の分割ソース電極Sn1,Sn2を有している点が相違する。ここに、pチャネル有機電界効果トランジスタTpのドレイン電極Dpは、分割ドレイン電極Dp1,Dp2の長手方向の一端部(図15(a)における上端部)同士が連続一体に連結され、pチャネル有機電界効果トランジスタTpのソース電極Spは、分割ソース電極Sp1,Sp2の長手方向の一端部(図15(a)における上端部)同士が連続一体に連結されている。同様に、nチャネル有機電界効果トランジスタTnのドレイン電極Dnは、分割ドレイン電極Dn1,Dn2の長手方向の一端部(図15(a)における上端部)同士が連続一体に連結され、nチャネル有機電界効果トランジスタTnのソース電極Snは、分割ソース電極Sn1,Sn2の長手方向の一端部(図15(a)における上端部)同士が連続一体に連結されている。他の構成は実施形態1と同じなので、実施形態1と同じ構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
しかして、本実施形態における各有機電界効果トランジスタTp,Tnは、ゲート電極Gp,Gnの両側でチャネルが形成されるので、実施形態1に比べてチャネル幅を広くすることができ(例えば、実施形態1に比べてチャネル幅を2倍にすることができ)、ドレイン電流Idを大きくすることができるという利点がある。また、pチャネル有機電界効果トランジスタTpのソース電極Spがゲート電極Gpに重なる部位で2つの分割ソース電極Sp1,Sp2に分割されているので、2つの分割ソース電極Sp1,Sp2に分割されていない場合に比べて、ソース電極Spとゲート電極Gpとの間の容量を小さくすることができて、スイッチング速度の高速化を図ることができるという利点がある。同様に、nチャネル有機電界効果トランジスタTnのソース電極Snがゲート電極Gnに重なる部位で2つの分割ソース電極Sn1,Sn2に分割されているので、2つの分割ソース電極Sn1,Sn2に分割されていない場合に比べて、ソース電極Snとゲート電極Gnとの間の容量を小さくすることができて、スイッチング速度の高速化を図ることができるという利点がある。
【0053】
なお、本実施形態の集積回路装置の製造方法は実施形態で説明した製造方法と基本的には同じであって、ドレイン電極Dp,Dnを形成する際に利用するシャドウマスクM3(図11参照)の開孔パターンおよびソース電極Sp,Snを形成する際に利用するシャドウマスクM6(図14(c)参照)の開孔パターンが相違するだけである。
【0054】
【発明の効果】
請求項1の発明は、絶縁性基板の一表面上に形成されたドレイン電極と、絶縁性基板の厚み方向においてドレイン電極から離間したソース電極と、少なくとも一部がドレイン電極とソース電極との間に介在する有機半導体層と、絶縁性基板の前記一表面上においてドレイン電極から離間して形成されドレイン電極とソース電極との間のコンダクタンスを制御するゲート電極と、ゲート電極におけるドレイン電極側の側面に形成されたゲート絶縁膜とを備えるので、ドレイン電極に積層する有機半導体層の厚さがチャネル長に等しくなるから、有機半導体層の成膜時の膜厚を制御することによってチャネル長を制御することができ、リソグラフィ技術やエッチング技術を利用することなく短チャネル化を図れるという効果がある。
【0055】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ゲート絶縁膜は、前記ゲート電極の表面および両側面を覆うように形成され、前記ドレイン電極は、前記ゲート電極の両側面それぞれと対向する2つの分割ドレイン電極を有し、前記有機半導体層は、前記ドレイン電極の表面と前記ゲート絶縁膜の表面および両側面を覆うように形成され、前記ソース電極は、前記有機半導体層を挟んで各分割ドレイン電極それぞれに対向する2つの分割ソース電極を有するので、前記ゲート電極の両側でチャネルが形成されるので、チャネル幅を広くすることができ、ドレイン電流を大きくすることができるという効果がある。また、前記ソース電極が前記ゲート電極に重なる部位で2つの分割ソース電極に分割されているので、2つの分割ソース電極に分割されていない場合に比べて、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の容量を小さくすることができて、スイッチング速度の高速化を図ることができるという効果がある。
【0056】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記ゲート絶縁膜は、前記ゲート電極の構成材料である金属材料の酸化物からなり、比誘電率が9よりも大きいので、前記ゲート絶縁膜の材料として従来から用いられているポリイミドのような比誘電率が9よりも小さい材料を採用している場合に比べて、高い電界効果が得られ、チャネル幅を広くすることができるから、ドレイン電流を大きくすることができるという効果がある。しかも、製造時にゲート電極を形成した後にゲート電極の一部を酸化することでゲート絶縁膜を形成するプロセスを採用することが可能となるので、従来に比べてより簡単な製造プロセスで製造可能となる。
【0057】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記ゲート電極の金属材料は、Al,Zr,Ta,Laの群から選択されることを特徴とする。この請求項4の発明の構成によれば、前記ゲート電極を蒸着法などの一般的な半導体製造プロセスで形成することができるという効果がある。
【0058】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の有機電界効果トランジスタを回路の一部として前記絶縁性基板の前記一表面上に集積化した回路を有するので、短チャネル化を図った有機電界効果トランジスタを回路の一部として備えた集積回路装置を従来に比べてより簡単な製造プロセスで製造可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における集積回路装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上において採用するp形有機半導体材料の一例の分子構造図である。
【図4】同上において採用するn形有機半導体材料の一例の分子構造図である。
【図5】同上の製造方法を説明するための主要工程平面図である。
【図6】同上の製造方法を説明するための主要工程平面図である。
【図7】同上の製造方法を説明するための主要工程平面図である。
【図8】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図9】同上の製造方法を説明する図であって、図5(b)のA−A’断面図である。
【図10】同上の製造方法を説明する図であって、図5(c)のA−A’断面図である。
【図11】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図12】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図13】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図14】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図15】実施形態2における集積回路装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のA−A’断面図である。
【図16】従来例におけるインバータの回路図である。
【図17】従来例における集積回路装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’断面図、(c)は(a)のB−B’断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板
2p ゲート絶縁膜
2n ゲート絶縁膜
3p p形有機半導体層
3n n形有機半導体層
4 パッド
5 金属配線
Dp ドレイン電極
Dn ドレイン電極
Gp ゲート電極
Gn ゲート電極
Sp ソース電極
Sn ソース電極
Tp pチャネル有機電界効果トランジスタ
Tn nチャネル有機電界効果トランジスタ

Claims (5)

  1. 絶縁性基板の一表面上に形成されたドレイン電極と、絶縁性基板の厚み方向においてドレイン電極から離間したソース電極と、少なくとも一部がドレイン電極とソース電極との間に介在する有機半導体層と、絶縁性基板の前記一表面上においてドレイン電極から離間して形成されドレイン電極とソース電極との間のコンダクタンスを制御するゲート電極と、ゲート電極におけるドレイン電極側の側面に形成されたゲート絶縁膜とを備えることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  2. 前記ゲート絶縁膜は、前記ゲート電極の表面および両側面を覆うように形成され、前記ドレイン電極は、前記ゲート電極の両側面それぞれと対向する2つの分割ドレイン電極を有し、前記有機半導体層は、前記ドレイン電極の表面と前記ゲート絶縁膜の表面および両側面を覆うように形成され、前記ソース電極は、前記有機半導体層を挟んで各分割ドレイン電極それぞれに対向する2つの分割ソース電極を有することを特徴とする請求項1記載の有機電界効果トランジスタ。
  3. 前記ゲート絶縁膜は、前記ゲート電極の構成材料である金属材料の酸化物からなり、比誘電率が9よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2記載の有機電界効果トランジスタ。
  4. 前記ゲート電極の金属材料は、Al,Zr,Ta,Laの群から選択されることを特徴とする請求項3記載の有機電界効果トランジスタ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の有機電界効果トランジスタを回路の一部として前記絶縁性基板の前記一表面上に集積化した回路を有することを特徴とする集積回路装置。
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