JP2004232778A - 補機駆動用プーリー - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数、重量、占有容積及びコストの低減を図ることにある。
【解決手段】回転軸に同軸状に固定される筒状のハブ1と、このハブ1の外周に回動可能に設けられたプーリー本体2と、このプーリー本体2とハブ1との間の回転力の伝達を行う回転力伝達手段3とを備えてなり、回転力伝達手段3は、プーリー本体2の内周面に突設した3つの内リブ25、ハブ1の円筒状本体16の外周部に突設した3つの外リブ17との間に設けた弾性部材4から構成して、回転力の伝達を振動を吸収して伝える構成にしている。
【選択図】 図4
【解決手段】回転軸に同軸状に固定される筒状のハブ1と、このハブ1の外周に回動可能に設けられたプーリー本体2と、このプーリー本体2とハブ1との間の回転力の伝達を行う回転力伝達手段3とを備えてなり、回転力伝達手段3は、プーリー本体2の内周面に突設した3つの内リブ25、ハブ1の円筒状本体16の外周部に突設した3つの外リブ17との間に設けた弾性部材4から構成して、回転力の伝達を振動を吸収して伝える構成にしている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は補機駆動用プーリーに関し、特に、エンジンのクランクシャフトの回転に生じる角速度変動に起因するベルトの張力変動を吸収して補機に伝える補機駆動用プーリーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両には、走行用のエンジンに加えて、車両の走行状態を良好に保つための補機が搭載されている。この補機としては、例えば、エアーコンディショナ、パワーステアリング、オルタネータ、ウォータポンプ等があり、これらの補機は一般にエンジンに駆動されて稼働するようになっている。そして、これらの補機には駆動力を入力するための入力軸があり、この入力軸にはエンジンの回転力をベルトを介して入力するための補機駆動用プーリーが設けられている。即ち、補機駆動用プーリーは、エンジンのクランクシャフトに取り付けられた駆動用プーリーからベルトを介して回転力の供給を受けて回転し、補機を回転駆動するようになっている。
【0003】
ところで、クランクシャフトは、所定の方向に回転すると共に、その回転に重畳するようにして、軸回りに振動するような回転変動が生じている。このため、クランクシャフト側の回転変動に対して、補機内に設けられた回転部材は慣性により一定の回転数で回転しようとするので、ベルトには張力の変動が生じることになる。この張力変動は、ベルトの寿命を早める一つの原因になるので、取り除くことが好ましい。
【0004】
そこで、現在では、回転変動吸収機能を有する補機駆動用プーリーを補機に設けることによって、ベルトの張力変動を吸収することができるようになっており、ベルトの寿命が早まることがない。
【0005】
この補機駆動用プーリーとしては、例えばワンウエイクラッチを所定のプーリーに組み込むことによって、上述した回転変動を吸収するように構成したものが知られている。
【0006】
ところが、上記ワンウエイクラッチを組み込んだ補機駆動用プーリーにおいては、そのワンウエイクラッチの構造が複雑になるため、部品点数、重量、占有容積、コスト等の増加を招くという問題があった。
【0007】
そこで、本出願人は、特許願2001年325530号において、部品点数、重量、占有容積及びコストの低減を図ることのできる回転変動吸収機能を有する補機駆動用プーリーを提案した。本出願人が先に提案した補機駆動用プーリー9の構成を図1から図3に示す。
【0008】
図1に示すように、本出願人が先に提案した補機駆動用プーリー9は、筒状のハブ1、プーリー本体2、軸受部材である第1と第2のメタルベアリング41、42、及び第3のメタルベアリング43、ストッパプレート44、6個の弾性部材4、及び、3本の軸ピン45とから構成される。
【0009】
ハブ1は、円筒状本体16と、この円筒状本体16の外周部に突設されたフランジ部15とを有しており、このフランジ部15には、3つの貫通孔15aが同心円上に所定間隔、例えば、中心角120度の間隔で設けられている。
【0010】
プーリー本体2は、ベルトが掛け渡されるリム部20と、フランジ部15の外周面15bを収容する第1の内周面21と、第1の内周面21の中央部に環状に設けられて第2の内周面22を有するウエブ部24と、第2の内周面22に3箇所等しい間隔で突設された内リブ25とを備えて構成される。内リブ25の自由端部は第3の内周面23に形成されており、この第3の内周面23の内径は、ハブ1の円筒状本体16の外周面の直径よりも大きく形成されている。
【0011】
第1と第2のメタルベアリング41、42は、それぞれ第1の内周面21の内径よりも小さな直径を備えた外周面を有する円筒部41b、42bと、円筒部41b,42bの一方の縁部に連続し、中央部に挿通孔41c,42cを備えた中空円板部64d、65dとから構成されている。そして、中空円板部41d、42dに設けられた挿通孔41c,42cの周りには、ハブ1のフランジ部15に設けられた3つの貫通孔15aに重なる位置に、貫通孔41a,42aが同心円上に設けられている。よって、3つの貫通孔41a,42aも中心角120度の間隔で設けられている。第1と第2のメタルベアリング41、42は、プーリー本体2の第1の内周面21の中に、その中空円板部41d、42dがウエブ部24を挟むように挿入される。
【0012】
第3のメタルベアリング43は円筒状のリングであり、その直径がプーリー本体2の第3の内周面23の内径よりも小さく、内径がハブ1の円筒状本体16の外周面の直径よりも大きく形成されている。第3のメタルベアリング43の幅はプーリー本体のウエブ部24の幅と同じである。
【0013】
ストッパプレート44は、所定の板厚を有するリング状の円板であり、中央部にハブ1の円筒状本体16が挿通される挿通孔44cを有し、リング状の部分に3つの貫通孔44aを有する。3つの貫通孔44aは同心円上に設けられており、この同心円の直径は、第1と第2のメタルベアリング41、42に設けられた3つの貫通孔41a,42aが配置される同心円の直径と同じである。しかしながら、ストッパプレート44の3つの貫通孔44aの直径は、第1と第2のメタルベアリング41、42に設けられた3つの貫通孔41a,42aの直径よりも小さい。
【0014】
また、弾性部材4は、発泡ウレタンや発泡ラバー等の発泡弾性体、剛性ゴム、シリコンゴム等の材料で形成することができる。この弾性部材4はプーリー本体2のウエブ部22の肉厚と同程度の厚さを有する扇形の6個の部材から構成されている。弾性部材4の各個の曲率の大きな外周面はプーリー本体2の第2の内周面22に沿う形状をしており、曲率の小さな外周面はプーリー本体2の第3の内周面23に沿う形状をしている。6個の弾性部材は、2個ずつプーリー本体2の内リブ25に挟まれた第2の内周面の上に配置される。
【0015】
また、軸ピン45は、頭部45a、軸部45b、及び、細径先端部45cとから構成される。軸部45bの直径はハブ1の貫通孔15a、第1と第2のメタルベアリング41、42の貫通孔41a、42aに隙間なく挿通できる大きさであり、細径先端部45cの直径は、ストッパプレート44の貫通孔44aに隙間なく挿通できる大きさである。
【0016】
以上のような部材から構成される補機駆動用プーリー9は、例えば、プーリー本体2の第3の内周面23に第3のメタルベアリング43を嵌め込み、次に、プーリー本体2の第1の内周面21の一方に、第1のメタルベアリング41の円筒部41bを、その中空円板部41dがウエブ部24に突き当たるまで挿入して、その貫通孔41aが内リブ25と内リブ25の間に位置するようにする。この状態でハブ1の円筒状本体16を、第1のメタルベアリング41の挿通孔41cと第3のメタルベアリング43に挿通し、フランジ部15を第1のメタルベアリング41の中空円板部41dに付き当てると共に、貫通孔15aを第1のメタルベアリング41の貫通孔41aに重ね合わせる。
【0017】
この後、ハブ1の3つの貫通孔15aとこれに重なる第1のメタルベアリング41の貫通孔41aにそれぞれ軸ピン45を挿通する。軸ピン45の軸部45bは、プーリー本体2の第2の内周面22と、隣接する内リブ25と、第3のメタルベアリング43の外周面で形成される空間を二分する位置するので、この軸部45bと内リブ25で囲まれる空間に、それぞれ弾性体4を嵌め込む。
【0018】
この状態で、プーリー本体2のウエブ部24から突出する軸ピン45の軸部45bに第2のメタルベアリング42の貫通孔42bを挿入し、第3のメタルベアリング43から突出するハブ1の円筒状本体16に挿通孔42cを挿通して、第2のメタルベアリング42をプーリー本体2の第1の内周面21の内側に収容し、その中空円板部42dをウエブ部24に付き当てる。
【0019】
最後に、第2のメタルベアリンブ42の中空円板部42dから突出する軸ピン45の細径先端部45cに、貫通孔44aを挿通しながらストッパプレート44を第2のメタルベアリング42の円筒部42b内に嵌め込み、ストッパプレート44の貫通孔44aから突出する細径先端部45cをかしめることにより、補機駆動用プーリー9を組み立てる。
【0020】
図2は図1の補機駆動用プーリ用9を組み立てた後の断面を示すものであり、図3は図2のI−I線における断面を示すものである。
【0021】
このように、プーリー本体2は、内リブ25の先端部の第3の内周面23が軸受部材である第3のメタルベアリング43を介してハブ1の外周面に回動可能に支持されている。また、第1のメタルベアリング41は軸ピン45によってハブ1のフランジ部15に固定され、第2のメタルベアリング42も軸ピンによってフランジ部15に固定される。この結果、プーリー本体2の第1の内周面21が第1と第2のメタルベアリング41、42の周りを摺動可能に支持される。
【0022】
そして、プーリー本体2に入力された回転変動を含む駆動力は弾性体4で吸収され、ハブ1には回転変動が低減された駆動力が伝達される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この特許願2001年325530号に提案の補機駆動用プーリーにしても、更なる部品点数、重量、及びコストの低減の要求があった。即ち、図1に示すように、この特許願2001年325530号に提案の補機駆動用プーリー9は、ハブ1、プーリー本体2、第1から第3のメタルベアリング41〜43、ストッパプレート44、3本の軸ピン45、及び6個の弾性部材4の、15個の部材で構成されているので、この部材数を低減する要求があるのである。
【0024】
そこで、この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、部品点数、重量、及びコストの更なる低減を図ることのできる回転変動吸収機能を有する補機駆動用プーリーを提供することを課題としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の補機駆動用プーリーは、以下の第1から第8の形態をとることができる。
【0026】
第1の形態の補機駆動用プーリーは、回転軸に同軸状に固定されるハブ(1)と、このハブ(1)の外周に回動可能に設けられたプーリー本体(2)と、このプーリー本体(2)とハブ(1)との間の回転力の伝達を行う回転力伝達手段(3)とを備えた補機駆動用プーリーであって、前記ハブ(1)は、円筒状本体(16)と、この円筒状本体(16)の外周部に突設されたフランジ部(15)と、このフランジ部(15)に隣接して前記円筒状本体(16)の外周部から所定間隔で放射状に複数個突設された外リブ(17)とを備えて形成され、前記プーリー本体(2)は、ベルトが掛け渡されるリム部(20)と、このリム部(20)の内側に形成されて前記フランジ部(15)を収容する第1の内周面(21)と、この第1の内周面(21)から突出して設けられたウエブ部(24)と、このウエブ部(24)の内側に形成されて前記外リブ(17)を収容する第2の内周面(22)と、前記第2の内周面(22)に前記外リブ(17)と同じ間隔で同数突設されると共に第3の内周面(23)を先端部に有する内リブ(25)とを備えて構成され、前記回転力伝達手段(3)は、前記ハブ(1)が前記プーリー本体(2)に挿入された状態で、前記内リブ(25)と前記外リブ(17)とで挟まれる空間に挿入される弾性部材(4)から構成されることを特徴としている。
【0027】
第2の形態の補機駆動用プーリーは、第1の形態において、前記ハブ(1)が前記プーリー本体(2)に挿入された状態で、前記プーリー本体(2)のウエブ部(24)から突出する前記ハブ(1)の円筒状本体(16)の周囲に、ストッパプレート(33)を設けたことを特徴としている。
【0028】
第3の形態の補機駆動用プーリーは、第2の形態において、前記ストッパプレート(33)の外周面(33b)と、前記プーリー本体(2)の第1の内周面(21)との間に第2の軸受部材(32)を挿入したことを特徴としている。
【0029】
第4の形態の補機駆動用プーリーは、第3の形態において、前記第2の軸受部材(32)の前記プーリー本体(2)側の端部に、前記ハブ(1)の円筒状本体(16)の挿通孔(32c)と前記外リブ(17)の挿通溝(32a)とを備えた中空円板部(32d)を設けたことを特徴としている。
【0030】
第5の形態の補機駆動用プーリーは、第1から第4の形態の何れかにおいて、前記プーリー本体(2)の第1の内周面(24)と前記ハブ(1)のフランジ部(15)の外周面との間に第1の軸受部材(31)を挿入したことを特徴としている。
【0031】
第6の形態の補機駆動用プーリーは、第5の形態において、前記第1の軸受部材(31)の前記プーリー本体(2)側の端部に、前記ハブ(1)の円筒状本体(16)の挿通孔(31c)と前記外リブ(17)の挿通溝(31a)とを備えた中空円板部(31d)を設けたことを特徴としている。
【0032】
第7の形態の補機駆動用プーリーは、第2から第6の形態の何れかにおいて、前記ハブ(1)の、前記フランジ部(15)と前記ストッパプレート(33)との間の円筒状本体(18)の外周部の直径を、その他の部位の円筒状本体(16)の直径よりも僅かに大きく形成したことを特徴としている。
【0033】
第8の形態の補機駆動用プーリーは、第1から第7の形態の何れかにおいて、前記内リブ(26)と前記外リブ(17)の数をそれぞれ3個としたことを特徴としている。
【0034】
本発明の第1から第8の形態の補機駆動用プーリーにおいては、ベルトを介してプーリー本体に伝達された回転振動を含む回転力が、弾性部材を介してハブ及び回転軸に伝達されることになるので、その回転変動を弾性部材の弾性変形によって吸収して補機側の入力軸に伝えることができる。従って、プーリー本体に巻回するベルトにかかる張力の変動を低減することができるので、ベルトの寿命の向上を図ることができる。
【0035】
また、弾性部材を用いて回転変動を吸収する構造になっているので、補機駆動用プーリーの構造を大幅に簡単化することができる。従って、部品点数、重量、及びコストの低減を図ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を実施例に基づき、図4〜図6を参照して説明する。なお、図1から図3で説明した本出願人が先に提案した補機駆動用プーリー9と同じ構成部材には同じ符号を付して説明する。
【0037】
図4に示すように、この発明の一実施例の補機駆動用プーリー10は、筒状のハブ1、プーリー本体2、軸受部材である第1と第2のメタルベアリング31、32、ストッパプレート33、及び6個の弾性部材4とから構成される。
【0038】
ハブ1は、円筒状本体16と、この円筒状本体16の外周部に突設されたフランジ部15とを有している。円筒状本体16のフランジ部15に隣接する部位には、放射状に3つの外リブ17が所定間隔、例えば、中心角120度の間隔で設けられている。また、隣接する外リブ17の間の円筒状本体16の外周面は、他の部位の外周面に比べて僅かに膨出された膨出部18となっている。
【0039】
プーリー本体2には先に提案した補機駆動用プーリー9のプーリー本体2と同じものを使用することができ、ベルトが掛け渡されるリム部20と、フランジ部15の外周面15bを収容する第1の内周面21と、第1の内周面21の中央部に環状に設けられて第2の内周面22を有するウエブ部24と、第2の内周面22に3箇所等しい間隔で突設された内リブ25とを備えて構成することができる。内リブ25の自由端部は第3の内周面23に形成されており、この第3の内周面23の内径は、ハブ1の円筒状本体16の外周面の直径よりも大きく形成されている。
【0040】
第1と第2のメタルベアリング31、32は、それぞれ第1の内周面21の内径よりも小さな直径を備えた外周面を有する円筒部31b、32bと、円筒部31b,32bの一方の縁部に連続し、中央部に挿通孔31c,32cを備えた中空円板部31d、32dとから構成されている。そして、中空円板部31d、32dに設けられた挿通孔31c,32cの周りには、ハブ1の円筒状本体16に突設された外リブ17に重なる位置に、挿通溝31a、32aが設けられている。よって、3つの挿通溝31a,32aも中心角120度の間隔で設けられている。第1と第2のメタルベアリング31、32は、プーリー本体2の第1の内周面21の中に、その中空円板部31d、32dがウエブ部24を挟むように挿入される。
【0041】
ストッパプレート33は、所定の板厚を有するリング状の円板であり、中央部にハブ1の円筒状本体16が挿通される挿通孔33cを有する。
【0042】
また、弾性部材4は、発泡ウレタンや発泡ラバー等の発泡弾性体、剛性ゴム、シリコンゴム等の材料で形成することができる。この弾性部材4はプーリー本体2のウエブ部22の肉厚と同程度の厚さを有する扇形の6個の部材から構成されている。弾性部材4の各個の曲率の大きな外周面はプーリー本体2の第2の内周面22に沿う形状をしており、曲率の小さな外周面はプーリー本体2の第3の内周面23に沿う形状をしている。6個の弾性部材は、2個ずつプーリー本体2の内リブ25に挟まれた第2の内周面の上に配置される。
【0043】
以上のような部材から構成される補機駆動用プーリー10は、例えば、プーリー本体2の第1の内周面21の一方に、第1のメタルベアリング31の円筒部31bを、その中空円板部31dがウエブ部24に突き当たるまで挿入して、その挿通溝31aが内リブ25と内リブ25の中間に位置するようにする。この状態でハブ1の円筒状本体16を、第1のメタルベアリング31の挿通孔31cに挿通すると共に、外リブ17を第1のメタルベアリング31の挿通溝31aに挿通した状態で中空円板部41dに付き当てる。
【0044】
この状態では、ハブ1の3つの外リブ17は、プーリー本体2の第2の内周面22と、隣接する内リブ25と、ハブ1の膨出部18の外周面で形成される空間を二分する位置するので、この外リブ17と内リブ25で囲まれる空間に、それぞれ弾性体4を嵌め込む。
【0045】
この後、プーリー本体2のウエブ部24から突出するハブ1の円筒状本体16と外リブ17に、第2のメタルベアリング32の挿通孔32cと挿通溝32aとをそれぞれ挿入し、第2のメタルベアリング32をプーリー本体2の第1の内周面21の内側に収容し、その中空円板部32dをウエブ部24に付き当てる。
【0046】
最後に、第2のメタルベアリンブ32の中空円板部32dから突出するハブ1の円筒状本体16に、挿通孔33cを挿通しながらストッパプレート33を第2のメタルベアリング32の円筒部32b内に圧入により嵌め込んで、補機駆動用プーリー10を組み立てる。
【0047】
図5は図3の補機駆動用プーリ用10を組み立てた後の断面を示すものであり、図6は図5のX−X線における断面を示すものである。
【0048】
このように、プーリー本体2は、第1のメタルベアリング31は外リブ17によってハブ1のフランジ部15に固定され、第2のメタルベアリング32も外リブ17によってフランジ部15に固定される。この結果、プーリー2の第1の内周面21が第1と第2のメタルベアリング31、32の周りに摺動可能に支持される。
【0049】
図4に示すように、この発明の補機駆動用プーリー10では、ハブ1、プーリー本体2、第1と第2のメタルベアリング41、42、ストッパプレート44、及び6個の弾性部材4の、11個の部材で構成されているので、先に提案した補機駆動用プーリー9の部材数15個に比べて部材数を低減することが可能である。また、軸ピン45のような別部材を位置合わせした孔に挿通する作業もなくなるので、製作工数を大きく低減することができる。
【0050】
なお、この実施例では、外リブ17と内リブ25の数がそれぞれ3つであるが、これらの数は3に限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の補機駆動用プーリーによれば、構造が極めて簡単になるので、補機駆動用プーリーの部品点数、重量、及びコストの低減を図ることができるという効果がある。また、組立工数も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願人が先に提案した補機駆動用プーリーの分解斜視面図である。
【図2】本出願人が先に提案した補機駆動用プーリーの断面図である。
【図3】同補機駆動用プーリーを示す図であって、図2のI−I線に沿う断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す補機駆動用プーリーの分解斜視面図である。
【図5】本発明の一実施例の補機駆動用プーリーの断面図である。
【図6】同補機駆動用プーリーを示す図であって、図5のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 ハブ
2 プーリー本体
3 回転力伝達手段
4 弾性部材
9 先に提案した補機駆動用プーリー
11 本発明の一実施例に係る補機駆動用プーリー
15 フランジ部
16 円筒状本体
17 外リブ
18 膨出部
20 リム部
25 内リブ
31 第1のメタルベアリング
32 第2のメタルベアリング
33 ストッパプレート
【発明の属する技術分野】
この発明は補機駆動用プーリーに関し、特に、エンジンのクランクシャフトの回転に生じる角速度変動に起因するベルトの張力変動を吸収して補機に伝える補機駆動用プーリーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等の車両には、走行用のエンジンに加えて、車両の走行状態を良好に保つための補機が搭載されている。この補機としては、例えば、エアーコンディショナ、パワーステアリング、オルタネータ、ウォータポンプ等があり、これらの補機は一般にエンジンに駆動されて稼働するようになっている。そして、これらの補機には駆動力を入力するための入力軸があり、この入力軸にはエンジンの回転力をベルトを介して入力するための補機駆動用プーリーが設けられている。即ち、補機駆動用プーリーは、エンジンのクランクシャフトに取り付けられた駆動用プーリーからベルトを介して回転力の供給を受けて回転し、補機を回転駆動するようになっている。
【0003】
ところで、クランクシャフトは、所定の方向に回転すると共に、その回転に重畳するようにして、軸回りに振動するような回転変動が生じている。このため、クランクシャフト側の回転変動に対して、補機内に設けられた回転部材は慣性により一定の回転数で回転しようとするので、ベルトには張力の変動が生じることになる。この張力変動は、ベルトの寿命を早める一つの原因になるので、取り除くことが好ましい。
【0004】
そこで、現在では、回転変動吸収機能を有する補機駆動用プーリーを補機に設けることによって、ベルトの張力変動を吸収することができるようになっており、ベルトの寿命が早まることがない。
【0005】
この補機駆動用プーリーとしては、例えばワンウエイクラッチを所定のプーリーに組み込むことによって、上述した回転変動を吸収するように構成したものが知られている。
【0006】
ところが、上記ワンウエイクラッチを組み込んだ補機駆動用プーリーにおいては、そのワンウエイクラッチの構造が複雑になるため、部品点数、重量、占有容積、コスト等の増加を招くという問題があった。
【0007】
そこで、本出願人は、特許願2001年325530号において、部品点数、重量、占有容積及びコストの低減を図ることのできる回転変動吸収機能を有する補機駆動用プーリーを提案した。本出願人が先に提案した補機駆動用プーリー9の構成を図1から図3に示す。
【0008】
図1に示すように、本出願人が先に提案した補機駆動用プーリー9は、筒状のハブ1、プーリー本体2、軸受部材である第1と第2のメタルベアリング41、42、及び第3のメタルベアリング43、ストッパプレート44、6個の弾性部材4、及び、3本の軸ピン45とから構成される。
【0009】
ハブ1は、円筒状本体16と、この円筒状本体16の外周部に突設されたフランジ部15とを有しており、このフランジ部15には、3つの貫通孔15aが同心円上に所定間隔、例えば、中心角120度の間隔で設けられている。
【0010】
プーリー本体2は、ベルトが掛け渡されるリム部20と、フランジ部15の外周面15bを収容する第1の内周面21と、第1の内周面21の中央部に環状に設けられて第2の内周面22を有するウエブ部24と、第2の内周面22に3箇所等しい間隔で突設された内リブ25とを備えて構成される。内リブ25の自由端部は第3の内周面23に形成されており、この第3の内周面23の内径は、ハブ1の円筒状本体16の外周面の直径よりも大きく形成されている。
【0011】
第1と第2のメタルベアリング41、42は、それぞれ第1の内周面21の内径よりも小さな直径を備えた外周面を有する円筒部41b、42bと、円筒部41b,42bの一方の縁部に連続し、中央部に挿通孔41c,42cを備えた中空円板部64d、65dとから構成されている。そして、中空円板部41d、42dに設けられた挿通孔41c,42cの周りには、ハブ1のフランジ部15に設けられた3つの貫通孔15aに重なる位置に、貫通孔41a,42aが同心円上に設けられている。よって、3つの貫通孔41a,42aも中心角120度の間隔で設けられている。第1と第2のメタルベアリング41、42は、プーリー本体2の第1の内周面21の中に、その中空円板部41d、42dがウエブ部24を挟むように挿入される。
【0012】
第3のメタルベアリング43は円筒状のリングであり、その直径がプーリー本体2の第3の内周面23の内径よりも小さく、内径がハブ1の円筒状本体16の外周面の直径よりも大きく形成されている。第3のメタルベアリング43の幅はプーリー本体のウエブ部24の幅と同じである。
【0013】
ストッパプレート44は、所定の板厚を有するリング状の円板であり、中央部にハブ1の円筒状本体16が挿通される挿通孔44cを有し、リング状の部分に3つの貫通孔44aを有する。3つの貫通孔44aは同心円上に設けられており、この同心円の直径は、第1と第2のメタルベアリング41、42に設けられた3つの貫通孔41a,42aが配置される同心円の直径と同じである。しかしながら、ストッパプレート44の3つの貫通孔44aの直径は、第1と第2のメタルベアリング41、42に設けられた3つの貫通孔41a,42aの直径よりも小さい。
【0014】
また、弾性部材4は、発泡ウレタンや発泡ラバー等の発泡弾性体、剛性ゴム、シリコンゴム等の材料で形成することができる。この弾性部材4はプーリー本体2のウエブ部22の肉厚と同程度の厚さを有する扇形の6個の部材から構成されている。弾性部材4の各個の曲率の大きな外周面はプーリー本体2の第2の内周面22に沿う形状をしており、曲率の小さな外周面はプーリー本体2の第3の内周面23に沿う形状をしている。6個の弾性部材は、2個ずつプーリー本体2の内リブ25に挟まれた第2の内周面の上に配置される。
【0015】
また、軸ピン45は、頭部45a、軸部45b、及び、細径先端部45cとから構成される。軸部45bの直径はハブ1の貫通孔15a、第1と第2のメタルベアリング41、42の貫通孔41a、42aに隙間なく挿通できる大きさであり、細径先端部45cの直径は、ストッパプレート44の貫通孔44aに隙間なく挿通できる大きさである。
【0016】
以上のような部材から構成される補機駆動用プーリー9は、例えば、プーリー本体2の第3の内周面23に第3のメタルベアリング43を嵌め込み、次に、プーリー本体2の第1の内周面21の一方に、第1のメタルベアリング41の円筒部41bを、その中空円板部41dがウエブ部24に突き当たるまで挿入して、その貫通孔41aが内リブ25と内リブ25の間に位置するようにする。この状態でハブ1の円筒状本体16を、第1のメタルベアリング41の挿通孔41cと第3のメタルベアリング43に挿通し、フランジ部15を第1のメタルベアリング41の中空円板部41dに付き当てると共に、貫通孔15aを第1のメタルベアリング41の貫通孔41aに重ね合わせる。
【0017】
この後、ハブ1の3つの貫通孔15aとこれに重なる第1のメタルベアリング41の貫通孔41aにそれぞれ軸ピン45を挿通する。軸ピン45の軸部45bは、プーリー本体2の第2の内周面22と、隣接する内リブ25と、第3のメタルベアリング43の外周面で形成される空間を二分する位置するので、この軸部45bと内リブ25で囲まれる空間に、それぞれ弾性体4を嵌め込む。
【0018】
この状態で、プーリー本体2のウエブ部24から突出する軸ピン45の軸部45bに第2のメタルベアリング42の貫通孔42bを挿入し、第3のメタルベアリング43から突出するハブ1の円筒状本体16に挿通孔42cを挿通して、第2のメタルベアリング42をプーリー本体2の第1の内周面21の内側に収容し、その中空円板部42dをウエブ部24に付き当てる。
【0019】
最後に、第2のメタルベアリンブ42の中空円板部42dから突出する軸ピン45の細径先端部45cに、貫通孔44aを挿通しながらストッパプレート44を第2のメタルベアリング42の円筒部42b内に嵌め込み、ストッパプレート44の貫通孔44aから突出する細径先端部45cをかしめることにより、補機駆動用プーリー9を組み立てる。
【0020】
図2は図1の補機駆動用プーリ用9を組み立てた後の断面を示すものであり、図3は図2のI−I線における断面を示すものである。
【0021】
このように、プーリー本体2は、内リブ25の先端部の第3の内周面23が軸受部材である第3のメタルベアリング43を介してハブ1の外周面に回動可能に支持されている。また、第1のメタルベアリング41は軸ピン45によってハブ1のフランジ部15に固定され、第2のメタルベアリング42も軸ピンによってフランジ部15に固定される。この結果、プーリー本体2の第1の内周面21が第1と第2のメタルベアリング41、42の周りを摺動可能に支持される。
【0022】
そして、プーリー本体2に入力された回転変動を含む駆動力は弾性体4で吸収され、ハブ1には回転変動が低減された駆動力が伝達される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この特許願2001年325530号に提案の補機駆動用プーリーにしても、更なる部品点数、重量、及びコストの低減の要求があった。即ち、図1に示すように、この特許願2001年325530号に提案の補機駆動用プーリー9は、ハブ1、プーリー本体2、第1から第3のメタルベアリング41〜43、ストッパプレート44、3本の軸ピン45、及び6個の弾性部材4の、15個の部材で構成されているので、この部材数を低減する要求があるのである。
【0024】
そこで、この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、部品点数、重量、及びコストの更なる低減を図ることのできる回転変動吸収機能を有する補機駆動用プーリーを提供することを課題としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の補機駆動用プーリーは、以下の第1から第8の形態をとることができる。
【0026】
第1の形態の補機駆動用プーリーは、回転軸に同軸状に固定されるハブ(1)と、このハブ(1)の外周に回動可能に設けられたプーリー本体(2)と、このプーリー本体(2)とハブ(1)との間の回転力の伝達を行う回転力伝達手段(3)とを備えた補機駆動用プーリーであって、前記ハブ(1)は、円筒状本体(16)と、この円筒状本体(16)の外周部に突設されたフランジ部(15)と、このフランジ部(15)に隣接して前記円筒状本体(16)の外周部から所定間隔で放射状に複数個突設された外リブ(17)とを備えて形成され、前記プーリー本体(2)は、ベルトが掛け渡されるリム部(20)と、このリム部(20)の内側に形成されて前記フランジ部(15)を収容する第1の内周面(21)と、この第1の内周面(21)から突出して設けられたウエブ部(24)と、このウエブ部(24)の内側に形成されて前記外リブ(17)を収容する第2の内周面(22)と、前記第2の内周面(22)に前記外リブ(17)と同じ間隔で同数突設されると共に第3の内周面(23)を先端部に有する内リブ(25)とを備えて構成され、前記回転力伝達手段(3)は、前記ハブ(1)が前記プーリー本体(2)に挿入された状態で、前記内リブ(25)と前記外リブ(17)とで挟まれる空間に挿入される弾性部材(4)から構成されることを特徴としている。
【0027】
第2の形態の補機駆動用プーリーは、第1の形態において、前記ハブ(1)が前記プーリー本体(2)に挿入された状態で、前記プーリー本体(2)のウエブ部(24)から突出する前記ハブ(1)の円筒状本体(16)の周囲に、ストッパプレート(33)を設けたことを特徴としている。
【0028】
第3の形態の補機駆動用プーリーは、第2の形態において、前記ストッパプレート(33)の外周面(33b)と、前記プーリー本体(2)の第1の内周面(21)との間に第2の軸受部材(32)を挿入したことを特徴としている。
【0029】
第4の形態の補機駆動用プーリーは、第3の形態において、前記第2の軸受部材(32)の前記プーリー本体(2)側の端部に、前記ハブ(1)の円筒状本体(16)の挿通孔(32c)と前記外リブ(17)の挿通溝(32a)とを備えた中空円板部(32d)を設けたことを特徴としている。
【0030】
第5の形態の補機駆動用プーリーは、第1から第4の形態の何れかにおいて、前記プーリー本体(2)の第1の内周面(24)と前記ハブ(1)のフランジ部(15)の外周面との間に第1の軸受部材(31)を挿入したことを特徴としている。
【0031】
第6の形態の補機駆動用プーリーは、第5の形態において、前記第1の軸受部材(31)の前記プーリー本体(2)側の端部に、前記ハブ(1)の円筒状本体(16)の挿通孔(31c)と前記外リブ(17)の挿通溝(31a)とを備えた中空円板部(31d)を設けたことを特徴としている。
【0032】
第7の形態の補機駆動用プーリーは、第2から第6の形態の何れかにおいて、前記ハブ(1)の、前記フランジ部(15)と前記ストッパプレート(33)との間の円筒状本体(18)の外周部の直径を、その他の部位の円筒状本体(16)の直径よりも僅かに大きく形成したことを特徴としている。
【0033】
第8の形態の補機駆動用プーリーは、第1から第7の形態の何れかにおいて、前記内リブ(26)と前記外リブ(17)の数をそれぞれ3個としたことを特徴としている。
【0034】
本発明の第1から第8の形態の補機駆動用プーリーにおいては、ベルトを介してプーリー本体に伝達された回転振動を含む回転力が、弾性部材を介してハブ及び回転軸に伝達されることになるので、その回転変動を弾性部材の弾性変形によって吸収して補機側の入力軸に伝えることができる。従って、プーリー本体に巻回するベルトにかかる張力の変動を低減することができるので、ベルトの寿命の向上を図ることができる。
【0035】
また、弾性部材を用いて回転変動を吸収する構造になっているので、補機駆動用プーリーの構造を大幅に簡単化することができる。従って、部品点数、重量、及びコストの低減を図ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を実施例に基づき、図4〜図6を参照して説明する。なお、図1から図3で説明した本出願人が先に提案した補機駆動用プーリー9と同じ構成部材には同じ符号を付して説明する。
【0037】
図4に示すように、この発明の一実施例の補機駆動用プーリー10は、筒状のハブ1、プーリー本体2、軸受部材である第1と第2のメタルベアリング31、32、ストッパプレート33、及び6個の弾性部材4とから構成される。
【0038】
ハブ1は、円筒状本体16と、この円筒状本体16の外周部に突設されたフランジ部15とを有している。円筒状本体16のフランジ部15に隣接する部位には、放射状に3つの外リブ17が所定間隔、例えば、中心角120度の間隔で設けられている。また、隣接する外リブ17の間の円筒状本体16の外周面は、他の部位の外周面に比べて僅かに膨出された膨出部18となっている。
【0039】
プーリー本体2には先に提案した補機駆動用プーリー9のプーリー本体2と同じものを使用することができ、ベルトが掛け渡されるリム部20と、フランジ部15の外周面15bを収容する第1の内周面21と、第1の内周面21の中央部に環状に設けられて第2の内周面22を有するウエブ部24と、第2の内周面22に3箇所等しい間隔で突設された内リブ25とを備えて構成することができる。内リブ25の自由端部は第3の内周面23に形成されており、この第3の内周面23の内径は、ハブ1の円筒状本体16の外周面の直径よりも大きく形成されている。
【0040】
第1と第2のメタルベアリング31、32は、それぞれ第1の内周面21の内径よりも小さな直径を備えた外周面を有する円筒部31b、32bと、円筒部31b,32bの一方の縁部に連続し、中央部に挿通孔31c,32cを備えた中空円板部31d、32dとから構成されている。そして、中空円板部31d、32dに設けられた挿通孔31c,32cの周りには、ハブ1の円筒状本体16に突設された外リブ17に重なる位置に、挿通溝31a、32aが設けられている。よって、3つの挿通溝31a,32aも中心角120度の間隔で設けられている。第1と第2のメタルベアリング31、32は、プーリー本体2の第1の内周面21の中に、その中空円板部31d、32dがウエブ部24を挟むように挿入される。
【0041】
ストッパプレート33は、所定の板厚を有するリング状の円板であり、中央部にハブ1の円筒状本体16が挿通される挿通孔33cを有する。
【0042】
また、弾性部材4は、発泡ウレタンや発泡ラバー等の発泡弾性体、剛性ゴム、シリコンゴム等の材料で形成することができる。この弾性部材4はプーリー本体2のウエブ部22の肉厚と同程度の厚さを有する扇形の6個の部材から構成されている。弾性部材4の各個の曲率の大きな外周面はプーリー本体2の第2の内周面22に沿う形状をしており、曲率の小さな外周面はプーリー本体2の第3の内周面23に沿う形状をしている。6個の弾性部材は、2個ずつプーリー本体2の内リブ25に挟まれた第2の内周面の上に配置される。
【0043】
以上のような部材から構成される補機駆動用プーリー10は、例えば、プーリー本体2の第1の内周面21の一方に、第1のメタルベアリング31の円筒部31bを、その中空円板部31dがウエブ部24に突き当たるまで挿入して、その挿通溝31aが内リブ25と内リブ25の中間に位置するようにする。この状態でハブ1の円筒状本体16を、第1のメタルベアリング31の挿通孔31cに挿通すると共に、外リブ17を第1のメタルベアリング31の挿通溝31aに挿通した状態で中空円板部41dに付き当てる。
【0044】
この状態では、ハブ1の3つの外リブ17は、プーリー本体2の第2の内周面22と、隣接する内リブ25と、ハブ1の膨出部18の外周面で形成される空間を二分する位置するので、この外リブ17と内リブ25で囲まれる空間に、それぞれ弾性体4を嵌め込む。
【0045】
この後、プーリー本体2のウエブ部24から突出するハブ1の円筒状本体16と外リブ17に、第2のメタルベアリング32の挿通孔32cと挿通溝32aとをそれぞれ挿入し、第2のメタルベアリング32をプーリー本体2の第1の内周面21の内側に収容し、その中空円板部32dをウエブ部24に付き当てる。
【0046】
最後に、第2のメタルベアリンブ32の中空円板部32dから突出するハブ1の円筒状本体16に、挿通孔33cを挿通しながらストッパプレート33を第2のメタルベアリング32の円筒部32b内に圧入により嵌め込んで、補機駆動用プーリー10を組み立てる。
【0047】
図5は図3の補機駆動用プーリ用10を組み立てた後の断面を示すものであり、図6は図5のX−X線における断面を示すものである。
【0048】
このように、プーリー本体2は、第1のメタルベアリング31は外リブ17によってハブ1のフランジ部15に固定され、第2のメタルベアリング32も外リブ17によってフランジ部15に固定される。この結果、プーリー2の第1の内周面21が第1と第2のメタルベアリング31、32の周りに摺動可能に支持される。
【0049】
図4に示すように、この発明の補機駆動用プーリー10では、ハブ1、プーリー本体2、第1と第2のメタルベアリング41、42、ストッパプレート44、及び6個の弾性部材4の、11個の部材で構成されているので、先に提案した補機駆動用プーリー9の部材数15個に比べて部材数を低減することが可能である。また、軸ピン45のような別部材を位置合わせした孔に挿通する作業もなくなるので、製作工数を大きく低減することができる。
【0050】
なお、この実施例では、外リブ17と内リブ25の数がそれぞれ3つであるが、これらの数は3に限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の補機駆動用プーリーによれば、構造が極めて簡単になるので、補機駆動用プーリーの部品点数、重量、及びコストの低減を図ることができるという効果がある。また、組立工数も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願人が先に提案した補機駆動用プーリーの分解斜視面図である。
【図2】本出願人が先に提案した補機駆動用プーリーの断面図である。
【図3】同補機駆動用プーリーを示す図であって、図2のI−I線に沿う断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す補機駆動用プーリーの分解斜視面図である。
【図5】本発明の一実施例の補機駆動用プーリーの断面図である。
【図6】同補機駆動用プーリーを示す図であって、図5のX−X線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 ハブ
2 プーリー本体
3 回転力伝達手段
4 弾性部材
9 先に提案した補機駆動用プーリー
11 本発明の一実施例に係る補機駆動用プーリー
15 フランジ部
16 円筒状本体
17 外リブ
18 膨出部
20 リム部
25 内リブ
31 第1のメタルベアリング
32 第2のメタルベアリング
33 ストッパプレート
Claims (8)
- 回転軸に同軸状に固定されるハブ(1)と、このハブ(1)の外周に回動可能に設けられたプーリー本体(2)と、このプーリー本体(2)とハブ(1)との間の回転力の伝達を行う回転力伝達手段(3)とを備えた補機駆動用プーリーであって、
前記ハブ(1)は、円筒状本体(16)と、この円筒状本体(16)の外周部に突設されたフランジ部(15)と、このフランジ部(15)に隣接して前記円筒状本体(16)の外周部から所定間隔で放射状に複数個突設された外リブ(17)とを備えて形成され、
前記プーリー本体(2)は、ベルトが掛け渡されるリム部(20)と、このリム部(20)の内側に形成されて前記フランジ部(15)を収容する第1の内周面(21)と、この第1の内周面(21)から突出して設けられたウエブ部(24)と、このウエブ部(24)の内側に形成されて前記外リブ(17)を収容する第2の内周面(22)と、前記第2の内周面(22)に前記外リブ(17)と同じ間隔で同数突設されると共に第3の内周面(23)を先端部に有する内リブ(25)とを備えて構成され、
前記回転力伝達手段(3)は、前記ハブ(1)が前記プーリー本体(2)に挿入された状態で、前記内リブ(25)と前記外リブ(17)とで挟まれる空間に挿入される弾性部材(4)から構成されることを特徴とする補機駆動用プーリー。 - 前記ハブ(1)が前記プーリー本体(2)に挿入された状態で、前記プーリー本体(2)のウエブ部(24)から突出する前記ハブ(1)の円筒状本体(16)の周囲に、ストッパプレート(33)を設けたことを特徴とする請求項1記載の補機駆動用プーリー。
- 前記ストッパプレート(33)の外周面(33b)と、前記プーリー本体(2)の第1の内周面(21)との間に第2の軸受部材(32)を挿入したことを特徴とする請求項2記載の補機駆動用プーリー。
- 前記第2の軸受部材(32)の前記プーリー本体(2)側の端部に、前記ハブ(1)の円筒状本体(16)の挿通孔(32c)と前記外リブ(17)の挿通溝(32a)とを備えた中空円板部(32d)を設けたことを特徴とする請求項3記載の補機駆動用プーリー。
- 前記プーリー本体(2)の第1の内周面(24)と前記ハブ(1)のフランジ部(15)の外周面との間に第1の軸受部材(31)を挿入したことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の補機駆動用プーリー。
- 前記第1の軸受部材(31)の前記プーリー本体(2)側の端部に、前記ハブ(1)の円筒状本体(16)の挿通孔(31c)と前記外リブ(17)の挿通溝(31a)とを備えた中空円板部(31d)を設けたことを特徴とする請求項5記載の補機駆動用プーリー。
- 前記ハブ(1)の、前記フランジ部(15)と前記ストッパプレート(33)との間の円筒状本体(18)の外周部の直径を、その他の部位の円筒状本体(16)の直径よりも僅かに大きく形成したことを特徴とする請求項2から6の何れか1項に記載の補機駆動用プーリー。
- 前記内リブ(26)と前記外リブ(17)の数をそれぞれ3個としたことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の補機駆動用プーリー。
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Effective date: 20080617 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081021 |