JP2004231530A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

水中油型乳化組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた使用感触、保存安定性を有するだけでなく、肌上での撥水性(化粧持続性)を著しく向上させることのできる水中油型乳化組成物を提供する。
【解決手段】次の成分(A)〜(D)すなわち、(A)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸とを混合して得られる複合体の一種または二種以上0.15〜4.5質量%、(B)粉末5〜50質量%、(C)水1〜90質量%および、(D)20℃にて液状である不揮発性油分2〜40質量%を配合する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は保存安定性、使用感触に優れ、塗布により肌上で撥水性を発現することのできる水中油型乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より産業界において乳化組成物は広く使用されている。なかでも乳化組成物、すなわち油中水型あるいは水中油型の選定にあたっては、それぞれの特徴を加味した上で目的や用途に応じて行われている。例えば化粧料用途、とりわけメーキャップ製品や紫外線防御製品については、それぞれ美しさや紫外線防止効果の持続性の観点から、油中水型の乳化組成物が多用されているのが現状である。この主な理由としては、油分が連続層を形成する油中水型組成物の方が、水中油型組成物に比べて適用する肌に対する密着性に優れる点が挙げられる。
【0003】
しかしながら、化粧料として重要な要素である使用感触で見てみると、当然のことながら油中水型乳化組成物の方は油っぽさが強く、特に夏期での使用にあたってはあまり好まれるものではなかった。一方、水中油型乳化組成物の方は、水が連続層を形成するため、感触的にもみずみずしく、さっぱりとしていて年間を通して好まれるものである。
【0004】
ところが、水中油型組成物は水が連続層を形成することに加え、処方構成上必須の親水性界面活性剤を多量に配合せざるを得ないため、汗や水になじみやすく塗布膜の持続性に優れていないという欠点を有していた。このため、水中油型組成物であって、その好ましい使用感触を有しながらも、肌に対する密着性が向上し塗布膜の持続性に優れる構成を提供することが課題であった。この解決のために、従来より、皮膜形成剤を配合したり、肌に対する密着性の高い高粘度油分を配合したり、固形油分を配合したり(下記特許文献1を参照)と、種々の工夫はなされているものの、使用感触面と塗布膜の持続性面の両方を満足する組成物は存在しなかった。
【0005】
【特許文献1】
特許第297345号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、優れた感触、保存安定性を有しながら、塗布により肌上で撥水性を発現し、その結果、塗布膜の持続性に優れる水中油型組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の成分(A)〜(D)
(A)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸とを混合して得られる複合体の一種または二種以上0.15〜4.5質量%、
(B)粉末5〜50質量%、
(C)水1〜90質量%、
(D)20℃にて液状である不揮発性油分2〜40質量%
を含有することを特徴とする水中油型乳化組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明で水中油型乳化組成物に配合される両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤は、通常の化粧品基剤等に用いられる両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤の全てを適用することができる。
【0009】
これらの具体例を挙げると、以下のとおりである。
(a)下記一般式(1)で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてレボン2000(三洋化成製)、アノンBDF(日本油脂製)等が該当する〕、
(b)下記一般式(2)で表されるアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてロンザイン−CS(ロンザ製)、ミラタインCBS(ミラノール製)等が該当する〕、
(c)下記一般式(3)で表されるベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてアノンBL(日本油脂製)、デハイントンAB−30(ヘンケル製)等が該当する〕、
(d)下記一般式(4)で表されるスルフォベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてロンザイン12CS(ロンザ製)等が該当する〕、
(e)下記一般式(5)で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤〔市販品としてオバゾリン662−N(東邦化学製)、アノンGLM(日本油脂製)等が該当する〕。
【0010】
【化7】
Figure 2004231530
【0011】
【化8】
Figure 2004231530
【0012】
【化9】
Figure 2004231530
【0013】
【化10】
Figure 2004231530
【0014】
【化11】
Figure 2004231530
【0015】
また、半極性界面活性剤としては、下記一般式(6)で表される第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤〔市販品としてユニセーフA−LM(日本油脂製)、ワンダミンOX−100(新日本理化製)等が該当する〕などが例示される。
【0016】
【化12】
Figure 2004231530
【0017】
ただし、上記一般式(1)〜(6)中、R は平均炭素原子数9〜21のアルキル基またはアルケニル基、Rは平均炭素原子数10〜18のアルキル基またはアルケニル基を表す。pは2〜4の整数であり、qは0〜3の整数であり、zは1または2の整数である。また、Rは、平均炭素原子数11 ̄17のアルキル基またはアルケニル基がより好ましく、平均炭素原子数11 ̄13のアルキル基またはアルケニル基が最も好ましい。平均炭素原子数が9未満では、親水性が強すぎ複合体を形成しにくくなる。一方、21を超えると、水への溶解性が悪くなり複合体を形成しにくくなる。
【0018】
本発明においては、界面活性剤成分として、上記した両性界面活性剤および半極性界面活性剤から任意に一種または二種以上を選んで用いることができる。また上記界面活性剤類の配合量は、全成分中の0.1〜4質量%とする。この配合量が不足すると乳化性が悪くなり、多量過ぎるとべたつきが生じるなど、使用感触面での悪化や肌上での撥水性発現にも悪影響を及ぼす。本発明の効果を充分に発揮させるには、0.5〜3質量%が好適である。
【0019】
本発明で配合される脂肪酸としては、例えば、一般式がRCOOHで表される高級脂肪酸であって、通常の化粧品基剤等に用いられる高級脂肪酸の全てを適応することができる。
【0020】
ここでRは、平均炭素原子数が7〜25の直鎖または分岐鎖の飽和もしくは不飽和炭化水素基、または水酸基を有する飽和もしくは不飽和の炭化水素基であることが好ましい。また、上記平均炭素原子数が9〜23であるものがより好ましく、上記平均炭素原子数が11〜21であるものが最も好ましい。平均炭素原子数が7未満では、親水性が強すぎるため複合体が形成されにくくなる。一方、平均炭素原子数が25を超えると融点が高くなるため、同じく複合体が形成されにくくなる。
【0021】
上記高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸;2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸;イソステアリン酸等の分枝脂肪酸;1,2−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
【0022】
このうち特に、2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸が好ましい。
【0023】
また、安定性および皮膚刺激性の観点から、炭素原子数18の飽和脂肪酸が好ましく、中でも分岐を有するものが好ましく、メチル分岐を有する炭素原子数18の飽和脂肪酸がさらに好ましい。市販品としては例えば、イソステアリン酸(エメリ−#871、#875(エメリ−社製))などが挙げられる。
【0024】
本発明においては、以上の高級脂肪酸のうちの任意の一種または二種以上が選ばれて用いられる。本発明に用いられる脂肪酸の配合量は、0.05〜4質量%であり、配合量が不足しても、多量過ぎても安定性面での悪化をもたらす。本発明の効果を充分に発揮させるには、0.1〜3質量%が好適である。
【0025】
本発明で用いられる成分(A)の両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と高級脂肪酸とを混合して得られる複合体は、高級脂肪酸のカルボキシル基部分で両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と結合したもので、優れた乳化剤であり、その詳細は、特開平6−65596号公報に記載されている。
【0026】
本発明において、高級脂肪酸と界面活性剤との配合比は、高級脂肪酸:両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤の質量比が、0.5:9.5〜9.5:0.5、より好ましくは、1:9〜9:1となるようにするのが安定性の点でよい。
【0027】
上記界面活性剤成分と高級脂肪酸からなる複合体(A)の合計量は、0.15〜4.5質量%とすることが好ましく、0.5〜3.5質量%とすることがより好ましい。0.15質量%未満であると乳化物の安定性が悪化する。一方、4.5質量%を超えて配合すると使用感触だけでなく、保存安定性、撥水性にも悪影響をもたらすため、その上限は4.5質量%とすることが好ましい。
【0028】
本発明で配合される粉末(B)は特に限定されるものではないが、無機顔料および有機顔料が挙げられる。無機顔料の例としては、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、亜鉛華、二酸化チタン、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、チタンコーティッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、ベンガラ、粘結顔料、グンジョウピンク、水酸化クロム、雲母チタン、酸化クロム、酸化アルミニウムコバルト、紺青、カーボンブラック、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ベントナイト、マイカ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が例示される。
【0029】
有機顔料としては、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン、ナイロン、メタクリル酸メチルポリマー、ポリスチレン、ポリスチレン−ポリアクリル酸共重合体、塩化ビニルポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー等の粉末や、セルロースパウダー、キチンパウダー、キトサンパウダー、魚鱗箔、レーキ化タール色素等が例示される。
【0030】
またこれらの顔料は、疎水化処理などの表面処理を施したもの、あるいは製造工程上で疎水性を付与したものも応用できる。例えば、高粘度シリコーン油処理、アルキルハイドロジェンポリシロキサンを反応させたシリコーン樹脂処理、あるいはそれらをアルケン処理したもの、カチオン活性剤処理、アニオン活性剤処理、ノニオン活性剤処理、ワックス処理、デキストリン脂肪酸処理、フッ素処理等が例示される。
【0031】
本発明に用いられる粉末(B)の配合量は5〜50質量%であり、5質量%未満では、さっぱりとした好ましい感触が充分に発揮されず、50質量%を超えて配合すると使用感触面でのびが重く肌上での広がりに難が生じたり、粉っぽさが生じるなどの不都合をもたらす。本発明の効果を充分に発揮させるには、15〜35質量%が好適である。
【0032】
本発明に用いられる水(C)の配合量は1〜90質量%であり、水中油型組成物を構成できる量であれば本発明の効果を損なわない。みずみずしい使用感触やさっぱりさを充分に付与させるためには、20〜60質量%が好適である。
【0033】
本発明に用いられる20℃にて液状である不揮発性油分(D)としては、極性油から非極性油まで幅広く、例えば、
流動パラフィン、分岐鎖状軽パラフィン、パラフィンワックス、セレシン、スクワラン等の炭化水素;
蜜ロウ、鯨コウ、カルナバロウ等のワックス類;
オリーブ油、椿油、ホホバ油、ラノリン等の天然動植物油脂;
イソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリオクタノエート等のエステル油;
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油;
セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール等
が挙げられ、これらのものを単独で、または二種以上の混合物として含有しているものでもよい。
【0034】
不揮発性油分(D)の配合量は、2〜40質量%であり、水中油型組成物を構成できる量であれば本発明の効果を損なわない。油っぽさなどの使用感触面での悪化をもたらさない配合量としては5〜25質量%が好適である。不揮発性油分(D)の配合量が少なすぎると塗布膜が充分な撥水性を発揮しない。
【0035】
本発明においては、油分として上記(D)成分以外の油分を用いることが可能である。かかる油分としては例えばデカメチルペンタシロキサンなどの揮発性油分が挙げられる。
【0036】
本発明においては、増粘剤を配合することにより、さらに安定な組成物を得ることができる。増粘剤としては、通常化粧料に用いられるものを使用することができ、例えばサクシノグリカン、キサンタンガム等を使用することができる。
【0037】
本発明においては上記成分のほかに、水中油型組成物を構成する成分として配合される、界面活性剤、保湿剤、低級アルコールや、水中油型組成物を修飾する成分として防腐剤、香料、キレート剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ゲル化剤等が配合できることは言うまでもない。
【0038】
【実施例】
次に実施例を用いて本発明の効果をより詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1、比較例1〜5(水中油型乳化ファンデーション)
下記[表1]に記載の処方で、下記の方法により水中油型乳化ファンデーションを製造し、その保存安定性、使用感触および撥水性(化粧持続性)を評価した。
【0039】
【表1】
Figure 2004231530
【0040】
<製造方法>
成分(10)〜(14)を70℃〜80℃で攪拌溶解して油相部とする。成分(1)〜(3)および(9)を70℃〜80℃で攪拌溶解して水相部とし、あらかじめ攪拌混合しておいた成分(4)〜(8)を添加混合する。70℃〜80℃にて水相部に油相部を添加して乳化させ、攪拌混合した後冷却し、水中油型ファンデーションを得た。
【0041】
<評価方法1:使用感触>
実施例1および比較例1〜5の試料を20〜29歳の女性専門パネル各20名の顔面に塗布して使用テストを行い、各人の評価を平均した。評価は温度25℃、湿度50%の恒温恒湿室にて、通常使用量を指でとり、顔面頬部へ塗布した時の感触でみずみずしさ、および、やわらかさを評価した。
【0042】
<評価基準>
5点:非常によい
4点:よい
3点:普通
2点:悪い
1点:非常に悪い
<評価の表示>
◎:4点以上
○:3点以上、4点未満
△:2点以上、3点未満
×:2点未満
【0043】
<評価方法2:保存安定性>
実施例1および比較例1〜5の試料をガラス管に充填し、栓を施した上で気密性を確保し、50℃、40℃、30℃、室温、0℃の各温度を継続維持できる恒温槽に2ヶ月間放置した後に室温に取り出し、中の状態を判定する。
【0044】
<評価の表示>
◎:上記温度条件にて、一切の状態変化を認めず、保管可能であったもの
○:上記温度条件にて、分離、粉末沈降など若干の状態変化が認められるものの、その程度が軽微であり万人が許容と判定するもの
△:上記温度条件にて、分離、粉末沈降など若干の状態変化が認められ、その程度が許容できないもの
×:上記温度条件にて、分離、粉末沈降などの顕著な状態変化が認められ、その程度が許容できないもの
【0045】
<評価方法3:化粧持続性>
女性専門パネル20名によって、化粧持続性に対する評価を行った。温度25℃、湿度50%である屋外にて、各パネルに対し2時間にわたり通常の速さでのウォーキングテストを実施した後の化粧持続性について次の方法で評価し、各パネルの評価を平均した。
【0046】
<評価基準>
5点:非常によい
4点:よい
3点:普通
2点:悪い
1点:非常に悪い
<評価の表示>
◎:4点以上
○:3点以上、4点未満
△:2点以上、3点未満
×:2点未満
【0047】
実施例1と処方例a〜eの撥水性評価
下記[表2]に記載された通常のノニオン乳化系の水中油型ファンデーションに係る処方例a〜cおよび、下記[表3]に記載されたノニオン乳化系の油中水型ファンデーションに係る処方例d,eおよび上記実施例1で得た試料を試験品として用意し、以下の試験を行った。
【0048】
すなわち、下記[表2]、[表3]に記載の試験品を人工皮革表面に、塗布量が1mg/cmとなるように塗布し、3μl(マイクロリットル)のイオン交換水に対する接触角を求めた。なお、接触角は、これが大きいほど撥水性が高いことを示す。
また、前記した方法で化粧持続性を評価した。これらの結果を下記[表4]に示す。
【0049】
【表2】
Figure 2004231530
【0050】
【表3】
Figure 2004231530
【0051】
【表4】
Figure 2004231530
【0052】
上記[表4]の結果から、上記[表2]に記載された通常のノニオン乳化系の水中油型ファンデーション処方例a〜cでは、不揮発性油分が配合されていても良好な撥水性は得られないが、本発明の水中油型乳化ファンデーション(実施例1)では、水中油型乳化ファンデーションでありながら、処方例d,eのような油中水型ファンデーションに匹敵する撥水性が得られることがわかる。また、撥水性に優れるものは化粧持続性にも優れ、これらには相関関係があることがわかる。
【0053】
また、上記[表1]から分かるように、実施例1の試料を塗布した群では、いずれの項目についても好評価であり、比較例1〜5の試料を塗布した群では、すべての項目を満足させることはなかった。このことは、本発明の化粧料が従来のものに比べて保存安定性、使用感触、撥水性に優れていることを示している。
【0054】
実施例2、比較例6〜8(水中油型サンスクリーン)
下記[表5]に記載の処方で、下記の方法により水中油型サンスクリーンを製造し、その保存安定性、使用感触、撥水性を評価した。また、これらの評価結果を下記[表5]に併記した。
【0055】
【表5】
Figure 2004231530
【0056】
<製造方法>
成分(9)〜(11)を70℃〜80℃で攪拌溶解して油相部とする。成分(1)〜(3)および(8)を70℃〜80℃で攪拌溶解して水相部とし、あらかじめ攪拌混合しておいた成分(4)〜(7)を添加混合する。70℃〜80℃にて水相部に油相部を添加して乳化させ、攪拌混合した後冷却し、水中油型サンスクリーンを得た。
【0057】
上記[表5]から分かるように、実施例2の試料を塗布した群では、いずれの項目についても好評価であり、比較例6〜8の試料を塗布した群では、すべての項目を満足させることはなかった。このことは、本発明の水中油型サンスクリーンが従来のものに比べて保存安定性、使用感触、撥水性に優れていることを示している。
【0058】
実施例3(水中油型乳化下地)
下記の処方で、下記の方法により水中油型乳化下地を製造し、その保存安定性、使用感触、撥水性を評価した。
【0059】
Figure 2004231530
【0060】
<製造方法>
成分(9)〜(13)を室温で攪拌混合して油相部とする。成分(1)〜(3)および(8)を攪拌溶解して水相部とし、あらかじめ攪拌混合しておいた成分(4)〜(7)を添加混合する。室温で水相部に油相部を添加して乳化させ、攪拌混合した後、水中油型乳化下地を得た。この下地は、使用感触として好ましいみずみずしさ、やわらかさを併せもち、保存安定性、塗布後の肌上での撥水性にも優れるものであった。
【0061】
実施例4(水中油型ファンデーション)
下記[表6]の処方で、下記の方法により水中油型ファンデーションを製造し、その保存安定性、使用感触、撥水性を評価した。
【0062】
<製造方法>
成分(17),(18),(20)を室温で攪拌混合して油相部とする。成分(1),(2),(6)および(14)を攪拌溶解して水相部とし、あらかじめ攪拌混合しておいた成分(7),(9),(10),(13)を添加混合する。室温で水相部に油相部を添加して乳化させ、攪拌混合した後、水中油型ファンデーションを得た。このファンデーションは、使用感触として好ましいみずみずしさ、やわらかさを併せもち、保存安定性、塗布後の肌上での撥水性にも優れるものであった。
【0063】
実施例5(水中油型ファンデーション)
下記[表6]の処方で、下記の方法により水中油型ファンデーションを製造し、その保存安定性、使用感触、撥水性を評価した。
【0064】
<製造方法>
成分(17),(18),(20)を室温で攪拌混合して油相部とする。成分(1)〜(3),(6)および(15)を攪拌溶解して水相部とし、あらかじめ攪拌混合しておいた成分(7),(9),(11)を添加混合する。室温で水相部に油相部を添加して乳化させ、攪拌混合した後、水中油型ファンデーションを得た。このファンデーションは、使用感触として好ましいみずみずしさ、やわらかさを併せもち、保存安定性、塗布後の肌上での撥水性にも優れるものであった。
【0065】
実施例6(水中油型ファンデーション)
下記[表6]の処方で、下記の方法により水中油型ファンデーションを製造し、その保存安定性、使用感触、撥水性を評価した。
【0066】
<製造方法>
成分(17),(20)を室温で攪拌混合して油相部とする。成分(1),(2),(4),(6)及び(14)を攪拌溶解して水相部とし、あらかじめ攪拌混合しておいた成分(7),(9)〜(12)を添加混合する。室温で水相部に油相部を添加して乳化させ、攪拌混合した後、水中油型ファンデーションを得た。このファンデーションは、使用感触として好ましいみずみずしさ、やわらかさを併せもち、保存安定性、塗布後の肌上での撥水性にも優れるものであった。
【0067】
実施例7(水中油型化粧下地)
下記[表6]の処方で、下記の方法により水中油型化粧下地を製造し、その保存安定性、使用感触、撥水性を評価した。
【0068】
<製造方法>
成分(17),(18),(22)を70℃〜80℃で攪拌混合して油相部とする。成分(1),(2),(6)および(16)を70℃〜80℃で攪拌溶解して水相部とし、あらかじめ攪拌混合しておいた成分(7)〜(11),(13)を添加混合する。70℃〜80℃で水相部に油相部を添加して乳化させ、攪拌混合した後、水中油型化粧下地を得た。この化粧下地は、使用感触として好ましいみずみずしさ、やわらかさを併せもち、保存安定性、塗布後の肌上での撥水性にも優れるものであった。
【0069】
実施例8 (水中油型サンスクリーン)
下記[表6]の処方で、下記の方法により水中油型サンスクリーンを製造し、その保存安定性、使用感触、撥水性を評価した。
【0070】
<製造方法>
成分(17)〜(19),(21)を70℃〜80℃で攪拌混合して油相部とする。成分(1)〜(3),(5),(6)を70℃〜80℃で攪拌溶解して水相部とし、あらかじめ攪拌混合しておいた成分(8),(13)を添加混合する。70℃〜80℃で水相部に油相部を添加して乳化させ、攪拌混合した後、水中油型サンスクリーンを得た。このサンスクリーンは、使用感触として好ましいみずみずしさ、やわらかさを併せもち、保存安定性、塗布後の肌上での撥水性にも優れるものであった。
【0071】
【表6】
Figure 2004231530
【0072】
このように、上記実施例1〜8の水中油型組成物は、いずれも使用感触、保存安定性、塗布による肌上での撥水性発現の効果に優れたものであった。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る水中油型乳化組成物は、優れた使用感触、保存安定性を有するだけでなく、この水中油型乳化組成物によれば、肌上での撥水性発現効果を著しく向上させることができ、化粧もちのよい化粧料を提供することができる。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)〜(D)
    (A)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、高級脂肪酸とを混合して得られる複合体の一種または二種以上0.15〜4.5質量%、
    (B)粉末5〜50質量%、
    (C)水1〜90質量%、
    (D)20℃にて液状である不揮発性油分2〜40質量%
    を含有することを特徴とする水中油型乳化組成物。
  2. 高級脂肪酸が、2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リシノール酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸のうちの任意の一種または二種以上が選ばれて用いられることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
  3. 両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤が、
    下記一般式(1)で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤、
    下記一般式(2)で表されるアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤、
    下記一般式(3)で表されるベタイン型両性界面活性剤、
    下記一般式(4)で表されるスルフォベタイン型両性界面活性剤、
    下記一般式(5)で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤、
    下記一般式(6)で表される第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤、
    から選択した一種または二種以上からなることを特徴とする請求項1記載の水中油型乳化組成物。
    Figure 2004231530
    Figure 2004231530
    Figure 2004231530
    Figure 2004231530
    Figure 2004231530
    Figure 2004231530
    (上記一般式(1)〜(6)中、Rは平均炭素原子数9〜21のアルキル基またはアルケニル基、Rは平均炭素原子数10〜18のアルキル基またはアルケニル基を表す。pは2〜4の整数であり、qは0〜3の整数であり、zは1または2の整数である。)
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