JP2007176867A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)特定の両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、(2)高級脂肪酸と、(3)シリコーン処理微粒子酸化チタンと、(4)カチオン界面活性剤とを配合する。微粒子酸化チタンは、好ましくは粒子径が0.2μm以下のものを用いる。
【選択図】なし
Description
近年、オゾンホールの破壊などの環境問題により、皮膚を有害な紫外線から守る必要性が高まっており、高い紫外線防御効果をもつ化粧料のニーズが高まっている。従来高い紫外線防御効果を有するものは一般に油性系の化粧料が多いため、べたつくなどの使用性上の問題があり、みずみずしさ、なめらかさを持つ水中油型化粧料に紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を配合する試み(特許文献1、2参照)がなされてきた。
しかしながら、高いSPFを得るために、微粒子酸化チタン等の微粒子粉体を配合すると、乳化系の安定性が損なわれることがあり、化粧持ちと安定性の更なる向上が望まれていた。すなわち、「みずみずしさ」「なめらかさ」などの使用感を備えつつ、さらに十分な化粧持ち、仕上がり、安定性に優れる高SPFの乳化組成物を得ることは難しかった。
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記のような極めてすぐれた物性を示すとともに、石鹸で簡単に落とせるという特徴も持ち合わせている。
前記両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤が、下記一般式(A)で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(B)で表されるアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(C)で表されるベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(D)で表されるスルフォベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(E)で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤、下記一般式(F)で表される第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤から選択した一種または二種以上であり、
前記高級脂肪酸が下記一般式(G)であることを特徴とする水中油型乳化化粧料である。
<両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤>
本発明で水中油型乳化組成物に配合される両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤は、通常の化粧品基剤等に用いられる両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤の全てを適用することができる。
(a)上記一般式(A)で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてレボン2000(三洋化成製)、アノンBDF(日本油脂製)等が該当する〕、
(b)上記一般式(B)で表されるアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてロンザイン−CS(ロンザ製)、ミラタインCBS(ミラノール製)等が該当する〕、
(c)上記一般式(C)で表されるベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてアノンBL(日本油脂製)、デハイントンAB−30(ヘンケル製)等が該当する〕、
(d)上記一般式(D)で表されるスルフォベタイン型両性界面活性剤〔市販品としてロンザイン12CS(ロンザ製)等が該当する〕、
(e)上記一般式(E)で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤〔市販品としてオバゾリン662−N(東邦化学製)、アノンGLM(日本油脂製)等が該当する〕。
本発明で配合される高級脂肪酸としては、一般式がR3 COOH(一般式(G))で表される高級脂肪酸であって、通常の化粧品基剤等に用いられる高級脂肪酸の全てを適用することができる。
本発明で用いられるシリコーン処理微粒子酸化チタンは、平均粒子径が0.2μm以下であるものが好ましい。
本発明で用いられるシリコーン処理は、例えば微粒子酸化チタンの表面を、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン化合物を用いて、溶媒を使用する湿式法、気相法、メカノケミカル法などにより疎水化処理したもの、Si-H基を分子内に有するシリコーン化合物で酸化チタンの表面を処理し、ついで残存Si-H基に直鎖状或いは分岐状のアルキル基を導入する疎水化処理したもの等が挙げられる。
疎水化処理としてシリコーン処理以外のもの、例えば脂肪酸処理されたものを用いた場合には、乳化状態が不安定になる傾向があり、本発明のような安定な組成物をつくることは困難である。またシリコーン処理されていない微粒子酸化チタンでは、安定な乳化物とすることが困難である。
本発明で用いられるカチオン界面活性剤は、アルキル鎖長が炭素数12から22の塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムから選ばれる一種または二種以上であることが好ましく、具体的には、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。これらは粉末を分散させ、より安定な乳化物を得るために必須の成分であるが、特に安定性、安全性の点で、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムが好ましく、特に、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムが好適に用いられる。上記以外の分散剤では、安定な組成物は得ることが困難であった。
さらに本発明の水中油型乳化化粧料には、SPFを向上させるための成分として紫外線吸収剤を配合することが好ましい。かかる紫外線吸収剤としては、p−アミノ安息香酸系紫外線吸収剤、メトキシ桂皮酸系紫外線吸収剤、ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤であり、かかる紫外線吸収剤の代表的な化合物を例示すれば以下の通りである。
p−アミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAアミルエステル、N,N−ジメチルPABAオクチルエステル
桂皮酸オクチルエステル、4−イソプロピル桂皮酸エチルエステル、2,5−ジイソプロピル桂皮酸メチルエステル、2,4−ジイソプロピル桂皮酸エチルエステル、2,4−ジイソプロピル桂皮酸メチルエステル、p−メトキシ桂皮酸プロピルエステル、p−メトキシ桂皮酸イソプロピルエステル、p−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、p−メトキシ桂皮酸オクチルエステル(p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル)、p−メトキシ桂皮酸2−エトキシエチルエステル、p−メトキシ桂皮酸シクロヘキシルエステル、p−メトキシ桂皮酸ナトリウム、p−メトキシ桂皮酸カリウム、ジ−p−メトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル
4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、4−メトキシ−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン
サリチル酸アミルエステル、サリチル酸メンチルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル、サリチル酸オクチルエステル、サリチル酸フェニルエステル、サリチル酸ベンジルエステル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、4−メトキシサリチル酸
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 20.6 質量%
(2)メチルポリシロキサン 5
(3)イソステアリン酸 1
(4)キャンデリラロウ 2
(5)塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.2
(6)シリコーン処理微粒子酸化チタン 10
(平均粒子径:0.03〜0.1μm、三好化成社製酸化チタンSAS−015)
(7)1,3−ブチレングリコール 6
(8)メチルパラベン 0.2
(9)2−アルキルーN-カルボキシメチルーN−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 5
(純分30%)
(10)イオン交換水 50
(1)〜(5)に(6)を70〜80℃で分散させ、油相部とする。(7)〜(10)を70〜80℃で攪拌混合して水相部とする。
油相部を水相部に加え乳化させ、乳化化粧料を得た。
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 17.6 質量%
(2)メチルポリシロキサン 5
(3)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3
(4)イソステアリン酸 1
(5)キャンデリラロウ 2
(6)塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.2
(7)シリコーン処理微粒子酸化チタン 10
(平均粒子径:0.03〜0.1μm、三好化成社製酸化チタンSAS−015)
(8)1,3−ブチレングリコール 6
(9)パラベン 0.2
(10)2−アルキルーN-カルボキシメチルーN−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 5
(純分30%)
(11)イオン交換水 50
実施例1と同様に製造したところ、実施例1よりもさらにSPFの高い製剤が得られた。
表1〜4に示すような配合処方により、実施例1,2と同様にして乳化化粧料を製造した。得られた各化粧料および実施例1,2の化粧料について、次のような方法で、(1)安定性、(2)化粧もち、(3)SPF、(4)使用性、(5)石鹸での落としやすさについて評価した。
その結果を表1〜4に併せて示す。
20名の専門パネルによる使用テストを行い、各人の評価結果を平均した。
(評価基準)
5点:非常によい
4点:良い
3点:やや良い。
2点:普通
1点:悪い
0点:非常に悪い
A:4点以上
B:3点以上、4点未満
C:2点以上、3点未満
D:1点以上、2点未満
E:1点未満
※2:平均粒子径:0.2〜0.3μm、大東化成社製OTS−R−KB−2
※3:平均粒子径:0.005〜0.03μm、テイカ社製針状微粒子酸化チタン
※4:平均粒子径:0.005〜0.03μm、大東化成社製OTS−11
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 17.6 質量%
(2)メチルポリシロキサン 5
(3)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3
(4)イソステアリン酸 1
(5)キャンデリラロウ 2
(6)塩化ラウリルトリメチルアンモニウム30%水溶液 0.01(純分換算)
(7)シリコーン処理微粒子酸化チタン 10
(平均粒子径:0.03〜0.1μm、三好化成社製酸化チタンSAS−015)
(8)1,3−ブチレングリコール 6
(9)パラベン 0.2
(10)2−アルキルーN-カルボキシメチルーN−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 5
(純分30%)
(11)イオン交換水 50
実施例1と同様にして製造した。
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 17.6 質量%
(2)メチルポリシロキサン 5
(3)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3
(4)イソステアリン酸 1
(5)キャンデリラロウ 2
(6)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム30%水溶液 0.15(純分換算)
(7)シリコーン処理微粒子酸化チタン 10
(平均粒子径:0.03〜0.1μm、三好化成社製酸化チタンSAS−015)
(8)1,3−ブチレングリコール 6
(9)パラベン 0.2
(10)2−アルキルーN-カルボキシメチルーN−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 5
(純分30%)
(11)イオン交換水 50
(12)トウツバキ種子油 0.1
実施例1と同様にして製造した。
Claims (6)
- (1)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と、(2)高級脂肪酸と、(3)シリコーン処理微粒子酸化チタンと、(4)カチオン界面活性剤とを含有し、
前記両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤が、下記一般式(A)で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(B)で表されるアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(C)で表されるベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(D)で表されるスルフォベタイン型両性界面活性剤、下記一般式(E)で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤、下記一般式(F)で表される第三級アミンオキサイド型半極性界面活性剤から選択した一種または二種以上であり、
前記高級脂肪酸が下記一般式(G)であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
(一般式(A)〜(F)中、R1 は平均炭素原子数9〜17のアルキル基又はアルケニル基、R2は平均炭素原子数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を表す。pは2〜4の整数であり、qは0〜3の整数であり、zは1または2の整数である。)
R3COOH ‥‥(G)
(一般式(G)中、R3は、平均炭素数7〜25の直鎖又は分岐鎖又は水酸基を有する飽和、不飽和炭化水素である。) - (1)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と(2)高級脂肪酸との配合割合(質量比)が、(1):(2)=0.5:9.5〜3:1であり、(1)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤と(2)高級脂肪酸との合計配合量が0.15〜4.5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
- 微粒子酸化チタンの平均粒子径が0.2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
- カチオン界面活性剤が、アルキル鎖長が炭素数12から22の塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムから選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
- カチオン界面活性剤の配合量が、純分として0.01〜3.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
- さらに紫外線吸収剤を配合することを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
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