JP2004230883A - 内装材用シート、内装材、内装材の製造方法およびインクジェット記録用シート - Google Patents

内装材用シート、内装材、内装材の製造方法およびインクジェット記録用シート Download PDF

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理恵 手島
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浩史 塚本
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和夫 戸谷
Takehiko Kishimoto
威彦 岸本
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Abstract

【課題】壁紙などの内装材に使用される内装材用シート関するものであり、エンボスなどの凹凸加工適性に優れ、隠蔽性も高く、各種記録手段により画像が記録できる内装材用シートを提供する。
【解決手段】パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面にガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを含有する記録層を有し、他面に支持体を有する内装材用シートである。また、パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙と、支持体とを貼り合せ、次に、低密度紙上に記録層を塗布乾燥して設け、型付け加工により凹凸模様を形成した後、画像の記録を行なうことを特徴とする内装材の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、壁紙などの内装材に使用される内装材用シート関するものであり、特にインクジェット法により画像が記録でき、かつエンボスなどの凹凸加工適性に優れた内装材用シートに関する。
近年、住空間の高級化・多様化に伴い室内装飾用内装材が多く使用されている。その内装材の代表的なものとしてビニル壁紙が挙げられる。ビニル壁紙は価格が安く、印刷加工、発泡加工、エンボス加工等の加工適性に優れるため、豊富なデザインが提供され、好まれている。しかしながら、ビニル壁紙はビニル化粧層中に可塑剤が含まれているため、その可塑剤による問題を有している。
このような可塑剤の問題を有していない壁紙として、例えば、特開平3−241099号公報に開示されたアクリル樹脂を化粧層とした壁紙や、特開平9−31900号公報に開示されている木材パルプにオレフィン繊維を混合抄紙する方法が開示されているが、コストが高くなることは避けられない。さらに、これらの内装材も従来の内装材と変わらず、250μm以上の深いエンボスを施すことができず、豊富なデザイン性を付与することが困難であるという問題点を有している。
このような問題点を解決するために、出願人は、エンボス加工性が良好で、隠蔽性が高く、紙層間剥離性に優れた壁装材として、パルプ繊維層に均一分散保持された発泡体粒子を含有する低密度紙に裏紙を貼合することにより、従来のビニル壁紙に比べ、環境上安全で、優れたエンボス性、隠蔽性、施工性、紙層間剥離性、難燃性を備えた壁装材となること先に提案した(例えば、特許文献1参照。)。
一方、顧客のニーズに合わせたオリジナリティを有する内装材を提供することが望まれている。印刷機で大量に生産する壁紙ではなく、プリンタやプロッタなどで他に無い図柄や画像を記録した小ロットやオリジナルの内装材が要求されている。
このような内装材としては、無機顔料を多く含有する基紙にインク受容層を形成し、凹凸状の模様を形成したインクジェット記録紙などが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−152699号(第1−2頁) 特開平8−2096号(第1−2頁)
しかし、上記特許文献1に記載の内装材は、プリンターなどの出力装置での記録に適さないので、小ロットの内装材の提供には適さない。
一方、上記特許文献2に記載のインクジェット記録紙は、インクジェット記録による記録適性を有するが、内装材として必要な隠蔽性、施行性などが適さない。
更に、特許文献1で開示されている内装材の表面に、特許文献2のようなインク受容層を単に形成すると、エンボス加工の適性が損なわれ、更にインクジェット記録の記録適性も低下するという問題が発生した。
1.第1発明
本発明者らは、エンボス加工性が良好で、隠蔽性が高く、紙層間剥離性に優れ、プリンタなどでの記録適性を有する内装材を得るべく鋭意検討を行った結果、パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙と支持体を貼合した基材を用い、特定範囲のガラス転移点を有する非水溶性バインダーを用いることにより、達成できることを見出し本発明を完成させるに至った。本第1発明は、以下の各発明を包含する。
(1)パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面にガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを含有する記録層、他面に支持体を有することを特徴とする内装材用シートである。低密度紙は、パルプ繊維層に均一に分散保持された発泡体粒子を有することが好ましい。前記低密度紙の密度が0.1g/cm以上、0.3g/cm以下であることが好ましい。前記発泡性粒子が、熱膨張性マイクロカプセルであることが好ましい。
(2)内装用シートの記録層面が、型付け加工を施されている(1)記載の内装材用シートである。型付け加工は、エンボスロールにより形成されていることが好ましい。型付けの型は、凹凸状であり、凹部の深さは30μm以上が好ましい。より好ましい凹部の深さは30μm以上、500μm以下である。
(3)記録層がインクジェット記録適性を有する(1)又は(2)のいずれかに記載の内装材用シートである。記録層は、インク定着剤を含有することが好ましい。インク定着剤としては、カチオン性化合物が好ましい。記録層は、顔料を含有することが好ましい。顔料は多孔性顔料であることが好ましく、顔料が非晶質シリカであることがより好ましい。
(4)記録層が、平均粒子径5〜15μmの顔料を含む(3)記載の内装材用シートである。
(5)記録層が非水溶性バインダーと水溶性バインダーを含有する(3)又は(4)のいずれかに記載の内装材用シートである。
(6)水溶性バインダーがシラノール化ポリビニルアルコールである(5)記載の内装材用シートである。
(7)前記支持体が無機質紙又は難燃紙であること(1)〜(6)のいずれかに記載の内装材用シートである。
(8)パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙と支持体が熱可塑性樹脂により貼合してなる(1)〜(7)のいずれかに記載の内装材用シートである。前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレンであることが好ましい。
(9)内装材用シートの記録層を有さない面に、粘着剤層を有する(1)〜(8)のいずれか記載の内装材用シート。
2.第2発明
本発明者らは、エンボス加工が鮮明で、隠蔽性が高く、紙層間剥離性に優れ、プリンタなどでの記録適性を有する内装材を得るべく鋭意検討を行った結果、パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙と支持体を貼合した基材を用い、深さ30μm以上で、記録層がひび割れが生じない型付け加工を施すことにより、達成できることを見出し発明を完成させるに至った。本第2発明は、以下の各発明を包含する。
[1]パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、記録層、他面に支持体を有し、且つ記録層面側より、深さ30μm以上の凹部を有し、且つ、記録層面に型付けによるひび割れを有さないように型付け加工を施されていることを特徴とする内装材用シートである。記録層にガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを含有することが好ましい。型付け加工は、エンボスロールにより形成されていることが好ましい。
[2]記録層面側より、深さ30μm以上500μm以下の凹部を有し、且つ凹部の深さをシートの厚さで割った値が0.05以上、0.85以下である[1]記載の内装材用シートである。
[3]記録層がインクジェット記録適性を有する[1]又は[2]記載の内装材用シートである。記録層にインク定着剤を含有することが好ましい。インク定着剤としては、カチオン性化合物が好ましい。記録層が顔料を含有することが好ましい。顔料は多孔性顔料であることが好ましく、顔料が非晶質シリカであることがより好ましい。
[4]記録層が、平均粒子径5〜15μmの顔料を含む[3]記載の内装材用シートである。
[5]記録層が非水溶性バインダーと水溶性バインダーを含有する[3]又は[4]のいずれかに記載の内装材用シートである。
[6]水溶性バインダーがシラノール化ポリビニルアルコールである[5]記載の内装材用シートである。
[7]前記支持体が無機質紙又は難燃紙であること[1]〜[6]のいずれかに記載の内装材用シートである。
[8]パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙と支持体が熱可塑性樹脂により貼合してなる[1]〜[7]のいずれかに記載の内装材用シートである。前記熱可塑性樹脂がポリエチレンであることが好ましい。
[9]内装材用シートの記録層を有さない面に、粘着剤層を有する[1]〜[8]のいずれか記載の内装材用シートである。
3.第3発明
また、第3発明は、上記の第1発明、第2発明の内装材用シートを用いた内装材として、以下の各発明を包含する。
{1}上記第1発明、第2発明のいずれかに記載の内装材用シートの記録層に、画像の記録を行なった内装材である。
{2}画像の記録がインクジェット記録の方式である{1}記載の内装材である。
{3}インクジェット記録が顔料インクを用いたインクジェット記録である{2}記載の内装材である。
{4}インクジェット記録上に、オーバーコート層を設けた{1}〜{3}のいずれかに記載の内装材である。
4.第4発明
更に、第4発明は、下記の内装材の製造方法を包含する。
<1>パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙と支持体を貼り合せ、次に、低密度紙上に記録層を塗布乾燥して設け、エンボス加工により凹凸模様を形成した後、画像の記録を行なう内装材の製造方法である。
<2>画像の記録がインクジェット記録である<1>記載の内装材の製造方法である。
<3>インクジェット記録が顔料インクを用いて行なう<2>記載の内装材の製造方法である。
5.第5発明〜第6発明
そして、第5発明〜第6発明は、鮮明なエンボス形状を有するとともに、インクジェット記録適性に優れた以下のインクジェット記録用シートを包含する。
「1:第5発明」パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、ガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを含有するインクジェット記録層、他面に支持体を有するシートに、型付け加工を施されていることを特徴とするインクジェット記録用シートである。
「2:第6発明」パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、インクジェット記録層、他面に支持体を有し、且つインクジェット記録層が深さ30μm以上500μm以下の凹部を有し、インクジェット記録層面に型付けによるひび割れを有さないように型付け加工を施されていることを特徴とするインクジェット記録用シートである。
インクジェット記録層が深さ30μm以上500μm以下の凹部を有し、凹部の深さをシートの厚さで割った値が0.05以上、0.85以下となるように型付け加工が施されていることが好ましい。
本発明の内装材用シートは、エンボス加工性が良好で、隠蔽性が高く、紙層間剥離性に優れ、プリンタ(特にインクジェット方式)などでの記録適性を有する。本発明の内装材は、記録濃度が高く、ニジミのない、鮮明な画像を有する。本発明の内装材の製造方法は、小ロットやオリジナルの内装材を容易に製造することができる。本発明のインクジェット記録用シートは、従来にない表面風合いと記録適性を両立する。
「低密度紙について」
本発明でいう低密度紙は、パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する紙である。
パルプ繊維層を構成するパルプとしては、NBKP、LBKP、NBSP、LBSPその他の木材パルプ又はリンターパルプのような非木材パルプを挙げることができ、その内1種以上を使用する。ECF、TCFパルプの使用や、古紙由来の再生パルプを配合しても構わない。また、目的に応じて適宜、ガラス繊維、ビニロン繊維、セピオライト等の鉱物繊維、合成繊維等を併用してもよい。
発泡体粒子は、発泡性粒子として熱膨張性マイクロカプセルを用いて発泡させたものが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルには最適発泡温度が異なるものがあるが、抄紙機ドライヤーの温度条件を考慮して選定すれば良い。発泡性粒子の添加量は対パルプ3〜20質量%が好ましい。3質量%未満では生成する発泡体粒子の効果が不十分のため、基紙の密度が0.3g/cm以下に低下しない。20質量%を越えると、コストアップ原因となる上に、高坪量の抄紙をする場合に、紙の厚さ方向への熱伝導率が不均一となり、巾方向の厚さコントロールが困難となる。パルプ繊維層中に発泡性粒子が均一に分散されていることが好ましい。
低密度紙には、上記パルプ、発泡性粒子の他に、無機粉体、製紙用薬品を配合できる。
無機粉体としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、各種無機水和物等の吸熱脱水反応を伴うもの、又は通常製紙産業で使用されている炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、酸化チタン等を挙げることができる。目的に応じて、前記無機粉体の1種又は2種以上を併用して使用してもよい。
製紙用薬品としては、通常の抄紙で用いられるサイズ剤、その定着剤、紙力剤、さらには無機粉体の歩留まり向上剤等が挙げられる。サイズ剤としてはアルキルケテンダイマー、スチレン−アクリル樹脂、ロジン等の内添サイズ剤がある。その定着剤としてはカチオン系の薬品が選ばれる。例えば中性抄紙の場合にはポリアミド−ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂が好ましく使用されるが、酸性抄紙の場合には硫酸バンド等の薬品が使用される。紙力剤としてはポリアクリルアミド系の紙力剤がある。無機粉体の歩留まり向上剤としてはベントナイトクレーの様な両性の無機化合物等がある。もちろん本発明は前記薬品に限定されるものではない。
低密度紙は、上記材料からなる原料・薬品のスラリーを常法により抄紙する。抄紙は通常の長網抄紙機、円網抄紙機、短網抄紙機、傾斜抄紙機、各種コンビネーション抄紙機等いずれでもよく、特に限定されるものではない。低密度紙の坪量は50〜200g/mが好ましい。50g/m以下では低密度紙の厚みが不足し内装材としてのボリューム感に欠ける。200g/m以上では地合を均一に抄紙するのが困難となり発泡ムラが顕在化しやすくなる。発泡・乾燥は通常の多筒ドライヤー、ヤンキードライヤー、スルードライヤー等何れでもよく、特に限定されないが、ドライヤー表面温度、熱風温度が高いほど低密度化し易い傾向がある。
かくして得られた低密度紙に難燃剤等を含浸処理しても良い。難燃剤等の含浸方法は通常のオンマシンサイズプレス含浸、あるいはオフマシン含浸のいずれで行っても良い。難燃剤としては、例えばスルファミン酸グアニジン、りん酸グアニジン、硫酸グアニジン、スルファミン酸アンモニウム、りん酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等を挙げることができる。
また、含浸液中にはエンボス性を強化すべくデンプン、ポリビニルアルコール、メチロール化メラミン、SBRラテックス、NBRラテックス、エチレン−酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル樹脂、エチレン−塩化ビニル樹脂、エチレン−塩化ビニル−アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メチルメタアクリレート−ブタジエン樹脂、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル樹脂等の天然又は合成樹脂の1種又は2種以上を併用してもよい。
更に、アルキルケテンダイマー、アクリル又はシリコーン系化合物等のサイズ剤、ジシアンジアミド、ジシアンジアミドのメチロール化物等の耐熱変色剤や、銀又は銅を配合した無機系抗菌防黴剤、ヒノキチオール、キトサン等の天然有機系抗菌剤、4級アンモニウム塩を付加した有機系抗菌剤等の抗菌防黴剤を1種以上配合してもよい。
このような低密度紙は、一般に低密度であるが故に、サイズ性が発現し難い。サイズ性が不足すると、例えば、内装材を壁面に施工する際に塗布される糊が紙層内部まで浸透し、壁面に貼れなくなるというトラブルを誘発するおそれがある。糊をつけてから壁に施工するまでの時間をオープンタイムといい、オープンタイムが長い方が施工しやすい。このため、本発明では支持体を低密度紙の片面に貼合し、糊のしみこみを防止する。
「支持体について」
支持体としては、紙類、合成紙類、プラスチックフィルム類、不織布類などが使用できる。合成紙、プラスチックフィルム、不織布の場合、難燃性を有する材料を選択するか、難燃剤を配合することが好ましい。紙類の場合は、通常の紙も使用できるが、難燃性を有する紙の使用が好ましい。
難燃性の有する紙とは、例えば、紙に難燃剤を塗布あるいは含浸したもの、あるいはセルロースパルプに難燃性の有機物質や無機物質を湿式抄紙法により含有せしめたものが知られている。代表的はものとしては、難燃剤としてスルファミン酸グアニジンを紙に含浸処理した難燃紙や、無機粉体として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、各種無機水和物の吸熱脱水濃縮反応を伴うものをパルプと混抄した無機質紙が挙げられる。無機質紙は、上記パルプと無機粉体を混合し、歩留り向上剤やバインダーを適宜選択し、通常の抄紙方法によって抄紙する。このような無機質紙、難燃紙が本発明の内装材用シートの支持体として好ましく使用でされる。
「低密度紙と支持体の貼合について」
このようにして得られた低密度紙と支持体を貼合するにあたっては、難燃性を重視する場合には水ガラスを主とした無機系接着剤が使用できる。他方、難燃性を多少犠牲にできる場合には、接着剤の塗布量を少量に制限しながら、デンプン糊や酢酸ビニル樹脂系接着剤、ポリビニルアルコール、ニトリルゴム系の有機系高分子接着剤を使用することができる。
また、低密度紙と支持体を熱可塑性樹脂によるドライラミネートで行なってもかまわない。この場合、難燃性は低下するものの、壁に施工した場合、壁からの水分の進入を裏紙までで抑えられるので黴の発生が抑制されるので好ましい。
より高いエンボス性と難燃性を付与するためには、熱可塑性樹脂に難燃剤を練り込んだコンパウンドを使用して、貼合機にて溶融、貼合するとよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリプロピレン等が挙げられ、配合する難燃剤の熱分解温度を考慮しながら、適宜選択できる。ただし接着性及び溶融のさせやすさから、ポリエチレンがより好ましい。
また、難燃剤としては、貼合時の熱溶融に耐えられるもので、かつ水に不溶のものを選択して使用する。例えば臭素系難燃剤、硫酸メラミン等が挙げられる。難燃剤の配合量としては、熱可塑性樹脂に対し5〜30質量%が好ましい。5質量%未満では難燃性が不十分であり、30質量%を越えると低密度紙と裏紙の接着性が不十分となってしまう。
本発明は、このような低密度紙と支持体を貼合する。例えば、低密度紙のみでは、内装材を壁面に施工する際に塗布される糊が紙層内部まで浸透し、壁面に貼れなくなるというトラブルを誘発するおそれがある。なお、支持体の片面に発泡体粒子を塗工した層した構成では、壁紙の風合いが損なわれるばかりか、内装材の強度も低下する。
「記録層について」
(記録方式について)
記録層としては、インクジェット記録方式、熱転写記録方式、感熱記録方式、電子写真記録方式、静電記録方式など、公知の記録方式の記録層が例示できる。特に、内装材用シートの記録層としては、広幅で記録を行うことができるインクジェット記録方式の記録層が好ましい。
(バインダーについて)
本発明は、低密度紙の他面に、記録層を形成する。しかし、単に記録層を形成すると、後のエンボス加工を施した際に、不鮮明な凹凸形状しか得られない。
本第1発明は、記録層にガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを用いることにより、エンボス加工の適性が優れることを見出したのである。
因みに、非水溶性バインダーを含まない水溶性バインダーで記録層を形成すると、記録層が硬くなり、エンボス加工を施すと、記録層にひび割れが生じてしまう。また、ガラス転移点が70℃を超えるような非水溶性バインダーを用いた場合も、記録層が硬くなり、エンボス加工を施すと、記録層にひび割れが生じてしまう。一方、ガラス転移点が−30℃に満たないような非水溶性バインダーを用いた場合は、記録層の塗膜強度が弱く、エンボスの凹凸型が不鮮明になってしまう。好ましい非水溶性バインダーのガラス転移点は、−20〜50℃程度である。
非水溶性バインダーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体等の水分散性高分子接着剤、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、カチオン性基等の官能基含有変性重合体、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化樹脂等の合成樹脂系の水性接着剤、無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリルアミド系、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブチラール系、アルキッド樹脂系等の合成樹脂系接着剤などの高分子が例示でき、これらの中から、ガラス転移点が−30〜70℃のものを単独或いは併用して使用する。中でも、水分散性高分子接着剤の使用が好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体がより好ましく、特にアクリル系重合体とエチレン−酢酸ビニル共重合体は、顔料および低密度紙との接着性が良く、かつインクとの親和性が良く吸液性を向上させるので、好ましい。
記録層には、記録層の接着強度を高めるために、必要に応じてポリビニルアルコールおよびその誘導体、カゼイン等の蛋白質、澱粉、およびその澱粉誘導体等の水溶性バインダーを併用することもできる。水溶性バインダーの過剰の使用は、エンボス加工適性を損なうので、水不溶性バインダーと水溶性バインダーを1:1〜1:30、好ましくは1:1〜1:10の割合で併用するとよい。記録方式がインクジェット記録方式の場合、記録層中に顔料を多く含むため、記録層の接着強度が弱くなる傾向にあるので、水溶性バインダーを併用することが好ましい。
水溶性バインダーの中でも、シラノール基で変性されたポリビニルアルコール誘導体の使用が好ましい。シラノール化ポリビニルアルコールとは、珪素を含むビニル化合物を酢酸ビニルと共重合させた後、ケン化することにより、酢酸ビニル単位はビニルアルコールに、珪素含有単量体単位が、シラノール基それぞれ転換させて得られるものである(特開昭58−59203号公報)。シラノール化ポリビニルアルコールは、非晶質シリカ等の無機顔料と特異的に強固に結合するので、発色や解像度を妨げない程の少量で十分な塗膜強度を実現することができる。
なお、本第2発明については、記録層のバインダーとしてガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを必須にするものではなく、公知のバインダーが適宜使用できるが、エンボスの加工適性からして、上記のガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを含有することが好ましい。
(顔料について)
記録層には記録適性を高めるため等の理由により顔料を適宜配合することができる。顔料としては、非晶質シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、焼成クレー、カオリンクレー、タルク、ホワイトカーボン、有機顔料(プラスチックピグメント)等、一般に紙塗工に用いられている顔料が挙げられる。
特に多構成顔料を用いるとインクジェット記録適性が優れるので好ましく、特に非晶質シリカは、多孔性であり、インクジェット記録を行なった場合のインクの吸収性が高く、且つ鮮明な発色を可能とする為、好ましい。この非晶質シリカの使用比率は、記録層の20〜85質量%が好ましい。20質量%より少ないとインク吸収性が不十分となる場合もあり、85質量%より多いとインク受容層の強度の低下し、エンボス加工適性が懸念される。なお、プリンターの要求性能に応じて2種類以上の顔料も併用することが可能である。
また、インクジェット記録の際に、顔料系のインクを用いる場合、記録層中に平均粒子径が5〜15μmの顔料を含むことが、記録濃度が高くなるので好ましい。該顔料は非晶質シリカであることが好ましい。なお、微細な非晶質シリカを併用することもできる。
(その他記録層について)
この他、添加剤として、顔料分散剤、消泡剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保存性改良剤、粘度調整剤、架橋剤、インクジェット記録後の印字物の耐水性を向上させるためのカチオン性樹脂等が製造条件、印字品質、要求性能に応じて適宜使用される。
記録層は、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、スライドビードコーター、カーテンコーター等の公知の塗工設備を用いて、上記非水溶性バインダーを含む塗布液を塗布乾燥して形成できる。
低密度基紙上に記録層を設け後、例えばスーパーカレンダー、グロスカレンダー等で処理し、表面の平滑性を与えることも可能である。
本発明で得られる記録層の塗工量は、インク吸収性、記録特性、保存性等を満足させるかぎり不必要に多くする必要はなく、1〜30g/mの範囲、好ましくは2〜20g/m、より好ましくは3〜15g/mである。記録層が1g/m未満では、バインダー成分の多くが低密度紙中に浸透してしまい、記録層の強度が低下してしまい、エンボス加工適性が悪くなる。更に、インクジェット記録用の記録層の場合、塗工量が少ないとインク吸収容量が不足し、画像が流れ出したり、色にじみ込みが生じ、画像がぼけてしまったり、乾燥が遅くロールにインクが付着し、汚れてしまいやすい。また、基紙が吸収するインクの量が多くなるため、カール、ぼこつきが発生しやすくなるという問題がある。30g/mを越える記録層を設けると、塗工層が厚いため、エンボス加工による凹凸の形状がはっきりしなくなる。更に、インクジェット記録用の記録層の場合、塗工量が多くなると、記録層中の顔料と紙との接着性が弱くなり、エンボス加工の際に記録層が剥がれ落ちてしまう。
また、内装材用シートの支持体面には、貼着の際の糊の浸透を防ぐためにバリヤー層を設けてもよく、また、内装材用シートがカールする場合には、樹脂を塗布してカール防止層を形成するか、蒸気を当てたり、水を塗ったりしてカール矯正を行なってもよい。
本第1発明は、パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面にガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを含有する記録層、他面に支持体を有することを特徴とする内装材用シートであるが、型付け加工を施すことをができる。型付け加工は、エンボスカレンダーによるエンボス加工のほか、さまざまな凹凸形状の型(例えば金型)の押し付けによって行なってもよい。
型付け加工の形状は、特に限定するものではなく、梨地、絹目、布目、ホームスパン、波目、格子、市松、唐草等の模様、或いは、円形、三角形、四角形、多角形をはじめ、人形、犬形、猫形、鳥形、魚形、虫形、花形、草形、果実形、樹木形、星形、地形、建物形等の図形、或いは、社標、ロゴ、マーク、国旗等の標章、或いは、氏名、地名、社名、年月日等の文字等、適宜行なうことができ、特に限定するものではない。
本第2発明は、パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、記録層、他面に支持体を有し、且つ記録層面側より、深さ30μm以上の凹部を有し、且つ、記録層面に型付けによるひび割れを有さないように型付け加工を施されていることを特徴とする内装材用シートである。深さが30μmに満たない凹部のみから形成されている場合、内装材として使用する際に、型付けされた凹凸が不鮮明になってしまう。また、記録層面に型付けによるひび割れを有すると、ひび割れ部分の記録ができず、内装用材として適さない。
好ましくは、記録層面側より、深さ30μm以上500μm以下の凹部を有し、且つ凹部の深さをシートの厚さで割った値が0.05以上、0.85以下となるように型付け加工が施されていること内装材用シートである。深さが30μmに満たない凹部のみから形成されている場合、内装材として使用する際に、型付けされた凹凸が不鮮明になってしまう。また、深さが500μmを越えると、記録層面に型付けによるひび割れを発生する傾向が高い。なお、この深さを満足する場合であっても、凹部の深さをシートの厚さで割った値が0.05未満であると、不鮮明な凹凸となってしまい、0.85を越えると、記録層面に型付けによるひび割れを発生する傾向が高くなる。
このような内装材用シートは、エンボス加工する際に、彫刻ロールの型の形状、弾性ロールの材質、ニップの圧力、処理速度、彫刻ロールの温度など調節する。例えば、彫刻ロールの凹凸を30μm以上、好ましくは100〜500μm程度にし、ショアー硬度80〜89°の弾性ロールを組み合わせるとよい。弾性ロールに、彫刻ロールの凹凸形状に対応する凸凹形状を有すると、より深い型付けを行なうことができる。また、弾性ロールの硬度を84〜89°とすると、深い型付けを行なうことができる。彫刻ロールと弾性ロールによるニップ圧は、内装材用シートの厚みや低密度紙の厚み、記録層の厚みを考慮して適宜調節するとよい。また、処理速度は、ゆっくり行なうと、得られる凹部は深くなる。また、彫刻ロールの温度を高くすると、得られる凹部は深くなる。但し、ニップ圧を強くする、処理速度をゆっくり行なう、彫刻ロールの温度を高くすると、いずれも顔料を有する記録層が彫刻ロールに付着して剥がれてしまいやすいので、適宜調節する必要がある。なお、記録層中に、ガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを配合すると、ひび割れを生じ難くなるので、好ましい。また、記録層中に水溶性バインダーを配合すると、記録層の強度が高くなるので、好ましい。型付け加工の形状は特に限定するものではなく、上記第1発明で例示のものが適宜選択できる。
本発明の内装材用シートの支持体面(記録層を有さない面)には、更に、粘着剤層を形成することもできる。勿論、粘着剤層は剥離剤層を有する保護シートで保護してもよい。このような構成の内装材用シートは、貼着の際に、保護シートを剥離して貼付すればよいので、操作が簡便であるので好ましい。粘着剤としては、感圧接着剤、感熱接着剤、再湿潤接着剤など適宜選択するとよい。中でも、無溶剤型の粘着剤が好ましい。
本第3発明は、上記の内装材用シートの記録層に画像を記録した内装材である。
記録層は、インクジェット記録方式、熱転写記録方式、感熱記録方式、電子写真記録方式など、記録層に対応した記録方法により画像などを記録する。特に、インクジェット方式による記録は、画像は鮮明であり、広幅の記録が行なえるので好ましい。インクジェット方式の記録には、市販のインクジェットプリンターやインクジェットプロッタが使用できる。特に、記録の際に顔料インクを用いると、画像の保存性が優れるので好ましい。
なお、記録する画像としては特に限定するものではなく、写真画像、絵画、イラスト、模様、図形、標章、文字などを適宜採用できる。
インクジェット記録を行なった後は、その記録面に保護層を形成することが好ましい。例えば、透明な保護フィルムを貼着する、熱可塑性樹脂をラミネートする、オーバーニス(例えばFDクリアーコートD−1,東洋インキ製造(株)等)等を記録面にハケ、スプレー、ロールなどにより塗布するなど、インクジェット記録用紙の公知の保護層形成手段が採用できとよい。
内装材用シートは、低密度紙と支持体を貼り合せ、次いで記録層を塗布乾燥して形成しても、低密度紙に記録層を塗布乾燥した後、支持体と貼り合せてもよいが、先に低密度紙と支持体を貼り合せた方が、記録層を形成する際の塗工機での操作性に優れるので好ましい。例えば、貼り合せの工程で、記録層に傷が付くことを防ぐことができる。
本第4発明は、パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙と、支持体とを貼り合せ、次に、低密度紙上に記録層を塗布乾燥して設け、型付け加工により凹凸模様を形成した後、画像の記録を行なうことを特徴とする内装材の製造方法である。
本発明の内装材用シートは、エンボス加工性が良好で、隠蔽性が高く、紙層間剥離性に優れ、プリンタ(特にインクジェット方式)などでの記録適性を有する。本発明の内装材は、記録濃度が高く、ニジミのない、鮮明な画像を有するものであるが、内装材用として使用せず、単に、インクジェット記録用シートとして使用することが可能である。
本第5発明は、パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、ガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを含有するインクジェット記録層、他面に支持体を有するシートに、型付け加工を施されていることを特徴とするインクジェット記録用シートである。
本第6発明は、パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、インクジェット記録層、他面に支持体を有し、且つインクジェット記録層が深さ30μm以上500μm以下の凹部を有し、インクジェット記録層面に型付けによるひび割れを有さないように型付け加工を施されていることを特徴とするインクジェット記録用シートである。
なお、インクジェット記録層が深さ30μm以上500μm以下の凹部を有し、凹部の深さをシートの厚さで割った値が0.05以上、0.85以下となるように型付け加工が施されていることが好ましいインクジェット記録用シートである。
これらのインクジェット記録用シートは、従来にない表面風合いと記録適性を両立するものである。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下において%及び部とあるのはそれぞれ質量%及び質量部を示す。
実施例1
〔低密度紙の製造〕
NBSPを常法によりフリーネス450csfまで叩解し、発泡性粒子として熱膨張性マイクロカプセル(商品名:マイクロスフェアーF−30、松本油脂社製)をパルプ質量に対して3%、製紙用薬品としてはサイズ剤としてアルキルケテンダイマー(商品名:サイズパイン、荒川化学社製)を0.3%、その定着剤としてポリアミド・ポリアミンエピクロルヒドリン(商品名:エピノックス、三井化学社製)を0.3%、紙力剤としてはポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン、荒川化学社製)0.3%をパルプ質量に対して添加して紙料を調製した。この紙料から坪量90g/mの紙を抄紙した。発泡性粒子は加熱乾燥時に発泡して低密度紙が得られた。なお、乾燥は140℃の熱風乾燥機で10分間行った。
〔支持体の製造〕
NBSPを常法によりフリーネス300mlcsfまで叩解し、無機粉体として水酸化アルミニウム(昭和電工社製)を添加した。水酸化アルミニウムの粒径は1μm:8μm=5:5とし、原紙質量当たり70%となるように添加した。また合成繊維としてポリエステル繊維(1.4d×5mm、ユニチカ社製)を全質量当たり2%添加し、バインダー繊維として溶解性ビニロン繊維(1.5d×3mm、クラレ社製)を全質量当たり1.0%添加した。さらに歩留まり向上剤としてカチオン性高分子化合物ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(三井化学社製)0.6%、アニオン性高分子化合物ポリアクリルアミド(アライコロイド社製)を0.01%添加した。また中性サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(荒川化学社製)を0.25%添加して紙料を調製し、実験室手抄きマシンを用いて坪量110g/mのシートを作成した。
実験室サイズプレス機にて、紙表面にスチレン−ブタジエンゴムラテックス及びポリアクリルアミドからなる表面塗布剤を塗布した。表面塗布剤はスチレン−ブタジエンゴムラテックス(商品名:T−2418C、JSR社製)とポリアクリルアミド(商品名:PC−305、荒川化学社製)を絶乾質量比で4:1に混合し、固形分濃度15%の水溶液とした。塗布量は両面にて6g/mであった。
〔低密度紙と支持体の貼合〕
このようにして得られた低密度紙と無機質紙とを、酢酸ビニル系接着剤(商品名:CF630、コニシ社製)を絶乾質量25g/m 塗布して貼合し、乾燥して、低密度紙と無機質紙を貼合した貼合基材を得た。
〔記録層用塗液の調整〕
シラノール化ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、クラレ社製)30部に水470部を加え、90℃に加温しながら撹拌し、シラノール化ポリビニルアルコールを水に溶解させ、シラノール化ポリビニルアルコール6%水溶液を得た。
この水溶液に、非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−60、トクヤマ社製、吸油量290ml/100g、平均粒子径5.9μm)50部と酢酸ビニル−エチレン系ラテックス(商品名:スミカフレックスS−470、ガラス転移点:0℃、住友化学社製)10部とポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)10部を混合し、攪拌してインク受容層塗料を得た。
〔記録層の作成〕
上記記録層用塗料を、前記貼合基材の低密度紙の上に乾燥後の塗工質量が10.0g/mとなるようにバーコーターで塗工し、110℃下で乾燥して内装材用シートを形成した。
〔エンボス加工〕
得られた内装材用シートを、網目模様を有した彫刻ロールを用い、内装材用シートの記録層面が彫刻ロールとなるようにしてエンボスカレンダー処理を行い、網目模様を持つ内装材用シートを作製した。内装材用シートの厚みは420μmであり、凹部の深さは230μmであった。
実施例2
実施例1の記録層用塗液の調整において、酢酸ビニル−エチレン系ラテックスに代えて、酢酸ビニル−エチレン共重合体(商品名:スミカフレックスS−410、ガラス転移点:−18℃、住友化学社製)を用いた以外は実施例1と同様にして内装材用シートを形成し、同様にエンボス加工をして網目模様を持つ内装材用シートを作製した。内装材用シートの厚みは400μmであり、凹部の深さは250μmであった。
実施例3
実施例1の記録層用塗液の調整において、酢酸ビニル−エチレン系ラテックスに代えて、アクリル系エマルジョン(商品名:AE173、ガラス転移点:60℃、JSR社製)を用いた以外は実施例1と同様にして内装材用シートを形成し、同様にエンボス加工をして網目模様を持つ内装材用シートを作製した。内装材用シートの厚みは410μmであり、凹部の深さは210μmであった。
比較例1
実施例1の記録層用塗液の調整において、酢酸ビニル−エチレン系ラテックスに代えて、アクリルエマルジョン(商品名:リカボンドFK−820、ガラス転移点:−35℃、中央理化社製)を用いた以外は実施例1と同様にして内装材用シートを形成し、同様にエンボス加工をして網目模様を持つ内装材用シートを作製した。内装材用シートの厚みは390μmであり、凹部の深さは250μmであった。
比較例2
実施例1の記録層用塗液の調整において、酢酸ビニル−エチレン系ラテックスに代えて、アクリル系エマルジョン(商品名:ビニブラン2647、ガラス転移点:78℃、日信化学社製)を用いた以外は実施例1と同様にして内装材用シートを形成し、同様にエンボス加工をして網目模様を持つ内装材用シートを作製した。内装材用シートの厚みは425μmであるが、エンボスパターンが壊れていた。
比較例3
実施例1の記録層用塗液の調整において、酢酸ビニル−エチレン系ラテックスを用いなかった以外は実施例1と同様にして内装材用シートを形成し、同様にエンボス加工をして網目模様を持つ内装材用シートを作製した。内装材用シートの厚みは430μmであるが、エンボスパターンが壊れていた。
得られた内装材用シートについて、下記の評価を行なった。
〔内装材用シート適性〕
得られたエンボス加工を施した内装材用シートについて、次の評価を行なった。
「エンボス適性」
エンボスの入り方を観察した。
○:きちんとエンボスパターンが入っている
△:エンボスパターンがやや不鮮明
×:エンボスパターンが不鮮明
*:エンボスパターンが壊れている
「隠蔽性」
隠蔽性はJIS A 6921に準じて行なった。
○:4級合格
×:4級不合格
「難燃性」
難燃性は、JIS A 1321規定の表面燃焼試験結果により判断した。
〔記録適性〕
次に得られたエンボス加工を施した内装材用シートにインクジェット大判プリンタ(商品名:hp designjet 5000PS、顔料インクタイプ、モード:厚手コート紙、ヒューレット・パッカード社製)を用いて画像を記録して内装材とし、次の評価を行なった。
「インク乾燥性」
インク乾燥性の評価は、プリントしたインクが乾燥するまでの秒数を測定した。5秒以下を○、6〜10秒を△、11秒以上を×で示した。
「印字濃度」
シアン、マゼンタ、イエロー混色によるミックスブラックおよびシアンインクのベタ印字部の濃度をマクベス濃度計(形式:RD−914、マクベス製)を用いて測定した。その結果、優れた印字濃度を示したものを○、やや薄いが実用上問題のないレベルのものを△、薄すぎて実用に耐えないものを×とランク付けした。
「ニジミ」
異なった色の隣り合った部分のにじみ状態を目視で評価した。その結果、にじみがほとんど認められなかったものを○、ややにじみが認められるが実用上問題のないレベルのものを△、にじみが大きすぎて実用に耐えないものを×とランク付けした。
〔内装材作業適性〕
インクジェットプリンタで記録をして得た内装材を用い、次の評価を行なった。
「施工性」
施工性は、内装材の裏面に糊を塗布し、1時間放置した後に壁に貼れるかどうかを評価した。
○:貼れた
×:貼れなかった
「剥離性」
剥離性は壁に張った内装材を手で剥がした時にきれいに層間から剥がれるかどうかを評価した。
○:剥がれた
×:剥がれなかった
各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2004230883
本発明の内装材用シートは、エンボス加工性が良好で、隠蔽性が高く、紙層間剥離性に優れ、記録適性を備えるもので、記録された内装材は、建築物の天井、壁表面や床、襖や扉、家具などの表面、自動車、バスや電車などの内装に使用することができる。また、単に、インクジェット記録用シートとして利用することも可能である。

Claims (13)

  1. パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、ガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを含有する記録層、他面に支持体を有することを特徴とする内装材用シート。
  2. 内装用シートの記録層面が、型付け加工を施されている請求項1記載の内装材用シート。
  3. パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、記録層、他面に支持体を有し、且つ記録層面側より、深さ30μm以上の凹部を有し、且つ、記録層面に型付けによるひび割れを有さないように型付け加工を施されていることを特徴とする内装材用シート。
  4. 記録層面側より、深さ30μm以上500μm以下の凹部を有し、且つ凹部の深さをシートの厚さで割った値が0.05以上、0.85以下である請求項3記載の内装材用シート。
  5. 記録層がインクジェット記録適性を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の内装材用シート。
  6. 記録層が平均粒子径5〜15μmの顔料を含有する請求項5記載の内装材用シート。
  7. 記録層が非水溶性バインダーと水溶性バインダーを含有する請求項5又は6記載の内装材用シート。
  8. 水溶性バインダーがシラノール化ポリビニルアルコールである請求項7記載の内装材用シート。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の内装材用シートの記録層に画像を記録した内装材。
  10. パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙と、支持体とを貼り合せ、次に、低密度紙上に記録層を塗布乾燥して設け、型付け加工により凹凸模様を形成した後、画像の記録を行なうことを特徴とする内装材の製造方法。
  11. パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、ガラス転移点が−30〜70℃の非水溶性バインダーを含有するインクジェット記録層、他面に支持体を有するシートに、型付け加工を施されていることを特徴とするインクジェット記録用シート。
  12. パルプ繊維層に発泡体粒子を含有する低密度紙の片面に、インクジェット記録層、他面に支持体を有し、且つインクジェット記録層が深さ30μm以上500μm以下の凹部を有し、インクジェット記録層面に型付けによるひび割れを有さないように型付け加工を施されていることを特徴とするインクジェット記録用シート。
  13. インクジェット記録層が深さ30μm以上500μm以下の凹部を有し、凹部の深さをシートの厚さで割った値が0.05以上、0.85以下となるように型付け加工が施されている請求項12記載のインクジェット記録用シート。

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