JP2004230527A - 加工液循環装置 - Google Patents
加工液循環装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004230527A JP2004230527A JP2003023963A JP2003023963A JP2004230527A JP 2004230527 A JP2004230527 A JP 2004230527A JP 2003023963 A JP2003023963 A JP 2003023963A JP 2003023963 A JP2003023963 A JP 2003023963A JP 2004230527 A JP2004230527 A JP 2004230527A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- processing
- waste liquid
- waste
- working fluid
- filter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000012530 fluid Substances 0.000 title claims abstract description 49
- 239000002699 waste material Substances 0.000 claims abstract description 79
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims abstract description 69
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 38
- 238000004062 sedimentation Methods 0.000 claims description 14
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 claims description 12
- 238000003754 machining Methods 0.000 abstract description 12
- 238000001914 filtration Methods 0.000 abstract description 4
- 238000004064 recycling Methods 0.000 abstract 1
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 7
- 230000001737 promoting effect Effects 0.000 description 6
- 239000000498 cooling water Substances 0.000 description 3
- 238000001556 precipitation Methods 0.000 description 3
- 239000002244 precipitate Substances 0.000 description 2
- 239000002351 wastewater Substances 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 239000012510 hollow fiber Substances 0.000 description 1
- 239000012528 membrane Substances 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)
Abstract
【課題】加工に際して加工液が使用される加工装置に連結され、使用済みの加工液を濾過して再利用を図る加工液循環装置において、ユニットの小型化を図り、及び、ポンプ及び温度コントローラの損傷を防止する。
【解決手段】加工液として使用された廃液を収容する廃液タンク11と、廃液タンク11内の廃液に浸漬するフィルタ12と、フィルタ12によって濾過された濾過水を吸引するサクションポンプ13と、サクションポンプ13に連結され濾過水を所定の温度に調整する温度コントローラ14とを少なくとも備えた加工液循環装置10を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】加工液として使用された廃液を収容する廃液タンク11と、廃液タンク11内の廃液に浸漬するフィルタ12と、フィルタ12によって濾過された濾過水を吸引するサクションポンプ13と、サクションポンプ13に連結され濾過水を所定の温度に調整する温度コントローラ14とを少なくとも備えた加工液循環装置10を提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済みの加工液を濾過して再利用を図る加工液循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の加工を行う加工装置においては、被加工物の品質向上等のために、加工部位に対して加工液が供給されて加工が行われることがある。
【0003】
例えば、半導体ウェーハ等の半導体部材を切削する切削装置においては、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物を切削する切削手段と、切削手段により切削が行われる切削領域に加工液を供給する加工液供給手段とを備えており、加工液供給手段には、加工液の再利用を図るために加工液循環装置が連結されて使用される場合がある。
【0004】
この加工液循環装置は、廃液タンクにおいて使用済みの加工液(廃液)を収容し、ポンプによって廃液タンクに貯水された廃液を送り出し、ポンプから送り出された廃液の温度を温度コントローラにおいて一定の温度に調整し、一定の温度となった廃液をフィルタユニットによって濾過し、濾過された廃液を切削手段の供給する構成となっている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−157996号公報(第5頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィルタユニットは密閉容器内にフィルタが収容されて構成されるものであり、加圧された廃液が密閉容器内に導入されてフィルタを通過し密閉容器内から流出することで濾過される構成となっているため、フィルタユニットが比較的大型となり、このことが加工液循環装置の小型化を図る上での障害となっている。
【0007】
また、廃液タンクに貯水された廃液をポンプによって送り出す構成であるため、ポンプ及び温度コントローラが廃液によって損傷するという問題もある。
【0008】
従って、加工液循環装置においては、濾過ユニットの小型化を図ること、及び、ポンプ及び温度コントローラの損傷を防止することに課題を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための具体的手段として本発明は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物に加工を施す加工手段と、加工手段により被加工物の加工が行われる加工領域に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えた加工装置に連結される加工液循環装置であって、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンクと、廃液タンク内の廃液に浸漬するフィルタと、フィルタによって濾過された濾過水を吸引するサクションポンプと、サクションポンプに連結され濾過水を所定の温度に調整する温度コントローラとを少なくとも備えた加工液循環装置を提供する。
【0010】
そしてこの加工液循環装置は、廃液タンク内に熱交換機が浸漬し、廃液タンク内の廃液が冷却されること、廃液タンクは、廃液を流入させる導入部と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部と、濾過水をサクションポンプに流出させる流出部とから構成され、フィルタは流出部に浸漬すること、沈殿部には、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬していること、被加工物は半導体部材であり、加工手段は切削ブレードを備えた切削手段であり、加工液は切削水である切削装置に連結されることを付加的要件とする。
【0011】
このように構成される加工液循環装置によれば、廃液タンクにフィルタを浸漬させ、サクションポンプによってフィルタで濾過された濾過水を吸引して温度コントローラに送り出すこととしたため、単体のフィルタユニットが不要となると共に、フィルタによって濾過された加工水がサクションポンプと温度コントローラとを通過するようになることにより、サクションポンプと温度コントローラとを損傷させることがなくなる。
【0012】
また、廃液タンク内に熱交換機を浸漬させれば、冷却水を供給することで廃液または濾過水を冷却することができるため、温度コントローラの構成を簡略化することが可能となる。
【0013】
更に、廃液タンクの沈殿部に細管が傾斜するように段ボール構造体を浸漬させると、沈殿が促進されて流出部に流入する加工屑の量が減少するため、フィルタの負担が軽減される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例として、図1に示す加工液循環装置10について説明する。この加工液循環装置10は、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンク11と、廃液タンク11の内部の廃液に浸漬するフィルタ12と、フィルタ12によって濾過された濾過水を吸引するサクションポンプ13と、サクションポンプ13に連結され濾過水を所定の温度に調整する温度コントローラ14とを少なくとも備えている。
【0015】
廃液タンク11は、図示の例では上側が開口した直方体形状の容器であり、その内部は、垂直方向に配設された隔壁15、16によって、導入部17と沈殿部18と流出部19とに分割されている。
【0016】
導入部17の側面には、廃液を流入させる流入部20が形成されている。また、沈殿部18には、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿促進手段21が収容されることが望ましい。一方、流出部19には、廃液に含まれる加工屑を濾過して濾過水とするフィルタ12が収容される。
【0017】
フィルタ12は、例えば中空糸膜フィルタや糸巻きフィルタにより構成される。フィルタ12にはサクションポンプ13が連結されており、濾過水を吸引することができる。そして、吸引された濾過水は、サクションポンプ13に連結された温度コントローラ14に流入する。
【0018】
温度コントローラ14においては、濾過水を加工に適した温度に調整し、加工装置に供給する。図1の例では、半導体ウェーハ等の半導体部材を切削する切削装置30に濾過水が供給される。
【0019】
この切削装置30は、被加工物を保持する保持手段31と、保持手段31に保持された被加工物に加工(切削)を施す加工手段である切削手段32とを備えており、切削手段32による被加工物の加工は加工領域33において行われる。
【0020】
保持手段31は、X軸方向に移動可能に構成されており、例えば半導体ウェーハを切削する場合は、テープTを介してフレームFと一体となった半導体ウェーハWが保持手段31に保持され、保持手段31が+X方向に移動し、アライメント手段34の直下に位置付けられる。
【0021】
そしてアライメント手段34によって切削すべきストリートが検出された後、保持手段31が更に+X方向に移動することにより、半導体ウェーハWが加工領域33に進入する。
【0022】
切削手段32は全体としてY軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。図2に示すように、切削手段32においては、スピンドル35の先端部に切削ブレード36が装着されて回転可能となっており、切削ブレード36を両側から挟むようにして加工液供給手段である切削水噴出ノズル37a、37bが配設されている。
【0023】
切削時には、保持手段31がX軸方向に往復移動すると共に、高速回転する切削ブレード36が半導体ウェーハWに切り込むことにより、半導体ウェーハWのストリートが順次切削されていく。このとき、図2に示すように、切削水噴出ノズル37a、37bからは、加工領域における加工部位に加工液である切削水が噴出して供給される。この加工液は、図1に示した温度コントローラ14から供給される。
【0024】
上記のようにして加工に供された加工液(切削水)は、図1に示した廃液タンク11に流入する。図3に示すように、廃液タンク11の導入部17と沈殿部18とは、隔壁15の下方において連通している。一方、沈殿部18と流出部19とは、隔壁16の上方において連通している。
【0025】
流入部20から導入部17に廃液が流入すると、隔壁15の下方を通ってその廃液が沈殿部18に流入する。ここで、沈殿部18に収容された沈殿促進手段21としては、例えば図示の例のように、隔壁15、16に対して約30度の角度で傾斜する樹脂等からなる複数の傾斜板21aを備え、隣接する傾斜板との間に複数の細管21bが形成されているダンボール構造体を用いることができる。このダンボール構造体としては、例えば特開平5−200205号公報に開示されたものを使用することができる。
【0026】
導入部17から沈殿部18に流入した廃液は、図1に示したサクションポンプ13による吸引力によって細管21bを上昇して流出部19に流入するが、このとき、廃液に含まれる加工屑は、傾斜板21aに衝突するために上昇せず、傾斜板21aに沿って沈降して沈殿部18の底部に蓄積される。従って、廃液に含まれる加工屑の大半がここで沈殿する。
【0027】
こうして加工屑が沈殿すると、隔壁16の上方を通って流出部19に流入する廃液にはあまり加工屑が含まれていないが、流出部19にはフィルタ12が浸漬されているため、フィルタ12によって廃液に含まれる加工屑を完全に除去し、濾過水を生成することができる。
【0028】
図1を参照して説明を続けると、濾過水は、サクションポンプ13によって流出部19から吸引され、サクションポンプ13を通って温度コントローラ14に流入する。
【0029】
そして、温度コントローラ14において濾過水が切削に適した温度に調整された後、加工領域33に供給されて加工液として使用される。こうして加工液を使用後に廃液タンク19において廃液を濾過して濾過水とすることにより、加工液を循環させて何度でも使用することができる。
【0030】
このように、廃液タンク19にフィルタ12を浸漬させて廃液を濾過し、濾過水がサクションポンプ13及び温度コントローラ14に供給される構成としたことにより、従来は単独で存在したフィルタが不要となり、装置の小型化を図ることができる。
【0031】
また、サクションポンプ13及び温度コントローラ14を通過する濾過水には加工屑が含まれないため、サクションポンプ13及び温度コントローラ14を損傷させることがない。
【0032】
更に、図3に示したように、廃液タンク19内に螺旋管等の熱交換機38を浸漬させ、冷却水を供給して廃液タンク19の内部の廃液または濾過水を充分冷却するように構成すれば、温度コントローラ14を加温のみを行うものとすることができ、温度コントローラ14の構成を簡略化することができる。例えば加工液の温度を22度にしたい場合、熱交換機38によって廃液または濾過水の温度を20度に冷却すれば、温度コントローラ14においては2度加温するだけで済み、構成が簡略化される。
【0033】
なお、本実施の形態においては、沈殿部18に沈殿促進手段21を収容することとしたが、沈殿促進手段21は必ずしも必須ではなく、フィルタ12のみによっても濾過を完全に行うことができる。但し、沈殿促進手段21を備えた場合には、加工屑の沈殿が円滑に行われるため、フィルタ12の負担が軽減され、寿命を延ばすことができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る加工水循環装置においては、廃液タンクにフィルタを浸漬させ、サクションポンプによってフィルタで濾過された濾過水を吸引して温度コントローラに送り出すこととしたため、単体のフィルタユニットは不要となり、装置の小型化を図ることができると共に、フィルタによって濾過された加工水がサクションポンプと温度コントローラとを通過するようになることにより、サクションポンプと温度コントローラとを損傷させず、これらの寿命を延ばすことができる。
【0035】
また、廃液タンク内に熱交換機を浸漬させれば、冷却水を供給することで廃液または濾過水を冷却することができるため、温度コントローラの構成を簡略化することが可能となり、装置をより小型化することが可能となる。
【0036】
更に、廃液タンクの沈殿部に細管が傾斜するように段ボール構造体を浸漬させると、沈殿が促進されて流出部に流入する加工屑の量が減少するため、フィルタの負担が軽減され、寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加工液循環装置及び切削装置を示す説明図である。
【図2】同切削装置における半導体ウェーハの切削の様子を示す斜視図である。
【図3】廃液タンクの構成の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…加工液循環装置 11…廃液タンク
12…フィルタ 13…サクションポンプ
14…温度コントローラ 15、16…隔壁
17…導入部 18…沈殿部 19…流出部
20…流入部 21…沈殿促進手段
21a…傾斜板 21b…細管
30…切削装置 31…保持手段 32…加工手段
33…加工領域 34…アライメント手段
35…スピンドル 36…切削ブレード
37a、37b…切削水噴出ノズル
38…熱交換機
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用済みの加工液を濾過して再利用を図る加工液循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の加工を行う加工装置においては、被加工物の品質向上等のために、加工部位に対して加工液が供給されて加工が行われることがある。
【0003】
例えば、半導体ウェーハ等の半導体部材を切削する切削装置においては、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物を切削する切削手段と、切削手段により切削が行われる切削領域に加工液を供給する加工液供給手段とを備えており、加工液供給手段には、加工液の再利用を図るために加工液循環装置が連結されて使用される場合がある。
【0004】
この加工液循環装置は、廃液タンクにおいて使用済みの加工液(廃液)を収容し、ポンプによって廃液タンクに貯水された廃液を送り出し、ポンプから送り出された廃液の温度を温度コントローラにおいて一定の温度に調整し、一定の温度となった廃液をフィルタユニットによって濾過し、濾過された廃液を切削手段の供給する構成となっている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−157996号公報(第5頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィルタユニットは密閉容器内にフィルタが収容されて構成されるものであり、加圧された廃液が密閉容器内に導入されてフィルタを通過し密閉容器内から流出することで濾過される構成となっているため、フィルタユニットが比較的大型となり、このことが加工液循環装置の小型化を図る上での障害となっている。
【0007】
また、廃液タンクに貯水された廃液をポンプによって送り出す構成であるため、ポンプ及び温度コントローラが廃液によって損傷するという問題もある。
【0008】
従って、加工液循環装置においては、濾過ユニットの小型化を図ること、及び、ポンプ及び温度コントローラの損傷を防止することに課題を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための具体的手段として本発明は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物に加工を施す加工手段と、加工手段により被加工物の加工が行われる加工領域に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えた加工装置に連結される加工液循環装置であって、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンクと、廃液タンク内の廃液に浸漬するフィルタと、フィルタによって濾過された濾過水を吸引するサクションポンプと、サクションポンプに連結され濾過水を所定の温度に調整する温度コントローラとを少なくとも備えた加工液循環装置を提供する。
【0010】
そしてこの加工液循環装置は、廃液タンク内に熱交換機が浸漬し、廃液タンク内の廃液が冷却されること、廃液タンクは、廃液を流入させる導入部と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部と、濾過水をサクションポンプに流出させる流出部とから構成され、フィルタは流出部に浸漬すること、沈殿部には、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬していること、被加工物は半導体部材であり、加工手段は切削ブレードを備えた切削手段であり、加工液は切削水である切削装置に連結されることを付加的要件とする。
【0011】
このように構成される加工液循環装置によれば、廃液タンクにフィルタを浸漬させ、サクションポンプによってフィルタで濾過された濾過水を吸引して温度コントローラに送り出すこととしたため、単体のフィルタユニットが不要となると共に、フィルタによって濾過された加工水がサクションポンプと温度コントローラとを通過するようになることにより、サクションポンプと温度コントローラとを損傷させることがなくなる。
【0012】
また、廃液タンク内に熱交換機を浸漬させれば、冷却水を供給することで廃液または濾過水を冷却することができるため、温度コントローラの構成を簡略化することが可能となる。
【0013】
更に、廃液タンクの沈殿部に細管が傾斜するように段ボール構造体を浸漬させると、沈殿が促進されて流出部に流入する加工屑の量が減少するため、フィルタの負担が軽減される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例として、図1に示す加工液循環装置10について説明する。この加工液循環装置10は、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンク11と、廃液タンク11の内部の廃液に浸漬するフィルタ12と、フィルタ12によって濾過された濾過水を吸引するサクションポンプ13と、サクションポンプ13に連結され濾過水を所定の温度に調整する温度コントローラ14とを少なくとも備えている。
【0015】
廃液タンク11は、図示の例では上側が開口した直方体形状の容器であり、その内部は、垂直方向に配設された隔壁15、16によって、導入部17と沈殿部18と流出部19とに分割されている。
【0016】
導入部17の側面には、廃液を流入させる流入部20が形成されている。また、沈殿部18には、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿促進手段21が収容されることが望ましい。一方、流出部19には、廃液に含まれる加工屑を濾過して濾過水とするフィルタ12が収容される。
【0017】
フィルタ12は、例えば中空糸膜フィルタや糸巻きフィルタにより構成される。フィルタ12にはサクションポンプ13が連結されており、濾過水を吸引することができる。そして、吸引された濾過水は、サクションポンプ13に連結された温度コントローラ14に流入する。
【0018】
温度コントローラ14においては、濾過水を加工に適した温度に調整し、加工装置に供給する。図1の例では、半導体ウェーハ等の半導体部材を切削する切削装置30に濾過水が供給される。
【0019】
この切削装置30は、被加工物を保持する保持手段31と、保持手段31に保持された被加工物に加工(切削)を施す加工手段である切削手段32とを備えており、切削手段32による被加工物の加工は加工領域33において行われる。
【0020】
保持手段31は、X軸方向に移動可能に構成されており、例えば半導体ウェーハを切削する場合は、テープTを介してフレームFと一体となった半導体ウェーハWが保持手段31に保持され、保持手段31が+X方向に移動し、アライメント手段34の直下に位置付けられる。
【0021】
そしてアライメント手段34によって切削すべきストリートが検出された後、保持手段31が更に+X方向に移動することにより、半導体ウェーハWが加工領域33に進入する。
【0022】
切削手段32は全体としてY軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。図2に示すように、切削手段32においては、スピンドル35の先端部に切削ブレード36が装着されて回転可能となっており、切削ブレード36を両側から挟むようにして加工液供給手段である切削水噴出ノズル37a、37bが配設されている。
【0023】
切削時には、保持手段31がX軸方向に往復移動すると共に、高速回転する切削ブレード36が半導体ウェーハWに切り込むことにより、半導体ウェーハWのストリートが順次切削されていく。このとき、図2に示すように、切削水噴出ノズル37a、37bからは、加工領域における加工部位に加工液である切削水が噴出して供給される。この加工液は、図1に示した温度コントローラ14から供給される。
【0024】
上記のようにして加工に供された加工液(切削水)は、図1に示した廃液タンク11に流入する。図3に示すように、廃液タンク11の導入部17と沈殿部18とは、隔壁15の下方において連通している。一方、沈殿部18と流出部19とは、隔壁16の上方において連通している。
【0025】
流入部20から導入部17に廃液が流入すると、隔壁15の下方を通ってその廃液が沈殿部18に流入する。ここで、沈殿部18に収容された沈殿促進手段21としては、例えば図示の例のように、隔壁15、16に対して約30度の角度で傾斜する樹脂等からなる複数の傾斜板21aを備え、隣接する傾斜板との間に複数の細管21bが形成されているダンボール構造体を用いることができる。このダンボール構造体としては、例えば特開平5−200205号公報に開示されたものを使用することができる。
【0026】
導入部17から沈殿部18に流入した廃液は、図1に示したサクションポンプ13による吸引力によって細管21bを上昇して流出部19に流入するが、このとき、廃液に含まれる加工屑は、傾斜板21aに衝突するために上昇せず、傾斜板21aに沿って沈降して沈殿部18の底部に蓄積される。従って、廃液に含まれる加工屑の大半がここで沈殿する。
【0027】
こうして加工屑が沈殿すると、隔壁16の上方を通って流出部19に流入する廃液にはあまり加工屑が含まれていないが、流出部19にはフィルタ12が浸漬されているため、フィルタ12によって廃液に含まれる加工屑を完全に除去し、濾過水を生成することができる。
【0028】
図1を参照して説明を続けると、濾過水は、サクションポンプ13によって流出部19から吸引され、サクションポンプ13を通って温度コントローラ14に流入する。
【0029】
そして、温度コントローラ14において濾過水が切削に適した温度に調整された後、加工領域33に供給されて加工液として使用される。こうして加工液を使用後に廃液タンク19において廃液を濾過して濾過水とすることにより、加工液を循環させて何度でも使用することができる。
【0030】
このように、廃液タンク19にフィルタ12を浸漬させて廃液を濾過し、濾過水がサクションポンプ13及び温度コントローラ14に供給される構成としたことにより、従来は単独で存在したフィルタが不要となり、装置の小型化を図ることができる。
【0031】
また、サクションポンプ13及び温度コントローラ14を通過する濾過水には加工屑が含まれないため、サクションポンプ13及び温度コントローラ14を損傷させることがない。
【0032】
更に、図3に示したように、廃液タンク19内に螺旋管等の熱交換機38を浸漬させ、冷却水を供給して廃液タンク19の内部の廃液または濾過水を充分冷却するように構成すれば、温度コントローラ14を加温のみを行うものとすることができ、温度コントローラ14の構成を簡略化することができる。例えば加工液の温度を22度にしたい場合、熱交換機38によって廃液または濾過水の温度を20度に冷却すれば、温度コントローラ14においては2度加温するだけで済み、構成が簡略化される。
【0033】
なお、本実施の形態においては、沈殿部18に沈殿促進手段21を収容することとしたが、沈殿促進手段21は必ずしも必須ではなく、フィルタ12のみによっても濾過を完全に行うことができる。但し、沈殿促進手段21を備えた場合には、加工屑の沈殿が円滑に行われるため、フィルタ12の負担が軽減され、寿命を延ばすことができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る加工水循環装置においては、廃液タンクにフィルタを浸漬させ、サクションポンプによってフィルタで濾過された濾過水を吸引して温度コントローラに送り出すこととしたため、単体のフィルタユニットは不要となり、装置の小型化を図ることができると共に、フィルタによって濾過された加工水がサクションポンプと温度コントローラとを通過するようになることにより、サクションポンプと温度コントローラとを損傷させず、これらの寿命を延ばすことができる。
【0035】
また、廃液タンク内に熱交換機を浸漬させれば、冷却水を供給することで廃液または濾過水を冷却することができるため、温度コントローラの構成を簡略化することが可能となり、装置をより小型化することが可能となる。
【0036】
更に、廃液タンクの沈殿部に細管が傾斜するように段ボール構造体を浸漬させると、沈殿が促進されて流出部に流入する加工屑の量が減少するため、フィルタの負担が軽減され、寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加工液循環装置及び切削装置を示す説明図である。
【図2】同切削装置における半導体ウェーハの切削の様子を示す斜視図である。
【図3】廃液タンクの構成の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…加工液循環装置 11…廃液タンク
12…フィルタ 13…サクションポンプ
14…温度コントローラ 15、16…隔壁
17…導入部 18…沈殿部 19…流出部
20…流入部 21…沈殿促進手段
21a…傾斜板 21b…細管
30…切削装置 31…保持手段 32…加工手段
33…加工領域 34…アライメント手段
35…スピンドル 36…切削ブレード
37a、37b…切削水噴出ノズル
38…熱交換機
Claims (5)
- 被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物に加工を施す加工手段と、該加工手段により該被加工物の加工が行われる加工領域に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えた加工装置に連結される加工液循環装置であって、
加工液として使用された廃液を収容する廃液タンクと、
該廃液タンク内の廃液に浸漬するフィルタと、
該フィルタによって濾過された濾過水を吸引するサクションポンプと、
該サクションポンプに連結され該濾過水を所定の温度に調整する温度コントローラと
を少なくとも備えた加工液循環装置。 - 廃液タンク内に熱交換機が浸漬し、該廃液タンク内の廃液が冷却される請求項1に記載の加工液循環装置。
- 廃液タンクは、
廃液を流入させる導入部と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部と、濾過水をサクションポンプに流出させる流出部と
から構成され、
フィルタは流出部に浸漬する請求項1または2に記載の加工液循環装置。 - 沈殿部には、該沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している請求項1、2または3に記載の加工液循環装置。
- 被加工物は半導体部材であり、加工手段は切削ブレードを備えた切削手段であり、加工液は切削水である切削装置に連結される請求項1、2、3または4に記載の加工液循環装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003023963A JP2004230527A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 加工液循環装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003023963A JP2004230527A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 加工液循環装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004230527A true JP2004230527A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32952620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003023963A Pending JP2004230527A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 加工液循環装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004230527A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102008042817A1 (de) | 2007-10-17 | 2009-04-23 | Disco Corp. | Vorrichtung zur Behandlung von Abfallarbeitsflüssigkeit |
CN101518925A (zh) * | 2008-02-28 | 2009-09-02 | 株式会社迪思科 | 加工废液处理装置 |
DE102009000807A1 (de) | 2008-02-15 | 2009-11-26 | Disco Corp. | Bearbeitungsabfallflüssigkeits-Aufbereitungsvorrichtung |
DE102010034440A1 (de) | 2009-08-19 | 2011-02-24 | Disco Corporation | Abfallfluid-Aufbereitungsvorrichtung |
JP2011173190A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Iwate Univ | 機械加工システム |
CN108127138A (zh) * | 2017-12-29 | 2018-06-08 | 浙江固柏电力科技有限公司 | 一种五金精密件加工用钻孔装置 |
CN110000603A (zh) * | 2019-04-18 | 2019-07-12 | 嘉兴宸轩管件制造科技有限公司 | 一种数控机床的智能冷却装置 |
KR20200125431A (ko) | 2019-04-26 | 2020-11-04 | 가부시기가이샤 디스코 | 폐액 처리 장치 |
KR102399250B1 (ko) * | 2021-02-23 | 2022-05-19 | 주식회사 에스알 | Di워터 재생 장치 |
US11618698B2 (en) | 2019-12-19 | 2023-04-04 | Disco Corporation | Waste fluid treatment apparatus and processing water regeneration system |
JP7376037B1 (ja) | 2023-07-18 | 2023-11-08 | 政寿 岡田 | スラッジ除去装置 |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003023963A patent/JP2004230527A/ja active Pending
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102008042817B4 (de) | 2007-10-17 | 2024-03-21 | Disco Corporation | Vorrichtung zur Behandlung von Abfallarbeitsflüssigkeit |
DE102008042817A1 (de) | 2007-10-17 | 2009-04-23 | Disco Corp. | Vorrichtung zur Behandlung von Abfallarbeitsflüssigkeit |
DE102009000807A1 (de) | 2008-02-15 | 2009-11-26 | Disco Corp. | Bearbeitungsabfallflüssigkeits-Aufbereitungsvorrichtung |
TWI422458B (zh) * | 2008-02-15 | 2014-01-11 | Disco Corp | Processing waste liquid processing device (a) |
US8017003B2 (en) | 2008-02-15 | 2011-09-13 | Disco Corporation | Processing waste liquid treating apparatus |
TWI422459B (zh) * | 2008-02-28 | 2014-01-11 | Disco Corp | Processing waste treatment device (2) |
CN101518925A (zh) * | 2008-02-28 | 2009-09-02 | 株式会社迪思科 | 加工废液处理装置 |
JP2009202295A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-09-10 | Disco Abrasive Syst Ltd | 加工廃液処理装置 |
JP2011041878A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-03 | Disco Abrasive Syst Ltd | 加工廃液処理装置 |
US8268172B2 (en) | 2009-08-19 | 2012-09-18 | Disco Corporation | Waste fluid treating apparatus |
DE102010034440A1 (de) | 2009-08-19 | 2011-02-24 | Disco Corporation | Abfallfluid-Aufbereitungsvorrichtung |
JP2011173190A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Iwate Univ | 機械加工システム |
CN108127138A (zh) * | 2017-12-29 | 2018-06-08 | 浙江固柏电力科技有限公司 | 一种五金精密件加工用钻孔装置 |
CN110000603A (zh) * | 2019-04-18 | 2019-07-12 | 嘉兴宸轩管件制造科技有限公司 | 一种数控机床的智能冷却装置 |
KR20200125431A (ko) | 2019-04-26 | 2020-11-04 | 가부시기가이샤 디스코 | 폐액 처리 장치 |
US11027225B2 (en) | 2019-04-26 | 2021-06-08 | Disco Corporation | Waste liquid treating apparatus |
DE102020205232B4 (de) | 2019-04-26 | 2023-03-23 | Disco Corporation | Abfallflüssigkeit-behandlungsvorrichtung |
US11618698B2 (en) | 2019-12-19 | 2023-04-04 | Disco Corporation | Waste fluid treatment apparatus and processing water regeneration system |
KR102399250B1 (ko) * | 2021-02-23 | 2022-05-19 | 주식회사 에스알 | Di워터 재생 장치 |
JP7376037B1 (ja) | 2023-07-18 | 2023-11-08 | 政寿 岡田 | スラッジ除去装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004230527A (ja) | 加工液循環装置 | |
JPS6274548A (ja) | 冷却液循環装置 | |
US8268172B2 (en) | Waste fluid treating apparatus | |
JP5086123B2 (ja) | 加工廃液処理装置 | |
CN107984094A (zh) | 切割设备及其切割方法 | |
JP2009166154A (ja) | 被切削部材の切粉用沈澱槽 | |
JP2002103177A (ja) | 排水装置 | |
JP2009095941A (ja) | 加工廃液処理装置 | |
JP2019130552A (ja) | レーザー加工方法 | |
TWI422459B (zh) | Processing waste treatment device (2) | |
JP2004322214A (ja) | 加工液処理装置 | |
JP2007090508A (ja) | メモリーカード基板の分割方法 | |
US11390536B2 (en) | Waste liquid treating apparatus | |
TW201043374A (en) | Laser cutting device for bottom face of workpiece immersed in liquid | |
JP2013018057A (ja) | 循環液体濾過装置 | |
JP2007083362A (ja) | アブレイシブウォータージェットによる基板切断方法、及び、基板切断装置。 | |
JP2015178173A (ja) | 循環液体濾過装置 | |
JP2003117827A (ja) | 眼鏡レンズ加工の研削水タンク装置及びこれを備える眼鏡レンズ加工装置、並びに加工粕分離装置 | |
JP6754487B1 (ja) | 研削盤用研削液濾過装置 | |
JP6754486B1 (ja) | 研削盤用研削液濾過装置 | |
JP2012218095A (ja) | 加工廃液処理装置 | |
JP2004298861A (ja) | 微細泡発生器と、それを用いた濾過装置 | |
KR102067836B1 (ko) | 절삭유 탱크 | |
JP6715382B1 (ja) | 研削盤用研削液濾過装置 | |
JP2009196006A (ja) | 加工廃液処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20051222 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20080813 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20080819 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081211 |