JP2004322214A - 加工液処理装置 - Google Patents
加工液処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004322214A JP2004322214A JP2003115517A JP2003115517A JP2004322214A JP 2004322214 A JP2004322214 A JP 2004322214A JP 2003115517 A JP2003115517 A JP 2003115517A JP 2003115517 A JP2003115517 A JP 2003115517A JP 2004322214 A JP2004322214 A JP 2004322214A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- processing
- waste liquid
- liquid
- waste
- workpiece
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000007788 liquid Substances 0.000 title claims abstract description 148
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 27
- 238000001556 precipitation Methods 0.000 claims abstract description 11
- 239000002699 waste material Substances 0.000 claims description 123
- 239000012530 fluid Substances 0.000 claims description 27
- 238000004062 sedimentation Methods 0.000 claims description 18
- 238000003754 machining Methods 0.000 claims description 14
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 claims description 13
- 238000007599 discharging Methods 0.000 claims description 3
- 239000002244 precipitate Substances 0.000 claims description 3
- 238000000151 deposition Methods 0.000 claims 1
- 238000001914 filtration Methods 0.000 abstract description 4
- 239000010808 liquid waste Substances 0.000 abstract 10
- 230000001376 precipitating effect Effects 0.000 abstract 2
- 238000002791 soaking Methods 0.000 abstract 1
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 7
- 239000000498 cooling water Substances 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 239000012510 hollow fiber Substances 0.000 description 1
- 239000012528 membrane Substances 0.000 description 1
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 1
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 1
Images
Abstract
【課題】加工に際して加工液が使用される加工装置に連結され、使用済みの加工液を濾過する加工液処理装置において、装置を大型化させることなく濾過を円滑に行う。
【解決手段】加工液として使用された廃液を収容する廃液タンク11と、廃液タンク11内の廃液を流出させる流出路12とから構成され、廃液タンク11には、廃液を流入させる廃液導入部16と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部17と、沈殿部によって濾過された濾過水を流出路12に導く廃液流出部18とを備え、沈殿部17には、沈殿部17の底部から上部に至る複数の細管20bが傾斜して配設されたダンボール構造体20を浸漬させ、加工屑を沈殿させて廃液の濾過を行う。
【選択図】 図3
【解決手段】加工液として使用された廃液を収容する廃液タンク11と、廃液タンク11内の廃液を流出させる流出路12とから構成され、廃液タンク11には、廃液を流入させる廃液導入部16と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部17と、沈殿部によって濾過された濾過水を流出路12に導く廃液流出部18とを備え、沈殿部17には、沈殿部17の底部から上部に至る複数の細管20bが傾斜して配設されたダンボール構造体20を浸漬させ、加工屑を沈殿させて廃液の濾過を行う。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工装置で使用された加工液を濾過する加工液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の加工を行う加工装置においては、被加工物の品質向上等のために、加工部位に対して加工液が供給されて加工が行われることがある。
【0003】
例えば、半導体ウェーハ等の半導体部材を切削する切削装置においては、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物を切削する切削手段と、切削手段により切削が行われる切削領域に加工液を供給する加工液供給手段とを備えており、加工液供給手段には、加工液の再利用を図るために加工液処理装置が連結されて使用される場合がある。また、使用済みの加工液を加工液処理装置において濾過して再利用せずに廃棄する場合もある。
【0004】
この加工液処理装置としては、廃液タンクにおいて使用済みの加工液(廃液)を収容し、ポンプによって廃液タンクに貯水された廃液を送り出し、ポンプから送り出された廃液の温度を温度コントローラにおいて一定の温度に調整し、一定の温度となった廃液をフィルタユニットによって濾過して加工屑を除去し、濾過された廃液を切削手段に供給する構成のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−157996号公報(第5頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記加工液処理装置は、廃液タンクに貯水された廃液をポンプによって温度コントローラに送り出し、温度コントローラによって一定の温度になった廃液を濾過する構成であるため、ポンプ及び温度コントローラが廃液によって損傷し、寿命が短くなるという問題がある。
【0007】
一方、廃液タンク内において加工屑を充分に濾過するためには大きな廃液タンクが必要となるため、加工液処理装置が大型になるという問題もある。
【0008】
従って、加工液の処理においては、ポンプ及び温度コントローラを損傷させないようにすると共に、装置の大型化を回避することに課題を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための具体的手段として本発明は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物に加工を施す加工手段と、加工手段により被加工物の加工が行われる加工領域に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えた加工装置に連結される加工液処理装置であって、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンクと、廃液タンク内の廃液を流出させる流出路とから構成され、廃液タンクには、廃液を流入させる廃液導入部と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部と、沈殿部によって濾過された濾過水を流出路に導く廃液流出部とを備え、沈殿部には、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している加工液処理装置を提供する。
【0010】
また本発明は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物に加工を施す加工手段と、加工手段により被加工物の加工が行われる加工領域に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えた加工装置に連結される加工液処理装置であって、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンクと、廃液タンク内の廃液を加工液供給手段に循環させる循環経路とから構成され、廃液タンクには、廃液を流入させる廃液導入部と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部と、沈殿部により濾過された濾過水を循環経路に導く廃液流出部とを備え、沈殿部には、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している加工液処理装置を提供する。
【0011】
そしてこの加工液処理装置は、被加工物が半導体部材であり、加工手段が切削ブレードを備えた切削手段であり、加工液が切削水であり、加工装置が切削装置であることを付加的な要件とする。
【0012】
上記のように構成される加工液処理装置によれば、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している廃液タンクを備えたことにより、ダンボール構造体において加工屑が沈殿するため、廃液タンクを大型化させることなく加工屑の沈殿を円滑に行うことができる。
【0013】
また、加工液処理装置に循環経路を備えた場合は、廃液が循環経路に流れる前に加工屑を除去することができるため、循環経路を構成するポンプや温度コントローラ等の各部位を損傷させることがない。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例として、図1に示す加工液処理装置10について説明する。この加工液処理装置10は、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンク11を少なくとも備え、更に、廃液タンク11内の廃液を外部に流出させる流出路12、または、廃液タンク11内の廃液を後述する加工装置に備えた加工液供給手段に循環させる循環経路13を備えている。即ち、流出路12と循環経路13は、少なくともどちらか一方を備えていればよい。図1の例では、流出路12と循環経路13の双方を備えている場合を例に挙げて説明する。
【0015】
廃液タンク11は、図示の例では上側が開口した直方体形状の容器であり、その内部は、垂直方向に配設された隔壁14、15によって、廃液導入部16と沈殿部17と廃液流出部18とに分割されている。
【0016】
廃液導入部16は、廃液を流入させる部分であり、その側面には流入部19が形成されている。沈殿部17は廃液に含まれる加工屑を沈殿させる部分であり、ダンボール構造体20が収容されている。廃液流出部18は、沈殿部17により濾過された濾過水を流出路12または循環経路13に導く部分であり、好ましくはフィルタ21が収容される。フィルタ21は、例えば中空糸膜フィルタや糸巻きフィルタにより構成される。
【0017】
廃液流出部18の側面には廃液を排出する流出路12が形成されており、濾過水を再利用しない場合は、バルブ12aを解放し、流出路12から廃液が排水される。
【0018】
フィルタ21にはサクションポンプ22が連結されており、濾過水を吸引することができる。そして、吸引された濾過水は、サクションポンプ22に連結された温度コントローラ23に流入する。
【0019】
温度コントローラ23においては、濾過水を加工に適した所定の温度に調整し、加工装置に供給する。図1の例では、半導体ウェーハ等の半導体部材を切削する切削装置30に濾過水が供給される。図示の例では、フィルタ21からサクションポンプ22、温度コントローラ23を経て後述する切削装置30に備えた加工液供給手段に至る経路が、循環経路13を構成する。
【0020】
切削装置30は、被加工物を保持する保持手段31と、保持手段31に保持された被加工物に加工(切削)を施す加工手段である切削手段32とを備えており、切削手段32による被加工物の加工は加工領域33において行われる。
【0021】
保持手段31は、X軸方向に移動可能に構成されており、例えば半導体部材である半導体ウェーハを切削する場合は、テープTを介してフレームFと一体となった半導体ウェーハWが保持手段31に保持され、保持手段31が+X方向に移動し、アライメント手段34の直下に位置付けられる。
【0022】
そしてアライメント手段34によって切削すべきストリートが検出された後、保持手段31が更に+X方向に移動することにより、半導体ウェーハWが加工領域33に進入する。
【0023】
切削手段32は全体としてY軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。図2に示すように、切削手段32においては、スピンドル35の先端部に切削ブレード36が装着されて回転可能となっており、切削ブレード36を両側から挟むようにして加工液供給手段である切削水噴出ノズル37a、37bが配設されている。
【0024】
切削時には、保持手段31がX軸方向に往復移動すると共に、高速回転する切削ブレード36が半導体ウェーハWに切り込むことにより、半導体ウェーハWのストリートが順次切削されていく。このとき、図2に示すように、切削水噴出ノズル37a、37bからは、加工領域における加工部位に加工液である切削水が噴出して供給される。この加工液は、図1に示した循環経路13から供給されて使用されるか、または未使用の加工液が図示しないタンクから供給されて使用される。
【0025】
上記のようにして加工に供された加工液(切削水)は、図1に示した廃液タンク11に流入する。図3に示すように、廃液タンク11の廃液導入部16と沈殿部17とは、隔壁14の下方において連通している。一方、沈殿部17と廃液流出部18とは、隔壁15の上方において連通している。
【0026】
流入部19から廃液導入部16に廃液が流入すると、隔壁14の下方を通ってその廃液が沈殿部17に流入する。ここで、沈殿部17に収容されたダンボール構造体20は、例えば図示の例のように、隔壁14、15に対して約30度の角度で傾斜する樹脂等からなる複数の傾斜板20aを備え、隣接する傾斜板との間には複数の細管20bが形成されている。このダンボール構造体20としては、例えば特開平5−200205号公報に開示されたものを使用することができる。
【0027】
廃液導入部16から沈殿部17に流入した廃液は、図1に示した細管20bを上昇して廃液流出部18に流入するが、このとき、廃液に含まれる加工屑は、傾斜板20aに衝突するために上昇せず、傾斜板20aに沿って沈降して沈殿部17の底部に蓄積される。従って、廃液に含まれる加工屑の大半がここで沈殿する。
【0028】
こうして加工屑が沈殿すると、隔壁15の上方を通って廃液流出部18に流入する廃液にはあまり加工屑が含まれていないが、廃液流出部18にはフィルタ21が浸漬されているため、フィルタ21によって廃液に含まれる加工屑を完全に除去し、濾過水を生成することができる。なお、ダンボール構造体20で十分な濾過が可能である場合は、フィルタ21は必ずしも必要とされない。
【0029】
図1を参照して説明を続けると、濾過水を再利用する場合は、サクションポンプ22によって濾過水が廃液流出部18から吸引され、サクションポンプ22を通って温度コントローラ23に流入する。
【0030】
そして、温度コントローラ23において濾過水が切削に適した温度に調整された後、加工領域33に供給されて加工液として使用される。こうして加工液を使用後に廃液タンク11において廃液を濾過して濾過水とすることにより、加工液を循環させて何度でも使用することができる。
【0031】
このように、廃液タンク11にダンボール構造体20を浸漬させ、廃液を濾過する構成としたことにより、サクションポンプ22、温度コントローラ23を含む循環経路13を通過する濾過水には加工屑が含まれないため、循環経路13を構成するサクションポンプ22や温度コントローラ23等の各部位を損傷させることがなく、これらの寿命を延ばすことができる。
【0032】
また、廃液タンク11の沈殿部17にダンボール構造体20を浸漬させたことにより、加工屑の沈殿が円滑に行われると共に、廃液タンクが大型化することもない。
【0033】
なお、図3に示したように、廃液タンク11内に螺旋管等の熱交換機38を浸漬させ、冷却水を供給して廃液タンク11の内部の廃液または濾過水を充分冷却するように構成すれば、温度コントローラ23を加温のみを行うものとすることができ、温度コントローラ23の構成を簡略化することができる。例えば加工液の温度を22度にしたい場合、熱交換機38によって廃液または濾過水の温度を20度に冷却すれば、温度コントローラ23においては2度加温するだけで済み、構成が簡略化される。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る加工液処理装置には、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している廃液タンクを備えたことにより、ダンボール構造体において加工屑が沈殿し、廃液タンクを大型化させることなく加工屑の沈殿が円滑に行われるため、装置を大型化させずに廃液の濾過を行うことができる。
【0035】
また、加工液処理装置に循環経路を備えた場合は、廃液が循環経路に流れる前に加工屑を除去することができるため、循環経路を構成するポンプや温度コントローラ等の各部位を損傷させることがないため、寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加工液処理装置及び切削装置を示す説明図である。
【図2】同切削装置における半導体ウェーハの切削の様子を示す斜視図である。
【図3】廃液タンクの構成の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…加工液処理装置 11…廃液タンク
12…流出路 13…循環経路 14、15…隔壁
16…廃液導入部 17…沈殿部 18…廃液流出部
19…流入部 20…ダンボール構造体
20a…傾斜板 20b…細管 21…フィルタ
22…サクションポンプ 23…温度コントローラ
30…切削装置 31…保持手段 32…切削手段
33…加工領域 34…アライメント手段
35…スピンドル 36…切削ブレード
37a、37b…切削水噴出ノズル
38…熱交換機
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工装置で使用された加工液を濾過する加工液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の加工を行う加工装置においては、被加工物の品質向上等のために、加工部位に対して加工液が供給されて加工が行われることがある。
【0003】
例えば、半導体ウェーハ等の半導体部材を切削する切削装置においては、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物を切削する切削手段と、切削手段により切削が行われる切削領域に加工液を供給する加工液供給手段とを備えており、加工液供給手段には、加工液の再利用を図るために加工液処理装置が連結されて使用される場合がある。また、使用済みの加工液を加工液処理装置において濾過して再利用せずに廃棄する場合もある。
【0004】
この加工液処理装置としては、廃液タンクにおいて使用済みの加工液(廃液)を収容し、ポンプによって廃液タンクに貯水された廃液を送り出し、ポンプから送り出された廃液の温度を温度コントローラにおいて一定の温度に調整し、一定の温度となった廃液をフィルタユニットによって濾過して加工屑を除去し、濾過された廃液を切削手段に供給する構成のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−157996号公報(第5頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記加工液処理装置は、廃液タンクに貯水された廃液をポンプによって温度コントローラに送り出し、温度コントローラによって一定の温度になった廃液を濾過する構成であるため、ポンプ及び温度コントローラが廃液によって損傷し、寿命が短くなるという問題がある。
【0007】
一方、廃液タンク内において加工屑を充分に濾過するためには大きな廃液タンクが必要となるため、加工液処理装置が大型になるという問題もある。
【0008】
従って、加工液の処理においては、ポンプ及び温度コントローラを損傷させないようにすると共に、装置の大型化を回避することに課題を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための具体的手段として本発明は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物に加工を施す加工手段と、加工手段により被加工物の加工が行われる加工領域に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えた加工装置に連結される加工液処理装置であって、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンクと、廃液タンク内の廃液を流出させる流出路とから構成され、廃液タンクには、廃液を流入させる廃液導入部と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部と、沈殿部によって濾過された濾過水を流出路に導く廃液流出部とを備え、沈殿部には、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している加工液処理装置を提供する。
【0010】
また本発明は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物に加工を施す加工手段と、加工手段により被加工物の加工が行われる加工領域に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えた加工装置に連結される加工液処理装置であって、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンクと、廃液タンク内の廃液を加工液供給手段に循環させる循環経路とから構成され、廃液タンクには、廃液を流入させる廃液導入部と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部と、沈殿部により濾過された濾過水を循環経路に導く廃液流出部とを備え、沈殿部には、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している加工液処理装置を提供する。
【0011】
そしてこの加工液処理装置は、被加工物が半導体部材であり、加工手段が切削ブレードを備えた切削手段であり、加工液が切削水であり、加工装置が切削装置であることを付加的な要件とする。
【0012】
上記のように構成される加工液処理装置によれば、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している廃液タンクを備えたことにより、ダンボール構造体において加工屑が沈殿するため、廃液タンクを大型化させることなく加工屑の沈殿を円滑に行うことができる。
【0013】
また、加工液処理装置に循環経路を備えた場合は、廃液が循環経路に流れる前に加工屑を除去することができるため、循環経路を構成するポンプや温度コントローラ等の各部位を損傷させることがない。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例として、図1に示す加工液処理装置10について説明する。この加工液処理装置10は、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンク11を少なくとも備え、更に、廃液タンク11内の廃液を外部に流出させる流出路12、または、廃液タンク11内の廃液を後述する加工装置に備えた加工液供給手段に循環させる循環経路13を備えている。即ち、流出路12と循環経路13は、少なくともどちらか一方を備えていればよい。図1の例では、流出路12と循環経路13の双方を備えている場合を例に挙げて説明する。
【0015】
廃液タンク11は、図示の例では上側が開口した直方体形状の容器であり、その内部は、垂直方向に配設された隔壁14、15によって、廃液導入部16と沈殿部17と廃液流出部18とに分割されている。
【0016】
廃液導入部16は、廃液を流入させる部分であり、その側面には流入部19が形成されている。沈殿部17は廃液に含まれる加工屑を沈殿させる部分であり、ダンボール構造体20が収容されている。廃液流出部18は、沈殿部17により濾過された濾過水を流出路12または循環経路13に導く部分であり、好ましくはフィルタ21が収容される。フィルタ21は、例えば中空糸膜フィルタや糸巻きフィルタにより構成される。
【0017】
廃液流出部18の側面には廃液を排出する流出路12が形成されており、濾過水を再利用しない場合は、バルブ12aを解放し、流出路12から廃液が排水される。
【0018】
フィルタ21にはサクションポンプ22が連結されており、濾過水を吸引することができる。そして、吸引された濾過水は、サクションポンプ22に連結された温度コントローラ23に流入する。
【0019】
温度コントローラ23においては、濾過水を加工に適した所定の温度に調整し、加工装置に供給する。図1の例では、半導体ウェーハ等の半導体部材を切削する切削装置30に濾過水が供給される。図示の例では、フィルタ21からサクションポンプ22、温度コントローラ23を経て後述する切削装置30に備えた加工液供給手段に至る経路が、循環経路13を構成する。
【0020】
切削装置30は、被加工物を保持する保持手段31と、保持手段31に保持された被加工物に加工(切削)を施す加工手段である切削手段32とを備えており、切削手段32による被加工物の加工は加工領域33において行われる。
【0021】
保持手段31は、X軸方向に移動可能に構成されており、例えば半導体部材である半導体ウェーハを切削する場合は、テープTを介してフレームFと一体となった半導体ウェーハWが保持手段31に保持され、保持手段31が+X方向に移動し、アライメント手段34の直下に位置付けられる。
【0022】
そしてアライメント手段34によって切削すべきストリートが検出された後、保持手段31が更に+X方向に移動することにより、半導体ウェーハWが加工領域33に進入する。
【0023】
切削手段32は全体としてY軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。図2に示すように、切削手段32においては、スピンドル35の先端部に切削ブレード36が装着されて回転可能となっており、切削ブレード36を両側から挟むようにして加工液供給手段である切削水噴出ノズル37a、37bが配設されている。
【0024】
切削時には、保持手段31がX軸方向に往復移動すると共に、高速回転する切削ブレード36が半導体ウェーハWに切り込むことにより、半導体ウェーハWのストリートが順次切削されていく。このとき、図2に示すように、切削水噴出ノズル37a、37bからは、加工領域における加工部位に加工液である切削水が噴出して供給される。この加工液は、図1に示した循環経路13から供給されて使用されるか、または未使用の加工液が図示しないタンクから供給されて使用される。
【0025】
上記のようにして加工に供された加工液(切削水)は、図1に示した廃液タンク11に流入する。図3に示すように、廃液タンク11の廃液導入部16と沈殿部17とは、隔壁14の下方において連通している。一方、沈殿部17と廃液流出部18とは、隔壁15の上方において連通している。
【0026】
流入部19から廃液導入部16に廃液が流入すると、隔壁14の下方を通ってその廃液が沈殿部17に流入する。ここで、沈殿部17に収容されたダンボール構造体20は、例えば図示の例のように、隔壁14、15に対して約30度の角度で傾斜する樹脂等からなる複数の傾斜板20aを備え、隣接する傾斜板との間には複数の細管20bが形成されている。このダンボール構造体20としては、例えば特開平5−200205号公報に開示されたものを使用することができる。
【0027】
廃液導入部16から沈殿部17に流入した廃液は、図1に示した細管20bを上昇して廃液流出部18に流入するが、このとき、廃液に含まれる加工屑は、傾斜板20aに衝突するために上昇せず、傾斜板20aに沿って沈降して沈殿部17の底部に蓄積される。従って、廃液に含まれる加工屑の大半がここで沈殿する。
【0028】
こうして加工屑が沈殿すると、隔壁15の上方を通って廃液流出部18に流入する廃液にはあまり加工屑が含まれていないが、廃液流出部18にはフィルタ21が浸漬されているため、フィルタ21によって廃液に含まれる加工屑を完全に除去し、濾過水を生成することができる。なお、ダンボール構造体20で十分な濾過が可能である場合は、フィルタ21は必ずしも必要とされない。
【0029】
図1を参照して説明を続けると、濾過水を再利用する場合は、サクションポンプ22によって濾過水が廃液流出部18から吸引され、サクションポンプ22を通って温度コントローラ23に流入する。
【0030】
そして、温度コントローラ23において濾過水が切削に適した温度に調整された後、加工領域33に供給されて加工液として使用される。こうして加工液を使用後に廃液タンク11において廃液を濾過して濾過水とすることにより、加工液を循環させて何度でも使用することができる。
【0031】
このように、廃液タンク11にダンボール構造体20を浸漬させ、廃液を濾過する構成としたことにより、サクションポンプ22、温度コントローラ23を含む循環経路13を通過する濾過水には加工屑が含まれないため、循環経路13を構成するサクションポンプ22や温度コントローラ23等の各部位を損傷させることがなく、これらの寿命を延ばすことができる。
【0032】
また、廃液タンク11の沈殿部17にダンボール構造体20を浸漬させたことにより、加工屑の沈殿が円滑に行われると共に、廃液タンクが大型化することもない。
【0033】
なお、図3に示したように、廃液タンク11内に螺旋管等の熱交換機38を浸漬させ、冷却水を供給して廃液タンク11の内部の廃液または濾過水を充分冷却するように構成すれば、温度コントローラ23を加温のみを行うものとすることができ、温度コントローラ23の構成を簡略化することができる。例えば加工液の温度を22度にしたい場合、熱交換機38によって廃液または濾過水の温度を20度に冷却すれば、温度コントローラ23においては2度加温するだけで済み、構成が簡略化される。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る加工液処理装置には、沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している廃液タンクを備えたことにより、ダンボール構造体において加工屑が沈殿し、廃液タンクを大型化させることなく加工屑の沈殿が円滑に行われるため、装置を大型化させずに廃液の濾過を行うことができる。
【0035】
また、加工液処理装置に循環経路を備えた場合は、廃液が循環経路に流れる前に加工屑を除去することができるため、循環経路を構成するポンプや温度コントローラ等の各部位を損傷させることがないため、寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加工液処理装置及び切削装置を示す説明図である。
【図2】同切削装置における半導体ウェーハの切削の様子を示す斜視図である。
【図3】廃液タンクの構成の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…加工液処理装置 11…廃液タンク
12…流出路 13…循環経路 14、15…隔壁
16…廃液導入部 17…沈殿部 18…廃液流出部
19…流入部 20…ダンボール構造体
20a…傾斜板 20b…細管 21…フィルタ
22…サクションポンプ 23…温度コントローラ
30…切削装置 31…保持手段 32…切削手段
33…加工領域 34…アライメント手段
35…スピンドル 36…切削ブレード
37a、37b…切削水噴出ノズル
38…熱交換機
Claims (3)
- 被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物に加工を施す加工手段と、該加工手段により該被加工物の加工が行われる加工領域に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えた加工装置に連結される加工液処理装置であって、
該加工液処理装置は、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンクと、
該廃液タンク内の廃液を流出させる流出路とから構成され、
該廃液タンクには、廃液を流入させる廃液導入部と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部と、該沈殿部によって濾過された濾過水を前記流出路に導く廃液流出部とを備え、
該沈殿部には、該沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している加工液処理装置。 - 被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物に加工を施す加工手段と、該加工手段により該被加工物の加工が行われる加工領域に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えた加工装置に連結される加工液処理装置であって、
該加工液処理装置は、加工液として使用された廃液を収容する廃液タンクと、
該廃液タンク内の廃液を前記加工液供給手段に循環させる循環経路とから構成され、
該廃液タンクには、廃液を流入させる廃液導入部と、廃液に含まれる加工屑を沈殿させる沈殿部と、該沈殿部により濾過された濾過水を前記循環経路に導く廃液流出部とを備え、
該沈殿部には、該沈殿部の底部から上部に至る複数の細管が傾斜して配設されたダンボール構造体が浸漬している加工液処理装置。 - 被加工物は半導体部材であり、加工手段は切削ブレードを備えた切削手段であり、加工液は切削水であり、加工装置は切削装置である請求項2に記載の加工液処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003115517A JP2004322214A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 加工液処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003115517A JP2004322214A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 加工液処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004322214A true JP2004322214A (ja) | 2004-11-18 |
Family
ID=33496042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003115517A Pending JP2004322214A (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 加工液処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004322214A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007127343A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Disco Abrasive Syst Ltd | 定温水供給システム |
KR100896816B1 (ko) | 2009-01-30 | 2009-05-11 | 주식회사 수엔테크 | 침전여과판을 이용한 오염성물질 제거장치 |
JP2012228634A (ja) * | 2011-04-25 | 2012-11-22 | Sowa Engineering:Kk | 再生水製造装置 |
CN111434368A (zh) * | 2019-01-15 | 2020-07-21 | 株式会社迪思科 | 废液处理装置 |
JP7376037B1 (ja) | 2023-07-18 | 2023-11-08 | 政寿 岡田 | スラッジ除去装置 |
JP7382031B2 (ja) | 2018-10-18 | 2023-11-16 | 日本エンヂニヤ株式会社 | 上向流傾斜板沈砂槽 |
-
2003
- 2003-04-21 JP JP2003115517A patent/JP2004322214A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007127343A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Disco Abrasive Syst Ltd | 定温水供給システム |
KR100896816B1 (ko) | 2009-01-30 | 2009-05-11 | 주식회사 수엔테크 | 침전여과판을 이용한 오염성물질 제거장치 |
JP2012228634A (ja) * | 2011-04-25 | 2012-11-22 | Sowa Engineering:Kk | 再生水製造装置 |
JP7382031B2 (ja) | 2018-10-18 | 2023-11-16 | 日本エンヂニヤ株式会社 | 上向流傾斜板沈砂槽 |
CN111434368A (zh) * | 2019-01-15 | 2020-07-21 | 株式会社迪思科 | 废液处理装置 |
KR20200089213A (ko) | 2019-01-15 | 2020-07-24 | 가부시기가이샤 디스코 | 폐액 처리 장치 |
US11040889B2 (en) | 2019-01-15 | 2021-06-22 | Disco Corporation | Waste fluid treatment apparatus |
CN111434368B (zh) * | 2019-01-15 | 2023-08-18 | 株式会社迪思科 | 废液处理装置 |
JP7376037B1 (ja) | 2023-07-18 | 2023-11-08 | 政寿 岡田 | スラッジ除去装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5461918B2 (ja) | 加工廃液処理装置 | |
US5383483A (en) | Ultrasonic cleaning and deburring apparatus | |
JP5086123B2 (ja) | 加工廃液処理装置 | |
JP6927814B2 (ja) | ドライ研磨装置 | |
CN107984094A (zh) | 切割设备及其切割方法 | |
JP2004230527A (ja) | 加工液循環装置 | |
JP7256644B2 (ja) | 廃液処理装置 | |
JP5074689B2 (ja) | ノズル | |
JP2004322214A (ja) | 加工液処理装置 | |
JP2019130552A (ja) | レーザー加工方法 | |
JP5149035B2 (ja) | 加工廃液処理装置 | |
US11390536B2 (en) | Waste liquid treating apparatus | |
JP5681029B2 (ja) | 加工廃液処理装置 | |
JP2013018057A (ja) | 循環液体濾過装置 | |
JP5770004B2 (ja) | 加工廃液処理装置 | |
JP2015178173A (ja) | 循環液体濾過装置 | |
JPH07314705A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2012223846A (ja) | 加工廃液処理装置 | |
JP6996105B2 (ja) | 洗浄装置及び洗浄方法 | |
JP5086124B2 (ja) | 加工廃液処理装置 | |
JP2003117827A (ja) | 眼鏡レンズ加工の研削水タンク装置及びこれを備える眼鏡レンズ加工装置、並びに加工粕分離装置 | |
JP7052211B2 (ja) | 汚液受取装置及び汚液受取方法 | |
JP7339049B2 (ja) | 廃液処理装置 | |
JPH0628161Y2 (ja) | 切削液用消泡装置 | |
JP5086125B2 (ja) | 加工廃液処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060330 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090410 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090414 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090806 |