JPH07314705A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク中のゴミ類（気泡等の異物）が除去さ
れ、常に安定したインク吐出を行うことのできるゴミ除
去装置を具備するインクジェット記録装置を提供する。 【構成】 インクジェット記録装置用ゴミ除去装置の、
インク流入口をほぼ中央部に配設し、且つインク流出口
を最上部に配設して、インクの流れを円滑化し、特に気
泡の滞留する部位を排除することにより、有効に気泡を
除去することができ、常に安定したインク吐出を行うこ
とのできる、目的とする優れたインクジェット記録装置
が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、より詳細にはゴミ除去装置を具備するインクジ
ェット記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からのインクジェット記録装置に代
表されるように、微小な断面積を有する液路に記録液
（以下インクと称する）を流入・流出させる装置におい
ては、インク中のゴミ類、即ちインク中のゴミやインク
からの析出物、更には気泡等による流路の目詰まりを防
止する必要があった。

【０００３】インクジェット記録装置にいおいては、イ
ンク液滴を吐出するための吐出口をゴミ、析出物等によ
り閉塞することを防止するために、共通液室を介してイ
ンクタンクから吐出口までインクを供給するインク供給
系に、微小なゴミや気泡を除去するフィルターを有する
ゴミ除去装置が装備されている。

【０００４】このような従来のゴミ除去装置の全体構成
を表す模式的断面図を図６に示す。図６に示すゴミ除去
装置においては、インクを還流させて回復処理を行う構
成に適用されるものである。

【０００５】このようなインクの還流により気泡を除去
する構成においては、回復時にポンプによってインクタ
ンクからインク往路を介して記録ヘッドにインクを圧送
し、更にこの圧送によって記録ヘッドからインク復路を
介してインクタンクにインクを還流させるものである。
このような還流によりインク往路及びインク復路並びに
記録ヘッド内に存在する気泡はインクタンクに戻され、
このインクタンクにおいて分離されて大気中に放出され
る（図２参照）。この場合、気泡は上記のインク往路、
或いはインク復路の途中に配設されたゴミ除去装置のフ
ィルターを通過しなければならない。

【０００６】一方、記録時にインクタンクからインク往
路を介して記録ヘッドにインクを供給する場合には、一
般にポンプによる圧送を行わず、記録ヘッド等のインク
に対する毛管力等によってインクの供給が行われる。こ
の場合には、気泡がゴミ除去装置のフィルターを通過し
てはならない。何故なら、もし気泡が記録ヘッド内に流
入し、吐出口側のインク流路に存在すると、吐出が不安
定となり、更には最悪の場合はインク不吐出の事態に陥
るからである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】図６に示す従来のゴミ
除去装置は、上記のようなフィルターに関する必要条件
を満足するものではなかった。即ち、図６（ｂ）におい
て矢印ａの方向から流入されたインク１３は不図示の流
入チューブを介してフィルター１を有するゴミ除去装置
２０に送られる。ゴミ除去装置２０のインク流出口３を
流れるインク１３は、ゴミ等の大きさが径１０μｍより
も大きなゴミ類を通過させないフィルター１によって瀘
過される。このフィルター１によりインク１３中のゴミ
７はフィルター１の上流側であるａ側に溜まる。この場
合、ゴミは不図示の流出チューブにあたる下流側の矢印
ｂ側には流れない。

【０００８】このような従来のゴミ除去装置において
は、上記した気泡がインク流路中に混入した場合、又は
ゴミ除去装置２０内に溜まった気泡が浮力により上昇し
フィルター１の下流側上方部の流れの淀み点に滞留した
場合は、フィルターの有効面積を減少させ、記録時の圧
力損失を増大させてインクの吐出不良を引き起こすとい
う不都合な問題があった。

【０００９】本発明の目的は、上記の諸問題を解決し、
ゴミ除去装置のインク流入口をほぼ中央部に設け、イン
ク流出口を最上部に設けることにより、インクの流れを
円滑化して、気泡の滞留する部位を排除することによ
り、有効に気泡を除去し、常に安定したインク吐出を行
うことのできる優れたインクジェット記録装置を提供す
ることにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下に示
す本発明によって達成される。即ち本発明は、記録液を
吐出するための記録ヘッドと、該記録ヘッドに供給する
記録液を貯留する記録液タンクと、該記録ヘッドと記録
液タンクとの中間において前記記録液を循環させるため
の流路と、該流路中に前記記録ヘッド内へのごみ類の進
入を防止するためのフィルターを内部に具備するごみ除
去装置と、前記記録液を循環させ該ごみ除去装置の前後
に圧力差を発生させるためのポンプとを具備するインク
ジェット記録装置において、前記ごみ除去装置の記録液
循環時の記録液流入口が、ごみ除去装置内のフィルター
に対してほぼ中央部もしくはより下方部の位置に配設さ
れ、且つ記録液流出口がごみ除去装置内のフィルターに
対して最上部の位置に配設されて成ることを特徴とする
インクジェット記録装置を開示するものである。

【００１１】図１は、本発明のゴミ除去装置の第１の実
施例を示す模式的断面図であり、図２はゴミ除去装置を
インクジェット記録装置に適用した場合の供給回復系の
全体構成を示す模式的斜視図である。

【００１２】図中、１は微小なゴミやインクからの析出
物等のごみ類を通過させないフィルターであり、例えば
ＳＵＳ（ステンレススチール）のメッシュフィルター等
が用いられ、ゴミ除去装置２０内に熱溶着等で堅固に固
定されている。

【００１３】また、２はインク流入口であり、図２に示
す構成においてポンプ９側に使用される場合は、流入チ
ューブ２１によりポンプ９に接続され、インクタンク８
側に使用される場合は、流出チューブ２２により記録ヘ
ッド１２に接続される。

【００１４】更に、３はインク流出口であり、ゴミ除去
装置２０のフィルター１の最上部に配設されており、ポ
ンプ９側に使用される場合は、流出チューブ２２により
記録ヘッド１２に接続され、インクタンク８側に使用さ
れる場合は、流入チューブ２１によりインクタンク８に
接続される。

【００１５】上記のような構成を有する本発明により、
本発明が目的とする、ごみ類による閉塞を来すことのな
い、安定したインク吐出の可能なインクジェット記録装
置を得ることができる。

【００１６】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明するが本発明がこれらによって何ら限定されるも
のではない。

【００１７】実施例１ 図１は本発明のゴミ除去装置の第１の実施例を示す模式
的断面図であり、１は微小なゴミやインクからの析出物
等のごみ類を通過させないフィルターであり例えばＳＵ
Ｓのメッシュフィルター等が用いられ、ゴミ除去装置２
０内に熱溶着等で堅固に固定されている。

【００１８】２はインク流入口であり、図２に示す構成
において、ポンプ９側に使用される場合は、ポンプ９に
流入チューブ２１等により接続される。また、インクタ
ンク８側に使用される場合は、流出チューブ２２等によ
り記録ヘッド１２のインク液室に接続される。

【００１９】３はインク流出口であり、ゴミ除去装置２
０の上方部に配設されている。そして、ポンプ９側に使
用される場合は、流出チューブ２２等により記録ヘッド
１２のインク液室に接続される。また、インクタンク８
側に使用される場合は、流入チューブ２１等によりイン
クタンク８に接続される。

【００２０】上記の構成において、インクタンク８内の
インク１３を、記録ヘッド１２に供給し循環するために
ギヤポンプ９を作動させると、インクタンク８内のイン
ク１３は、流入チューブ２１を経由してポンプ側に配設
されたゴミ除去装置２０のインク流入口２から、フィル
ター１を通過してインク流出口３を経て記録ヘッド１２
に送液される。

【００２１】この際には、図１（ｂ）に示すようにイン
ク中の気泡、もしくはゴミ除去装置２０内の気泡４は、
浮力により上方部に集まるため、インク流により全てフ
ィルター１に対する最上部に配設されたインク流出口３
により記録ヘッド１２側へ送られる。そしてインクタン
ク８側に配設されたゴミ除去装置２０においても、ポン
プ９側と全く同様に気泡４はインク流入口２から流入し
フィルター１を通り、インク流出口３を経てインクタン
ク８へ送られる。

【００２２】実施例２ 図３は本発明のゴミ除去装置の第２の実施例を示す模式
的断面図である。図３において、図１と同一の構成につ
いては同一の符号を付し説明は省略する。図３におい
て、ゴミ除去装置２０のインク流入口２の位置をフィル
ター１の中心部より下方部に配設されている。このこと
により、ゴミ除去装置２０内のインクの流れが下方部か
ら上方部により強く生じるため、気泡４の滞留が尚一層
発生し難くなり、気泡４の除去を確実に行うことが可能
となる。

【００２３】実施例３ 図４は本発明のゴミ除去装置の第３の実施例を示す模式
的断面図である。図４において、図１と同一の構成につ
いては同一の符号を付し説明は省略する。図４は、ゴミ
除去装置２０のインク流出口３の位置とチューブ接続口
６の位置を変えたものである。このことにより、インク
流出口３の位置をフィルター１に対して最上部に据え置
いたまま、チューブ接続口６の位置を変えることができ
るので記録ヘッド１２のインクチューブ接続口（不図
示）に応じて設定することができる。

【００２４】実施例４ 図５は本発明のゴミ除去装置の第４の実施例を示す模式
的断面図である。図５において、図１と同一の構成につ
いては同一の符号を付し説明は省略する。図５におい
て、弁５はポンプ９によるインク循環をした場合、図５
（ｂ）に示すようにフィルター１に密着する弁である。
弁５をゴミ除去装置２０内に組み込むと、インク循環時
にフィルター１前後の圧力差が、弁５のない場合に比べ
大きくすることができるので、気泡４のフィルター１を
通過するのが容易となる。

【００２５】この場合においても、インク流入口２をゴ
ミ除去装置２０のほぼ中央部に配設することにより弁５
の動きをスムーズにし、また、インク流出口３をゴミ除
去装置２０のフィルター１の最上部に配設することによ
り気泡４を滞留なしに完全に送り出すことができる。

【００２６】

【発明の効果】上記のように、ゴミ除去装置のインク流
入口をゴミ除去装置のほぼ中央部もしくは中央部より下
方部に設け、且つインク流出口をゴミ除去装置のフィル
ターの最上部に設けることにより、インク中のゴミ類の
充分な除去が可能となり、特にインク中の気泡もしくは
ゴミ除去装置内に溜った気泡を完全に取り除くことがで
き、常に安定した吐出を得ることのができるインクジェ
ットヘッドの提供が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のゴミ除去装置の第１の実施例を示す模
式的断面図。

【図２】本発明をインクジェット記録装置に適用した供
給回復系の全体構成を示す模式的斜視図。

【図３】本発明のゴミ除去装置の第２の実施例を示す模
式的断面図。

【図４】本発明のゴミ除去装置の第３の実施例を示す模
式的断面図。

【図５】本発明のゴミ除去装置の第４の実施例を示す模
式的断面図。

【図６】従来のゴミ除去装置の一例を示す模式的断面
図。

【符号の説明】

１ フィルター ２ インク流入口 ３ インク流出口 ４ 気泡 ５ 弁 ６ チューブ接続口 ７ ゴミ ８ インクタンク ９ ギヤポンプ １０ 電源 １１ スイッチ １２ 記録ヘッド １３ インク ２０ ゴミ除去装置 ２１ 流入チューブ ２２ 流出チューブ ２３ インク供給チューブ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録液を吐出するための記録ヘッドと、
   該記録ヘッドに供給する記録液を貯留する記録液タンク
   と、該記録ヘッドと記録液タンクとの中間において前記
   記録液を循環させるための流路と、該流路中に前記記録
   ヘッド内へのごみ類の進入を防止するためのフィルター
   を内部に具備するごみ除去装置と、前記記録液を循環さ
   せ該ごみ除去装置の前後に圧力差を発生させるためのポ
   ンプとを具備するインクジェット記録装置において、前
   記ごみ除去装置の記録液循環時の記録液流入口が、ごみ
   除去装置内のフィルターに対してほぼ中央部もしくはよ
   り下方部の位置に配設され、且つ記録液流出口がごみ除
   去装置内のフィルターに対して最上部の位置に配設され
   て成ることを特徴とするインクジェット記録装置。
2. 【請求項２】 前記ごみ除去装置の内部に、前記記録液
   の循環時、フィルタに密着する部材が配設されて成るこ
   とを特徴とする、請求項１記載のインクジェット記録装
   置。