JP2004230209A - 溶液噴出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基板2の一方の面上には網目状に隔壁6が形成されており、隔壁6によって囲繞された各囲繞領域内に透明電極3が形成されている。この透明基板2を溶液噴出装置50にセットし、溶液噴出装置50で有機EL層4を成膜する。溶液噴出装置50は、透明基板2を載置するワークテーブル51と、ワークテーブル51を副走査方向に移動する駆動装置52と、走査方向に移動するヘッド部54と、ヘッド部54に設けられたノズル55と、ノズル55に設けられた加熱器59とを備える。加熱器55によって加熱されたEL溶液が液滴としてノズル55の噴出口55aから噴出されて、透明電極3に液滴が着弾し、液滴の溶媒が蒸発することで、有機EL層4が形成される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に形成された囲繞領域内に液滴を噴出する溶液噴出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL(Electro Luminescence:エレクトロルミネッセンス)素子はアノード電極、有機材料からなる有機EL層、カソード電極の順に積層された積層構造を為しており、アノード電極とカソード電極との間に順バイアス電圧が印加されると有機EL層において発光する。このような有機EL素子を画素として基板上にマトリクス状に配列して、各有機EL素子を所定の階調輝度で発光することによって画像表示を行う有機EL表示パネルが実現化されている。
【0003】
複数の画素で構成される有機EL表示パネルでは、アノード電極又はカソード電極のうちの一方の電極を全ての画素に共通する共通電極とすることができるが、少なくとも他方の電極及び有機EL層を画素ごとにパターニングする必要がある。アノード電極やカソード電極を画素ごとにパターニングする手法は従来の半導体素子製造技術を適用できる。つまり、PVD法又はCVD法等による成膜工程、フォトリソグラフィー法等によるマスク工程、エッチング法等による薄膜の形状加工工程を適宜行うことで、アノード電極やカソード電極を画素ごとにパターニングすることができる。
【0004】
有機EL層の成膜方法については、材料等の条件に応じてドライ蒸着法と湿式コーティング法に大別できる。ドライ蒸着法を用いる場合には、ドライ蒸着法により有機EL層を一面に成膜した後にシャドウマスクを行い、その後マスクの無い部分をエッチングで除去すると、画素ごとに有機EL層をパターニングすることができる。一方、湿式コーティング法を用いる場合には、特許文献1に記載されているように、インクジェット技術を応用することで画素ごとにパターニングすることができる。つまり、有機EL層になる高分子系有機EL材料を溶質として溶媒で溶解してなるEL溶液の液滴をノズルで噴出することで、画素ごとに有機EL層をパターニングすることができる。インクジェット技術を応用した湿式コーティング法では成膜工程と、画素ごとのパターニング工程をほぼ同時に行えることから、インクジェット方式は主流の技術となりつつある。
【0005】
ところで、高解像度の画像表示を行う有機EL表示パネルを提供するためには、有機EL層を微細パターンで形成しなければならない。インクジェット方式では、EL溶液の液滴の粒径が非常に小さいため有機EL層を微細パターンで形成することは可能であるが、液滴が着弾してから固化するまでの間に滲んで拡張するため隣り合う画素の有機EL層の液滴と混じってしまう場合がある。そこで、基板上に予め網目状の隔壁を微細パターニングしてから、隔壁によって囲繞された領域に液滴を噴出することで、隣り合う画素同士の液滴が混ざることを防止する技術が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−106278号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高分子系有機EL材料は溶媒に対する溶解度が全般的に低い。溶解度の低い溶媒を用いると、EL溶液の液滴が着弾してから溶媒が蒸発するまでに時間がかかるため、生産性が悪い。更に、有機EL層を適切な膜厚にするためには、溶媒が蒸発してから低濃度のEL溶液の液滴を繰り返し噴出するという工程を何回も行わなければならないことがあり、これまた生産性が悪い。液滴の噴出工程の回数を減らすために一回に噴出する液滴の量を多くすれば、液滴が隔壁から溢れ出てしまい、隣り合う画素同士の液滴が混ざってしまい、品質が悪い。液滴が溢れ出ないように隔壁の高さを高くすると、隔壁のパターニング精度が低くなり、また、隔壁上を覆い各画素と接続している共通電極であるカソード電極が隔壁上で断線してしまい、歩留まりを下げてしまう恐れがある。
そこで、高分子系有機EL材料を溶解しやすい溶媒としてキシレンを用いられることもあるが、キシレンは揮発性が高いから高分子系有機EL材料がノズルで析出してしまい、ノズルに目詰まりが生ずる。
そこで、本発明の目的は、溶液を効率的に目的の位置のみに精度よく付着するようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1、図2に示すように、
溶媒に溶質を溶解してなる溶液を液滴として、噴出口(例えば、噴出口55a)から基板(例えば、透明基板2)の一方の面上に形成された複数の囲繞領域に向けて噴出するノズル(例えば、ノズル55)を備えた溶液噴出装置において、
前記ノズル内にある溶液を加熱する加熱器が前記ノズル(例えば、加熱器59)に設けられていることを特徴とする。
またこのような溶液噴出装置に、ノズル及び基板のうちの一方を他方に対して相対的に移動する相対移動手段(例えば、ヘッド部54、ワークテーブル51、駆動装置52)を備えてもよい。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の溶液噴出装置において、
前記ノズル内にある溶液の沸点より低くなるように前記加熱器が前記ノズル内にある溶液を加熱することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項1又は2に記載の溶液噴出装置において、
前記ノズル内にある溶液の温度を計測する計測手段と、
前記計測手段によって計測された温度に基づいて前記ノズル内にある溶液の温度が一定になるように、前記加熱器を制御する温度制御手段(例えば、温度コントローラ61)と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項1から3の何れか一項に記載の発明では、ノズル内にある溶液が加熱器によって加熱されるため、ノズルの噴出口から噴出された液滴に含まれる溶媒が蒸発しやすくなる。とくに、液滴が噴出口で噴出されてから囲繞領域内に着弾するまでの飛翔中に、液滴の溶媒が徐々に蒸発していき、液滴の体積が小さい状態で且つ溶質の濃度が高い状態で液滴が囲繞領域内に着弾する。従って、液滴が着弾してから溶媒がほぼ完全に蒸発するまでの時間が短い。
また、液滴が飛翔中に熱によって小さくなるから、着弾した液滴が囲繞領域からはみ出すこともなくなり、隣り合う囲繞領域内の溶液どうしが混じることもない。そのため、溶解度の低い溶媒であっても一回の噴出でより体積の大きい液滴を噴出することができる。従って、囲繞領域内で溶質を適切な膜厚までにするのに要する噴出回数を少なくすることができる。
また、溶液が加熱されているため、溶媒の溶解度が高くなるから、溶質が噴出口やノズル内で析出することを防止することができる。そのため、ノズルの目詰まりを抑制できるとともに液滴の濃度が均一なために液滴による被膜の厚さを均等にすることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明では、ノズル内の溶液が沸点より低い温度に加熱されているため、溶液内に気泡が発しない。そのため、気泡によってノズル内の溶液の圧力が変化することで噴出口から溶液が漏れることが防止される。
【0013】
また、請求項3に記載の発明では、ノズル内の溶液の温度が一定になっているため、ノズル内の溶液の圧力が安定する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、例えば図1、図2に示すように、
溶媒に溶質を溶解してなる溶液を液滴として、噴出口(例えば、噴出口55a)から基板(例えば、透明基板2)の一方の面上に形成された複数の囲繞領域に向けて噴出するノズル(例えば、ノズル55)を備えた溶液噴出装置において、
前記溶液を貯蔵するとともに前記ノズルに前記溶液を供給するタンク(例えば、タンク56)内にある前記溶液を加熱する加熱器(例えば、加熱器58)が前記タンクに設けられていることを特徴とする。
またこのような溶液噴出装置に、ノズル及び基板のうちの一方を他方に対して相対的に移動する相対移動手段(例えば、ヘッド部54、ワークテーブル51、駆動装置52)を備えてもよい。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の溶液噴出装置において、
前記タンク内にある溶液の沸点より低くなるように前記加熱器が前記タンク内にある溶液を加熱することを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項4又は5に記載の溶液噴出装置において、
前記タンク内にある溶液の温度を計測する計測手段と、
前記計測手段によって計測された温度に基づいて前記タンク内にある溶液の温度が一定になるように、前記加熱器を制御する温度制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4から6の何れか一項に記載の発明では、タンク内にある溶液が加熱器によって加熱され、その加熱された溶液がノズルに供給されて、ノズルの噴出口から噴出された液滴が噴出される。溶液が加熱されているため、液滴に含まれる溶媒が蒸発しやすくなる。とくに、液滴が噴出口で噴出されてから囲繞領域内に着弾するまでの飛翔中に、液滴の溶媒が徐々に蒸発していき、液滴の体積が小さい状態で且つ溶質の濃度が高い状態で液滴が囲繞領域内に着弾する。従って、液滴が着弾してから溶媒がほぼ完全に蒸発するまでの時間が短い。
また、液滴が飛翔中に熱によって小さくなるから、着弾した液滴が囲繞領域からはみ出すこともなくなり、隣り合う囲繞領域内の溶液どうしが混じることもない。そのため、溶解度の低い溶媒であっても一回の噴出でより体積の大きい液滴を噴出することができる。従って、囲繞領域内で溶質を適切な膜厚までにするのに要する噴出回数を少なくすることができる。
また、溶液が加熱されているため、溶媒の溶解度が高くなるから、溶質が噴出口やノズル内で析出することが防止される。そのため、ノズルの目詰まりを抑制できるとともに液滴の濃度が均一なために液滴による被膜の厚さを均等にすることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば図1、図5に示すように、
溶媒に溶質を溶解してなる溶液を液滴として、噴出口から基板(例えば、透明基板2)の一方の面上に形成された複数の囲繞領域に向けて噴出するノズルを備えた溶液噴出装置において、
前記基板を載置する載置台(例えば、ワークテーブル51)を加熱する加熱器(基板用ヒータ63)が前記載置台に設けられていることを特徴とする。
またこのような溶液噴出装置に、載置台及びノズルのうちの一方を他方に対して相対的に移動する相対移動手段を設けてもよい。
【0019】
請求項7に記載の発明では、基板が加熱されているため、ノズルやノズルの噴出口から囲繞領域までの雰囲気の温度が上昇し加熱されるためにノズル内の溶液が予め加熱されている効果及び噴出した液滴が飛翔中に加熱される効果によって、液滴に含まれる溶媒が囲繞領域に着弾までに蒸発しやすくなる。
また、基板に着弾した液滴の溶媒がすぐに蒸発するため、着弾した液滴が囲繞領域からはみ出すこともなくなり、隣り合う囲繞領域内の溶液どうしが混じることもない。そのため、溶解度の低い溶媒であっても一回の噴出でより体積の大きい液滴を噴出することができる。従って、囲繞領域内で溶質を適切な膜厚までにするのに要する噴出回数を少なくすることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、例えば図1、図7に示すように、
溶媒に溶質を溶解してなる溶液を液滴として、噴出口(例えば、噴出口55a)から基板の一方の面上に形成された複数の囲繞領域に向けて噴出するノズル(例えば、ノズル55)を備えた溶液噴出装置において、
前記ノズルと前記基板との間の空間に向けて放熱する放熱器(例えば、放射型ヒータ64)を具備することを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明では、ノズルと基板との間の空間に熱が放熱されているため、ノズルやノズルの噴出口から囲繞領域までの雰囲気の温度が上昇し加熱されるためにノズル内の溶液が予め加熱されている効果及び噴出した液滴が飛翔中に加熱される効果によって、液滴に含まれる溶媒が囲繞領域に着弾までに蒸発しやすくなる。とくに、液滴が噴出口で噴出されてから囲繞領域内に着弾するまでの飛翔中に、液滴の溶媒が徐々に蒸発していき、液滴の体積が小さい状態で且つ溶質の濃度が高い状態で液滴が囲繞領域内に着弾する。従って、液滴が着弾してから溶媒がほぼ完全に蒸発するまでの時間が短い。
また、液滴が飛翔中に熱によって小さくなるから、着弾した液滴が囲繞領域からはみ出ることもなくなり、隣り合う囲繞領域内の溶液どうしが混じることもない。そのため、溶解度の低い溶媒であっても一回の噴出でより体積の大きい液滴を噴出することができる。従って、囲繞領域内で溶質を適切な膜厚までにするのに要する噴出回数を少なくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。
図1(a)は有機EL表示パネル1の平面図であり、図1(b)は図1(a)の切断線A−Aで切断して示した断面図である。
【0023】
有機EL表示パネル1は透明基板2を具備しており、画素ごとに有機EL素子が設けられている。透明基板2としては、石英ガラス等といったガラス基板の他にプラスチック基板を使用することができる。
【0024】
透明基板2の一方の面上に複数の透明電極3,3,…がマトリクス状に配列されて形成されている。透明電極3は、比較的仕事関数が高く、有機EL素子のアノード電極である。透明電極3は、導電性及び透光性を有する材料で形成されており、例えば、インジウム・スズ・酸化物(ITO:Indium−Tin−Oxide)、インジウム・亜鉛・酸化物(IZO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)又は酸化亜鉛(ZnO)で形成されている。
【0025】
透明基板2の一方の面上に隔壁6が網目状に形成されており、平面視して隔壁6は各々の透明電極3を囲繞し、囲繞領域ごとに画素を仕切っている。隔壁6は、絶縁性を有し、ポリイミド樹脂といった感光性樹脂、酸化シリコン又は窒化シリコンで形成されている。
【0026】
隔壁6に囲繞される各々の領域内において有機EL層4が透明電極3上に形成されており、有機EL層4は有機EL素子の広義の発光層である。有機EL層4は、高分子系の有機化合物(チオフェン系高分子、ポリフルオレン系高分子等)である発光材料(蛍光体)が含有されている。有機EL層4は、透明電極3から順に正孔輸送層、狭義の発光層、電子輸送層となる三層構造であっても良いし、透明電極3から順に正孔輸送層、狭義の発光層となる二層構造であっても良いし、狭義の発光層からなる一層構造であっても良いし、これらの層構造において適切な層間に電子或いは正孔の注入層が介在した積層構造であっても良いし、その他の層構造であっても良い。有機EL層4は、正孔及び電子を輸送する機能と、正孔と電子の再結合により励起子を生成して発光する機能とを有する。ここで、有機EL層4の発光色は三色あり、有機EL層4Rは赤色に発光し、有機EL層4Gは緑色に発光し、有機EL層4Bは青色に発光する。なお、有機EL層4は、液滴噴出方式で後述する溶液噴出装置50によって形成される。
【0027】
図1では、図示を省略するが、有機EL層4上に対向電極が形成されている。対向電極は、比較的仕事関数の低い材料で形成されており、有機EL素子のカソード電極である。対向電極は、例えばインジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム若しくはバリウム又はこれらの少なくとも一種を含む合金若しくは混合物で形成されている。対向電極は、全ての画素に共通であっても良いし、画素ごとに区切られていても良い。
【0028】
各々の画素では、透明電極3の電位が対向電極の電位より高くなるように電圧が印加されると、透明電極3から有機EL層4に正孔が注入されるとともに対向電極から有機EL層4に電子が注入されることで、有機EL層4が発光する。
【0029】
なお、上記有機EL表示パネル1がアクティブマトリクス方式で駆動されるものであれば、画素ごとに画素回路(複数の薄膜トランジスタ、コンデンサ等から構成される。)が設けられており、画素回路には透明電極3が各々接続されている。
【0030】
次に、液滴噴出方式で有機EL層4を成膜する溶液噴出装置50について説明する。
図2には、溶液噴出装置50が示された概略側面図である。
溶液噴出装置50は、EL溶液71を液滴として透明基板2に噴出することによって有機EL層4を成膜するものであり、隔壁6に囲繞される各々の領域に噴出される液滴は10〜100pl程度である。EL溶液71の溶質は、有機EL層4の有機材料(発光性物質、正孔輸送性物質、電子輸送性物質等の高分子系材料)である。EL溶液71の溶媒は、有機EL層4の有機材料を溶解することのできる材料であり、沸点が室温に比較して高く、テトラメチルベンゼン等が挙げられるが、本願発明では揮発性がより高いものほどその効果が大きい。また、有機EL層4を成膜する際には、予め透明電極3,3,…及び隔壁6が形成された透明基板2を用いる。なお、図2において、透明基板2上の隔壁6及び透明電極3の図示は省略している。
【0031】
溶液噴出装置50は、平坦で且つ水平な上面を有するとともに副走査方向(紙面の奥行き方向)に移動自在なワークテーブル51と、ワークテーブル51を副走査方向に移動させるようにワークテーブル51を駆動する駆動装置52と、副走査方向に対して略直角な主走査方向(紙面の左右方向)に延在するガイド部53と、ガイド部53に案内されてガイド部53に沿って主走査方向に移動する移動体であるヘッド部54と、EL溶液71を液滴として噴出する複数のノズル55と、EL溶液71の供給源であるタンク56と、タンク56からEL溶液71を供給する供給管57と、タンク56においてEL溶液71を加熱する第一加熱器58と、ノズル55においてEL溶液71を加熱する第二加熱器59と、溶液噴出装置50全体を制御するコントローラ60とを具備する。
【0032】
ワークテーブル51は平板状に呈しており、ワークテーブル51の上面に透明基板2が載置される。
タンク56内にEL溶液71が貯蔵されており、タンク56に第一加熱器58が設けられている。第一加熱器58は、タンク56内に貯蔵されたEL溶液71を室温より高い温度に加熱するとともに、タンク56内に貯蔵されたEL溶液71が沸騰しない程度に加熱する。タンク56内にEL溶液71が密閉されているので、EL溶液71の溶媒の揮発によってタンク56内のEL溶液71の濃度が変わることをタンク56によって防止されるとともに、また外からのゴミがタンク内56のEL溶液71に混入することをタンク56によって防止される。
【0033】
駆動装置52は、ヘッド部54の動作に合わせてワークテーブル51とともに透明基板2を副走査方向に搬送するものであり、具体的には、間欠的に透明基板2を搬送するものである。なお、駆動装置52は、コントローラ60に制御される。
【0034】
ヘッド部54は、間欠的な透明基板2の搬送に合わせて、ワークテーブル51上においてガイド部53に沿って主走査方向に往復移動するものであり、具体的には透明基板2が停止している際に主走査方向に少なくとも一往復の移動をするものである。ヘッド部54は、コントローラ60によって制御される。
【0035】
ヘッド部54の下部にはノズル55が設けられており、このノズル55は供給管57を介してタンク56に通じている。EL溶液71がタンク56から供給管57を通じてノズル55内に供給され、ノズル55内にEL溶液71が充填される。ノズル55の下端には一又は複数の噴出口55aが設けられており、ノズル55には噴出手段が設けられている。このノズル55は、噴出手段の作動によりEL溶液71を噴出口55aから透明基板2に向けて噴出するようになっている。噴出口55aから透明基板2までの距離は噴出位置の精度のためには短い方が好ましく、また透明基板2での液滴のはね返りを考慮すればある程度長い方が好ましく、両者を鑑みて1.0mm〜1.5mm程度が好ましい。EL溶液71の液滴が噴出口55aから噴出し透明基板2に到達するまでの時間は、1〜100m秒が好ましい。
【0036】
ノズル55に設けられる噴出手段としては、サーマルジェット式、ピエゾ式、静電式等が挙げられる。サーマルジェット式の噴出手段は、発熱体でノズル55内のEL溶液71を瞬時に膜沸騰させて、EL溶液71内に気泡を発生させてノズル55内の圧力を変化させることにより、EL溶液71の液滴を噴出口55aから噴出するものである。また、ピエゾ式の噴出手段は、ピエゾ素子の体積を変化させて、ノズル55内の圧力を変化させることにより、EL溶液71の液滴を噴出口55aから噴出するものである。また、静電式の噴出手段は、ノズル55内のEL溶液71に接したコンデンサに電圧を印加してコンデンサの電極の引力又は斥力を変化させ、ノズル55内の溶液の圧力を変化させることにより、EL溶液71の液滴を噴出口55aから噴出するものである。
【0037】
以上のワークテーブル51、駆動装置52及びヘッド部54によって、透明基板2及びノズル55の一方が他方に対してワークテーブル51の上面に平行な面に沿って相対的に移動されるようになっている。
【0038】
なお、図2では、一つのノズル55及び一つのタンク56のみが示されているが、実際には複数のタンク56があり、複数のノズル55がヘッド部54に設けられている。また、赤、緑又は青の何れか一色に発光する有機材料を溶解したEL溶液71がそれぞれのタンク56に充填されており、それぞれのノズル55からは赤、緑又は青の何れか一色に発光する有機材料を溶解したEL溶液71が噴出される。
【0039】
ノズル55には第二加熱器59が設けられている。第二加熱器59は、EL溶液71が供給管57等を通過する際に奪われる熱量を補填するためのものであり、ノズル55内のEL溶液71を室温より高い温度に加熱するとともに、ノズル55内のEL溶液71が沸騰しない程度に加熱するものである。第二加熱器59がサーマルジェット式の発熱体と異なることは、サーマルジェット式の発熱体はEL溶液71の噴出の時のみに瞬時にEL溶液71を瞬時に加熱して膜沸騰させているのに対して、第二加熱器59がノズル55内のEL溶液71全体を沸騰しない程度に加熱していることと、駆動時の温度が定常状態であることにある。
【0040】
以上のワークテーブル51及びノズル55が箱体70内に配設されている。従って、透明基板2が副走査方向に移動されること、ノズル55からEL溶液71の液滴が噴出されること、EL溶液71の液滴が透明基板2に着弾することは、箱体70の内部空間において行われる。
【0041】
コントローラ60は、駆動装置52、ヘッド部54及びノズル55はコントローラ60を制御して、所定タイミングで動作させたり、停止させたりするようになっている。
【0042】
有機EL表示パネル1の製造方法について説明する。
PVD法或いはCVD法等による成膜工程、フォトリソグラフィー法等によるマスク工程、エッチング法等による薄膜形状加工工程を適宜行うことによって、透明基板2上に複数の透明電極3をマトリクス状にパターニング形成する。
次に、スピンコート法又はディップ法等によって、透明電極3の形成された透明基板2上の一面に感光性樹脂のレジスト膜を成膜し、レジスト膜を露光した後に現像液で部分的に除去することで、各々の透明電極3を囲繞するようにレジスト膜を形状加工する。残留したレジスト膜が隔壁6となる。なお、PVD法或いはCVD法等による成膜工程、フォトリソグラフィー法等によるマスク工程、エッチング法等による薄膜形状加工工程を適宜行うことによって、酸化シリコン又は窒化シリコンの隔壁6を形成しても良い。
【0043】
次に、透明電極3及び隔壁6の形成された透明基板2をワークテーブル51上に載置する。次に、溶液噴出装置50を用いて、隔壁6に囲繞された各々の領域にEL溶液71の液滴を噴出することで隔壁6に囲繞された各々の領域に有機EL層4を成膜する。
【0044】
詳細には溶液噴出装置50の各部はコントローラ60に制御されて以下のように動作する。
つまり、駆動装置52がワークテーブル51とともに透明基板2を副走査方向に間欠的に搬送する。ここで、透明基板2が停止している最中に、ヘッド部54が主走査方向に少なくとも一往復する。
【0045】
ヘッド部54が主走査方向に移動している最中に、ノズル55が透明電極3の直上を通過する。ノズル55が透明電極3上を通過している最中に、ノズル55が透明電極3に向けてEL溶液71を液滴として一回又は複数回噴出する。なお、ノズル55が透明電極3の直上に位置した時に、ヘッド部54が一旦停止して、ノズル55が透明電極3に向けてEL溶液71を液滴として一回又は複数回噴出しても良い。
透明電極3に着弾した液滴が透明電極3上で広がって膜になり、そして固化することによって、有機EL層4が形成される。
【0046】
以上のようにヘッド部54が主走査方向に少なくと一往復した後、駆動装置52がワークテーブル51とともに透明基板2を副走査方向に所定距離搬送する。そして、透明基板2が再び停止したら、ヘッド部54の往復移動、ノズル55によるEL溶液71の噴出が再び行われる。以降、溶液噴出装置50が上述の動作を繰り返すことにより、隔壁6に囲繞された領域全てに有機EL層4が成膜される。
【0047】
溶液噴出装置50が動作している間、第一加熱器58によってタンク56内のEL溶液71が沸騰しない程度に加熱されており、第二加熱器59によってノズル55内のEL溶液71が沸騰しない程度に加熱されている。そのため、EL溶液71の液滴が噴出口55aで噴出されてから透明電極3に着弾するまでの飛翔中に、液滴の溶媒が蒸発していき、液滴の体積が徐々に小さくなっていく。従って、液滴が着弾する際には体積が小さくなっており、着弾した液滴の跳ね返りが減るので、隔壁6に囲繞された領域から液滴がはみ出なくなる。
【0048】
以上のようにしてそれぞれの囲繞領域に有機EL層4を成膜するが、有機EL層4が正孔輸送層、狭義の発光層、電子輸送層等からなる積層構造の場合には、それぞれの層ごとに溶液噴出装置50を準備し、以上のように説明した場合と同様にそれぞれの層を順次成膜していくことによって有機EL層4を形成する。
【0049】
溶液噴出装置50による有機EL層4の成膜が終了したら、PVD法又はCVD法等による成膜工程を行うことで、有機EL層4の形成された透明基板2上の一面に対向電極を成膜する。
【0050】
以上の実施の形態では、加熱された液滴が噴出されることで液滴がはみ出ないから、隣り合う二つの画素のEL溶液71同士が隔壁6上で混ざることがない。そのため、一回で噴出することのできる液滴の体積を大きくすることができ、所定の厚みの有機EL層4を形成するために要する噴出回数を減らすことができる。
【0051】
また、EL溶液71が加熱されているため溶媒の溶解度が高くなり、有機材料の濃度を高くすることができるから、一回の噴出で形成される有機EL層4の厚みを大きくすることができる。従って、所定の厚みの有機EL層4を形成するための噴出回数を減らすことができ、そして、有機EL表示パネル1全体としての製造時間を短くすることができる。
【0052】
また、加熱されたEL容器71の液滴が噴出されるから液滴が着弾する前に飛翔している段階ですでに加熱された熱によって液滴の溶媒が速やかに蒸発していくために、着弾してから蒸発に要する時間も短くなり、有機EL表示パネル1全体としての製造時間を短くすることができる。
【0053】
また、EL溶液71が加熱されているため溶媒の溶解度が高くなり、噴出口55aにおいて溶質が析出することもなく、噴出口55aが閉塞することを防止することができる。
【0054】
また、加熱器58,59がEL溶液71を加熱しても、EL溶液71が沸騰していないため、ノズル55内やタンク56内のEL溶液71の圧力が急激に変化しない。そのため、隔壁6の直上等といった噴出すべきでない場所でノズル55の噴出口55aから液滴が不意に噴出されない。
【0055】
なお、有機EL層4を成膜する装置として、図3に示すような溶液噴出装置150を用いても良い。
溶液噴出装置150は、図2に示した溶液噴出装置50の構成に加えて、温度コントローラ61を具備する。温度コントローラ61は、第一加熱器58及び第二加熱器59の加熱制御を行うものである。つまり、タンク56内にはEL溶液71の温度を計測する温度計測器が設けられており、計測された温度が温度計測器から温度コントローラ61にフィードバックされ、温度コントローラ61は、計測された温度に基づいてタンク56内のEL溶液71を一定に保つように第一加熱器58を制御する。同様に、ノズル55内にはEL溶液71の温度を計測する温度計測器が設けられており、計測された温度が温度計測器から温度コントローラ61にフィードバックされ、温度コントローラ61は、計測された温度に基づいてノズル55内のEL溶液71の温度を一定に保つように第二加熱器59を制御する。温度コントローラ61によって第一加熱器58及び第二加熱器59が制御されることで、EL溶液71は沸騰しない程度に一定温度に加熱される。
【0056】
溶液噴出装置150ではノズル55内やタンク56内のEL溶液71の温度が一定に制御されており、更にEL溶液71が沸騰していないため、EL溶液71の圧力が安定し、更に噴出される液滴はいつでも同じ溶解度及び温度となっている。従って、噴出される液滴は、常に一様の濃度で且つ均一な量であり、蒸発に要する時間も同じになる。
【0057】
また、有機EL層4を成膜する装置として、図4に示すような溶液噴出装置250を用いても良い。
溶液噴出装置250は、図2に示した溶液噴出装置50の構成に加えて、断熱材62を具備する。この断熱材62は、ヘッド部54とノズル55の間に介在し、ヘッド部54とノズル55に挟まるようにして設けられている。断熱材62は、加熱器58,59によって熱せられたノズル55の熱がヘッド部54に伝導することを防いでいる。仮にヘッド部54が熱せられると、ヘッド部54が膨張するため、ヘッド部54を精度良く位置決めすることができず、液滴の着弾位置がずれることがある。しかしながら、この溶液噴出装置250では断熱材62によってヘッド部54が熱せられることが抑制されているため、液滴の着弾ずれが生じない。
溶液噴出装置250では、ヘッド部54を主走査方向のみの移動のみならず、副走査方向に移動自在に設けてもよい。この際にワークテーブル51は副走査方向に移動していてもしなくてもよい。
【0058】
また、有機EL層4を成膜する装置として、図5に示すような溶液噴出装置350を用いても良い。
溶液噴出装置350は、図1に示す溶液噴出装置50の加熱器58,59に代えて基板用ヒータ63を具備し、その他の構成要素は溶液噴出装置50と同様である。基板用ヒータ63はワークテーブル51に埋め込まれており、ワークテーブル51から透明基板2を加熱するものである。透明基板2が加熱されていることで、透明基板2上の雰囲気やノズル55の温度が上昇し、ノズル55の噴出口55aから噴出された液滴がノズル55内で加熱されたり、透明基板2上を通過する際に加熱されたりするので、EL溶液71液滴の溶媒を着弾後すぐに蒸発することができる。従って、着弾した液滴が、隔壁6に囲繞された領域からはみ出なくなり、隣り合う二つの画素のEL溶液71同士が隔壁6上で混ざることがない。
【0059】
また、有機EL層4を成膜する装置として、図6に示すような溶液噴出装置450を用いても良い。
溶液噴出装置450は、図5に示した溶液噴出装置350の構成に加えて、断熱材67を具備する。この断熱材67は、ワークテーブル51と駆動装置52の間に介在しており、基板用ヒータ63によって熱せられたワークテーブル51の熱が駆動装置52に伝導することを防いでいる。仮に駆動装置52が熱せられると、駆動装置52が膨張するため、透明基板2を精度良く位置決めすることができず、液滴の着弾位置がずれることがある。しかしながら、この溶液噴出装置450では断熱材67によって駆動装置52が熱せられることが抑制されているため、液滴の着弾ずれが生じない。またこのような構造の場合、ワークテーブル51を副走査方向のみの移動のみならず、主走査方向に移動自在に設けてもよい。この際にヘッド部54は主走査方向に移動しなくてもよい。
【0060】
また、有機EL層4を成膜する装置として、図7に示すような溶液噴出装置550を用いても良い。
溶液噴出装置550は、図1に示した溶液噴出装置50の加熱器58,59に代えて放射型ヒータ64を具備する。放射型ヒータ64は、箱体70内においてワークテーブル51の上方に設けられており、ヘッド部54及びノズル55の移動を干渉しない位置に配されている。放射型ヒータ64は、ノズル55と透明基板2との間の空間に向けて放射状に放熱し、噴出口55aから噴出された液滴を加熱するものである。この溶液噴出装置550でも、液滴が飛翔中に加熱されるから、液滴の溶媒が蒸発する。従って、着弾した液滴が、隔壁6に囲繞された領域からはみ出なくなり、隣り合う二つの画素のEL溶液71同士が隔壁6上で混ざることがない。液滴の精度の高い位置着弾を維持するためには、放射型ヒータ64のような赤外線ヒータ等の無風で熱を伝搬するものが好ましい。
【0061】
また、有機EL層4を成膜する装置として、図8に示すような溶液噴出装置650を用いても良い。
溶液噴出装置650は、図7に示した溶液噴出装置550の放射型ヒータ64に代え、発熱器65及びファン66を具備する。発熱器65及びファン66は、箱体70内においてワークテーブル51上に設けられており、ヘッド部54及びノズル55の移動を干渉しない位置に配されている。発熱器65が発熱し、ファン66は発熱器65の熱気をワークテーブル51とノズル55の間に送り込む。ファン66によって発熱器65の熱がノズル55と透明基板2との間の空間に放熱されることで、噴出口55aから噴出された液滴が加熱される。この溶液噴出装置650でも、液滴が飛翔中に加熱されるから、液滴の溶媒が蒸発する。従って、着弾した液滴が、隔壁6に囲繞された領域からはみ出なくなり、隣り合う二つの画素のEL溶液71同士が隔壁6上で混ざることがない。
【0062】
上記溶液噴出装置150,250,350,450,550,650については、溶液噴出装置50の構成要素と同様の要素に同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0063】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記溶液噴出装置50,150,250,350,450,550,650を有機EL表示パネル1の製造に用いたが、カラーフィルタの製造にも用いることができる。カラーフィルタの場合も有機EL表示パネル1の場合と同様に、透明基板上に隔壁が網目状に形成されており、隔壁によって囲繞された囲繞領域のそれぞれに着色層が形成されているが、これら着色層を溶液噴出装置50,150,250,350,450,550,650で成膜することができる。但し、着色層を形成する材料は、有機EL層4を形成する材料とは異なるが、有機溶媒等に溶解することができるものである。
【0064】
また、上記各実施形態ではヘッド部54が主走査方向に移動可能であったが、主走査方向及び副走査方向に移動可能、つまりワークテーブル51の上面に対して平行な面に沿って移動可能であっても良い。この場合、ワークテーブル51が固定されていても良い。同様に、ワークテーブル51が駆動装置52によって主走査方向及び副走査方向に移動可能であっても良い。この場合、ヘッド部54が固定されていても良い。つまり、ワークテーブル51及びヘッド部54のうちの一方が他方に対してワークテーブル51の上面に平行な面に沿って相対的に移動可能であれば良い。
【0065】
また、タンク56からノズル55に供給されるEL溶液71を加熱するヒータが供給管57に設けられていても良い。この際にタンク56に加熱器58が配置されていてもいなくてもよく、加熱器59が配置されていてもいなくてもよい。
また、図5〜図8に示す溶液噴出装置350,450,550,650に、加熱器58及び加熱器59の少なくとも一方を配置させることで溶媒の揮発効果を向上させることが可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、噴出口から噴出された液滴が蒸発しやすくなり、着弾した液滴が囲繞領域からはみ出ることもなくなり、隣り合う囲繞領域内の溶液どうしが混じることもない。そのため、溶解度の低い溶媒であっても一回の噴出でより体積の大きい液滴を噴出することができる。従って、囲繞領域内で溶質を適切な膜厚までにするのに要する成膜時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL表示パネルが示された平面図及び断面図である。
【図2】前記有機EL表示パネルの有機EL層を成膜する際に用いる溶液噴出装置を示した側面図である。
【図3】図2の溶液噴出装置とは別の溶液噴出装置を示した側面図である。
【図4】図2,3の溶液噴出装置とは別の溶液噴出装置を示した側面図である。
【図5】図2,3,4の溶液噴出装置とは別の溶液噴出装置を示した側面図である。
【図6】図2,3,4,5の溶液噴出装置とは別の溶液噴出装置を示した側面図である。
【図7】図2,3,4,5,6の溶液噴出装置とは別の溶液噴出装置を示した側面図である。
【図8】図2,3,4,5,6,7の溶液噴出装置とは別の溶液噴出装置を示した側面図である。
【符号の説明】
2 透明基板(基板)
4 有機EL層
6 隔壁
50,150,250,350,450,550,650 溶液噴出装置
51 ワークテーブル
52 駆動装置
54 ヘッド部
55 ノズル
55a 噴出口
56 タンク
58 第一加熱器(加熱器)
59 第二加熱器(加熱器)
61 温度コントローラ(温度制御手段)
63 基板用ヒータ(加熱器)
64 放射型ヒータ(放熱器)
65 発熱器(放熱器)
66 ファン(放熱器)
Claims (8)
- 溶媒に溶質を溶解してなる溶液を液滴として、噴出口から基板の一方の面上に形成された複数の囲繞領域に向けて噴出するノズルを備えた溶液噴出装置において、
前記ノズル内にある溶液を加熱する加熱器が前記ノズルに設けられていることを特徴とする溶液噴出装置。 - 前記ノズル内にある溶液の沸点より低くなるように前記加熱器が前記ノズル内にある溶液を加熱することを特徴とする請求項1に記載の溶液噴出装置。
- 前記ノズル内にある溶液の温度を計測する計測手段と、
前記計測手段によって計測された温度に基づいて前記ノズル内にある溶液の温度が一定になるように、前記加熱器を制御する温度制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶液噴出装置。 - 溶媒に溶質を溶解してなる溶液を液滴として、噴出口から基板の一方の面上に形成された複数の囲繞領域に向けて噴出するノズルを備えた溶液噴出装置において、
前記溶液を貯蔵するとともに前記ノズルに前記溶液を供給するタンク内にある前記溶液を加熱する加熱器が前記タンクに設けられていることを特徴とする溶液噴出装置。 - 前記タンク内にある溶液の沸点より低くなるように前記加熱器が前記タンク内にある溶液を加熱することを特徴とする請求項4に記載の溶液噴出装置。
- 前記タンク内にある溶液の温度を計測する計測手段と、
前記計測手段によって計測された温度に基づいて前記タンク内にある溶液の温度が一定になるように、前記加熱器を制御する温度制御手段と、を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の溶液噴出装置。 - 溶媒に溶質を溶解してなる溶液を液滴として、噴出口から基板の一方の面上に形成された複数の囲繞領域に向けて噴出するノズルを備えた溶液噴出装置において、
前記基板を載置する載置台を加熱する加熱器が前記載置台に設けられていることを特徴とする溶液噴出装置。 - 溶媒に溶質を溶解してなる溶液を液滴として、噴出口から基板の一方の面上に形成された複数の囲繞領域に向けて噴出するノズルを備えた溶液噴出装置において、
前記ノズルと前記基板との間の空間に向けて放熱する放熱器を具備することを特徴とする溶液噴出装置。
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