JPH05281562A

JPH05281562A - 液晶パネルの製造方法

Info

Publication number: JPH05281562A
Application number: JP4078131A
Authority: JP
Inventors: Satoshi Yamada; 聡山田; Shinji Hisamitsu; 伸二久光; Teruhisa Ishihara; 照久石原; Hisao Furukawa; 久夫古川
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1992-04-01
Filing date: 1992-04-01
Publication date: 1993-10-29

Abstract

(57)【要約】【目的】スペーサー材が均一に分散され、ギャップムラ
が生じず、スペーサー材を混入した液晶を安定して精度
良く吐出出来る液晶パネルの製造方法を提供すること。【構成】スペーサー材を混入した液晶を、ヒーターで加
熱し、同時に撹拌機で撹拌しながら、液晶用基板に滴下
する。こうして、ヒーターによって液晶の粘度を下げ、
しかも撹はん機能によりスペーサー材の沈降、凝集を防
止することができるので、インクジェット方式を応用し
て液晶を精度良く安定して吐出できる。その結果、高精
度で基板上に極めて微小に、かつち密に、スペーサー材
を混入した液晶を滴下することができ、ギャップムラの
ない均一な液晶パネルが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液晶パネルの製造方法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、液晶パネルの製造方法として、特
開昭６２ー８９０２５号公報に開示されているような、
液晶滴下、組立方法が知られている。図６を用いてその
製造方法を以下に詳細に説明する。

【０００３】配向処理を施した一対の透明電極付きガラ
ス基板のうち、一方の基板３１に封止材３２を印刷形成
した後、その封止材３２で囲まれた領域内にディスペン
サー６０、もしくは液送ポンプ等の液体吐出装置を用い
てスペーサー材３４を混入した液晶３３を滴下する。そ
の後、前記２枚の基板３１を減圧下で貼り合わせ、封止
材３２で囲まれた領域全体にスペーサー材３４が混入さ
れた液晶３３を展延し、しかる後に封止材３２を硬化す
る。

【０００４】上記のような製造方法は、液晶のロスが少
なく、液晶の供給時間が大幅に短縮されるだけでなく、
スペーサー材３４の散布工程を削減できる等の特徴を持
つ。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディス
ペンサー、液送ポンプ等の液体吐出装置を用いてスペー
サー材３４を混入した液晶３３を滴下供給するこのよう
な従来の方法では、前記液体吐出装置の一滴の吐出量が
多い。そのためスペーサー材３４が均一に分散されずギ
ャップムラが生じるといった課題があった。

【０００６】こうした課題に対処するため、一滴が極め
て微少量で精度の良い液体吐出装置を用いて、基板上に
極めて微小に、且つ、ち密にスペーサー材３４を混入し
た液晶３３を吐出する方法が考えられる。そして、その
ような一滴が極めて微小でしかも高精度な吐出が可能な
液体吐出装置としてはインクジェットを利用する方法が
考えらる。

【０００７】ところで、通常、インクジェットは粘度が
１０ｃｐｓ以下の液体に対しては上述のような適切な特
性を持っている。

【０００８】しかしながら、液晶のように粘度が２０〜
３０ｃｐｓ以上の高粘度の液体に対しては適切に吐出で
きないという課題がある。またスペーサー材３４を混入
した液晶３３を吐出する場合は、インクジェットの内部
でスペーサー材３４の沈降、凝集が起こり、安定して精
度良く吐出できないといった課題もある。

【０００９】本発明は、このような従来の液晶パネル製
造方法の課題を考慮し、スペーサー材が均一に分散さ
れ、ギャップムラが生じず、スペーサー材を混入した液
晶を安定して精度良く吐出出来る液晶パネルの製造方法
を提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、一対の電極付
き基板のうち、少なくとも一方の基板上に封止材を形成
するステップと、少なくとも一方の基板上に、加熱機構
と撹はん機構とを具備したインクジェットを用いて、ス
ペーサー材を混入した液晶を滴下するステップと、減圧
下にて前記一対の基板を貼り合わせるステップと、その
後封止材を硬化するステップとを備えた液晶パネルの製
造方法である。このようにすることによって、基板上に
極めて微小に、かつち密にスペーサー材を混入した液晶
を滴下する事が出来る。

【００１１】

【作用】本発明によれば、加熱機構によって液晶の粘度
を下げ、しかも撹はん機能によりスペーサー材の沈降、
凝集を防止することができるので、インクジェット方式
を応用して液晶を精度良く安定して吐出できるものであ
る。その結果、高精度で基板上に極めて微小に、かつち
密に、スペーサー材を混入した液晶を滴下することがで
き、ギャップムラのない均一な液晶パネルが得られる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００１３】図１は、本発明の一実施例で使用したイン
クジェット本体１０の断面図である。インクジェット本
体１０は、大きく圧力室１１と液晶室１５とから構成さ
れており、圧力室１１には本体部に圧電素子（ピエゾ
板）１２が、また底面部には口径６０μｍの吐出口１３
が設けられている。圧電素子１２には、外部に設けられ
たパルス発信機２３が接続されている。そしてこの圧力
室１１は背面部にある供給口１４により液晶室１５に連
結されている。この液晶室１５の底部には、スペーサー
材３４を混入した液晶３３の温度を調節するためのヒー
ター１６が設けられている。このヒータ１６には、液晶
室１５の外部に設けられている温度コントローラー２２
に接続されている。またモーター１９と連結したスクリ
ュー１８を内部に設け、このスクリュー１８によりスペ
ーサー材３４を混入した液晶３３を撹はんするようにな
っている。また、液晶室１５の上面部には通気口１７が
設けられており、インクジェット本体１０内の圧力を調
整するために設けられた真空ポンプ２１と連結してい
る。

【００１４】図２（ａ）、（ｂ），（ｃ）は、インクジ
ェット本体１０が液晶（図中斜線部）を吐出する際の一
連の動作を説明するための図である。初期状態では図２
（ａ）に示すように圧力室１１に液晶が充填されてい
る。次にパルス発信機２３によってピエゾ板１２に電圧
を印加すると、図２（ｂ）に示すようにピエゾ板１２が
圧力室１１内の液晶を押し出し、吐出口１３から液晶を
吐出する。その後電圧を取り去るとピエゾ板１２が、液
晶室１５から供給口１４を通して圧力室１１内に液晶を
充填させる。前述の一連の動作を１サイクルとして、パ
ルス発信機２３から印加されるパルス数分だけ吐出を繰
り返す。

【００１５】本実施例に用いたインクジェット本体１０
を含め、一般のインクジェットでは吐出液体の粘度が１
０ｃｐｓ以下でないと吐出できない。ところが液晶は一
般に２０〜３０ｃｐｓ以上ありこのままでは吐出できな
い。そこで本発明では、液晶室１５において、ヒーター
１６と温度コントローラー２２により、液晶の粘度が吐
出可能な粘度になるように液晶の温度を調節している。
本実施例で用いたネマチック液晶では４０℃以上で吐出
することができ、温度コントローラー２２で±３℃以内
に液晶の温度を調節することにより、総吐出量３７０ｍ
ｇに対し±２％以内という高い精度で吐出できることが
確認された。また吐出量の制御は駆動周波数を変えるこ
とにより行うことができる。

【００１６】このような特性を持つインクジェット本体
１０を用いた液晶パネルの製造方法を図３〜図６を用い
て以下に詳細に説明する。

【００１７】配向処理を施した透明電極付き基板３１上
に、封止材３２をスクリーン印刷等により形成する。こ
こで封止材３２は紫外線硬化型樹脂を使用した。次に上
述したインクジェット本体１０を図３に示すように、封
止材３２を形成した基板３１から２ｍｍ隔てた状態に保
ち、図４に示すように封止材３２で囲まれた領域内を
０．５ｍｍピッチのライン状に走査させる。

【００１８】その結果、スペーサー材３４を混入した液
晶３３がライン状に基板３１上に載せられる。次に、図
５に示すように、こうしてスペーサー材３４を混入した
液晶３３を滴下し終わった基板３１と配向処理を施した
基板５１とを減圧下で貼り合わせる。その後大気圧下で
封止材３２を硬化して液晶パネルを得る。

【００１９】本実施例ではインクジェット本体１０の一
滴の吐出量が３．０×１０^ー4 ｍｇと極めて微少量であ
り、かつち密に滴下しているため、滴下した時点でスペ
ーサー材が均一に分散しており、また基板３１、５１を
貼り合わせるときにもスペーサー材３４が大きく移動す
ることもない。したがってギャップムラのない表示特性
の良好な液晶パネルが得られた。

【００２０】なお、本発明は、本実施例に用いた型式に
限らず、他の型式であっても、インクジェット機能を応
用したものであれば何れでもよい。

【００２１】また、本発明の加熱機構と撹はん機構は、
圧力室にも設ければさらによい。

【００２２】また、本発明の加熱機構は、上記のような
液晶室底部に設けられたヒーターに限られず、他のヒー
ターであってもかまわない。

【００２３】また、本発明の撹はん機構は、上記のよう
なスクリュウタイプのものに限らず、他の撹はん機能を
有する手段を用いてももちろんかまわない。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、従来のインクジェットに加熱機構と撹
はん機構とを具備させることにより、スペーサー材を混
入した液晶を極めて微少量に、かつ精度良く吐出するこ
とができる。その結果、スペーサー材が均一に分散さ
れ、ギャップムラが生じず、均一性の優れた表示特性の
良好な液晶パネルを提供できる。

【００２５】もちろん、スペーサー材を混入した液晶を
使用できるため、スペーサー材の散布工程を不要にした
長所も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の加熱機構と撹はん機構とを
具備し、圧力室内にピエゾ板を有するインクジェットの
断面図である。

【図２】（ａ）同インクジェットの初期状態を示す圧力
室の断面図である。（ｂ）同インクジェットに電圧を印
加した時の状態を示す圧力室の断面図である。（ｃ）同
インクジェットから電圧を取り去った時の状態を示す圧
力室の断面図である。

【図３】本発明の一実施例の加熱機構と撹はん機構とを
具備したインクジェットを用いた、スペーサー材を混入
した液晶の滴下方法を示す断面図である。

【図４】本実施例で使用した滴下パターンを示す平面図
である。

【図５】本実施例の、減圧下で一対の基板を貼り合わせ
る様子を示した斜視図である。

【図６】従来のディスペンサーを用いた滴下方法を示す
断面図である。

【符号の説明】

１０インクジェット本体１１圧力室１２圧電素子（ピエゾ板）１３吐出口１４供給口１５液晶室１６ヒーター（加熱機構）１７通気口１８スクリュー（撹はん機構）１９モーター２１真空ポンプ２２温度コントローラー２３パルス発信機３１配向処理を施した基板３２封止材３３スペーサー材を混入した液晶３４スペーサー材５１配向処理を施した基板６０ディスペンサー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者古川久夫大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一対の電極付き基板のうち、少なくとも一
方の基板上に封止材を形成するステップと、少なくとも
一方の基板上に、加熱機構と撹はん機構とを具備したイ
ンクジェットを用いて、スペーサー材を混入した液晶を
滴下するステップと、減圧下にて前記一対の基板を貼り
合わせるステップと、その後前記封止材を硬化するステ
ップとを備えたことを特徴とする液晶パネルの製造方
法。