JP2003057666A - 液晶パネルの製造方法、その製造装置および製造システム - Google Patents

液晶パネルの製造方法、その製造装置および製造システム

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JP2003057666A
JP2003057666A JP2001245040A JP2001245040A JP2003057666A JP 2003057666 A JP2003057666 A JP 2003057666A JP 2001245040 A JP2001245040 A JP 2001245040A JP 2001245040 A JP2001245040 A JP 2001245040A JP 2003057666 A JP2003057666 A JP 2003057666A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶滴下量の高精度化を図るとともに、生産
効率の高い液晶パネルの製造方法、製造装置および製造
システムを提供する。 【解決手段】 シール材を塗布した基板上に液晶を滴下
し、真空中で貼合せを行う液晶パネルの製造方法に用い
る滴下ヘッド1は、シリンダ2内の液晶100を滴下ノ
ズル3から所定量押し出し、滴下ノズル3の吐出口に液
晶滴を形成するピストン4と、ピストン4の押し出し量
を回転量によって制御するステッピングモータ5と、吐
出口に形成された液晶滴を、シリンダ2および/または
滴下ノズル3に振動を与えることによって切り離す圧電
素子7とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルの製造
に関し、特に液晶パネルを構成する2枚の基板間に液晶
を充填するための方法と、該方法を実施する装置および
システムとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶パネルの製造方法としては、
例えば所望のサイズの液晶パネル複数枚分のサイズを有
するTFT(Thin Film Transistor)基板およびカラーフ
ィルタ基板の貼り合わせを行い、液晶パネルのサイズに
合わせて複数のセル体に分断した後で、各セル体に対し
て液晶の注入を行っている。
【0003】より具体的には、TFT基板およびカラー
フィルタ基板の一方の上に、液晶注入口を設けるように
液晶封止用のシール印刷(またはシール描画)を行い、
TFT基板およびカラーフィルタ基板の他方との貼り合
せを行う。続いて、注入口がセル体の側面に出るように
矩形状もしくは短冊状に基板を分断する。そして、上記
注入口を液晶皿に入れた液晶に漬け、真空中でセル体内
へ液晶を注入するようになっている。
【0004】しかし、このような従来の方法には、液晶
皿に液晶が残らざるを得ないことによる液晶ロス、長い
注入時間、注入口封止・洗浄工程を要する処理の煩雑さ
などの多々の課題がある。
【0005】そこで、このような課題を解決するため
に、基板貼合せ時に、TFT基板およびカラーフィルタ
基板の一方の上に液晶を滴下し、基板貼合せによって、
セルギャップ内に液晶が行き渡るようにする充填方法が
考案されている。この方法によれば、液晶ロスを削減で
きるとともに、液晶充填時間を短縮し、注入口封止・洗
浄などの工程を省略できるなどの効果を期待できる。
【0006】この方法は、例えば特許第3084975
号公報、特開平3−246514号公報、特開平5−2
81562号公報などに開示されている。
【0007】例えば、特許第3084975号公報に開
示された方法では、液晶を封止するためのシール材を電
極基板に印刷し、シール材で囲まれた領域内に複数滴の
液晶を付着させる。液晶を付着させる手段は、シリンダ
およびパルスモータで駆動されるピストンを備え、シリ
ンダ内に充填された液晶を、ピストンを押し出すことに
より、シリンダの先端に装着された細いパイプから、上
記領域内に液晶滴を吐出し直接的に付着させる。すなわ
ち、ピストンを所定量押し出すことにより、液晶滴を1
滴付着させることができるから、必要な充填量に達する
まで、細いパイプを基板に対して相対的に移動させなが
ら上記の動作を繰り返すことになる。
【0008】また、滴下量の制御は、初めに測定する電
極基板の重量を基準として、液晶滴を付着させたことに
よる微小重量変化を測定することによって、必要な充填
量に対する不足分を割り出すことで行っている。
【0009】一方、特開平3−246514号公報に開
示された方法は、インクジェットプリンタのインク吐出
方式を応用したものである。すなわち、液晶溜室を備え
た液晶供給ノズルの本体に圧電素子を設け、圧電素子の
振動によって、液晶供給ノズルから液晶を吐出させる。
このとき、液晶供給ノズルおよび基板を相対的に動かす
ことにより、基板に対する液晶の滴下位置を変えること
ができる。
【0010】また、液晶の吐出量は、液晶供給ノズルに
おいて圧電素子を取り付ける振動部の面積と振幅とによ
って決めることができ、振動部の振幅は、圧電素子に印
加する電圧によって制御することができる。同公報の実
施例によると、液晶供給ノズルからの1回あたりの液晶
の吐出量は、0.1mg〜0.01mgの範囲に制御さ
れている。
【0011】さらに、特開平5−281562号公報に
開示された方法もまた、インクジェットプリンタのイン
ク吐出方式を応用したものである。すなわち、液晶が充
填される圧力室内に圧電素子を配し、パルス電圧で駆動
される圧電素子の変位によって、圧力室の端部の吐出口
から液晶を押し出す。押し出された液晶は、基板上にス
クリーン印刷された封止材による包囲領域内に噴霧され
る。
【0012】同公報の実施例によると、1滴の吐出量
は、3.0×10-4mgであり、上記封止材による包囲
領域内を370mgの総吐出量に達するまで、0.5m
mピッチのライン走査を繰り返すようになっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
液晶充填方法では、液晶充填に要する時間の短縮を図る
ことができないという共通の問題点を抱えている。
【0014】まず、特許第3084975号公報に開示
された方法では、シリンダ内に充填された液晶をパルス
モータで駆動されるピストンによって細いパイプから押
し出す構成を採用しているので、大粒の滴下しか行え
ず、セル毎の細かな制御を行うことができない。
【0015】一方、細いパイプから押し出された少量の
液晶を基板に直接付着させるために、シリンダを例えば
上下に往復動させることによって、細いパイプの先端か
ら突出した液晶を直接、基板に付着させるという方法も
考えられるが、この方法では、その上下動の繰り返しを
基板全面に対して行うことにより、滴下時間が長大化す
る。
【0016】なお、シリンダを往復動させる理由は次の
とおりである。仮に、細いパイプと基板とを離間させた
状態で、一定量の液晶を精度良く、細いパイプから液晶
の自重を利用して滴下することができるのなら、シリン
ダを往復動させる必要は無い。ところが、上記液晶の一
定量は、例えば2インチサイズの小型セルであれば、高
々数mg程度の微小量なので、細いパイプから押し出さ
れた液晶は、細いパイプの先端から突出するものの、表
面張力が働くため細いパイプから自重で離れることがで
きない。
【0017】もちろん、液晶の押し出し量を大きくすれ
ば、大きな滴となるから、細いパイプから自重で離れる
ことになる。しかし、この場合には、液晶の吐出分解能
が粗くなるので、予め定まっている液晶の総充填量に過
不足無く到達することが困難になる。なぜなら、液晶の
滴下は1滴の整数倍でしか行うことができず、1滴以下
の小滴を作り出すことができないために、1滴の整数倍
を総充填量に等しく合わせることが、吐出分解能が粗く
なる程、困難になるからである。
【0018】次に、特開平3−246514号公報およ
び特開平5−281562号公報に開示された、インク
ジェットプリンタのインク吐出方式を応用した方法で
は、1滴の吐出量が極めて微小量であるため、例えば、
特開平5−281562号公報に実施例として開示され
ているように、ライン描画を0.5mmピッチで行って
いる。0.5mmピッチのライン描画を基板のほぼ全面
に施すことが、液晶充填時間の長大化を招くことはいう
までもない。例えば、液晶パネルのサイズが30mmと
いう小さな場合でも30往復のライン描画が必要であ
り、サイズが500mmを超える基板ともなれば、数百
往復のライン描画が必要となる。また、基板の実用サイ
ズが拡大している現状では、液晶パネルの製造時間を短
縮し製造ラインの効率を向上させることが可能な液晶充
填方法が強く望まれているのに対して、上記の方法では
そのような要望に応えることができない。
【0019】なお、圧電素子を用いた1滴あたりの吐出
量は、吐出口の口径、圧電素子の形状、駆動電圧等を変
えることによって、ある程度コントロールすることがで
きる。しかし、圧電素子を用いた吐出方法は、1滴あた
りの吐出量を一定にすることが困難、言い換えれば、1
滴あたりの吐出量に再現性が無いという問題を本来的に
有している。
【0020】したがって、圧電素子を用いた滴下方法で
は、吐出量に再現性が無いために、液晶の総充填量に到
達したか否かを確認しながら、圧電素子を駆動すること
が不可欠となる。このために、滴下重量の現在値を計測
する工程や、計測した現在値を圧電素子の制御系にフィ
ードバックして、総充填量に対する不足分を割り出す工
程や、不足分に対して圧電素子を再駆動する工程が必要
になる。この結果、液晶充填時間が長大化することにな
る。
【0021】さらに、液晶充填量の精度を上げるため
に、圧電素子を用いた吐出方法では、1滴あたりの吐出
量を極めて微小にして吐出分解能を上げるようにしてい
る。これにより、1滴あたりが極めて微小量の液晶を、
基板のほぼ全面に滴下するので、液晶充填時間は益々長
くならざるを得ない。
【0022】その上、大型マザー基板の場合、基板重量
が1kgにもなるのに対し、mgオーダーの重量不足ま
たは重量変化を計測することの困難性の問題も有る。
【0023】例えば2インチサイズの小型セルであれ
ば、液晶の総充填量は5μl(約5mg)と非常に少な
く、大型ガラス基板の総重量の測定誤差がそのままセル
の滴下量のばらつきとなるため、非常に精密な重量測定
を行う必要がある。また、1kgの分母に対するmgオ
ーダーの重量不足または重量変化を計測できるとして
も、計測値がゆらぎから収束するまでにある程度の時間
を要することが予測され、液晶充填時間のさらなる長大
化を招くおそれがある。
【0024】このような液晶充填量を重さで計測して液
晶充填の駆動系にフィードバックすることは、圧電素子
を用いない上記特許第3084975号公報の液晶充填
方法においても採用されているので、液晶充填量を重さ
で計測することに伴う問題は、同方法にも同様に該当す
る。
【0025】以上、従来の液晶充填方法は、充填時間を
短縮することが困難であるという共通の問題を抱えてい
る点を説明したが、さらに個別的な問題点を以下に指摘
する。
【0026】まず、上記特許第3084975号公報の
液晶充填方法において、細いパイプを複数本用いて、複
数滴を同時に滴下することで、充填時間の短縮を図ろう
とする場合、液晶充填量をマザー基板全体の重量変化に
よって計測するのであるから、パイプ間における滴下量
のばらつき発生を検出することは不可能である。したが
って、この場合には、各パイプの制御量を正確に決める
ことができない。この結果、液晶充填量の目標値に速や
かに到達することが困難になる。
【0027】さらに、同方法で、前述のように、少量の
液晶を基板に付着させるために基板表面の滴下部ヘパイ
プを接近させるとすれば、特に、小型パネルの場合には
1つのセルに滴下する液晶の量も非常に少ないため、基
板表面にパイプを非常に接近させた状態で、間隔を厳密
に制御しなければならない。この制御の精度が悪い場合
には、パイプの先端が基板に接触し、基板上に形成して
おいた配向膜の損傷によるパネル表示不良が発生するこ
とになる。
【0028】一方、特開平5−281562号公報の液
晶充填方法では、液晶の粘度を下げて吐出しやすくする
ために、滴下ヘッドに液晶撹拌機やヒータなどをユニッ
トとして組み込んでいるので、滴下ヘッドの質量が大き
くならざるを得ない。このため、質量の大きい滴下ヘッ
ドを高速で往復駆動することは困難であり、インクジェ
ットプリンタによる紙の印刷と同様、基板上の全セルに
液晶を滴下するのに数分以上の時間がかかり、生産性が
取り分け低くなる。
【0029】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、液晶滴下量の高精度化と高生産効
率とを両立させることのできる液晶パネルの製造方法
と、その製造方法を実施する製造装置および製造システ
ムとを提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】・本発明に係る液晶パネ
ルの製造方法は、上記の課題を解決するために、液晶を
収容した収容部の吐出口から液晶を押し出し、該吐出口
に所定量の液晶滴を形成する工程と、上記収容部および
/または吐出口に振動を与えることによって上記液晶滴
を吐出口から切り離し、液晶パネルに用いられる基板に
付着させる工程と、を備えたことを特徴としている。
【0031】ここで、液晶パネルとは、2枚の基板間に
保持された間隙に液晶を封入し、該基板間に印加する電
界によって液晶の光学特性が変化することを利用して情
報の表示を行う液晶表示装置の主要構成部材である。そ
のサイズは、小型の携帯情報端末用からテレビのような
大型画像表示用を含んで、多様である。
【0032】また、吐出口から切り離した液晶滴を基板
に「付着させる」とは、液晶滴の自重を利用した自由落
下、すなわち滴下を含むのみならず、自由落下以外の軌
道を描いた後に基板に到達する場合をも含んでいる。た
だし、以降の説明では、「滴下」という表現も適宜用い
るが、その場合、「滴下」の意味は上記の「付着」と同
義とする。
【0033】上記の構成により、吐出口から液晶を押し
出し、該吐出口に所定量の液晶滴を形成することによっ
て、基板に付着させる液晶の量を、極めて高い再現性を
もって制御することができる。
【0034】また、液晶滴の量が所定量に制御された状
態で、収容部および/または吐出口に振動を与えること
により、収容部の瞬間的な容積変動および/または吐出
口の瞬間的な振動によって上記液晶滴を吐出口から切り
離すので、表面張力に抗して液晶滴を自重で該吐出口か
ら落下させる場合と比較して、液晶滴の所定量を微小量
に設定することができる。ただし、この微小量は、イン
クジェット方式のような圧電素子の振動のみで吐出口か
ら液晶滴を吐出させる場合ほど小さくする必要が無い。
なぜなら、圧電素子のみによる吐出量の再現性の低さ
を、フィードバック制御で補償するにあたって、液晶充
填精度を上げるために、吐出分解能を小さくする必要が
無いからである。
【0035】これにより、所定量が微小量に設定された
液晶滴を、極めて高い再現性で基板に付着させることが
できるので、各種サイズの液晶パネルに必要な多様な液
晶充填量を、液晶滴の滴下数で決めることができる。す
なわち、液晶パネルのサイズに応じて予め液晶滴の滴下
数を決めることができるので、その決めておいた数だ
け、液晶滴を滴下しさえすれば、液晶充填量の目標値に
正確に到達することができる。
【0036】この結果、液晶充填量の現在値を計測し
て、液晶充填量の制御系にフィードバックし、液晶充填
量の目標値に対する不足分を調整する工程を省略するこ
とができる。これにより、液晶充填時間を短縮すること
ができる。
【0037】また、吐出口から押し出した液晶滴を、吐
出口を基板に近づけることによって直接的に基板に付着
させる方法ではないので、吐出口を基板に対して離接さ
せる必要が無い。その上、液晶滴の大きさをインクジェ
ット方式より大きな所定量に設定できるので、滴下ピッ
チをインクジェット方式より大きくすることができる。
これらの利点により、液晶充填時間をより一層短縮する
ことができる。
【0038】なお、吐出口の振動を利用して液晶滴を吐
出口から切り離す場合、吐出口に与える振動は、吐出口
の動きに液晶滴が追従できない速度を持つことが好まし
い。なぜなら、吐出口の先端の動きに液晶滴が追従でき
なければ、液晶滴が自由落下して基板に付着することが
可能になり、液晶滴の付着位置の調整が容易になるから
である。
【0039】また、この場合の吐出口の振動回数は、往
復1回またはその1/2回程度でよい。
【0040】さらに、収容部の瞬間的な容積変動によっ
て、液晶滴を吐出口から切り離す場合には、収容部を内
方へ収縮させた後、瞬時に外方へ膨張させることが好ま
しい。
【0041】なお、吐出口に形成された微小量の液晶滴
を振動によって切り離すには、吐出口が突出し、先端に
向かって先細りの形状をした、いわゆるノズルであるこ
とが好ましい。
【0042】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の課題を解決するために、吐出口を備えたシリンダ
内の液晶をピストンによって吐出口から所定量押し出し
た後、圧電素子の振動をシリンダおよび/または吐出口
に与えることによって上記液晶滴を吐出口から切り離
し、液晶パネルに用いられる基板に付着させることを特
徴としている。
【0043】上記の構成により、既に説明したとおりの
作用効果を奏する上に、シリンダに充填された液晶を吐
出口から所定量押し出すために、その押し出しを担うピ
ストンの変位量を制御するといった簡便、かつ高精度が
充分確立された構成を採用することができる。
【0044】また、吐出口に振動を伝えるマイクロアク
チュエータを、圧電素子やボイスコイル、磁歪素子等で
構成することが可能であるが、中でも、圧電素子が高速
応答性の観点で優れている。圧電素子にパルス信号を与
えることにより、上述したような、収容部の瞬間的な容
積変動および/または吐出口の瞬間的な振動を容易に作
ることができる。
【0045】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の工程に加えて、上記基板に対する液晶滴の滴下間
隔である滴下ピッチを、上記基板に取った2次元直交座
標軸の一方について変数xとし、他方について変数yと
し、上記基板と上記基板に対向して配置する他の基板と
の間隙を定数tとし、液晶滴の上記所定量を変数vと
し、液晶充填量を所定体積Vとするとき、 V=nv(nは自然数)、v=xyt という関係と、必要な生産効率とを満足するように、上
記変数x、y、vを定めることを特徴としている。
【0046】ここで、2枚の基板間の間隙(t)は、液
晶パネルの設計によって定められる定数であり、液晶充
填量(V)は、液晶パネルのサイズと上記間隙(t)と
によって自ずと定まる値を持つ。したがって、基板に取
った2次元直交座標軸の一方に沿って、基板に対して変
数xの間隔で液晶をライン状に滴下し、ライン状の滴下
の間隔を2次元直交座標軸の他方に沿って変数yだけ開
けるようにすると、滴下ピッチ(x,y)および間隙
(t)で定まる体積を充填するのに必要な1滴あたりの
上記所定量(v)は、v=xytで表すことができる。
【0047】ただし、1滴あたりの所定量(v)を自然
数倍(正の整数倍)して、必要な液晶充填量Vに等しく
なることが、液晶パネルのサイズに応じて予め定めた滴
下数(n)だけ、液晶滴を滴下しさえすれば、液晶充填
量の目標値(V=XYt;X,Y:シール描画領域内寸
法)に正確に到達することができるようにするために重
要である。
【0048】また、基板上の液晶を封止する領域に対し
て、1滴の滴下で液晶充填量の目標値に等しくする(す
なわちv=Vとする)こともできるが、2枚の基板の貼
り合わせによって、基板間の間隙の隅々に速やかに液晶
が回り込むためには、生産効率の許す範囲で所定量
(v)を小さくし、液晶を封止する領域に複数滴を散在
させることが好ましい。したがって、この観点から、滴
下ピッチ(x,y)に関して、生産効率と所定量(v)
との両方に要求される条件を満足するように定めること
が好ましい。
【0049】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の工程に加えて、上記変数x、yについて、 x≧5mm、y≧5mm と設定することを特徴としている。
【0050】これにより、滴下ピッチ(x,y)を5m
m以上とすることにより、各種サイズの液晶パネルにつ
いて必要な生産効率を達成することができる。より具体
的には、液晶滴下工程の次に行う真空引き/基板貼り合
わせ工程のタクト(処理時間)より液晶滴下工程のタク
トを短くすることができ、必要な生産効率を達成するこ
とができる。
【0051】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の工程に加えて、上記基板に対して吐出口を複数配
置し、該複数の吐出口の一部または全部を選択して、上
記液晶滴を基板上の複数箇所に同時に付着させることを
特徴としている。
【0052】上記の方法により、複数の吐出口を用い
て、液晶滴を基板上の複数箇所に同時に付着させるか
ら、基板全体に液晶滴を滴下するのに要する時間を、吐
出口の使用数に反比例して短くすることができる。
【0053】さらに、複数の吐出口の一部または全部を
選択的に用いるので、基板上における液晶を封止する領
域、すなわちセル領域の取り方に応じてフレキシブルに
対応することができる。
【0054】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の工程に加えて、上記基板上に液晶を封止する領域
を複数取る場合、不良が発生した領域を選別し、不良が
発生した領域には液晶の付着を行わないことを特徴とし
ている。
【0055】これにより、不良が発生した領域は、その
ままでは液晶パネルを製造することができないため、そ
のような領域に液晶を滴下しても、液晶を無駄にするこ
とになる。したがって、上記の方法によれば、そのよう
な無駄の発生を防止することができる。
【0056】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の工程に加えて、上記不良が発生した領域に、液晶
を封止するためのシール材を、不良の無い領域と同様に
描画することを特徴としている。
【0057】これによれば、不良が発生した領域にシー
ル材を描画しない場合には、シール材の無駄を無くすこ
とができるものの、シール材を描画しなかったことで、
2枚の基板を貼り合わせたときの間隙を均一に保持でき
なくなる問題を誘発するおそれがある。この問題は、特
に、不良が発生した領域に隣り合う正常な領域において
発生しやすい。
【0058】したがって、不良が発生した領域にも不良
の無い領域と同様にシール材を描画することにより、基
板間の間隙を均一に保持する確実性が向上する。
【0059】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
上記の課題を解決するために、液晶の吐出口を備え、液
晶を収容する収容部と、該収容部に嵌挿され、吐出口か
ら液晶を押し出し、吐出口に液晶滴を形成するピストン
と、ピストンの押し出し量を回転量によって制御するモ
ータと、吐出口に形成された液晶滴を、収容部および/
または吐出口に振動を与えることによって切り離し、液
晶パネルに用いられる基板に付着させる圧電素子と、を
備えていることを特徴としている。
【0060】上記の構成によれば、モータの回転量によ
ってピストンの押し出し量を制御する構成は、ピストン
の押し出し量を正確に定めることができる技術として確
立している。したがって、収容部の吐出口から押し出さ
れる液晶滴の体積を予め定めた所定量に正確に決めるこ
とができる。
【0061】この正確な所定量を有する液晶滴を、吐出
口に形成した状態で、収容部および/または吐出口に振
動を与えることによって吐出口から液晶滴を切り離すの
で、液晶パネルに用いられる基板に対し、正確な所定量
を有する液晶滴を付着させることができる。
【0062】なお、液晶滴の量が所定量に制御された状
態で、収容部および/または吐出口に振動を与えること
により、収容部の瞬間的な容積変動および/または吐出
口の瞬間的な振動によって上記液晶滴を吐出口から切り
離すので、表面張力に抗して液晶滴を自重で該吐出口か
ら落下させる場合と比較して、液晶滴の所定量を微小量
に設定することができる。ただし、この微小量は、再現
性が高いため、インクジェット方式のような圧電素子の
振動のみで吐出口から液晶滴を吐出させる場合ほど小さ
くする必要が無い。なぜなら、圧電素子のみによる吐出
量の再現性の低さを、フィードバック制御で補償するに
あたって、液晶充填精度を上げるために、吐出分解能を
小さくする必要が無いからである。
【0063】これにより、所定量が微小量に設定された
液晶滴を、極めて高い再現性で基板に付着させることが
できるので、各種サイズの液晶パネルに必要な多様な液
晶充填量を、液晶滴の滴下数で決めることができる。す
なわち、液晶パネルのサイズに応じて予め液晶滴の滴下
数を決めることができるので、その決めておいた数だ
け、液晶滴を滴下しさえすれば、液晶充填量の目標値に
正確に到達することができる。
【0064】この結果、液晶充填量の現在値を計測し
て、液晶充填量の制御系にフィードバックし、液晶充填
量の目標値に対する不足分を調整する構成を省略するこ
とができる。これにより、従来より簡素化した構成によ
って液晶充填時間を短縮することができる。
【0065】また、吐出口から押し出した液晶滴を、吐
出口を基板に近づけることによって直接的に基板に付着
させる必要が無いので、吐出口を基板に対して離接させ
る構成をも必要としない。その上、液晶滴の大きさをイ
ンクジェット方式より大きな所定量に設定できるので、
滴下ピッチをインクジェット方式より大きくすることが
できる。これらの利点により、従来より一層簡素化した
構成によって液晶充填時間をより一層短縮することがで
きる。
【0066】なお、吐出口の振動を利用して液晶滴を吐
出口から切り離す場合、吐出口に与える振動は、吐出口
の動きに液晶滴が追従できない速度を持つことが好まし
い。なぜなら、吐出口の先端の動きに液晶滴が追従でき
なければ、微小量の液晶滴が自由落下して基板に付着す
ることが可能になり、液晶滴の付着位置の調整が容易に
なるからである。
【0067】また、この場合の吐出口の振動回数は、往
復1回またはその1/2回程度でよい。
【0068】さらに、収容部の瞬間的な容積変動によっ
て、液晶滴を吐出口から切り離す場合には、収容部を内
方へ収縮させた後、瞬時に外方へ膨張させることが好ま
しい。
【0069】さらに、吐出口に形成された微小量の液晶
滴を振動によって切り離すには、吐出口が突出し、先端
に向かって先細りの形状をした、いわゆるノズルである
ことが好ましい。
【0070】なお、圧電素子を収容部の内部に設けても
よいが、収容部の外面に取り付ける構成が最も簡便であ
る。例えば、吐出口を収容部から下向きに突き出させる
場合には、その上方の側壁に取り付けることで、収容部
の容積を瞬間変動させる、あるいは収容部および/また
は吐出口の先端に水平方向の振動を与えてもよい。ま
た、この構成のまま横向きに寝かせる姿勢を取り、収容
部および/または吐出口の先端に鉛直方向の振動を与え
てもよい。さらに、吐出口を収容部の底部に設け、該底
部における吐出口の周縁にドーナツ状の圧電素子を取り
付け、収容部および/または吐出口に鉛直方向の振動を
与えてもよい。
【0071】また、圧電素子の取り付け位置は1箇所に
限定されるものではなく、収容部の複数箇所に取り付け
て、その振動の総和が適切になるように設計してもよ
い。
【0072】さらに、吐出口の形状、口径、長さ等につ
いても、液晶滴の大きさと切り離し安さとの関係で適宜
定めることができる。
【0073】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
上記の構成に加えて、少なくとも上記収容部およびピス
トンを備えた滴下ヘッドを、上記基板に対して2次元移
動させる移動機構と、上記滴下ヘッドの移動量、および
上記モータの回転量を制御する制御部とを備え、上記基
板に対する液晶滴の滴下間隔である滴下ピッチを、上記
基板に取った2次元直交座標軸の一方について変数xと
し、他方について変数yとし、上記基板と上記基板に対
向して配置する他の基板との間隙を定数tとし、吐出口
に形成する液晶滴の体積を変数vとし、液晶充填量を所
定体積Vとするとき、 V=nv(nは自然数)、v=xyt という関係と、必要な生産効率とを満足するように定め
られた上記変数x、y、vに基づいて、上記制御部が、
移動機構およびモータを制御することを特徴としてい
る。
【0074】上記の構成により、制御部が移動機構を制
御することによって、滴下ヘッドは、基板に取った2次
元直交座標軸の一方に沿って移動しながら、基板に対し
て変数xの間隔で液晶をライン状に滴下し、1ラインの
滴下が終了すると、滴下ヘッドは、2次元直交座標軸の
他方に沿って変数yだけ移動し、再び、新たなラインの
滴下を行う。
【0075】滴下時には、上記の条件で定められる変数
vで表される体積の液晶滴を、ピストンが吐出口から押
し出すように、制御部がモータを制御することによって
ピストンの押し出し量を制御する。これにより、n滴の
液晶滴が基板に滴下され、他方の基板を貼り合わせたと
きに、間隙(t)を正確に満たす、過不足の無い液晶が
充填される。
【0076】なお、上記の構成において、各変数x、
y、v、および各定数t、V相互の関係、および満足す
べき条件が設定される理由については、液晶パネルの製
造方法に関して既に説明したとおりなので、重複する説
明を省略する。
【0077】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
上記の構成に加えて、上記変数x、yについて、 x≧5mm、y≧5mm と設定したことを特徴としている。
【0078】これにより、各種サイズの液晶パネルにつ
いて必要な生産効率を液晶パネルの製造装置に達成させ
ることができる。
【0079】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
上記の構成に加えて、上記吐出口を複数備えると共に、
該複数の吐出口の一部または全部を選択して、上記液晶
滴を基板上の複数箇所に同時に付着させる制御部を備え
ていることを特徴としている。
【0080】これにより、制御部は、複数の吐出口を用
いて、液晶滴を基板上の複数箇所に同時に付着させるか
ら、基板全体に液晶滴を滴下するのに要する時間を、吐
出口の使用数に反比例して短くすることができる。
【0081】さらに、制御部は、複数の吐出口の一部ま
たは全部を選択的に制御し、吐出口の一部または全部か
ら液晶滴を吐出可能とするので、基板上におけるセル領
域の取り方に応じてフレキシブルに対応することができ
る。
【0082】なお、複数の吐出口の一部または全部を選
択するとは、例えば、各吐出口に対して独立した収容
部、ピストンおよび圧電素子を設けている場合には、制
御部が、選択した吐出口に対応するピストンおよび圧電
素子の駆動を行うことを意味する。また、複数の吐出口
の一部または全部に共用される収容部、ピストンおよび
圧電素子を設けている場合には、各吐出口を選択的に開
閉する機構を制御部が制御することを意味する。
【0083】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
上記の構成に加えて、上記基板上に液晶を封止する領域
を複数取る場合、不良が発生した領域の情報に基づい
て、不良が発生した領域には液晶の付着を行わないよう
に、上記モータおよび圧電素子の作動を停止させる制御
部を備えていることを特徴としている。
【0084】上記の構成により、電極形成不良、絶縁不
良、配向膜形成不良、カラーフィルタ形成不良等の何ら
かの不良が発生した領域については、液晶の滴下工程の
前に、不良が発生した領域を特定する情報(位置情報
等)を制御部に取得させる。これにより、制御部は、液
晶パネルを製造できない不良の領域に対しては、モータ
および圧電素子の作動を停止させ、液晶の滴下を行わな
い。これにより、液晶のロスを防止することができる。
【0085】なお、上述の移動機構およびモータを制御
する「制御部」、吐出口の一部または全部を選択する
「制御部」、モータおよび圧電素子の作動を停止させる
「制御部」は、互いの機能を兼備することができる。
【0086】・本発明に係る液晶パネルの製造システム
は、上記液晶パネルの製造装置と、液晶の滴下を終えた
基板と、液晶パネルに用いるもう一方の基板との貼り合
わせを行う貼合せ部と、両基板間に液晶を封止するため
のシール材に対する硬化処理を行う硬化部と、を備えた
ことを特徴としている。
【0087】これにより、液晶滴下時間の短縮によって
優れた生産効率を達成する液晶パネルの製造システムを
提供することができる。
【0088】なお、滴下を行う液晶パネルの製造装置
と、貼合せ部と、硬化部とは互いに分離可能で連結機構
によって一体化可能な構成でもよいし、互いに分離でき
ない一体装置の構成であってもよい。
【0089】また、本発明に係る液晶パネルの製造装置
は、上記の構成に加えて、上記不良が発生した領域に、
液晶を封止するためのシール材を、不良の無い領域と同
様に描画するようにシール描画を制御する制御部を備え
る構成としてもよい。
【0090】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図8に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0091】初めに、図1に基づいて、予め定めた所定
量の液晶滴を吐出する滴下ヘッド1の構成を説明する。
【0092】滴下ヘッド1は、液晶100を収容するシ
リンダ2(収容部)、シリンダ2からテーパーに続いて
先細る形状とした滴下ノズル3(吐出口)、シリンダ2
内に配されたピストン4、ピストン4の押し出し量(変
位量)を回転量によって制御するステッピングモータ
5、ステッピングモータ5の回転をピストン4の押し出
しに変換する送り出し機構6、シリンダ2の外側面に固
着され、シリンダ2の容積に瞬間的な変動を与える役
割、または滴下ノズル3に瞬間的な振動を与える役割を
担う圧電素子7、液晶100が滴下ノズル3から一定の
粘度で吐出されるように、液晶100の温度を調節する
温度補償機構8を備えている。
【0093】滴下ノズル3の口径は、0.1mm前後で
あり、0.1μlから5μl程度の範囲に設定された液
晶滴を吐出する。なお、吐出口に形成された微小量の液
晶滴を切り離すのに、後で説明するように、シリンダ2
の容積の瞬間変動効果を利用する場合には、滴下ノズル
3の代わりに、平坦な円筒底面に吐出口を穿孔形成した
構成を採用することもできるが、振動効果を利用する場
合には、吐出口が突出し、先端に向かって先細るノズル
形状であることが好ましい。後者の場合には、滴下ノズ
ル3の先端に表面張力でとどまっている液晶滴を圧電素
子7の振動によって瞬間的に振り切るに足りる変位を、
滴下ノズル3の先端がするように、滴下ノズル3の長さ
を定めるとよい。
【0094】また、滴下ノズル3の先端は、撥水性を高
めた方が液晶滴を切りやすいので、例えばポリテトラフ
ルオロエチレンによるコーティングまたは同素材の加工
品を用いた撥水処理を施すことが好ましい。これによ
り、滴下ノズル3の先端から押し出された液晶滴が、滴
下ノズル3の先端部およびその周縁部に付着することを
防止でき、安定した量の液晶滴を切り離すことができ
る。
【0095】なお、ピストン4の押し出し量に対して滴
下ノズル3の先端に形成される液晶滴の大きさを最適化
するためには、液晶の比重、粘性、表面張力、滴下ノズ
ル3との親和性または撥水性に応じてノズル径を設計す
ることが好ましい。
【0096】ステッピングモータ5は、一定量回転させ
る制御が容易なので、その回転量は、ネジなどを用いた
送り出し機構6によって、ピストン4の押し出し量に正
確に変換されるようになっている。なお、ステッピング
モータ5を、ロータリエンコーダ等を用いたサーボモー
タに置き換えてもよいし、ピストン4の一定量の送りが
容易かつ精密でさえあれば、モータ以外の手段で置き換
えてもよい。
【0097】圧電素子7は、例えばシリンダ2の外側面
であって滴下ノズル3の基部に固着されているが、滴下
ノズル3のテーパー形状面に設けてもよい。また、取り
付け個数も1つに限定されるものではなく、複数個取り
付け、その振動の総和が適切になるように設計してもよ
い。
【0098】また、図1では、圧電素子7はシリンダ2
の側壁で水平方向に振動するようになっているが、例え
ば、図6(a)に示すように、滴下ヘッド1を横倒しの
姿勢とし、圧電素子7が鉛直方向に振動する構成として
もよい。なお、図6(a)に示す滴下ノズル3は、圧電
素子7による振動効果が増幅されるように、図1に示す
滴下ノズル3より長く形成されている。
【0099】さらに、図6(b)に示すように、シリン
ダ2の底部中央においてテーパー状に隆起する滴下ノズ
ル30を形成し、滴下ノズル30の周囲を囲むようにド
ーナツ形状の圧電素子70をシリンダ2の底部に固着し
た構成を、滴下ヘッド1に採用してもよい。この構成に
よっても、圧電素子70は、シリンダ2の瞬間的な容積
変動、あるいは滴下ノズル30に対する鉛直方向の振動
を与えることができる。
【0100】温度補償機構8は、温度センサとヒータや
ペルチェ素子などで構成され、シリンダ2内の液晶10
0の粘度などの性質が温度によって変化しないように、
液晶100の温度を一定に制御している。
【0101】次に、上述の滴下ヘッド1とその駆動系と
を備えた液晶滴下装置の構成を説明する。
【0102】図3に示す液晶滴下装置は、複数基の滴下
ヘッド1、支持ベース10、X駆動機構11、支持ブロ
ック12、Y駆動機構13、およびコントローラ14を
備えている。なお、支持ベース10、X駆動機構11、
支持ブロック12、およびY駆動機構13は、特許請求
の範囲に記載した移動機構を構成している。
【0103】支持ベース10は、複数基の滴下ヘッド1
の配列方向であるX方向に延伸され、複数基の滴下ヘッ
ド1をX方向に移動可能に支持している。
【0104】X駆動機構11は、サーボモータ等を備
え、滴下ヘッド1を支持ベース10に沿ってX方向に動
かし、X方向における滴下位置を制御する。なお、複数
の滴下ヘッド1は、連動して一律に駆動される構成とし
てもよいし、独立に駆動される構成としてもよい。
【0105】支持ブロック12は、X方向に離間して対
をなすように配置され、X方向に垂直なY方向に延伸さ
れている。また、支持ブロック12は、支持ベース10
を、Y方向に移動可能に支持している。上記複数の滴下
ヘッド1は、1対の支持ブロック12の間で、X方向に
往復動自在となっている。
【0106】Y駆動機構13は、サーボモータ等を備
え、支持ベース10を支持ブロック12に沿ってY方向
に動かし、Y方向における滴下位置を制御する。このよ
うな構成により、基板200上の任意の位置に滴下ヘッ
ド1を移動させることができる。
【0107】なお、上記X方向およびY方向は、1対の
支持ブロック12の間に配置され、液晶滴110が滴下
される基板200に取った2次元直交座標軸の各延伸方
向に相当する。
【0108】コントローラ14は、図5に示すように、
滴下ヘッド1、X駆動機構11、およびY駆動機構13
に対し、それぞれの制御信号を与える。より具体的に
は、コントローラ14は、各滴下ヘッド1のX方向にお
ける位置制御信号をX駆動機構11に与えると共に、支
持ベース10のY方向における位置制御信号をY駆動機
構13に与える。
【0109】さらに、コントローラ14は、前記ステッ
ピングモータ5、圧電素子7、および温度補償機構8か
ら構成されるノズル駆動部15に各種制御信号を与え
る。すなわち、各種制御信号は、シリンダ2内の液晶1
00の押し出し量に基づいてステッピングモータ5の回
転量を定めた第1の制御信号、ステッピングモータ5が
所定量の回転を終了したタイミングで、圧電素子7を駆
動する第2の制御信号、並びに温度補償機構8が備える
温度センサの検出値に基づいて、液晶100の温度を一
定に保つように、ヒータやペルチェ素子を駆動する第3
の制御信号である。
【0110】なお、圧電素子7を駆動する第2の制御信
号は、図5に示すように、例えば1周期のパルス信号s
である。圧電素子7は、図2(b)(c)に矢印B・C
で表すように、パルス信号sによって往復1回振動す
る。あるいは、パルス信号sの周期を半周期とし、圧電
素子7を1/2回振動させてもよい。
【0111】また、ステッピングモータ5の回転量、圧
電素子7の駆動量および駆動タイミング等は、液晶の種
類によって予め実験的に求めておけばよい。
【0112】上記の構成において、本発明の液晶パネル
の製造方法における液晶滴下プロセスは、図3に示すよ
うに、液晶パネルに用いられる上記基板200に対して
滴下ヘッド1から液晶滴110を滴下するにあたって、
2段階に分けることができる特徴的な工程を採用してい
る。
【0113】すなわち、第1段階は、図2(a)(b)
に示すように、シリンダ2内の液晶100を、ピストン
4の矢印A方向の押し出しによって、吐出口としての滴
下ノズル3から所定量押し出す工程である。これによ
り、後述するように、液晶パネルのサイズに応じて予め
定めた所定量の液晶滴を、滴下ノズル3の先端に形成す
ることができる。ただし、この工程では、液晶滴は滴下
ノズル3の先端から突出するものの、表面張力が働くた
め、滴下ノズル3から離れることはできない。これは、
液晶滴が、表面張力に抗して自重で滴下ノズル3から落
下する程の重さを持たない微小滴であることによる。
【0114】なお、図2(a)は、液晶100が滴下ノ
ズル3の先端まで充填された状態を示し、図2(b)
は、滴下ノズル3の先端から液晶100が所定量近く押
し出された状態を示している。
【0115】次に、第2段階は、図2(b)(c)に示
すように、圧電素子7を駆動することによって、圧電素
子7の振動をシリンダ2および/または滴下ノズル3に
与え、それによって、滴下ノズル3の先端にとどまって
いる液晶滴を、図2(d)に示すように、滴下ノズル3
から切り離す工程である。液晶滴の量(質量または体
積)は、第1段階で正確に決められているので、滴下ノ
ズル3から切り離された液晶滴110は、正確な量を持
って基板200に付着する。
【0116】なお、上記の第1段階における液晶滴の所
定量は、コントローラ14によって制御されるステッピ
ングモータ5の回転量と1対1に対応しているので、ス
テッピングモータ5の回転量を変えてピストン4の押し
出し量を変えることにより、液晶滴の大きさを様々に変
えることができる。
【0117】また、上記の第2段階で、液晶滴を滴下ノ
ズル3から切り離すために生じている作用としては、以
下の2通りが考えられ、さらに2通りの作用の複合的な
作用によるとも考えられる。
【0118】まず、第1の作用は、圧電素子7によるシ
リンダ2の内容積の瞬間変動である。すなわち、図2
(b)に示すように、圧電素子7をシリンダ2の内方
(矢印B方向)に変位させることによって、液晶滴に、
その吐出方向に加速度を与え、次の瞬間、図2(c)に
示すように、圧電素子7をシリンダ2の外方(矢印C方
向)に変位させ、シリンダ2内の液晶100を滴下ノズ
ル3から急激に引き込むことによって、液晶滴をその慣
性で滴下ノズル3の先端に残す、すなわち液晶滴を滴下
ノズル3から切り離すことができると考えられる。
【0119】一方、第2の作用は、圧電素子7の振動に
よる滴下ノズル3の先端の瞬間的な振動である。すなわ
ち、図2(b)(c)に示すように、圧電素子7をシリ
ンダ2の内方(矢印B方向)および外方(矢印C方向)
の少なくとも一方に急激に変位させることによって、液
晶滴が滴下ノズル3の先端の動きに追従することができ
ず、液晶滴をその慣性で滴下ノズル3の先端に残す、す
なわち液晶滴を滴下ノズル3から切り離すことができる
とも考えられる。
【0120】この観点からすれば、液晶滴を滴下ノズル
3から切り離すために、該滴下ノズル3に伝える振動
は、滴下ノズル3の動きに液晶滴が全く追従できない速
度を持つことが好ましい。なぜなら、滴下ノズル3の先
端の動きに液晶滴が全く追従できなければ、液晶滴が滴
下ノズル3の移動方向に速度成分を持つことがないた
め、液晶滴が自由落下して液晶滴110として基板20
0に付着することが可能になり、液晶滴110の付着位
置の調整が容易になるからである。
【0121】このように、本発明の液晶パネルの製造方
法によれば、ピストン4の押し出し量を正確に制御する
ことによって、基板200に滴下する液晶滴110の量
を正確に決めることができる。したがって、液晶滴11
0を基板200に繰り返し滴下した場合でも、それぞれ
の液晶滴110の量は一定である。すなわち、基板20
0に付着させる液晶滴110の量を、極めて高い再現性
をもって制御することができる。
【0122】また、上記のように、表面張力により、液
晶滴が滴下ノズル3の先端にとどまったまま離れない程
度の微小滴であるとはいうものの、インクジェット方式
のような圧電素子の振動のみで液晶滴を吐出させる場合
ほど小さくする必要が無い。なぜなら、圧電素子のみに
よる吐出量の再現性の低さを、フィードバック制御で補
償するにあたって、液晶充填精度を上げるために、吐出
分解能を小さくする必要が無いからである。
【0123】これにより、所定量が微小量に正確に設定
された液晶滴110を、極めて高い再現性で基板200
に付着させることができるので、各種サイズの液晶パネ
ルに必要な多様な液晶充填量を、液晶滴110の滴下数
で決めることができる。すなわち、液晶パネルのサイズ
に応じて予め液晶滴110の滴下数を決めることができ
るので、その決めておいた数だけ、液晶滴110を滴下
しさえすれば、液晶充填量の目標値に正確に到達するこ
とができる。
【0124】この結果、液晶充填量の現在値(基板総重
量)を計測して、液晶充填量の制御系にフィードバック
し、液晶充填量の目標値に対する不足分を調整する工程
および構成を省略することができるので、従来より簡素
化した構成により、液晶充填時間を短縮することができ
る。
【0125】また、滴下ノズル3から押し出した液晶滴
を、滴下ノズル3を基板200に近づけることによって
直接的に基板200に付着させる方法ではないので、滴
下ノズル3ないし滴下ヘッド1を基板200に対して離
接させる必要が無い。その上、液晶滴110の大きさを
インクジェット方式より大きな所定量に設定できるの
で、液晶滴110の滴下間隔、つまり滴下ピッチをイン
クジェット方式より大きくすることができる。これらの
利点により、高速の液晶滴下を行うことができ、液晶充
填時間をより一層短縮することができる。さらに、滴下
ヘッド1を基板200に対して離接させないので、基板
200に形成した配向膜等に傷をつけることによって発
生するパネル表示不良もなくすことができる。
【0126】次に、より実際的な液晶滴下プロセスにつ
いて説明する。図3に示すように、基板200には、製
造しようとする液晶パネルのサイズに合わせたシール材
210による描画領域220(セル領域)が複数形成さ
れており、該描画領域220は、基板200のほぼ全面
にわたって規則的に配置されている。すなわち、前記の
2次元直交座標軸のX−Y各方向に沿って、複数列、複
数行の描画領域220が形成されている。
【0127】なお、大型サイズの液晶パネルを製造する
場合には、大きな描画領域220が1つ、基板200に
形成される。しかし、この場合でも、複数の滴下ヘッド
1の動作は、基本的に同じである。
【0128】このように描画領域220が形成された基
板200が、後で説明するように、1対の支持ブロック
12の間に送り込まれ、位置決めされる。続いて、コン
トローラ14は、描画領域220の形成の際に、その形
成工程を制御しているコントローラから描画領域220
の形成位置に関する座標情報を取得しているので、その
座標情報に基づいて、X駆動機構11およびY駆動機構
13を制御する。
【0129】これにより、複数の滴下ヘッド1が、それ
ぞれの滴下位置に到達すると、コントローラ14は、各
ステッピングモータ5を所定量回転させ、各ピストン4
を押し出すことにより、各滴下ノズル3の先端に所定量
の液晶滴を形成する。さらに、コントローラ14が、各
圧電素子7を駆動することにより、各滴下ノズル3から
液晶滴が切り離され、各描画領域220に液晶滴110
が同時に滴下される。
【0130】1つの滴下が終わると同時に、コントロー
ラ14はX駆動機構11を制御して、X方向に沿った次
の滴下位置に各滴下ヘッド1を移動させる。これを繰り
返すことにより、X方向に整列した描画領域220につ
いて、1行の滴下が終了すると、続いて、コントローラ
14はY駆動機構13を制御して、Y方向に1行ずれた
次の滴下位置に支持ベース10を移動させることによ
り、各滴下ヘッド1を移動させる。こうして、滴下ヘッ
ド1によって、基板200全体を走査しながら、各描画
領域220に高速の滴下を行う。
【0131】ここで、液晶滴110の滴下間隔、すなわ
ち滴下ピッチについて説明する。まず、X方向に対する
滴下ピッチを変数xとし、Y方向に対する滴下ピッチを
変数yとし、上記基板200と基板200に対向して配
置する他の基板との間隙(セルギャップ)を定数tと
し、滴下ノズル3に形成する液晶滴、すなわち描画領域
220内に付着する液晶滴110の体積を変数vとし、
1つの描画領域220に対応する液晶パネル1枚に必要
な液晶充填量を所定体積Vとするとき、上記変数x、
y、vが、 xyt=v、V=nv(nは自然数) を満足するように、より好ましくは、 x≧5mm、y≧5mm、 を満足するように設定され、上記コントローラ14は、
変数x、y、vの設定値に基づいてX駆動機構11、Y
駆動機構13およびステッピングモータ5を制御する。
【0132】ここで、セルギャップとしての定数tは、
液晶パネルの設計によって定められる定数であり、4μ
m程度の値に設定される。したがって、基板200に対
して変数xの間隔で液晶滴110をライン状に滴下し、
ライン間の間隔を変数yだけ開けるようにすると、滴下
ピッチ(x,y)および間隙(t)で定まる体積を充填
するのに必要な液晶滴110の1滴あたりの所定量は、
xyt=vで表すことができる。
【0133】ただし、1滴あたりの所定量(v)を自然
数倍(正の整数倍)して、液晶パネル1枚に必要な液晶
充填量Vに等しくなることが、液晶パネルのサイズに応
じて予め定めた滴下数だけ、液晶滴110を滴下しさえ
すれば、液晶充填量Vに正確に到達することができるよ
うにするために重要である。
【0134】また、1つの描画領域220に対して、1
滴の滴下で液晶充填量Vに等しくする(すなわちv=V
とする)こともできるが、基板200と他の基板との貼
り合わせによって、セルギャップの隅々に速やかに液晶
が回り込むようにするためには、生産効率の許す範囲で
所定量(v)を小さくし、描画領域220内に複数の液
晶滴110を散在させることが好ましい。したがって、
この観点から、滴下ピッチ(x,y)に関して、5mm
以上とすることが、生産効率(高速滴下)と所定量
(v)との両方に要求される条件を満足するために好ま
しい。
【0135】例えば一例として、図3に示すように1つ
の描画領域220あたりの滴下箇所を9点とすれば、1
滴あたり0.1秒かかったとしても1秒以内で1つの描
画領域220に対する滴下を終えることが可能である。
滴下ピッチを5mm未満にすると、滴下箇所が多くなる
ため、滴下時間が長くなり、生産効率が低下する。
【0136】なお、液晶パネルが小型であっても、描画
領域220内の数箇所に小滴に分けて液晶滴110を滴
下することは、基板貼合せ時における液晶の広がり具合
に均一性を持たせることができる点でも、また、大粒滴
の場合に液晶中に気泡が発生しやすい間題が起こりにく
い点でも好ましいといえる。
【0137】このように、液晶滴110の1滴あたりの
所定量(v)は、液晶充填量Vに自然数倍(好ましくは
2倍以上)で等しくなる量であり、かつ高速滴下を可能
とするために滴下ピッチ(x,y)を5mm以上とする
量になるように決定される。
【0138】具体的には、液晶滴110の1滴あたりの
体積は、前述のように、およそ0.1μlから5μl程
度の範囲に設定されるが、この量は、液晶パネルのサイ
ズに応じて基板200の1枚あたりの滴下を3〜5分で
完了するといったタクト(処理時間)と滴下ピッチとの
関係で決められたものである。
【0139】なお、基板1枚あたりの滴下タクトは、後
で説明する真空引き/貼合せ工程のタクトより短くする
ことが、滴下工程と真空引き/貼合せ工程との間の移送
時間を吸収して生産効率を最大にする上で望ましい。ま
た、滴下ノズル3の配設本数を多くすることによって、
さらに滴下時間の短縮を図ることもできる。
【0140】ところで、液晶の比重は種類によって異な
るが、水の比重に近く、0.99〜1.3程度である。
そこで、仮に液晶の比重を1とすれば、液晶滴110の
1滴あたりの質量は、上記体積から0.1mgないし5
mg程度になる。この値を、前述の従来技術と比較する
と、インクジェット方式を利用した特開平3−2465
14号公報の場合、0.01mg〜0.1mgであるか
ら、本発明の液晶滴110はほぼ10倍の量であり、特
開平5−281562号公報の場合に至っては、0.0
003mgであるから、本発明の液晶滴110はほぼ1
0000倍の量である。この比較からも、本発明は、液
晶充填時間を従来より非常に短縮できることがわかる。
【0141】なお、描画領域220のサイズは、液晶パ
ネルの機種に応じて変化するので、滴下ヘッド1の移動
量を液晶パネルの機種に応じて変える必要がある。よっ
て、パネル機種の切替などにもフレキシブルに対応でき
るようにするためには、複数の滴下ノズル3を一律に連
動して動かすのではなく、独立に動かす構成が好まし
い。
【0142】さらに、コントローラ14は、複数の滴下
ヘッド1の一部または全部を選択して稼働できるように
すると共に、描画領域220のサイズの変化、すなわち
基板200に形成される描画領域220のX方向の列数
の変化に合わせて、一部の滴下ヘッド1を休止させられ
ることが好ましい。また、複数の滴下ノズル3の一部ま
たは全部に共用されるシリンダ2、ピストン4および圧
電素子7を設けるように滴下ヘッド1を構成してもよ
く、この場合には、各滴下ノズル3を選択的に開閉する
シャッタ機構を設け、そのシャッタ機構をコントローラ
14が制御するようにしてもよい。
【0143】このようにフレキシブルな動作を可能とす
ることにより、液晶パネルの製造に人手を介さずに、自
動化することができる。これにより、特に、液晶の充填
処理工程において、クリーン度を高く保つために、でき
るだけ人手の介入を避けたいという要求を満たすことが
できる。
【0144】また、図4に示すように、電極形成不良、
断線・絶縁不良、配向膜形成不良、カラーフィルタ形成
不良等の何らかの不良が、液晶滴下前の検査工程で見つ
かった不良領域230には、その位置を特定する座標情
報等の管理情報をコントローラ14に与えることによっ
て、不良領域230への液晶滴下を停止させる。すなわ
ち、コントローラ14は、不良領域230に対してステ
ッピングモータ5および圧電素子7の駆動を停止する。
これにより、液晶材料の無駄を省くことができる。
【0145】同様に、ディスペンサによってシール描画
を行い、描画領域220を形成する際にも、不良領域2
30に対してシール描画を行わないことにより、シール
材料の無駄も省くことができる。その一方で、シール描
画を行わないことに起因して、基板貼り合わせ時のセル
ギャップを均一に保持できなくなる問題を誘発するおそ
れがある。この問題は、特に、不良領域230に隣り合
う正常な描画領域220において発生しやすい。したが
って、この問題を回避するためには、不良領域230に
も描画領域220と同様のシール描画を行い、ダミーシ
ールを形成するか、または安価なスペーサを散布するよ
うにすれば、均一なセルギャップを確保することができ
る。
【0146】なお、各滴下ヘッド1に対する液晶100
の補充については、各種形態を採用できるが、例えば、
図3に示す液晶滴下装置のY方向の端部領域に、液晶を
収容した長尺トレイまたは複数の液晶皿を配置し、各滴
下ヘッド1を長尺トレイまたは液晶皿へ移動させて滴下
ノズル3の先端を液晶に漬け、ピストン4を戻しながら
滴下ノズル3から液晶を吸引する形態が好ましい。この
形態であれば、シリンダ2内に気泡を混入させることが
無く、シリンダ2に液晶100を確実に補充することが
できる。
【0147】次に、上述した液晶滴下プロセスを含む、
液晶パネルの製造方法全体の工程について説明を行う。
【0148】図7(a)に示すように、液晶パネルの製
造工程は、1枚の基板から1ないし複数の液晶パネルを
取ることができるように、液晶パネルのサイズに合わせ
てTFTアレイを形成したTFT基板に対する処理工程
と、赤、青、緑の3原色のカラーフィルタを規則的に配
列したCF(Color Filter)基板に対する処理工程とに
分かれて始まる。
【0149】まず、洗浄工程において、TFT基板およ
びCF基板に対し、純水洗浄を主体とした洗浄を行い、
エアーナイフ等で水切りを行う。
【0150】次に、TFT基板およびCF基板の各表面
に対し、液晶分子を配列・配向させるための配向膜を形
成する。すなわち、ポリイミド樹脂等の配向材料を各基
板表面に数100Åの厚さで積層し、加熱硬化させる。
【0151】続いて、形成した配向膜の表面を植毛布等
でこするラビング処理を必要に応じて行い、ラビング後
の洗浄を行う。
【0152】次に、CF基板に対し、液晶パネルのサイ
ズに合わせてシール材を描画し、図3に示すような描画
領域220を1ないし複数形成する。シール材は紫外光
硬化型の接着剤材料であり、スクリーン印刷またはディ
スペンサによって描画を行う。シール材の描画後、10
0℃前後で仮硬化を行う。なお、シール材の描画は、C
F基板およびTFT基板のいずれに対して行ってもよ
い。
【0153】さらに、プラスチック、ガラス等を、セル
ギャップに見合うビーズ形状または繊維形状に成形した
スペーサを、必要に応じてCF基板およびTFT基板の
いずれか一方の表面に均一に散布する。
【0154】そして、CF基板およびTFT基板の電極
間を導通させるために、銀ペースト、カーボンペースト
等のコモン転移材を塗布する処理を行う。
【0155】続いて、図7(b)にも模式的に示してい
るが、既に詳述したように、シール材を描画したCF基
板およびTFT基板のいずれか一方に対し液晶滴下処理
を行う。
【0156】この後、CF基板およびTFT基板を、真
空チャンバ内の予備的な脱気を予め行っておいた貼合せ
装置に送り、精密な位置合わせを行った後、図7(c)
に示すように、真空引きをする。そして、図7(d)に
示すように、真空状態を解除することにより、気圧を利
用して2枚の基板に均等な圧力を加える。これにより、
図4に示す描画領域220内に滴下されていた液晶滴1
10が、セルギャップ内に充満した状態となる。
【0157】次に、図7(e)に示すように、シール材
以外をマスクした後、紫外線を照射することによってシ
ール材をUV硬化させ、さらに、加熱処理をしてシール
材を本硬化させる。
【0158】最後に、貼り合わせた基板を、液晶パネル
のサイズに合わせて分断し、洗浄を経て、偏光板を貼り
付けたり、電気回路やバックライト等の電気的、光学的
部品を付加したりして液晶モジュールに組み上げるため
の検査・実装工程へ送る。
【0159】図8は、図7に基づいて説明した液晶パネ
ルの製造工程を実施する製造システムであって、図3に
示す液晶滴下装置を含む製造システムの概要を示してい
る。この製造システムは、上記液晶滴下装置が配された
液晶滴下部40と、CF基板およびTFT基板の貼り合
わせを行う上記貼合せ装置が配された貼合せ部41と、
上記UV硬化を行うUV硬化部42と、UV硬化後の本
硬化を行う加熱処理部43とを備え、各部40〜43は
搬送機構44に対しリニアに配置されている。
【0160】なお、UV硬化部42と加熱処理部43と
は、特許請求の範囲に記載した硬化部に相当する。
【0161】また、搬送機構44の液晶滴下部40に対
応する位置には、描画領域220を形成するシール描画
を終えた基板200の受け渡しを、搬送機構44と液晶
滴下部40との間で行う移送機構45が設けられてい
る。さらに、搬送機構44の貼合せ部41およびUV硬
化部42に対応する位置には、基板200およびもう一
方の基板300を受け取り、貼合せ部41およびUV硬
化部42に対して2枚の基板200・300の受け渡し
を行う移送ロボット46が設けられている。さらに、搬
送機構44の加熱処理部43に対応する位置には、搬送
機構44と加熱処理部43との間で、貼り合わせを終え
た一体基板400の受け渡しを行う移送機構47が設け
られている。
【0162】なお、移送ロボット46に対して、基板3
00を搬送する搬送機構48が設置されており、移送ロ
ボット46は、貼合せ部41およびUV硬化部42の間
を往復動するようになっている。
【0163】このような製造システムにより、図7で説
明した製造プロセスにしたがって液晶の充填を終えた一
体基板400は、搬送機構44によって、分断工程以降
の工程へと搬送される。
【0164】この製造システムでは、液晶滴下部40に
おける液晶滴下時間が本発明によって非常に短縮される
ことにより、液晶パネルの生産効率を飛躍的に向上させ
ることができる。
【0165】
【発明の効果】・本発明に係る液晶パネルの製造方法
は、以上のように、液晶を収容した収容部の吐出口から
液晶を押し出し、該吐出口に所定量の液晶滴を形成する
工程と、上記収容部および/または吐出口に振動を与え
ることによって上記液晶滴を吐出口から切り離し、液晶
パネルに用いられる基板に付着させる工程と、を備えた
ことを特徴としている。
【0166】それゆえ、吐出口から液晶を押し出し、該
吐出口に所定量の液晶滴を形成することによって、基板
に付着させる液晶の量を、極めて高い再現性をもって制
御することができる。
【0167】これにより、液晶滴を自重で該吐出口から
落下させる場合より細かく、インクジェット方式よりは
大きな微小量に設定された液晶滴を、極めて高い再現性
で基板に付着させることができるので、各種サイズの液
晶パネルに必要な多様な液晶充填量を、液晶滴の滴下数
で決めることができる。すなわち、液晶パネルのサイズ
に応じて予め液晶滴の滴下数を決めることができるの
で、その決めておいた数だけ、液晶滴を滴下しさえすれ
ば、液晶充填量の目標値に正確に到達することができ
る。
【0168】この結果、液晶充填量の現在値を計測し
て、液晶充填量の制御系にフィードバックし、液晶充填
量の目標値に対する不足分を調整する工程を省略するこ
とができる。これにより、液晶充填時間を短縮すること
ができる。
【0169】また、吐出口から押し出した液晶滴を、吐
出口を基板に近づけることによって直接的に基板に付着
させる方法ではないので、吐出口を基板に対して離接さ
せる必要が無い。その上、液晶滴の大きさをインクジェ
ット方式より大きな所定量に設定できるので、滴下ピッ
チをインクジェット方式より大きくすることができる。
これらの利点により、液晶充填時間をより一層短縮する
ことができるという優れた効果を奏する。
【0170】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
以上のように、吐出口を備えたシリンダ内の液晶をピス
トンによって吐出口から所定量押し出した後、圧電素子
の振動をシリンダおよび/または吐出口に与えることに
よって上記液晶滴を吐出口から切り離し、液晶パネルに
用いられる基板に付着させることを特徴としている。
【0171】それゆえ、既に説明したとおりの効果を奏
する上に、シリンダに充填された液晶を吐出口から所定
量押し出すために、その押し出しを担うピストンの変位
量を制御するといった簡便、かつ高精度が充分確立され
た構成を採用することができる。
【0172】また、高速応答性に優れた圧電素子にパル
ス信号を与えることにより、上述したような、収容部の
瞬間的な容積変動および/または吐出口の瞬間的な振動
を容易に作ることができるという効果を奏する。
【0173】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の工程に加えて、上記基板に対する液晶滴の滴下間
隔である滴下ピッチを、上記基板に取った2次元直交座
標軸の一方について変数xとし、他方について変数yと
し、上記基板と上記基板に対向して配置する他の基板と
の間隙を定数tとし、液晶滴の上記所定量を変数vと
し、液晶充填量を所定体積Vとするとき、 V=nv(nは自然数)、v=xyt という関係と、必要な生産効率とを満足するように、上
記変数x、y、vを定めることを特徴としている。
【0174】それゆえ、予め定めた滴下数だけ、液晶滴
を滴下しさえすれば、液晶充填量の目標値(V)に正確
に到達でき、かつ必要な生産効率を達成可能な滴下ピッ
チ(x,y)と、所定量(v)とを定めることができる
という効果を奏する。
【0175】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の工程に加えて、上記変数x、yについて、 x≧5mm、y≧5mm と設定することを特徴としている。
【0176】これにより、滴下ピッチ(x,y)を5m
m以上とすることにより、各種サイズの液晶パネルにつ
いて必要な生産効率を達成することができるという効果
を奏する。
【0177】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の工程に加えて、上記基板に対して吐出口を複数配
置し、該複数の吐出口の一部または全部を選択して、上
記液晶滴を基板上の複数箇所に同時に付着させることを
特徴としている。
【0178】それゆえ、複数の吐出口を用いて、液晶滴
を基板上の複数箇所に同時に付着させるから、基板全体
に液晶滴を滴下するのに要する時間を、吐出口の使用数
に反比例して短くすることができ、さらに、複数の吐出
口の一部または全部を選択的に用いるので、基板上にお
ける液晶を封止する領域の取り方に応じてフレキシブル
に対応することができるという効果を奏する。
【0179】・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、
上記の工程に加えて、上記基板上に液晶を封止する領域
を複数取る場合、不良が発生した領域を選別し、不良が
発生した領域には液晶の付着を行わないことを特徴とし
ている。
【0180】これにより、そのままでは液晶パネルを製
造することができない不良領域に液晶を滴下しないの
で、液晶を無駄にしないという効果を奏する ・本発明に係る液晶パネルの製造方法は、上記の工程に
加えて、上記不良が発生した領域に、液晶を封止するた
めのシール材を、不良の無い領域と同様に描画すること
を特徴としている。
【0181】それゆえ、2枚の基板を貼り合わせたとき
の間隙を均一に保持する確実性が向上するという効果を
奏する。
【0182】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
以上のように、液晶の吐出口を備え、液晶を収容する収
容部と、該収容部に嵌挿され、吐出口から液晶を押し出
し、吐出口に液晶滴を形成するピストンと、ピストンの
押し出し量を回転量によって制御するモータと、吐出口
に形成された液晶滴を、収容部および/または吐出口に
振動を与えることによって切り離し、液晶パネルに用い
られる基板に付着させる圧電素子と、を備えていること
を特徴としている。
【0183】それゆえ、モータの回転量制御によって、
収容部の吐出口から押し出される液晶滴の体積を予め定
めた所定量に正確に決めることができる。この正確な所
定量を有する液晶滴を吐出口から切り離すので、液晶パ
ネルに用いられる基板に対し、正確な所定量を有する液
晶滴を付着させることができる。
【0184】これにより、液晶滴を自重で該吐出口から
落下させる場合より細かく、インクジェット方式よりは
大きな微小量に設定された液晶滴を、極めて高い再現性
で基板に付着させることができるので、各種サイズの液
晶パネルに必要な多様な液晶充填量を、液晶滴の滴下数
で決めることができる。すなわち、液晶パネルのサイズ
に応じて予め液晶滴の滴下数を決めることができるの
で、その決めておいた数だけ、液晶滴を滴下しさえすれ
ば、液晶充填量の目標値に正確に到達することができ
る。
【0185】この結果、液晶充填量の現在値を計測し
て、液晶充填量の制御系にフィードバックし、液晶充填
量の目標値に対する不足分を調整する工程を省略するこ
とができる。これにより、液晶充填時間を短縮すること
ができる。
【0186】また、吐出口から押し出した液晶滴を、吐
出口を基板に近づけることによって直接的に基板に付着
させる方法ではないので、吐出口を基板に対して離接さ
せる必要が無い。その上、液晶滴の大きさをインクジェ
ット方式より大きな所定量に設定できるので、滴下ピッ
チをインクジェット方式より大きくすることができる。
これらの利点により、液晶充填時間をより一層短縮する
ことができるという優れた効果を奏する。
【0187】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
上記の構成に加えて、少なくとも上記収容部およびピス
トンを備えた滴下ヘッドを、上記基板に対して2次元移
動させる移動機構と、上記滴下ヘッドの移動量、および
上記モータの回転量を制御する制御部とを備え、上記基
板に対する液晶滴の滴下間隔である滴下ピッチを、上記
基板に取った2次元直交座標軸の一方について変数xと
し、他方について変数yとし、上記基板と上記基板に対
向して配置する他の基板との間隙を定数tとし、吐出口
に形成する液晶滴の体積を変数vとし、液晶充填量を所
定体積Vとするとき、 V=nv(nは自然数)、v=xyt という関係と、必要な生産効率とを満足するように定め
られた上記変数x、y、vに基づいて、上記制御部が、
移動機構およびモータを制御することを特徴としてい
る。
【0188】それゆえ、予め定めた滴下数だけ、液晶滴
を滴下しさえすれば、液晶充填量の目標値(V)に正確
に到達でき、かつ必要な生産効率を達成可能な滴下ピッ
チ(x,y)と、所定量(v)とを定めることができ、
これに基づいて制御部が移動機構およびモータを制御す
ることができるという効果を奏する。
【0189】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
上記の構成に加えて、上記変数x、yについて、 x≧5mm、y≧5mm と設定したことを特徴としている。
【0190】これにより、各種サイズの液晶パネルにつ
いて必要な生産効率を液晶パネルの製造装置に達成させ
ることができるという効果を奏する。
【0191】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
上記の構成に加えて、上記吐出口を複数備えると共に、
該複数の吐出口の一部または全部を選択して、上記液晶
滴を基板上の複数箇所に同時に付着させる制御部を備え
ていることを特徴としている。
【0192】これにより、制御部は、複数の吐出口を用
いて、液晶滴を基板上の複数箇所に同時に付着させるか
ら、基板全体に液晶滴を滴下するのに要する時間を、吐
出口の使用数に反比例して短くすることができる。
【0193】さらに、制御部は、複数の吐出口の一部ま
たは全部を選択的に制御し、吐出口の一部または全部か
ら液晶滴を吐出可能とするので、基板上における液晶を
封止する領域の取り方に応じてフレキシブルに対応する
ことができるという効果を奏する。
【0194】・本発明に係る液晶パネルの製造装置は、
上記の構成に加えて、上記基板上に液晶を封止する領域
を複数取る場合、不良が発生した領域の情報に基づい
て、不良が発生した領域には液晶の付着を行わないよう
に、上記モータおよび圧電素子の作動を停止させる制御
部を備えていることを特徴としている。
【0195】それゆえ、何らかの不良が発生した領域に
ついては、液晶の滴下工程の前に、不良が発生した領域
を特定する情報(位置情報等)を制御部に取得させ、こ
れにより、制御部は、液晶パネルを製造できない不良の
領域に対して、モータおよび圧電素子の作動を停止さ
せ、液晶の滴下を行わないようにするので、液晶のロス
を防止することができるという効果を奏する。
【0196】・本発明に係る液晶パネルの製造システム
は、上記液晶パネルの製造装置と、液晶の滴下を終えた
基板と、液晶パネルに用いるもう一方の基板との貼り合
わせを行う貼合せ部と、両基板間に液晶を封止するため
のシール材に対する硬化処理を行う硬化部と、を備えた
ことを特徴としている。
【0197】これにより、液晶滴下時間の短縮によって
優れた生産効率を達成する液晶パネルの製造システムを
提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶パネルの製造方法を実施する
ための液晶滴下装置が備える滴下ヘッドの構成を示す説
明図である。
【図2】(a)〜(d)は、上記滴下ヘッドの滴下動作
を示す説明図である。
【図3】上記液晶滴下装置による液晶滴下工程を示す模
式的な斜視図である。
【図4】上記液晶滴下装置によって液晶の滴下を終了し
た基板と、該基板内の不良箇所に対する処理方法とを示
す模式的な斜視図である。
【図5】上記液晶滴下装置の制御系の構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】(a)は、滴下ヘッドの一変形例を示す側面
図、(b)は、滴下ヘッドの他の変形例を示す部分断面
図である。
【図7】(a)は、本発明に係る液晶パネルの製造方法
の全体工程を示すフローチャート、(b)〜(d)は、
該フローチャートに含まれる主要工程を模式的に示す説
明図である。
【図8】上記液晶滴下装置を含む液晶パネルの製造装置
の一構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
2 シリンダ(収容部) 3 滴下ノズル3(吐出口) 4 ピストン 5 ステッピングモータ(モータ) 7 圧電素子 10 支持ベース(移動機構) 11 X駆動機構(移動機構) 12 支持ブロック(移動機構) 13 Y駆動機構(移動機構) 14 コントローラ(制御部) 40 液晶滴下部 41 貼合せ部 42 UV硬化部(硬化部) 43 加熱処理部(硬化部) 100 液晶 110 液晶滴 200 基板 210 シール材 220 描画領域(液晶を封止する領域) 230 不良領域 300 基板(他の基板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 FA04 FA09 FA16 FA17 FA18 FA20 FA21 FA24 FA30 HA03 HA08 JA05 MA16 MA17 MA18 2H089 NA07 NA09 NA19 NA22 NA25 NA29 NA32 NA34 NA35 NA44 NA45 NA49 NA56 NA60 TA04 TA09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶を収容した収容部の吐出口から液晶を
    押し出し、該吐出口に所定量の液晶滴を形成する工程
    と、 上記収容部および/または吐出口に振動を与えることに
    よって上記液晶滴を吐出口から切り離し、液晶パネルに
    用いられる基板に付着させる工程と、を備えたことを特
    徴とする液晶パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】吐出口を備えたシリンダ内の液晶をピスト
    ンによって吐出口から所定量押し出した後、圧電素子の
    振動をシリンダおよび/または吐出口に与えることによ
    って上記液晶滴を吐出口から切り離し、液晶パネルに用
    いられる基板に付着させることを特徴とする液晶パネル
    の製造方法。
  3. 【請求項3】上記基板に対する液晶滴の滴下間隔である
    滴下ピッチを、上記基板に取った2次元直交座標軸の一
    方について変数xとし、他方について変数yとし、上記
    基板と上記基板に対向して配置する他の基板との間隙を
    定数tとし、液晶滴の上記所定量を変数vとし、液晶充
    填量を所定体積Vとするとき、 V=nv(nは自然数)、v=xyt という関係と、必要な生産効率とを満足するように、上
    記変数x、y、vを定めることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の液晶パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】上記変数x、yについて、 x≧5mm、y≧5mm と設定することを特徴とする請求項3に記載の液晶パネ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】上記基板に対して吐出口を複数配置し、該
    複数の吐出口の一部または全部を選択して、上記液晶滴
    を基板上の複数箇所に同時に付着させることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶パネル
    の製造方法。
  6. 【請求項6】上記基板上に液晶を封止する領域を複数取
    る場合、不良が発生した領域を選別し、不良が発生した
    領域には液晶の付着を行わないことを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれか1項に記載の液晶パネルの製造方
    法。
  7. 【請求項7】上記不良が発生した領域に、液晶を封止す
    るためのシール材を、不良の無い領域と同様に描画する
    ことを特徴とする請求項5に記載の液晶パネルの製造方
    法。
  8. 【請求項8】液晶の吐出口を備え、液晶を収容する収容
    部と、 該収容部に嵌挿され、吐出口から液晶を押し出し、吐出
    口に液晶滴を形成するピストンと、 ピストンの押し出し量を回転量によって制御するモータ
    と、 吐出口に形成された液晶滴を、収容部および/または吐
    出口に振動を与えることによって切り離し、液晶パネル
    に用いられる基板に付着させる圧電素子と、を備えてい
    ることを特徴とする液晶パネルの製造装置。
  9. 【請求項9】少なくとも上記収容部およびピストンを備
    えた滴下ヘッドを、上記基板に対して2次元移動させる
    移動機構と、 上記滴下ヘッドの移動量、および上記モータの回転量を
    制御する制御部とを備え、 上記基板に対する液晶滴の滴下間隔である滴下ピッチ
    を、上記基板に取った2次元直交座標軸の一方について
    変数xとし、他方について変数yとし、上記基板と上記
    基板に対向して配置する他の基板との間隙を定数tと
    し、吐出口に形成する液晶滴の体積を変数vとし、液晶
    充填量を所定体積Vとするとき、 V=nv(nは自然数)、v=xyt という関係と、必要な生産効率とを満足するように定め
    られた上記変数x、y、vに基づいて、上記制御部が、
    移動機構およびモータを制御することを特徴とする請求
    項8に記載の液晶パネルの製造装置。
  10. 【請求項10】上記変数x、yについて、 x≧5mm、y≧5mm と設定したことを特徴とする請求項9に記載の液晶パネ
    ルの製造装置。
  11. 【請求項11】上記吐出口を複数備えると共に、 該複数の吐出口の一部または全部を選択して、上記液晶
    滴を基板上の複数箇所に同時に付着させる制御部を備え
    ていることを特徴とする請求項8に記載の液晶パネルの
    製造装置。
  12. 【請求項12】上記基板上に液晶を封止する領域を複数
    取る場合、不良が発生した領域の情報に基づいて、不良
    が発生した領域には液晶の付着を行わないように、上記
    モータおよび圧電素子の作動を停止させる制御部を備え
    ていることを特徴とする請求項8に記載の液晶パネルの
    製造装置。
  13. 【請求項13】請求項8ないし12のいずれか1項に記
    載の液晶パネルの製造装置と、 液晶の滴下を終えた基板と、液晶パネルに用いるもう一
    方の基板との貼り合わせを行う貼合せ部と、 両基板間に液晶を封止するためのシール材に対する硬化
    処理を行う硬化部と、を備えたことを特徴とする液晶パ
    ネルの製造システム。
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