JP4145729B2 - 液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置の製造方法、液晶装置および電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話等の電子機器におけるカラー画像表示部には、液晶表示装置等の電気光学装置が使用されている。液晶表示装置は、一対の透明基板の間に液晶層が挟持されて構成されている。この液晶表示装置を形成するには、まず一方の基板の表面周縁部にシール材を塗布する。その際、シール材の一部に液晶の注入口を形成しておく。次に、シール材の内側にスペーサを散布し、シール材を介して他方の基板を貼り合わせる。これにより、一対の基板とシール材とによって囲まれた領域に液晶セルが形成される。次に、真空中で液晶セル内を脱気し、液晶注入口を液晶槽内に浸漬した状態で、全体を大気圧下に戻す。すると、液晶セルと外部との圧力差および表面張力によって、液晶セル内に液晶が充填される。
【0003】
しかしながら、上述した方法で液晶を充填した場合には、充填時間が非常に長くなる。特に、対角1m以上の大型の基板を使用する場合には、液晶の充填に1日以上を要することになる。
【0004】
そこで、インクジェット等の液滴吐出装置を用いて基板上に液晶を塗布する滴下組立法が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。この方法は、まず一方の基板の表面周縁部に、熱硬化性樹脂等からなるシール材を塗布する。次に、そのシール材の内側に、液滴吐出装置により所定量の液晶を滴下する。最後に、シール材を介して他方の基板を貼り合わせ、液晶表示装置を形成するというものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−221666号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した滴下組立法では、基板に形成された配向膜の表面に液晶を滴下する。この配向膜には、液晶分子を所定方向に配向規制するため、ラビング処理が施されている。その配向膜の表面に滴下された液晶は、配向規制方向に濡れ広がりやすく、配向規制方向以外の方向に濡れ広がりにくいという問題がある。その結果、配向規制方向に濡れ広がった液晶が、硬化前のシール材と接触して、液晶に異物が混入するおそれがある。この異物の混入により、液晶の配向機能が低下し、表示ムラが発生することになる。一方、配向規制方向以外の方向には、塗り残しが発生するおそれがある。この塗り残しにより、液晶装置の歩留まりが低下し、また表示品質が低下することになる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、基板上に塗布された液晶を均等に濡れ広がらせることが可能な、液晶装置の製造方法の提供を目的とする。また、表示品質に優れた液晶装置および電子機器の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る液晶装置の製造方法は、配向膜を有する一対の基板と、前記一対の基板間の周縁部に設けられた封止材と、前記一対の基板および前記封止材によって形成される空間に封入された液晶とを有する液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板のうち前記液晶が塗布された一方の前記基板を、前記一方の基板に形成された前記配向膜の配向規制方向と交差する方向に振動させることを特徴とする。
なお、前記一方の基板に前記液晶を塗布した後に、前記一方の基板を振動させてもよい。また、前記一方の基板に前記液晶を塗布しつつ、前記一方の基板を振動させてもよい。
【0009】
上述したように、基板上に塗布された液晶は、配向規制方向以外の方向に濡れ広がりにくいという性質があるが、配向規制方向と交差する方向に基板を振動させることにより、液晶を配向規制方向以外の方向に濡れ広がらせることができる。これにより、基板上に塗布された液晶を均等に濡れ広がらせることができる。
【0010】
なお、前記一方の基板の一部に前記液晶を塗布した後であって、前記一方の基板の他部に前記液晶を塗布する前に、前記一方の基板を振動させてもよい。この構成では、液晶を塗布していない状態で基板を振動させ、液晶を塗布している状態では基板を振動させないので、液晶を正確な位置に吐出することができる。
【0011】
また、前記一方の基板に形成された前記配向膜の配向規制方向と直交する方向に、前記一方の基板を振動させることが望ましい。この構成によれば、配向規制方向への液晶の濡れ広がりを促進させることなく、配向規制方向以外の方向への液晶の濡れ広がりを促進させることができる。したがって、基板上に塗布された液晶を最短時間で均等に濡れ広がらせることができる。
【0012】
前記一方の基板に塗布された前記液晶が前記封止材と接触しうる位置まで濡れ広がる前に、前記一方の基板の振動を停止させることが望ましい。この構成によれば、硬化前の封止材と液晶との接触を最低限に留めることができるので、液晶中への異物の混入を防止することができる。
【0013】
一方、本発明に係る液晶装置は、上述した液晶装置の製造方法を使用して製造したことを特徴とする。この構成によれば、液晶中への異物の混入や、基板上における液晶の塗り残しがなくなり、表示品質に優れた液晶装置を提供することができる。
一方、本発明に係る電子機器は、上述した液晶装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、表示品質に優れた電子機器を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る液晶装置およびその製造方法の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0015】
[液晶装置]
図2に、液晶装置のカラーフィルタ基板を取り外した状態の平面図を示す。また図3に、図2のH−H′線に相当する部分における液晶装置の側面断面図を示す。なお、図2ではTFTアレイ基板の平面構造を説明するためカラーフィルタ基板を取り外した状態の平面図を示しているが、図3ではカラーフィルタ基板を含めた液晶装置全体の側面断面図を示している。液晶装置200は、TFTアレイ基板210およびカラーフィルタ基板220と、シール材252とによって形成される空間に、液晶250を封入して複数の画素を形成したものである。
【0016】
図2に示すTFTアレイ基板210は、ガラス等の基板の表面に、各画素のスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)を形成したものである。各TFT(不図示)のゲート電極からは、複数の走査線(不図示)が平行に延設されている。また、各TFTの上方には層間絶縁膜が形成され、その表面には複数のデータ線(不図示)が平行に形成されている。そして、各TFTのソースはスルーホールを介して各データ線に接続されている。なお、各走査線および各データ線は相互に直交させて格子状に配置され、各走査線は基板周縁部に形成された走査線駆動回路204に接続され、各データ線は基板周縁部に形成されたデータ線駆動回路201に接続されている。また、走査線駆動回路204およびデータ線駆動回路201を外部に接続するための端子202が基板周縁部に形成されている。さらに、データ線の上方には層間絶縁膜が形成され、その表面に画素電極(不図示)が形成されている。そして、各TFTのドレインは、スルーホールを介して画素電極に接続されている。加えて、画素電極の上方には、液晶分子の配向膜が形成されている。
【0017】
一方、図3に示すカラーフィルタ基板220は、ガラス等の基板の表面に、RGB各色のカラーフィルタ層223を形成したものである。なお各カラーフィルタ層223の間隙には、額縁状にブラックマトリクスが形成されている。またカラーフィルタ層の表面には保護膜が形成され、その表面にはITO等からなる共通電極221が形成されている。さらに共通電極221の上方には、液晶分子の配向膜が形成されている。TFTアレイ基板210およびカラーフィルタ基板220の配向膜は、ポリイミドの薄膜等によって構成されている。また、その配向膜の表面をナイロンのロール等によって所定方向に擦ることにより、ラビング処理が施されている。このラビング処理により、上記所定方向に液晶分子を配向規制することができる。なおラビング処理に代えて、配向膜の表面に複数の長細い突起等を形成することにより、液晶分子の配向規制を行うことも可能である。また、TFTアレイ基板210における配向膜の配向規制方向と、カラーフィルタ基板220における配向膜の配向規制方向とは、所定角度ずれた状態になっている。
【0018】
そして図2に示すように、TFTアレイ基板210の画像表示領域の周辺部に、硬化前の熱硬化性樹脂等からなるシール材252が塗布されている。なおシール材252はTFTアレイ基板210の全周に形成され、その角部にはカラーフィルタ基板の共通電極をTFTアレイ基板210に引き回すための導通部材206が形成されている。また図3に示すように、このシール材252の内側には、後述する塗布方法により液晶250が塗布されている。そして、このシール材252を介して、TFTアレイ基板210とカラーフィルタ基板220とが貼り合わされている。これにより、TFTアレイ基板210およびカラーフィルタ基板220と、シール材252とによって形成される空間内に、液晶250が封入されるようになっている。さらに、TFTアレイ基板210およびカラーフィルタ基板220の外側表面には、偏光フィルム(不図示)が形成されている。以上のように液晶装置200は構成されている。そして、液晶装置200の画像表示領域には複数の画素がマトリクス状に形成されている。
【0019】
[液滴吐出装置]
図4に、液滴吐出装置の概略的な外観斜視図を示す。上述したTFTアレイ基板に対する液晶の塗布は、図4に示す液滴吐出装置10を使用して行う。液滴吐出装置10は、主に、液晶を吐出するインクジェットヘッド(ヘッド)20およびヘッド移動手段16と、TFTアレイ基板(以下、単に基板という)210を載置するステージ46およびステージ移動手段14と、ステージ46を振動させる振動付与手段70とによって構成されている。
【0020】
ヘッド移動手段16は、所定間隔で立設された2本の支柱16a,16aと、両支柱の上端部に架設されたコラム16bとによって構成されている。そのコラム16bの下面には、図4のX方向に伸びるガイドレール(不図示)およびそのガイドレールに沿って移動可能なスライダ(不図示)等が設けられている。上述したスライダの駆動手段として、たとえばリニアモータ等が採用されている。これにより、スライダの下方に配置されたヘッド20がX方向に沿って移動可能とされ、また任意の位置で停止可能とされている。一方、上述したスライダの表面にはリニアモータ62等が固定され、そのリニアモータ62によりロッド(不図示)が図4のZ方向に移動可能とされている。そして、そのロッドの先端にヘッド20が固定されている。これにより、ヘッド20はZ方向に沿って移動可能とされ、また任意の位置で停止可能とされている。さらに、他のモータ等にヘッド20を接続することにより、ヘッド20をX,YおよびZ軸まわりに回動可能とし、また任意の位置で停止可能としてもよい。
【0021】
ここで、ヘッド20の構造例について、図5を参照して説明する。ヘッド20のヘッド本体90には、リザーバ95および複数のインク室(圧力発生室)93が形成されている。リザーバ95は、各インク室93に液晶等のインクを供給するための流路になっている。また、ヘッド本体90の一方端面には、インク吐出面20Pを構成するノズルプレートが装着されている。そのノズルプレートには、各インク室93に対応して、インクを吐出する複数のノズル91が開口されている。そして、各インク室93から対応するノズル91に向かって流路が形成されている。一方、ヘッド本体90の他方端面には振動板94が装着されている。この振動板94はインク室93の壁面を構成している。その振動板94の外側には、各インク室93に対応して、ピエゾ素子(圧力発生手段)92が設けられている。ピエゾ素子92は、水晶等の圧電材料を一対の電極(図示せず)で挟持したものである。
【0022】
図6は、ピエゾ素子の駆動電圧波形W1と、その駆動電圧に対応したヘッド20の動作を示す概略図である。以下には、ピエゾ素子92を構成する一対の電極に対して、波形W1の駆動電圧が印加された場合について説明する。まず正勾配部a1,a3では、ピエゾ素子92が収縮してインク室93の容積が増加し、リザーバ95からインク室93内にインクが流入する。また負勾配部a2では、ピエゾ素子92が膨張してインク室93の容積が減少し、加圧されたインク99がノズル91から吐出される。そして、この駆動電圧波形W1の振幅および印加回数等により、インクの塗布量が決定される。
【0023】
なおヘッド20の駆動方式として、ピエゾ素子92を用いたピエゾジェットタイプに限られず、例えば熱膨張を利用したサーマルインクジェットタイプなどを採用してもよい。また液晶の塗布手段として、インクジェットヘッド以外の塗布手段を採用することも可能である。インクジェットヘッド以外の液晶塗布手段として、たとえばディスペンサを採用することができる。ディスペンサは、インクジェットヘッドに比べて大口径のノズルを有しているので、粘度が高い状態の液晶を吐出することも可能である。
【0024】
一方、図4に示す液滴吐出手段10において、ステージ移動手段14は、Y方向に伸びるガイドレール(不図示)およびガイドレールに沿って移動可能なスライダ(不図示)等によって構成されている。このスライダの駆動手段として、たとえばリニアモータ等が採用されている。これにより、スライダの上方に配置されたステージ46がY方向に沿って移動可能とされ、また任意の位置で停止可能とされている。さらに、他のモータ等にヘッド20を接続することにより、ステージ46をZ軸まわりに回動可能とし、また任意の位置で停止可能としてもよい。
【0025】
ステージ移動手段14の上方には、ステージ46を振動させる振動付与手段70が設けられている。図7(a)は振動付与手段の平面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A線における側面断面図である。振動付与手段70は、升状のケーシング72を備えている。そのケーシング72の内側における四方の側面には、それぞれピエゾ素子(圧電素子)74,75,76、77の一方端面が装着されている。各ピエゾ素子74,75,76、77は、ケーシング72の内側面に対して垂直方向に伸縮振動するように形成されている。また、各ピエゾ素子74,75,76、77の振動パラメータ(周波数、振幅、位相等)は、それぞれ独立に設定可能とされている。
【0026】
そして、振動付与手段70の上方には、ステージ46が配置されている。ステージ46の下面中央部には、矩形の突出部47が形成されている。この突出部47における四方の側面に、上述した各ピエゾ素子74,75,76、77の他方端面が装着されている。一方、ステージ46の上面には、基板210の吸着保持手段(不図示)が設けられている。
【0027】
そして、図4に示す液滴吐出装置10には、動作制御部80が設けられている。動作制御部80は、ヘッド移動手段16およびリニアモータ62に対して動作信号を出力することにより、ヘッド20を所定位置に移動させることができる。また、ヘッド20のピエゾ素子に対して駆動信号を出力することにより、ヘッド20から所定タイミングで所定量の液晶を吐出させることができる。一方、動作制御部80は、ステージ移動手段14に対して動作信号を出力することにより、ステージ46を所定の位置に移動させることができる。また、振動付与手段70の各ピエゾ素子に対して駆動信号を出力することにより、ステージ46を所定方向に振動させることができる。
【0028】
一方、液晶等のインクの温度を調整するため、ヘッド20にはヒータおよび温度センサ(不図示)が装着されている。また、インクはインクタンク86からインク流路87を介してヘッド20に供給されるので、このインクタンク86およびインク流路87にもヒータおよび温度センサ(不図示)が設けられている。なお、インクが吐出された基板210を載置するステージ46にも、ヒータおよび/またはクーラならびに温度センサ(不図示)を設けるのが好ましい。そして、液滴吐出装置10には温度制御部82が設けられ、上述した各温度センサによる計測結果をモニタしつつ、各ヒータ等の動作を制御することにより、インクを所定温度に調節することができるようになっている。なお、上述した温度調節手段に代えて、または上述した温度調節手段とともに、内部温度の調節が可能なチャンバを液滴吐出装置10の周囲に設けてもよい。このチャンバは、液滴吐出装置10の全体を包含するものであってもよいし、基板210が載置されるステージ46およびヘッド20のみを包含するものであってもよい。このチャンバにより、塗布前後の液晶の温度を一括して管理することができる。
【0029】
[液晶装置の製造方法]
次に、上述した液滴吐出装置を使用して液晶を塗布する方法につき、図1、図4および図7を使用して説明する。図1は、本実施形態に係る液晶装置の製造方法の説明図である。
【0030】
一般に、液晶は高粘性流体であり、常温(20℃)で50cps以上の粘度を示す。このような高粘性流体は、ヘッド20における微小直径のノズルから吐出させることが困難である。なお、ヘッド20により液晶を安定的に吐出させるには、液体の粘度を10cps程度に低下させることが必要である。そこで、図4に示す温度制御部82により、インクタンク86、インク流路87およびヘッド20に装着されたヒータを駆動して、液晶の温度を70℃程度に保持する。これにより、液晶の粘度が10cps程度に低下して、ヘッド20による液晶の吐出が可能になり、所定量の液晶を正確に吐出することができるようになる。
【0031】
一方、図1(a)に示すように、TFTアレイ基板(以下、単に基板という)210の画像表示領域の周辺部に、熱硬化性樹脂等からなるシール材252を塗布する。シール材252の塗布は、スクリーン印刷やディスペンサ等によって行う。なお、基板間のギャップを一定とするため、シール材中に粒子を含ませてもよい。一方、基板210の表面には配向膜が形成され、図1の破線211で示す方向にラビング処理が施されて、液晶分子の配向方向が規制されている。この基板210を、図4に示す液滴吐出装置10におけるステージ46の上面に載置する。以下には、基板210の配向規制方向を図4のX方向に一致させて基板210を載置した場合を例にして説明する。
【0032】
次に、図4に示す動作制御部80からステージ移動手段14および/またはヘッド移動手段16に対して動作信号を出力し、基板210における塗布開始位置の上方にヘッド20を配置させる。そして、動作制御部80からヘッド20のピエゾ素子に対して駆動信号を出力し、ヘッド20から液晶を吐出させる。さらに、ステージ46および/またはヘッド20を移動させつつ、ヘッド20から液晶を吐出させる。なお、ヘッド20とステージ46との相対的な速度や、ヘッド20による液晶の吐出周波数、Z軸まわりのヘッド20の傾斜角度等を調整することにより、単位面積あたりの塗布量を制御することができる。これにより、図1(b)に示すように、基板210におけるシール材252の内側に液晶250が塗布される。なお、基板間のギャップを一定とするため、液晶中に粒子を含ませてもよい。
【0033】
基板210に塗布された液晶は、基板表面の配向規制方向に沿って濡れ広がりやすく、配向規制方向以外の方向には濡れ広がりにくいという性質がある。上述したように、本実施形態では配向規制方向をX方向に一致させて基板210を配置しているので、塗布された液晶はX方向に濡れ広がりやすく、Y方向には濡れ広がりにくい。そこで、図1(c)に示すように、配向規制方向と垂直な方向であるY方向に基板210を振動させる。具体的には、図4に示す動作制御部80から振動付与手段70に駆動信号を出力し、図7に示すピエゾ素子74,76をそれぞれ逆位相で振動させ、ステージ46をY方向に振動させる。同様に、配向規制方向を図4のY方向に一致させて基板210を配置した場合には、図7に示すピエゾ素子75,77をそれぞれ逆位相で振動させて、ステージ46をX方向に振動させればよい。また、基板210に対して液晶を塗布しつつ、基板210を振動させてもよい。
【0034】
なお、基板210の縁辺に対して斜め方向にラビングが施されている場合もある。その場合、ステージ46の縁辺に対して斜めに基板210を配置して、配向規制方向をX方向に一致させた上で、基板をY方向に振動させればよい。また、ステージ46の縁辺に対して平行に基板210を配置して、ステージ46を斜め方向に振動させることも可能である。たとえば、基板210の配向規制方向が、図7に示すXY座標系において正勾配となるように、基板210を配置した場合について考える。この場合、ピエゾ素子75およびピエゾ素子76を同位相で振動させ、ピエゾ素子77およびピエゾ素子74を同位相で振動させつつ、ピエゾ素子75,76とピエゾ素子77,74とを逆位相で振動させる。これにより、図7に示すXY座標系において、負勾配の方向にステージ46を振動させることができる。
【0035】
上述したように、基板210をY方向に振動させれば、基板210上に塗布された液晶250がY方向に力を受けて、図1(d)に示すように、基板210におけるシール材252の内側全体に均等に濡れ広がる。なお、基板210を振動させる方向は、基板210の配向規制方向以外の方向であれば、必ずしも配向規制方向と垂直な方向でなくてもよい。もっとも、配向規制方向と垂直な方向に振動させれば、配向規制方向への液晶の濡れ広がりを促進させることなく、配向規制方向以外の方向への液晶の濡れ広がりを促進させることができる。したがって、最短時間で液晶を均等に濡れ広がらせることができる。
【0036】
ところで、基板210の周縁部に配置されたシール材252は、硬化前の熱硬化性樹脂等によって構成されている。そのため、濡れ広がった液晶250がシール材252に接触すると、シール材を構成する樹脂が液晶中に混入するおそれがある。そこで、濡れ広がった液晶がシール材252に接触する直前で、ステージの振動を停止させる。これに加えて、ステージに設けたクーラ等により基板210を冷却して、塗布された液晶の粘度を上昇させれば、さらなる液晶の濡れ広がりを抑制することができる。
【0037】
そして、液晶を塗布した基板210に対して、カラーフィルタ基板220(図2参照)を貼り合せる。具体的には、基板間のギャップが均一となるように調整を図りながら真空中で貼り合わせを行い、加熱炉において約120℃で10分程度加熱することにより、シール材252を硬化させて両基板を接着する。なお、両基板を貼り合せる段階では液晶250がシール材252と接触するが、シール材252の硬化後にはシール材を構成する樹脂が液晶中に混入することはない。したがって、濡れ広がった液晶250がシール材252と接触する直前でステージの振動を停止させることにより、硬化前のシール材252と液晶250との接触時間を短縮することができる。これにより、液晶に異物が混入する可能性を低減することが可能になり、液晶の配向機能の低下および表示ムラの発生を防止することができる。
以上により、図2に示す液晶装置200が完成する。
【0038】
ところで、大型の液晶装置では、基板210の幅がヘッド20の幅より大きくなるため、基板210に対して複数行にわたり液晶を塗布する場合がある。この場合には、改行時に基板210を振動させることも可能である。図8は、複数行にわたり液晶を塗布して液晶装置を製造する方法の説明図である。以下には、基板210の配向規制方向211をX方向に一致させて配置した場合を例にして説明する。図8(a)に示すように、まず基板210の−Y領域に対して、X軸と平行に1行目の液晶250aを塗布する。1行目の液晶の塗布が終了した時点で、図8(b)に示すように、配向規制方向と垂直な方向であるY方向に基板210を振動させる。すると、1行目に塗布された液晶250aが、基板210の−Y領域において均等に濡れ広がる。次に、図8(c)に示すように、基板210の+Y領域に対して、X軸と平行に2行目の液晶250bを塗布する。2行目の液晶の塗布が終了した時点で、図8(d)に示すように、再びY方向に基板210を振動させる。すると、2行目に塗布された液晶250bが、基板210の+Y領域において均等に濡れ広がる。これにより、基板210におけるシール材252の内側全体に、液晶250が均等に塗布される。以上のように、複数行にわたって液晶を塗布する場合には、液晶を塗布していない改行時に基板を振動させ、液晶の塗布時には基板を振動させない。これにより、液晶を正確な位置に吐出することができる。また、改行に起因する描画ムラを解消することが可能になり、液晶装置の表示ムラの発生を防止することができる。
【0039】
なお本実施形態では、図3に示すTFTアレイ基板210にシール材252を形成し、そのTFTアレイ基板210に液晶250を吐出して、カラーフィルタ基板220と貼り合わせた。しかし上記とは逆に、カラーフィルタ基板220にシール材252を形成し、そのカラーフィルタ基板220に液晶250を吐出して、TFTアレイ基板210と貼り合わせてもよい。なお、塗布された液晶の濡れ広がりを促進させるため、テーブルに設けられたヒータ等により基板を加熱する場合には、両基板を貼り合わせる前にシール材が硬化するおそれがある。この場合には、TFTアレイ基板210またはカラーフィルタ基板220のうち一方の基板にシール材252を形成し、他方の基板に液晶250を塗布して、両基板を貼り合わせるのが好ましい。これにより、両基板を貼り合わせる前にシール材252が硬化することがなくなり、両基板を良好に貼り合せることができる。この場合にも、他方の基板に塗布された液晶250が、一方の基板に形成されたシール材252と接触しうる位置まで濡れ広がる前に、他方の基板の振動を停止させるのが好ましい。
【0040】
[電子機器]
次に、液晶装置を備えた電子機器の例について、図9を用いて説明する。図9は、携帯電話の斜視図である。上記の方法で形成した液晶装置は、携帯電話3000の筐体内部に配置されている。
【0041】
なお、上記の方法で形成した液晶装置は、携帯電話以外にも種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などの電子機器に適用することが可能である。
【0042】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る液晶装置の製造方法の説明図である。
【図2】 液晶装置のカラーフィルタ基板を取り外した状態の平面図である。
【図3】 図2のH−H′線に相当する部分における液晶装置の側面断面図である。
【図4】 液滴吐出装置の概略的な外観斜視図である。
【図5】 インクジェットヘッドの構造例の説明図である。
【図6】 ピエゾ素子の駆動電圧波形と、その駆動電圧に対応したインクジェットヘッドの動作を示す概略図である。
【図7】 図7(a)は振動付与手段の平面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A線における側面断面図である。
【図8】 複数行にわたり液晶を塗布して液晶装置を製造する方法の説明図である。
【図9】 携帯電話の斜視図である。
【符号の説明】
210基板 211配向規制方向 250液晶 252シール材
Claims (5)
- 配向膜を有する一対の基板と、前記一対の基板間の周縁部に設けられた封止材と、前記一対の基板および前記封止材によって形成される空間に封入された液晶とを有する液晶装置の製造方法であって、
前記一対の基板のうち一方の前記基板を加熱しつつ前記一方の基板に前記液晶を塗布し、前記一方の基板に形成された前記配向膜の配向規制方向と交差する方向に前記一方の基板を振動させ、
前記一方の基板に塗布された前記液晶が前記封止材と接触しうる位置まで濡れ広がる前に、前記一方の基板の振動を停止させるとともに、前記一方の基板を冷却し、
前記一対の基板のうち他方の前記基板に熱硬化性樹脂からなる前記封止材を塗布し、
前記一方の基板と前記他方の基板とを貼り合わせることを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 請求項1に記載の液晶装置の製造方法において、
前記一方の基板に前記液晶を塗布した後に、前記一方の基板を振動させることを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 請求項1に記載の液晶装置の製造方法において、
前記一方の基板に前記液晶を塗布しつつ、前記一方の基板を振動させることを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 請求項1に記載の液晶装置の製造方法において、
前記一方の基板の一部に前記液晶を塗布した後であって、前記一方の基板の他部に前記液晶を塗布する前に、前記一方の基板を振動させることを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の液晶装置の製造方法において、
前記一方の基板に形成された前記配向膜の配向規制方向と直交する方向に、前記一方の基板を振動させることを特徴とする液晶装置の製造方法。
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