JP2003347048A - Elパネルの製造方法及び成膜装置 - Google Patents

Elパネルの製造方法及び成膜装置

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JP2003347048A
JP2003347048A JP2002156119A JP2002156119A JP2003347048A JP 2003347048 A JP2003347048 A JP 2003347048A JP 2002156119 A JP2002156119 A JP 2002156119A JP 2002156119 A JP2002156119 A JP 2002156119A JP 2003347048 A JP2003347048 A JP 2003347048A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、高品質の有機EL表示パネ
ルの提供と製造工程の簡便さの両立を図ることである。 【解決手段】 TFT駆動基板6に複数のアノード電極
15をパターニングし、全てのアノード電極15を被覆
するように酸化シリコン下地膜9’を形成し、酸化シリ
コン下地膜9’一面にレジスト膜8’を形成する。次
に、レジスト膜8’を露光した後に現像液で除去するこ
とで、レジスト膜8’の残留した部分が隔壁8となる。
次に、隔壁8をマスクとして、C48ガスで酸化シリコ
ン下地膜9’をドライエッチングすると、酸化シリコン
下地膜9’の残った部分が下地層9となる。ここで、ド
ライエッチングによって、隔壁8の表層に撥液層10が
成膜される。次に、隔壁8に囲繞された囲繞領域に成膜
装置50で有機EL層16を成膜して、有機EL層16
上にカソード電極17を成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板とこの基板に
設けられたEL素子とを備えるELパネルの製造方法、
及びEL素子のEL層を成膜する成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子はアノード電極、有機材料
からなる有機EL層、カソード電極の順に積層された積
層構造を為しており、アノード電極とカソード電極の間
に順バイアス電圧が印加されると有機EL層において発
光する。このような有機EL素子を画素として基板上に
マトリクス状に配列して、各有機EL素子を所定の階調
輝度で発光することによって画像表示を行う有機EL表
示パネルが実現化されている。
【0003】アクティブマトリクス構造の有機EL表示
パネルでは、アノード電極又はカソード電極のうちの一
方の電極を全ての画素に共通する共通電極とすることが
できるが、少なくとも他方の電極及び有機EL層を画素
ごとにパターニングする必要がある。アノード電極やカ
ソード電極を画素ごとにパターニングする手法は従来の
半導体素子製造技術を適用できる。つまり、真空蒸着
法、スパッタ法のようなPVD法又はCVD法等による
成膜工程、フォトリソグラフィー法等によるマスク工
程、エッチング法等による薄膜の形状加工工程を適宜行
うことで、アノード電極やカソード電極を画素ごとにパ
ターニングすることができる。
【0004】有機EL層の成膜方法については、材料等
の条件に応じてドライ蒸着法と湿式コーティング法に大
別できる。ドライ蒸着法を用いる場合には、ドライ蒸着
法により有機EL層を一面に成膜した後にシャドウマス
クを行い、その後マスクの無い部分をエッチングで除去
すると、画素ごとに有機EL層をパターニングすること
ができる。一方、湿式コーティング法を用いる場合に
は、インクジェット技術を応用することで画素ごとに有
機EL層をパターニングすることができる。つまり、有
機EL層になる材料を溶媒で溶解してなるEL溶液の液
滴を画素ごとに噴出することで、画素ごとに有機EL層
をパターニングすることができる。インクジェット技術
を応用した湿式コーティング法では成膜工程と、画素ご
とのパターニング工程をほぼ同時に行えることから、イ
ンクジェット方式は主流の技術となりつつある。
【0005】ところで、高解像度の画像表示を行う有機
EL表示パネルを提供するためには、有機EL層を微細
パターンで形成しなければならない。インクジェット方
式では、EL溶液の液滴の粒径が非常に小さいため有機
EL層を微細パターンで形成することは可能であるが、
液滴が着弾した形状で固化してしまうため、所望の形状
に成膜しにくく、また固化するまでの間に滲んで拡散し
てしまうため、わずかなインクジェットヘッドの位置ズ
レや着弾位置ずれにより隣りの画素の有機EL層のEL
溶液と混じってしまう恐れがあった。そこで、基板上に
予め網目状の隔壁を微細パターニングしてから、隔壁に
よって囲繞された領域に液滴を噴出することで、隣り合
う画素同士のEL溶液が混ざることを防止する技術が提
案されている。
【0006】図11には、隔壁308を具備する従来の
有機EL表示パネル301が示されている。この有機E
L表示パネル301では、平面視して網目状の隔壁30
8が基板312に形成されており、隔壁308に囲繞さ
れた一つの領域に一つの有機EL素子302が設けら
れ、このような有機EL素子302が複数マトリクス状
に配列されている。また、隔壁308の密着性を向上さ
せるため、酸化シリコンからなる網目状の下地層309
が隔壁308と基板312との間に形成されている。
【0007】この有機EL表示パネル301の製造方法
としては、まず、基板312上に複数のアノード電極3
15をマトリクス状にパターニングした後、各アノード
電極315の間において基板312上に下地層309を
網目状にパターニングする。次に、下地層309上に隔
壁308をパターニングする。
【0008】次に、酸素プラズマクリーニング装置にこ
の基板312をセットして、酸素プラズマクリーニング
装置でアノード電極315上に付着した有機汚物をアッ
シングすることでアノード電極315をクリーニングす
る。アノード電極315をクリーニングするのは、有機
EL層316をインクジェット方式で成膜するに際して
EL溶液の液滴がアノード電極315上で濡れやすくす
るためである。
【0009】次に、フッ化物プラズマ照射装置にこの基
板312をセットして、フッ化物プラズマ照射装置で隔
壁308にフッ化物プラズマ照射することで隔壁308
の表層に撥液性の高いフッ化物層を形成する。隔壁30
8の表層に撥液性の高いフッ化物層を形成するのは、隔
壁308の頭頂部より高くなるような大量のEL溶液が
噴出された場合でも隔壁308上にEL溶液が滲むこと
を防止してアノード電極315上のみにEL溶液が定着
させるとともに、隔壁308上で隣り合う画素のEL溶
液が混じることを防止するためである。
【0010】次に、インクジェット式成膜装置にこの基
板312をセットして、インクジェット式成膜装置で各
アノード電極315上にEL溶液を噴出後に乾燥させ
て、各アノード電極315上に有機EL層316をパタ
ーニングする。次に、有機EL層312上にカソード電
極317を成膜する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記製造方
法では、下地層309をパターニングした後に隔壁30
8をパターニングしているため、下地層309上に隔壁
308が確実に成膜されるように、平面視して下地層3
09の幅を隔壁308の幅より広くする必要がある。こ
のように下地層309の幅が隔壁308の幅より広く、
下地層309がアノード電極315の周縁部上に形成さ
れるため、発光部分が狭く、所謂開口率が低い。一方、
下地層309の幅を狭くすることで開口率を高めたもの
としても、隔壁308の形成において隔壁308がアノ
ード電極315上にはみ出てしまうため隔壁308の密
着性が低下する。従って、隔壁308はアノード電極3
15に重なった部分から剥がれてしまう恐れがある。
【0012】一方、酸素プラズマクリーニングを行わな
ければ、EL溶液がアノード電極315上で広がらず、
アノード電極315上において有機EL層316の成膜
されていない部分が生じてしまう恐れがある。また、フ
ッ化物プラズマ照射を行わなければ、EL溶液が隔壁3
08上に滲んでしまい、隣り同士の画素同士のEL溶液
が隔壁308上で混じってしまう可能性がある。しかし
ながら、酸素プラズマクリーニングやフッ化物プラズマ
照射を行うため、製造工程が煩雑になる。
【0013】以上のように従来の製造方法では、高品質
の有機EL表示パネルの提供と、製造工程の簡便さとを
両立するにも限度がある。そこで、本発明の課題は、高
品質のEL表示パネルの提供と製造工程の簡便さの両立
を図ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明に係る製造方法は、例えば図
1〜8に示すように、基板(例えば、TFT駆動基板
6)の一方の面(例えば、表面6a)に形成された第一
電極(例えば、アノード電極15)ごと被覆するように
前記基板の一方の面上に下地膜(例えば、酸化シリコン
下地膜9’)を成膜する下地膜形成工程(例えば図4に
図示)と、前記下地膜上の一面にレジスト膜(例えば、
レジスト膜8’)を形成するレジスト膜形成工程(例え
ば図5に図示)と、前記レジスト膜を部分的に除去する
ことによって残留したレジスト膜(例えば、隔壁8)で
囲繞された囲繞領域内に前記第一電極を配するように、
前記レジスト膜を形状加工する形状加工工程(例えば図
6に図示)と、前記残留したレジスト膜をマスクとして
前記下地膜をエッチングするエッチング工程(例えば図
7に図示)と、を含むことを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の製
造方法において、前記形状加工工程において、前記第一
電極の外縁部分に前記残留したレジスト膜が重なるよう
に前記レジスト膜を形状加工することを特徴とする。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の製造方法において、前記基板の一方の面に形成され
た前記第一電極は複数であり、前記下地膜形成工程にお
いて複数の前記第一電極ごと前記下地膜で被覆し、前記
形状加工工程において前記囲繞領域を複数形成するよう
に、且つ一つの囲繞領域に少なくとも一つの前記第一電
極が配されるように前記レジスト膜を形状加工すること
を特徴とする。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
何れかに記載の製造方法において、前記エッチング工程
において、C48又はCF4を含むガスで前記下地膜を
エッチングすることを特徴とする。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1から4の
何れかに記載の製造方法において、EL材料を溶解した
EL溶液を液滴(例えば、液滴116)として前記囲繞
領域に向けて噴出することによって、前記囲繞領域にE
L層(例えば、有機EL層16)を形成するEL層形成
工程を更に含むことを特徴とする。
【0019】請求項1から5の何れかに記載の発明で
は、レジスト膜を形状加工して残留したレジスト膜が従
来の隔壁308に相当するものとなる。ここで、残留し
たレジスト膜をマスクとして、下地膜をエッチングして
いるため、残留した下地膜の形状は残留したレジスト膜
の形状に合致する。残留した下地膜は従来の下地層30
9に相当するものであり、残留した下地膜が残留したレ
ジスト膜(つまり、隔壁)に合致するため、EL素子の
発光範囲を最大限に広げることができる。また、残留し
たレジスト膜が残留した下地膜に合致しているから、残
留したレジスト膜が下地膜から第一電極や基板にはみ出
てないから、残留したレジスト膜が剥がれにくい。故
に、高品質のELパネルを提供することができる。
【0020】また、残留したレジスト膜をマスクとして
下地膜を形状加工しているため、従来のように下地層3
09をパターニングした後に隔壁308を下地層309
上に成膜する場合と比較しても、工程が省略されて、E
Lパネルの製造方法が簡便化される。以上のように請求
項1から5の何れかに記載の発明では、高品質のELパ
ネルの提供と製造工程の簡便さの両立を図ることができ
る。
【0021】また、請求項4記載の発明では、残留した
レジスト膜をマスクとしてC48又はCF4をを含むガ
スで下地膜をエッチングしているため、残留したレジス
ト膜の表層にフッ素を含む化合物の層が形成される。フ
ッ素を含む化合物の層は一般的に撥液性が高いため、残
留したレジスト膜にフッ化物プラズマ照射をしなくて
も、EL溶液が残留したレジスト膜上に広がらない。従
って、請求項5記載の発明のようにEL溶液でEL層を
成膜しようとした場合、残留したレジスト膜上において
隣り同士の画素のEL溶液が混じることもない。また、
フッ化物プラズマ照射を省略しても残留したレジスト膜
上にEL溶液が広がらないから、従来の製造方法に比較
してもELパネルの製造方法が簡便化される。
【0022】請求項6記載の発明は、例えば図1、図2
に示すように、基板(例えば、TFT駆動基板6)の一
方の面(例えば、表面6a)に形成された隔壁(例え
ば、隔壁8)によって囲繞され且つ前記基板の一方の面
に形成された電極(例えば、アノード電極15)にEL
層(例えば、有機EL層16)を成膜する成膜装置(例
えば、成膜装置50)において、前記基板の一方の面の
上方において前記基板に対して相対的に移動する移動体
(例えば、ヘッド部54)と、前記移動体に設けられ、
前記電極に向けて酸素プラズマを照射する酸素プラズマ
照射部(例えば、酸素プラズマ照射ヘッド56)と、前
記移動体に設けられ、EL材料を溶解したEL溶液を液
滴として前記電極に向けて噴出する液滴噴出部(例え
ば、ノズル55R,55G,55B)と、を備えること
を特徴とする。
【0023】請求項6記載の発明では、酸素プラズマ照
射部で電極に酸素プラズマ照射することで電極がクリー
ニングされるが、酸素プラズマ照射部と液滴噴出部が移
動体に設けられているため、電極がクリーニングされて
からすぐに電極に液滴を噴出することができる。そのた
め、電極の濡れ性を安定して高い状態に維持した状態で
液滴が電極に着弾するから、液滴が電極上で広がりやす
く、液滴が固化してなるEL層の膜厚が均等になる上、
電極上においてEL層の成膜されていない部分が無い。
従って、EL層において全体的に均等な明るさで発光
し、高品質なELパネルを提供することができる。
【0024】また、基板の上方において基板に対して相
対的に移動する移動体に酸素プラズマ照射部が設けられ
ているから、部分的に酸素プラズマを電極に照射するこ
とができ、酸素プラズマを隔壁に噴射しなくても済む。
従って、酸素プラズマによって隔壁がアッシングされる
ことがない。
【0025】また、移動体に酸素プラズマ照射部及び液
滴噴出部が設けられているから、基板を酸素プラズマク
リーニング用の装置からEL層成膜用の装置に移し替え
ることなく、電極のクリーニングとEL層の成膜を同じ
装置で行える。故に、ELパネルの製造方法が簡便化さ
れる。
【0026】請求項7記載の発明は、例えば図1、図2
に示すように、基板(例えば、TFT駆動基板6)の一
方の面(例えば、表面6a)に形成された隔壁(例え
ば、隔壁8)によって囲繞され且つ前記基板の一方の面
に形成された電極(例えば、アノード電極15)にEL
層(例えば、有機EL層16)を成膜する成膜装置(例
えば、成膜装置50)において、前記基板の一方の面の
上方において前記基板に対して相対的に移動する移動体
(例えば、ヘッド部54)と、前記移動体に設けられ、
フッ素を含む化合物ガスのプラズマを前記隔壁に向けて
照射するフッ化物プラズマ照射部(例えば、フッ化物プ
ラズマ照射ヘッド57)と、前記移動体に設けられ、E
L材料を溶解したEL溶液を液滴(例えば、液滴11
6)として前記電極に向けて噴出する液滴噴出部(例え
ば、ノズル55R,55G,55B)と、を備えること
を特徴とする。
【0027】請求項7記載の発明では、フッ化物プラズ
マ照射部で隔壁にフッ化物プラズマ照射することで隔壁
の表層に撥液性のフッ化物層が形成されるが、フッ化物
プラズマ照射部と液滴噴出部が移動体に設けられている
ため、フッ化物層が形成されてからすぐに電極に液滴を
噴出することができる。そのため、隔壁の表層の撥液性
を安定して高い状態に維持した状態で液滴が電極に着弾
するから、EL溶液が隔壁上に広がることもなく、隣り
同士の画素のEL溶液が混じることもない。よって、E
Lパネルは高コントラストであり、高品質のELパネル
を提供することができる。
【0028】また、基板の上方において基板に対して相
対的に移動する移動体にフッ化物プラズマ照射部が設け
られているから、部分的にフッ化物プラズマを隔壁に照
射することができ、フッ化物プラズマを電極に噴射しな
くても済む。従って、電極に撥液性のフッ化物層が形成
されない。
【0029】また、移動体にフッ化物プラズマ照射部及
び液滴噴出部が設けられているから、基板をフッ化物プ
ラズマ照射用の装置からEL層成膜用の装置に移し替え
ることなく、フッ化物プラズマ照射とEL層の成膜を同
じ装置で行える。故に、ELパネルの製造方法が簡便化
される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、図面を用いて本発明の具
体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲を図
示例に限定するものではない。なお、以下の説明におい
て、『平面視して』とは、『発光面に対して垂直な方向
に見て』という意味である。
【0031】図1には、有機EL表示パネル1の断面図
が示されている。平面視して、有機EL表示パネル1で
は赤色、緑色及び青色の複数の画素がマトリクス状に配
列されており、一つの画素は、一つの有機EL素子2
(詳細については後述する。)によって発光する発光部
3と、その発光部3の周囲において発光しない非発光部
4とからなる。
【0032】有機EL表示パネル1は、アクティブマト
リクス駆動方式によりカラー表示を行うものである。即
ち、有機EL表示パネル1は、一つの画素につき、一つ
の有機EL素子2と、有機EL素子2を駆動するための
一つの画素スイッチング回路(薄膜トランジスタ5を含
む)と、から構成されており、周辺ドライバ回路から出
力された信号に従って画素スイッチング回路が有機EL
素子2に流れる電流をオン・オフしたり、有機EL素子
2の発光期間中に電流値を保持することで有機EL素子
2の発光輝度を一定に制御したりする。なお、画素スイ
ッチング回路は、一つにつき、少なくとも一つ以上の薄
膜トランジスタ(以下、TFTと述べる。)から構成さ
れ、適宜コンデンサ等も付加されることもあるが、以下
では画素スイッチング回路のTFTのうち、他の電気素
子を介しないで有機EL素子2に直接接続されるTFT
5を例にして説明する。
【0033】有機EL表示パネル1は、画素スイッチン
グ回路(TFT5を含む)を有するTFT駆動基板6
と、TFT駆動基板6に対向した平板状の対向基板7
と、TFT駆動基板6と対向基板7との間においてマト
リクス状にパターニング形成された複数の有機EL素子
2と、有機EL素子2の周囲に設けられた平面視網目状
の隔壁8と、隔壁8とTFT駆動基板6との間に形成さ
れた平面視網目状の下地層9と、隔壁8及び下地層9の
表層の撥液層10と、有機EL素子2を封止する封止樹
脂層11等とを具備する。
【0034】TFT駆動基板6は、光に対して透過性を
有する絶縁性の透明基板12を基本構成としている。透
明基板12は、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、その他
のガラスといった材料で平板状に形成されている。この
透明基板12の一方の面12aにTFT5、配線19
(例えば、走査線、信号線等)、その他の電気素子等が
形成され、透明基板12の全面にゲート絶縁膜13及び
層間絶縁膜14が成膜されて、TFT駆動基板6が構成
される。
【0035】TFT5は、ゲート電極、ドレイン電極、
ソース電極、半導体層、不純物半導体層等から構成され
たMOS型の電界効果トランジスタであり、半導体層は
アモルファスシリコンであっても、ポリシリコンであっ
てもよく、逆スタガ構造であってもコプラナ構造であっ
てもよい。更に、TFT5は配線19に接続されてお
り、周辺ドライバ回路から各TFT5に電流が流れた
り、電圧が印加されたりする。ゲート絶縁膜13は、T
FT5の半導体層、不純物半導体層、ソース電極並びに
ドレイン電極とゲート電極との間に介在するとともに、
走査線等の配線19を被覆する。ゲート絶縁膜13は、
可視光に対して透過性を有するとともに絶縁性を有す
る。層間絶縁膜14は、全てのTFT5を被覆して、T
FT駆動基板6の表面6aを構成する。また、層間絶縁
膜14は信号線等の配線も被覆する。層間絶縁膜14
は、可視光に対して透光性を有するとともに絶縁性を有
する。
【0036】層間絶縁膜14上に複数の有機EL素子2
がマトリクス状に配列されている。各有機EL素子2
は、アノード電極(第一電極)15と、有機EL層16
と、カソード電極(第二電極)17とを具備しており、
層間絶縁膜14側から順にアノード電極15、有機EL
層16、カソード電極17が積層した積層構造となって
いる。ここでは、カソード電極17は、全ての有機EL
素子2に共通した電極となっており、一面に形成されて
いる。一方、アノード電極15及び有機EL層16は、
画素ごとに設けられており、平面視して複数マトリクス
状に配列されている。
【0037】アノード電極15は、導電性を有するとと
もに可視光に対して透光性を有している。更に、アノー
ド電極15は、比較的仕事関数が高く、有機EL層12
へ正孔を効率よく注入するものが好ましい。アノード電
極15としては、インジウム・スズ・酸化物(ITO:I
ndium-Tin-Oxide)が望ましいが、例えば、亜鉛ドープ
酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In
23)、酸化スズ(SnO 2)又は酸化亜鉛(ZnO)
を主成分としたものでも良い。なお、画素ごとに層間絶
縁膜14にコンタクトホール18が設けられており、コ
ンタクトホール18を介してTFT5のドレイン電極又
はカソード電極がアノード電極15に電気的に接続され
ている。
【0038】有機EL層16は、アノード電極15上に
形成されている。有機EL層16は、例えば、アノード
電極15から順に正孔輸送層、狭義の発光層、電子輸送
層となる三層構造であっても良いし、アノード電極15
から順に正孔輸送層、狭義の発光層となる二層構造であ
っても良いし、狭義の発光層からなる一層構造であって
も良いし、これらの層構造において適切な層間に電子或
いは正孔の注入層が介在した積層構造であっても良い
し、その他の層構造であっても良い。
【0039】有機EL層16は、正孔及び電子を注入す
る機能、正孔及び電子を輸送する機能、正孔と電子の再
結合により励起子を生成して赤色、緑色又は青色の何れ
かに発光する機能を有する広義の発光層である。つま
り、画素が赤である場合にはその画素の有機EL層16
は赤色に発光し、画素が緑である場合にはその画素の有
機EL層16は緑色に発光し、画素が青である場合には
その画素の有機EL層16は青色に発光する。
【0040】また、有機EL層16は、電子的に中立な
有機化合物であることが望ましく、これにより正孔と電
子が有機EL層16でバランス良く注入及び輸送され
る。また、電子輸送性の物質が狭義の発光層に適宜混合
されていても良いし、正孔輸送性の物質が狭義の発光層
に適宜混合されても良いし、電子輸送性の物質及び正孔
輸送性の物質が狭義の発光層に適宜混合されていても良
い。なお、有機EL層16に発光材料(蛍光材料)が含
有されているが、発光材料は高分子系材料である。この
有機EL層16は、後述する成膜装置50によって液滴
噴出方式(所謂インクジェット方式)で形成されたもの
である。
【0041】カソード電極17は、仕事関数の低い材料
で形成されており、具体的なものとして、マグネシウ
ム、カルシウム、リチウム若しくはバリウム又はこれら
の少なくとも一種を含む合金若しくは混合物等で形成さ
れ、その上を例えばアルミニウム、クロム等高仕事関数
で且つ低抵抗の材料で覆った積層構造になっている。ま
た、カソード電極17は可視光に対して遮光性を有する
のが望ましく、かつ、有機EL層16から発する可視光
に対して高い反射性を有するのが望ましい。つまり、カ
ソード電極17は可視光を反射する鏡面として作用す
る。
【0042】マトリクス状に配列された複数のアノード
電極15及び有機EL層16をそれぞれ仕切るように、
下地層9及び隔壁8が平面視して網目状に設けられてい
る。下地層9は、酸化シリコン(SiO2)により形成
されており、可視光に対して透過性を有するとともに絶
縁性を有する。
【0043】隔壁8は、下地層9上に形成されており、
平面視して下地層9の形状に合致している。従って、平
面視して、隔壁8が下地層9からはみ出ておらず、下地
層9が隔壁8からはみ出ていない。また、隔壁8は、ポ
リイミド樹脂等の感光性樹脂で形成されている。隔壁8
とTFT駆動基板6との間に下地層9が介在すること
で、TFT駆動基板6に対して隔壁8の密着性が高くな
っている。隔壁8及び下地層9の表層に撥液層10が形
成されているが、撥液層10はフッ素と炭素の化合物で
あり、有機EL層16の材料(有機EL材料)を数%の
濃度で溶媒に溶解したEL溶液をはじく性質を有する。
なお、カソード電極17は、全ての有機EL素子2に共
通の電極であるため、隔壁8の上面や隔壁8の側面上に
も形成されている。
【0044】封止樹脂層11は、以上のように構成され
た複数の有機EL素子2全体を被覆するように成膜され
ている。この封止樹脂層11は、例えば、エポキシ樹脂
等により形成されている。対向基板7は、この封止樹脂
層11によって有機EL素子2上に接着されており、ホ
ウケイ酸ガラス、石英ガラス、その他のガラスといった
材料で形成されている。
【0045】次に、液滴噴出方式で有機EL層16を成
膜する成膜装置50について説明する。図2には、成膜
装置50が示された概略側面図である。成膜装置50
は、有機溶媒(例えば、トルエン又はキシレン等)また
は水溶性の溶媒に有機EL層16の材料(発光性物質、
正孔輸送性物質、電子輸送性物質等の有機EL材料)が
溶解してなるEL溶液を液滴としてTFT駆動基板6に
噴出することで有機EL層16を成膜するものである。
ここで、有機EL層16を成膜する際には、下地層9、
隔壁8及びアノード電極15が表面6a上に形成されて
いるTFT駆動基板6を用いる。
【0046】成膜装置50は、平坦で且つ水平な上面を
有するワークテーブル51と、ワークテーブル51を副
走査方向Y(ワークテーブル51に平行である。)の順
方向及び逆方向の両方に移動する移動装置52と、副走
査方向Yに対して略直角な主走査方向X(ワークテーブ
ル51に平行である。)に延在するガイド部53と、ガ
イド部53に案内されてガイド部53に沿って主走査方
向Xの順方向及び逆方向に移動するヘッド部54と、E
L溶液を液滴として噴出する複数のノズル55R,55
G,55Bと、プラズマ照射を行う酸素プラズマ照射ヘ
ッド56及びフッ化物プラズマ照射ヘッド57と、内部
空間66aを形成した箱体66等とを具備する。
【0047】ワークテーブル51にはTFT駆動基板6
が載置される。移動装置52は、ヘッド部54の動作に
合わせてワークテーブル51とともにTFT駆動基板6
を副走査方向Yに搬送するものであり、具体的には、間
欠的にTFT駆動基板6を搬送するものである。
【0048】ヘッド部54は、間欠的なTFT駆動基板
6の搬送に合わせて、ワークテーブル51上においてガ
イド部53に沿って主走査方向Xに往復移動するもので
あり、具体的にはTFT駆動基板6が停止している際に
主走査方向Xに少なくとも一往復の移動をするものであ
る。
【0049】ヘッド部54に複数のノズル55R,55
G,55Bが設けられている。ノズル55R,55G,
55Bは、主走査方向Xに一列となって等間隔に並んで
いる。
【0050】各ノズル55R,55G,55Bの内部に
はそれぞれ互いに発光色の異なる有機EL材料を含むE
L溶液が充填されており、各ノズル55R,55G,5
5Bには噴出手段が設けられているとともに、ノズル5
5R,55G,55Bの下端部にはそれぞれ噴出口55
Ra,55Ga,55Baが設けられている。ノズル5
5R,55G,55Bはそれぞれの噴出手段の作動によ
りそれぞれの噴出口55Ra,55Ga,55Baから
EL溶液をTFT駆動基板6に向けて噴出する。噴出手
段は、サーマルジェット式、ピエゾ式又は静電式等が挙
げられる。
【0051】サーマルジェット式の噴出手段は、発熱体
でノズル55R,55G,55B内のEL溶液に気泡を
発生することでノズル55R,55G,55B内の圧力
を変化させることによって、EL溶液の液滴を噴出する
ものである。
【0052】ピエゾ式の噴出手段は、ノズル55R,5
5G,55B内の溶液に接したピエゾ素子の体積を変化
させることでノズル55R,55G,55B内の圧力を
変化させることによって、EL溶液の液滴を噴出するも
のである。
【0053】静電式の噴出手段は、ノズル55R,55
G,55B内の溶液に接したコンデンサに電圧を印加し
てコンデンサの電極の引力又は斥力を変化させることで
ノズル55R,55G,55B内の溶液の圧力を変化さ
せることによって、EL溶液の液滴を噴出するものであ
る。
【0054】なお、噴出口55Raからは、赤色に発光
する有機EL層16のEL溶液が噴出され、噴出口55
Gaからは緑発光のEL溶液が噴出され、噴出口55B
aからは青発光のEL溶液が噴出される。
【0055】更に、ヘッド部54には、酸素プラズマ照
射ヘッド56と、フッ化物プラズマ照射ヘッド57とが
設けられている。酸素プラズマ照射ヘッド56は、TF
T駆動基板6に向けて酸素のプラズマ照射を行うもので
ある。フッ化物プラズマ照射ヘッド57は、TFT駆動
基板6に向けてフッ化物のプラズマ照射を行うものであ
る。
【0056】酸素プラズマ照射においては、酸素ガス供
給源58からガス混合器60へ酸素ガスが供給され、不
活性ガス供給源59からガス混合器60へアルゴンガス
又はヘリウムガスが供給され、酸素ガスとアルゴンガス
の混合ガス、又は酸素ガスとヘリウムガスの混合ガスが
ガス混合器60から酸素プラズマ照射ヘッド56へ供給
されるようになっている。ここで、高周波電源61で酸
素プラズマ照射ヘッド56の電極に高周波電圧が印加さ
れると、酸素プラズマ照射ヘッド56からTFT駆動基
板6に向けて酸素プラズマ(電離した酸素ガス(例え
ば、酸素ラジカル、酸素イオン等))が照射されるよう
になっている。酸素プラズマ照射ヘッド56から照射さ
れたプラズマは、大気圧のプラズマであるが、大気圧よ
り気圧の低い減圧プラズマであっても良い。
【0057】フッ化物プラズマ照射においては、フッ化
物ガス供給源62からガス混合器64へF2ガス又はC
4ガス(以下、F2ガス、CF4ガスをまとめてフッ化
物ガスと称する。)が供給され、不活性ガス供給源63
からガス混合器64へアルゴンガス又はヘリウムガスが
供給され、フッ化物ガスとアルゴンガスの混合ガス、又
はフッ化物ガスとヘリウムガスの混合ガスがガス混合器
64からフッ化物プラズマ照射ヘッド57へ供給される
ようになっている。ここで、高周波電源65でフッ化物
プラズマ照射ヘッド57の電極に高周波電圧が印加され
ると、フッ化物プラズマ照射ヘッド57からTFT駆動
基板6に向けてフッ化物プラズマ(電離したフッ化物ガ
ス(例えば、フッ化物ラジカル、フッ化物イオン等))
が照射されるようになっている。フッ化物プラズマ照射
ヘッド57から照射されるプラズマは、大気圧のプラズ
マであるが、大気圧より気圧の低い減圧プラズマであっ
ても良い。なお、ガス混合器64へO2ガスが供給され
ても良い。
【0058】酸素プラズマ照射ヘッド56及びフッ化物
プラズマ照射ヘッド57は、ノズル55R,55G,5
5Bとともに主走査方向Xに一列となって並んでいる。
つまり、酸素プラズマ照射ヘッド56、フッ化物プラズ
マ照射ヘッド57及びノズル55R,55G,55Bは
一直線状に配列されており、酸素プラズマ照射ヘッド5
6、フッ化物プラズマ照射ヘッド57及びノズル55
R,55G,55Bを結ぶ直線は主走査方向Xに平行と
なっている。
【0059】また、酸素プラズマ照射ヘッド56は、主
走査方向Xの順方向の最前に配置されており、酸素プラ
ズマ照射ヘッド56の逆方向側にフッ化物プラズマ照射
ヘッド57が配置されており、フッ化物プラズマ照射ヘ
ッド57の逆方向側にノズル55R,55G,55Bが
配置されている。従って、ヘッド部54が主走査方向X
の順方向に移動している場合、TFT駆動基板6上のあ
る点の直上を、酸素プラズマ照射ヘッド56、フッ化物
プラズマ照射ヘッド57、ノズル55R,55G,55
Bの順に通過する。なお、ノズル55R,55G,55
Bの並び順は、どのような並び順であっても良い。
【0060】ワークテーブル51、ノズル55R,55
G,55B、酸素プラズマ照射ヘッド56及びフッ化物
プラズマ照射ヘッド57は、箱体66内に配設されてい
る。従って、TFT駆動基板6が副走査方向Yに移動さ
れること、ノズル55R,55G,55BからEL溶液
の液滴が噴出されること、EL溶液の液滴がTFT駆動
基板6に着弾すること、TFT駆動基板6に酸素プラズ
マ照射すること、及びTFT駆動基板にフッ化物プラズ
マ照射することが、箱体66の内部空間66aにおいて
行われる。
【0061】なお、移動装置52、ヘッド部54、ノズ
ル55R,55G,55B、酸素プラズマ照射ヘッド5
6、フッ化物プラズマ照射ヘッド57、高周波電源61
及び高周波電源65は制御装置(図示略)によって制御
されて所定タイミングで動作したり、停止したりする。
【0062】有機EL表示パネル1の製造方法について
説明する。まず、TFT駆動基板6を製造する。つま
り、PVD法或いはCVD法等による成膜工程、フォト
リソグラフィー法等によるマスク工程、エッチング法等
による薄膜形状加工工程を適宜行うことによって、画素
ごとに画素スイッチング回路(TFT5を含む)を透明
基板12の面12aにパターニング形成するとともに、
面12aに配線19をパターニング形成し、更に一面に
層間絶縁膜14を成膜する。
【0063】次に、層間絶縁膜14にコンタクトホール
を形成後、PVD法或いはCVD法等による成膜工程、
フォトリソグラフィー法等によるマスク工程、エッチン
グ法等による薄膜形状加工工程を適宜行うことによっ
て、層間絶縁膜14上に複数のアノード電極15をマト
リクス状にパターニング形成し、コンタクトホール18
を介してアノード電極15をTFT5に接続する(図
3)。なお、図3(b)はこの工程直後におけるTFT
駆動基板6の平面図を示し、図3(a)は図3(b)の
破断線A−Aにおける断面図を示す。
【0064】次に、PVD法或いはCVD法等による成
膜工程を行うことで、複数のアノード電極15の形成さ
れた層間絶縁膜14上の一面に酸化シリコン下地膜9’
を成膜する(図4)。ここで、酸化シリコン下地膜9’
で全てのアノード電極15を被覆するように、酸化シリ
コン下地膜9’を成膜する。なお、図4(b)はこの工
程直後におけるTFT駆動基板6の平面図を示し、図4
(a)は図4(b)の破断線B−Bにおける断面図を示
す。
【0065】次に、スピンコート法又はディップ法等に
よって、酸化シリコン下地膜9’上の一面に感光性樹脂
のレジスト膜8’を成膜する(図5)。酸化シリコン下
地膜9’はレジスト膜8’に対して密着性が高いから、
酸化シリコン下地膜9’を成膜せずにTFT駆動基板6
の透明基板12のガラス表面やアノード電極15の表面
に直接レジスト膜8’を成膜した場合よりもレジスト膜
8’が剥がれにくい。なお、図5(b)はこの工程直後
におけるTFT駆動基板6の平面図を示し、図5(a)
は図5(b)の破断線C−Cにおける断面図を示す。
【0066】次に、レジスト膜8’を形状加工するため
に、レジスト膜8’を選択的に露光する。ここで、レジ
スト膜8’がネガ型である場合には隔壁8となる部分を
露光し、レジスト膜8’がポジ型である場合には隔壁8
となる部分以外を露光する。次に、レジスト膜8’に現
像液を散布して、隔壁8となる部分以外のレジスト膜
8’を現像液で除去することで、レジスト膜8’を形状
加工する。レジスト膜8’の残留した部分が隔壁8とな
る(図6)。ここで、図6(b)に示すように、平面視
して、各アノード電極15の外縁部に隔壁8の一部が重
なるようにレジスト膜8’を形状加工する。レジスト膜
8’を形状加工することで隔壁8が形成されるが、隔壁
8で囲繞される囲繞領域は複数形成され、この時点では
平面視してそれぞれの囲繞領域に一つのアノード電極1
5が配される。なお、図6(b)はこの工程直後におけ
るTFT駆動基板6の平面図を示し、図6(a)は図6
(b)の破断線D−Dにおける断面図を示す。
【0067】次に、隔壁8をマスクとして酸化シリコン
下地膜9’をC48ガスによるドライエッチング(プラ
ズマエッチング)を行う。これにより、酸化シリコン下
地膜9’のうち隔壁8に平面視して重なっていない部分
が除去され、隔壁8に重なった部分が残留して下地層9
となる(図7)。隔壁8をマスクとしているため、図7
(b)に示すように、酸化シリコン下地膜9’の残留し
た部分(つまり、下地層9)の形状は平面視して隔壁8
に合致しており、下地層9が隔壁8からはみ出ているこ
ともなく、隔壁8が下地層9からはみ出ていることもな
い。隔壁8によって囲繞された囲繞領域で酸化シリコン
下地膜9’が除去されることで、囲繞領域にアノード電
極15が露出する。
【0068】また、ドライエッチングにおいてC48
プラズマ化すると、CFやCF2のラジカル種が発生す
るが、ラジカル種が酸化シリコンと反応するから酸化シ
リコン下地膜9’が除去される。一方、ラジカル種は感
光性樹脂(ポリイミド樹脂)と反応しないため、隔壁8
の表層ではラジカル種が重合することで、フッ素と炭素
の化合物が形成されて、隔壁8の表層に撥液層10が形
成される。従って、隔壁8をマスクとしたC48ガスの
ドライエッチングによって、酸化シリコン下地膜9’を
形状加工することと、隔壁8の表層に撥液層10を成膜
することを同時行うことができる上、更に、下地層9の
形状を隔壁8と合致することができる。なお、エッチン
グガスとしてC48の代わりに、CF4やこれらの少な
くともいずれかを含む混合ガスを用いても良く、酸化シ
リコン下地膜9’をエッチングできるとともに隔壁8の
表層にフッ素化合物の撥液層10を成膜できるフッ素化
合物ガスであれば何でも良い。なお、図7(b)はこの
工程直後におけるTFT駆動基板6の平面図を示し、図
7(a)は図7(b)の破断線E−Eにおける断面図を
示す。
【0069】次に、アノード電極15、隔壁8、下地層
9及び撥液層10の形成されたTFT駆動基板6を成膜
装置50にセッティングする。つまり、箱体66内のワ
ークテーブル51上にTFT駆動基板6を載置する。次
に、成膜装置50を用いて、アノード電極15を酸素プ
ラズマ照射することでアノード電極15をクリーニング
しつつ、且つ、隔壁8をフッ化物プラズマ照射すること
で隔壁8の表層に撥液層10を成膜しつつ、隔壁8に囲
繞された囲繞領域に有機溶媒の液滴を噴出することで隔
壁8に囲繞された囲繞領域に有機EL層16を成膜す
る。
【0070】詳細には成膜装置50は、制御装置に制御
されて以下のように動作する。つまり、成膜装置50
が、移動装置52でTFT駆動基板6を副走査方向Yに
間欠的に搬送する。ここで、TFT駆動基板6が停止し
ている際に、ヘッド部54が主走査方向Xに少なくとも
一往復する。
【0071】図8に示すように、ヘッド部54が主走査
方向Xの順方向に移動している最中では、まず、酸素プ
ラズマ照射ヘッド56がアノード電極15の直上を通過
するとともに、フッ化物プラズマ照射ヘッド57が隔壁
8の直上を通過する。酸素プラズマ照射ヘッド56がア
ノード電極15の直上を通過している最中には、酸素プ
ラズマ照射ヘッド56がアノード電極15に向けて酸素
プラズマを噴出し、これによりアノード電極15の表面
に付着した有機不要物が灰化(アッシング)されて、ア
ノード電極15がクリーニングされる。
【0072】一方、フッ化物プラズマ照射ヘッド57が
隔壁8の直上を通過している最中には、フッ化物プラズ
マ照射ヘッド57が隔壁8に向けてフッ化物プラズマを
噴出し、これにより隔壁8の表層でフッ化物プラズマの
ラジカル種が重合して、隔壁8の表層に撥液層10が成
膜される。先程のドライエッチングによって撥液層10
が十分に成膜されていない場合でも、フッ化物プラズマ
照射によって隔壁8の表層に撥液層10が確実に成膜さ
れる。
【0073】酸素プラズマ照射ヘッド56がアノード電
極15上の通過後、ノズル55R,55G,55Bがア
ノード電極15の直上を通過する。ノズル55R,55
G,55Bがアノード電極15上を通過している最中に
は、ノズル55R,55G,55Bのうちの色に応じた
一つのノズルがアノード電極15に向けてEL溶液を液
滴116として一回又は複数回噴出する。
【0074】アノード電極15に着弾した液滴116が
アノード電極15上で広がって膜になり、そして固化す
ることによって、有機EL層16が形成される。アノー
ド電極15がプラズマクリーニングされているので、ア
ノード電極15はEL溶液に対して濡れ性が高いととも
に撥液性が低いから、EL溶液はアノード電極15上で
広がりやすい。従って、隔壁8に囲繞された囲繞領域に
おいて、EL溶液がアノード電極15一面に広がり、有
機EL層16がアノード電極15の一面に均等な厚さで
成膜される。
【0075】また、隔壁8の頭頂部より高くなるような
大量のEL溶液が噴出された場合でも、隔壁8の表層に
撥液性の高い撥液層10が成膜されているため、EL溶
液が隔壁8上に滲むことがない。そのため、隣り合う二
つの画素のEL溶液同士が隔壁8上で混ざることがな
い。ここで、固体(撥液層10)の臨界表面張力をγc
とし、液体(EL溶液)の表面張力をγLとし、固体と
液体との接触角をθとすると、式(1)のような関係式
が成立する。 COSθ=1+b(γc−γL) …(1) (但し、b
は定数) 撥液層10の材料から望ましいEL溶液の表面張力を考
慮すると、撥液層10がポリ四フッ化エチレンからでき
ている場合、臨界界面張力γcは約18×10- 3とな
る。このため、表面張力γLが、γL<18×10-3[N
/m]であるEL溶液であれば、ポリ四フッ化エチレン
の撥液層10の撥液性が生じ効果が生じることになる。
EL溶液の表面張力から望ましい撥液層10の材料を考
慮すると、EL溶液中の有機溶剤で主に用いられるトル
エンやキシレンの表面張力は、γL≒28×10-3[N
/m]であり、EL溶液もほぼ同様の値なので撥液層1
0の臨界界面張力γcが表面張力より小さくなれば、良
好な撥液性を示すから、撥液層10の臨界界面張力γc
≦28×10-3[N/m]が望ましい。
【0076】以上のようにヘッド部54が主走査方向X
に少なくと一往復した後、成膜装置50は、移動装置5
2でTFT駆動基板6を副走査方向Yに所定距離搬送す
る。そして、TFT駆動基板6が再び停止したら、成膜
装置50はヘッド部54の往復移動、EL溶液の噴出、
及びプラズマ照射を再び行う。以降、成膜装置50が上
述の動作を繰り返すことにより、隔壁8に囲繞された囲
繞領域全てに有機EL層16が成膜される。
【0077】なお、酸素プラズマ照射ヘッド56による
プラズマ照射、フッ化物プラズマ照射ヘッド57による
プラズマ照射及びノズル55R,55G,55Bによる
液滴噴出が行われている最中には、ヘッド部54が停止
しても良いし、ヘッド部54が移動していても良い。ま
た、隔壁8の寸法や間隔、隔壁8に囲繞された囲繞領域
の寸法や間隔が予め制御装置に記憶されており、記憶さ
れたデータに基づいて制御装置は、ヘッド部54の移動
速度、移動開始タイミング並びに停止タイミング、移動
装置52の移動速度、移動開始タイミング並びに停止タ
イミング、ノズル55R,55G,55Bの噴出タイミ
ング、酸素プラズマ照射ヘッド56の照射タイミング、
及びフッ化物プラズマ照射ヘッド57の照射タイミング
を演算し、移動装置52、ヘッド部54、ノズル55
R,55G,55B、酸素プラズマ照射ヘッド56及び
フッ化物プラズマ照射ヘッド57を制御する。
【0078】成膜装置50による有機EL層16の成膜
が終了したら、PVD法又はCVD法等による成膜工程
を行うことで、一面にカソード電極17を成膜する。次
に、流動性のある封止樹脂をディスペンサ装置又はスプ
レー装置等によって一面に塗布し、封止樹脂でカソード
電極17に対向基板7を接着する。封止樹脂が固化する
ことで、それが封止樹脂層11となり、有機EL表示パ
ネル1が完成する。
【0079】以上の実施の形態では、隔壁8をマスクと
してドライエッチングすることによって下地層9を形状
加工しているため、隔壁8に下地層9を合致することが
できる。故に、平面視して、下地層9の面積を最小限に
することができ、発光部3を最大限に広げることができ
る。従って、この有機EL表示パネル1では、画素の発
光効率が高く、高コントラストの表示を行うことができ
る。
【0080】また、平面視して隔壁8が下地層9に合致
しているため、隔壁8がアノード電極15上にはみ出て
いない。従って、隔壁8が剥がれにくい。
【0081】また、隔壁8をマスクに代用しているた
め、従来のように下地層309に形状加工した後に隔壁
308を下地層309上に成膜する場合と比較しても、
本実施形態では工程が省略されて、有機EL発光パネル
の製造方法が簡便化される。
【0082】また、以上の説明では、撥液層10を確実
に成膜するために成膜装置50でフッ化物プラズマ照射
を行っていたが、ドライエッチングによって撥液層10
を成膜することを同時行うことができるから、フッ化物
プラズマ照射を省略することができる。
【0083】また、成膜装置50には酸素プラズマ照射
機能が付加されているから、プラズマクリーニング用の
装置から有機EL層成膜用の装置へとTFT駆動基板6
を移し替えることなく、アノード電極15のクリーニン
グと有機EL層16の成膜を行える。つまり、ノズル5
5R,55G,55Bと酸素プラズマ照射ヘッド56と
がヘッド部54に設けられているから、アノード電極1
5をプラズマクリーニングした直後にEL溶液の液滴を
アノード電極15に噴出することができる。従い、アノ
ード電極15の濡れ性を安定して高い状態に維持した状
態で、EL溶液の液滴をアノード電極15に着弾するこ
とができ、有機EL層16を均等な厚さで成膜すること
ができる。そのうえ、所謂白抜けの発生を抑えることが
できる。ここで白抜けとは、隔壁8に囲繞された囲繞領
域においてアノード電極15上において有機EL層16
の成膜されていない部分であり、隔壁8に囲繞された囲
繞領域において発光しない部分である。
【0084】また、成膜装置50にフッ化物プラズマ照
射機能が付加されているから、フッ化物プラズマ照射用
の装置から有機EL層成膜用の装置へとTFT駆動基板
6を移し替えることなく、撥液層10の成膜と有機EL
層16の成膜を行える。従って、撥液層10が汚染され
ることなく、隔壁8の表層の撥液性を安定して高い状態
に維持した状態で、EL溶液の液滴をアノード電極15
に着弾することができる。故に、隣り合う二つの画素の
EL溶液同士が隔壁8上で混ざることがない。
【0085】また、成膜装置50では、酸素プラズマ照
射ヘッド56がヘッド部54に設けられ、酸素プラズマ
照射ヘッド56から酸素プラズマを照射する構成となっ
ているから、部分的に酸素プラズマをアノード電極15
に照射することができ、酸素プラズマを隔壁8に照射し
なくても済む。従って、酸素プラズマによって隔壁8が
アッシングされることがない。同様に、フッ化物プラズ
マ照射ヘッド57がヘッド部54に設けられ、フッ化物
プラズマ照射ヘッド57からフッ化物プラズマを照射す
る構成となっているから、部分的に酸素プラズマを隔壁
8に照射することができ、酸素プラズマをアノード電極
15に照射しなくても済む。従って、アノード電極15
の表層にフッ素と炭素を含む化合物が形成されなく、ア
ノード電極15の濡れ性を高く維持できる。
【0086】また、この成膜装置50を用いれば、アノ
ード電極15のクリーニングと、隔壁8に撥液性の付与
と、有機EL層16の成膜とをほぼ同時に行えるから、
有機EL発光パネル1の製造方法が簡便化される。
【0087】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲におい
て、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。例え
ば、上記実施形態ではカソード電極17が共通電極であ
りアノード電極15が画素ごとにパターニングされた電
極であるが、逆にカソード電極が画素ごとにパターニン
グされた電極でアノード電極が共通電極であっても良
い。この際、にも下地層9及び隔壁8がアノード電極上
に網目状に形成されるが、隔壁8及び下地層9が網目状
に形成された時点では隔壁8に囲繞された囲繞領域にお
いてアノード電極が露出する。
【0088】また、上記実施形態ではTFT駆動基板6
に複数のアノード電極15をパターニングし、その後下
地膜9’を成膜したが、透明なガラス基板に複数のアノ
ード電極15をパターニングし、その後下地膜9’を成
膜しても良い。
【0089】また、上記実施形態では、下地層9及び下
地膜9’が酸化シリコンであったが、下地層9’及び下
地膜9’が窒化シリコンであっても良い。
【0090】また、上記実施形態ではヘッド部54に設
けられる各色のノズル55R,55G,55Bはそれぞ
れ一つずつであったが、各色のノズル55R,55G,
55Bが複数であっても良い。
【0091】また、上記実施形態ではヘッド部54が主
走査方向Xの順方向に移動している際に、ノズル55
R,55G,55Bから液滴が噴出されているが、ヘッ
ド部54が逆方向に移動している際にもノズル55R,
55G,55Bから液滴が噴出されても良い。この場
合、ノズル55Bの逆方向側においてフッ化物プラズマ
照射ヘッド及び酸素プラズマ照射ヘッドをヘッド部54
に設けるのが望ましい。
【0092】また、上記実施形態ではヘッド部54が主
走査方向Xに移動可能であったが、主走査方向X及び副
走査方向Yに移動可能、つまりワークテーブル51に対
して平行な面に沿って移動可能であっても良い。この場
合、ワークテーブル51が固定されていても良い。同様
に、ワークテーブル51が移動装置52によって主走査
方向X及び副走査方向Yに移動可能であっても良い。こ
の場合、ヘッド部54が固定されていても良い。つま
り、ワークテーブル51に載置されたTFT駆動基板6
に対してヘッド部54が相対的に移動可能であれば良
い。
【0093】また、図9に示すように、ヘッド部54に
フッ化物プラズマ照射ヘッドが設けられてない成膜装置
150で有機EL層16を成膜しても良く、図10に示
すように、ヘッド部54に酸素プラズマヘッドが設けら
れていない成膜装置250で有機EL層16を成膜して
も良い。なお、成膜装置150及び成膜装置250につ
いては、成膜装置50と同様の構成要素に同様の符号を
付してその説明を省略する。
【0094】
【発明の効果】以上のように請求項1から5の何れかに
記載の発明によれば、残留した酸化シリコン膜の形状は
残留したレジスト膜の形状に合致するから、残留した酸
化シリコン及び残留したレジスト膜に囲繞された囲繞領
域において、第一電極、EL層及び第二電極からなるE
L素子の発光範囲を最大限に広げることができる。従っ
て、高品質のELパネルを提供することができる。ま
た、残留したレジスト膜をマスクとして酸化シリコン膜
を形状加工しているため、残留したレジスト膜が、第一
電極、EL層及び第二電極からなるEL素子を囲繞する
隔壁となる。従って、工程が省略されて、ELパネルの
製造方法が簡便化される。
【0095】また、請求項4記載の発明によれば、残留
したレジスト膜の表層にフッ素を含む化合物の層が形成
されるから、残留したレジスト膜にフッ化物プラズマ照
射をしなくても良い。従って、従来の製造方法に比較し
てもELパネルの製造方法が簡便化される。
【0096】また、請求項6記載の発明によれば、電極
がクリーニングされてからすぐに電極に液滴を噴出する
ことができる。そのため、電極の濡れ性を安定して高い
状態に維持した状態で液滴が電極に着弾するから、液滴
が電極上で広がりやすく、液滴が固化してなるEL層の
膜厚が均等になる上、電極上においてEL層の成膜され
ていない部分が無い。従って、高品質なELパネルを提
供することができる。
【0097】また、基板を酸素プラズマクリーニング用
の装置からEL層成膜用の装置に移し替えることなく、
電極のクリーニングとEL層の成膜を同じ装置で行え
る。故に、ELパネルの製造方法が簡便化される。
【0098】また、請求項7記載の発明によれば、フッ
化物層が形成されてからすぐに電極に液滴を噴出するこ
とができるため、隔壁の表層の撥液性を安定して高い状
態に維持した状態で液滴が電極に着弾する。従って、E
L溶液が隔壁上に広がることもなく、隣り同士の画素の
EL溶液が混じることもなく、高品質のELパネルを提
供することができる。
【0099】また、基板をフッ化物プラズマ照射用の装
置からEL層成膜用の装置に移し替えることなく、フッ
化物プラズマ照射とEL層の成膜を同じ装置で行える。
従って、ELパネルの製造方法が簡便化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、有機EL表示パネルの部分的な断面図
である。
【図2】図2は、有機EL層を成膜する成膜装置を示す
側面図である。
【図3】図3は、図1の有機EL表示パネルの製造方法
の一工程を示した図面である。
【図4】図4は、図1の有機EL表示パネルの製造方法
の一工程を示した図面である。
【図5】図5は、図1の有機EL表示パネルの製造方法
の一工程を示した図面である。
【図6】図6は、図1の有機EL表示パネルの製造方法
の一工程を示した図面である。
【図7】図7は、図1の有機EL表示パネルの製造方法
の一工程を示した図面である。
【図8】図8は、図1の有機EL表示パネルの製造方法
の一工程を示した図面である。
【図9】図9は、図2の成膜装置とは別の成膜装置を示
した側面図である。
【図10】図10は、図2又は図9の成膜装置とは別の
成膜装置を示した側面図である。
【図11】図11は、従来の有機EL表示パネルを示し
た平面図及び断面図である。
【符号の説明】
1 有機EL表示パネル(有機ELパネル) 2 有機EL素子 5 薄膜トランジスタ 6 TFT駆動基板(基板) 6a 表面 7 対向基板 8 隔壁(残留したレジスト膜) 8’ レジスト膜 9 下地層 9’ 酸化シリコン下地膜(下地膜) 10 撥液層 12 透明基板 15 アノード電極(第一電極、電極) 16 有機EL層 17 カソード電極 50、150、250 成膜装置 54 ヘッド部(移動体) 55R,55G,55B ノズル(液滴噴出部) 56 酸素プラズマ照射ヘッド(酸素プラズマ照射
部) 57 フッ化物プラズマ照射ヘッド(フッ化物プラ
ズマ照射部)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の一方の面に形成された第一電極ごと
    被覆するように前記基板の一方の面上に下地膜を成膜す
    る下地膜形成工程と、 前記下地膜上の一面にレジスト膜を形成するレジスト膜
    形成工程と、 前記レジスト膜を部分的に除去することによって残留し
    たレジスト膜で囲繞された囲繞領域内に前記第一電極を
    配するように、前記レジスト膜を形状加工する形状加工
    工程と、 前記残留したレジスト膜をマスクとして前記下地膜をエ
    ッチングするエッチング工程と、 を含むELパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記形状加工工程において、前記第一電極
    の外縁部分に前記残留したレジスト膜が重なるように前
    記レジスト膜を形状加工することを特徴とする請求項1
    記載のELパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】前記基板の一方の面に形成された前記第一
    電極は複数であり、 前記下地膜形成工程において複数の前記第一電極ごと前
    記下地膜で被覆し、 前記形状加工工程において前記囲繞領域を複数形成する
    ように、且つ一つの囲繞領域に少なくとも一つの前記第
    一電極が配されるように前記レジスト膜を形状加工する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のELパネルの製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記エッチング工程において、C48又は
    CF4を含むガスで前記下地膜をエッチングすることを
    特徴とする請求項1から3の何れかに記載のELパネル
    の製造方法。
  5. 【請求項5】EL材料を溶解したEL溶液を液滴として
    前記囲繞領域に向けて噴出することによって、前記囲繞
    領域にEL層を形成するEL層形成工程を更に含むこと
    を特徴とする請求項1から4の何れかに記載のELパネ
    ルの製造方法。
  6. 【請求項6】基板の一方の面に形成された隔壁によって
    囲繞され且つ前記基板の一方の面に形成された電極にE
    L層を成膜する成膜装置において、 前記基板の一方の面の上方において前記基板に対して相
    対的に移動する移動体と、 前記移動体に設けられ、前記電極に向けて酸素プラズマ
    を照射する酸素プラズマ照射部と、 前記移動体に設けられ、EL材料を溶解したEL溶液を
    液滴として前記電極に向けて噴出する液滴噴出部と、 を備えることを特徴とする成膜装置。
  7. 【請求項7】基板の一方の面に形成された隔壁によって
    囲繞され且つ前記基板の一方の面に形成された電極にE
    L層を成膜する成膜装置において、 前記基板の一方の面の上方において前記基板に対して相
    対的に移動する移動体と、 前記移動体に設けられ、フッ素を含む化合物ガスのプラ
    ズマを前記隔壁に向けて照射するフッ化物プラズマ照射
    部と、 前記移動体に設けられ、EL材料を溶解したEL溶液を
    液滴として前記電極に向けて噴出する液滴噴出部と、 を備えることを特徴とする成膜装置。
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