JP4010854B2 - 機能性素子基板、その製造装置、および画像表示装置 - Google Patents

機能性素子基板、その製造装置、および画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出装置を用いた機能性材料の膜形成特に膜パターン形成製造装置およびそれによって形成された機能性素子基板ならびにその機能性素子基板を用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイに替わる自発光型ディスプレイとして有機物を用いた発光素子の開発が加速している。
このような素子形成は、機能材料のパターン化により行われ、一般的には、フォトリソグラフィー法により行われている。たとえば、有機物を用いた有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELと記す)素子としては、Appl.Phys.Lett.51(12)、21September1987の913ページから示されているように低分子を蒸着法で成膜する方法が報告されている。また有機EL素子において、カラー化の手段としては、マスク越しに異なる発光材料を所望の画素上に蒸着し形成する方法が行われている。しかしながら、このような真空成膜による方法、フォトリソグラフィー法による方法は、大面積にわたって素子を形成するには、工程数も多く、生産コストが高いといった欠点がある。
【0003】
このような課題に対して、本発明者は、有機EL素子に代表されるような機能性素子形成のための、機能性材料膜の形成およびパターン化にあたり、米国特許第3060429号、米国特許第3298030号、米国特許第3596275号、米国特許第3416153号、米国特許第3747120号、米国特許第5729257号等として知られるようなインクジェット液滴付与手段によって、真空成膜法とフォトリソグラフィー・エッチング法等によらずに、安定的に歩留まり良くかつ低コストで機能性材料を所望の位置に付与することができるのではないかと考えた。
【0004】
例えば、機能性素子の一例として有機EL素子を考えた場合、有機EL素子を構成する正孔注入/輸送材料ならびに発光材料を溶媒に溶解または分散させた組成物を、インクジェットヘッドから吐出させて透明電極基板上にパターニング塗布し、正孔注入/輸送層ならびに発光材層をパターン形成すれば実現できると考えたのである。
【0005】
しかしながら、インクジェット技術は、通常、パーソナルユースであり、使用するインク(液体)の量も少量である。これに対して前述のような機能性素子形成の場合は、工業的ユースであり、扱う溶液(液体)の量はパーソナルユースとは比較にならない量であるとともに、噴射ヘッドの目詰まり等に要求される厳しさはパーソナルユースとは比較にならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(発明の目的)本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、機能性素子群および機能性素子基板を形成するための新規な製造装置を提案するとともに、このような製造装置が低コストかつ短時間で、噴射ヘッドの目詰まりがなく安定し稼動ができるようにすることにある。
【0007】
第2の目的は、機能性素子群および機能性素子基板を形成するための製造装置が噴射ヘッドの目詰まりがなく安定した稼動ができるようにするとともに、よりコンパクトな装置構成を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、第1に、所定の駆動信号を入力することにより機能を発する機能性素子群が、基板上に機能性材料を含有する溶液の液滴を噴射付与し、該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基板上に残留させることによって形成される機能性素子基板の製造装置において、前記基板に相対する位置に配され、該基板に対して機能性材料を含有した溶液を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドに液滴付与情報を入力する情報入力手段と、前記噴射ヘッドに圧接し、ノズルを密封する弾性キャップと、該弾性キャップに連通する孔から吸引を行う吸引ポンプとよりなる信頼性維持装置とを有し、前記基板における前記機能性素子群の形成面と前記噴射ヘッドの溶液噴射口面とが一定の距離を保持し、前記基板と前記噴射ヘッドとが前記機能性素子群の形成面に対して平行に相対移動を行うように構成され、前記噴射ヘッドは、前記情報入力手段により入力された前記液滴付与情報に基づいて前記基板の所望の位置に前記溶液を噴射することにより前記機能性素子群を形成する製造装置であって、前記噴射ヘッドに供給される前記溶液は前記噴射ヘッドとは独立に設けられた容器に貯留され、該容器と前記噴射ヘッドとは可撓性の供給路を介して連結されるとともに、前記容器より下流側に少なくとも2種類のフィルタを設け、最下流に設けたフィルタは噴射ヘッドに組み込み、着脱不可に固定し、それより上流側に設けたフィルタを着脱可能とするとともに、前記最下流に設けたフィルタは、それより上流側に設けたフィルタより、フィルタ容量が小であるとともにフィルタメッシュサイズを大とし、前記信頼性維持装置によって、前記最下流に設けたフィルタより下流の領域の内容積分以上の溶液を吸引することを特徴とするものである。
【0012】
第2に、請求項1に記載の機能性素子基板の製造装置において、前記噴射ヘッドは前記溶液噴射方向に対して配置の向きを可変とし、溶液噴射時の向きと異なる向きに配置して、前記噴射ヘッドに前記信頼性維持装置を装着するようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、機能性素子の一例として有機EL素子を考えた場合の一例を示す図である。ここでは、モザイク状に区切られたITO(インジウムチンオキサイド)透明電極パターン4、および透明電極部分を囲む障壁3付きガラス基板5の当該電極上に、赤、緑、青に発色する有機EL材料2を溶解した溶液を各色モザイク状に配列するように、ノズル1から噴射して付与する例を示している。溶液の組成は、たとえば、以下のとおりである。
【0017】
溶液組成物
溶媒…ドデシルベンゼン/ジクロロベンゼン(1/1,体積比)
赤 …ポリフルオレン/ペリレン染料(98/2,重量比)
緑 …ポリフルオレン/クマリン染料(98.5/1.5,重量比)
青 …ポリフルオレン
【0018】
固形物の溶媒に対する割合は、例えば、0.4%(重量/体積)とされる。ここで、このような溶液を付与された基板は、例えば、100℃で加熱し、溶媒を除去してからこの基板上に適当な金属マスクをしアルミニウムを2000オングストローム蒸着し(不図示)、ITOとアルミニウムよりリード線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として素子が完成する。印加電圧は15ボルト程度で所定の形状で赤、緑、青色に発光する素子が得られる。
【0019】
なお、先に基板上に電極を形成しておいて、後からこのような溶液の液滴を噴射付与し、溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基板上に残留させることによって素子形成を行ってもよい。そして、このような素子を構成した基板は、ガラスあるいはプラスチック等の透明カバープレートを対向配置、ケーシング(パッケージング)することにより、自発光型の有機ELディスプレイ等の画像表示装置とすることができる。
【0020】
なお、ここでは機能性素子の一例として有機EL素子を考えた場合であるが、本発明は、必ずしもこのような素子、材料に限定されるものではない。例えば、電子放出素子を考えた場合、パラジウム系の化合物を含有する溶液が使用される。この場合は最終形態としては、この電子放出素子基板に蛍光体を具備したフェースプレートを対向配置してパッケージングされた電子放出型ディスプレイとなる。
【0021】
また、機能性素子として有機トランジスタなども好適に製作できる。また、上記例の障壁3を形成するためのレジスト材料なども本発明に使用する溶液として利用される。ここで、このような機能性材料を含有した溶液を付与する手段として、本発明では、インクジェットの技術が適用される。以下にその具体的方法を説明する。
【0022】
図2は、本発明の機能性素子基板の製造装置の一実施例を説明するための図で、図中、11は吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)、12はキャリッジ、13は基板保持台、14は機能性素子を形成する基板、15機能性材料を含有する溶液の供給チューブ、16は信号供給ケーブル、17は噴射ヘッドコントロールボックス、18はキャリッジ12のX方向スキャンモータ、19はキャリッジ12のY方向スキャンモータ、20はコンピュータ、21はコントロールボックス、22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)は基板位置決め/保持手段である。吐出ヘッドユニット11の液滴付与装置としては、任意の液滴を定量吐出できるものであればいかなる機構でも良く、特に数〜数100pl程度の液滴を形成できるインクジェット方式の機構が望ましい。
【0023】
インクジェット方式としては、たとえば米国特許第3683212号明細書に開示されている方式(Zoltan方式)、米国特許第3747120号明細書に開示されている方式(Stemme方式)、米国特許第3946398号明細書に開示されている方式(Kyser方式)のようにピエゾ振動素子に、電気的信号を印加し、この電気的信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動に従って微細なノズルから液滴を吐出飛翔させるものがあり、通常、総称してドロップオンデマンド方式と呼ばれている。
【0024】
他の方式として、米国特許第3596275号明細書、米国特許第3298030号明細書等に開示されている方式(Sweet方式)がある。これは連続振動発生法によって帯電量の制御された記録液体の小滴を発生させ、この発生された帯電量の制御された小滴を、一様の電界が掛けられている偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上に記録を行うものであり、通常、連続流方式、あるいは荷電制御方式と呼ばれている。
【0025】
さらに他の方式として、特公昭56−9429号公報に開示されている方式がある。これは液体中で気泡を発生せしめ、その気泡の作用力により微細なノズルから液滴を吐出飛翔させるものであり、サーマルインクジェット方式、あるいはバブルインクジェット方式と呼ばれている。
このように液滴を噴射する方式は、ドロップオンデマンド方式、連続流方式、サーマルインクジェット方式等あるが、必要に応じて適宜その方式を選べばよい。
【0026】
本発明では、図2に示すような機能性素子基板の製造装置において、基板14は、この装置の基板位置決め/保持手段22によってその保持位置を調整して決められる。図2では簡略化しているが、基板位置決め/保持手段22は基板14の各辺に当接されるとともに、X方向およびそれに直交するY方向にμmオーダーで微調整できるようになっているとともに、噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等と接続され、その位置決め情報および微調整変位情報等と、液滴付与の位置情報、タイミング等は、たえずフィードバックできるようになっている。
【0027】
さらに、本発明の機能性素子基板の製造装置では、X、Y方向の位置調整機構の他に図示しない(基板14の下に位置するために見えない)、回転位置調整機構を有している。これに関連して先に本発明の機能性素子基板の形状および形成される機能性素子群の配列に関して説明する。
【0028】
本発明の機能性素子基板は、石英ガラス、Na等の不純物含有量を低減させたガラス、青板ガラス、SiO2を表面に堆積させたガラス基板およびアルミナ等のセラミックス基板等が用いられる。また、軽量化あるいは可撓性を目的として、PETを始めとする各種プラスチック基板も好適に用いられる。いずれにしろ、その形状はこのような基板を経済的に生産、供給する、あるいは最終的に製作される機能性素子基板の用途から、Siウエハなどとは違って、矩形(直角4辺形)である。つまり、その矩形形状を構成する縦2辺、横2辺はそれぞれ、縦2辺が互いに平行、横2辺が互いに平行であり、かつ縦横の辺は直角をなすような基板である。
【0029】
上述のような基板に対して、本発明では、形成される機能性素子群をマトリックス状に配列し、このマトリックスの互いに直交する2方向が、この基板の縦方向の辺あるいは横方向の辺の方向と平行であるように機能性素子群を配列する。このように機能性素子群をマトリックス状に配列する理由および、基板の縦横の辺をそのマトリックスの直交する2方向と平行になるようにする理由を以下に述べる。
【0030】
図2に示したように、本発明では、最初に、基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面の位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、吐出ヘッドユニット11は基板14に対して一定の距離を保ちながら機能性素子群の形成面に対して平行にX、Y方向の相対移動を行いつつ、上記溶液(たとえば有機EL材料、あるいは導電性材料を溶解した溶液、レジスト材料など)の噴射を行う。つまりこのX方向及びY方向は互いに直交する2方向であり、基板の位置決めを行う際に、基板の縦辺あるいは横辺をそのY方向あるいはX方向と平行になるようにしておけば、形成される機能性素子群もそのマトリックス状配列の2方向がそれぞれ平行であるため、相対移動を行いつつ噴射する機構のみで高精度の素子群形成を行うことができる。言い換えるならば、本発明のような基板形状、機能性素子群のマトリックス状配列、直交するX、Yの2方向の相対移動装置にすれば、素子形成の液滴噴射を行う前の基板の位置決めを正確に行えば、高精度な機能性素子群のマトリックス状配列が得られるということである。
【0031】
ここで、先ほどの回転位置調整機構に戻って説明する。前述のように、本発明では、素子形成の液滴噴射を行う前の基板の位置決めを正確に行い、XおよびY方向の相対移動のみを行い、他の制御を行わず、高精度な機能性素子群のマトリックス状配列を得ようというものである。その際、問題となるのは、最初に基板の位置決めを行う際の回転方向(X、Yの2方向で決定される平面に対して垂直方向の軸に対する回転方向)のズレである。この回転方向のズレを補正するために、本発明では、前述のように、図示しない(基板14の下に位置して見えない)、回転位置調整機構を有している。これにより回転方向のズレも補正し、基板の辺を位置決めすると、本発明の装置では、XおよびY方向のみの相対移動で、高精度な機能性素子群のマトリックス状配列が得られる。
【0032】
以上は、回転位置調整機構を、図2の基板位置決め/保持手段で22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)とは別物の機構として説明した(基板14の下に位置して見えない)が、基板位置決め/保持手段22に回転位置調整機構を持たせることも可能である。例えば、基板位置決め/保持手段22は、基板14の辺に当接され、基板位置決め/保持手段22全体が、X方向あるいはY方向に位置を調整できるようになっているが、基板位置決め/保持手段22の基板14の辺に当接される部分において、距離をおいて設けられた2本のネジが独立に動くようにしておけば、角度調整が可能である。なお、この回転位置制御情報も上記のX、Y方向の位置決め情報および微調整変位情報等と同様に噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等と接続され、液滴付与の位置情報、タイミング等が、たえずフィードバックできるようになっている。
【0033】
次に、本発明の位置決めの他の手段、構成について説明する。上記の説明は基板位置決め/保持手段22は、基板14の辺に当接され、基板位置決め/保持手段22全体が、X方向あるいはY方向に位置を調整できるようにしたものであるが、ここでは、基板14の辺ではなく、基板上に互いに直交する2方向に帯状パターンを設けるようにした例について説明する。前述のように、本発明では基板上に機能性素子群をマトリックス状に配列して形成されるが、ここでは、前述のように互いに直交する2方向の帯状パターンをこのマトリックスの互いに直交する2方向と平行になるように形成しておく。このようなパターンは、基板上にフォトファブリケーション技術によって容易に形成できる。あるいは、上述のようなパターンをその目的のためだけに作成するのではなく、基板上の素子電極や、各素子のX方向配線やY方向配線等の配線パターンを本発明の互いに直交する2方向の帯状パターンとみなしてもよい。このような帯状パターンを設けておけば、CCDカメラとレンズとを用いた検出光学系によってパターン検出ができ、位置調整にフィードバックできる。
【0034】
次に、上記X、Y方向に対して垂直方向であるZ方向であるが、本発明では、最初に基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面の位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、吐出ヘッドユニット11は基板14に対して一定の距離を保ちながらX、Y方向の相対移動を行いつつ、機能性材料を含有する溶液の噴射を行うが、その噴射時には、吐出ヘッドユニット11のZ方向の位置制御は特に行わない。その理由は、噴射時にその制御を行うと、機構、制御システム等が複雑になるだけではなく、基板14への液滴付与による機能性素子の形成が遅くなり、生産性が著しく低下するからである。
【0035】
かわりに、本発明では基板14の平面度やその基板14を保持する部分の装置の平面度、さらに吐出ヘッドユニット11をX、Y方向に相対移動を行わせるキャリッジ機構等の精度を高めるようにすることで、噴射時のZ方向制御を行わず、吐出ヘッドユニット11と基板14のX、Y方向の相対移動を高速で行い、生産性を高めている。一例をあげると、本発明の溶液付与時(噴射時)における基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面の距離の変動は5mm以下におさえられている(基板14のサイズが200mm×200mm以上、4000mm×4000mm以下の場合で)。
【0036】
なお、通常X、Y方向の2方向で決まる平面は水平(鉛直方向に対して垂直な面)に維持されるように装置構成されるが、基板14が小さい場合(例えば500mm×500mm以下の場合)には必ずしもX、Y方向の2方向で決まる平面を水平にする必要はなく、その装置にとってもっとも効率的な基板14の配置の位置関係になるようにすればよい。
【0037】
吐出ヘッドユニット11と機能性素子基板14との相対移動として、図2では、機能性素子基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット11がXY方向に走査するような構成としている。特に、200mm×200mm程度の中型基板〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上の大型基板の製作に適用する場合には、後者のように機能性素子基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
【0038】
また、逆に、例えば、軽いプラスチック基板を使用し、そのサイズも200mm×200mm〜400mm×400mm程度の中型基板の場合においては、インクジェットプリンタの紙搬送を行うようにすることも考えられる。つまり、キャリッジ12に搭載された吐出ヘッドユニット11が、X方向のみ(もしくはY方向のみ)に走査され、基板がY方向(もしくはX方向)に搬送される。その場合は生産性が著しく向上する。
【0039】
基板サイズが200mm×200mm程度以下の場合には、液滴付与のための吐出ヘッドユニットを200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプとし、吐出ヘッドユニットと基板の相対移動を直交する2方向(X方向、Y方向)に行うことなく、1方向のみ(例えばX方向のみ)に相対移動させて行うことも可能であり、また量産性も高くすることができるが、基板サイズが200mm×200mm以上の場合には、そのような200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプの吐出ヘッドユニットを製作することは技術的/コスト的に実現困難であり、本発明のように、吐出ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
【0040】
特に、最終的な基板としては、200mm×200mmより小さいものを製作する場合であっても、大きな基板から複数個取り出して製作するような場合には、その元の基板は、400mm×400mm〜2000mm×2000mmあるいはそれ以上のものを使用することになるので、吐出ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこのような直交する2方向に順次行うようにする構成としたほうがよい。
【0041】
液滴の材料には、先に述べた有機EL材料の他に、例えば、ポリフェニレンビニレン系(ポリパラフェニリレンビニレン系誘導体)、ポリフェニレン系誘導体、その他、ベンゼン誘導体に可溶な低分子系有機EL材料、高分子系有機EL材料、ポリビニルカルバゾール等の材料を用いることができる。有機EL材料の具体例としては、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。また、有機EL表示における周辺材料である電子輸送性、ホール輸送性材料も本発明の機能性素子を製作する機能材料として使用される。
【0042】
本発明の他の機能性素子を製作する機能材料としては、この他に、半導体等に多用される層間絶縁膜のシリコンガラスの前駆物質であるか、シリカガラス形成材料を挙げることができる。かかる前駆物質として、ポリシラザン(例えば東燃製)、有機SOG材料等が挙げられる。また有機金属化合物を用いても良い。
更に、他の例として、カラーフィルタ用材料が挙げられる。具体的には、スミカレッドB(商品名、住友化学製染料)、カヤロンフアストイエローGL(商品名、日本化薬製染料)、ダイアセリンフアストブリリアンブルーB(商品名、三菱化成製染料)等の昇華染料等を用いることができる。
【0043】
本発明の溶液組成物において、ベンゼン誘導体の沸点が150℃以上であることが好ましい。このような溶媒の具体例としては、O−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、O−クロロトルエン、p−クロロトルエン、1−クロロナフタレン、ブロモベンゼン、O−ジブロモベンゼン、1−ジブロモナフタレン等が挙げられる。これらの溶媒を用いることにより、溶媒の揮散が防げるので好適である。これらの溶媒は芳香族化合物に対する溶解度が大きく好適である。また、本発明の溶液組成物ドデシルベンゼンを含むことが好ましい。ドデシルベンゼンとしてはn−ドデシルベンゼン単一でも良く、また異性体の混合物を用いることもできる。
【0044】
この溶媒は沸点300℃以上、粘度6cp以上(20℃)の特性を有し、この溶媒単一でももちろん良いが、他の溶媒に加えることにより、溶媒の揮散を効果的に防げ、好適である。また上記溶媒のうちドデシルベンゼン以外は粘度が比較的小さいため、この溶媒を加えることにより粘度も調整できるため非常に好適である。本発明によれば、上述したような溶液組成物を吐出装置により基板上に吐出により供給した後、基板を吐出時温度より高温で処理して膜化する機能膜形成法が提供される。吐出温度は室温であり、吐出後基板を加熱することが好ましい。このような処理をすることにより、吐出時溶媒の揮散、温度の低下により析出した内容物が再溶解され、均一、均質な機能膜を得ることができる。
【0045】
上述の機能膜の作製法において、吐出組成物を吐出装置により基板上に供給後、基板を吐出時温度より高温に処理する際に、加圧しながら加熱することが好ましい。このように処理することにより、加熱時の溶媒の揮散を遅らすことができ、内容物の再溶解が更に促進される。その結果、均一、均質な機能膜を得ることができる。また、上述の機能膜の作製法において、前記基板を高温処理後直ちに減圧にし、溶媒を除去することが好ましい。このように処理することにより、溶媒の濃縮時の内容物の相分離を防ぐことができる。
【0046】
いずれの材料、あるいは機能性素子においても、本発明は該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基板上に残留させることによって素子形成を行うものであり、この固形物がそれぞれの素子の機能を発生させるものであり、溶媒(揮発成分)はインクジェット原理で液滴を噴射付与するための手段(vehicle)である。こうした液滴を吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)11により所望の素子電極部に付与する際には、付与すべき位置を検出光学系と画像識別装置とで計測し、その計測データ、吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)11の吐出口面と機能性素子基板14の距離、キャリッジの移動速度に基づいて補正座標を生成し、この補正座標通りに、機能性素子基板14の前面を、吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)11をX、Y方向に移動せしめながら液滴を付与する。検出光学系としては、CCDカメラ等とレンズを組み合わせたものを用い、画像識別装置としては、市販のもので画像を2値化しその重心位置を求めるもの等を用いることができる。
【0047】
上述のように、本発明では、吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)11は機能性素子基板14に対して一定の距離(たとえば1mm〜3mm)を保ちながら平行にX方向(あるいはY方向、もしくはX、Yの2方向)にキャリッジ移動を行いつつ溶液の噴射を行い、機能性素子群を形成する。その際、各素子を形成するための溶液の噴射を行う毎に、キャリッジの移動を止めて噴射を行うと高精度な素子群を形成することが可能である。しかし、生産性が著しく低下するので、前述のように、そのキャリッジ移動を止めることなく、順次溶液の噴射を行うようにしている。
【0048】
図3は、図2に示した本発明の製造装置の特徴を説明するために模式的に示したものであり、必ずしも全ての構成を示しているわけではない。図3において、11は吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)、12はキャリッジ、13は基板保持台、14は機能性素子を形成する基板、15は機能性材料を含有する溶液の供給チューブ、31は空気層、32は補助容器、33は液容器、34は容器保持部材、35は容器保持部材の縁、36はポンプ、37は上流側フィルタ、38は溶液、39は下流側フィルタ、40は液供給路である。
【0049】
図3より明らかなように、本発明の機能性材料を含有する溶液の液容器33は基板保持台13に載せられた機能性素子を形成する基板14よりも下に配置している。こうすることによって、万が一、この液容器33から溶液があふれたり漏れたりしても、液容器33が基板14よりも下になるように配置されているので、基板14の機能性素子群形成面を漏れた溶液によって汚すという事故は皆無となる。また、その液容器33は容器保持部材34に載置される。よって、この場合も、不慮の事故によって、溶液が漏れるようなことがあっても、漏れたよう溶液は、まず最初に容器保持部材34上にとどまり、床にすぐ流れて床を汚したり、あるいは、近傍の電装系を濡らしたりするということがなく、大事に至る事故を誘発することがない。
【0050】
しかしながら、大量に溶液が流れ出た場合などは、単なる平板上の容器保持部材の場合は、その容器保持部材から流れ出ることもある。本発明は、このような点も考慮し、容器保持部材34に、液容器33の外側をとり囲むような縁35を有するようにするとともに、その縁35の高さを、液容器33の溶液の最大液位(液面)より高くなるように(大であるように)している。このような構成にすれば、溶液は絶対に縁53を超えて外へ流れ出るということはない。
【0051】
また他の構成として、容器保持部材34を、液容器33の外側をとり囲む縁35を有するようにするとともに、縁35の高さを、その縁35の高さで決定される容器保持部材34の容積が、液容器33の液容量より大となる高さにすることも好適な例である。このような構成にすれば、不慮の事故によって液容器33の溶液が漏れたとしても、漏れた溶液を保持でき他への流出を食い止めることができるので、大事に至らないようにすることができる。
【0052】
以上2つの構成例を説明したが、このような構成にすることによって、万が一不慮の事故によって液容器33内の全部の溶液が漏れたとしても、容器保持部材34で、溶液の他への流出を阻止することができ、本発明の製造装置の電気系統の破損を皆無とすることができる。
【0053】
次に、本発明の他の特徴について説明する。本発明では、上述のように、機能性材料を含有する溶液の液容器33は基板保持台13に載せられた機能性素子を形成する基板14よりも下に配置している。そしてその溶液は、基板保持台13あるいはそれに載せられた機能性素子を形成する基板14よりも上に位置する噴射ヘッド11まで、供給されなければならない。溶液の使用量が少なく、また液滴として噴射する頻度も遅い(たとえば1個のノズルあたり、数10Hz〜数100Hz)場合であれば、溶液供給チューブ15内を毛管現象の原理で自然供給しても事足りるが、ノズル数を複数個(数個〜数100個)有するような噴射ヘッド11を用い、かつ液滴として噴射する頻度も大(たとえば1個のノズルあたり、数kHz〜数10kHz)の場合には、溶液の供給は自然供給ではなく、何らかの作用によって行う必要がある。特に、本発明の場合、液容器33は基板保持台13に載せられた機能性素子を形成する基板14よりも下に配置しているので、その水頭差を補償する意味でも、何らかの強制的な作用によって液供給することが必要である。
【0054】
本発明では、図3に示したように、噴射ヘッド11と液容器33の間にポンプ36を介在させている。こうすることによって、たとえ、上記のような水頭差があっても、また大量にかつ高頻度で使用しても(噴射ヘッド11を高い駆動周波数で稼動させても)、溶液の供給能力不足による液滴の空噴射が生じて、機能性素子形成不良を生じさせることがない。
なお、本発明では、このポンプ36も、基板保持台13に載せられた機能性素子を形成する基板14よりも下に配置している。よって、上記液容器33の溶液漏れと同様に、仮に不慮の事故によってこのポンプ36から溶液漏れが起きた場合も、基板14の機能性素子群形成面を漏れた溶液によって汚すという事故は皆無となる。
また、図3には示さなかったが、本発明のポンプ36も、液容器33の保持する容器保持部材34のようなポンプ保持部材(図示せず)に載置し、漏れた溶液を他へ流出しないようにされる。
【0055】
次に、上述のようなポンプ36によって、機能性材料を含有する溶液は、液供給路40、溶液の供給チューブ15を通って補助容器32〜噴射ヘッド11へと運ばれるが、その間にフィルタ37、フィルタ39を介在させている。噴射ヘッド11は、キャリッジ12に搭載され、機能性素子を形成する基板14と対向する位置で、キャリッジ往復運動を行う。そのため、溶液の供給チューブ15には可撓性の材料が選ばれる。例えば、ポリエチレンチューブ、ポリプロピレンチューブ、テフロン(登録商標)チューブなどが好適に使用される。また、使用する機能性材料を含有する溶液によっては、光を遮断する必要があるものもある。例えば、感光性の樹脂であったり、光硬化型の接着剤であったりした場合などは、その材料が感光する波長の光を遮断する供給チューブ15を使用すればよい。
【0056】
なお、供給される溶液は、噴射ヘッド11へ運ばれる前にいったん補助容器32に入る。補助容器32は溶液38を一時貯留する役割があるが、図3に示すように、補助容器32の容量いっぱいに溶液38を貯留するのではなく、空気層31が存在するような形で貯留する。つまり、ポンプ36によって、供給された溶液はポンプ36の脈動があるため、いったん補助容器32に入れて、その空気層31を緩衝手段として脈動を除去し、その後毛管現象で噴射ヘッド11に供給される。このような溶液供給を行うことにより、噴射ヘッド11における液滴噴射性能は安定化し、良好な機能性素子群を形成することが可能となる。
【0057】
図4は、本発明の溶液の流れの系統図(図3に示したポンプ36、補助容器32は省略)である。本発明では、液容器33より下流側に少なくとも2種類のフィルタを設けている(フィルタ37、フィルタ39)。これは、本発明ではインクジェット原理によって、微小なノズルから溶液を噴射するため、ノズルの目詰まりを生じさせないようにするためである。
【0058】
ここで、フィルタ37は、本発明の噴射システムのメインフィルタであり、たとえば、孔径(フィルタメッシュサイズ)0.45μmのメンブレンフィルタ(0.45μm以上の異物を除去(トラップ)可能)が用いられる。フィルタ材質は、ニトロセルロース、アセトセルロース、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)等よりなるが、これは使用する機能性材料を含有する溶液との適合性(compatibility)を考慮して適宜選ばれる。なお、これよりもっと孔径の小さい(たとえば0.2μm)のメンブレンフィルタも使用可能であるが、あまりに孔径が小さいと、フィルタがすぐにつまり、溶液の流れが悪くなり、交換を頻繁にしなければならなくなるので、交換頻度を考慮して、その孔径を決めるのがよい。ただし、2μm以上のものは、本発明の噴射システムとしてはフィルタ機能として役立たないのでそれ以下にしなければならない。
【0059】
本発明では、0.45μmのメンブレンフィルタを好適に使用するが、本発明の噴射システムにおいては、液容器33から噴射ヘッド11へ流れる溶液中のほとんどの異物をここでトラップする。よって、このフィルタ37のフィルタトラップ容量(異物トラップ容量)は、最下流のフィルタ39よりはるかに大とされる。
【0060】
図5は、本発明の溶液の流れの系統図の他の例である。この例も、液容器33より下流側に少なくとも2種類のフィルタを設けている(フィルタ37、フィルタ39)が、ここでは、フィルタ39を噴射ヘッド11に組み込んだ例を示している。
【0061】
図6は、上述のような構成の噴射ヘッド11およびフィルタ39よりなる噴射ユニットの例を溶液の液滴噴射の原理とあわせて示す図で、この液体噴射ヘッドは、図7に示すように溶液38が導入される流路42内にエネルギー作用部としてピエゾ素子43を設けたものである。ピエゾ素子43にパルス状の信号電圧を印加して、図7(A)に示すように、ピエゾ素子43を歪ませると、流路42の容積が減少すると共に圧力波が発生し、その圧力波によってノズル1から液滴44が吐出する。図7(B)はピエゾ素子43の歪がなくなって流路42の容積が増大した状態である。
【0062】
ここで、ノズル1直前の流路42に導入される溶液38は、フィルタ39を通過してきたものである。本発明では、このように、フィルタ39を噴射ヘッド内に設け、ノズル1の最近傍にフィルタ除去機能を持たせている。これは前述のメインフィルタ(フィルタ37)で、ほとんど100%近い確率で、異物除去を行ってはいるものの、後述するように、メインフィルタ(フィルタ37)交換時に混入する異物などは、メインフィルタ(フィルタ37)で除去できないので、このようにノズル1の最近傍にフィルタ39を設けているのである。よって、このフィルタ39は、ノズル1の最近傍に設けるものであるため、着脱不可としている(これを着脱交換するとまたその作業にともなう異物混入が起きるため)。
【0063】
しかしながら、本発明の噴射システムにおける異物除去の主体はメインフィルタ(フィルタ37)であり、このフィルタ39はあくまでも補助的手段である。よって、前述のように、確実に異物除去を行うために、メインフィルタ(フィルタ37)は、そのフィルタトラップ容量をフィルタ39よりはるかに大とするとともに、その孔径(フィルタメッシュサイズ)は、フィルタ39より小さくする。つまり、フィルタ39はフィルタトラップ容量を小さくし、その孔径(フィルタメッシュサイズ)をフィルタ37よりも大とするような小型の簡易フィルタとすることによって、図6に示したように、噴射ヘッド11内に組み込むことが可能となっている。そして、噴射ヘッド11そのものもコンパクト化を実現できている。
【0064】
また、図4に示したように、噴射ヘッド11の外にフィルタ39を設ける場合も、上記説明と同様に、小型の簡易フィルタとすることによって、図3に示したキャリッジ12上に搭載でき、キャリッジのコンパクト化が実現する。
このようなフィルタ39は、例えば、ステンレスメッシュフィルタが好適に用いられ、その孔径(フィルタメッシュサイズ)は、2μm〜3μmとされる。このフィルタ39はあくまでも補助の小型簡易フィルタであるため、前述のような小さいフィルタメッシュサイズを選ぶとすぐにフィルタ詰まりを起こし(噴射ヘッド11内に組み込まれるような小型サイズであるためフィルタトラップ容量が小さいから)使用不可能になるので、フィルタ37よりも大であるフィルタメッシュサイズとされる。
【0065】
次に、図8を参照して、本発明の他の特徴について説明する。図8において、50は信頼性維持装置、12はキャリッジ、11は噴射ヘッドである。キャリッジ12に載置された噴射ヘッド11は、基板に向けて液滴を噴射して所望のパターン形成をする。また信頼性維持装置50は、機能性素子基板設置領域以外に設けられるとともに、図の矢印方向に上下することにより、噴射ヘッド11の溶液噴射口面をキャップ、吸引するものである(図は非キャップ状態を示している)。
【0066】
図9は、本発明の製造装置における信頼性維持装置50の位置関係を示した模式図であるが、このような信頼性維持装置50の溶液を吸引、排出、溶液噴射口面をキャップする機能、構造を、図9(A)、(B)により説明する。
図9において、51はキャリッジ52に装着された噴射ヘッドであり、53は噴射ヘッド51の先端に取付けたノズルである。キャリッジ52の噴射ヘッド51側の左右の外壁(図9(A)では上下の外壁)に面取り部52aを設け、また噴射ヘッド51の先端部を切り欠いて凹部51aを設けている。54はキャップスライド、55はスライド54をキャリッジ52に向けて押し付ける電動レバーである。キャップスライド54のうち、噴射ヘッド51と対向するキャップ部分には、溶液吸収体56を充填した深孔57をあける。溶液吸収体56の中心部には通路56aを設ける。
【0067】
キャップ部分の先端には、キャリッジ52に対向して、その面取り部52aを嵌合可能な凹部58を形成する。この凹部58の中央部には溶液吸収体56を覆蓋して、噴射ヘッド51の凹部51aに圧接嵌合されるように形成した凸状弾性キャップ59を嵌着する。この弾性キャップ59の中心部には、通路56aに連通する孔59aをあけておく。
【0068】
一方、キャップスライド54には、図9(B)に示すように、深孔57と平行に軸孔60をあけ、この軸孔60に軸61を嵌入する。軸61は、装置本体に取付けたキャップ固定板62にスナップリング63等で固定される。軸61の他端には、軸孔60内に係合してボス64を嵌挿して、軸61の他端部をスナップリング65によりボス64の先端部に固着する。
【0069】
従って、キャップスライド54を噴射ヘッド51に向けて移動させるときに、軸孔60が軸61の軸線方向にボス64に沿って摺動可能となる。そして、軸孔60とボス64との間には圧縮ばね66を装着し、かかる摺動時にキャップスライド54が固定板62に向けて偏倚されるようにする。67は電動レバー55が反時計方向に回動したときに、このレバー55をロックするためのばね性ロック部材である。90はノズル吸引装置の吸引ポンプ本体であり、85は通路56aとポンプ本体90とを連結する吸引管である。これらの吸引ポンプ本体90、吸引管85の詳細について、引続き図10により説明する。
【0070】
図10は、本発明における信頼性維持装置50に設けたノズル吸引装置の一例を示し、ここで、90は台座71に固着された円筒状の吸引ポンプ本体である。吸引ポンプ本体90は太径の吸引室72と、この吸引室72と隔てて上端部に設けた環状封止溝73とを有し、ポンプ本体90のうち、この封止溝73の上方に開口70aをあけておく。この封止溝73には、Oリング74を嵌装する。ポンプ本体90内には、台座71に固着した軸75を封止溝73の先端付近まで上方に延在させる。91は吸引ポンプのピストンであり、このピストン91は開口70a及び封止溝73を嵌入して摺動可能な形状の細径部78を有し、その上端部を前述のレバー55に固着する。
【0071】
ピストン91の下端部は吸引室72に嵌合する太径部77を有し、この太径部77のうち細径部78より張出している周縁部には、太径部77を軸方向に貫通する通路79をあけ、この通路79の吸引室72側の下端側には通路79の両端の開口部における圧力差変動に応動して開閉する弁80を装着する。また、太径部77の外壁にはOリング81を装着して、かかる外壁と吸引室72との間のシールを行う。更に、ピストン91の太径部77の吸引室側底面には、凹部82を切り欠いて、この凹部82と台座71との間に圧縮ばね83を取り付ける。この圧縮ばね83は、所要時に手動にてピストン91を下方に押し込んだ後に、ピストン91が上方に自動復帰するためのものである。
【0072】
吸引室72の上部側壁には連通孔84をあけ、この連通孔84に吸引管85を接続する。吸引管85の他端は、図9(B)に示したように、溶液吸収体56の通路56aに連通している。従って、ピストン91を下方に押し下げたときに、ピストン91の太径部77とポンプ本体90の上端部との間に形成される負圧状態の空所86に対して、連通孔84から吸引管85を経由して通路56aが負圧状態に吸引される。更に、ポンプ本体90の下方部の一側壁(図10では左側壁)には、空所86が下方まで拡がったときにその空所86の負圧を逃し、しかも、溶液排出を行うことができる孔87をあけておく。
【0073】
次に、以上のように構成したヘッド信頼性維持装置50の作動を、図11(A)、(B)及び図12を参照して説明する。図11(A)、(B)は、レバー55を電動で反時計方向(図9(A)の矢印方向)に回動させ、ロック部材67によりレバー55をロックした状態を示し、キャップスライド54の先端の弾性キャップ59が噴射ヘッド51に圧接されて、そのノズル53を密封する。それと共に、ノズル53は孔59aに嵌入してキャップ59の後方の溶液吸引体56と対向する。
【0074】
そして、溶液を吸引排出する場合には、図12に示すように、ピストン91を下方へ押下げることにより、空所86内に負圧を発生させ、その負圧によりノズル53の先端を吸引して、溶液をノズル53から外方に吐出させる。そのためには、先ず、図11(A)、(B)に示すように、キャップスライド54の先端の弾性キャップ59を噴射ヘッド51に圧接させ、その状態でレバー55をキャップ固定板62とキャップスライド54との間を摺動させるようにして下方へ押下げて、ピストン91を押下げる。このとき、ピストン91の太径部77とポンプ本体90の上端部との間に形成される空所86は、ピストン91の押下げによる体積膨張により負圧になるから、この空所86に繋がる通路56a内も負圧となる。また、噴射ヘッド51に溶液を供給するタンク(図示せず)は常時大気開放型であるため、ノズル53内の溶液はノズル53の前後の圧力差により、ノズル53から外方へ吐出する。
【0075】
次いで、ピストン91を離すと、圧縮ばね83によりピストン91は図12に矢印で示すように、上方へ復帰する。このとき、弁80は厚み数10μmのフイルムで構成されているので、上下の圧力差に変動に敏感に応動し、弁80は開放状態となり、空所86に吸い込まれた溶液は通路79を経てポンプ本体90の下方に設けた孔87から外部へ排出される。なお、通路79の管路抵抗を吸引管85の管路抵抗より小さくしておくことにより、空所86に溜まっている溶液を通路79から容易に排出することができる。
【0076】
なお、キャリッジ52の先端の側壁52aを面取りし、これと当接するキャップスライド54にも凹部58を設け、弾性キャップ59にも凸状先端部を設けたから、キャリッジ52とスライド54との間に位置のずれが多少あっても、これらの凹凸部により、両者の位置関係のずれは修正されて、噴射ヘッド51はキャップスライド54により確実に密封される。
【0077】
前述のように、本発明において、信頼性維持装置50は機能性素子基板設置領域以外に設けられる。これは、本発明においては、吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)11は機能性素子基板14に対して一定の距離(たとえば1mm〜3mm)を保ちながら平行にX方向(あるいはY方向、もしくはX、Yの2方向)にキャリッジ移動を行いつつ溶液の噴射を行い、機能性素子群を形成するため、噴射ヘッド11と機能性素子基板14の間に信頼性維持装置50を設けることがはなはだ難しいからである。
【0078】
信頼性維持装置50に噴射ヘッドの噴射ノズル面の単なるキャップとしての機能を持たせるだけであるならば、噴射ノズル面と機能性素子基板14の距離である1mm〜3mmという狭い範囲に薄い板状のキャップを挿入させることも不可能ではないが、それでも、高精度な薄い板状のキャップ挿入技術を必要とし、一歩間違えば噴射ノズル面を傷つけ、破損させてしまい、製造装置の機能性素子基板製造機能を損ねてしまうことになる。
【0079】
仮に、機能性素子基板14の下、すなわち基板保持台13に内臓するような構造とすれば、可能ではあるが、キャップ、吸引を行うたびに、機能性素子基板14をはずしたり、移動させたりしなければならず、大変能率が悪い。また、機能性素子基板14を破損させたりする危険性もある。
【0080】
本発明の信頼性維持装置50を機能性素子基板設置領域以外に設けた理由は、この点を考慮した結果である。本発明は、このように、信頼性維持装置50を機能性素子基板設置領域以外に設けることにより、このような製造装置の機能性素子基板製造機能を損ねたり、製造効率を低下させることなく、噴射ヘッドの目詰まりを防止し、安定した稼動できるようにすることができたものである。
【0081】
次に、本発明の他の例について図13を用いて説明する。この例では信頼性維持装置50は、機能性素子基板設置領域、すなわち機能性素子形成のために液滴噴射を行う領域において、機能するようにしたものである。ただし、キャリッジに工夫を凝らし、図中、30にて示すような回転軸を中心に噴射ヘッド等の向きを変えられるようにしている。そして信頼性維持装置50を機能させるときは、図13(A)に示すように、通常の液滴噴射方向(図13(B)に示す機能性素子形成のために液滴噴射を行う方向)に対して、噴射ヘッドの向きを変えて行うようにした(図では、右側90度回転させた)ものである。このような構造とすれば、信頼性維持装置50を機能性素子基板設置領域以外に設けなくても、装置構成を実現できるので、本発明の製造装置の床投影面積を小さくでき、コンパクト化が実現する。
【0082】
ところで、本発明の製造装置における信頼性維持装置50による溶液の吸引量であるが、本発明では、図4あるいは図5に示したフィルタ39、すなわち、最下流に設けたフィルタより下流の領域の流路、噴射ヘッドの内容積分以上の溶液を吸引するようにしている。図6でいうならば、フィルタ39より下流であってノズル1までの内容積分以上の溶液を吸引するようにしている。これは、本発明においては、このように最下流の位置にフィルタ39を配し、そこで異物をトラップしているので、それ以降のヘッド液室内の溶液さえ、信頼性維持装置50で吸引すれば、目詰まりは回避できるからである。
【0083】
このように、本発明では、信頼性維持のための溶液の吸引量の必要最低限の量を明確にしたので、不必要に大量の溶液を吸引、廃棄することがなく、低コストかつ短時間で、噴射ヘッドの目詰まりがなく安定した稼動ができるようになった。
なお、上記説明は、フィルタ37とフィルタ39の2つのフィルタを有する例で説明したが、本発明は必ずしも2つのフィルタに限定されるものではない。これら2つのフィルタ以外に第3、第4のフィルタを設けてもよい。
【0084】
本発明のポイントは、液容器より下流側に少なくとも2種類のフィルタを設け、最下流に設けたフィルタは着脱不可に固定し、それより上流側に設けたフィルタを着脱可能としたものであり、上流側に設けたフィルタは複数あってもよい。また、他のポイントは、最下流に設けたフィルタは、噴射ヘッド内に設けるとともにそれより上流側に設けたフィルタより、フィルタメッシュサイズが大としたことである。
さらに、最下流に設けたフィルタは、噴射ヘッド内に設けるとともにそれより上流側に設けたフィルタより、フィルタトラップ容量が小としたことである。
この内容(フィルタメッシュサイズおよびフィルタトラップ容量)を満足するものであれば、最下流に設けたフィルタより上流側に設けたフィルタは複数あってもよい。
【0085】
次に、このような本発明の製造装置を用いて実際に溶液を噴射し、機能性素子として有機EL素子を形成した場合の条件の1例を以下に示す。
使用した溶液は、O−ジクロロベンゼン/ドデシルベンゼンの混合溶液にポリヘキシルオキシフェニレンビニレンを0.1重量パーセント混合した溶液である。
また、使用した噴射ヘッドは、ピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドで、ノズル径はΦ24μmで、ノズル数256のマルチノズルタイプとした。ピエゾ素子への入力電圧を28Vとし、駆動周波数は、12kHzとした。その際ジェット初速度として、8m/sを得ており、1滴の質量は5plである。キャリッジ走査速度(X方向)は、5m/sとした。なお噴射ヘッドノズルと基板間の距離は3mmとした。
【0086】
また、滴飛翔時の滴の形状を、素子形成と同じ条件で別途噴射、観察し、その形状が、基板面に付着する直前(本発明例では3mm)にほぼ丸い滴になるように駆動波形を制御して噴射させた。
なお、完全に丸い球状が得られず、飛翔方向に伸びた柱状であっても、駆動波形を制御し、その直径の3倍以内の長さにした。
また、その際、飛翔滴後方に複数の微小な滴を伴うことのない駆動条件(駆動波形)を選んだ。
その後、ITOとアルミニウムよりリード線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として10Vの電圧を印加したところ、良好に橙色の発光が得られた。
【0087】
なお、本発明は、このようなピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドの例に限定されず、サーマルインクジェット原理の噴射ヘッドも好適に利用できることはいうまでもない。
【0088】
ところで、最初に、図1で障壁3の中に液滴を噴射付与する例を示しているが、本発明の機能性素子群を形成するに当たっては、必ずしも、図1に示したような障壁3は必要ではなく、平板上の基板に直接電極パターン形成や、液滴付与による機能性素子を形成していることをことわっておく。
なお、以上の説明は機能性素子として発光素子を形成した場合で行っているが、形成された発光素子基板は、その後、ガラスあるいはプラスチック等の透明カバープレートを対向配置、ケーシング(パッケージング)することにより、ディスプレイ装置して活用される。
また、単にディスプレイ装置に適用するのみならず、機能性素子として有機トランジスタなども本発明の手法を利用して好適に製作される。さらに、噴射溶液としてレジスト材料などを用いることによって、レジストパターンやレジスト材料による3次元構造体を形成する場合にも適用され、本発明でいうところの機能性素子とは、このようなレジスト材料のような樹脂材料のよって形成される膜パターンあるいは3次元構造体も含むものである。
【0089】
【発明の効果】
請求項1に対応した効果
所定の駆動信号を入力することにより機能を発する機能性素子群が、基板上に機能性材料を含有する溶液の液滴を噴射付与し、該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基板上に残留させることによって形成される機能性素子基板の製造装置において、前記基板に相対する位置に配され、該基板に対して機能性材料を含有した溶液を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドに液滴付与情報を入力する情報入力手段と、前記噴射ヘッドに圧接し、ノズルを密封する弾性キャップと、該弾性キャップに連通する孔から吸引を行う吸引ポンプとよりなる信頼性維持装置とを有し、前記基板における前記機能性素子群の形成面と前記噴射ヘッドの溶液噴射口面とが一定の距離を保持し、前記基板と前記噴射ヘッドとが前記機能性素子群の形成面に対して平行に相対移動を行うように構成され、前記噴射ヘッドは、前記情報入力手段により入力された前記液滴付与情報に基づいて前記基板の所望の位置に前記溶液を噴射することにより前記機能性素子群を形成する製造装置であって、前記噴射ヘッドに供給される前記溶液は前記噴射ヘッドとは独立に設けられた容器に貯留され、該容器と前記噴射ヘッドとは可撓性の供給路を介して連結されるとともに、前記容器より下流側に少なくとも2種類のフィルタを設け、最下流に設けたフィルタは噴射ヘッドに組み込み、着脱不可に固定し、それより上流側に設けたフィルタを着脱可能とするとともに、前記最下流に設けたフィルタは、それより上流側に設けたフィルタより、フィルタ容量が小であるとともにフィルタメッシュサイズを大とし、前記信頼性維持装置によって、前記最下流に設けたフィルタより下流の領域の内容積分以上の溶液を吸引するようにしたので、このような製造装置の機能性素子基板製造機能を損ねたり、製造効率を低下させることなく、噴射ヘッドの目詰まりを防止し、安定した稼動できるようにすることができた。更に、信頼性維持装置によって、最下流に設けたフィルタより下流の領域の内容積分以上の溶液を吸引するようにしたので、低コストかつ短時間で、噴射ヘッドの目詰まりがなく安定した稼動ができるようになった。
【0090】
請求項2に対応した効果
記噴射ヘッドは前記溶液噴射方向に対して配置の向きを可変とし、溶液噴射時の向きと異なる向きに配置して、前記噴射ヘッドに前記信頼性維持装置を装着するようにしたので、このような機能性素子群および機能性素子基板を形成するための製造装置の噴射ヘッドの目詰まりを防止し、安定した稼動ができるようにするとともに、よりコンパクトな装置構成とすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかる吐出組成物を用い機能性素子を作製する一工程を模式的に示す斜視図である。
【図2】 本発明の機能性素子基板の製造装置の一実施例を説明するための図である。
【図3】 本発明の機能性素子基板の製造装置における主要ユニットの位置関係を示す概略構成図である。
【図4】 本発明の噴射システムの系統図である。
【図5】 本発明の噴射システムの他の例の系統図である。
【図6】 本発明に好適に使用される噴射ヘッドにフィルタを設けた例である。
【図7】 本発明に好適に使用される噴射ヘッドの液滴噴射原理を説明する図である。
【図8】 本発明に信頼性維持装置の位置関係を示す概略構成図である。
【図9】 本発明の溶液を吸引排出するための信頼性維持装置の一例を示し、(A)は一部断面を示した側面図であり、(B)はその正面断面図である。
【図10】 本発明に適用される信頼性維持装置に設けたノズル吸引装置の断面図を示す。
【図11】 図9の信頼性維持装置において、溶液吸引排出状態を示す図面で、(A)は一部断面を示した側面図、(B)はその正面断面図である。
【図12】 図10の信頼性維持装置に設けたノズル吸引装置において、溶液吸引排出状態を示す図面である。
【図13】 本発明の信頼性維持装置の他の概略構成図である。
【符号の説明】
1…(液体噴射ヘッド)ノズル、2…有機EL材料、3…有機物(ポリイミド)障壁、4…ITO透明電極、5…ガラス基板、11…吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)、12…キャリッジ、13…基板保持台、14…基板、15…機能性材料を含有する溶液の供給チューブ、16…信号供給ケーブル、17,21…コントロールボックス、18…X方向スキャンモータ、19…Y方向スキャンモータ、20…コンピュータ、22…基板位置決め/保持手段、30…回転軸、31…空気層、32…補助容器、33…液容器、34…容器保持部材、35…縁、36…ポンプ、37…フィルタ、38…溶液、39…フィルタ、40…液供給路、41…噴射ユニット、42…流路、43…ピエゾ素子、44…液滴、50…信頼性維持装置、51…噴射ヘッド、52…キャリッジ、53…ノズル、54…キャップスライド、55…電動レバー、56…溶液吸収体、84…連通孔、85…吸引管、87…溶液排出用孔、90…ポンプ本体、91…ピストン。

Claims (2)

  1. 所定の駆動信号を入力することにより機能を発する機能性素子群が、基板上に機能性材料を含有する溶液の液滴を噴射付与し、該溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基板上に残留させることによって形成される機能性素子基板の製造装置において、前記基板に相対する位置に配され、該基板に対して機能性材料を含有した溶液を噴射する噴射ヘッドと、該噴射ヘッドに液滴付与情報を入力する情報入力手段と、前記噴射ヘッドに圧接し、ノズルを密封する弾性キャップと、該弾性キャップに連通する孔から吸引を行う吸引ポンプとよりなる信頼性維持装置とを有し、前記基板における前記機能性素子群の形成面と前記噴射ヘッドの溶液噴射口面とが一定の距離を保持し、前記基板と前記噴射ヘッドとが前記機能性素子群の形成面に対して平行に相対移動を行うように構成され、前記噴射ヘッドは、前記情報入力手段により入力された前記液滴付与情報に基づいて前記基板の所望の位置に前記溶液を噴射することにより前記機能性素子群を形成する製造装置であって、前記噴射ヘッドに供給される前記溶液は前記噴射ヘッドとは独立に設けられた容器に貯留され、該容器と前記噴射ヘッドとは可撓性の供給路を介して連結されるとともに、前記容器より下流側に少なくとも2種類のフィルタを設け、最下流に設けたフィルタは噴射ヘッドに組み込み、着脱不可に固定し、それより上流側に設けたフィルタを着脱可能とするとともに、前記最下流に設けたフィルタは、それより上流側に設けたフィルタより、フィルタ容量が小であるとともにフィルタメッシュサイズを大とし、前記信頼性維持装置によって、前記最下流に設けたフィルタより下流の領域の内容積分以上の溶液を吸引することを特徴とする機能性素子基板の製造装置。
  2. 前記噴射ヘッドは前記溶液噴射方向に対して配置の向きを可変とし、溶液噴射時の向きと異なる向きに配置して、前記噴射ヘッドに前記信頼性維持装置を装着することを特徴とする請求項1に記載の機能性素子基板の製造装置。
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