JP2009266422A - 機能性素子基板製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性材料を含有する液体を安定的に飛翔させ、機能性素子基板に高精度なパターンの機能性素子群を効率良く形成できる機能性素子基板製造システムを提供する。
【解決手段】機能性素子基板の製造装置と、それを視認できる状態で囲む部屋と、気体を加熱、清浄化する手段とを有し、機能性素子基板の製造装置が備える基板保持手段13は、機能性素子基板14と機能性素子基板の製造装置が備える噴射ヘッド11の液体噴射口面とを所定の距離に保って保持し、噴射ヘッド11は、機能性素子基板14との相対移動速度よりも速く、且つ加熱、清浄化された気体の流速よりも2m/s以上速い速度で、略球状又は飛翔方向に伸びた柱状であってその直径の3倍以内の長さの液滴43を噴射し、基板上の所定の位置に噴射した液滴中の揮発成分を揮発させて機能性材料を機能性素子基板14上に残留させ、機能性素子群を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、吐出装置を用いて機能性材料の膜形成を行うことによって機能性素子を基板上に形成する機能性素子基板製造システムに関する。
近年、液晶ディスプレイに代わる自発光型ディスプレイとして、有機物を用いた発光素子の開発が加速している。このような素子形成は、機能材料のパターン化によって行われ、一般的には、フォトリソグラフィー法によって行われている。例えば、有機物を用いた有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機EL)素子としては、低分子を蒸着法で成膜する方法が非特許文献1に開示されている。
また、有機EL素子において、カラー化の手段としては、マスク越しに異なる発光材料を所望の画素上に蒸着し形成する方法が行われている。
しかしながら、このような真空成膜による方法、フォトリソグラフィー法による方法は、大面積にわたって素子を形成する場合には、工程数が多く、生産コストが高いといった課題がある。
このような課題に対して、有機EL素子に代表されるような機能性素子形成のための、機能性材料膜の形成及びパターン化にあたり特許文献1〜6に開示されるようなインクジェット液滴付与手段によって、真空成膜法とフォトリソグラフィー・エッチング法とによらずに安定的に歩留り良く、且つ低コストで機能性材料を所望の位置に付与することが考えられる。
例えば、機能性素子の一例として有機EL素子を考えた場合、このような有機EL素子を構成する正孔注入/輸送材料及び発光材料を溶媒に溶解又は分散させた組成物を、インクジェットヘッドから吐出させて透明電極基板上にパターニング塗布し、正孔注入/輸送層及びに発光材料層をパターン化する手法である。
米国特許第3060429号明細書 米国特許第3298030号明細書 米国特許第3596275号明細書 米国特許第3416153号明細書 米国特許第3747120号明細書 米国特許第5729257号明細書 特開2000−323276号公報 特開2001−60493号公報 Appl.Phys.Lett.51(12),21 September 1987 p913
このような技術に関しては、特許文献7や特許文献8に開示される発明が知られている。これらには、インクジェット法により有機EL素子を形成することや、材料面からの詳細な検討はなされているものの、このようなインクジェット法による製造装置についての検討はなされていない。
また、このような有機EL素子を形成するための基板に関しても検討がなされていない。
インクジェット法の応用技術とはいえ、いわゆるインクを紙に向けて飛翔させて記録するインクジェット記録とは異なり、機能性材料を含有する液体を安定的に飛翔させ、基板上に付与するには、未解決の要素が多々存在する。とりわけ、このような機能性素子基板に高精度なパターンの機能性素子群を効率良く形成するには大きな工夫が必要である。
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、機能性材料を含有する液体を安定的に飛翔させ、機能性素子基板に高精度なパターンの機能性素子群を効率良く形成できる機能性素子基板製造システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、所定の駆動信号を入力することによって機能を発する機能性素子群を、基板上に形成する機能性素子基板の製造装置と、機能性素子基板の製造装置が視認できる状態でその周囲を取り囲む部材と、気体フィルタ通過及び加熱プロセスを経て気体を加熱、清浄化する手段とを有する機能性素子基板製造システムであって、加熱、清浄化された気体の雰囲気中に配置される機能性素子の基板製造装置は、基板を搭載する基板保持手段と、基板に対向して配置され、機能性材料を含有した液体を基板に対して、該基板に到達する際の形状が略球状又は飛翔方向に伸びた柱状であってその直径の3倍以内の長さの液滴として噴射する噴射ヘッドと、噴射ヘッドに液滴噴射情報を入力することにより、液滴の噴射を指示する制御手段と、噴射ヘッドと基板とを機能性素子の形成面に対して平行に相対移動させて任意の位置に移動させる走査手段とを有し、基板保持手段は、基板と噴射ヘッドの液体噴射口面との距離を所定の距離に保って保持し、噴射ヘッドは、噴射ヘッドと基板との相対移動の速度よりも速く、且つ加熱、清浄化された気体の流速よりも2m/s以上速い速度で液滴を噴射し、液滴制御情報に基づいて噴射ヘッドが基板上の所定の位置に噴射した液滴中の揮発成分を揮発させて機能性材料を含む固形分を基板上に残留させることによって、機能性素子群を基板上に形成することを特徴とする機能性素子基板製造システムを提供するものである。
本発明によれば、機能性材料を含有する液体を安定的に飛翔させ、機能性素子基板に高精度なパターンの機能性素子群を効率良く形成できる機能性素子基板製造システムを提供できる。
図1は、機能性素子の一例として有機EL素子を考えた場合である。ここでは、モザイク状に区切られたITO(インジウムチンオキサイド)透明電極パターン4、及び透明電極部分を含む障壁4付きガラス基板5の電極上に、赤、緑、青に発色する有機EL材料を溶解した溶液2を各色モザイク状に配列するように、ノズル1により噴射付与する例を示している。溶液2の組成の一例を挙げると、以下の通りである。
溶液組成物
溶媒…ドデシルベンゼン/ジクロロベンゼン(1/1、体積比)
赤…ポリフルオレン/ペリレン染料(98/2、重量比)
緑…ポリフルオレン/クマリン染料(98.5/1.5、重量比)
青…ポリフルオレン
固形物の溶媒に対する割合は、例えば、0.4%(重量/体積)とされる。ここで、このような溶液を付与された基板は、例えば100℃で加熱し、溶媒を除去してからこの基板上に適当な金属マスクをし、アルミニウム(不図示)を2×10-7m蒸着し、ITOとアルミニウムとによりリード線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として素子が完成する。印加電圧は15V程度で所定の形状で赤、緑、青色に発色する素子が得られる。
なお、先に基板上に電極を形成しておいて、後からこのような溶液の液滴を噴射付与し、溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を基板上に残留させることによって素子形成を行っても良い。
このようにして素子を形成した基板は、ガラスやプラスチックなどの透明カバープレートを対向配置、ケーシング(パッケージング)することにより、自発光型の有機ELディスプレイ等の画像表示装置とすることができる。
なお、ここでは機能性素子の一例として、有機EL素子を想定しているが、必ずしもこのような素子、材料に限定されるものではない。例えば、機能性素子は有機トランジスタなどであっても良い。また、上記の障壁3を形成するためのレジスト材料なども機能性材料を含有する液体と見なすことが可能である。
ここで、このような機能性材料を含有した溶液を付与する手段として、本実施形態においてはインクジェット技術が適用される。以下にその具体的手法について説明する。
図2は、本実施形態に適用される機能性素子基板の製造装置を示す。この製造装置は、吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)11、キャリッジ12、基板保持台13、基板(機能性素子基板)14、供給チューブ15、信号供給ケーブル16、噴射ヘッドコントロールボックス17、X方向スキャンモータ18、Y方向スキャンモータ19、コンピュータ20、コントロールボックス21、基板位置決め/保持手段22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)を有する。基板14は、機能性素子を形成する。供給チューブ15は、機能性材料を含有する溶液を供給する。X方向スキャンモータ18及びY方向スキャンモータ19は、キャリッジ12を駆動させる。
図3は、機能性素子基板製造装置における液滴付与装置の構成を示す図である。図4は、液滴付与装置の吐出ヘッドユニットの要部概略構成図である。図3の構成は、図2に示した構成とは異なり、基板14側を移動させて機能性素子群を基板に形成するものである。図3及び図4において、吐出ヘッドユニット11は、ヘッドアライメント制御機構31、検出光学系32、インクジェットヘッド33、ヘッドアライメント微動機構34、制御コンピュータ35、画像識別機構36、X・Y方向走査機構37、位置検出機構38、位置補正制御機構39、インクジェットヘッド駆動・制御機構40、素子電極42を有する。
吐出ヘッドユニット11の液滴付与装置(インクジェットヘッド33)としては、任意の定量の液滴43を吐出できるものであればいかなる機構でも良く、特に数〜数百pl程度の液滴43を形成できるインクジェット方式の機構が望ましい。
インクジェット方式としては、例えば、Zoltan方式、Stemme方式、Kyser方式のように、ピエゾ振動素子に、電気的信号を印加し、この電気的信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変え、機械的振動に従って微細なノズルから液滴を吐出・飛翔させるものがあり、通常、総称してドロップオンデマンド方式と呼ばれている。
他の方式として、Sweet方式がある。これは連続振動発生法によって帯電量の制御された記録液体の小滴を発生させ、この小滴を、一様な電界がかけられている偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上に記録を行うものであり、通常、連続流方式又は荷電制御方式と呼ばれている。
さらに他の方式として、液体中で気泡を発生せしめ、その気泡の作用力により微細なノズルから液滴を吐出・飛翔させる方式があり、サーマルインクジェット方式、又はバブルインクジェット方式と呼ばれている。
このように、液滴を噴射する方式は、ドロップオンデマンド方式、連続流方式、サーマルインクジェット方式等があるが、必要に応じて適宜選択すればよい。
本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置において、基板14は、この装置の位置決め/保持手段22によってその保持位置を調整して決められる。図2では簡略化しているが、基板位置決め/保持手段22は基板14の各辺に当接されるとともに、X方向及びそれに直交するY方向にミクロンオーダで未調整できるようになっているとともに、噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等吐接続され、その位置決め情報及び微調整変位情報等と、液滴付与の位置情報、タイミング等とは、絶えずフィードバックできるようになっている。
さらに、本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置においては、X、Y方向の位置調整機構の他に不図示(基板14の下に位置するために見えない)の回転位置調整機構を有している。これに関連して、先に、機能性素子基板の形状及び形成される機能素子群の配列に関して説明する。
機能性素子基板は、石英ガラス、Na等の不純物含有量を低減させたガラス、青板ガラス、SiO2を表面に体積させたガラス基板及びアルミナなどのセラミックス基板などが用いられる。また、軽量化や可撓性の付与を目的として、PETを始めとする各種プラスチック基板も用いられる。いずれにしろ、その形状は、このような基板を経済的に生産、供給するという目的や、最終的に製作される機能性素子基板の用途から、Siウエハなどとは異なり矩形である。つまり。向かい合う辺同士が平行であり、隣接する辺同士が直角をなす形状である。
このような基板に対して、形成される機能性素子群をマトリックス状に配列し、このマトリックスの互いに直交する2方向が、この基板の縦方向の辺又は横方向の辺の方向と平行であるように機能性素子群を配列する。このように機能性素子群をマトリックス状に配列する理由及び基板の縦横の辺をマトリックスの配列方向と一致させる理由について以下に説明する。
図2、図3に示したように、最初に基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面の位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、吐出ヘッドユニット11は、基板14に対して一定の距離を保ちながら機能性素子群の形成面に対して平行にX、Y方向の相対移動を行いつつ、上記溶液(例えば有機EL材料、又は導電性材料を溶解した溶液、レジスト材料など)の噴射を行う。つまり、このX方向及びY方向は互いに直交する2方向であり、基板の位置決めを行う際に、基板の縦辺又は横辺をそのY方向又はX方向と平行になるようにしておけば、形成される機能性素子群もそのマトリックス状の配列の2方向がそれぞれ基板の縦横方向と平行であるため、相対移動を行いつつ噴射する機構のみで高精度に素子群を形成できる。換言すると、基板形状、機能性素子群のマトリックス状配列、直交するX、Yの2方向の相対移動装置にすれば、素子形成の液滴噴射を行う前の基板の位置決めを正確に行えば、高精度な機能性素子群のマトリックス状配列が得られる。
ここで、前述の回転位置調整機構について説明する。上記のように、本実施形態においては、素子形成の液邸噴射を行う前の基板の位置決めを正確に行い、X及びY方向の相対移動のみを行い、他の制御を行わず、高精度な機能性素子群のマトリックス状配置を得る。その際に問題となるのは、最初に基板の位置決めを行う際の回転方向(X、Yの2方向で決定される平面に対して垂直方向の軸に対する回転方向)のズレである。この回転方向のズレを補正するために、本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置は、上記のように不図示の回転位置調整機構を有している。これにより、回転方向のズレも補正し、基板の辺を位置決めすると、X及びY方向のみの相対移動で、高精度な機能素子群のマトリックス状配列が得られる。
以上の説明においては、回転位置調整機構を図2の基板位置決め/保持手段22(22X1、22Y1、22X2、22Y2)とは別の機構としたが、基板位置決め/保持手段22に回転位置調整機能を持たせることも可能である。
例えば、基板位置決め/保持手段22は、基板14の辺に当接され、基板位置決め/保持手段22全体が、X又はY方向に位置調整できるようになっているが、基板位置決め/保持手段22の基板14の辺に当接される部分において、距離をおいて設けられた2本のネジが独立に動くようにすれば、角度調整が可能である。なお、この回転位置制御情報も上記のX、Y方向の位置決め情報及び微調整変位情報等と同様に噴射ヘッドコントロールボックス17、コンピュータ20、コントロールボックス21等と接続され、液滴付与の位置情報やタイミング等を、絶えずフィードバックできる。
次に、位置決め以外の動作のための手段、構成について説明する。以下の説明では基板14の辺ではなく基板上に互いに直交する2方向に帯状パターンを設けるようにした例について説明する。
上記のように、本実施形態においては基板上に機能性素子群をマトリックス状に配列して形成されるが、ここでは互いに直交する2方向の帯状パターンをこのマトリックスの互いに直交する2方向と平行になるように形成しておく。このようなパターンは、フォトファブリケーション技術によって基板上に容易に形成できる。
なお、上記のようなパターンをその目的のためだけに作成するのではなく、素子電極42や、各素子のX、Y方向配線等の配線パターンを互いに直交する2方向の帯状パターンと見なしても良い。このような帯状パターンを設けておけば、後述するようにCCDカメラとレンズとを用いた検出光学系32によってパターン検出ができ、位置調整にフィードバックできる。
上記X、Y方向に対して垂直なZ方向に関しては、最初に基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面との位置関係が決められた後は、特に位置制御を行うことはない。つまり、吐出ヘッドユニット11は、基板14に対して一定の距離を保ちながらX、Y方向の相対移動を行いつつ、機能性材料を含有する溶液の噴射を行うが、噴射時には吐出ヘッドユニット11のZ方向の位置制御は特に行わない。その理由は、噴射時にその制御を行うと、機構や制御システムなどが複雑になるだけでなく、基板14への液滴付与による機能性素子の形成が遅くなり、生産性が著しく低下するためである。
代わりに、基板14の平面度や、基板14を保持する部分の装置の平面度、さらに吐出ヘッドユニット11をX、Y方向へ相対移動させるキャリッジ機構等の精度を高めることで、噴射時のZ方向制御を行わず、吐出ヘッドユニット11と基板14とのX、Y方向の相対移動を高速で行い、生産性を高めている。一例を挙げると、溶液付与時(噴射時)における基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面との距離の変動は5mm以下に抑えられている(基板14のサイズが200mm×200mm以上、4000mm×4000以下の場合)。
なお、通常X、Y方向の2方向で定まる平面は、水平(鉛直方向に対して垂直な面)に維持されるように装置構成されるが、基板14が小さい場合(例えば500mm×500mm以下の場合)には、必ずしもX、Y方向の2方向で定まる平面を水平にする必要はなく、その装置にとって最も効率的に基板14を配置できるようにすると良い。
次に、機能性素子基板の製造装置の変形の一例として、吐出ヘッドユニットと機能性素子基板との相対移動を行う際に、機能性素子基板側を移動させる場合について説明する。
図3において、X・Y方向走査機能37の上に機能性素子基板14が載置されている。基板14上の機能性素子は、例えば図1のものと同じ構成であり、単素子としては図1に示した構成と同様に、ガラス基板5(機能性素子基板14に相当)、障壁3、ITO透明電極4で構成されている。液滴を付与する吐出ヘッドユニット11は、機能性素子基板14の上方に位置している。この例では、吐出ヘットユニット11は固定で、機能性素子基板14がX・Y方向走査機構37によって任意の位置へ移動させられることで、吐出ヘッドユニット11と機能性素子基板14との相対移動が実現される。
次に、吐出ヘッドユニット11の構成について説明する。基板14上の画像情報を取り込む検出光学系32は、液滴43を吐出させるインクジェットヘッド33に近接し、検出光学系32の光軸41及び焦点位置と、インクジェットヘッド33による液滴43の着弾位置44とが一致するよう配置されている。この場合、図3に示した検出光学系32とインクジェットヘッド33との位置関係は、ヘッドアライメント微動機構34とヘッドアライメント制御機構31とにより、精密に調整できる。なお、検出光学系32には、CCDカメラとレンズとが用いられている。
画像識別機構36は、検出光学系32で取り込まれた画像情報を識別する。画像識別機構36は、画像のコントラストを2値化し、2値化した特定コントラスト部分の重心位置を算出する機能を有する。位置検出機構38は、光学検出系32によって得られた画像情報に機能性素子基板14上における位置情報を与える。これには、X・Y方向走査機構37に設けられたリニアエンコーダ等の測長器を利用できる。
また、位置補正制御機構39は、これらの画像情報と機能性素子基板14上での位置情報とを基に、位置補正を行う。この機構により、X・Y方向走査機構37の動きに補正が加えられる。
また、インクジェットヘッド制御・駆動機構40は、インクジェットヘッド33を駆動し、液滴43を機能性素子基板14上に付与する。
上記の各制御機構は、制御用コンピュータ35によって集中制御される。
以上の説明は、吐出ヘッドユニット11は固定で、機能性素子基板14が、X・Y方向走査機構37によって任意の位置に移動することで吐出ヘッドユニット11と機能性素子基板14との相対移動を実現しているが、図2に示したように、機能性素子基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット11をX、Y方向に走査する構成であっても良いことは言うまでもない。特に、200mm×200mm程度の中型基板〜2000mm×2000mm又はそれ以上の大型基板の作成に適用する場合には、後者のように機能性素子基板14を固定とし、吐出ヘッドユニット11が直交するX、Yの2方向に走査するようにし、溶液の液滴の付与をこの2方向に順次行う構成とする方が好ましい。
逆に、例えば軽いプラスチック基板を使用する場合や、基板サイズが比較的小さい場合(100mm×100mm〜800mm×800mm程度)においては、インクジェットプリンタの紙搬送と同様に機能性素子14を移動させることも考えられる。つまり、キャリッジ12に搭載された吐出ヘッドユニット11が、X方向又はY方向の一方のみに走査され、機能性素子基板14が他方に搬送されるようにしても良い。この場合は、生産性が著しく向上する。
基板サイズが200mm×200mm程度以下の場合には、液滴付与のための吐出ヘッドユニットを200mmの範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプとし、吐出ヘッドユニットと基板との相対移動を直交する2方向に行うことなく、1方向のみに相対移動させて行うことも可能であり、量産性を高められる。しかし、基板サイズが200mm×200mmを超える場合には、そのような範囲をカバーできるラージアレイマルチノズルタイプの吐出ヘッドユニットを製作することは技術的/コスト的に困難である。よって、このようなサイズの基板の場合には、直交するX、Yの2方向に吐出ヘッドユニット11が走査するようにし、溶液の液滴の付与をこの2方向に順次行う構成とすることが好ましい。
特に、最終的には200mm×200mmよりも小さいものを製作する場合であっても、大きな基板から複数個取りして製作するような場合には、その元の基板は400mm×400mm〜2000mm×2000mm又はそれ以上のものを使用することとなるため、直交するX、Yの2方向に吐出ヘッドユニット11が走査するようにし、溶液の液滴の付与をこの2方向に順次行う構成とすることが好ましい。
液滴43の材料には、先に述べた有機EL材料の他に、ポリフェニレンビニレン系(ポリパラフェニリレンビニレン系誘導体)やポリフェニレン系誘導体などのベンゼン誘導体に可溶な低分子系有機EL材料、高分子系有機EL材料、ポリビニルカルバゾール等の材料を用いることができる。有機EL材料の具体例としては、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。また、有機EL表示における周辺材料である電子輸送性、ホール輸送性材料も、機能性素子を製作する昨日材料と見なすことができる。
機能性素子を製作する機能材料としては、この他に、半導体等に多用される層間絶縁膜のシリコンガラスの前駆物質として、ポリシラザン、有機SOG材料などが挙げられる。また、有機金属化合物を用いても良い。さらに、カラーフィルタ用の材料として、昇華染料等を用いることも可能である。
溶液組成物においては、ベンゼン誘導体の沸点が150℃以上であることが好ましい。このような溶媒の具体例としては、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1、2、3−トリクロロベンゼン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、1−クロロナフタレン、ブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、1−ジブロモナフタレン等があげられる。これらの溶媒を用いることにより、溶媒の揮散を防ぐことができる。これらの溶媒は、芳香族化合物に対する溶解度が大きいため好ましい。
なお、溶液組成物は、ドデシルベンゼンを含むことが好ましい。ドデシルベンゼンとしてはn−ドデシルベンゼン単一でも良く、異性体の混合物を用いることもできる。この溶媒は、沸点300℃以上、粘度6cp以上(20℃)の特定を有する。溶媒担体でも良いが、他の溶媒を加えることにより、溶媒の揮散を効果的に防げる。また、上記溶媒のうち、ドデシルベンゼン以外は粘度が比較的小さいため、この溶を加えることにより、粘度も調整できるため非常に好適である。
上述したような溶液組成物を吐出装置によって基板上に供給した後、基板を吐出時温度よりも高温で処理して酸化する機能膜形成法が適用される。吐出温度は室温であり、吐出後基板を加熱することが好ましい。このような処理を施すことによって、吐出時溶媒の揮散、温度の低下により析出した内容物が再溶解され、均一、均質な機能膜が得られる。
上述の機能膜の作成法において、吐出組成物を吐出装置によって基板上に供給後、基板を吐出温度よりも高温に処理する際に、加圧しながら加熱することが好ましい。このように処理することにより、加熱時の溶媒の揮散を遅らせることができ、内容物の再溶解がさらに促進される。その結果、均一、均質な機能膜が得られる。また、上述の機能膜の作成法において、基板を高温処理後直ちに減圧し、溶媒を除去することが好ましい。このように処理することにより、溶媒の濃縮時の内容物の相分離を防ぐことができる。
いずれの材料、機能性素子においても、溶液中の揮発成分を揮発させ、固形分を基板上に残留させることによって素子形成を行うものであり、この固形物がそれぞれの素子の機能を発生させる。すなわち、溶媒(揮発成分)はインクジェット法で液滴を噴射付与するための手段(vehicle)である。
このような液滴43を吐出ヘッドユニット11(噴射ヘッド)により所望の素子電極部に付与する際には、付与すべき位置を検出光学系32と画像識別装置36とで計測し、その計測データ、吐出ヘッドユニット11の吐出口面と機能性素子基板14との距離、キャリッジの移動速度に基づいて補正座標を算出し、算出した補正座標通り機能性素子基板14前面と吐出ヘッドユニット11とをX、Y方向に相対移動させながら液滴を付与する。上記のように、検出光学系32としては、CCDカメラとレンズとを組み合わせたものを用いることができ、画像識別装置36としては、画像を2値化してその重心位置を求める機能を備えた公知のものを適用できる。
次に、液体噴射ヘッドについて、図5、図6を用いて説明する。ここでは七つのノズルを備えた構成を例として説明する。
液体噴射ヘッドは、液体47が導入される流路45内にエネルギー作用部としてピエゾ素子46を設けたものである。ピエゾ素子46にパルス状の信号電圧を印加して図5(A)に示すように、ピエゾ素子46を機械的に歪ませると、流路45の容積が減少するとともに、圧力波が発生し、その圧力波によってノズル48から液滴43を吐出する。図5(B)は、ピエゾ素子46の歪みが無くなって、流路45の容積が増大した状態を示している。
このような噴射ヘッドで液滴を噴射させた場合、図7、図8に示したような形状となる。すなわち、このような電気機械変換素子(ピエゾ素子)の機械的変位による作用力で液体を噴射させた場合、飛翔時の液体は、基板面に付着する直前にほぼ球形の滴形状となる(図7)。又は、飛翔方向に伸びた柱状であっても、その長さは長くともその直径の3倍以内の長さの柱状となる(図8)。
これは、このようなピエゾ素子の機械的変位による作用力で液体を噴射させるという原理によって液滴を噴射させた場合、この原理の持つ特性として得られる結果である。
一般に、電気機械変換素子(ピエゾ素子)の機械的変位による作用力で液体を噴射させるという原理によって液滴を噴射させた場合、液滴の形状は、電気機械変換素子によって液体に与える衝撃力の時間微分した値の大小によって決まる。ピエゾ素子の機械的変位による作用力で液体を噴射させるという原理によって液滴を噴射する噴射ヘッドの場合、液体がノズルから飛び出す時の条件は、丸い液滴又は最大でもその直径の3倍以内の長さの柱状となって噴射、飛翔する条件とほぼ一致している。よって、この原理で液滴を噴射させた場合、飛翔時の液滴の形状は、概ね丸い液滴又は最大でもその直径の3倍以内の長さの柱状である。そしてその時の状態は、飛翔液滴が外乱によって揺らぐことなく安定して飛翔する状態である。また、その時の噴射、飛翔速度は、5m/s〜12m/sの範囲にあると、良好なドットパターンを形成できる。
このような噴射ヘッドを使用して、機能性材料を含有する液体を噴射して機能性素子を形成する場合、上記条件(飛翔時の形状)としているが、仮にそのような条件から外れる場合(通常、そのようなことはほとんどない)においては、機能性材料を含有する液体又はそれと同等の流体物性(粘度、表面張力)を持つ液体を、同等の噴射ヘッドとを使用して噴射し、その際の飛翔形状を顕微鏡下で観察しながら噴射ヘッドの電気機械変換素子への駆動信号を調整(球形又は柱状とのなるように立ち上がり波形を急峻に)して、その駆動信号の調整結果に基づいた駆動信号を、機能性素子基板の製造装置の噴射ヘッドの電気機械変換素子へ入力することにより、所望の安定した飛翔形状が得られるようにしている。
次に、液体噴射ヘッドの他の例について図9を用いて説明する。
図9に示すのはサーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッドの例であり、上記のピエゾ素子による電気−機械変換作用によって液滴噴射を行うのではなく、液体中に短時間(1〜10μs)に加えられた高熱(300〜500℃)で瞬時に発生する膜沸騰気泡の成長作用力を液滴噴射の原動力とするものである。
ここで示した液体噴射ヘッドは、液体の流れる流路短部から液滴が噴射するタイプのものであり、エッジシュータ型と呼ばれるものである。
ここでは、液体噴射ヘッドのノズル数を4個とした例を示している。この液体噴射ヘッドは、発熱体基材66と蓋基材57とを接合することによって形成されており、発熱体基材66は、シリコン基材68上にウエハプロセスによって個別電極69と共通電極70とエネルギー作用部である発熱体71とを形成することによって構成されている。
一方、蓋基材67には、機能性材料を含有する液体が導入される流路を形成するための溝74と、流路に導入される液体を収容する共通液室を形成するための凹部領域75とが形成されており、これらの発熱体基材66と蓋基材67とを図9に示すように接合することにより、流路及び共通液室が形成される。なお、発熱体基材66と蓋基材67とを接合させた状態においては、流路の底面部に発熱体71が位置し、流路の端部にはこれらの流路に導入された液体の一部を液滴として吐出させるためのノズル65が形成されている。ここでは、ノズル形状は矩形であるが、丸などの形状であっても良い。
さらにより噴射安定性を考慮して、端面(ノズル65の領域)に、別途ノズルプレートを設け、所望のノズル径、ノズル形状としても良い。その場合のノズルプレートとしては、Niなどが用いられ、エレクトロフォーミングなどの手法によって高精度に形成される。又は、樹脂フィルム(基材)にエキシマレーザ加工によってノズル孔を穿孔したものを用いるようにしても良い。
なお、蓋基材67には、不図示の供給手段によって供給液室内に液体を供給するための液体流入口76が形成されている。
このような噴射ヘッドで機能性材料を含有する液体を噴射させた場合、図10に示すような形状となる。すなわち、液体中に配された発熱体71が発する熱によって瞬時に発生させた気泡の成長作用力で液体を噴出させた場合、飛翔時の液体は、飛翔方向に伸びた細長柱状であってその直径の5倍以上の長さの柱形状とできる(図10)。
これは、このような液体中に配された発熱体が発する熱によって瞬時に発生させた気泡(膜沸騰気泡)の成長作用力で液体を噴射させるという原理によって液滴を噴射させた場合、この原理の持つ特性として得られる結果である。
一般に、液体中に配された発熱体が発する熱によって瞬時に発生させた気泡(膜沸騰気泡)の成長作用力で液体を噴射させるという原理によって液体を噴射させた場合、電気機械変換素子を用いた場合とは比較にならないほど噴射圧力が高い。このため、気泡(膜沸騰気泡)の成長作用力で液体を噴射させるという原理によって液体を噴射させた場合には、図10に示したように、液柱が細長く伸び、後方に微小なサテライト滴を引きずるような飛翔形態をとる。また、その時の飛翔スピードは、8m/s〜18m/sと高速である。それ故、後方のサテライト滴も先行する細長柱状の液滴とほぼ同じ位置に着弾するため、パターン形成上は何ら支障はない。
このような噴射ヘッドを使用して、機能性材料を含有する液体を噴射して機能性素子を形成する場合、上記条件(飛翔方向に伸びた直径の5倍以上の細長柱状)から外れる場合(通常、そのようなことはほとんどない)においては、機能性材料を含有する液体又はそれと同等の流体物性(粘度、表面張力)を持つ液体を、同等の噴射ヘッドとを使用して噴射し、その際の飛翔形状を顕微鏡下で観察しながら噴射ヘッドの発熱体への駆動信号を調整(細長柱状とのなるようにパルス電圧やパルス幅を増やす、すなわち駆動エネルギーを増大)して、その駆動信号の調整結果に基づいた駆動信号を、機能性素子基板の製造装置の噴射ヘッドの発熱体へ入力することにより、所望の安定した飛翔形状が得られるようにしている。
ピエゾ素子による電気−機械変換作用を用いた方式にしろ、サーマル方式(バブル方式)にしろ、0.1pl〜数百pl程度の液滴を形成するために、噴射ヘッドのノズルはφ3μm〜φ100μmの範囲のものが用いられる。
ライン幅が5μm程度の精細なパターン、ドット径がφ5μm程度の微小ドットパターンを形成するためには、φ3μm〜φ5μmのノズル径が選ばれ、ライン幅が20μm程度のパターン、ドット径がφ20μm程度のドットパターンを形成するためには、φ10μmからφ25μmのノズル径が選ばれる。また、ある領域を全面的に被覆するだけで良い場合には、φ30μm〜φ100μmの大きなノズル径を選択すればよい。なお、ノズル形状が丸ではなく、他の形状(矩形や台形など)である場合には、面積換算で同じ大きさとなるものを選択する。
本実施形態においては、複数の液滴により一つの機能性素子を形成する、又は、複数滴によって機能性素子などを形成するパターンのドットを重ね打ちしたり接触させたりして形成する。よって、このようなマルチノズル型の液体噴射ヘッドを用いると、効率的に機能性素子を形成できる。なお、この例では4ノズルの液体噴射ヘッドを示しているが、必ずしも4ノズルに限定されるものではなく、ノズル数が多ければ多いほど機能性素子の形成が効率的になる。ただし、ノズル数が多くなると液体噴射ヘッドが効果になり、また噴射ノズルの目詰まりが発生する可能性も高くなるため、単純に多くすれば良い訳ではなく、装置コストの機能性素子の製造効率とのバランスを考慮してノズル数を定めることが好ましい。
図11は、マルチノズル型の液体噴射ヘッドをノズル側から見た状態を示す図である。このようなマルチノズル型の液体噴射ヘッドを、図12に示すように噴射する液体ごとに設け、キャリッジに搭載する。図13に、液体噴射ノズルを搭載したキャリッジの斜視図を示す。
図12、図13においては、マルチノズル型の液体噴射ヘッドに、A、B、C、Dと符号を付けているが、各液体噴射ヘッドのそれぞれは、ノズル部分が離間して構成されるとともに、異なる種類に機能性材料を含有する液体を噴射できる。
例えば、A、B二つの液体噴射ヘッドには、それぞれ低抵抗と高抵抗の2種類の導電性材料を含む液体を充填し、Cの液体噴射ヘッドには半導体材料を含む液体、Dの液体噴射ヘッドには絶縁材料を含む液体を充填し、それぞれに独立して噴射できるようにする。
つまり、本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置は、基本的には、複数個の液体噴射ヘッド又はそれらをユニット化したヘッドユニットを備え、複数種類の液体を個別に噴射できるように構成されている。少なくとも4種類の液体を個別に噴射できる構成とすることで、抵抗器、コンデンサ、コイル、有機トランジスタなどの各種素子の製作、又はそれらの素子を組み合わせた電子回路、さらにIC、LSIを模倣したような集積回路を製作できる。
なお、必ずしも4個又は4種類の液体噴射に限定されるものではなく、4個の噴射ヘッドを用意しておく、又は4種類の液体噴射を行えるようにしておけば、基本的な電子回路形成がほぼ可能であり、5又はそれ以上の噴射ヘッドを有していても良い。例えば、上記の4種類の液体に加えて、5番目、6番目、7番目の液体として、以下に示すような赤、緑、青に発光するような有機EL材料を含む液体を噴射するような噴射ヘッドを適宜用意しても良い。
有機EL発光材料を含有した溶液例として、RGB(赤、緑、青)3色用として以下のような成分が挙げられる。
溶媒…ドデシルベンゼン/ジクロロベンゼン(1/1、体積比)
赤…ポリフルオレン/ペリレン染料(98/2、重量比)
緑…ポリフルオレン/クマリン染料(98.5/1.5、重量比)
青…ポリフルオレン
他に、例えばポリフェニレンビニレン系(ポリパラフェニリレンビニレン系誘導体)、ポリフェニレン系誘導体その他のベンゼン誘導体に可溶な低分子系有機EL材料、高分子系有機EL材料、ポリビニルカルバゾール等の時亜量を用いることができる。有機EL材料の具体例としては、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
このように、機能性素子として発光素子あるいはそれを駆動するための有機トランジスタ、さらには複雑な回路構成を実現できるような各種機能性材料を含有する液体を複数噴射できるようにしておくことにより、発光機能及びその駆動を制御するようにしたディスプレイ基板を1枚の基板上に形成できる。
図14に、製作される機能性素子基板14が機能性素子基板保持手段13の上に、溶液の液滴43が付与される面を上向きにして、かつほぼ水平に保持した状態の機能性素子基板の製造装置を示す。このような配置、構成とする理由は、溶液の液滴付与時の液滴の飛翔安定性及び基板上への着弾精度を維持するためである。つまり、溶液の液滴が付与される面を上向きにし、噴射ヘッド11から噴射される溶液の噴射方向を重力作用方向と同じにすることで、飛翔安定性を高め、機能性素子基板14の狙い通りの位置に高精度に液滴43が着弾するようにしている。
さらに、本実施形態においては、溶液を基板上の狙いの位置に高精度に着弾させるために、厚さ0.4mm以上の機能性素子基板14を用い、基板の精度及び機械的な強度を維持することが好ましい。
上記のように、機能性素子基板14としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を低減させたガラス、青板ガラス、SiO2を表面に体積させたガラス基板及びアルミナなどのセラミックス基板などが用いられる。一般にこれらの材料は、金属などと違って脆く破損しやすい。よって、ある程度以上の厚さとしないと、基板搬送時に破損する可能性がある。
一般に、青板ガラスなどは、49MPa程度の湾曲強度を持っているが、いわゆる風冷強化法と呼ばれるガラスの強化方法によって、147MPa程度の湾曲強度を持つ強化ガラスとし、それを機能性素子基板14として使用するのも一つの選択肢である。その際、通常0.4〜10mmの厚さのものまでが上記の147MPa程度の湾曲強度を持つことができる。厚さが0.4mmよりも薄い場合には、風冷強化法では、上記の147MPaという湾曲強度を持たせることはできない、半強化ガラスとすることは可能である。なお、ガラスの強化法として、風冷強化法を挙げたが、ガラス表面のイオンを置換することによって表面に圧力歪みを与える化学強化法も有効である。
機能性素子基板14を高画質の画像表示装置に適用するためには、溶液の液滴の基板上への高精度な着弾が必要となる。その際、高精度な着弾を実現するためには、機能素子基板14に変形や撓みなどが生じてはならないし、それらに起因して高精度な搬送が行えなかったりするようなことがあってはならない。
機能性素子基板14を、300mm×450mm程度の中画面〜2000mm×3000mm程度の大画面の画像表示装置に好適に適用するためには、上記のような破損や変形等に起因する電子源発生素子の精度低下があってはならない。このため、機能性素子基板14の厚さは0.4mm以上10mm以下とすることが好ましい。なお、0.4mmという下限値は、上記のように強化ガラスを安定して形成できる一般的な値である。
さらに、機能性素子作成時の基板の変形を抑えるために、溶液の液滴43が付与される面を上向きにして、機能性素子基板14をほぼ水平に保持する。図15は、図14に示した機能性素子基板保持手段13の上に保持した機能性素子基板14を上から見た図(平面図、噴射ヘッドは省略)である。機能性素子基板保持手段13で機能性素子基板14を保持する際に、面で保持するようにしている。つまり、機能性素子基板保持手段13で機能性素子基板14を保持する際に、垂直に保持したり傾斜を付けて立てかけたりするのではなく、溶液の液滴43が付与される面を上向きにして機能性素子基板14を略水平に保持し、かつ、基板の面で保持する。これにより、300mm×450mm程度の中画面〜2000mm×3000mm程度の大画面の画像表示装置に適用するような基板であっても、機能性素子基板14の自重による変形を無くし、高精度に機能素子を形成できる。
なお、基板厚さの上限に関しては、基板製造コスト、基板素材の加工の容易性、搬送の容易性(重量)などの点を鑑みて、最大でも10mm程度とすることが好ましい。
本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置は、機能性素子部を形成するための機能性材料を含有する溶液を液体噴射ヘッド11によって液滴として空中飛翔させ、機能性素子基板14に付着させることにより、機能性素子を形成する。このような方法によって機能性素子を形成する場合、液滴43の空中飛翔時の安定性を考慮する必要がある。液滴43が安定して空中を飛翔すれば、付着位置精度も高く、高精度に機能性素子を形成できる。一方で、液滴43の付着位置精度が低ければ、良好な機能性素子を形成することはできない。そして、液滴43の空中飛翔時の安定性は、液滴43が空中飛翔するという原理上、空気流等の外乱の影響を受けやすいので、その外乱をシャットアウトするか、又は安定性が向上するような強制力を作用させるか、若しくはそれに類する構成とすることによって、空中飛翔時の安定性を確保しなければならない。
前述のように、本実施形態では、図2に示したような構成の製造装置で噴射ヘッド11をキャリッジ走査しながら機能性材料を含有する溶液を噴射し、液滴を空中飛翔させ、基板に付着させて機能性素子基板を製作する。図2に示す構成においては、製作される機能性素子基板14を水平に配置し、その上にキャリッジ12に搭載された噴射ヘッド11を配置し、液滴43を上から下へ、重力が作用する方向に噴射して形成する。この場合には、重力は、飛翔する液滴43を安定させるように作用するので、液滴43は比較的安定した状態で飛翔する。
しかしながら、噴射ヘッド11の噴射口面から基板までの距離Lが大きくなると、液滴43が空中を飛翔している時間が長くなり、外乱の影響も受けやすくなる。よって、噴射ヘッド11の噴射口面から基板までの距離は、ある範囲内にしなければならないと考えられる。このため、噴射ヘッド11の噴射口面から基板までの距離をどのくらいにすれば液滴の安定した空中飛翔が得られ、高精度な機能性素子が形成できるのかを見出すための実験を行った。
以下に、その結果を示す。実験は図14に示したように、形成される機能性素子基板14の配置を、ほぼ水平にして、液滴43を上から下へ噴射し、噴射ヘッド11の噴射口面から基板までの距離Lを変化させて、液滴の飛翔安定性を調べた。なお、飛翔安定性は直接見ることができないので、液滴飛翔の結果形成される機能性材料を含有する溶液の液滴の基板上での形状を評価した。
以下に、実際の実験に使用した溶液、噴射ヘッドの条件等を示す。使用した溶液は、o−ジクロロベンゼン/ドデシルベンゼンの混合溶液にポリヘキシルオキシフェニレンビニレンを0.1重量パーセント混合した溶液である。また、使用した噴射ヘッドは、ピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドで、ノズル径はφ23μmで、ピエゾ素子への入力電圧を26Vとし、駆動周波数は、12.8kHzとした。その際、下向きに噴射した場合のジェット初速度として、6m/sを得ており、1滴の質量は5plである。キャリッジ走査速度(X方向)は、5m/sとした。なお、噴射ヘッドノズルと基板との距離は3mmとした。
また、飛翔時の液滴の形状を、素子形成と同じ条件で別途噴射、観察し、その形状が、基板面に付着する直前で図7に示したようなほぼ丸い液滴となるように駆動波形を制御して噴射させた。なお、丸い球状が得られず、飛翔方向に伸びた柱状となる場合には、駆動波形を制御してその直径の3倍以内の長さにした(図8参照)。また、その際には、飛翔する液滴の後方に複数の微小な滴を伴うことのない駆動条件(駆動波形)を選んだ。
その後、この上にアルミニウムを蒸着して、素子を形成した。ITOとアルミニウムとによってリード線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として10Vの電圧を印加したところ、下記表1に示すような結果が得られた。表1は、噴射ヘッドの噴射口面から基板までの距離Lを変えて液滴を噴射し、基板上の素子形成状況及び素子性能を評価したものである。
表1において、基板上の素子形成状況の○は狙いの領域(ポリイミドで囲まれた障壁3内)に液滴が付与されたことを表しており、△は部分的にそこからはみ出たことを表しており、×は完全にそこからはみ出て付与されたことを表している。素子性能の○は所定の形状で橙色に発光したことを表しており、×は発光しなかったり部分的に発光(素子としては実使用不可)したことを表している
Figure 2009266422
以上の結果より、噴射ヘッドの噴射口面から基板までの距離Lが0.05mmの場合には、良好な素子形成ができなかった。これは噴射ヘッドの噴射口面から基板までの距離Lがあまりにも近すぎるため、液滴が噴射口端面から分離する前に基板に到達してしまうためと考えられる。また、噴射ヘッドから溶液が上からほぼ下向きに噴射、付与し、噴射ヘッドの噴射口面から基板までの距離Lを0.1mm〜10mmの範囲にすると良好な素子形成が行えるが、それ以上距離Lを大きくすると、次第に良好な素子形成が行えないことがわかる。これは距離Lが大きくなることにより、空中飛翔距離が長くなり、その間に外乱の影響を受けやすくなるためである。
また、前述のように、生産性低下を防止するためには、噴射ヘッド11を搭載したキャリッジ12の走査を止めることなく、キャリッジ走査しながら順次溶液を噴射することが好ましい。その場合、その相対移動速度(例えば図2のキャリッジのX方向移動速度)は、単に生産性向上だけで決定されるべきではなく、高精度な素子群を形成するという観点からも検討されなければならない。このため、本実施形態においては、キャリッジ走査しながら順次溶液を噴射する場合には、その噴射速度を相対移動速度よりも速くしている。
吐出ヘッドユニット11を機能性素子基板14に対して一定の距離を保ちながらX、Y方向の相対移動を行いつつ、溶液の噴射を行って機能性素子群を形成する場合には、溶液の液滴は相対速度と噴射速度との合成ベクトルの速度で機能性素子基板14上に付着、形成される。そして、その位置精度については、機能性素子基板14と吐出ヘッドユニット11の溶液噴射口面との距離と、合成ベクトルの速度とを考慮し、噴射のタイミングを適宜選ぶことにより、その狙いの位置に液滴を付着させることができる。
しかしながら、たとえ、狙いの位置に付着させることができたとしても、相対速度が速すぎる場合には、付着液滴が吐出ヘッドユニットの相対速度に引きずられて機能性素子基板14上で流れ、良好な形状で機能性素子群を形成できなくなる。
この点について検討した結果の一例について以下に説明する。この例は、図2に示すような装置を用い、キャリッジ12のX方向移動速度及び吐出ヘッドユニット11の噴射速度を変えて、機能性素子基板14上に液滴を良好に付着ができ機能性素子として機能するか否か調べたものである。
使用した基板14は、ITO透明電極付きガラス基板に、フォトリソグラフィーによってポリイミドを障壁3として形成したものである。これに図2に示すような製造装置を用い、o−ジクロロベンゼン/ドデシルベンゼンの混合溶液にポリヘキシルオキシフェニレンビニレンを0.1重量パーセント混合した溶液をインクジェット原理で噴射速度を変えて付与した。噴射ヘッドノズルと基板との距離は3mmとした。使用した噴射ヘッドは、ピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドで、ノズル径はφ24μmとし、噴射速度を変えるためにピエゾ素子への入力電圧を18Vから30Vまで変化させ、駆動周波数は、12.8kHzとした。なお、このようなピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドでは、ピエゾ素子への入力電圧を変えることによって噴射速度が変えられるが、噴射滴の質量も変化するので、駆動波形(引き打ちも含めた立ち上がり波形及び立下がり波形)を制御して、噴射滴の質量がほぼ一定(6plにした)とし、噴射速度のみを変えるようにした。
また、飛翔時の液滴43の形状を、素子形成と同じ条件で別途噴射、観察し、その形状が、基板面に付着する直前で、図7に示すように、ほぼ丸い液滴となるように駆動波形を制御して噴射させた。なお、丸い球状が得られず、図8に示すような、飛翔方向に伸びた柱状43となる場合であっても、駆動波形を制御するだけで容易にその直径の3倍以内の長さにはなる(l≦3d)ようにできた。また、その際、図10に示すような、サーマル方式で見られるような飛翔滴43の後方に複数のサテライト微小滴を伴うことのない駆動条件(駆動波形)を選んだ。
その後、この上にアルミニウムを蒸着して素子を形成した。ITOとアルミニウムとによってリード線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として10Vの電圧を印加したところ、下記表2に示すような結果が得られた。表2において、基板上の素子形成状況の○は狙いの領域(ポリイミドで囲まれた障壁3内)に液滴が付与されたことを表しており、△は狙いの領域からわずかにはみ出て液滴が付与されたことを表しており、×は狙いの領域から大きくはみ出て液滴が付与されたことを表している。素子性能の○は所定の形状で橙色に発光したことを表しており、×は発光しなかったり部分的に発光(素子としては実使用不可)したりしたことを表している。
Figure 2009266422
以上の結果より、キャリッジのX方向移動速度が、噴射速度以上であると、良好な素子が形成できないことがわかる。換言すると、ピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドを利用した装置で機能性素子基板を製作する場合、噴射ヘッド11から噴射される液滴43の速度は、キャリッジ12のX方向移動速度より速くしなければならないことがわかる。また、この時の液滴の飛翔条件は、前述のように、飛翔滴43の後方に複数のサテライト微小滴を伴うことのない駆動条件(駆動波形)としているので、これら複数のサテライト微小滴が、不必要なところに付着するということが全くなく、大変良好な機能性素子及び機能性素子基板が得られた。
また、本実施形態においては、機能性材料を含有する溶液をインクジェットの原理で、ガラス基板やアルミナ等のセラミックス基板に液滴として噴射付与することにより、機能性素子群を形成する。その際、問題となるのが、素子電極42の間に液滴によって形成されるドットの形状である。良好な丸いドットが形成されれば、最終的に形成される機能性素子部も高精度に形成でき、良好な機能性素子群を形成できるが、このドット形状が良好でない場合は、機能性素子部も高精度なものが得られない。例えば、形成されるドットが、良好な丸いドットとならず微小滴が飛散したような場合は、良好な機能性素子部を得ることができない。
一般に、インクジェットプリンタは、紙にインクを液滴として噴射付与して画像を得るが、紙の上に着弾したインク液滴は、紙に付着した後、紙の繊維中に速やかに吸収される。または、紙の表面に炭酸カルシウム等を主成分としたインク吸収部材がコートされているため、インク液滴は紙に付着した後、インク吸収部材に速やかに吸収されるようになっている。よって、先に形成されたドットに後続のドットが付着衝突しても、先のドットのインクはすでに紙に吸収されているので、衝突による微小インクの飛び散りはほとんど問題とはならず、また、良好な丸いドットが得られ、高画質な印字品質が得られる。
一方、本実施形態においては、インクジェットの原理で液滴を噴射付与するが、紙ではなく、液体を吸収せず保持する表面特性を有する基板、例えば、ガラス基板やアルミナ等のセラミックス基板、又はプラスチック基板に液滴を付与する。よって、付与された液滴は、インクジェットプリンタで紙に印字する場合とは異なり、基板へ衝突後に瞬時に基板に吸収されるわけではなく、基板面に半球状(又はこれよりもややフラットな形状)に残る。そして、この液滴内の揮発成分が揮発し、内容物が固化する前に後続のドットが付着衝突する。それにより、微小液滴が飛び散って、良好な機能性素子部形成を阻害することがある。また、最初の液滴が付着する場合においても、基板は液体を吸収せず保持する表面特性を有するため、最適な条件を選ばないと液滴が飛び散って、良好な機能性素子部形成を阻害することがある。
つまり、液体を吸収せず保持する表面特性を有する基板、例えばガラス基板、アルミナ等のセラミックス基板、あるいはプラスチック基板にインクジェット方式で液滴を付与する場合は、紙にインク滴を噴射付与する場合とは異なり、条件を選ばないと、液滴は基板面に衝突した際に微小液滴として飛散し、良好な丸いドットが得られない場合がある。この場合には、良好な機能性素子部を得ることができないことがある。この点に鑑み、液滴が基板面に衝突してドットを形成する際に、微小液滴となって飛散することなく良好な丸いドットが形成される条件を見出すための実験を行った。下記表3にその結果を示す。
機能性材料を含有する溶液を、インクジェットの原理で、表面を鏡面研摩した石英ガラス基板に噴射付与した。噴射時の液滴の噴射速度を変え、ドット形成状況(ドット着弾位置精度や形成されたドット形状)、微小液滴飛散状況(メインのドットの周りに飛散した微小液滴の飛散状況)を調べるとともに、最終的に有機EL素子として良好な発光が得られるかどうかをチェックするため、アルミニウムをスパッタし、素子を形成した。
なお、このような液滴及びドットを形成するための具体的な条件は以下の通りである。
使用した溶液は、o−ジクロロベンゼン/ドデシルベンゼンの混合溶液にポリヘキシルオキシフェニレンビニレンを0.2重量パーセント混合した溶液である。また、使用した噴射ヘッドは、ピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドで、ノズル径はφ23μmとし、噴射速度を変えるためにピエゾ素子への入力電圧を16Vから28Vまで変化させ、噴射する液滴の噴射速度を、0.5〜12m/sの範囲で変化させ、それぞれの場合の液滴の着弾位置精度、ドット形状、微小液滴飛散状況を調べた。駆動周波数は、12.8kHzとした。
なお、このようなピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドでは、ピエゾ素子への入力電圧を変えることで噴射速度を変えられるが、噴射滴の質量も変化するため、駆動波形(引き打ちも含めた立ち上がり波形ならびに立下がり波形)を制御して、液滴の質量をほぼ一定(5plにした)とし、噴射速度のみを変えるようにした。
また、この場合キャリッジ走査が引き起こす噴射液滴の噴射不安定の因子を除くため、キャリッジ走査速度を0.1m/sとした(キャリッジ走査速度を液滴噴射速度より遅くし、キャリッジ走査が液滴の着弾位置精度低下を引き起こさないようにした)。
表3において、着弾位置精度の○は、狙いの位置に対して1/2ドット径以内の着弾位置精度であったことを表しており、×はそれ以上であったことを表している。なお、着弾位置精度が狙いの位置に対して1/2ドット径以上であった場合、着弾位置精度は1〜5ドット径まで変化していた(実験No.1〜3)。ドット形状については、○は良好な丸いドット形状が得られたことを表している。全般的に、おおむね良好な丸い形状が得られたが、官能検査でやや丸形状がいびつに感じられたものは△で表している。微小液滴飛散状況は、微小液滴飛散が生じなかったものを○、微小液滴飛散が生じたもの(メインのドットの周辺に小さい飛び散りが発生したもの)を×で表している。
素子性能は、ITOとアルミニウムとによってリード線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として12Vの電圧を印加した場合に、良好に橙色に発光させることができたか否かの結果である。○は所定の形状で橙色に発光したことを表しており、×は発光しなかったり部分的に発光(素子としては実使用不可)したりしたことを表している。
Figure 2009266422
以上の結果より、着弾位置精度、ドット形状、微小液滴飛散状況から判断して、良好なドットを得、実用的な機能性素子(この場合は有機EL素子)を得るためには、液滴の噴射速度を3〜12m/sにする必要があることがわかる。つまり、液滴の噴射速度をこの範囲内にすることにより、噴射が安定し着弾位置精度が向上するとともに、先に付着しているドットに後から付着する液滴が、適切な飛翔速度で衝突するので、不必要な液滴ミストが発生して、周辺に付着するということがなく、非常に高精度な機能性素子のパターンが形成でき、その機能性素子の特性も各素子間でバラツキのない良好なものが得られるようになる。
図16は、図2に示した機能性素子基板の製造装置の変形例であり、図中、77は空気層、76は溶液、83、84はフィルタである。この例では、噴射ヘッド11と液容器71との間にポンプ74を介在させている。また、機能性材料を含有する溶液は、ポンプ74によって、液供給路85、溶液の供給チューブ15を通って補助容器70〜噴射ヘッド11へと運ばれるが、間にフィルタ83、84を介在させている。噴射ヘッド11は、キャリッジ12に搭載され、機能性素子を形成する基板14と対向する位置で、キャリッジ往復運動を行う。そのため、溶液の供給チューブ15には可撓性の材料が選ばれる。例えば、ポリエチレンチューブ、ポリプロピレンチューブ、PTFEチューブなどが好適に使用される。
図17に、本発明の好適な実施の形態に係る機能性素子基板の製造装置における溶液の流れの一例を示す(ポンプ74、補助容器70は省略)。液容器71よりも下流側に少なくとも2種類のフィルタを設けている(フィルタ83、フィルタ84)。これは、インクジェット原理によって、微小なノズルから溶液を噴射するため、ノズルの目詰まりを生じさせないようにするためである。
ここで、フィルタ83は、メインフィルタであり、例えば、孔径(フィルタメッシュサイズ)0.45μmのメンブレンフィルタ(0.45μm以上の異物を除去(トラップ)可能)が用いられる。フィルタ材質は、ニトロセルロース、アセトセルロース、ポリカーボネート、PTFE等よりなるが、これは使用する機能性材料を含有する溶液との適合性(compatibility)を考慮して適宜選ばれる。なお、これよりもさらに孔径の小さい(例えば0.2μm)のメンブレンフィルタも使用可能ではあるが、あまりに孔径が小さいと、フィルタがすぐに詰まって溶液の流れが悪くなり、交換を頻繁にしなければならなくなるので、交換頻度を考慮してその孔径を決めるのがよい。ただし孔径が2μm以上のものは、フィルタ機能として不十分であるのでそれ以下にしなければならない。
本実施形態では、フィルタ83として0.45μmのメンブレンフィルタを使用することにより、液容器71から噴射ヘッド11へ流れる溶液中のほとんどの異物をここでトラップしている。よって、フィルタ83のフィルタトラップ容量(異物トラップ容量)は、最下流のフィルタ84よりはるかに大とされている。
図18は、溶液の流れの他の一例を示している。この例も、液容器71よりも下流側に少なくとも2種類のフィルタを設けている(フィルタ83、フィルタ84)が、ここでは、フィルタ84を噴射ヘッド11に組み込んだ例を示している。
先に図6で説明したピエゾ素子を利用した液体噴射ヘッドで、ピエゾ素子46の手前(上流側)に示した49は、噴射ヘッド11に組み込んだフィルタ84である。
ここで、噴射ヘッド11に導入される液体は、フィルタ84(組み込みフィルタ49)を通過してきたものである。本例では、このように、フィルタ84を噴射ヘッド内に設け、ノズルの最近傍にフィルタ除去機能を持たせている。これは、前述のメインフィルタ(フィルタ83)で、ほとんど100%近い確率で、異物除去を行ってはいるものの、メインフィルタ(フィルタ83)交換時に混入する異物などは、メインフィルタ(フィルタ83)で除去できないので、このように、ノズルの最近傍にフィルタ84を設けているのである。よって、このフィルタ84は、ノズルの最近傍に設けるものであるため、着脱不可としている(これを着脱交換するとまたその作業にともなう異物混入が起きるため)。
しかしながら、異物除去の主体はメインフィルタ(フィルタ83)であり、フィルタ84はあくまでも補助的手段である。よって、前述のように確実に異物除去を行うために、メインフィルタ(フィルタ83)はそのフィルタトラップ容量をフィルタ84よりはるかに大とするとともに、その孔径は、フィルタ84より小さくする。つまり、フィルタ84はフィルタトラップ容量を小さくし、その孔径をフィルタ83よりも大とするような小型の簡易フィルタとすることによって、図18に示したように噴射ヘッド11内に組み込むことが可能となっている。そして、噴射ヘッド11そのものもコンパクト化を実現できている。
また、図17に示したように、噴射ヘッド11の外にフィルタ84を設ける場合も、上記説明と同様に、小型の簡易フィルタとすることによって、図16に示したキャリッジ12上に搭載でき、キャリッジのコンパクト化が実現する。このようなフィルタ84は、例えば、ステンレスメッシュフィルタが好適に用いられ、その孔径は、2μm〜3μmとされる。フィルタ84はあくまでも補助の小型簡易フィルタであるため、前述のような小さいフィルタメッシュサイズを選ぶとすぐにフィルタ詰まりを起こし(噴射ヘッド11内に組み込まれたり、キャリッジ12上に搭載されるような小型サイズであるためフィルタトラップ容量が小さいから)使用不可能になるので、フィルタ83よりも大であるフィルタメッシュサイズとされる。
このように、液容器よりも下流側に少なくとも2種類のフィルタを設け、最下流に設けたフィルタは着脱不可に固定する。また、最下流のフィルタは、噴射ヘッド内又はキャリッジ上に設けるとともにそれより上流側に設けたフィルタよりも、フィルタメッシュサイズを大とする。さらに、最下流のフィルタは、噴射ヘッド内又はキャリッジ上に設けるとともにそれよりも上流側に設けたフィルタより、フィルタトラップ容量を小とする。これらの条件(フィルタメッシュサイズ及びフィルタトラップ容量)を満足するものであれば、最下流に設けたフィルタよりも上流側に設けたフィルタは複数あってもよい。
前述のように、機能性素子群を形成するのに溶液を液体噴射によって液滴を空中飛翔させ、基板に付着させて形成する。その際、問題となるのは、このような機能性素子又はその機能性素子基板の製造上の歩留りである。前述のように、本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置は、インクジェット原理によって機能性素子基板を形成するため、比較的大型(200mm×200mm〜4000mm×4000mm)の機能性素子基板の製造に好適に適用できる。その際、問題となるのが、空気中に浮遊しているごみなどの異物が機能性素子を形成する部分に付着することによる不良素子(=素子製造上の歩留り低下)である。
このようなごみの問題は、LSI製造分野でも問題になっており、それなりの対策がなされているが、本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置で機能性素子を形成する基板は、LSI製造分野で使用されるSiウエハ(6〜8インチ)に比べてサイズが大きく、その分ごみ付着の確率が指数関数的に高くなり、不良素子の発生率が極めて高い。
さらに、キャリッジに搭載された噴射ヘッドが往復運動を行う際に、浮遊ごみを舞い上がらせることも、歩留り低下の要因の一つとなる。
図19に、建物(部屋)及び機能性材料を含有する溶液の液滴を噴射、付与する噴射装置も含めた機能性素子基板製造システムの構成を示す。図19は建物の概念的な図であり、図中、151は外天井、152は外側壁、153は内天井、154は内側壁、155は床、156は床155の支柱であるが、図19は、必ずしも、建物のすべての構成を示している訳ではなく、要部のみを示している。
図19において、天井にはHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)158を設置し、室内にはHEPAを通過した清浄化空気が天井から下に流れている。つまり機能性素子基板製造装置の周囲は壁や天井で囲まれ、上方から清浄化空気が下方に流れるように気流を形成している。そして、床155には穴が開いており、空気が下に抜けるとともに、仮に何らかの原因によって室内にごみ等の異物が発生、あるいは存在したとしても、それらは清浄化空気とともに床下に排出されるようになっており、室内は絶えず清浄化環境に置かれている。このような部屋に、図2や図16に示したような機能性素子基板の製造装置(図19では説明を簡略化するために長方形の図で示した)を機能性素子基板製造装置157として配置する。
このような、機能性素子基板製造装置157が配置されている周囲の環境は、その清浄度の目安をあげると、クラス100(1立方フィートあたり、直径0.3μm以上の塵埃が100個以下)に保たれている。これは、このような清浄化環境としていない一般の室内の環境に比べて100万倍もの清浄度である。
意図的にこのような環境を作り出し、周囲の環境全体を清浄化することにより、液滴付与領域を清浄化状態にして、溶液の液滴付与を行うようにしている。よって、前述のように、装置そのものがキャリッジ往復運動による浮遊ごみをたえず舞い上がらせているにもかかわらず、それ以上に環境を清浄化できる。このため、液滴付与領域にごみを近づけることなく素子製作が行われる。これにより、ごみに起因する機能性素子の不良発生率は限りなく0%に近づけることが可能となる。
なお、図2や図16に示したような機能性素子基板製造装置157を空気清浄化システムが作動している室内に配置した例を説明したが、他の例として、このように室内全体を清浄化しなくても、簡易的にあるエリアのみがそのように空気清浄化システムが作動するようにしてもよい。例えば、通常の室内のある領域のみ、無塵カーテンで覆い、その天井部にHEPAを設置し、そのエリア内に図2に示したような機能性素子基板の製造装置を配置しても、フィルタ交換頻度は高くなるものの同様の清浄度は確保できる。この場合、部屋全体を清浄化するよりもはるかに低コストで、そのような環境が作り出せる。
あるいは、機能性素子基板の製造装置の周辺をボックス形状に囲むようにして上部にHEPAを設置し、その囲まれたエリア内を清浄化してもよい。なお、無塵カーテンの場合、透明ビニルシートなどでカーテンを作製し、内部が視認できるようにしたり、またボックス形状に囲むようにする場合も、そのボックス構成とするための素材を透明アクリル基板としたり、あるいは不透明な素材を用いた場合などはその一部に透明部材よりなる窓を形成したりして、内部の機能性素子基板の製造装置の動作が確認できるようにしたほうがよい。
なお、無塵カーテンの場合にしろ、ボックス構成として囲むにしろ、上から流れてきた清浄化空気が、無用な対流を起こし、液滴噴射に悪影響を及ぼさないようにするためには、速やかに下方に抜けるように気流排出領域を確保しておくことも必要である。
また、製作する機能性素子基板のサイズが小さく(200mm×200mm〜400mm×400mm)、図2や図16に示したような機能性素子基板の製造装置もコンパクトになる場合は、大型のクリーンベンチの中にこの製造装置を配置しても同様の清浄度を確保できる。この場合も、クリーンベンチの天井部分にHEPAが設置され、清浄化空気は設置された機能性素子基板製造装置の上から下へ流れるようにされる。こうすることにより、部屋全体を清浄化するよりもはるかに低コストで、そのような清浄化環境が作り出せる。
機能性素子基板製造装置の操作ができるようにクリーンベンチの前面は開閉可能な扉状とし、内部が視認できるように透明部材で形成することは言うまでもない。
図20は、噴射ヘッドを示したものであり、噴射ヘッド161の周囲には、清浄化気体付与ヘッド162を配している。なお、図では、噴射ヘッド161、清浄化気体付与ヘッド162ともに、それらに接続される液体供給チューブ、気体供給チューブ等は省略してある。清浄化気体付与ヘッド162は、噴射ヘッド161と一体化され、キャリッジ搭載され、噴射ヘッドと161同じように往復運動される。つまり、噴射ヘッド161によって液滴付与される領域を絶えず清浄化気体付与ヘッド162によって清浄化されるようにしたものである。ここで流される気体163としては、フィルタにより清浄化された空気の他に例えば、フィルタにより清浄化された窒素ガスなども好適に使用される。またそれは後述するように清浄化されかつ高温化された気体流である。
また、前述のように、本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置は、基板上に機能性材料を含有する液体の液滴を噴射付与し、液体中の揮発成分を揮発させ、固形分を基板上に残留させることによって機能性素子を形成する。その際、上記のように機能性素子基板製造装置を清浄化環境に置いて、ごみ等の異物が付着することによる機能性素子形成における歩留り低下を防いでいるが、より効率よく揮発成分を揮発させるためにこの清浄化環境を、いわゆる通常の生活環境温度である20℃〜25℃よりも高温化された雰囲気中としている。
そのような清浄化されさらに高温化された雰囲気中に機能性素子基板製造装置を配置する具体的な例を以下に説明する。
図21は、温風付与手段170を模式的に描いたものであり、基本的には、送風手段としてのファン170aと加熱手段としてのヒータ170bと温風付与領域(温風送風口)170cとからなる。
送風手段としては、図示のようなファン170a、あるいはポンプ、コンプレッサーならびにそれと組み合わされたアキュムレータなども使用できる。加熱手段としては、ニクロム線のジュール抵抗加熱の他、ハロゲンランプ、シーズヒータ、セラミックヒータなども使用できる。
このような、送風手段と加熱手段の組み合わせによって形成される加熱空気流(温風)は、次に、前述のフィルタ(HEPA)領域に導かれ、機能性素子基板製造装置が設置される領域の周りの雰囲気をごみ等の異物を除去された高温、清浄化状態とすることができる。なおここでは、空気は加熱プロセスを経てからフィルタ(HEPA)領域を通過する説明をしたが、その順序は逆であってもよいしあるいはほぼ同時であってもよい。
また、前述の清浄化気体付与ヘッド162は、微小加熱領域と微小フィルタ領域を組み合わせて、小形の清浄化/高温化気体付与ヘッドとされる。
清浄化されかつ高温化された空気(気体)流の温度であるが、より効果的に揮発成分を揮発させるためには、温度が高いほど空気(気体)の飽和蒸気圧が大(水分等を取り込める量が多い)であり、また、液体を加熱でき揮発成分を揮発させるのにも有利である。しかし、設置される機能性素子基板製造装置を安定して機能させること、あるいは装置の稼動に人間が介在することを考慮する、すなわち安全面も考慮すると、100℃以下とするのが望ましい。
なお、温風付与手段170は、機能性素子基板製造装置に組み込まれていても良いし、別個に設けられていても良い。
フィルタ通過及び加熱プロセスを経た気体を、機能性素子基板の製造装置の上方から下方に流すように気流の流れを形成することにより、ごみ等が舞い上がることのない環境を作り出すことができ、異物等の付着のない高品位な機能性素子基板を製作できる。
このようにフィルタ通過及び加熱プロセスを経た気体が機能性素子基板製造装置の上から下へ流れるようにされ、清浄化されかつ高温化(加熱)された雰囲気中において、基板上に機能性材料を含有する液体の液滴を噴射付与し、この液体中の揮発成分を揮発させ、固形分を基板上に残留させることによって機能性素子パターンを形成するものであるが、さらにより効果的に揮発成分を揮発させ、固形分を基板上に乾燥、固着させるためには、基板を裏面から加温、加熱するようにすればよい。基板を裏面から加温、加熱することにより、形成されるパターンの乾燥がすばやく行うことができ、歩留りの高い高品質な機能性素子基板を低コストで短時間に形成できる。
具体的には、基板を裏面から加熱するために基板全面に接触でき、効率よく加熱できるプレート状の加熱手段を配置すればよい。
又は、このような加熱手段を別途設けるのではなく、液体を噴射付与する際に基板を保持する基板保持手段に加熱ヒータを組み込み、基板保持と基板加熱とを兼ねるようにしてもよい。このようにすれば、機能性素子基板の製造装置をコンパクト化できる。
好適な一例を挙げると、液体の噴射付与前あるいは噴射付与中、噴射付与後のいずれかにおいて、基板裏面は40℃〜85℃に加熱され、さらに、前述の清浄化されかつ高温化(加熱)された、50℃〜95℃の空気流による雰囲気中に曝され、基板表面からも加熱され、効果的な乾燥が行われる。
前述のように、本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置は、基板上に機能性材料を含有する液体の液滴を噴射付与し、液体中の揮発成分を揮発させ、固形分を基板上に残留させることによって機能性素子を形成する。この場合、揮発成分が揮発する前(未乾燥状態)の液体は、基板上で液体のメニスカスを形成している状態(液滴が基板上でドーム状になっている状態)である。また、そこから少し時間経過し、揮発成分が多少揮発した場合には、その液体のメニスカスが崩れて平らな状態になっているが、いずれにしろ、液体で濡れている状態である。
そのような状態において、前述のようにフィルタ通過及び加熱プロセスを経た気体が液体のメニスカスに吹き付けられると、吹き付けられる条件によっては、液体中の揮発成分を揮発させるだけではなく、濡れた液体のメニスカスを飛散させ、形成されるドット状のパターンを崩し、形状劣化を引き起こしかねない。この点に鑑み、濡れた液体のメニスカスを破壊、飛散させたり、パターンを崩し、形状劣化を引き起こしたりしないような条件を検討した。
一般に、空気は粘性流体であり、その流れには層流と乱流とがある。円管内の流れを考えた場合、管内の流体粒子が管軸に平行に流れるような流れを層流といい、また、流体粒子が径方向に互いに入り乱れて不規則に混合しながら管軸と平行に進んでいく流れを乱流という。よって、乱流の流れの中に、他の流体(液滴、液体のメニスカスなど)が存在すると、不規則な流れに巻き込まれて、その流体が飛散状態となる。すなわち、不要な飛散液体が飛び交い、ドット状パターン形状の劣化につながるため、そのような状態を作り出すべきではない。
より定量的には、流体の動粘性係数をγ、平均流速をu、管の内径をdとした場合に、次式の、
R=ud/γ
によって表される無次元数(これをレイノルズ(Reynolds)数という)が、ある一定の値以下の場合を層流といい、それ以上の場合を乱流という。また、乱流から層流、層流から乱流へと遷移する時のレイノルズ数を臨界レイノルズ(Rc)といい、多くの学者の研究により、
Rc=2310
とされている(普通、臨界レイノルズ数という場合、下限臨界レイノルズ数を指すので、ここでも、Rcの値は下限臨界レイノルズ数である)。
具体的には、例えば、管の内径dが2mmとすると、空気の動粘性係数γは1気圧、100℃の時、約235.1×10-72/sであるから上式を変形し、これらの数値を代入すると、
u=Rc×γ/d
=2310×235.1×10-7(m2/s)/2(mm)
≒27.2(m/s)
となり、空気流速を約27.2m/s以下で流せば層流が得られることになる。そして、このような管が前述のフィルタ(HEPA)領域に導かれる。スリット状の開口の場合は厳密には条件が異なるが、ほぼ同様に考えて差し支えない。
上記計算例は一例であるが、このような下限臨界レイノルズ数となるような開口の大きさ、形状、流速などが適宜選択される。図21に(A)(B)2例を示したのは、開口の大きさを変えた場合の例である。
なお、このような条件で生成された温風は、室内又は機能性素子基板製造装置を囲みこんだ領域内に籠もると、装置そのものが過熱状態になることがあり、電気系統の誤動作を起こすことがある。また、その領域内の機密性が高すぎると高気圧状態となるため、順次生成される温風生成能力が低下する。よって、その領域内の温風排出のための領域を下方に形成し、清浄化、高温化された温風が、機能性素子基板製造装置の上方から下方へ、乱流状態にならないように、室内又は機能性素子基板製造装置を囲みこんだ領域内から領域外へ効率よく逃がすようにしている。
ところで、前述のフィルタ通過及び加熱プロセスを経て、清浄化されかつ高温化された空気や小形の清浄化/高温化気体付与ヘッドから流される気体は、基板14の表面を清浄化したり、基板上の液体の揮発成分を揮発させ、良好な機能性素子を効率よくすばやく形成するためのものであって、決して基板上の液滴付与位置への液滴43の付着を阻害するものであってはならない。具体的には、この清浄化(高温化)気体163の影響を受けて液滴43の飛翔安定性が阻害され、液滴付与位置への液滴43の着弾精度が阻害されるものであってはならない。
図20の例で説明すると、清浄化(高温化)気体163(下向き矢印で示したもの、下向きの速度ベクトル成分を持つ)が基板14に当たり、それが反射して逆流したり、渦を形成したりして(下向き以外の速度ベクトル成分をもつ)、液滴43の飛翔(下向きの速度ベクトル成分を持つ)を妨げるようなことがあってはならない。
この点に鑑み、図19に示したような装置を用い、清浄化気体163の流速と液滴43の噴射速度とを変えて、機能性素子形成を行い、付着液滴が機能性素子基板に良好に付着し、良好な機能性素子が形成できる条件を調べた。
なお図19にはヒータは図示していないが、ここで使用した清浄化気体163は,前述のように加熱プロセスも経たものであり、約60℃の清浄化高温化気体である。
使用した基板は、ITO透明電極付きガラス基板に、フォトリソグラフィーによってポリイミドを障壁3として形成したものである。これに図2に示したようなインクジェット原理を利用した製造装置を用い、o−ジクロロベンゼン/ドデシルベンゼンの混合溶液にポリヘキシルオキシフェニレンビニレンを0.1重量パーセント混合した溶液をインクジェット原理で噴射速度を変えて付与した。噴射ヘッドノズルと基板との距離は3mmとした。
使用したインクジェットヘッドは、ピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドで、ノズル径はφ23μmとし、噴射速度を変えるためにピエゾ素子への入力電圧を16Vから28Vまで変化させ、駆動周波数は、12.8kHzとした。なお、このようなピエゾ素子を利用したドロップオンデマンド型インクジェットヘッドでは、ピエゾ素子への入力電圧を変えて噴射速度が変えられるが、噴射滴の質量も変化するため、駆動波形(引き打ちも含めた立ち上がり波形及び立下がり波形)を制御して、噴射滴の質量をほぼ一定(5plにした)とし、噴射速度のみを変えるようにした。
また、飛翔時の液滴の形状を、素子形成と同じ条件で別途噴射、観察し、その形状が、基板面に付着する直前にほぼ丸い滴になるように駆動波形を制御して噴射させた(図7参照)。なお完全に丸い球状が得られず、飛翔方向に伸びた柱状となる場合には、駆動波形を制御し、その直径の3倍以内の長さにした(図8参照)。また、その際、飛翔滴の後方に複数のサテライト微小滴を伴うことのない駆動条件(駆動波形)を選んだ。
その後、この上にアルミニウムを蒸着して、素子を形成した。ITOとアルミニウムとによってリード線を引き出し、ITOを陽極、アルミニウムを陰極として10Vの電圧を印加したところ、下記表4のような結果が得られた。表4において、基板上の素子形成状況の○は狙いの領域(ポリイミド障壁3内)に液滴が付与されたことを表しており、△は狙いの領域から部分的にはみ出て液滴が付与されたことを表しており、×は狙いの領域からはみ出て液滴が付与されたことを表している。素子性能の○は所定の形状で橙色に発光したことを表しており、×は発光しなかったり部分的に発光(素子としては実使用不可)したりしたことを表している。
Figure 2009266422
以上の結果より、噴射速度が遅い(2m/s程度)と、基板上で良好な素子形成ができず、また、素子性能も良好なものが得られない(発光性能も実使用に適用できない)ことがわかる。一方、噴射速度が速い(5m/s〜12m/s程度)と、基板上で良好な素子形成ができるようになるが、それでも清浄化高温化気体流の流速が速いと素子形成が阻害されることがわかる。上記結果からは、液滴の噴射速度を清浄化高温化気体流の流速よりも2m/s以上大となるようにすれば良好な素子形成ができ、また素子性能も良好なものが得られることがわかる。
なお、図1で障壁3の中に液滴を噴射付与する例を示しているが、機能性素子群を形成するに当たっては、必ずしも、図1に示したような障壁3は必要ではなく、平板上の基板に直接電極パターン形成や、液滴付与による機能性素子を形成してもよい。また、図4では液滴43が基板面に対して斜めに噴射されているが、これは検出光学系32と噴射ヘッド33とを併せて図示するためであり、実際には液滴43は基板に対してほぼ垂直に当たるように噴射される。
以上の説明は、機能性素子として発光素子を形成した場合を中心に行っているが、形成された発光素子基板はその後、ガラスあるいはプラスチック等の透明カバープレートを対向配置、ケーシング(パッケージング)することにより、ディスプレイ装置して活用される。
また、単にディスプレイ装置に適用するのみならず、機能性素子として有機トランジスタなども好適に製作される。また、機能性素子群を大きな機能性素子基板上に製作して、小さなサイズの機能性素子基板としたり、小さなチップに切断して使用することも可能である。さらに、噴射溶液としてレジスト材料などを用いることによって、レジストパターンやレジスト材料による3次元構造体を形成する場合にも適用され、機能性素子とは、このようなレジスト材料のような樹脂材料によって形成される膜パターンあるいは3次元構造体も含むものである。
また、微小な(0.001μm〜1μm)Au、Agなどの金属微粒子を有機溶剤中に分散した溶液も好適に使用される機能性材料を含有する溶液である。このような溶液は、上記のような発光素子や有機トランジスタなどの電極パターンを形成するのに好適に使用される。
このように本実施形態に係る機能性素子基板の製造装置、機能性素子基板製造システムは、形成される機能性素子の形状を崩すことなく非常に高精度な機能性素子群を形成した機能性素子基板をすばやく製作できる。また、簡単な構成でありながら、ごみ等の異物付着による素子形成不良を限りなく低減化でき、歩留りの高い高品質な機能性素子群を低コストで形成できる。
上記実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることなく様々な変形が可能である。
本発明の好適な実施の形態に係る吐出組成物を用い機能性素子を作製する一工程を模式的に示す斜視図である。 本発明の好適な実施の形態に係る機能性素子基板の製造装置の一例を説明するための図である。 本発明の好適な実施の形態に係る機能性素子基板の製造装置に適用される液滴付与装置を示す概略構成図である。 液滴付与装置の吐出ヘッドユニットの要部概略構成図である。 ピエゾ素子を利用した液体噴射ヘッドの液滴噴射原理を説明する図である。 ピエゾ素子を利用した液体噴射ヘッドの構造を示す図である。 ピエゾ素子を利用した液体噴射ヘッドによって噴射させた場合の液滴の形状の一例を示す図である。 ピエゾ素子を利用した液体噴射ヘッドによって噴射させた場合の液滴の形状一例を示す図である。 サーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッドの例である。 サーマル方式(バブル方式)の液体噴射ヘッドによって噴射させた場合の液滴の形状の一例を示す図である。 マルチノズル型の液体噴射ヘッドをノズル側から見た図である。 マルチノズル型の液体噴射ヘッドを噴射する液体ごとに積層し、ユニット化した図である。 ユニット化したヘッドの斜視図である。 本発明の好適な実施の形態に係る機能性素子基板の製造装置における液滴付与装置と基板の位置関係を示す概略構成図である。 図14の機能性素子基板保持手段の上に保持した機能性素子基板を上から見た図である。 本発明の好適な実施の形態に係る機能性素子基板の製造装置の他の例における主要ユニットの位置関係を示す概略構成図である。 本発明の好適な実施の形態に係る機能性素子基板の製造装置における溶液の流れの一例を表す図である。 本発明の好適な実施の形態に係る機能性素子基板の製造装置における溶液の流れの一例を表す図である。 本発明の好適な実施の形態に係る機能性素子基板の製造装置を含む製造システムの全体を示す概略構成図である。 製造システムの清浄化気体流を流すユニットの一例を示す概略構成図である。 加熱気流付与手段を模式的に示した図である。
符号の説明
1 (液体噴射ヘッド)ノズル
2 インクジェット法で吐出される有機EL材料
3 障壁
4 ITO透明電極
5 ガラス基板
11 吐出ヘッドユニット(噴射ヘッド)
12 キャリッジ
13 基板保持台
14 基板(機能性素子基板)
15 機能性材料を含有する溶液の供給チューブ
16 信号供給ケーブル
17、21 コントロールボックス
18 X方向スキャンモータ
19 Y方向スキャンモータ
20 コンピュータ
22 基板位置決め/保持手段
31 ヘッドアライメント制御機構
32 検出光学系
33 インクジェットヘッド
34 ヘッドアライメント微動機構
35 制御コンピュータ
36 画像識別機構
37 X・Y方向走査機構
38 位置検出機構
39 位置補正制御機構
40 インクジェットヘッド駆動・制御機構
41 光軸
42 素子電極
43 液滴
44 液滴着弾位置
45 流路
46 ピエゾ素子
47 液体
48 ノズル
49 (ヘッド組み込み)フィルタ
65 ノズル
66 発熱体基材
67 蓋基材
68 シリコン基材
69 個別電極
70 共通電極
71 発熱体
74 溝
75 凹部領域
83、84 フィルタ
85 液供給路
90 流路
91 ピエゾ素子
151 外天井
152 外側壁
153 内天井
154 内側壁
155 床
156 床支柱
157 機能性素子基板製造装置
158 HEPA
161 噴射ヘッド
162 清浄化気体流付与ヘッド
163 清浄化(高温化)気体
170 温風付与手段
170a ファン
170b ヒータ
170c 温風付与領域(温風送風口)

Claims (11)

  1. 所定の駆動信号を入力することによって機能を発する機能性素子群を、基板上に形成する機能性素子基板の製造装置と、前記機能性素子基板の製造装置が視認できる状態でその周囲を取り囲む部材と、気体フィルタ通過及び加熱プロセスを経て気体を加熱、清浄化する手段とを有する機能性素子基板製造システムであって、
    前記加熱、清浄化された気体の雰囲気中に配置される前記機能性素子の基板製造装置は、
    前記基板を搭載する基板保持手段と、
    前記基板に対向して配置され、機能性材料を含有した液体を前記基板に対して、該基板に到達する際の形状が略球状又は飛翔方向に伸びた柱状であってその直径の3倍以内の長さの液滴として噴射する噴射ヘッドと、
    前記噴射ヘッドに液滴噴射情報を入力することにより、前記液滴の噴射を指示する制御手段と、
    前記噴射ヘッドと前記基板とを前記機能性素子の形成面に対して平行に相対移動させて任意の位置に移動させる走査手段とを有し、
    前記基板保持手段は、前記基板と前記噴射ヘッドの液体噴射口面との距離を所定の距離に保って保持し、
    前記噴射ヘッドは、前記噴射ヘッドと前記基板との相対移動の速度よりも速く、且つ前記加熱、清浄化された気体の流速よりも2m/s以上速い速度で前記液滴を噴射し、
    前記液滴制御情報に基づいて前記噴射ヘッドが前記基板上の所定の位置に噴射した液滴中の揮発成分を揮発させて前記機能性材料を含む固形分を前記基板上に残留させることによって、前記機能性素子群を前記基板上に形成することを特徴とする機能性素子基板製造システム。
  2. 前記基板保持手段は、前記基板と前記噴射ヘッドの液体噴射口面との距離を、0.1〜10mmに保持することを特徴とする請求項1記載の機能性素子基板製造システム。
  3. 前記噴射ヘッドは、ピエゾ素子の機械的変位による作用力によって、前記液滴を5〜12m/sの噴射速度で噴射することを特徴とする請求項1又は2記載の機能性素子基板製造システム。
  4. 前記液滴が微小な滴を伴って噴射されないように、前記ピエゾ素子への入力駆動波形を制御することを特徴とする請求項3記載の機能性素子基板製造システム。
  5. 前記走査手段は、前記基板と前記噴射ヘッドとを、互いに直交する2方向に相対移動させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の機能性素子基板製造システム。
  6. 前記液体を収容する液体収容手段と、前記噴射ヘッドとの間に、前記液体を濾過する液体フィルタを少なくとも2種類設け、前記噴射ヘッドに最も近い液体フィルタは、他の液体フィルタよりもメッシュサイズが大きく、且つフィルタトラップ容量が小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の機能性素子基板製造システム。
  7. 前記基板を裏面から加熱する加熱手段を有し、
    前記液滴中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基板上に残留させる際に、前記加熱手段によって前記基板を加熱することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の機能性素子基板製造システム。
  8. 前記加熱手段が、前記基板保持手段に組み込まれたことを特徴とする請求項7記載の機能性素子基板製造システム。
  9. 前記液体中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基板上に残留させる際には、前記基板を前記加熱、清浄化された気体に曝すことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の機能性素子基板製造システム。
  10. 前記加熱、清浄化された気体が、前記機能性素子基板の製造装置の上方から下方へ流れるように気流を形成することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の機能性素子基板製造システム。
  11. 前記液体中の揮発成分を揮発させ、固形分を前記基板上に残留させる際には、前記基板を前記加熱、清浄化された気体に曝すことを特徴とする請求項10記載の機能性素子基板製造システム。
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